【2008年7月28日〜 8月3日】


■アルカイダ、戦闘員の死亡を確認[80703 BBC]

アルカイダがインターネットで、組織の化学兵器専門家、ミドハット・ムルシ・アルハイード・ウマルが死亡したと発表した。

彼の死因に言及はなかったが、先週パキスタンで行なわれたミサイル攻撃で死亡したと報道されている。タリバン関係者も『BBC』に、ウマルが死亡したと述べていた。

(中略)アフガニスタンのアルカイダ責任者、ムスタファ・アブ・アルヤジドが、ミドハット・ムルシは「殉教者の隊」に加わった「英雄」とともにいると述べた。「専門家は逝ったかもしれないが、彼が訓練した多数の専門家が残った」という声明が発表された(後略)。

hoonAl-Qaeda confirms fighter's death

■スワートで橋が爆発、9人死亡[080802 AP]

土曜日にスワートで橋が爆発し、少なくとも治安部隊兵士9人が死亡した。

警察関係者のバシール・ハーンによると、ミンゴーラの警察本部に向かっていた車が遠隔操作爆弾で爆発した。カーバルの警察官に支払うための給料を運んでいたという(後略)。

hoonBomb at bridge kills 9 in Pakistan's Swat Valley
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■治安部隊、スワートの武装勢力を攻撃[080802 News]

スワート谷では、武装勢力と治安部隊との間の戦いが続いており、金曜日には犠牲者の数が73人となって、一般市民5人がさらに殺害され、25人が負傷した。

さらに武装勢力は、ウェナイの検問所で治安部隊関係者5人を殺害したと主張しているが、軍関係者は、事実無根と述べた。軍はマッタのペウチャール、ナムール、シャワール地域、カーバルのタラン、シャンデーリ、デオライ、アフン・カレイ地域、シャルバーの一部をいまだに攻撃している。

(中略)モーラナ・ファズルッラーの指揮のもとで戦っているタリバンが金曜日、ウェナイ検問所で治安部隊関係者5人を殺害したと述べた。「ウェナイ検問所を計画的に攻撃したのではないが、仲間たちが検問所から出ようとする人間に発砲し、1人ずつ殺害している」と、スワートのタリバン報道官、ムスリム・ハーンが述べた。

しかしスワート・メディア・センター報道官は、事実無根だと述べた。「あなたがたと話す数分前にウェナイ検問所の人間と話したが、そのような出来事はない」(中略)。

武装勢力はミングラワールのキラ地域にある、女性のコミュニティ・モデル・スクールと、マッタのダルマイ地域とサーラ地域にある女子中学校に放火した。また、マッタのシンボーラにかかる橋も破壊した。

さらにチャルバーのキシュワラ地域にある無人の警察検問所を爆破した(中略)。

いっぽうスワートのパキスタンタリバン報道官が、今週拉致された治安部隊関係者35人は、タリバン会議にかけられるが、現在のところは、客人だと述べた。しかし軍の撤退と仲間の釈放がなければ、解放はしないという(後略)。

hoonSecurity forces pound militants’positions in Swat
Delawar Jan、MINGORA/PESHAWAR

■タリバン、アルカイダのナンバー2がミサイルで攻撃された報道を否定[080802 AP]

パキスタンのタリバン報道官が土曜日、ザワヒリがミサイル攻撃で殺害または重傷を負ったというアメリカのメディアの報道を否定した。

CBSテレビが金曜日、パキスタンにいる情報源から、ザワヒリのために医者の派遣を要求する7月29日付けの手紙を入手したと報道した。手紙はバイトゥッラー・マフスードからのもので、ザワヒリは「重傷を追い、傷が化膿している」と書いてあった。

マフムードの報道官のモーラビ・オマルが「一切否定する」と述べた。パキスタン軍や諜報関係者も、ザワヒリが、月曜日に実施されたアメリカによる南ワジリスタンミサイル攻撃で死亡したという情報はないと述べた(中略)。

