【2008年6月16日〜 6月22日】


■アフガニスタンで外国人兵士6人と抵抗勢力数十人死亡[080621 AFP]

土曜日にアフガニスタン各地の爆発で、ポーランド兵を含む外国軍兵士6人が死亡した(中略)。

いっぽうアフガン軍によると、アフガニスタン各地で実施された作戦で、アフガン兵士5人と抵抗勢力数十人が死亡した。

米軍主導軍の兵士4人が、カンダハルの郊外で即席爆弾や小火器で攻撃され、死亡した。「カンダハルで作戦を実施していた所、簡易爆弾により同盟軍兵士4人が死亡し、2人が重傷を負った」と、同盟軍が発表した。

同盟軍報道官が後に語ったところによると、「複合的な攻撃で」、最初道路脇で爆発があり、その後カンダハル西部で小火器で攻撃されたという。兵士の国籍は発表されていない。

ファラ州では、同じような爆発で同盟軍兵士1人が死亡した。

さらにこれとは別に、パクティア州でNATO軍主導のISAF軍に従事していたポーランド兵が、爆発で死亡した。ISAF軍によると、パキスタンの国境側から基地の1つが攻撃されたという。犠牲者の報告はない。

ザーブルでは即席爆弾の爆発でアフガン兵士2人が死亡、3人が負傷した。またクナールでも、アフガン兵3人と抵抗勢力数十人が死亡した。その後抵抗勢力が病院をロケット弾で攻撃し、建設業者1人と地元の保険士を殺害した。

米軍主導軍が、アフガニスタン各地で「抵抗勢力数人」を殺害したと述べた。「24時間内に、各地の作戦で抵抗勢力35人を殺害したという報告が入っている」と、軍報道官のナサーン・ペリーが述べた(後略)。

hoonSix foreign soldiers, scores of rebels slain in Afghanistan
Sardar Ahmad、KABUL

■米軍車列に自爆攻撃、12人死亡[080620 AFP]

金曜日にアフガニスタン南部で軍の車列に対して自爆攻撃があり、米軍主導軍1人とアフガン人11人が死亡した。

車列は、ヘルマンド州の混雑したバザールを走行していた。最初小火器で攻撃され、その後、体に爆発物を巻きつけた男が自爆した。

これとは別に木曜日、ヘルマンド州の抵抗勢力と戦った米軍主導軍兵士2人が死亡した(後略)。

hoonSuicide attack on US convoy in Afghanistan kills 12
Nasrat Shoaib、KANDAHAR

■アフガン軍、タリバンを村から追い出す[080619 AP]

戦闘機に援護されたアフガン軍とNATO軍が、アフガニスタン南部の村を占拠していたタリバン武装勢力を追い出し、56人を殺害したと、関係者が述べた。

アルガンダブ村で迅速に作戦が実施され、カンダハルに対する脅威を取り除くことに成功したと、NATO軍が発表した。カンダハル刑務所から脱走したタリバンたちに怯えていた一般民を、安堵させた。村から避難した数百人の家族は、全員帰宅できるという。

しかし同盟軍関係者は、アフガン政府が、今回のタリバンによる脅威を誇張していたと述べた。「多数の武装勢力は発見できなかった。小さな衝突があっただけだった」と、カルロス・ブランコ少将が述べた。「現場にいた武装勢力の数は、発表された人数にはとうてい及ばない」。「危機はない」と、主張した。

(中略)ヘルマンドで、兵士2人が銃撃による傷で死亡し、1人が負傷したと、米軍主導軍が述べた。

hoonAfghan forces push Taliban militants from villages
NOOR KHAN、ARGHANDAB

■タリバン幹部ダドゥッラー、パキスタンいまだ拘束[080619 News]

パキスタンは、駐アフガニスタン大使のタリーク・アジズウッディンの解放と引き換えに、タリバン責任者のオバイドゥッラー・アフンドとマンスール・ダドゥッラーを釈放していない。米政府はこの2人の解放を報道したが、2人のタリバン責任者はいまだパキスタンに拘束されている。

パキスタン政府関係者が当記者に語ったところによると、「我々はマンスール・ダドゥッラーをチャマンの近くで去年逮捕し、アフガニスタンに引き渡した。しかしカルザイ政府は、拉致されたイタリア人ジャーナリストと引き換えに、彼を釈放した」。「今回我々はダドゥッラーと大使を交換していないのに、誰もこれを評価していない」。「これがパキスタンとアフガニスタンの違いだ」。カブールのパキスタン大使館は、アフガンと米関係者を、パキスタンの刑務所にいるオバイドゥッラー師とマンスール・ダドゥッラーに会わせた(後略)。

ohTop Taliban leader Dadullah still in Pak custody
Hamid Mir、ISLAMABAD

■NATO軍、アフガン軍、大規模作戦でタリバン35人殺害[080618 AFP]

