【2008年6月23日〜 6月29日】


■パキスタン軍、タリバンを攻撃[080629 Washington Post]

(前略)ここ数ヵ月、過激派の軍閥であるマンガル・バー・アフリディは、カイバル行政区で大きな脅威となっている。強力な過激派組織であるラシュカレ・イスラームのリーダーであるバーは、地元で商売をしながら頭角を現わした。

ラシュカレ・イスラームは、部族地帯で独自の政府を築いた。政府が禁止しているにもかかわらず、地元の部族民の共感を得るためにFMラジオ局を持ち、戦闘員たちを集めて、対立する者たちを脅迫している。カイバル行政区の住民によると、バーがこの地域のほとんどを支配しているという。

バーはパキスタンのタリバンやアルカイダとの関係を否定しているが、彼がバラに厳格なイスラーム法を施行しようとしているために、この地域の最も危険な過激派と見られている。

ペシャワルのパキスタン政府関係者は、バーの活動を見て見ぬ振りをしていると語った。彼によると、イスラマバードの軍の諜報組織の関係者がペシャワル政府に、バーの「陰の政府」を容認するように命令したという。「マンガル・バーはしばらく前からここにいるが、彼の行動を見て見ぬふりをするよう命令されている」と、ある幹部関係者が述べた。

土曜日にバラのシパ地区にいるパキスタンの治安部隊が、バラの家を壊した。関係者によると、バーは、バラの北西部に逃げた(中略)。

準軍隊は、バラの近くのシャロバール町にあるラシュカレ・イスラーム本部も壊した。ラシュカレ・イスラームの司令官であるシャアーブ・アフリディが負傷し、別の組織の戦闘員が死亡したという。

hoonPakistani Forces Move In On TalibanU.S. Has Urged Action 
Candace Rondeaux、KABUL

■タリバン、パキスタンの都市を脅かす[080628 New York Times]

(前略)タリバンは部族地帯に大きな影響力を発し、パキスタンの都市部にも進出し始めた。タリバン武装勢力は、さまざまな組織が一体化したものといえる(中略)。

まずペシャワル南部のダラ・アダム・ヘールには、タリバン傘下の組織、パキスタン・テヘリーケ・タリバンがある。これはバイトゥッラー・マフスードが率いる。その東には、ラシュカレ・イスラームという組織を率いるマンガル・バーがいる。カイバル行政区で活動するバーは多くの追随者や資金を持ち、ティラ谷の別の組織と敵対関係にある。

北部では、テヘリーケ・タリバンが数ヵ月前にミチニ町に収容所を作った。またワルサックでは、タリバンが訓練所を建設したという。さらに数マイル離れたシャブカダールの広場にタリバンが現われ、問題を解決するためには裁判所に行かずに自分たちに相談することを促す掲示を貼りだした。

木曜日にはチャールサッダのそばのタンギで、武装して顔を隠した男たちを乗せた4台のトラックが、地方選挙の女性投票所となっていた学校に押しかけ、学校にいた男たちに立ち去るよう命令した(中略)。

ペシャワルから20分しか離れていないチャールサッダでは、タリバンを乗せた車列がここ数週間頻繁に現われている。彼らがやってきても、誰も抵抗していない。

金曜日には、地元タリバン司令官のワルール・レーマンがバジョールで、数千人の前で2人の男を公開処刑に処した。先月ダマドーラで14人がミサイル攻撃で死亡したのは、この2人がアメリカに情報を流したためだという。ダガーを持ったガンマンたちが男たちにのしかかり首を切り落とし、落とした首を掲げると群衆から歓声が上がった。

これらの地域で武装勢力たちは、恐怖と共感の両方を得てる。1990年代のアフガニスタンの繰り返しである。タリバンはまず犯罪者に矛先を向ける。犯罪者を攻撃し、住民の共感を得る。その後、犯罪者たちは髪や髭を伸ばしてタリバンの傘下に入る。こうして犯罪者たちは金と引き換えに、武装勢力に庇護される。

