【2007年8月6日〜8月12日】


■戦闘員、「アメリカのスパイ」2人を斬首[070812 Daily Times]

戦闘員たちが北ワジリスタンで、アフガニスタンの米軍のために「スパイ行為をしていた」アフガン人2人を斬首した。

日曜日にミランシャーで、首なし死体が発見された。「私はアメリカ人のためとスパイ、アビブル・レーマンです。私の父はザヒールで、祖父はグーラムです。私はアフガニスタンのコースト出身で、パキスタンのミランシャーとミールアリにいるタリバンをスパイすることで、月給200ドルをもらっていました。私の友人もアメリカ人のためにスパイ行為をしています。彼らの名前を、タリバンに教えました」というメモが残されていた。

ダータ・ヘールのバザールで発見された別の首なし死体は、アミール・ハーンのものだという。彼もコースト出身である。レーマンのものと同じような内容のメモが、遺体のそばに残されていた

銃で撃たれたアフガン人の遺体が、タンクのそばのワジリスタン〜ジャンドールの道路で発見された。殺されたのはデーラ・イスマイル・ハーンの、グル・ムハンマドだという。彼の遺体にも、身元と自白書を示すメモが残されていた。

hoonMilitants behead two 'US spies'
MIRANSHAH

■パキスタンとアフガニスタン、過激派戦闘員との戦いに合意[070812 Reuters]

日曜日にパキスタンとアフガニスタンの大統領が、タリバンとアルカイダの過激派戦闘員と戦うために協力し合うことを約束した。

パキスタンのムシャラフ大統領が、カブールで開催されたジルガの閉会式で演説した(中略)。「合同平和ジルガは、両国にとってテロリズムは共通の問題であり、テロとの戦争は、両国の政策と安全のために不可欠だということを認める」とする声明が発表され、ジルガの参加者たちの同意を得た。

アナリストたちによると、今回のジルガは第一段階にすぎないという。第2回目が、パキスタンで開催予定であるが、まだ日程は決定していない(後略)。

hoonPakistan, Afghanistan agree on fighting militants
Sayed Salahuddin、KABUL

■アフガニスタンの戦闘で29人死亡[070812 AFP]

アフガニスタン各地におけるタリバンの攻撃で、国際軍兵士4人と過激派戦闘員24人を含めた29人が死亡した。

(中略)米軍主導軍兵士3人とアフガン人通訳が、パキスタンとの国境付近における戦闘で爆発により死亡した。タリバン報道官によると、ナンガルハルにおけるタリバンの攻撃で死亡したのは、米兵だという。

土曜日にアフガニスタン南部で英兵1人が死亡し、5人が負傷したと、英国防省が発表した。攻撃は、ヘルマンド州のサンギンで起きた。

ウルズガン州では土曜日に、戦闘員たちがアフガン国軍を攻撃したあとで、戦闘機が呼び寄せられた。「4人の敵が殺害され、遺体はまだ現場に放置されている」という声明が発表された。これとは別に、同じ地域でタリバン戦闘員3人が殺害された。

さらにここ24時間以内に、アフガン兵2人が殺害されたというが、詳細はわからない。

過激派戦闘員たちがワルダック州の地区警察本部を乗っ取ろうとしたために5時間に及ぶ戦闘となり、戦闘員4人が死亡した。

さらにガズニ州では、アフガン軍と同盟軍が土曜日に過激派戦闘員と衝突し、戦闘員4人を殺害したという。

hoon29 dead in Afghanistan fighting
KABUL

■北ワジリスタンで3人死亡[070812 News]

北ワジリスタンで土曜日、戦闘員とは明らかに無関係の部族民3人が、新たに発生した戦闘で死亡するとともに、準軍隊兵士2人を含めた6人が負傷したと、関係者が述べた。

事件は、ミランシャーから20キロ離れたエイソリ村の近くの幹線道路沿いにあるパタサイで起きた。バヌーに向かっていた軍隊の車列が、簡易爆弾で爆発された。車輛1台が破壊され、兵士1人が負傷した。