カンダハル周辺に篭城しているタリバンを一掃するために、水曜日にアフガン軍とカナダ軍が大掛かりな「掃討作戦」を開始し、抵抗勢力35人と兵士2人が死亡したと、関係者が述べた(中略)。

これとは別に、アフガニスタンではNATO軍兵士6人が死亡した。そのうち4人が英兵で、女性兵士も含まれるという。

散発的に衝突が発生し、カナダ軍の装甲車がアルガンダブ地区に入り、ヘリコプターが低空飛行している。

アフガン軍が陸と空から集結し、アルガンダブ地区で「掃討作戦」を開始したと、国防省報道官のムハンマド・ザヒール・アジミ将軍が述べた。タビーン村で「NATO軍の空軍が、敵の集団を攻撃し」、「地元と外国人テロリストが死亡した」という。アフガン兵2人も死亡した。

(中略)タリバン報道官は、激しく抵抗することを誓った。「今朝戦闘が開始されたが、彼らは我々が占拠している土地を1メートルだって奪回することができないでいる。我々はアルガンダブから撤退する気持ちは全くない」と、ユースフ・アフマディが電話で語った。「我々はアルガンダブから、迫撃砲や大砲を使ってカンダハルを攻撃する。カンダハルでは自爆攻撃も計画している」。

(中略)いっぽうタリバン報道官のアフマディは、火曜日にヘルマンドで英兵4人を殺害したと述べた。そのうちの1人は女性だったという報告もある。これまでアフガニスタンでは、英兵108人が死亡している(後略)。

さらに水曜日にパクティア州では、ISAF兵士2人が死亡、10人が負傷した。

garrNATO, Afghan forces kill 35 Taliban in huge offensive
Nasrat Shoaib、ARGHANDAB

■1300万ドル相当のヘリコプターエンジン、行方不明[080618 AP]

アフガニスタンとパキスタンの国境地域で、1320万ドル相当の米軍ヘリコプター4機のエンジンが行方不明になったと、米軍関係者が水曜日に述べた。

エンジンはアフガニスタンのバグラム米空軍基地から、第82空軍連隊基地があるノースカロライナのフォート・ブラッグに輸送中だったと、米報道官ルミ・ニールソン・グリーンが述べた。「目的地に運ばれる途中で、積み荷が行方不明になった。行方不明になった正確な場所はまだわからない」。

ヘリコプターの部品は、4月に第82連隊が任務を終えて第101空軍連隊と交代する前に、行方不明になった。パキスタンのトラック輸送会社が、輸送していた。

両国の武装勢力たちは、NATO軍基地に向かう車列をたびたび襲撃している。3月には、アフガニスタンの米軍基地に向かったトラック40台が、パキスタンの国境地帯で爆破され、破壊された。この爆発で、100人が負傷した。

パキスタン軍報道官のアサール・アッバスが、ヘリコプター部品が行方不明になった件は、現在捜査中だという。米軍は、どのようなエンジンが行方不明になったかは、明らかにしていない。

ohUS: 4 helicopter engines worth $13M missing
JASON STRAZIUSO、KABUL

■空爆で激怒したパキスタン、訓練を中止[080618 New York Times]

先週アメリカが空爆を行なったことに激怒したパキスタン軍は、イスラーム過激派と戦う準軍隊を訓練するアメリカの計画を延期、あるいは中止すると脅していると、2人のパキスタン政府関係者が述べた。

パキスタンの関係者は、アメリカが故意にパキスタン軍を空爆して兵士11人を殺害したと捉えている人間が多いという。アメリカはこれを否定している。

6月10日の空爆により、この計画の行く末が曖昧になり、すでに微妙になっているアメリカとパキスタンの協力態勢が、いっそう危うくなってきた。

アメリカは国境警察隊と呼ばれる準軍隊を訓練するために、4億ドルの訓練計画を準備している。この計画は、米兵を部族地帯入ることをパキスタン政府が拒否しているために、この地域の治安を回復させるための唯一残された方策として考えだされた。

この計画を中止、あるいは延期されることで、パキスタンからアフガニスタンに越境して攻撃を続ける武装勢力を掃討したいアメリカにとっては、大きな打撃をとなる(中略)。

今回の出来事で、パキスタンとアメリカとの間の不信感が浮き彫りになった。これまではムシャラフ大統領とブッシュ大統領の個人的な関係により、両国の協力関係が保たれてきたと、パキスタン人関係者や外交関係者が語る。しかしこの2人の権力者が失墜するとともに、パキスタンの部族地帯に深く根付いたタリバンやアルカイダの組織の脅威を排除することが難しくなってきた。