先週末には、ペシャワルの高級住宅地の家屋から、キリスト教徒16人が拉致された。警察の交渉により全員解放されたが、地主だったムスリムの男はその後も拘束され、3ヵ月間イスラーム復興のための会合に参加するという条件で、やって解放された。

さらにハヤタバードからは、売春婦4人が拉致された。この地域はカイバル行政区と隣接する高級住宅地である。またこの地域では若い少年の拉致も頻繁に起きている。ここ数週間のうちに少年が拉致され、ジハードの訓練を受けさせられているという(後略)。

garrTaliban Imperil Pakistani City, a Major Hub
JANE PERLEZ and PIR ZUBAIR SHAH、Peshawar

■パキスタン軍、武装勢力攻撃[080628 BBC]

パキスタン軍がペシャワルの近くで、武装勢力に対して攻撃を開始した。最近武装勢力たちは、ペシャワル周辺で活動し始めている。軍がアフガニスタンに通じる道路を封鎖し、戒厳令を発令した。

パキスタンの武装勢力責任者のバイトゥッラー・マフスードが、政府との話し合いを中止したと述べた。

軍は戦車や装甲車とともに、カイバル行政区に入った。カイバル地域の山中にある武装勢力の拠点に、迫撃砲が発射された。

「今のところ抵抗はない」と、北西辺境州警察責任者のマリーク・テビード・ハーンが述べた。武装勢力は攻撃の前、すでに撤退したとも言われる(後略)。

hoonPakistan army attacks militants

■パキスタン、タリバンを攻撃[080628 AP]

土曜日にパキスタン軍が、迫撃砲を用いて武装勢力の拠点を攻撃した。

カイバル部族地帯で実施された攻撃は、新しい政府になってから初めてのことである。これまで政府は話し合いで問題を解決しようとしていたが、ペシャワルがイスラーム過激派に脅かされるようになり、軍は行動することにしたという。

(中略)土曜日の午後、国境警察隊がカイバル行政区の山中にある武装勢力の拠点を攻撃し始めた。

作戦が実施されたために政府との話し合いを延期したと、バイトゥッラー・マフスードが述べた(中略)。「武力で平和をもたらすことはできない。戦闘が再開すれば、パキスタン軍にとっては非常に運が悪いことになるだろう」。

カイバルの警察関係者のファシウッラーによると、金曜日の夜、国境警察隊員700人がカイバルに入ったという。バラには戒厳令が発令され、軍がカイバルに入る道路を封鎖した。「バザールはすべて店を閉め、住民は外に出ないよう警告された」。

タリバン系組織は、この地域で作戦を実施すれば、状況は混乱するだけだと述べた。「もし政府がやべきことがあると思うなら、話し合いによってのみ実行できる。軍隊を使ってもどうしようもない」と、 悪徳と美徳運動報道官のムンシフ・ハーンが述べた。「政府と話し合う準備はできている」。(中略)「我々は隊を増やした。武装勢力がこちらに来ることを阻止する」。

悪徳と美徳運動を率いるハッジ・ナマンダルは、アフガニスタンにいる同盟軍を攻撃していると見られている。ナマンダルはこの地域に、独自の厳しいイスラーム法を施行しようとしている。しかしパキスタンのタリバンの責任者と見られているバイトゥッラー・マフスードとは、仲が悪い。

マンガル・バーの戦闘員たちが、ペシャワルで攻撃をして民衆を脅かし、自分たちの影響力を誇示している。バーの追随者たちは、アフガニスタンにいる同盟軍のために物資を運ぶ車列を襲撃している。

パキスタンの部族地帯の治安責任者であるマフムード・シャーによると、タリバンは今や部族地帯全体を支配しているため、民衆は「連邦政府が何か行動することを待っている」という。「我々の戸口までにやってきた」。「畑に流れ込む水のようで、せき止めなければ溺れてしまう」。

