【2008年6月9日〜 6月15日】


■密輸業者、新型核弾頭の設計図を入手[080615 Washington Post]

リビア、イラン、北朝鮮に爆弾のパーツを売っていた国債密輸組織は、最新式核兵器の設計図を入手していたことが、元国連武器監査役の報告書から判明した。この設計図が、いくつかの国家、または無法組織に、極秘に流されていた可能性がある。

2006年にスイスのビジネスマンが所有していたコンピューターから発見された設計図は、イランや発展途上国が使用する弾道ミサイルに装着することができる、コンパクトな核爆弾のものである。

このコンピュータ内にあった書類は、国連の監視組織の立ち会いのもとで、スイス政府によって最近破棄された。しかしこれらが発見される前に、すでに他の者の手に渡っていた可能性があると、核兵器専門家のデビッド・オブライトが述べた。

アブドゥル・カディール・ハーン博士は、リビアに核兵器の情報を流していたと思われるが、2006年に発見された設計図が密輸されていたとすると、事態はもっと深刻になる。リビアには、旧式の比較的洗練されていない武器が密輸されたが、今回発見された設計図は、コンパクトな核爆弾を作れるという。このような爆弾の殺傷能力はそれほど高くないが、小さいために弾道ミサイルに使用できる。

「これらはカーンの別の顧客、イランと北朝鮮には理想的だ」と、オルブライトは書く(後略)。

hoonSmugglers Had Design For Advanced Warhead
Joby Warrick

■パキスタンでミサイル攻撃、武装勢力1人死亡[080614 AFP]

パキスタンの部族地帯から攻撃され、無人偵察機がミサイルを発射して、武装勢力1人を殺害した。

数日前に南ワジリスタンのマキーンでの出来事は、アフガニスタン米軍主導軍によるミサイル攻撃で兵士11人が死亡したばかりである。

「マキーン地域上空に無人偵察機が飛行していたために、過激派たちがロケット推進手榴弾で攻撃しようとした」と、地元の治安関係者が述べた。「ロケット推進手榴弾が発射された場所を無人偵察機がミサイルで攻撃し、武装勢力1人を殺害した」。

hoonMissile strike kills militant in Pakistan: officials
MIRANSHAH

■爆発で米兵4人死亡[080614 AP]

アフガニスタン西部で土曜日、米軍の車の近くで爆発があり、米兵4人が死亡した。

ファラ州で起きた爆発は、アフガン警察の訓練に協力していたアメリカ人たちを狙ったものだったと、米軍報道官のデビッド・ジョンソンが語った。このほかに米兵1人が負傷した。

(中略)米国防省のロバート・ゲイツが、アフガニスタンにおける米兵と同盟軍兵士の死者の総計は、イラクを追い超したと述べたばかりだった。『AP』のカウントによると、今年になってアフガニスタンで死亡した米兵の数は、少なくとも44人にのぼる(後略)。

hoonBomb kills 4 US troops in Afghanistan
JASON STRAZIUSO、KABUL

■同盟軍兵士と武装勢力、アフガニスタンの衝突で死亡[080613 AFP]

NATO軍の車列に自爆攻撃があり、犠牲者が出た。またアフガニスタン南部では、英兵とルーマニア兵が攻撃されて死亡したと、金曜日に関係者が述べた。

ナンガルハル州で、爆発物を搭載した自爆犯がNATO主導の車列に激突し、犠牲者が出た。「ISAFに犠牲者が出たが、現段階では詳細は語れない」と、カブールのISAFプレス・オフィスが発表した。

日曜日に爆発があり、イギリスのパラシュート隊兵士3人が死亡したが、再び英兵の犠牲者が出た。ヘルマンド州でパラシュート隊兵士が「基地周辺を通常の徒歩のパトロール」を行なっていたところ、「敵に攻撃された。悲劇的にも、隊のうち2人が死亡した」。負傷した3人目の兵士が、現在手当を受けている。