あるパキスタン政府関係者によると、パキスタン軍内部では、今回のアメリカの攻撃は、パキスタンが武装勢力がアフガニスタンに越境することを防がないための制裁として、アメリカが故意に攻撃を行なったと見る者が多いという。「今回の空爆とで、国境警察を訓練しようとするアメリカの計画に、悪影響が出る恐れがある」と、パキスタン軍報道官のアサール・アッパスが月曜日に述べた。

米軍報道官によると、米軍がクナール州とモーマンド行政区との間の国境地帯を爆撃する意図があることを、パキスタンの連絡将校に報告したと主張している。パキスタンは、これを激しく否定。アメリカの爆撃は防衛のためではなく、ゴラ・パライにある国境警察のポストを狙ったものだという。

兵士たちが駐屯していた、石でできた小屋と9つの避難壕が破壊されたという。このポストの位置は地図に明記され、NATO軍と米軍はその位置を把握していたと主張する。パキスタン政府関係者は、今回の米軍の攻撃は事故にしては「正確すぎるし、激しすぎる」という。

いっぽうこの地域にいる米関係者は、これを否定する。「国境線がはっきりしていないこと、悪い連中が行き来する悪地形、国境地帯や入り乱れる人間をコントロールできない無能な国境警察隊、すべてが原因だ。『故意に行なわれた報復』ではない」。

キアニ陸軍参謀長は、アメリカが部族地帯で活動することを完全に拒否した。部族地帯にいる武装勢力を取り締まるパキスタン軍に、アメリカ人訓練師が同行する計画も却下されたと、パキスタン軍幹部関係者が述べた。

キアニ将軍は、アメリカの軍事アドバイザーがパキスタン人訓練師を指導し、指導を受けたパキスタン人が国境警察隊員を訓練するという計画を、手っ取り早い代案として受け入れられたと、ある米関係者が述べた。しかしワシントンでは、この訓練がどの程度価値があるか疑問であり、さらに今回の攻撃で、これまでパキスタン人関係者が個人的に持っていたとしても隠していたアメリカに対する不満が、一気に噴出してしまったという。

(中略)アメリカは、国境警察隊員たちはイスラーム過激派がパキスタンから国境を越えることを見逃していると見ている(中略)。パキスタンからの越境による攻撃は、4月には去年と比べて50%も増えた(中略)。あるパキスタン政府関係者は、攻撃された国境警察隊のポストがあった場所は、2006年以来、タリバンが支配していたと語る。

garrPakistani Fury Over Airstrikes Imperils Training
JANE PERLEZ、ISLAMABAD

■タリバン、米ヘリコプターのパーツを入手[080618 News]

数週間前に部族地帯のタリバンが、アメリカのチヌーク、ブラック・ホーク、コプラ3機のヘリコプターのバーツを入手し、ペシャワルからジャララバードに、巨大なコンテナに載せて輸送したために、ペンタゴン、ホワイトハウス、米政権を驚かせた。

パキスタンの関係者は、これらのパーツがタリバンの手に渡ったことを認めたが、イスラマバードの米外交官たちは、事実を否定しないまま、真相を究明しようとしている。米大使館報道官のエリザベス・コルトンは、「大使館はこの件に関してコメントすることはないが、噂にすぎない」と述べた。

当記者が大使館報道官に、ヘリコプターのパーツの写真を実際に見たと述べた所、「ノーコメント」と答えた(中略)。

外交筋の情報源によると、最近アメリカが部族地帯を空爆したのは、タリバンが米軍から盗み出した、解体されたヘリコプター2機のパーツが置かれた場所を攻撃するためだったという。

情報源によると、国務省のリチャード・バウチャーが、パキスタンとアフガニスタンの紛争地域を視察するために訪れる予定だったという。驚くべきことに、米軍はヘリコプターを解体してコンテナに載せ、カラチに輸送、そこから陸路でペシャワルまで運ばれていたのだ。そこから部族地帯を抜け、アフガニスタンに入る予定だった。

これらのコンテナがカイバル行政区のジャムルッドに入ったところ、タリバンに阻止され、盗まれた。パキスタン準軍隊はタリバンと対戦したものの、暗闇の中だったために大きな被害を受けた。駐アフガンパキスタン大使、タリーク・アジズウッディンが拉致された、同じ地域での出来事である。

チヌークとブラック・ホークは最近強奪されたが、コブラは数週間前に盗まれた。タリバンがコプラ・ヘリコプターを入手すると、すべてのパーツの写真を撮り、そのCDをアフガニスタンの仲間に送った。