月曜日にアザム・ワルサックで実施されたミサイル攻撃で、アブ・ハバーブ・アルミスリが殺害されたと報道されているが、遺体がないために、確実なことはわからない。オマル報道官は、宗教学校の学生が死亡しただけだと述べている。2006年1月のザワヒリを狙ったミサイル攻撃でも、アルミスリが死亡したと噂されていた(後略)。

hoonTaliban denies al-Qaida No. 2 hit by missile
PESHAWAR

■スパイ、パキスタン政府に挑戦[080801 BBC]

パキスタンの新しい文民政府は、前途多難だ。重要な命令や声明を発表したかと思うと、数時間内にそれらを取り消し、内部の混乱を露にした(中略)。

先月のペンタゴンの発表によると、アフガニスタン東部におけるタリバンの攻撃は、40%増加した。NATO軍は、これをパキスタンの部族地帯から入ってくる武装勢力のせいにする。

いっぽう東部では、カシミール地域の停戦ラインを挟んでインド軍とパキスタン軍が衝突し、これまでで続いていたインドとの和平協定が危うくなっている。

パキスタンの政府寄りのアナリストは、自分たちは武装勢力をコントロールできず、インドはアフガニスタンにいるスパイ組織やカシミールの停戦ラインの向こう側から迫ってくると語る。

しかしインドやアフガニスタンのオブザーバーたちは、PPP政権が悪戦苦闘しているいっぽうで、ISIはインドの脅威を強調して、パキスタンにいるイスラーム過激派から、人々の関心を背けようとしていると語る。

アメリカを訪れたギラニ首相は、ISIがアフガニスタンにいる同盟軍の動きを過激派に教えていると指摘されても動じなかった。「ISIは偉大な組織だ」。「一部に過激派に同情的な者がいるということは、信じがたい」と語った。

しかしこの発言をする数日前、ギラニ自身、ISIを直接内務省の管轄下に置こうとした。しかし、たった6時間後にこれを取り消し、人々を驚かせた。軍からの圧力があったようだ(中略)。

カブールのインド大使館が攻撃されると、カルザイ大統領はすぐにISIのせいにした。その後インドの国家安全アドバイザーのナラヤナン氏が、インド政府は、ISIが背後にいるという「確かな証拠」を掴んでいると述べた。

水曜日にパキスタンの国防大臣のチョードリー・アフマッド・ムフタルが、アメリカがパキスタンと共有している情報を、ISIが過激派にリークしているのをブッシュから忠告されたことを認めた。その数日後、『ニューヨーク・タイムズ』に、アメリカ人関係者の話として、カブールのインド大使館爆発の実行犯である過激派とパキスタン人諜報官との間の会話を傍受した、という記事が掲載された。

いっぽうインドは、パキスタンが停戦ラインに圧力をかけ、武装勢力をインド領カシミールに送り込もうとしていると非難した。

パキスタンはどの疑惑も否定する。

しかしギラニが首相になった直後の4月、停戦ラインのパキスタン側のいくつかの地域に過激派がいるという、信頼性の高い新しい情報があった。

先月アスムカームの女性数十人がニールム谷の軍の検問所にやって来て、過激派が再びこの地域で活動を開始しており、地元の人間は2003年から続いている停戦が危うくなることを心配していると抗議した(中略)。

PPPは決断をしなければならない。「インドの脅威」という軍が掲げる伝統的な見解を優先して、政府内でおとなしくしているか。あるいはインドがパキスタンに脅威であるかどうかはともかく、新たな政策をとるか。最初の選択肢は簡単だろうが、PPPの名前を落とすことになる。しかし2番目の選択肢は、まず荒馬を制御するところから始めなければならない。

hoonSpies challenge Pakistan government
M Ilyas Khan、Karachi

■パキスタン人カブールの攻撃に協力と米[080801 New York Times]

米諜報組織は、7月7日に起きたカブールのインド大使館爆弾事件に、パキスタンのISIのメンバーが関与していた疑いがあると結論づけた。

パキスタンの諜報組織関係者と攻撃を実行した武装勢力との間の会話の盗聴から、結論に至ったという。これは、パキスタンの諜報組織関係者がアフガニスタンにいる米軍を妨害しようとしている、確固たる証拠だという。