(中略)ザーブル州のカラートでは、金曜日にルーマニア軍の装甲車が攻撃され、ルーマニア兵1人が死亡、3人が負傷した。

これとは別に金曜日、ウルズガン州ではアフガン軍とNATO主導軍が、タリバン武装勢力17人を殺害した。この衝突で警察官1人が死亡し、タリバン10人が逮捕された。

またパクティア州では金曜日、米軍主導同盟軍が武装勢力を攻撃し、女性1人と武装勢力多数を殺害した。同盟軍が武装勢力リーダー2人の家を捜索していたところ、攻撃されたという。「軍が小火器で応戦し、空からの攻撃を要請した。武装勢力数人を殺害、また一緒にいた女性も死亡した」と、同盟軍が声明を発表した。建物の中では、自爆ジャケットを着用した男が自爆したという。

またカズニ州では、武装勢力責任者を捜索していた同盟軍が、アンダール地区にあった建物に爆発物が隠されているのを発見し、空爆した。この空爆で、タリバン7人が殺害された。また同じ地域で金曜日、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、警察官4人が負傷した(後略)。

hoonCoalition troops, militants killed in fresh Afghan violence
KABUL

■タリバン囚人、自爆攻撃により刑務所から逃走[080613 AFP]

金曜日の夜遅く、車爆弾や銃を用いてタリバンが刑務所を襲撃し、囚人数百人を解放し、少なくとも2人の警備員が死亡した。

(中略)「自爆犯が刑務所の正面玄関に激突し、ゲートや周りの壁を破壊した」と、法務大臣のサルワール・ダニッシュが述べた。その後「刑務所内部からの攻撃」が続いたという。「囚人多数が刑務所から脱走した。何人脱走したか、正確な数はわからない」。

ある関係者によると、600人ほどが逃走した恐れがあるという。また別の関係者によると、刑務所にはタリバン400人と他の犯罪者数百人が収監されていた。

警察関係者によると、爆発後に「小火器やロケット推進手榴弾を持ったタリバン多数に攻撃された」。またダニッシュが、アフガン治安部隊が現在再び刑務所を支配していると述べた。「刑務所の正面の大半が倒壊した。警備員2人が死亡、複数が負傷したと思われる。まだ瓦礫の山の中に、警備員がいる可能性がある」(後略)。

ohTaliban prisoners freed in Afghan prison suicide attack: officials
Nasrat Shoaib、KANDAHAR

■タリバンの攻撃でアフガン刑務所の囚人逃走[080613 AP]

金曜日にタリバン武装勢力が、爆弾やロケット弾を用いてアフガニスタン南部の刑務所を襲撃してゲートを爆破、囚人数百人が逃走した。警察官多数が殺害されたという。

正面ゲートがトラックを用いた爆弾で爆破され、自爆者が刑務所裏側の壁を攻撃、さらにロケット弾が外部から撃ち込まれて、カンダハルは数回の爆発音で揺れた。

タリバン報道官のカリ・ユーセフ・アフマディによると、バイクに乗った武装勢力30人と2人の自爆犯がサルポサ刑務所を攻撃し、タリバン400人近くが逃走した。

サルポサ刑務所責任者のアブドゥル・カビールによると、囚人数百人が逃走したというが、正確な人数はわかっていない(中略)。

カルザイ大統領の弟でカンダハル州議会議長のワリ・カルザイが、刑務所にはタリバン武装勢力350人がいたと述べた。「すべて」の囚人が逃走した。「1人も残っていない」という。カンダハルはタリバンの拠点で、これまでも激しい戦いが展開されていた地域である(中略)。

刑務所責任者のカビールによると、刑務所の正面玄関で爆発物を満載したタンクローリーが爆発し、ゲートと警察の詰め所を破壊。中にいた警察官を殺害した。警察官何人が死亡したかは明らかではない。その直後、歩いてきた男が自爆し、刑務所の裏の壁に大きな穴をあけた。さらに目撃者によると、約30分間、外からロケット弾が撃ち込まれたという。

近くで野菜を売っていたモハンマド・ヒクマトゥッラーによると、囚人が走って出て来て、近くのザクロ畑やブドウ畑の中に消えて行った。

タリバン報道官のアフマディによると、武装勢力たちが今回の刑務所襲撃を2ヵ月間にわたって綿密な計画を立てたという。「今日成功した」と述べ、囚人たちは「家に帰る」という(中略)。

