【2007年12月10日〜12月16日】
●土曜日に、大西洋上で航空機を爆破させることを計画していたとして逮捕されていた英国人がパキスタンで逃走したと、関係者が述べた。ラシッド・ラウフが、イスラマバードの法廷に出廷したあと逃走したと、警察関係者のハリッド・パルヴェズが述べた。
●警察のチームが現場付近を捜索して、ラウフの行方を追っている。ラウフは警察官2人に連れられラワルピンディの刑務所に帰る途中、手錠をはずして逃走した。「どうやって逃走したか、まだわかっていない。ただ逃走したことはわかっており、警察官2人が職務を怠ったとして取り調べを受けている」と、パルヴェズが述べた。
●(中略)パキスタン生まれのラウフは2006年8月に、英国の捜査班からの情報を受けてパキスタンで逮捕された。英国からアメリカに飛行する、航空機を爆破することを計画していた疑いがかけられている。
●ラウフは爆発物製造のための化学物質と偽造書類を所持していたとして、パキスタンで逮捕された。その後彼に対する罪状は取り下げられ、さらにイギリスが引き渡しを要求していたために、その決議を待っていた。イギリスはテロ容疑とは別に、2002年に発生した殺人事件と関連してラウフの引き渡しを要求していた(中略)。
●イギリス政府は今週、ラウフはパキスタンが指名手配しているイギリスで逮捕された男たちと引き換えに極秘に引き渡されるというメディアの報道を、否定した。パキスタンでテロと殺人容疑で指名手配されている2人の男が、火曜日にロンドンで逮捕された。ロンドン出身のファイズ・バルーチとハイルバイエール・マルリが、イギリスで逮捕された。2人ともバローチスタン州の独立を呼びかけている平和的な活動家だと、主張している。
Plane plot suspect escapes in Pakistan●パキスタンのムシャラフ大統領が非常事態を解除し、憲法を復活させた(中略)。
●ムシャラフは、予告していた1日前に、非常事態を解除した。憲法を復活させた最初に行なったのは、パキスタンの最高裁判所の新しいメンバーを選んだことで、新たな最高裁判所長官にアブドゥル・ハミード・ドガールを任命した。前長官のイフティハール・チョードリーは、まだ自宅軟禁されている(後略)。
Musharraf ends Pakistan emergency●金曜日に治安部隊が、モーラビ・バシールを含むモーラナ・ファズルッラーの支持者14人を逮捕した。
●モーラビ・バシールはバラ・バンダの腹心で、テロ行為に関与していた。他の逮捕者と一緒に逮捕され、どこかに連れて行かれた。関係者によると、これまで重要なタリバンリーダーや外国人を含む271人が逮捕され、現在取り調べを受けている。
●戦闘ヘリコプターが、道路上に停まったピックアップを破壊したという報告が入っている。ピックアップに乗っていた乗員たちは攻撃時に近くのモスクで礼拝していたために、無事だった。政府関係者によると、治安部隊がスワート谷の周辺にある武装勢力の拠点を砲撃したというが、死傷者はいなかったという(後略)。
14 suspected militants held in Swat●土曜日に、ムサ・カーラのバトロール隊に向かってロケット弾2発が発射された(中略)。
●戦闘で避難した数百人の住民が、再び町に戻りつつある。(中略)ロケット弾攻撃で大きな被害はなかったが、抵抗勢力たちが逃走した北部から発射されたという。
●まだ何人かのタリバンが町にいる可能性があるが、町に戻って来た住民に紛れているか見分けることはできない。しかし和解するために帰ってくるのなら問題ないと、NATO主導ISAF軍のアンドリュー・マッケイが述べた(中略)。
●マッケイが、ムサ・カーラ奪回作戦の際に一般市民3人が死亡したと報告されていると述べた。「タリバン6〜7人と対決することもあれば、40人以上と対決する場合もある」と、町に連れて来られたジャーナリストたちに語った。「彼らは非常によく訓練されている。土地を熟知している」。
●アフガン軍によると、抵抗勢力「数百人」が殺害または負傷、逮捕されたという。正確な情報はわからない(後略)。
Rockets fired into Musa Qala as troops patrol town●ムサ・カーラの住民によると、タリバンから町を奪回する作戦で、多数の一般市民の犠牲者がでた。
●ある住民、ワリ・ムハンマドによると、女性や子供15人の遺体が路上に放置されているのを目撃したという。政府関係者によると、一般市民の犠牲死者の数はもっと少ない。英軍関係者は、タリバンに対する攻撃で、子供2人が死亡しただけだと述べた。町は今週の初め、英軍と米軍により、タリバンから奪回された。
●「我々が知っている唯一の一般市民の犠牲者は、タリバンがある家族に家から出て、車でISAF軍に向かって全速力で走るように命じた件だけだ」と、英国防省が発表した。「ISAF軍は車爆弾だと判断して、発砲した。その結果バックシートに乗っていた子供2人が死亡した。隊からは、子供たちが見えなかった」。
●イギリスはモスク、学校、保健所の建設を約束したが、ある男は安全が欲しいだけだと怒りを表わした。戦闘の間町に留まっていた11歳のアクタル・ムハンマドによると、家族多数が殺害され、遺体はまだ瓦礫の中に埋まっているという。
●しかし英国防省は、できるだけ一般市民の犠牲者がないように作戦を遂行したと述べた(後略)。