さらにパキスタンの諜報組織が武装勢力に、米軍の作戦を彼らに漏洩している新たな情報があるという。そのために、アメリカによるパキスタンの部族地帯のミサイル攻撃が、失敗に終わることもある。

今週パキスタン軍はカシミールでインド軍と衝突し、2003年以来続いている和平協定が危うくなってきた。

『ニューヨーク・タイムズ』は今週、CIA幹部が今月パキスタンを訪れ、ISIが武装勢力に協力しているという情報を突きつけたことを報告した。しかし米諜報組織が、カブールの攻撃にISIが直接関与していたということは、これまで明らかにされていなかった。

アメリカの関係者によると、ISIと武装勢力との間の会話は、7月7日以前に傍受され、CIA特使のステファン・カッペスは、この攻撃がある前に既にイスラマバードに行く事を決めていたという。しかし具体的な手がかりはなく、事前に防ぐことはできなかった。

政府関係者は、この新たな証拠に関して多くを語らず、ISIがどのような協力を武装勢力に提供したかはわからない。ISI関係者たちは単独で行動したのではないと述べ、上司の命令があった可能性があることを示唆した。

「多くの人間が疑っていることが、明確になった」と、傍受された会話の内容を知っている、国務省のある関係者が述べた。「『やっぱり』というようなものだった。ついに直接的な証拠が出たというような感覚だ」。

(中略)アメリカ人関係者によると、カブールのインド大使館爆弾事件は、モーラビ・ジャラウッディン・ハッカーニの組織の人間が実行した可能性があるという。

(中略)今週の月曜日の夜を通して、インド兵とパキスタン兵が12時間以上にわたって銃撃し合った。インド軍によると、5年間続いていた停戦協定が、侵害されたという。この戦いは、カシミールの国境地帯でインド兵1人とパキスタン兵4人が死亡したあと、発生した。

インドの関係者は、カシミールでインドと戦っている武装勢力とアフガニスタンで攻撃を行なっている武装勢力は協力していると述べ、両方の国境地帯が同時に不安定になっていることを憂慮している(後略)。

smellPakistanis Aided Attack in Kabul, U.S. Officials Say
MARK MAZZETTI and ERIC SCHMITT、WASHINGTON

■アフガンのアルカイダ指導者、「殺害される」[080801 BBC]

アルカイダによると、アフガニスタンにいる司令官の1人、アブ・アブドゥッラー・アルシャーミが、米軍の空爆で死亡したという。

アルシャーミは、2005年にカブール北部のバグラム収容所から脱獄したアルカイダメンバー4人のうちの1人である。

イスラーム過激派のウェブサイトでは、彼がいつどうやって死亡したかについては明らかにしなかった。

7月14日付けの声明が木曜日に、インターネットに掲載された。アフガニスタンのアルカイダ幹部司令官、ムスタファ・アブ・アルヤジードの署名で掲載された。

hoonAfghan al-Qaeda leader 'killed'

■ヘラートのパキスタン領事館で爆発[080731 BBC]

ヘラートのパキスタン領事館の外で小さな爆発があり2人が負傷したと、警察が述べた。爆弾は自転車に搭載され、遠隔操作で爆発した。アフガン人の警備員と女性が負傷した。

アフガニスタンでは、反パキスタン感情が高まっている(後略)。

hoonBlast at Pakistan's Herat mission

■イラクのアルカイダ指導者、アフガニスタンにいる可能性大[080731 Washington Post]

イラクにいるアルカイダのスンナ派武装勢力指導者と彼の幹部指揮官たちが、最近イラクからアフガニスタンに行った可能性があると、イラクの諜報関係者が述べた。イラクと米関係者は、これを組織の弱体化と見ている。

米関係者によると、アルカイダは新たな志願者たちをイラクではなく、アフガニスタンとパキスタンに送っているという。アルカイダはイラクでは大きな打撃を受け、逆にアフガニスタンやパキスタンでは勢力を伸ばしつつある。