先月、この刑務所ではタリバン200人が、1週間にわたってハンガーストライキを実施した(中略)。議員のハビブッラー・ジャンによると、囚人47人が口を糸で縫いつけ、ハンガーストライキを起こした。囚人たちは裁判にかけられることなく、2年間も拘束されていると訴えた(後略)。

ohTaliban attack helps inmates escape Afghan prison
NOOR KHAN and AMIR SHAH、KANDAHAR

■米の空爆、パキスタンの神経をさかなでる[080613 Asia Times]

(前略)火曜日にモーマンド行政区でパキスタン軍のチェックポストが米軍に空爆された事件の詳細は明らかではないが、目撃者となったタリバン報道官で、クナールとヌーリスタンの司令官代表であるのズベール・ムジャーヒッドが、電話で次のように語った。「アフガニスタンのクナールとパキスタンのモーマンドで活動していたタリバンのグループが、NATO軍がモーマンド行政区の山頂にあるサルハソコ軍事ポストを攻撃しているのを目撃した。「パキスタン軍がNATO軍に苦戦していたために、我々のネットワークをさっそく始動させた」。

「パキスタンの治安部隊がNATO軍に攻撃され、今やポストから追い払われそうになっていたところ、我々が数方角からNATO軍を攻撃した。NATO軍は不意打ちをくらい、余儀なく撤退した。パキスタン軍は兵士11人を失った。タリバンは8人を失い、NATO軍は20人がこの戦いで死亡した(中略)。

タリバンがパキスタンの治安部隊に加勢していたちょうどその時、デーラ・イスマイル・ハーンでは、治安部隊関係者7人がタリバンに拉致され、またモーマンド行政区ではチェックポストでは治安部隊と銃撃戦を交わした。

このような事実を見ると、タリバン、武装勢力、パキスタン政府との間に、非常に複雑な関係があることがわかる。パシュトゥーン族はパキスタン人の仲間であり、パシュトゥーン族の中心地は、タリバンの影響下にある。

タリバン司令官のハッジ・ナジールの件が、このことを浮き彫りにしている。アルカイダのリーダーたちもパキスタン・タリバン司令官のバイトゥッラー・マフスード、そしてウズベク人軍閥のカリ・タヒールも、ナジールがアフガニスタンのNATO軍と勇敢に、難しい戦闘を戦っていることを賞賛する。しかし、ナジールがパキスタンのISIと関係があることは、快く思われていない。彼はウズベク人戦闘員やバイトゥッラー・マフスード、タキフィーリ・アラブと、しばしば対立する。

(中略)2003年の終わりに、パキスタンの南ワジリスタンで、エジプト人とウズベク人が、2つの組織を結成した。ひとつがJaishul al-Qiba al-Jihadi al-Siri al-Alamiで、もうひとつはジュンドゥッラーである。

この2つの組織が2004年のマドリードの列車爆弾事件を首謀したり、2005年のロンドンの爆弾事件、またムシャラフなどの暗殺未遂を企てた。

パキスタン軍はネック・ムハンマドなど、多数の司令官を殺害したが、バイトゥッラー・マフスードなどの新たな人間が出現して、アルカイダにさらに協力するようになった。

これらの新司令官たちは活動を南ワジリスタンに限定せず、組織を国内各地に拡散していった。中でも、スワート谷やイスラマバードのラール・マスジッドは、彼らにとって重要だった。

今や「パキスタン・タリバン」は、地元の部族民長老の組織を排除した(中略)。

バローチスタン州のISI組織は、タリバン司令官の故ダドゥッラー師と関係を築くことに成功し、度重なる話し合いの末に、彼は南ワジリスタンで一役買うことに同意した。彼はタリバン責任者のオマール師からの手紙を持参し、南北ワジリスタンのすべての組織はアフガニスタンのジハードに関心を向け、地域的、グローバルな活動に巻き込まれるべきではないことを強調した。

親パキスタンで伝説的なムジャヒディン・リーダーのジャラウッディン・ハッカーニ師は、2006年春のタリバン責任者となり、アフガニスタンでのジハードを指揮した。これに先立ち、彼は部族地帯のパキスタン軍と和平協定を結んでいる。その結果、タリバンは2001年以来最大の成功を納め、パキスタンでは大きな混乱がなかった。