目撃者によると、車列の兵士たちがあたりかまわず銃撃したという。ミランシャーから戦闘ヘリコプターも飛来し、車や家屋を攻撃した。兵士の発砲で地元マドラッサの学生が撃たれ、死亡した。また近くの村の男性も撃たれ、その後死亡した。村人4人も負傷している。

ミランシャー郊外のゴーラ・カブリスタンの近くの検問所のそばで、ミランシャーの住民であるカディール・ハーンの遺体が発見された。検問所で起きた戦闘員と兵士との間の銃撃戦に巻き込まれ、死亡したと思われる。戦闘員たちが検問所を攻撃し、その後逃走した。カディール・ハーンが自転車で現場を通ったときに、銃撃戦に巻き込まれたと思われる(後略)。

hoonThree killed in North Waziristan
MIRANSHAH

■タリバン、「韓国人2人を解放」[070811 BBC]

タリバンによると、3週間以上も拘束されている韓国人21人のうち、女性2人が解放された。

タリバン報道官のユースフ・アフマディが語ったところによると、病気の2人が「誠意の印」として解放されたという(中略)。韓国とタリバンの代表がガズニで話し合いを続けているが、事件の解決は近いと述べていた。

別のタリバン報道官のザビフッラー・ムジャーヒッドが『AFP』に、「我々は正直に行動しており、政府も誠意を見せ、捕われている我々の仲間を釈放してほしい」と述べた。

hoonTaleban 'release two S Koreans'

■ムシャラフ、カブールのジルガ参加を準備、戦闘員への新たな攻撃[070811 AFP]

土曜日にパキスタン軍の戦闘ヘリコプターがパキスタンの北西部を新たに攻撃するとともに、ムシャラフはカブールのジルガへの参加を準備し始めた。

土曜日に、戦闘員によって北ワジリスタンのミールアリの軍事基地が攻撃されたあと、コブラヘリコプターが戦闘員3人を殺害したと軍が発表した。

「治安部隊の車列が通過したところ、簡易爆弾が爆発した。負傷者はいない」と、軍報道官のワヒード・アルシャンド少将が述べた。「その後武装した抵抗勢力たちが自動兵器で治安部隊兵士を攻撃して、兵士1人を負傷させた」。「報復としてヘリコプターが攻撃して、戦闘員3人を殺害した」という。

木曜日にムシャラフ大統領は、部族民長老700人が出席している「平和ジルガ」への参加を取りやめたが、金曜日の夜にイスラマバードの外務省が、大統領は閉会式に参加することに同意したと述べた。

木曜日にライス国務長官がムシャラフと電話でジルガや緊急事態発令に関して話し合った。

hoonMore assaults on militants as Musharraf prepares for Kabul jirga
ISLAMABAD

■英兵、アフガニスタンで死亡[070811 AFP]

金曜日にNATO主導ISAF軍の英兵が、アフガニスタン南部でパトロール中にタリバンとの戦いで死亡した。この戦いで別の英兵も負傷した。

兵士たちは、ヘルマンド州のサンギンのジュシャレイ近くで実施されている、地元の灌漑プロジェクトをパトロールしていた。タリバンたちに攻撃された。

「この戦いで、兵士2人が負傷した。救援ヘリコプターが飛んだが、残念ながら、1人が現場で死亡した」(後略)。

hoonBritish NATO soldier killed in Afghanistan
KABUL

■タリバン、アメリカの攻撃より一歩先に[070811 Asia Times]

現在部族民リーダー数百人を巻き込んで行なわれているジルガは、国境の両側からタリバンやアルカイダを一層するためのものである。

この後は米軍の協力を得てパキスタン軍が、場合によっては米軍だけで、パキスタンにある戦闘員の基地を攻撃することになっていた。

問題は、アメリカが慎重に見つけ出した基地は、すでになくなっていることだ。単純な田舎者ではあるが、戦いには慣れているタリバンはまだ戦うことを望んでいる。戦闘は、タリバンが選んだ戦場で行なわれる。

