【2008年3月3日〜 3月9日】


■パキスタンの将軍、意思表示をする[080308 Asia Times]

(前略)木曜日にラワルピンディで開催された警察司令官会議で、軍参謀長のアシュファク・パルヴェーズ・キアニは、「大統領と軍との間に距離を置く」という案を却下し、国家にとって「どのようなものであれ、分裂」はためにならないと主張した。

イスラーム学会責任者でAll Parties Democratic Movementのリーダーであるカジ・フセイン・アフマッドが、警察司令官の主張に「がっかりした」と述べた。そして、軍が政治に介入しているという声明を発表した。

アメリカの軍参謀議会会長のマイケル・ムーレンがパキスタンの軍幹部責任者やムシャラフと会ったあとに、警察司令官会議が開催された。

パキスタンの新たな軍責任者たちは、キアニのもとで、「テロとの戦争」に妥協しないまま、和解計画を押し進めていた。この計画は部族地帯のパキスタン人タリバンとの和解を推し進め、互いの被害を最小に留めようとするものである。世界は、一見武装勢力の取り締まりをしているかのごとく振る舞いながら、行動を起こす。しかしつい最近も、軍に対する自爆攻撃があった。これらの一連の攻撃により、キアニは武装勢力に対して鉄の拳を振り下ろさなければならなくなった。

これで最も得をするのが、ムシャラフだ。先月の選挙で当選した政治家たちは、ムシャラフが「テロとの戦争」に対して強硬姿勢を取ったことで、彼を罰しようとしているからだ。

いま武装勢力は戦うことを望み、和解には興味がないことを示した。そこで、新たな局面に突入した。

ラワルピンディのアディアラ刑務所の第2監房と第3監房、そしてファイサラバード刑務所の特別房には、「テロとの戦争」に関与した者たちがいる。第2独房には、2004年にムシャラフを暗殺しようとしたとして起訴された、パキスタン空軍関係者2人がいる。

最近、ムシュタク・ベーグ将軍が殺害されたあと、男たちが再び取り調べを受けた。主に尋問を受けたのは、ハリッドとだけわかっている空軍の技術責任者、そしてカラーム・ディンという技術士幹部、そして技術士の下士官、ナスルッラーである。

また国内各地で家宅捜査が実施され、重要なマドラッサなどから、多数の容疑者が逮捕された。とくにラワルピンディでは、大掛かりな取り調べが実施された。

これらの動きは、少なくとも今年中に武装勢力との和解はないことを示す。パキスタン軍と武装勢力たちは、全力で戦うことになるだろう。

木曜日に実施された警察司令官会議は、武装勢力との戦いが開始されたことの証拠であり、ワシントン主導の「テロとの戦い」は続く。

hoonPakistan's generals come down hard
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■パキスタンの自爆で4人死亡[080304 AP]

ラホールで2人の男が海軍学校で自爆し、4人が死亡、14人が負傷した。

火曜日に放映されたテレビの映像には、大学の校内から黒い煙が上がるのが映しだされ、血で汚れた服を着た負傷者が歩いて出て来た。破壊された2台の車と6台のバスが見えた。

(中略)町の警察長官のマリーク・イクバルによると、2人の男がパキスタン海軍学校の駐車場にバイクで乗りつけてきたという。1人はバイクから降りると爆弾でゲートを破壊し、その後仲間が中に入り込み、さらに威力の大きな爆弾を爆発させた。「最初の爆発は比較的小さかった。次の爆発は強力で、大きな被害を与えるためのものだった」という。

死亡した4人と負傷した14人は、全員大学の職員で、軍の幹部ではなかったという。

いっぽう内務省報道官によると、車に乗った犯人が、建物内に入ろうとしていた海軍のバスに車を激突させ、駐車場に止まっていた車のガソリンに引火したという(後略)。

garr4 killed in Pakistan suicide bomb
ASIF SHAHZAD、LAHORE

■アフガンの爆発で5人死亡[080304 AP]

火曜日にアフガニスタン東部で、自爆犯が政府の建物に車で激突して、警察官1人を殺害した。前日にも同じような攻撃があり、NATO軍兵士2人を含む4人が死亡している。

車に乗った自爆犯がコースト州のタニ地区にある政府の建物に激突しようとしたが、アフガン人警備員が車に向かって発砲した。その後の爆発で警察官1人が死亡し、アフガン兵1人を含む5人が負傷した。