「アルカイダは、イラクで戦うことの意義を再考しているようだ」と、イラクの最高司令官デビッド・ペトラウスの諜報官である、ブライアン・ケラー准将が述べた。ただし、志願者たちがアフガニスタンに向かったという事実は、まだ証明されていない。

(中略)イラクに入ってくる外国人戦闘員の数は、ここ20ヵ月間に激減している。去年の夏は月に110人が入って来ていたのに、今年の初めには月50人に減ったと、アメリカの諜報アナリストが述べた。

イラクのアルカイダのメンバーのなかには、2006年にアルカイダの指導者となったアブ・ハムザ・ムハジール・アブ・アユーブ・アル=マスリという偽名を使用しているエジプト人が、戦略を誤ったと見る者がいる。マスリに対する不満から分裂し、独自のスンナ派抵抗組織を結成した戦闘員もいる。

ファルージャにいるイラクのアルカイダ指導者のアブドゥッラー・アルアンサリが語ったところによると、マスリはイラン経由でアフガニスタンを訪れ、自分が不在の間は、2003年にイラクにやってきた別の幹部指導者アブ・ハリル・アルスーリ(偽名)に責任者を務めるよう任命したという。「マスリが戻ってくるかどうかはわからない」という。

アンバール州のイラク人諜報官ハタミン・アブドゥッラーによると、マスリと2人の外国人戦闘員が6月12日に国境の町ゾルバティアからイランに入った。この情報は、イラクのアルカイダ・メンバーの取り調べから入手したという。

7月9日にイラクで逮捕されたアルカイダ・メンバーの1人で、ラマディの幹部指導者であるアブ・アビール・アルムハジール、本名イブラヒム・アリ・ハッサン・アルファデウィが、マスリは15人の仲間とともにイランに入った語ったという。

ファルージャ北部のアルカイダ幹部指導者マッキ・ファワズ・アル=ミレーミが語ったところによると、マスリはこれまでも2度イラクを離れ、アフガニスタンにいる「兄弟」と会ったという。「彼が逃げたという噂が立っているが、それは嘘だ。彼は旅しただけだ」とミレーミが述べた。米政府が自分たちの組織の士気をくじくために、このような噂を流していると非難した。「彼はいつでも好きなときにイラクに戻る。前と同じだ」。マスリは「イラクのアルカイダを放棄したのではない」と、サマラで米軍と戦った際に片足を失ったアリ・アルカイシが語った。「アフガニスタンに行くためめイラクを出国したと聞いている。ビンラディンと、イラクにおけるアルカイダの状況を話し合うためだ」。

バグダードの米軍指令の記者会見によると、アメリカは、マスリはイラクにいると見ているが、1月以来マスリの居場所がわからないという。

ベトレウスの報道官であるスティーブン・ポイランが、「彼はまだイラクにいると見ている」と述べた。イラク関係者の中には、彼が去年殺害されたと述べる者がいる。しかし米軍はこのことに関しては触れていない(後略)。

hoonAl-Qaeda in Iraq Leader May Be in Afghanistan
Amit R. Paley、BAGHDAD

■パキスタンの衝突で一般市民12人死亡[080731 AFP]

木曜日にスワートで、パキスタン軍とタリバン戦闘員の間で新たな戦闘があり、一般市民12人と武装勢力15人が死亡したと関係者が述べた。

戦闘ヘリコプターがスワートの武装勢力の位置を攻撃し、戦闘は2日目に入った。

住民によると、木曜日の早朝にデオライ地域の民家が攻撃され、子供5人とその両親が死亡したという。攻撃が治安部隊と抵抗勢力のどちらによるのかは、はっきりしない。

(中略)またデオライの別の民家も攻撃され、一般市民2人が死亡、マッタでは庭で仕事をしていた少年と男性が死亡した。さらにカーバルのゴルフ場でも武装勢力と治安部隊の間の戦闘に巻き込まれ、男性が死亡した。これに加えて25人が負傷している。