アメリカはイスラマバードに、基地の在処を詳細に示す調査報告書を提出した。しかしこれらの訓練所には、動きが見られない。

諜報情報によると、イスラーム原理主義者ムッラー・アブドゥル・ハリークが運営する基地以外は、すでに解体したという。シラージュディッ・ハッカーニ、グル・バハドゥール、バイトゥッラー・マフスード、ハッジ・オマルなどのタリバン司令官は、 消えてしまった。北ワジリスタンに隠れていたアラブ共同体の幹部も、いなくなってしまった。

《新たな戦場》

アルカイダの責任者たち(シューラ)は、北西辺境州のバヌー地区のジャニ・ヘール村に移動した。ザワヒリもここにいる。

ハッカーニを始め、タリバン責任者たちは、アフガニスタンのコーストやガルデズにおり、これらの地域で戦いが行なわれると思われる。

ジャニ・ヘールにいるアルカイダたちは、カラック、コハート、タンク、ラキ・マルワット、デーラ・イスマイル・ハーンに広がっていく。コハートにはパキスタン軍司令官本部があり、ここから各地の作戦が指揮されるために、今後戦闘の中心になるうる。コーストは、米軍の補給や兵站的拠点であるコハートの滑走路と、直接つながっている。

2つ目の回廊は、パキスタンの南北ワジリスタン、カイバル行政区、クラム行政区、バジョール行政区、ディール、モーマンド行政区、チトラル、そしてアフガニスタンのナンガルハル、クナール、ヌーリスタンである。

しかし最も戦闘が激しくなるのが、コーストとガルデズだろう。2006年のヘルマンドやカンダハルの春の作戦など、かすんでしまうはずだ。

《タリバンの進化》

タリバン司令官だったダドゥッラー師の氏で、タリバンの指令系統に大きな変化が生じた。

英雄的司令官の死はアフガニスタン南西部のタリバンにとっては大きな打撃だった。アフタル・オルマニがヘルマンドで既に殺害されてしまっているために、彼に代わる者はいない。

打撃を受けたあと、タリバン幹部たちはヘルマンドウルズガン、ザーブル、カンダハルを出て、クエッタに数週間ぶらぶらしていた。

そして6月になってタリバン責任者のオマール師が、新たなガイドラインを発表した。それは次のようなものである。

まずアフガニスタン南西部では、中央軍隊司令部のメンバーは活動しない。司令官グルーブに特定の地域があてがわれ、そこで独自の戦略を行なう。この戦略は、この地域にタリバンが指定した「知事」だけに知らされ、彼がこれをタリバンの中央指令議会に伝える。各地から入ってくるこのような情報をもとに、議会は特定の地域のために、特定の戦略を考える。「英雄」の死は、その支持者たちに大きな影響を与えてしまうので、タリバンは今後はダドゥッラー師のような特定の狂信者を排除する。タリバンのメディア情報局を分散するために、4人の報道官が任命された。各報道官はあてがわれた管轄地だけを担当し、万が一逮捕された場合、その地域の情報しか流出しないようにする。全員に、カリ・ユースフ・アフマッドという、同じ名前が与えられた。

草の根の援助を受けたために、タリバンがヘルマンドとウルズガンに新たな拠点を獲得し、この「暫定的」なプログラムは、数週間もたたないうちに効果を発した。ジャラウッズィン・ハッカーニの司令官たちが、大活躍した。

《パキスタンはどこに立つ》

「テロとの戦争」におけるパキスタンの立場は、危うくなっている(中略)。しかし今週末に平和ジルガが終結すれば、戦争を開始しなければならない。アメリカはいらいらしている。