しかしウズベク人とエジプト人が、シェイク・エッサが彼のパキスタン人追随者のサディーク・ヌールとアブドゥル・ハリーク・ハッカーニとともに、パキスタンでイスラーム革命を提唱していた。彼らはアフガニスタンに入ってNATO軍と戦うのではなく、パキスタンの治安部隊と戦うことを望んだ。

したがって、パキスタンはアメリカがイラクで行なったように、またイギリスがヘルマンド州で行なったように、分割して支配する、という政策を採らざるを得なかった。

南ワジリスタンでは、イデオロギーの違いや部族民間の対立がある。多数がタリバンを支持しているが、ワジール族は、バイトゥッラー・マフスードが率いるマフスード族の力が強大化していることを、快く思っていない。バイトゥッラーはマフスード族の支持を受けているが、それよりも彼はウズベク人戦闘員数百人から支持され、この地域最大の司令官にのし上がった。

ISIはこの状況を利用して、ハッジ・ナジールを味方につけた。ウズベク人たちは、アフガニスタンでは戦っていない。ハッジ・ナジールは15万ドルと武器を爆発物を搭載したトラックを提供され、さらにアフガニスタンとの間を自由に出入りすることを保証された。

2007年1月にハッジ・ナジールとその部下たちはウズベク人虐殺に乗り出し、少なくとも250人を殺害、残りを南ワジリスタンから追放した。ハッジ・ナジールはアラブ人にも影響力を与えた。その1人のアブ・アリ・チュニジは、パキスタン人ジハード志願者数十人にハッジ・ナジールの仲間になるように働きかけ、今やナジールの組織はアフガニスタンでNATOと戦っている。

ハッジ・ナマンダールに関しても、同じようなことが言える。彼はカイパル行政区の最大の戦士で、アフガニスタンのタリバンの戦いに大いに貢献、タリバンのために資金を集めている。しかし、ISIはナマンダールに協力を仰ぎ、NATO軍に運ぶ補給物資を攻撃していたタリバンに打撃を与えるように依頼した。以後この補給路線に対する攻撃は止んだ。

NATOはこの矛盾に気がついていたが、ISIがやりたいようにやらせるしか、方法がなかった。

garrUS strike hits Pakistan's raw nerve
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■アメリカ、国境地帯攻撃のビデオを公開[080612 BBC]

アメリカが、アフガニスタンとの国境付近に対する空爆で、パキスタン兵11人が死亡した様子を映したビデオの一部を公開した。

米軍が親タリバン戦闘員に攻撃されたために防衛のために攻撃したことがわかると、アメリカは述べている(中略)。

無人偵察機で撮影されたこのモノクロの映像には、少人数のグループの男たちが尾根から小火器やロケット推進手榴弾を同盟軍に向けて発射しているのが見える。同盟軍はその下の谷におり、ビデオには映っていない。

ビデオにつけられた解説によると、この尾根はアフガニスタンのクナール州だという。「この地域には建物やパキスタンのチェックポストがないことは明らかだ」と解説する。偵察活動した兵士たちがヘリコプターを待っているところを、攻撃されたという。

ビデオには「反アフガン抵抗勢力」がパキスタン国内に移動するのが映され、その後の爆発で2人が死亡したと説明する。生存者たちは洞窟に逃げ込み、さらに衝突があった3時間後に、爆弾が3発が投下された。武装勢力全員が死亡し、全部で爆弾12発が使用された(中略)。

親タリバン武装勢力の報道官が、国境にポストを設営しようとしていた米軍とアフガン軍を攻撃したと発表した。

この戦闘で負傷した男の親戚が述べたことによると、米軍が部族民とパキスタン兵両方を攻撃したと述べた。「そして突然爆撃機が飛来して、爆弾を投下しはじめた」と、サイード・アマーンが述べた(後略)。

hoonUS releases border strike footage

■米軍機、南ワジリスタンを空爆[0806112 News]