ファラ州の人間がコプラ・ヘリコプター購入に興味を示したために、部品がファラに密輸された。タリバンはコブラを数百万ドルで売却した。

その後再びパーツが強奪され、タリバンは今度は解体されたCH-47チメークとブラック・ホークを撮影した。アフガニスタンの近隣国家もこれらに関心を示しているが、いまだにタリバンがパーツを持っているために、まだ売却されていないようだ。

タリバンは1998年にアフガニスタン東部のコーストで、トマホークミサイルの不発弾を入手している。これらはケニアとタンザニアのアメリカ大使館攻撃されたあと、アルカイダの拠点を狙って発射された。これらの不発弾は、1998年に中国に売却された。

米軍関係者はパキスタンに、これらの盗まれたヘリコプターを奪回するために、パキスタンに作戦を行なうよう要求した(後略)。

ohTaliban capture US helicopter parts
Hamid Mir、ISLAMABAD

■パキスタン武装勢力、取り引きを「延期」[080617 BBC]

パキスタンのスワートにいる親タリバン系武装勢力が、政府とのすべての接触を断わったと述べた。スワートの武装勢力は、政府との和平協定に関して話し合いを続けてきた。

(中略)武装勢力報道官のムスリム・ハーンが、「我々議会は、1週間ほど政府との話し合いを中断することに決めた」と述べた。「政府は前向きにこの件に対処していると信じているが、軍や関係者何人かが、話し合い全体を妨害している」と述べ、政府は武装勢力の「要求」に十分答えていないと、非難した。ただちに政府との話し合いを中断し、対話が行なわれないことを確認するために、電話を切ったという。

1週間ほど様子を見て、政府側が自分たちの要求に答えるかどうか様子を見ると述べた。隊が自分たちの居住地から撤退することや、シャリーア法の施行はまだ実施されていないという。

しかし『BBC』のサイード・ショハイブ・ハッサンによると、拘束されている武装勢力の釈放に関して意見が一致していないという。取り引きに従って、政府は逮捕した武装勢力65人を釈放することになっていたが、今のところまで18人しか釈放されていない。「我々の要求が受け入れられないなら、協定をすべて破棄する」(後略)。

hoonPakistan militants 'suspend' deal

■核専門家、兵器の件は「嘘」[080617 BBC]

パキスタンの核科学者のアブドゥル・カディール・カーン博士が、最新核弾頭の設計図をスイスに密輸したという主張を否定した。

カーン博士は月曜日、元国連核捜査官のデビッド・オルブライト氏の主張を、「嘘」と却下した。

(中略)ハーンは、イラン、北朝鮮、リビアに秘密を密輸したのは、政府からの内密の承諾を得たからだったと述べた。しかしオルブライト氏は、カーンは2004年に告白したことよりも、もっと重大な罪を犯していると述べた。(中略)「これは全く別の設計図で、非常に危険だ」という。「このようなものに関する情報は、核保有国以外には知っている者はほとんどいない」。

(中略)しかしカーン博士は、彼のチームはそのような最新式の兵器を扱ったことはないと述べ、「事実無根」だという。自分の研究室では、1983年に「単純な基本的な兵器」を開発しただけで、その後この研究を発展させていないという(中略)。

この設計図が発見されたのは、スイス人のビジネスマンのフリードリッヒ・ティナーと、彼の2人の息子、マルコとウルスが所有するコンピュータからである(後略)。

hoonAtom expert rejects weapon 'lies'

■アフガン、戦いを恐れて避難[080617 BBC]

アフガニスタン南部のタリバンに占拠された町の住民たち数百人が、避難を始めた。

カンダハル付近の住民や政府関係者によると、ここ数日間に数百人の家族が避難を始めた(中略)。

アフガンとNATO関係者によると、抵抗勢力からの「脅威」に対処するために、隊を配置し始めたという。月曜日に町を占拠したタリバンが、刑務所から脱獄したタリバンかどうかはわからない。

(中略)「タリバンが動き始めた。一ヵ所に長期間留まることはできないはずだ」と、国防省報道官のザヒール・アジミ将軍が述べた。「橋がいくつか爆破されたようだ。彼らを捜索している」。

NATO軍のヘリコプターが、作戦が開始する前に避難するよう人々に勧告するビラを撒いていると報告されている。

(中略)武装勢力たちが、地雷を設置しているという報告もある。タリバン司令官だと名乗るムッラー・ダウードが『BBC』に電話で、「我々はカンダハルのような重要な町を占拠しようと思っているために、アルガンダーブに集結した」と主張した。

garrAfghans flee amid fears of battle

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.