パキスタンは、タリバンとアルカイダとの戦闘に従事していると主張してきた。しかし興味深いことに、現在の軍事政権は、連立政権内で反米運動を行ない始めた。

まず現パキスタン・ムスリム連合会長のムシャヒッド・フセイン・サイードが、アメリカがパキスタンを攻撃した場合、正面から対戦することを呼びかけた。また議会で国防を担当するタンヴィール・フセイン・サイード元少佐は、アメリカとの関係を断ち、タリバンはアフガニスタンに組み入れなければならないと述べた。宗教省のエジャーズ・ウル・ハクは、パキスタンとアメリカの関係や「テロとの戦争」に参加するべきかどうか、見直す必要があると発言した。

これは修辞学的なものとして無視できるかもしれない。しかしワシントンは、パキスタンが方向転換をしたと考えるかもしれない。

hoonTaliban a step ahead of US assault
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■北ワジリスタンで戦闘員10人死亡[070810 News]

木曜日に陸軍ヘリコプターが、北ワジリスタンで軍の車列を爆破後に逃走しようとしていたトラック2台と車に乗った戦闘員たちを攻撃して、戦闘員10人を殺害したと、関係者が述べた。

車列の近くで爆発があり、兵士5人が負傷したと、軍報道官のワヒード・アルシャッドが述べた。10〜12人の戦闘員が殺害されたという。

アルシャッドによると、軍のヘリコプターがロケット砲や小兵器を持った戦闘員を追跡たという。

木曜日に簡易爆弾2発が爆発して、兵士5人が負傷した。攻撃はミランシャーから20キロ離れたボヤ検問所で起きた。目撃者によると、30台からなる車列がミランシャーからダータヘールに向かっていたところ、遠隔操作爆弾で爆破されたという。爆発で車輛2台が破壊され、5人が負傷した。

(中略)いっぽうタンクのジャンドーラから南ワジリスタンのサラ・ロガー地域のキャンプに向かっていた国境警察隊の車列に乗っていた16人が、夕方になっても目的地に到着していないという。

南ワジリスタンのワナから追い払われ、マフスード族の居住区に移動したウズベク人戦闘員が、警備隊の人間を拉致した可能性があるという。

hoon10 militants killed in North Waziristan

■英国、アフガニスタンにおけるアメリカの空爆を批判[070809 New York Times]

アフガニスタン南部にいる英軍司令官が、米軍特殊部隊が一般市民の犠牲者を多数出しているせいで地元の人間の信頼を勝ち取ることができなくなっているために、自分が担当している地域から撤退するよう要求したと述べた。

別のヘルマンド州の英軍関係者も、米軍特殊部隊がこの地域で多数の一般市民の犠牲者を出していると述べた。アメリカが必要以上に武力を用いているために、人々は外国軍に反発を感じており、そのために自分たちの努力が台無しになっているという。

米軍報道官は、米軍に撤退を促されたという事実があったことも、自分たちが犠牲者を出しているという事実も否定した(中略)。

米軍特殊部隊は2001年の暮れからヘルマンドで活動しており、ゲレシュクの町の郊外に、小さな拠点を持つ。しかし外国軍の数は数百人に留まっていた。

英軍は2006年の春に到着し、ヘルマンドに6000人が駐屯する。エストニアやオランダの小隊もいる。米軍特殊部隊は戦闘員たちとの戦いに協力し、アフガン国軍のアドバイザーとして活動している。

これらの米軍チームが、非難されているのだ。彼らは空の援護を受けながら、小さなユニットで行動している。この特殊部隊はしばしばヘルマンドで空爆を実施しており、一般市民の犠牲者が多数出ている。

去年の11月には、カンダハルで遊牧民31人が空爆で死亡した。さらに4月にはアフガニスタン西部で57人の村人を殺害したが、その半分が女性と子供だった。どちらも、米軍特殊部隊が空爆を要請したからである。

(中略)米軍特殊部隊は開発や医療協力もしている。(中略)しかし英軍司令官によると、サンギンは最近平穏であり、米軍特殊部隊は必要なくなったという。「もうタリバンの大部隊はない。小さな部隊には、我々が対処している。ここで復興や開発を開始しようとしている」という。