2週間前、カイバルのタリバン軍がペシャワルに武装勢力を送り込み、キリスト教徒16人を拉致した。後に全員釈放された。

カイバル行政区をバトロールする準軍隊隊員のミスリ・ハーンは、武装勢力が仲間16人を拉致し、もしこの地域のチェックポストから撤退しなければ、全員を斬首し、さらに捕虜を取ると脅かした。隊はこれを拒否した。

(中略)金曜日にはバジョールの武装勢力が、米軍のためにスパイ行為をしたとして、5000人の群衆の前で2人の男を公開処刑した。銃撃された3人目の男の遺体が、パジョールの路上で発見されている(後略)。

garrPakistan launches strike at Taliban hideouts
KATHY GANNON、KHYBER AGENCY

■北西辺境州政府、タリバンの要求を飲む[080627 News]

スワートのタリバンが、過去4日にわたって無慈悲な攻撃を繰り返したために、北西辺境州政府がついに治安部隊のチェックポストを撤去し、逮捕されたタリバン全員を数日内に釈放し、軍事作戦の犠牲者を補償することを約束した。しかし軍を撤退させることは、拒否した。

停戦協定を結び、和声協定に遵守するために、政府がタリバンと新たな話し合いを行なった(後略)。

hoonNWFP govt accepts Swat Taliban demands
Delawar Jan、PESHAWAR

■パキスタン人タリバン、「スパイ」を公開処刑に[080627 AFP]

パキスタン人タリバンが金曜日、2人のアフガン人をスパイだとして数千人の前で公開処刑に処した。またその後の衝突で、2人が死亡した。

武装勢力がバジョール部族地帯の群衆に、2人がアフガニスタンにいる米軍に情報を提供したために5月にミサイルで攻撃されたと主張し、1人を銃殺、もう1人は斬首した。

目撃者によると、カールから10キロほど離れた広場に5000人の人間が集まり、公開処刑を見物した。「10日前、タリバンにスパイの容疑をかけられて拉致された2人の人間が、武装勢力に処刑された」と、地元の治安関係者が述べた。2人の行為のせいで、アメリカが5月14日にミサイル攻撃を行ない14人が死亡したと、タリバンが2人の罪状をメガホンで読みあげた。

(中略)処刑のあとタリバンが空中に向かって威嚇射撃をしたが、群衆の中からも何発か銃が発射されたために、その後短い銃撃が交わされた。「銃撃になり、2人が死亡した(後略)。

garrPakistani Taliban publicly execute two 'spies'
KHAR

■アフガンの攻撃で同盟軍兵士3死亡[080626 AP]

木曜日にカブール南部で、パトロール中の米軍主導同盟軍が抵抗勢力に攻撃され、兵士3人とアフガン人通訳が死亡した。

兵士の国籍は発表されていないが、この地域の同盟軍は米軍が占める。

車列が、ワルダック州のサイダバードを走行中に攻撃された。フリーランスのテレビカメラマンが、攻撃現場を撮影した。曲がりくねった山道で車が炎上し、武装勢力たちがM-16ライフルを掲げ、弾薬ベルトを引きずりながら去る映像が映し出された(後略)。

hoonAfghan attack kills 3 US coalition members
STEPHEN GRAHAM、KABUL

■カルザイ暗殺計画の背後にパキスタンとアフガニスタン[080626 New York Times]

アフガニスタン政府は水曜日、4月に起きたカルザイ大統領暗殺未遂にパキスタンの諜報組織が関与していたと非難した。

記者会見でアフガニスタンの諜報組織報道官のサイード・アンサリが、政府はパキスタンの諜報組織ISIが、暗殺未遂に関与していた証拠があると述べた。証拠は、攻撃の後に逮捕された6人の容疑者の告白や、携帯電話の記録から明らかになったという(中略)。

アフガン諜報組織はこれまでも、攻撃に関与した人間のうちの3人はアフガニスタン国外の人間で、パキスタンの部族地帯、北ワジリスタンのミランシャーの人間を含んでいると述べてきた。