前日には、別の自爆犯が爆発物を搭載した車をコースト州のヤコービ地区の政府の建物の入り口に激突させたために、建物の一部が崩壊して兵士たちが閉じ込められた。この攻撃でNATO軍兵士2人とアフガン人一般市民2人が死亡し、兵士15人を含む19人が負傷した。兵士の国籍は明らかにされなかったが、この地域にいるのはアメリカ人である(後略)。

hoon5 killed in Afghan bombings
FISNIK ABRASHI、KABUL

■アフガンの自爆攻撃でNATO軍兵士2人死亡[080304 AFP]

車爆弾によりNATO軍兵士2人が死亡し、4人が負傷したと、同盟軍が火曜日に発表した。前日には同じような攻撃があり、アフガン人労働者2人が死亡している。

月曜日にコーストの政府の建物が、強力な爆弾で爆破された。タリバンが、仲間による犯行だと発表した。

国際治安維持軍兵士2人が死亡したと、報道官が述べた。この他に4人が負傷して、治療を受けている。兵士の国籍は明らかにされていないが、アフガニスタン東部にいるのは米軍である(後略)。

hoonAfghan suicide attack kills two NATO soldiers
KABUL

■タリバン、コーストの米軍キャンプを攻撃[080304 News]

月曜日にタリバンが、コースト州にある米軍とアフガン国軍の合同軍事基地を攻撃し、大きな打撃を与えたと主張した(中略)。

タリバン報道官のザビブッラー・ムジャーヒッドと幹部司令官のシラージュッディン・ハッカーニがそれぞれ『News』に電話をかけ、仲間の戦士でコースト州出身のアブドゥッラーが、爆発物を搭載したトラックを米軍とアフガン国軍の合同基地に激突させたと述べた。サバリ町の基地には、米兵77人とアフガン国軍兵士88人がいた。

シラージュッディン司令官によると、爆発物120袋、ガソリン缶2、ガス・シリンダーと地雷6が搭載されたトラックが、基地に入ることに成功したという。攻撃に先立ち、AK47ライフルで武装した戦闘員たちが、基地の正面入り口に配置された警備員を攻撃した。

銃撃の直後、男がトラックを運転して軍事基地に侵入し、基地の真ん中に駐車していた車に激突した。爆発は巨大で、基地から遠く離れた所でも目撃されたという。兵士多数が死亡または重傷を負ったと主張した。後にヘリコプターが救援にきたが、ミサイルやロケット弾で攻撃したために、逃げなければならなかったという。

タリバン司令官によると、その後に米軍のジェット戦闘機が到着したが、自分たちがいた場所は攻撃現場からかなり離れていたために、被害はなかったという。いつも通り、米軍関係者は自分たちが被った被害は隠しているか、今回の作戦に満足していると述べた。

シラージュッディン・ハッカーニ司令官自身が今回の攻撃を計画したという。カブールのセリーナホテルの攻撃も、自分が首謀したと述べた。

smellTaliban attack US military camp in Khost
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■モーマンド行政区で5人殺害[080304 News]

月曜日に治安部隊が、モーマンド行政区のナキ検問所で制止することを拒否したタリバン5人を殺害した。

車に乗ったタリバン5人が、バジョール行政区からモーマンド行政区のナキ検問所を通過しようとした。治安部隊が武器を捨てて投降を呼びかけ、長老たちが2時間かけて投降を説得したが、タリバン側が銃を発砲したために、治安部隊が銃撃した。銃撃で5人がその場で射殺された。タクシーを運転していたモーマンド行政区のナワガイ出身のアブドゥッラーは投降したが、激しい銃撃戦で車は炎上した。

治安部隊が現場付近を包囲し、ペシャワル〜バジョール間の道路を封鎖した。タリバンの国籍や名前は明らかにされていないが、少なくとも2人は14〜5歳だったという。

hoonFive killed in Mohmand Agency
GHALANAI

■カブールのホテル攻撃首謀者、パキスタンに[080303 AFP]