(中略)ヘルマンドでは、一般市民が死亡しているという報告がここ数ヵ月の間続いている。しかし、ジャーナリストたちが現場に入ることができないために、これを確認できない。

だが、犠牲者を見たと主張する英軍・アフガン軍関係者はいる。5月8日にサルワン・カーラ村で空爆が実施された際に、村人が21人の一般市民犠牲者を運んで来て、政府に証拠として見せた。当時米軍特殊部隊がタリバンと戦い、空爆が使用されたという。

3日後、近くのスラ・ガール村が空爆された。サンギンのすぐ南にある英軍基地に、米軍の作戦で負傷した18人の市民が運ばれ、治療のためにNATO軍病院に送られた。

ヘルマンドを7月中旬に訪れたあるジャーナリストは、5月の空爆で受けた傷がいまだに癒えない子供たちに遭遇した。父親が彼らを英軍基地に連れてきて、協力を求めていた。2歳の息子はひん死の状態だった。姉は金属片で負傷していた(中略)。

父親によると、爆撃で家族6人が死亡し、5人が負傷したという。妻は両腕を失い、子供たちの祖母は殺された。タリバンが村を通過したあとに空爆があり、20人が死亡したという。当時タリバンは、村からかなり離れた地点で米軍と戦っていたために、戦闘機は誤って空爆したようだ。

彼によると、タリバンには反対しているが、村が空爆されたために憤慨した生存者たちは、全員抵抗運動に加わったという。人々が外国軍を支持するかどうかは、「ISAFの行動次第だ」とムハンマドゥッラーが語った。「住民と良好な関係を築けば、彼らは勝利する」。

(中略)「アメリカ人たちはたった1人の人間を追うために、我々を殺害して村を破壊している」と、ムハンマドゥッラーはビンラディンについて言及した。「だから我々にとって、アメリカ人たちは疫病神で、アフガニスタンを破壊するためにやってきたと思っている。男性や女性、子供、動物の区別がつくはずなのに、全員を殺害している」。

サンギンから30分離れたクタイジ村のあるムッラーは、復興や協力により、人々の心を変えることができるはずだという考えに懐疑的だ。

「まず私を殺す。それから私の家を建てるというのだろうか」と言う。「私がすでに死んでいて、息子も死んでいたら何の意味があるのか。いいことなんて、ちっともないじゃないか」。

garrBritish Criticize U.S. Air Attacks in Afghan Region
CARLOTTA GALL、SANGIN

■ムシャラフ、緊急事態を否定[070809 Reuters]

ムシャラフは緊急事態宣言を出すことを却下し、まずは総選挙を優先することにしたと、報道官が木曜日に述べた。

テレビ局や新聞各紙が、ムシャラフが非常事態宣言を出す可能性があると報道していた。「大統領は、現在非常事態宣言を出す必要性はないと見ているようだ」と、情報相のムハンマド・アリ・デュラニが述べた。「大統領は各方面から非常事態宣言を出すように圧力をかけられたが、自由で公正な選挙を実施することがまずは大事だと信じている」という。誰が圧力をかけたかに関しては、言及しなかった。

今度の選挙で連立政権が最も被害を受けると見られており、ムシャラフは最高裁判所長官を更迭して以来、支持を失いつつある。

ブッシュ大統領は木曜日、ムシャラフに自由で公正な選挙を実施するよう促した。またライス国務省長官もムシャラフに電話して、「パキスタンの政治状況」について話し合ったという(中略)。リチャード・パウチャー国務省副長官が、来週ムシャラフを訪問予定である。

パキスタン政府報道官は、最近の自爆攻撃やタリバンやアルカイダと関係のあるイスラーム主義戦闘員たちの脅威を理由に、非常事態宣言を出す可能性があると示唆した。また副情報相のタリーク・アザム・ハーンは、アメリカはアルカイダやタリバンがいるという信頼できる情報があれば、パキスタン国内を攻撃する準備があるというワシントンの政治家たちのコメントからも、非常事態宣言を出してもおかしくないと述べた。