暗殺未遂事件から数日後、カブールで家宅捜索が行なわれた際に殺害された3人の内の1人は、ホマユンと名前のアフガン人で、1月に起きたカブールのセリナ・ホテル攻撃に直接関与していた。残りはカブールで自爆を計画していた、2人目のアフガン人と外国人女性である。アフガン諜報組織関係者は、ホマユンはジャラウッディン・ハッカーニと関係があると見ている。

水曜日の記者会見でアンサリ氏は、死後発見されたこの3人の携帯電話には、パキスタンの局番が多数登録されていたと述べた。この電話番号から、ホマユンとISIとの間に「直接的な関係」があったことが証明されたという。「ISIが関与していたと憶測しているのではない。確実に関与していると言っているのだ」と述べた。

カブールで開催されたアフガン・ナショナル・デーにおけるパレードで、カルザイ大統領が狙われた。カルザイは無事だったが、3人が殺害された(中略)。この事件の直後、アフガン政府関係者は、暗殺事件はアフガニスタンの警備網をくぐり抜け、パキスタンの部族地帯にいるアルカイダ組織と関係していた武装勢力の仕業だと発表した(後略)。

smellAfghans See Pakistan Role in Karzai Plot
ABDUL WAHEED WAFA and GRAHAM BOWLEY、KABUL

■パキスタンタリバン、平和委員会の28人殺害を主張[080626 New York Times]

水曜日、政府主導の平和委員会のメンバー28人の遺体が、南ワジリスタンの路上に放置されているのが発見された。パキスタンのタリバンが、政府を支持したために男たちを殺害したという声明を、地元ジャーナリストに発表した。

月曜日にジャンドーラで、平和委員会が、バイトゥッラー・マフスードの戦闘員たちに襲撃されたと、地域の政府関係者バルカトゥッラー・マルワットが述べた。

マフスードの軍隊による、この地域の親政府系長老に対する残虐な行為は、身の毛もよだつメッセージである。軍隊を使わず、武装勢力と話し合いで問題を解決しようとするパキスタン新政府の政策に対する挑戦である。殺害された男たちは、銃殺されたり首を斬られていた。

「部族地帯からのメッセージだ。政府側の人間は、同じ運命に遭う」と、部族地帯の長老ミルザ・ジハーディーが語った。平和委員の殺害は、タリバンに抵抗しようとする人間に対する「教訓」だという。

パキスタン人タリバン報道官のモーラビ・オマルが水曜日、28人の男たちはタリバン法廷の命令で殺害されたという声明を、デーライスマイル・ハーンのジャーナリスト、サリーブ・マフスードに送った。

平和委員会メンバー30人が、月曜日にジャンドーラで誘拐された。その後マフスード氏の拠点であるスピン・ザガザイに連れて行かれて裁判にかけられ、殺害されたという。残りの2人は、行方不明である。

去年政府の依頼を受けて、200〜300人から成るの平和委員会が、ハッジ・トゥルキスタンの元で組織された。トゥルキスタンはビタニ族の強力なリーダーで、これまでマフスード氏が属するマフスード族と対立してきた。

タリバン軍がジャンドーラに入った際にトルキスタンは逃げたと、地元の住民が述べた。彼の家を始め他の委員の家は、すべて放火された。軍のヘリコプターや兵士を乗せた車が火曜日にジャンドーラに入ったが、町を包囲したタリバンに対して、軍は攻撃しなかったという。

タリバンの力を誇示する別の出来事として、ビタニ族に属する村人たちは、タンク周辺の自宅から出るように命令された。水曜日に、女性や子供たちが家から逃げ出すのが目撃されている。夜になるとビタニ族のある村からは、誰もいなくなった。別の村は、夜の9時までに退去するよう命じられた。