これとは別に、タリバン武装勢力が女子校2校に放火した。

治安関係者によると、2日間の戦闘で武装勢力40人、兵士5人が死亡している(後略)。

hoonPakistan clashes leave 12 civilians dead: officials
PESHAWAR

■パキスタンの諜報組織を米非難[080731 BBC]

パキスタンによると、アメリカがアルカイダ系武装勢力を攻撃する直前に


ISIが彼らに警告を発していると、アメリカが非難しているという。

国防大臣アフマッド・ムフタルによると、ISIのメンバーが、アメリカが部族地帯をミサイルで攻撃する前に武装勢力たちに「情報を流した」疑いがある。ムフタルは、アメリカはISIを「信頼していない」と述べた。ムフタルは、ギラニ首相に同行してワシントンを訪れている。

ワシントンにいるムフタルがパキスタンの『Geoテレビ』に、標的に関する情報が「リーク」されていることを、アメリカ人たちは疑っていると語った。「誰がISIをコントロールするかという点が、問題になっている」。「アメリカ人は、ISIの中には、ミサイル攻撃の情報がパキスタン人と共用されると、それをタリバンに密告する者がいると考えている」。「この件に関して、アメリカ人は不満を表した」と語った。ブッシュ大統領に、ISIをコントロールするのは実際誰なのかを問われたという。

『BBC』の特派員によると、CIAとISIの関係が悪化している(中略)。アメリカが部族地帯にいる武装勢力を狙うとき、これまでのようにパキスタンに事前に通告しなくなったという。

(中略)土曜日にパキスタン政府が、ISIは内務省の管轄に入ると発表した。しかし数時間後、軍の介入でこの決議が覆された(後略)。

hoonPakistan spy agency accused by US

■パキスタン軍、「武装勢力殺害」[080730 BBC]

軍によると、スワートでパキスタン兵5人と武装勢力25人が死亡した。

武装勢力は軍と衝突したことを認めたが、戦闘員5人が死亡しただけだと主張している。これとは別に武装勢力は、アメリカのためにスパイ行為をしたという女性を殺害した。

(中略)軍報道官によると、親タリバン系武装勢力が、マッタでパトロールをしていた治安部隊を攻撃したために、銃撃戦となったという。「武装勢力側に大きな打撃を与えた。戦闘で死亡した武装勢力の遺体のビデオがある」と、軍報道官が述べた。「勇敢な兵士5人が殉教した」。

いっぽう武装勢力側の報道官ムスリム・ハーンは、軍の方が最初に発砲して、武装勢力5人を殺害したという。この他に3人が負傷した。また武装勢力は、1ヵ月前に政府所有のホテルの一部を破壊したが、その残りの部分も破壊したという。ホテルはパキスタン唯一のスキー場である、スワートのマラーム・ジャッパ地域にあった。また報道官によると、同地域の、放置された軍のレストハウスと女子校を取り壊したという(中略)。

北ワジリスタンでは、親タリバン系武装勢力が、アメリカのためにスパイ行為をしていたという女性を射殺した。

胸に3発の銃弾を受けたグルザダ・ビビの遺体が、ミランシャー西部で発見された。「アフガニスタンのパクティア州出身で、携帯電話でアメリカのためにスパイ行為をしていたと書いたメモが、遺体に残されていた」と、地元の男が『ロイター』に語った(後略)。

hoonPakistan army 'kills militants'

■CIA、パキスタンと武装勢力との関係を浮き彫りに[080730 New York Times]

CIA幹部が今月極秘にイスラマバードを訪問して、国家の強力な諜報組織と部族地帯で活動する武装勢力との関係を示す新たな情報を突きつけたと、米軍や諜報組織関係者が述べた。

CIAの使者が、スパイ組織のメンバーたちが武装勢力との関係を強化していることの証拠を提示した(中略)。CIAは、ISIとモーラビ・ジャラウッディン・ハッカーニが率いる組織との関係を指摘する。