しかしアナリストや野党は、非常事態宣言を利用して、ムシャラフが陸軍長官でありながら大統領に就任できるよう、憲法を改正しようとしていると見ている(後略)。

smellMusharraf rejects emergency
Zeeshan Haider、ISLAMABAD

■対テロジルガ、ムシャラフ不在のまま開始[070809 AFP]

アフガニスタンとパキスタンの部族民リーダーが木曜日から3日間、タリバンとアルカイダによる武力沙汰に対抗するための話し合いを実施する。

パキスタンの2つの部族地帯から部族民長老たちがこの「平和ジルガ」に参加し、両国の数百人の代表者が集る。タリバンは、アメリカにお膳立てされた話し合いだとして、ジルガをボイコットしている。

カブールには約2500人の警察や軍が配備され、警備にあたる。(後略)。

hoonAfghan anti-terror meet opens without Musharraf
Sardar Ahmad、KABUL

■パキスタン、「非常事態宣言を出す可能性あり」[070808 BBC]

パキスタン政府は非常事態宣言を出すことを考えていると、情報相が語った。

タリーク・アジームは非常事態宣言を出すかどうか検討中だと述べ、パキスタンのテレビ局は、宣言が出される可能性が高いと報道した。

非常事態宣言により、裁判所の役割、国民の自由、表現の自由が規制される。これに先立ちムシャラフ大統領は、アフガニスタンで開催予定のジルガへの出席を取りやめた。

(中略)非常事態宣言が出た場合、一般市民を拘束する期間は延長され、国会はこのまま1年間継続されることになる。

オブザーバーによると、ムシャラフはこれを宣言した場合、彼と敵対している司法に影響が出るだろうと語る。さらに総選挙を延期することも可能で、そうなれば彼は陸軍長官としての地位を存続することになる(後略)。

hoonPakistan 'may declare emergency'

■ムシャラフ、アフガニスタンのジルガに欠席[070808 AFP]

ムシャラフ大統領は、タリバンとアルカイダによるテロ行為に終止符を打つためにアフガニスタンで予定されていたジルガに、参加しないことになった。

ジルガは木曜日に開始予定だが、ムシャラフ大統領はカルザイ大統領に電話をかけて、自分の代わりにショーカット・アジズ首相が参加すると伝えたと、外務省が発表した。両国のジルガは、ブッシュ大統領の仲介で実現することになっていた。

ムシャラフとカルザイは2人でジルガに参加予定だったが、パキスタンの7つの部族地帯の中の南北ワジリスタンは、ジルガのボイコットを表明している。

ohMusharraf pulls out of tribal meeting in Afghanistan
ISLAMABAD

■パキスタン、ジルガに先立ちアルカイダを攻撃[070808 AFP]

タリバンとアルカイダに対抗するためのジルガの開催が予定されている最中、アフガニスタンとの国境近くを襲撃して、戦闘員少なくとも12人を殺害したと、パキスタンが水曜日に述べた。

軍によると、火曜日に戦闘ヘリコプターと迫撃砲を用いて、北ワジリスタンにあった戦闘員の隠れ家を攻撃したという。「6〜8人のアラブ人、タジーク人、チェチェン人が殺害されたという報告があるが、確認されていない」と、軍報道官のワヒード・アルシャッドが語った。このほかに戦闘員10人が負傷したという。

諜報情報により、これらの建物が戦闘員の拠点として用いられているという確かな情報があったために、約3時間に及ぶ作戦が実施されたという。「戦闘員たちは治安部隊を攻撃しては、建物の中に隠れていた」という(後略)。

hoonPakistan strikes Al-Qaeda ahead of tribal council
Rana Jawad、ISLAMABAD

■北ワジリスタンで戦闘員10人死亡[070808 News]

