【2008年1月7日〜1月13日】
●パキスタンの部族地帯で、親政府派の長老の家を攻撃したウズベク人戦闘員のうち2人が死亡したと、関係者が述べた。
●夜明け前に武装勢力数十人が南ワジリスタンのハーン・ハナーンの家を襲撃してその後銃撃戦になったと、地元行政府のナヤーズ・マンドヘールが述べた。
●ハナーンの家を警備していた男たちが報復し、ウズベク人戦闘員2人を殺害した。「遺体はまだ現場に放置されている」という。「仲間は全員逃走した」。
●ハナーンはシャカイの長老で、1週間前にもシャカイでは和平委員会のメンバー6人が殺害されている。部族民たちは、バイトゥッラー・マフスードの仕業だと述べている。
●(中略)これとは別にパキスタン軍が、スワートでモーラナ・ファズルッラーの追随者41人を逮捕した。
●土曜日には軍が、カーバルとマッタにある武装勢力の隠れ家を攻撃した。攻撃にはヘリコプターも用いられたという。軍によると、治安部隊が地元司令官のムハンマド・ラヒームを含む武装勢力41人を逮捕した。ラヒームは、ファズルッラーの親戚だという(後略)。
Two Uzbek militants killed in Pakistan tribal clash●日曜日にオランダ国防省が、アフガニスタンで武装勢力との衝突でオランダ兵2人が死亡したと発表した。
●土曜日に「抵抗勢力」との戦闘で、20歳と22歳の兵士が死亡したという。その後の戦闘で、アフガン兵2人も死亡した。
●戦闘はアフガニスタン南部のデ・ラウッド近くにあるハドリアン・キャンプで起きた。オランダ兵とアフガン兵数百人が、デ・ラウッドバザールにいる難民たちを家に帰そうとしていた。「夕方銃撃戦が起きた。どうして戦闘が起きたのかは、今のところわかっていない」。
Two Dutch soldiers killed in Afghanistan●今週パキスタン軍は部族地帯で、イスラーム抵抗勢力の戦闘員数百人による攻撃に打ち勝ち、多数を死傷させたと、関係者が金曜日に述べた。
●水曜日に数千人の武装した部族民たちが南ワジリスタンのワナに集り、仲間8人を殺害したアルカイダ系武装勢力を取り締まるためにラシュカル(部族民による軍隊)を組織することを誓った。
●「1月9日と10日に武装勢力250〜300人が、ラッダ砦とラッダ検問所を攻撃しようとした」と、軍報道官のワヒード・アルシャッドが述べた。治安部隊が大砲や小火器で応戦したという。「武装勢力たちは撤退し、多数の犠牲者が出たようだ」という。
●政府が支持した和平委員会に属する部族民長老8人が武装勢力に殺害されたあと、ジルガが開催された。アルカイダ司令官でマフスード族の責任者であるバイトゥッラー・マフスードが、長老たちの殺害を首謀したと言われている。政府は、ブット元首相暗殺もバイトゥッラーが首謀したと述べている。
Pakistan defeats militant attack in tribal region: army●木曜日にラホールの最高裁判所の前で自爆攻撃があり、少なくとも警察官22人と一般市民4人が死亡した。
●犯人が裁判所の外で警察官に制止されると、ボール・ベアリングが入った爆発物を爆発させた(中略)。完全装備し、防弾チョッキやヘルメットを被った警察官たちの遺体が、現場に散乱した。荷車をつけたままの馬も死んでいた。
●「警察官22人が死亡し、6人が重傷を負った」と、ラホール警察長官のマリック・イクバルが語った。「自爆犯が警察の詰め所に近づき、止まるように命令された」。
●病院の情報源によると、一般市民4人も爆発で死亡したという。
●爆発は、ラホールの最高裁判所の前の混雑した広場で起きた。警察官約60人が待機し、弁護士たちによるムシャラフ政権に対する抗議運動に備えていた。
●(中略)警察によると、犯人の頭部が現場から100メートル離れた場所で発見された。
●(中略)木曜日の爆発は、ラホールで起きた初めての自爆攻撃である。これまでラホールは比較的平穏だった(後略)。
26 killed in suicide attack on Pakistan police●アフガニスタン南部でNATO軍の車輛が地雷を踏み、兵士1人が死亡、別の1人が負傷した。いっぽう東部では武装勢力の攻撃により、警察官1人が死亡した。