これまでCIAは、ISIが提供する情報に依存してきた。これまで『ニューヨーク・タイムズ』は、ISIの関係者たちが反米武装勢力との関係をいまだに維持していることをたびたび指摘してきたが、CIAもブッシュ政権も、パキスタンを面と向かって非難することを避けて来た。

CIAの副長官であるステファン・カッペスのパキスタン訪問については、最近米軍や諜報組織関係者も言及し、CIAが方針を変えたことを歓迎している。南西アジアにおける米軍司令官であるマーティン・デンプシーが月曜日、部族地帯を急遽訪問している。

(中略)カッペス氏は7月12日にパキスタンを訪問して、米軍参謀長のマイク・ムレンと合流してパキスタンの文民政府幹部や軍指導者たちと会談した。「明らかなメッセージで、『ほら、我々は両者の関係を知っている。ハッカーニのことだけでなく、他の悪い奴らとISIの関係も知っている。だからもっとちゃんとやれ』、というようなことを言った」という。この会談は、カブールのインド大使館で、自爆事件があった数日後に行なわれた。アフガニスタン政府は、この事件とISIの関係を指摘して、非難している。

(中略)ムレン指令官長とカッペスはイスラマバードで、ギラニ氏、ムシャラフ紙、キヨニ軍参謀長(元ISI長官)そして現在のISI長官のナディーム・タージなどのパキスタン人高官と会談した。

あるアメリカ人対テロ関係者は、パキスタン政府がアルカイダを直接支持している証拠はないという。しかしパキスタンとハッカーニの関係を示す明らかな証拠はあり、ハッカーニはアルカイダと関係があると語る。デンプシー将軍は月曜日に部族地帯を訪れ、ミランシャーでパキスタン人幹部司令官と会い、この地域の治安に関して話し合った。

(中略)火曜日にパキスタンの治安部隊がハッカーニ師が所有する無人のマドラッサを家宅捜索したがが、逮捕された者はいない(後略)。

hoonC.I.A. Outlines Pakistan Links With Militants
MARK MAZZETTI and ERIC SCHMITT、WASHINGTON

■いい警察、悪い警察、パキスタンらしく[080829 Asia Times]

(前略)米軍主導軍はアフガニスタンにおける戦争に負けつつあり、イスラマバードも国内各地で権力を失墜しつつある。

しかしゲームはまだ続き、パキスタンのユースフ・ラザ・ギラニ首相がワシントンを訪れ、ブッシュ大統領と会談している。さまざまな議題の中には、パキスタンのISIの改革も含まれている。

時を同じくして、米中央アジア司令部のマーティン・デンプシー准将が、パキスタン空軍大将のタンヴィール・マフード・アフマッドにF16戦闘機を引き渡すために、ラワルピンディのパキスタン陸軍本部を訪れた。パキスタンが、「テロとの戦争」に貢献していることとの引き換えである。

しかしこの儀式が執り行われている最中にも、南ワジリスタンではアメリカの無人偵察機がミサイル4発を発射してマドラッサを攻撃。内部にいたアルカイダ工作員のムルシ・アルサイード・ウマルを含む6人が殺害された(中略)。

攻撃されたマドラッサは、タリバン司令官のハッジ・ナジールの管轄地区にあった。ハッジ・ナジールはパキスタン人タリバン指導者のバイトゥッラー・マフスードと敵対し、パキスタンの治安部隊と親密な関係にあるといわれる(中略)。

タリバンとアルカイダは部族地帯で影響力を拡大しつつあり、明らかに有利になってきている。

日曜日にはスワートの武装勢力を率いるファズルッラー師が記者会見を開き、ペシャワル渓谷を除く北西辺境州全体がタリバンの手の中にあると発表した。

月曜日にはタリバンがバジョール行政区の治安部隊の検問所を取り壊し、パキスタンテレビのテレビ塔を占拠。パキスタンはタリバンに、「悪さをしてはならない」と言っただけで、それ以上のことはできないでいる。