火曜日の朝、コブラ戦闘ヘリコプターが北ワジリスタンの僻地にある村を空爆し、パキスタン軍によると抵抗勢力10人が死亡したという。また遠隔操作爆弾が爆発して、兵士1人が死亡、1人が負傷した。

デガン村の空爆における死亡者数には、さまざまな説がある。軍報道官のワヒード・アルシャッド少将によると、戦闘員10人が死亡したといい、北ワジリスタンの諜報組織関係者も、同じ数をあげた。

しかし部族民情報源やデガン村の長老によると、爆撃により村人3人だけが負傷したという(中略)。

ミランシャーの住民によると、コブラ戦闘機8機が火曜日早朝、デガン方面に向かって飛んでいるのを目撃したという(中略)。

いっぽうバンダ検問所の近くにある沢に水を汲みに出かけた兵士が、簡易爆弾によって死亡した。別の兵士1人が負傷した。事件のあとパキスタン軍の戦闘ヘリコプターがバンダに飛び、抵抗勢力が潜んでいそうな場所を空爆した(後略)。

hoon10 militants killed in N Waziristan
MIRAMSHA、Mohammad Mujtaba

■パキスタンの攻撃で戦闘員10人死亡[070807 Reuters]

火曜日、戦闘ヘリコプターに援助されたパキスタン治安軍が、アフガニスタンとの国境付近にある戦闘員の隠れ家2ヵ所を攻撃して戦闘員10人を殺害したと、軍が発表した。

北ワジリスタンのデガン地域で夜明け前に実施された攻撃で、親タリバン系戦闘員が使用していた城塞のような建物を破壊したと、軍報道官のワヒード・アルシャッド少将が述べた。「地元の情報源によると、地元戦闘員少なくとも10人が殺害され、7人が負傷した」という。

ミランシャーにいる諜報組織関係者は、戦闘員27人が死亡したという情報があると述べた。

hoonTen militants killed in Pakistan strike
Haji Mujtaba、MIRANSHAH

■タリバン、めずらしい正面攻撃[070807 BBC]

アフガニスタンの米軍主導軍が、同盟軍基地をめずらしく正面攻撃してきたタリバンを追い払い、少なくとも戦闘員20人を殺害した。

米軍によると、ウルズガン州にあるアナコンダ基地を、戦闘員75人が乗っ取ろうとしてきた。米軍とアフガン軍が迫撃砲や機関銃、空爆で対戦した。アフガン兵2人が負傷した。敵のロケット推進手榴弾で、若い女の子2人を含む一般市民4人が負傷した。

同盟軍報道官のバネッサ・ボウマンが、「この攻撃で、タリバンは絶望的になっていることが証明される」と述べた。アナコンダのような僻地にある基地には、通常数十人の兵士しか駐屯していない。「敵がアナコンダに打撃を与えることができないことは、戦闘員たちの力不足を証明する」という。抵抗勢力は一般的に基地を攻撃しては撤退したり、道路脇に爆発物を仕掛けたり、簡易爆弾を用いる。

これとは別にカンダハルで、抵抗勢力が警察の車列を襲撃した。警察官6人と戦闘員15人が死亡した。

hoonTaleban in rare frontal assault

■パキスタン軍、戦闘員隠れ家を破壊[070807 AP]

火曜日、戦闘ヘリコプターに援護されたパキスタン軍が、北ワジリスタンの戦闘員の隠れ家を破壊したと、軍が発表した。

軍報道官のワヒード・アルシャッドによると、治安部隊が「戦闘員がいるという信頼できる情報を得たために」、ミランシャーから西に10マイルほど入った場所にあるデイガン村の戦闘員の隠れ家を攻撃したという。