(中略)タリバンたちはここ数日間、残虐な攻撃を繰り返している。オラクザイ行政区では、タリバンによって犯罪者と名指しされた6人が、公開処刑に処された。

水曜日に政府はイスラマバードで治安関係者幹部と会い、ギラニ首相がキアニ陸軍参謀長に、「信憑性のある諜報情報」を入手した場合は、部族地帯と北西辺境で軍隊を使用する権限を与えたと、パキスタンのテレビ局が報道した。

しかし武装勢力に対する軍隊使用はあくまでも政府の政策に准じるものであり、軍隊稼働は「最後の手段」だという。「パキスタンは自国の領土が、他の国家、特にアフガニスタンを攻撃するために用いられることを許さない。またいかなる場合でも、外国軍がパキスタン領内で活動することを許さない」。

この声明は、パキスタン人戦闘員を一掃するために、米軍やアフガン軍が部族地帯に入る可能性があるという政府内の危惧を表している。

garrPakistani Taliban Say They Killed 28 Men From Peace Group
ANE PERLEZ and PIR ZUBAIR SHAH、PESHAWAR

■パキスタンタリバン、「ライバル22人を殺害」[080625 BBC]

パキスタンの北西部政府によると、月曜日に地元タリバンに拉致された部族民22人が殺害されたという。

男たちは、タリバン・リーダーのバイトゥッラー・マフスードにより、南ワジリスタンで拉致された。政府寄りと見られている、ライバルの部族に属していたという(中略)。

殺害された部族民たちは、月曜日にジャンドーラを占拠したタリバン武装勢力が拉致した30人の男たちの一部だという。月曜日に発生したライバルグループ同士の衝突で、12人の死亡者が発生した。犠牲者には、武装勢力が8人、女性と子供がそれぞれ2人ずつ含まれる。

ジャンドーラ行政府の代表者であるバルカトゥッラーによると、月曜日に拉致されたビタニ族の男30人のうち22人が殺害されたという。「村人が、銃を乱射されて死亡した男たちの遺体がジャンドーラの谷に放置されているのを発見した」。軍の報復を恐れ、タリバン戦闘員たちは町から撤退したという。

死者の中には、ジャンドーラと隣のタンク地域の大多数を占める、ビタニ族のニマタヘール枝族の戦闘員もいるという。これらの部族は政府軍の指示を受けており、この地域にいるバイトゥッラー・マフスードの戦闘員と対立していた。オブザーバーによると、ビタニ族はマフスード族と戦った軍に協力したために、今回の攻撃はそれに対する報復だという。

しかし治安関係者によると、問題はもっと複雑だという。ビタニ族は、マフスード族の車が自分たちの領地を通行する際に検問し、女性でさえも身体検査をしていたという。

軍はジャンドーラに基地を持っているために、衝突が発生した際には攻撃できる態勢にあった。しかしマフスード族は今は撤退し、政府との間で行なわれている和平のための話し合いには支障がないようである。

2部族間のジルガが現在開催され、「今後このような問題が起こらないよう、話し合っている」とバルカトゥッラーが語った(後略)。

hoonPakistan Taleban 'kill 22 rivals'

■パキスタンの武装勢力、22人を殺害[080625 AP]

関係者によると、北西部の衝突のあと、ライバルグループの数十人を捕虜にしたタリバンが、そのうちの少なくとも22人を殺害した。

月曜日に、南ワジリスタンの近くのジョンドーラの外にある村を、タリバン戦闘員が攻撃した。タリバン指導者のバイトゥッラー・マフスードの追随者たちが、トゥルキスタン・ビタニが率いる親政府系組織の人間を捕虜にした。

地元関係者によると、水曜日の早朝、銃で乱射された捕虜22人の遺体が、タンク〜ジョンドーラを結ぶ道路で発見された。

hoonOfficials: Pakistan militants slay 22
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN


■アルカイダのオンライン攻撃[080624 Washington Post]