部族地帯ではこれらの事件が起きているが、カラチでも緊張が高まっている。この町は、世界で最もパシュトゥーン人の人口が多い。午後9時以降になると、武装したパシュトゥーンの若者たちが中流階級の人々が集るグルシャニ・イクパル通りに繰り出す。バナラスにあるパシュトゥーンのスラム街では、洋装の人間はリンチを受ける。Muttehida Quami Movement(MQM)の代表者たちを含めるこの地域の政治家たちは、これを「タリバン化」と呼ぶ。

MQMのファルーク・サッタル博士は最近のインタビューで、「ワジリスタンから追い出された人間がカラチに移って来た。カラチの南部と北部の無人地域に、居住するようになった。町はこれらの人間に、事実上占拠されている」。

ただパシュトゥーン族地域に住む人間の大多数は、タリバンと直接関係はないようだ。彼らはタリバンのために資金を集め、国家の権力を弱めるため、混乱を起こそうとしているのだという。

hoonGood cop, bad cop: Pakistan reels
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■武装勢力、パキスタン人治安関係者25人を拉致[080729 AP]

イスラーム過激派が火曜日にパキスタン北西部の検問所を占拠し、警察官と兵士25人を拉致した。

スワートではこれとは別に、過激派が治安関係者2人を殺害した。前日にも諜報組織関係者3人が襲撃され、殺害されている。

火曜日の事件は、ラザ・ギラニ首相がブッシュ大統領と会見して賞賛を受けた翌日に起きた。

関係者によると、拉致された治安部隊員たちは、スワートのデオライ村の近くの検問所に駐屯していたという。火曜日の朝、多数の過激派に包囲された。「検問所にいた関係者全員が捕虜となり、どこかに連れて行かれた」。

さらに、月曜日に諜報組織関係者3人が殺害されたスワートの別の地域では、抵抗勢力が設置した検問所を排除するために派遣された治安関係者たちが「抵抗勢力」に襲撃され、治安関係者2人が死亡、14人が負傷した。治安部隊側も攻撃し、武装勢力2人を殺害、6人を逮捕したという。

親タリバン系宗教指導者のファズルッラー師の報道官であるバカート・アリ・ハーンが、検問所の治安部隊兵士の拉致や諜報工作員襲撃に対して犯行を認めた。「政府はタリバンと交わした和平協定を遵守していない。今後の結果はすべて政府の責任だ」。「我々に対する行為に、報復する」と述べた(後略)。

hoonMilitants capture 25 Pakistani security personnel
STEPHEN GRAHAM、ISLAMABAD

■パキスタンの警察と兵士30人、武装勢力に拉致される[080729 AP]

スワートで、警察の準軍隊兵士30人が武装勢力に拉致された。

政府関係者のイスマイル・ハーンによると、火曜日に武装勢力が検問所にいた治安関係者たちを襲撃したという。武装勢力報道官のバート・アリ・ハーンが、犯行声明を出した。

hoon30 Pakistani police, troops abducted by militants
PESHAWAR

■武装勢力、パキスタン政府関係者を殺害[080729 BBC]

スワートで、パキスタン人の治安関係者3人が武装勢力に殺害された。月曜日の夜遅く、治安部隊員たちを乗せた車がマッタ地域で襲撃された。目撃者によると、その後の捜索で容疑者数人が逮捕された。

武装勢力報道官によると、治安部隊が逮捕した仲間2人が拷問を受けたために、その報復として殺害したという。

警察によると、連邦諜報局に所属する関係者3人が、マッタのサンジ・バンラ地区で、12人以上の武装勢力に襲撃された。襲撃のあとに外出禁止令が出され、目撃者によると、家宅捜索の結果多数の逮捕者がでたという。また準軍隊基地から武装勢力の位置に大砲が発射された。

地元武装勢力報道官のムスリム・ハーンが語ったところによると、治安部隊関係者たちはこの地域の武装勢力2人を逮捕し、拷問したという(後略)。

hoonMilitants kill Pakistan officials

■アメリカのミサイルでアルカイダ関係者を含めて6人死亡[080729 News]