しかし、戦闘員の死亡者数は明らかではない。隠れ家は「破壊」されたというが、治安部隊はいまだに大砲を撃っているという。

地元の治安関係者によると、戦闘員たちが応戦して、両者とも軽・重火器を使用しているという。

ミランシャーの住民によると、大砲の音が聞こえ、それた迫撃砲が一般家屋に当たり、一般市民3人が負傷したという。治安関係者もデイガンにある家屋に兵器が当たったことを認め、3〜4人が負傷したと述べた(後略)。

hoonPakistan forces destroy militant hideout
BASHIRULLAH KHAN、MIRAN SHAH

■スワートの警察検問所、戦闘員が破壊[070806 Daily Times]

土曜日に戦闘員が2ヵ所の警察検問所を爆破したが、負傷者はいないという。

ミンゴーラのサンゴッタ検問所とホザヘールのアラム・ガンジ検問所が、爆破された。安全面から、2つの検問所はすでに無人となっていた。2日前に戦闘員たちが、マッタのシャカンダル地域にある検問所も爆破していた。これらの検問所に派遣されていた警察関係者は、スワート警察署に移動した。

いっぽう地元のジルガで、パキスタン軍ジャワッド大佐とサルファラーズ大佐が、スワートでは軍事作戦は行なわないと述べた。軍は秩序を保つために派遣され、その証拠として、テロリストが軍を攻撃しているが報復していないと述べた。長老たちに、秩序を保つことや軍の駐屯に対する誤解を解くことに協力してほしいと述べた。安全が確保されれば、軍は撤退するという。TNSMのアクバル・フセインは、ジルガに協力を約束した。自分たちの組織は治安軍に対する攻撃を非難しているという。

hoonMilitants destroy two police posts in Swat
MINGORAH

■パキスタン・アフガンジルガの有効性に疑問[070806 News]

カブールで開催予定のパキスタン・アフガニスタン和平ジルガのメンバーに選ばれた部族民長老や政府関係者の多数が、代表者の資格やジルガの有効性に対して疑問を表し、準備を行なっている政府はその対応に追われている。

パキスタン・アフガン和平ジルガは8月9〜11日に開催予定であり、ムシャラフ大統領とカルザイ大統領が8月9日に演説することが予定されている。

合同ジルガの開催は、去年9月にブッシュ大統領が主催した両者の会談で提案された。

アフガン政府は、カルザイ大統領がジルガを提案したために、実現を心待ちにしている。カブールはジルガ開催が受け入れられた時点で、元ムジャヒディンリーダーのピール・サイヤード・アフマディ・ガイラニのもとでジルガ委員会を組織し、今回のジルガに向けて60回以上の話し合いを行なっている。

しかし,パキスタンはジルガの準備を行なっているとは言えない。アフタブ・シェルパオ内相のもとでジルガ委員会が組織されたのもかなりたってからで、メンバーを決めるまでにも紆余曲折があった。最終リストが出た今でも、政治政党や文民組織から大きな非難が出ている。さらにFATAの国会議員や南北ワジリスタンから選出された長老や宗教指導者60人が、カブールジルガに参加しないことを表明している。残りの部族民たちも、ボイコットを考慮中だという。安全面からも参加を渋っている者たちも多い。

(中略)イスラーム神学者協会責任者でMMA責任者でもあるモーラナ・ファズール・レーマンを始め、FATAから選出されたMMAメンバー6人と上院議員4人も参加しない。これらと者たちと関係している宗教指導者たちも、カブール・ジルガをボイコットするという。

南北ワジリスタンからは60人が参加予定者のリストに入っていたが、軍事作戦が実施されて自分たちの家があるワジリスタンで問題があるときに、アフガニスタンの問題を解決するためにカブールなどには行けないと、土曜日に言ってきた。

(中略)アフガン人タリバンもカブール・ジルガに反対しており、代表者たちの資格を疑問視し、米軍主導軍がいるアフガニスタンで、アメリカの影響なしに話し合いなどできないと述べている。パキスタン人タリバンも、アメリカが影響力を拡大しようとしているこの地域でジルガを開催することに、批判的である(後略)。

hoonPak-Afghan Jirga utility in doubt
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.