水曜日の午後、米軍機2機がパキスタンを上空侵犯し、南ワジリスタンのアンゴール・アッダの近くのゼパ山脈を攻撃した。

情報源によると、アフガニスタンのパクティアにいる米軍が、南ワジリスタンのアンゴール・アッダを迫撃砲や大砲で攻撃した。

関係者や部族民情報源によると、米軍戦闘機2機がパキスタン領内を飛行し、国境地帯を爆撃した。ゼパ山脈にも、爆弾が投下された。ワナにまで、爆撃音が聞こえたという。爆撃で森が炎上した。

関係者によると、パクティアのマチャダット・キャンプにいる米軍が、その後パキスタン領内に迫撃砲や大砲を撃ち込んだ。犠牲者に関しては、明らかではない。

北ワジリスタンでは水曜日、アメリカのスパイ偵察機2機が飛行した(中略)。偵察機はかなり低い高度を飛行し、地元民たちを脅かしたという(後略)。

garrUS planes bomb S Waziristan
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■いかに同盟軍の攻撃が開始したか[080612 News]

6月10日の出来事に関して、さまざまな点が明らかになってきた。火曜日に、40〜50人のアフガン兵がモーマンド行政区の国境地帯のゴラ・パライ地区に現れた。隊はゴラ・パライにあるパキスタンの国境警察のチェックポストの反対側に陣取り、ここに自分たちのポストを設営すると、パキスタン側に知らせてきた。

パキスタンの治安部隊は、アフガニスタンとパキスタンの間で交わされた合意によれば、自分たちの領内であっても、相手のチェックポストの真っ正面にポストを設置できるという規定はないと警告した(中略)。火曜日の夜7時頃、アフガン軍がこの地域から撤退を始めると、襲撃された。その直後に同盟軍が、パキスタンのチェックポストを攻撃し始めた。同盟軍の地上軍が空からの援護を要請し、空爆でパキスタンの治安部隊兵士11人が死亡したという。さらに10人が行方不明になっている。

garrWhat triggered deadly attack by coalition
Qudssia Akhlaque

■モーマンド行政区を米軍ジェット機が空爆、27人死亡[080612 News]

火曜日の夜、モーマンド行政区の町や治安部隊のチェックポストが米軍ジェット戦闘機に空爆され、兵士13人を含む27人が死亡、多数が負傷した。

いっぽう情報源によると、国境付近のゴラ・パラオをアメリカが攻撃し、準軍隊のモーマンド・ライフル隊兵士25人が死亡し、7人が負傷したという。

モーマンド・ライフル隊の幹部関係者が語ったところによると、少佐を含む隊の人間13人が死亡した(中略)。情報源によると、兵士6人がいまだに行方不明である(中略)。

情報源によると、同盟軍が国境の両側からタリバン数十人に攻撃されたために、米軍機がパキスタン領内を火曜日の夜から空爆し始めた。

これに先立ち火曜日、米兵とアフガン兵約80人が、シェイク・パパ地域のスピーナ・スーカ(白い峰)に向かった。この地域は、パキスタンとアフガニスタンの両国間で、その帰属に関して争っている(中略)。

戦闘ヘリコプターと無人偵察機に援護された米軍が火曜日、この地域に軍のポストを設置したために、パキスタンの治安部隊がこれを制止したところ、銃撃された(中略)。

米軍が攻撃を開始すると、アフガン・タリバンとバイトゥッラー・マフスードが率いるパキスタン人タリバンが、両側から彼らを攻撃してはさみうちにした。米軍がバグラム空軍基地から援護を要請し、米軍関係者によると、米軍のF-15Strike Eagle戦闘機が、4500ポンドの精密誘導爆弾をパキスタン領内に投下した。

アメリカの無人機UAVが、武装勢力がパキスタンに逃げ込むのを監視、追跡したという報告もある。ある米関係者は、米軍は国境で制止したが、UAVが敵を追跡、位置を確認し、パキスタン軍と協力してタリバンを空爆したと述べた。

攻撃されたパキスタンの村には、サラン、バハドゥール・カレイ、グルーナとスピーナ・スーカが含まれている。またコラ・パロの国境警察のチェックポストが攻撃され、兵士50人が犠牲になった。