(前略)テロとの戦争は、アイディアとプロパガンダの戦争、テレビやインターネットで人々の心を勝ち取る戦争に進化した。その前線では、アルカイダの声が最近非常に強くなった。テクノロジーと敵の失敗を利用して、アルカイダのリーダーシップは長期的なプロパガンダ作戦を展開し、自分たちの協賛者と、さまざまな言語で持続的に安全に対話し、志願者を募っている。

3〜4日に一度、新しいビデオやオーディオがアルカイダのプロパガンダ部門であるアス・サハブから、オンラインで発信される。世界がアルカイダ幹部を必死に探し出している中で、アス・サハブはドキュメンタリーのような映像、iPod用のファイル、携帯電話用のビデオを発信する。去年は97のオリジナル・ビデオが配信された。その数は2005年に作成されたビデオの、6倍の数である。

アメリカやヨーロッパの諜報関係者は、アルカイダのプロパガンダが成功しているのは、組織がパキスタンの部族地帯に安全な基地を確保することができたからだと見ている。

米関係者は、アルカイダのコミュニケーション作戦を早期に妨害できるチャンスを逸してしまったことを認める(中略)。

「我々は、やつらは洞窟に住んでいて、ミランシャーは月の反対側にあるようなつもりでいる」と、ある米対テロ関係者が語る。「しかしやつらは、ワシントンの回線状態が良いビルの中にいる私と全く同じように、ラップトップでコミュニケーションを取っているのだ」(中略)。

ビンラディンや他のリーダーたちのスピーチは、録音されてから1週間もたたないうちにオンラインに登場する。さらに2〜3週間後には、世界にリリースされるという。「彼らは全くプレッシャーを感じていない」と、カイロのal-Ahram Center for Political and Strategic Studiesのアナリスト、ディアー・ラシュワンが語る。「彼らは気楽にやっている。映像を編集したり制作する時間は、たっぷりある」(中略)。

2005年にアルカイダのプロパガンダ機能は、うまくいかなくなった。テロリストの声になることを選んでいたアルジャジーラが、アルカイダのビデオを一切放映しなくなった(中略)。いっぽう米政府とその関係者たちは、イスラーム系ウェブサイトをシャットダウンするよう、インターネットサービスに圧力をかけることに成功した。多数の技術者が逮捕され、殺害された。ウェブ・フォーラム創設者だったある有力者も、サウジアラビアで殺害された。

2005年10月にイギリスの警察が、イラクと他のアルカイダ関係者のためにコミュニケーション・ネットワークを築くことに貢献していた、モロッコ生まれのウェブマスター、ユーニス・ツーリを逮捕した。同じ時期、アルカイダの支持者たちアル・ファジール・メディア・センターという名前の、プロパガンダのための新しい配信組織を作った。アル・ファジールとはアラビア語で、「夜明け」という意味で、世界中に、匿名のウェブマスターたちが産まれた。

米諜報組織関係者は、組織内の活動についてほとんどつかんでいない。しかし組織はイスラーム原理主義組織のためのオンライン・プロパガンダの配信を、一気に担うようになった。アス・サハブに習い、アルカイダ、ソマリア、北アフリカ、イエメンそしてタリバンなど、アルカイダと関係のある組織の映像を配信する。英語やドイツ語、イタリア語、フランス語、パシュトウ語、トルコ語などの字幕がつく。

世界に散ったアル・ファジールのウェブ・マスターたちは、安全のために、仲間の身元をほとんど知らないという。ハッキング、マルティメディア、サイバーセキュリティー、配信をそれぞれ行なう「分隊」に分かれている。

組織はテロ組織からプロパガンダ素材を入手して、オンラインに配信する。リリースは、イスラーム主義者のウェブ・フォーラムで告知され、メンバーたちはコピーをビデオに落とし、他のサイトに配布することを奨励される。

ウェブ・フォーラムにはパスワードがかけられ、規制が強い。ビンラディンの新しいビデオなど、素材は信頼のおける仲介者のものだけが採用される。アル・ファジールなどの組織は、映像が偽物かどうかをすぐに判別できるため、そのプロパガンダは常に信頼性のあるものとなる。