●(中略)水曜日に武装勢力がヌーリスタン州のヌルガラームにある警察の検問所を攻撃し、警察官1人が死亡した。この衝突で武装勢力側も負傷したというが、その数は明らかではない(後略)。
1 NATO soldier dies in Afghan blast●水曜日にモーラナ・ファズルッラーが、カーバル地区のマンジャで司令官たちと会合を開いている最中に攻撃されて死亡したという報告を否定した。
●モーラナ・ファズルッラーが『BBC』のウルドゥー語放送に電話をかけ、自分は生きており、軍事作戦で死亡したという報告を虚偽だと述べた。「私はスワートにいて、戦闘員たちを率いている。バイトゥッラー・マフスード司令官の指揮のもとに、我々の目的が達成するまで戦い続ける。抵抗勢力の宗教指導者は、組織の幹部司令官とともに戦いを続けており、地下には潜っていないと述べた。
●ある軍関係者が『News』に、モーラナ・ファズルッラーと司令官たちがいるという情報を受け、武装勢力の隠れ家が四方八方から攻撃されたと述べた。「地域司令官のハリッド・ハーンの家で会合を開いているという情報を受けた。建物にいた全員が死亡した」という。ただモーラナ・ファズルッラーが、攻撃を受ける前に逃走したかどうかはわからないという。
●スワートでは、ファズルッラーが軍事作戦で死亡したという噂が流れていた(中略)。地元の住民によると、ファズルッラーがいたといわれるハリッド司令官の家は、2度攻撃されたという。「砲撃の衝撃で、町全体が揺れた。しかし、ハリッド司令官の家で死亡したといわれる者たちの遺体を見た人は、誰もいない。仲間が遺体を全部別の場所に移動させたからだ」と、マンジャ町の住民が語った。
●ミンゴラのジャーナリストによると、モーラナ・ファズルッラーの死亡は80%確かだと述べ、彼の主張は証明できないという。
●しかし軍報道官のワヒード・アルシャッドは、そのような情報については聞いていないと述べた。「治安部隊は抵抗勢力がいる場所を攻撃しているが、犠牲者に関する情報を受けていない」(後略)。
Fazlullah denies report of his death●パキスタンの治安部隊が水曜日、パキスタン空軍のバスに対する自爆攻撃の首謀者と見られる退役陸軍少佐を逮捕した。
●容疑者のアシャン・ウル・ハクが12月17日にラホール郊外で逮捕されたと、関係者が述べた。「マドラッサの隣にある彼の自宅から、爆発物や自爆ジャケットが発見された」と、諜報関係者が述べた。
●その後ハクから得た情報により、サルゴダーで彼の仲間5人が逮捕された。「全員サルゴダーの攻撃に関与していたことを認め、政治家たちにも同様の攻撃を実施しようとしていたことを告白した」という。
●ハクは60代で、アフガンゲリラ司令官のユーニス・ハリスと親しい関係にあると言われる(後略)。
Suicide bomb "mastermind" arrested in Pakistan●パキスタンがアメリカ主導の「テロとの戦争」のパートナーになって6年以上たった今、パキスタンは最も難しい立場に立っている。
●(中略)ブッシュ大統領はCIAと軍の権限を拡大して、パキスタンでこれまで以上に攻撃的な極秘作戦を実施しようとしている。
●パキスタン外務省報道官はこの報告を否定しているが、国境の両側でCIAが標的を狙う可能性はまだ十分残っている。
●パキスタン側にいるパキスタン軍とアフガニスタン側の同盟軍が、両方からタリバンとアルカイダを挟み込み、補給線を切断することが目的だ。
●パキスタン側からはアフガニスタン南東部のパクティア、パクティカ、コースト、ヘルマンドにタリバンの補給物資が入る。アルカイダの基地はバジョール、北ワジリスタンにあり、タリバンの補給物資は、南ワジリスタンから入ってくる。
●(中略)パキスタン軍はスワートで、敗北している。ファズルッラー師が率いる武装勢力の抵抗運動に対抗して軍は取り締まりを実施し、武装勢力たちは部族地帯に撤退した。
●アルカイダは、ザワヒリの地元協力者であるモーラナ・ファキール・ムハンマドのネットワークを利用して対抗した。バジョール出身のファキールは、スワートに部下や武器を送り込み、南北ワジリスタンのパンジャーブ人やウズベク人戦闘員たちが武装勢力たちに協力した。その結果武装勢力たちはパキスタン軍と激しく戦い、パキスタン軍は近々谷から撤退しそうだ。