情報源によると、水曜日まで続いたこの空爆で、国境警察兵士や村人のほかに、戦闘員数人も犠牲になった。パキスタンタリバンのモーラビ・オマル報道官が、仲間14人が空爆で死亡したと述べた。そのうち8人がバジョール出身者で、6人がモーマンド出身だという。また自分たちはアフガン国軍兵士8人を捕虜にしたと主張した。

さらにアフガンタリバン報道官のザビウッラー・ムジャーヒッドが、クナールのサルカノ地区で、米軍ヘリコプターを撃墜したと述べた。またタリバンは、火曜日から水曜日にかけてクナールにパラシュートで投下した米軍パラシュート隊兵士20人を殺害したと主張した。国境地帯で米軍と衝突して、タリバン11人も死亡し、7人が負傷したという(後略)。

garr27 killed as US jets bomb Mohmand Agency
Mushtaq Yusufzai、GHALANAI/PESHAWAR

■米パ、国境空爆で意見が分かれる[080611 AP]

水曜日に発生した衝突でパキスタン兵11人が死亡した件に関して、パキスタン軍と米軍で大きく意見が食い違った。

両軍は数百ヤードしか離れていなかったにもかかわらず、見解に大きな隔たりがある(中略)。アメリカの関係者によると、パキスタンからアフガニスタンに入って攻撃を行なっている抵抗勢力に対して、空軍機3機が数十の爆弾を投下したと述べた。

ペンタゴンは、空爆でパキスタン側が主張しているようにパキスタン兵が死亡したかどうか断言するのは時期尚早だと述べたが、米大使館は死者に対して哀悼の意を一応表した。

米関係者は、アフガニスタン領内にに200ヤード入った地点で隊が攻撃されたために、報復したと主張した。同盟軍は、隊がパキスタンの国境地点のゴルパライにあるチェックポストの近くの林から攻撃されていると、パキスタン軍に報告したという。パキスタン兵はここで殺害されている。

この説明に従うと、パキスタン軍は、アフガニスタン内にいる同盟軍を攻撃していた抵抗勢力の近くにいたことになる。タリバンが、戦闘員8人が死亡したとのべていることからも、裏付けられる。

しかしパキスタン軍報道官のアサール・アッバス少将は、抵抗勢力がパキスタン内から、あるいはパキスタンの国境ポストの方角から攻撃しているという主張を否定した。また米軍が攻撃する前に、パキスタン側に警告したという主張も否定した。

アッバスによると、アフガン政府軍兵士が月曜日に、これまでもしばしば論争されていた国境地帯にある山頂を占拠したために引き返すように要求したところ、衝突が起きたという。「引き返そうとしているところ、アフガニスタン側にいた抵抗勢力に攻撃された」。

アフガン人たちが同盟軍の空爆を要求したために、パキスタン領内にいたパキスタンの国境警察のポストが空爆されたという。

両国で意見が一致していることは、同盟軍はパキスタン領内には入っていないということであるが、アッバスは、同盟軍のヘリコプターがパキスタン上空を侵害した可能性があると述べた。

(中略)パキスタンのタリバン報道官のモーラビ・オマルは、パキスタン領内に非難用穴蔵やテントを設置したNATO軍とアフガン軍を、自分たち戦闘員60〜100人が攻撃したと述べた。タリバン戦闘員はアフガン兵40人を殺害し、さらに多数を捕虜にした。またNATO軍ヘリコプターを撃墜したという(後略)。

smellPakistan, US differ over deadly border airstrike
MATTHEW PENNINGTON、ISLAMABAD

■米軍空爆でパキスタン兵11人死亡[080611 AFP]

水曜日にアフガニスタンとの国境近くを米軍が空爆し、パキスタン兵11人が死亡した。今後イスラマバードが、テロとの戦争に非協力的になる可能性も出てきた。

(中略)軍の報道官によると、モーマンド行政区のゴラ・ブライにある準軍隊の検問所が、「アフガニスタンにいる同盟軍の空爆で破壊され」、指揮官を含む兵士11人が死亡した。

(中略)治安関係者によると、アフガン軍が国境を越えてパキスタン側にある検問所を占拠しようとし、その後死者が出たという。この検問所は、両国がそれぞれその帰属を巡って争っている地域にあった。