「内容を管理することで、アル・ファジール・センターは信頼のある発信源から情報を得ているという定評を持つ」と、SITE Intelligence Groupのジョッシュ・デヴォンが語った。「CIAなどの諜報組織には、信頼性のある効果的な対プロパガンダを入手することはできない」。

デヴォンによると、アル・ファジールは、安全に関して非常に慎重である。「テクニカル・ムジャーヒッド」と呼ばれるマニュアルを配布し、電子的痕跡や侵入を防ぐ方法を説明する。

先月国務省安全委員会会長のジョザフ・リーバーマンがグーグル関係者に、アルカイダ系組織が発信するYouTubeビデオを取り下げるように警告した。しかしYouTubeはいくつかのビデオは取り下げたが、リーバーマンが名指しした他のビデオは、暴力的でも「悪意」を含んだものではなかったとされた(中略)。

アルカイダのビデオに関して最も目立つ顔は、カリフォルニア出身のアダム・ガダーンである。彼はイスラームに改宗して、10年ほど前にパキスタンに渡った(中略)。「アルカイダはアメリカについてもっと知りたいと思えば、ガダーンに聞くかウィキペディアを調べる」と、ある米対テロ関係者が述べる。

ガダーンは重要な工作員ではないとアナリストは見ているが、彼のビデオはヨーロッパのアルカイダ兵士の間では人気だ(中略)。しかしアル・サハブに最も登場するのは、ザワヒリだ(中略)。

彼の最も影響力のあるビデオは、「真実の力」という題名の80分のビデオである。このビデオの中でザワヒリや他のアルカイダ責任者たちはムスリムに対する米政府の攻撃を長々と語り、米責任者やコメンテーターたちのビデオを使用して自分たちの論議を強調する。

「非常によくできたプロパガンダだ。我々にとってはやっかいな問題だ」と、Combating Terrorism Centerの調査責任者、ジャレント・ブラッフマンが語る。「首を振って、『そうだよな、あんたは正しい』と思わず言ってしまう」。

garrAl-Qaeda's Growing Online Offensive
Craig Whitlock、CAIRO

■部族地帯の過激派、戦術を美化し誇張するために賛美DVDを使用[080624 Washington Post]

アルカイダは、自分たちのメッセージを世界に発信するためにインターネットを使用しているが、パキスタンとアフガニスタンの過激派たちも高品質なDVDを作成して、メディア・キャンベーンを繰り広げている。

タリバンやアルカイダが隠れる部族地帯では、過激派のプロパガンダがこれまでも制作されてきた。しかし最近はアルカイダの作戦を賛美したり、アメリカのスパイの処刑やタリバンが米軍を攻撃する場面などが映されたDVDが流行し、出回っている。

「タリバンとアルカイダが、自分たちの勝利を誇張したり、おぞましい映像や情緒的な説教を収録したDVDを制作・配布している」と、南ワジリスタンの部族民ジャーナリストのシラーブ・マフスードが語る。

ウルドゥー語、パシュトウ語、アラビア語の字幕がついたDVDが、この地域では50セント未満で手に入る。そのほとんどを、2つの会社が作成している。Ummat StudiosとJundullah CD Centerである。

これらの制作室は、アルカイダのコミュニケーション部門であるアス・サハブの地元ヴァージョンとして機能している。対立者たちに恐怖を植え付け、共感者たちを共鳴させ、戦闘のための志願者を募ることが目的だ。これらのDVDを観たことがある者は、作成者がアス・サハブと関係があることは明らかだと述べる。

「これらのDVDは非常に洗練されており、特にハリウッドのアクション映画に地元で撮影された戦闘員の動きを被せるなど、非常に高度な技術が見られる」と、ペシャワル大学のファザル・ラヒーム・マルワット教授が語る。

