【2008年2月25日〜 3月2日】
●パキスタンの北西部で会合が開催されている最中に自爆があり、少なくとも40人が死亡した。数十人が、ダラ・アダム・ヘール近くで起きた爆発で負傷した。
●関係者によると、長老たちがこの地域の治安について話し合っている最中に爆発があった。
●(中略)目撃者によると、数千人が会合に集っていたという。話し合いを終えた直後に爆発があったと、地元政府関係者のハリッド・ハーンが述べた。報告によると、若者が長老たちに向かって歩いて行き、自爆したという(後略)。
Suicide bomb kills 40 in Pakistan●パキスタン北西部で行なわれていた葬式で自爆犯による攻撃があり、少なくとも30人が死亡した。葬式は、金曜日に同じ北西部で道路脇に仕掛けられた爆弾で死亡した3人の警察官のうちの1人のためのものだった。
●ミンゴーラでおきた自爆攻撃で、65人が負傷した(中略)。
●ミンゴーラの葬式に、数百人の弔問者が集っていた。「祈りを捧げようとしていたときに、爆発があった」と、副警視官のカムラット・シャーが述べた(中略)。葬式は金曜日に北ワジリスタンと接するバヌー地区のラッキ・マルワットで起きた爆発で死亡した、3人の警察官のうちの1人のためのものだった。
●バヌー警察長官によると、車のすぐそばで爆発があった。死亡した3人の他に、2人が重傷を負った(後略)。
Suicide bomb at Pakistan funeral●南ワジリスタンのアザム・ワルザック村にあった重要なタリバンの拠点に対して、アメリカがミサイル攻撃を行なった。パキスタンとNATO軍による、地域的「テロとの戦争」の新しい局面が開始した。
●今回の攻撃は、武装勢力と戦うのではなく話し合いを主張している、新しいパキスタンの政治家たちに対する挑戦でもある。当分彼らが国政問題の解決に従事している間、NATO軍とパキスタン軍による、大きな作戦が実施される。
●アメリカの無人偵察機による早朝の攻撃で民家が破壊され、武装勢力12人が死亡した。情報源によると、無人偵察機はペシャワル航空基地から離陸した。これはパキスタンとNATO軍の協力で実施された、最初の攻撃といえよう。
●マドラッサを装ったこの施設は、極秘に存在し、武装勢力にとっては最も重要な拠点であったために、今回の攻撃は彼らにとっては不意打ちだった。
●(中略)今回のアザム・ワルダックで攻撃を受けたマドラッサのような施設は国境地帯に多数存在し、武装勢力の拠点となっている(中略)。武装勢力が武器を調達したり、会合を開くために使用されている。
●木曜日に攻撃されたマドラッサは、数週間前にバイトゥッラー・マフスードとシラージュディン・ハッカーニが使用していた。タヒール・ユルダシェフやザワヒリが使用していたこともある。
●このようなマドラッサは、アメリカの諜報レーダーにひっかかることは稀だ。手短く行なわれる会合や、短期間の滞在、あるいは一時的な武器のデポ地として使用される。訓練所として使用されたり、隠れ家として長期間使用されることはない。
●アザム・ワルザックのマドラッサは、パクティカに越境してゲリラ攻撃を実施するためにも使用されていた。したがって、ミサイルやロケット弾が貯蓄されていた。水曜日、ゲリラ戦をするために、新しいグループがこのマドラッサに集まっていたと思われる。
●選挙で選ばれたパキスタンの新しい政治家たちが、ムシャラフを排除し、またタリバンとの対話を求めているために、タリバンの春の攻撃は中断する可能性があるとも見られていた。しかし事実は違うようで、攻撃の準備は万端のようだ。
●火曜日に英軍司令官責任者のリチャード・ダナット将軍が、ペシャワルの警察司令官のムハンマド・マスード・アスラムを訪問した。パキスタン軍の報道によると、アスラムはダナットに、過激主義やテロリズムと戦うパキスタン軍の役割を説明した。またFATAににおける活動も報告し、ペシャワル空軍基地に案内した。今後この基地が活躍するは、間違いない(中略)。
●アルカイダに属するパキスタン人メンバーが語ったところによると、「選挙後のイスラマバードの様子を注視していたが、我々の新たな戦略に変更はない。数日間のうちにそれが証明されるだろう」という。
Pakistan, US raise militant tempo●水曜日の深夜、南ワジリスタンのカローシャ地区の民家がミサイルで攻撃され、アラブ人4人と中央アジア出身者2人を含む8人が死亡した。
●情報源によると、死亡した武装勢力たちは、地元武装勢力司令官のモーラビ・ナジールの配下の、アブ・ハムザグループに属していた。