'Many' Musa Qala civilians died●英軍は再びムサ・カーラ周辺の数平方キロをタリバンから奪回したが、以前と同じように、危うい勝利になりつつある。
●カブールのNATO本部は、今週の作戦を「最も戦略的に重要な成功」と賞賛した。この地域では、アフガニスタンで産出されるケシの80%が栽培されている。
●英軍は以前もムサ・カーラを奪回したが、その後は陣地に閉じ込められた。タリバンと和平協定を結ぶことで、はじめてこの町から撤退することができたのだ。タリバンは周囲の地域すべてを支配している。
●カンダハルのタリバン司令官のモーラビ・アブドゥル・ジャリールによると、タリバンは今週激しく抵抗したが、今度はカンダハル州を集中的に攻撃するという。すでにカンダハルの2つの地区を、占拠している。
●ムサ・カーラに関しては、ムッラー・アブドゥル・バリの腹心であるムッラー・ヌールマルによると、「英軍は2日間、一般市民を爆撃した。その結果、住民はこの地域から避難した。タリバンの被害はない。そもそも戦わなかったからだ。一般市民が犠牲になった。我々はムッラー・アブドゥル・バリの指揮下にいた。英軍が町に入るとともに、バリは撤退した」。
●「ムサ・カーラに軍が入った今、我々は近くに拠点を移した。ライギとシャバンだ。英軍は2006年の時と同じように、再び包囲された。これからは、我々が好きなときに彼らに報復する。ムサ・カーラには、彼らが留まる建物さえない。撤退する前、我々が政府関係の建物すべてを破壊したからだ」と、ヌールマルが述べた。
●「彼らはムサ・カーラ本部にいて、我々はムサ・カーラ周囲の町に入っている。もう前進も後退もできない」。
●ヌールマルのコメントの真偽はわからないが、全てが嘘ではない。当記者は、タリバンが支配していたヘルマンド州を見て回った。ムサ・カーラの途中、グレスク地区の先には、道路はない。車は他の車の轍を辿って、砂漠を行くしかない。走行速度は、1時間に10キロだ。ムサ・カーラに近づくと、畑や木々がある。町自体には店や病院、モスクや宿屋、そして地区本部がある。
●NATOは水力発電所のプロジェクトが進んでいるカジャキダムを守るために、ヘルマンド州にこだわっている(後略)。
British 'success' under siege in Afghanistan●土曜日にパキスタン北西部の軍関係施設の外で自爆犯が自爆し、5人が死亡、数人が負傷したと、軍と警察が発表した。
●自転車に乗った犯人が、ノーシェラにある軍の施設の外に設けられた検問所で自爆した。「5人が死亡した。一般市民3人と警察官2人である」と、軍報道官のワヒード・アルシャッドが述べた。
At least five dead in Pakistan suicide bombing: army●月曜日にパキスタン北部の軍の基地の近くで、パキスタン空軍の子供たちを乗せたバスの脇で自爆攻撃が発生した。少なくとも子供5人が負傷した。
●自爆犯が車に乗ってバスに突進して、バスから数ヤード離れた場所で爆発したと、軍基地があるカムラの警察長官のタリーク・ハニーフが述べた。「バスの運転手によると、猛スピードで突進してくる車から逃れようとした」という。
●警察によると、子供たちは全員12歳以下だった。全員命に別状はない。バスの運転手も負傷した(後略)。
Pakistan suicide blast wounds 5 children●アフガン軍と国際軍が、火曜日以来タリバン戦闘員たちが占拠していた南部の町を奪回したと、月曜日に国防省が発表した。タリバン報道官は、一般市民やタリバンの犠牲者を出さないために、町から撤退したと述べた。
●国防省報道官のムハンマド・ザヒール・アジミによると、アフガン軍と英軍、米軍が麻薬栽培が盛んなムサ・カーラを「完全に確保」したと述べた。町の周囲では、まだ戦闘が続いている。
●(中略)アフガン報道官のカリ・ユーセフ・アフマディが、武装勢力の戦闘員たちは戦略的にムサ・カーラから撤退し、タリバンや一般市民の犠牲者をなくそうとしていると述べた。「今朝激しい爆撃があったために、タリバンはこれ以上犠牲者を出さないために、ムサ・カーラから撤退した」と、衛星電話で語った。
●ムサ・カーラの住民のハッジ・ムハンマド・ラウフが、タリバンたちがお昼頃にトラックやバイクに乗って町から出て行ったという。その2時間後にアフガン兵数百人が町に入り、検問所を設置した。「屋根に登って見ていたら、アフガン兵数百人が町に入って来た」。「店はすべて閉まっており、家族は家の中に籠っている」。
●英軍報道官のリチャード・イートンが、タリバンが町から出たことはまだ確認されていないと述べた。「いつも同じだ。これまでも何度も作戦を実施しているが、タリバンたちはかなわないことがわかると、すぐに撤退する」。「今回も同じかもしれない。我々の目的はムサ・カーラを奪回することだ。大きな戦いをしなくて良いなら、それにこしたことはない」。
●(中略)これとは別に、月曜日にアフガン軍のヘリコプターが悪天候のために、アフガニスタン中部で墜落した。(中略)ヘリコプター2機がカブールから西方に飛んでいたところ、ワルダック州で墜落した。現場から3人の遺体が発見された。
●隣のサンギン州では、アフガン警察がタリバン戦闘員のグループと衝突し、戦闘員15人が死亡、11人が負傷したと、地区警察長官のムハンマド・アリが述べた(後略)。
Coalition forces retake Taliban town