パキスタン軍がアフガン兵に反撃し、その後同盟軍が爆撃したという。同盟軍の空軍機が数マイル離れた場所で、タリバン戦闘員15人を殺害したと、関係者が述べた。

パキスタン人タリバン報道官のモーラビ・オマルが、同盟軍のヘリコプターの空爆で、「ムジャヒディン」8人が死亡したと発表した。また抵抗勢力は同盟軍のヘリコプターを撃墜し、検問所を「攻撃」して引き返そうとしていたアフガン兵士7人を捕虜にしたという。

(中略)これまでも米軍が誤ってパキスタン兵を殺害したことがあるが、米軍に空爆されて死亡したのは初めてである(中略)。

アメリカのシンクタンクが2日前に、パキスタンの諜報組織と準軍隊が、アフガニスタンに入り米軍やNATO軍を攻撃しているタリバン武装勢力に協力していると発表したばかりである。

米国防省の資金援助を受けたランド研究所の研究によると、パキスタンにあるタリバンの基地が排除されなければ、アフガニスタンのカルザイ政府を支持する軍は、「アフガニスタンを安定させて再建することに失敗する」と発表した(後略)。

garrUS airstrike kills 11 Pakistan soldiers: army
Saad Khan、PESHAWAR

■「米軍攻撃による死者」で、パキスタン激怒[080611 BBC]

パキスタン兵11人が米軍の空爆により殺害され、これを受けてパキスタン軍は「卑怯な攻撃」と非難した。

アフガニスタンとの国境で起きたこの事件の詳細は、まだ明らかではない。

報告によると、米軍主導軍が、アフガニスタンで親タリバン系武装勢力と戦っていたという。米軍は作戦を実施したことを認め、アメリカとパキスタンとの間に緊張が高まっている。

クナール州の反対側のモーマンド地域の国境にある検問所が夜間に攻撃され、兵士11人が死亡した。

この衝突で、タリバン戦闘員8人も死亡したことを、タリバン報道官が認めている。どこで、どのようにして死亡したかは、明らかではない。

アフガニスタンの米軍報道官が、パキスタンの国境で実施された作戦を米軍が実施したことを認めたが、これ以上話すことはないと述べた。

パキスタン軍報道官が、「いわれのない攻撃で、卑怯な行為」だと述べ、「攻撃的な態度」だという。

『BBC』の特派員によると、タリバン武装勢力に対する攻撃であったはずが、誤った標的を攻撃したのではないかという。

あるパキスタン人治安関係者が、親タリバン系武装勢力がアフガニスタンで攻撃を実施し、パキスタン兵がこれに対する報復で死亡したという(中略)。またNATO関係者によると、攻撃はNATO軍ではなく、米軍によるものだったと述べた。

今回の攻撃に対して、パキスタンでは反米感情が高まっている(中略)。

これとは別にアフガニスタン東部では、米軍主導軍によると攻撃で一般市民4人が死亡したと、同盟軍が発表した。女性3人と子供1人が、パクティア州で実施されたタリバンに対する作戦で死亡した。

garr'US strike deaths' anger Pakistan

■パキスタンで警察官4人襲撃されて死亡[080609 AFP]

タリバン武装勢力がパキスタン北西部で警察官を襲撃し、4人が死亡した。いっぼう同じ地域で月曜日、イスラーム原理主義リーダーが爆弾で攻撃されたが、無事だった。

(中略)日曜日にペシャワルの近くのマタニで、警察官が襲撃された。「ガソリンスタンドに隠れていた武装勢力が、警察官が乗った車を襲撃した。警察官の一行は、あまりにも襲撃が突然だったために、報復できなかった」と、北西辺境州の警察の捜査官、ナジールウル・ムルクが述べた。

これとは別に月曜日、親タリバン系組織、タヘリーク・ニファージ・シャリアット・ムハンマドの指導者のスーフィー・ムハンマドをエスコートしていた警察官4人が、爆発で負傷した。

ムハンマドは4月に釈放されている(中略)。「エスコートの車が通過した途端、道ばたに仕掛けられた遠隔操作爆弾が爆発した。ムフティは無事」で、故郷のディール・マイダンにいるという。

hoonFour Pakistani policemen killed in militant ambush: police
PESHAWAR
Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.