●モーラビ・ナジールは去年の4月、アフマドザイ・ワジール居住区にいるウズベク人戦闘員たちに対して作戦を実施し、政府の支持を受けている。
●住民によると、早朝2時頃に爆発音が3回聞こえ、民家が破壊された。民家にいたトルクメン3人が負傷した。ミサイルは、アフガニスタンから飛んで来たようだという。民家は、アフマドザイ・ワジール族のシェーロ・ワジールのもので、アラブ人に貸していた。
●行政官によると、アラブ人4人とトルクメン2人、パンジャーブ州出身者2人が空爆で死亡した。遺体の損傷が激しく、身元の確認ができない。全員カローシャの墓地に埋葬された。
●情報源によると、この地域には地元の部族民の名前を使用して、アラブ人や外国人多数が住んでおり、商売をしている。
●モーラビ・ナジールの報道官が、アラブ人やトルクメンが攻撃で死亡した事実はないと述べ、この地域に数年間住んでいた普通のアフガン人が死亡したという。
Six foreigners among 8 killed in Waziristan: Locals suspect missile strike from across border●木曜日の夜明け前に、南ワジリスタンのカローシャ村の民家がミサイル攻撃を受けて、12人が死亡、2人が重傷を負った。
●ワナの政府関係者と武装勢力の情報源によると、死者の大半がアラブ人、アフガン人、パンジャーブ出身のジハード組織関係者だったという。
●無人偵察機が3発のミサイルを民家に撃ち込み、標的となった民家とともに、隣接する3軒を破壊したという。軍報道官は、爆発は民家に貯蔵されていた爆発物によるものだと述べ、外国機の攻撃ではないと述べた。爆発で武装勢力8〜10人が死亡したという。
●カローシャの村人によると、爆発の直後に武装した過激派たちが隠れ家かれ出て来て、現場を封鎖した。政府関係者が村に入ることも禁じた。
●政府関係者と武装勢力によると、ミサイルは夜間に現場上空を飛んでいた無人偵察機から発射された。誰が狙われたのかは、わからないという。
●(中略)死者の1人は、ムッラー・ナジールが率いる武装勢力司令官のハーン・ムハンマドの弟だという。南ワジリスタンのある武装勢力司令官によると、土でできた民家の中には武装勢力がいた。ミサイル3発は、白い無人偵察機から発射された。
●(中略)攻撃は午前2時頃に起きた(中略)。遺体は爆発の威力で散り散りになり、身元を判別することができない。しかし負傷した武装勢力が、仲間の身元に関する情報を提供しているという。
●建物は訓練所として使用され、アラブ人戦闘員やイスラーム国家から来たムジャヒディンが使用していたと、武装勢力の情報源が述べた。アフガン難民だった可能性もある。
●アラブ人戦闘員たちがしばしば民家を訪れて会合を開くことがあったので、彼らが狙われた可能性があると述べた。当日も地域の司令官たちが会合を開いたが、攻撃がある前に帰宅したという。死亡した客人も仲間の中には、幹部司令官はいなかった。
●武装勢力の情報源によると、町の上空を偵察機が飛行していたので、アラブ人戦闘員たちは民家に来なくなった。また訓練所の存在が一般に知れ渡ってきたので、閉鎖することを考えていた矢先だったという(後略)。
12 killed as missile hits house in S Waziristan●パキスタンのアフガニスタンとの国境近くの村の民家がミサイルで攻撃され、武装勢力を含む12人が死亡した。
●南ワジリスタンのカローシャ村の民家が破壊されたと、政府関係者と住民が述べた。どこから攻撃があったのかは明らかではないが、住民によると、NATO軍がいるアフガニスタン方面からのようだという。
●目撃者が語ったところによると、ミサイル3発が飛来し、そのうちの2つが民家に命中した。爆発音は、ワナにまで聞こえたという。
●「巨大な爆発があり、人々が家から逃げ出した」と、ワナの住民が述べた。「ミサイルがどこから飛んで来たかはわからないが、アフガニスタンからだと思う」。
●カローシャの住民によると、2〜3ヵ月前から、アラブ人が民家に住んでいた(中略)。地元行政の情報源によると、死亡者の中にはアラブ人4人とトルクメン2人、「パンジャビ・タリバン」と呼ばれるパキスタン人過激派2人が住んでいた。外国人3人が攻撃で負傷し、地元のタリバンがどこかに連れて行った。
●カローシャの目撃者によると、家は完全に破壊された。地元の人間が遺体を掘り起こしたが、損傷が激しく、身元の判別がつかない。犠牲者は、地元のタリバンがカローシャの墓地に埋葬した。
●民家に何人がいたかは明らかではなく、犠牲者の数は増える可能性がある(後略)。