地元のテレビ局のために働く部族民ジャーナリスト、ナジール・ダワールは、ある人間から駐アフガニスタンのパキスタン大使、タリーク・アジズウッディンの映像を見せられたという。ダワールは、このDVDに金を払いたくないと断わったが、別の誰かが買ったようだ。

アラビア語放送のテレビ局、アル・アラビアが、この映像を放映し、彼が戦闘員に囲まれ、政府に自分が釈放されるよう協力してほしいと懇願している映像が世界に流れた。

「DVDの値段は、その映像の内容で決まる」と、ワナの地元ジャーナリストのデーン・ムハンマドが語る。「世界のテレビ局は、過激派たちの活動を映した映像に興味がある。有名な戦闘員や、拉致された人間や兵士の殺害現場などが収録されている。数百ドルから、数千ドルまで、値段はまちまちだ」。

ジャーナリストが買わなくても、パキスタン人が買う。ペシャワルのカルハニ・バザールの店員ジャナット・グルは、DVDの売れ行きはいいと語る。「儲かる商売だ」。「誰もがジハードDVDが好きだ」。

garrExtremists in Tribal Areas Use Gory DVDs to Celebrate, and Exaggerate, Their Exploits
Imtiaz Ali、PESHAWAR

■NATO兵2人死亡、カブール近郊で車列放火される[080624 AP]

武装勢力が火曜日、カブールに軍時物資を運んでいた車列に放火し、南部と東部ではNATO軍兵士2人が殺害された。

(中略)アフガン関係者によると、バイクに乗り、銃やロケット砲で武装した多数の男たちが、ワルダックのそばのサイダバードで車列を襲撃した。

町長のファゼル・カリーム・ムスリムによると、食料や飲料水、燃料を積んでいたトラック40台が放火され、破壊された。アフガン軍や外国軍が現場に急行したときには、すでに犯人たちは逃走していた。車列に乗っていた1人が殺害され、3人が負傷した。

(中略)NATO軍によると、火曜日に死亡した兵士2人のうちの1人は、ナンガルハルのコグヨニ地区をパトロール中に、爆発で死亡したという。このほかに3人が負傷した。

また英国防省によると、火曜日にパラシュート隊の兵士1人が、ヘルマンド州のサンギン谷で死亡した。

(中略)これとは別にアフガニスタン東部の山岳地帯では、警察と衝突したあと撤退中の抵抗勢力が空爆され、15人が死亡した。NATO軍によると、無人偵察機が撤退中の武装勢力を捉え、彼らを殺害したという(後略)。

hoon2 NATO troops killed, convoy torched near Kabul
RAHIM FAIEZ、KABUL

■パキスタンの衝突で武装勢力死亡[080624 BBC]

スワートで武装勢力2人が治安部隊に殺害されたと、関係者が述べた。武装勢力が北西辺境州政府と和平協定を交わしてから起きた、最初の衝突である。

月曜日に発生した戦いで、少なくとも10人が死亡した。

治安部隊が武装勢力に攻撃されたために衝突が発生したと、スワートの軍報道官が述べた。武装勢力の報道官ムスリム・ハーンによると、小隊が自分たちを丘の高みから攻撃したために、防衛のために応戦したという。2時間に及んだ戦いで、仲間2人が死亡し、2人が負傷したという(後略)。

hoonMilitants die in Pakistan clash

■マフスード族、ジャンドーラを占拠、6人死亡[080624 News]

バイトゥッラー・マフスード司令官の配下の武装勢力たちが、月曜日に親政府系部族民と戦ったあとに、南ワジリスタンの入り口にある町を占拠した。ジャンドーラの町で発生した戦いで、部族民4人と武装勢力2人の6人が死亡した。「タリバンがジャンドーラを占拠し、部族民7人を捕虜にしている」と、地区警察責任者のバルカドゥッラーが述べた。

タリバン報道官によると、部族民7人を含む9人が殺害され、タリバンは親政府系戦闘員10人を拉致したという。

hoonMehsud men capture Jandola, six killed
PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.