●(中略)パキスタンの諜報組織は、もしパキスタン軍(あるいは米軍)が部族地帯で攻撃を実施すれば、武装勢力たちが国家の急所を襲ってくることは確かだと見ている。カラチやイスラマバード、ペシャワルがまずは狙われるだろう。(後略)。
US wants Pakistan to bite the bullet●英軍を攻撃していたアフガニスタンのタリバン司令官が、賄賂を支払って釈放されたと述べた。
●ムッラー・ソルフ・ナカイブッラーが『BBC』に語ったところによると、釈放と引き換えに、アフガン政府に1万5000ドルを支払ったという。「赤いムッラー」と呼ばれているこのタリバン責任者が逮捕されて釈放されるのは、3度目だという。
●ムッラー・ナカイブッラーは、英軍が駐屯するヘルマンド州で活動している。
●彼が語ったところによると、アフガニスタンの治安関係者に賄賂を払い、3年間で3回釈放されたという。最後に逮捕されたときには5ヵ月間拘束されたが、今はヘルマンドのゲレシュクに戻っている。「7月24日に逮捕され、カブールのNational Directorate of Security(NDS) に拘束されていた」。「容疑者は2ヵ月間NDSに拘束され、その後裁判を受けるのが常だ」。「しかし私は5ヵ月間拘束された。金曜日(1月4日)に私に合いに来た人間がいて、NDSの関係者に会った。彼が1万5000ドルを関係者に支払うと、釈放してくれた」。
●ムッラー・ナカイブッラーは、2004年にヘルマンドで逮捕されて悪名高いカブールのブレ・チャルキ収容所に入れられ、その後16カ月間拘束されたあと、いかに賄賂を支払ったかについても語った。
●2005年にも同じことを繰り返し、警察に賄賂を支払ったという。
●NDS報道官は、この件に関してコメントすることを拒否した。しかし別のNDS関係者は、ムッラー・ナカイブッラーが釈放されたことを認め、釈放した責任者を調査中だという。
●タリバン報道官は、ムッラー・ナカイブッラーはヘルマンドに戻ったと述べた。
'Bribes' free top Taleban leader●政府側に寝返った元タリバンリーダーが、12月に抵抗勢力から奪回したヘルマンド州の町の知事に任命された。
●ムッラー・アブドゥル・サラームがムサ・カーラ知事に任命された。サラームは重要な元タリバン司令官で、その後政府側に寝返った。
●ムサ・カーラの知事になったサラームは、人々に政府を支持するように働きかけている。「いい機会だ」。「国際社会が、あなた方を助けに来てくれている。子供たちを援助し、金をくれる。これからは法を遵守しなければならない。アッラーの法だ」。元タリバン司令官として、これは影響力のある言葉である。
●問題は、反政府派の人間に対して、彼が強く行動するかである(後略)。
Ex-Taleban chief named governor●スワートのパキスタン陸軍基地のそばで、車に爆発物を搭載した自爆犯が自爆し、兵士1人が負傷した。
●自爆犯は、カーバル町にある軍のキャンプのゲートに車を激突させた。ゲートを守っていた兵士が負傷した(後略)。
Soldier wounded in Pakistan suicide attack●パキスタンの南ワジリスタンで、銃を持った男たちが8人の部族民長老を射殺したと、アフガニスタンとの国境付近の関係者が述べた。
●部族民たちは日曜日の夜から月曜日の朝にかけて2ヵ所で攻撃されたと、治安関係者が述べた。3人はワナで、他の者たちはワナ北部の町、シャカイで、それぞれ自宅で射殺された。
●日曜日にワナのタリバン司令官モーラビ・ナジールの事務所に銃を持った男たちがなだれ込み、彼の追随者3人を射殺、4人を負傷させた。またシャカイではナジール師の部下であるハナーン司令官の事務所が攻撃され、5人が死亡した。
●関係者によると、犯人たちはウズベク人武装勢力で、ナジール師に対立していた。ナジール師はタリバン司令官ではあるが、最近になってパキスタン政府軍に協力して、外国人武装勢力と戦っていた。
●ワナからの報告によると、1ヵ月前にウズベク武装勢力たちが北西辺境州で、ハナーン司令官にだまされて殺害されたことに対する報復の可能性があるという。
Pakistan tribal elders shot dead