Deadly missile strike in Pakistan●木曜日の早朝、パキスタンの部族地帯の民家にミサイル攻撃があり、外国人を含む武装勢力10人が死亡したと、諜報関係者と住民が述べた。
●南ワジリスタンのカルーシャ村が、攻撃された。「爆発であたり一帯が揺れた」と、住民のベルール・ハーンが語った。
●治安関係者によると、アフガニスタンの米軍がミサイル攻撃を実施したという。民家は、シェールーと呼ばれているパシュトゥーン族のシェール・ムハンマド・マリーキヘールが所有していた。マリーキヘールは、武装勢力と関係があったという。
●「大半がアラブ人と思われる10人が死亡した。このほかに7人が負傷した」と、諜報関係者が述べた。死者の中に、武装勢力幹部がいたかどうかはわからないという。
●軍報道官のアサール・アッバス少将は、このような攻撃について聞いていないと述べた(後略)。
Missile hits Pakistan's Waziristan; 10 suspects dead●(前略)ベナジール・ブット女史の死後に出版された自伝で、10月の彼女に対する暗殺未遂事件の首謀者として名指しされた有名なカリ・サイフッラー・アフタルが、火曜日に逮捕された。
●アフタルはラホール近くのフェローズワラで、3人の息子とともに逮捕された。これまで10月の事件と関連して、彼の名前が出たことはない。バイトゥッラー・マフスードが、首謀者とされてきた(中略)。
●今回の逮捕は、武装勢力に対して強硬姿勢をとるという、治安組織の力の誇示と見られる。
●アフタルの弁護士のハシュマット・ハビーブが語ったところによると、「長期間拘束されていたが、去年釈放されたあと、彼はスーフィズムの道を歩むようになり、ファローズワラでは彼の精神的指導者のために寺を建設していた。しかしベナジール・ブットは、彼を10月の暗殺未遂事件の首謀者と名指しした」。「本はブットが暗殺されてから出版されたために、私は記者会見を開いて、出版社やこの本で恩恵を受ける者たちに、この容疑の部分を削除しなければ告訴すると述べた。ちょうど上告している最中に、カリ・サイフッラー・アフタルが逮捕された」。
●2004年にアフタルはドバイで逮捕され、ムシャラフ暗殺とアフガニスタンでテロ訓練所を運営していた容疑で、アラブ首長国連邦からパキスタンに引き渡されたが、去年の中頃、ISIのもとから釈放されている。また1990年代半ばには、ブット政権を転覆させようとした「Operation Khilafat」の首謀者として、他の関係者とともに逮捕された。
●その後に釈放されてアフガニスタンを訪れ、タリバン責任者であるオマール氏の唯一のパキスタン人アドバイザーとなり、アルカイダ責任者とも近い関係になった。
●アフタルは、1980年代初期に、アフガニスタンにいるソ連軍と戦うために組織された、ハラカティ・ジハーディ・イスラミの創設者である。この組織は治安組織の元を離れ、タリバンと一体化した唯一の組織である。またワジリスタンに基地を移した唯一の組織でもあり、アフガニスタンの抵抗運動に参加する、パキスタン人戦闘員を代表する。
●火曜日にアフタルが逮捕されたニュースで、過激派キャンプ内に大きな波紋が生じた。このような有名人が逮捕されることなど、予測されなかったからだ。この時期、ムシャラフの親米政策は非難され、武装勢力に対して作戦を実施したことで、裁判にかけるべきだという声もあがっている(中略)。
●月曜日に元首相のナワーズ・シャリーフがイスラーム協会責任者のカジ・フセイン・アフマッドと会ったことに、国民は驚いた。2人は記者会見で、軍人統治者のムシャラフは、彼が7年の間に犯した「罪」の責任をとらせて排除されるべきだという点で合意した、と述べた。
●これらの要求を背後で操っているのが、ハミッド・グル元中将だ。彼はムシャラフの元ボスで、ISIの元責任者でもある。別の元軍人、アサッド・デュラニ元中将も、ハミッドを支持している。「ムシャラフはラール・マスジッドの作戦を直接指揮したために、彼に責任がある」と、デュラニがテレビのインタビューで語っている。
●興味深いことに、ラール・マスジッドの作戦が実施される前に、ワジリスタンの武装勢力はラール・マスジッド襲撃責任者に対して復讐することを表明している。武装勢力は当時のISI責任者で今は軍の参謀長となったアシュファク・パルヴェーズ・キアニ、軍諜報局責任者のナディーム・エジャーズ少将、当時ラワルピンディの警察司令官で現統合参謀本部責任者のタリーク・マジード将軍、元軍参謀長で元将軍のムシャラフを非難している。
●選挙以来、シャリーフを含む文民社会のリーダーたちは、これらの「復讐」を掲げている。もちろん弾丸ではなく、司法を用いるのであるが。
●1月に発生したカブールホテルの自爆攻