1月にカブールの高級ホテルが攻撃され、8人が死亡した事件の首謀者がパキスタンにいるために捜索が進んでいないと、アフガニスタンの諜報責任者が月曜日に述べた。

(中略)アフガニスタンのNational Directorate of Security責任者のアムラッラー・サレーによると、攻撃に参加した「テロリストグループ」のメンバー全員が逮捕された。「しかし計画を立てた首謀者がパキスタンにいるために、捜査が進展していない」という。「パキスタン政府に取り締まりを要求する電話を何度も入れているが、何も連絡がない」。

(中略)サレーによると、11月にバグラン州で80人が死亡した自爆攻撃首謀者も、パキスタンにいるという(後略)。

hoonKabul hotel attack mastermind in Pakistan: intelligence chief
KABUL

■英国、武装勢力と戦うパキスタンに協力[080303 BBC]

国防省は、パキスタンの対テロ訓練に協力するために、訓練師のチームをパキスタンに派遣した。アメリカも約100人ほどの軍訓練師をパキスタンに派遣する予定である。

イギリスとアメリカは、密かにパキスタンとの軍事協力を進めている。アフガニスタンとの国境付近に広がりつつある、アルカイダやタリバンの影響力を抑制するためである(中略)。

訓練師たちは戦うためではなく、「訓練師たちを訓練」するために派遣される。彼らの仕事はパキスタン人軍事インストラクターに、アフガニスタンとの国境付近で展開されているゲリラ戦の戦い方を指導する(中略)。

パシュトゥーン族からなるパキスタンの国境警官には、アメリカが無線や偵察機器を支給している。いっぽうイギリスの訓練師たちは、狙撃術や家宅捜索の仕方など、抵抗勢力と戦うための技術を指導している(後略)。

hoonUK helps Pakistan fight militants
Frank Gardner

■十代の少年、ダラの和平ジルガで自爆。42人死亡[080303 News]

日曜日にダラ・アダム・ヘールで開催されていた和平大ジルガを狙った自爆攻撃があり、42人が死亡、数十人が負傷した。部族民長老たちが、ジルガに集っていた。

36人が即死し、その後6人が病院で死亡した。重傷の者が多いために、死者の数は増えると予測されている。

犯人については、さまざまな報告がある。地元の部族民によると、犯人はダラのシラキ地区出身の14歳の少年のようだったという。別の報告によると、チャルサッダ出身の18〜19歳の青年だった。行政官によると、犯人の頭部と身分証明所が現場から発見された。

爆発は、ジルガが終わった直後、参加者が解散しかけたところで起きた。ジルガの決議を政府に伝える代表者を決めるために、長老たちだけが残っていたところ、犯人が集会所に入って来て自爆した(中略)。

ジルガは、ダラのバザールから1キロ離れた、ザルグンヘール・ハサダール・ポストで開催されていた。谷に居住するシラキ、トールチャッバル、ザルグンヘール、アフルワル、ボスティ・ヘールの5氏族が、和平ジルガに参加していた。

(中略)地元ジャーナリストのムナワール・アフリディによると、ダラ・カウミ・テヘリーク(ダラ・ナショナル・ムーブメント)のハッジ・サイード・ワジールがジルガを率いて、この地域の平和のために部族民ラシュカレ(警察)を組織して、谷から治安部隊を撤退させようとする4つ議題を決議した。決議の1では武装勢力の活動を禁止し、犯罪行為を行なった者に対して対処することが強調されていた。

別の情報源によると、ダラ・アダム・ヘールを別の居住地に移そうとする計画に反対し、部族の伝統を保持して自分たちの独立を確保するという案が決議された。

長老たちは15人からなる代表団を組織し、ジルガの決議を行政府と治安組織に伝えることにし、そのために長老たちがジルガの解散後もその場に留まっていたという(中略)。

日曜日のジルガはダラの平和を確保し、治安部隊を谷から撤退させるために開催された。ハッジ・シェール・アフザルの指揮のもとで和平運動を開始する予定だったが、爆発によりすべてが台無しになったという(後略)。

garr42 killed in Darra suicide attack Teenager targets peace Jirga
Yousaf Ali、PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.