月曜日早朝に南ワジリスタンのザイアラ・リータ村でヘル・ファイア・ミサイル4発がアメリカの無人偵察機から撃ち込まれ、子供3人を含めた6人が死亡、6人が負傷した。

ワナの情報源によると、今回のミサイル攻撃でアルカイダ幹部司令官が殺害された。ここ数日間アメリかの無人偵察機3機がひっきりなしにワナ、アザム・ワルサック、ブリマルの上空を飛んでいたために、マドラッサにいたのは重要人物だった可能性があると見られている(中略)。

地元の宗教者、モーラナ・ジャリルール・レーマンが運営する小さなマドラッサとモスク、そして地元民マリーク・サラッド・ハーン・ワジールが所有する併設された家屋が攻撃された(中略)。

マドラッサ内で寝ていた6人が即死し、子供3人が負傷した。同様に併設されたサラード・ハーン・ワジールの家で寝ていた女性も負傷したという。

(中略)親政府寄りの武装勢力司令官のモーラビ・ナジールによると、マドラッサの攻撃で村中が大きく揺れたという。死亡した6人はすべて村の墓地に埋葬された。遺体の損傷が激しいために、身元は全くわからないという。ある情報源によると、犠牲者のうちの3人はアラブ人で、アフガニスタンのパクティア州から戻って来て、マドラッサで休んでいたという。

アルカイダ司令官幹部のエジプト人、アブ・ハバーブ・アルミスリが死亡したという情報が流れているが、あるタリバン司令官は、死亡したのはアラブ人の客人はであるが、ハバーブではなかったと述べた。「ハバーブと行動をともにしていた男が、バジョール行政区で実施されたアメリカの空爆で死亡したと聞いている」。ワジール族たちは、現在ユースフ・ラザ・ギラニ首相がアメリカを訪問しているために、何か事件が起こる可能性があると人々に警告していたという。

「アメリカが我々を攻撃するときには、必ず政府は事前に情報を流してくれる。しかしアメリカの重要人物がパキスタンを訪れたり、我々の大統領や首相がアメリカを訪問すると、通告なしに攻撃が行なわれる」と、モーラビ・ナジールのある幹部司令官が述べた(後略)。

hoonAl-Qaeda man among six killed in US missile hit
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■アルカイダの化学専門家、パキスタンで殺害か[080728 AFP]

アルカイダの化学・生物学兵器専門家が、月曜日にパキスタンの部族地帯で殺害された可能性があると、治安関係者が述べた。

エジブト人過激派、ミドハット・ムスリ・アルサイード・ウマル、別名アブ・ハバーブ・アルミスリが、パキスタンとアフガニスタンの国境地帯にある訓練所で過激派数百人を訓練していたと言われ、彼の首に500万ドルの懸賞金が懸かっていた。

これに先立ち関係者は、南ワジリスタンのモスクに併設された民家をアメリカの無人偵察機が攻撃して、アラブ人過激派3人とパキスタン人の少年3人が死亡したと述べていた。「彼がミサイル攻撃で死亡したと思われる」と、ある諜報組織関係者が述べた。「攻撃されたのは彼の隠れ家で、我々が入手した情報によると、今回の攻撃の標的だった」。米軍主導軍からの発表はない。

ウマルの妻と子供たちも、今回の攻撃で負傷したといわれる。ミサイル攻撃の被害者は、攻撃の数時間後に埋葬された(中略)。

ウマルはアフガニスタンにあるアフガニスタンのデルタ・キャンプで、若い世代に爆発物の訓練をしていた。イギリス人の「靴爆弾犯」リチャード・リードも、彼から訓練を受けたといわれる。米政府のウェブサイトによると、「1999年以来、彼は化学兵器や生物学兵器に関する訓練を行ない、毒物や爆発物の訓練を直接指導していた」(中略)。

エジプト人と思われるアラブ人グループが、地元の部族民マリック・サラートから、マドラッサと併設する建物を借りていた(後略)。

hoonAl-Qaeda chemical expert believed killed in Pakistan: officials
S.H. Khan、PESHAWAR

■アルカイダ化学専門家「殺害」[080728 BBC]

パキスタンからの情報によると、アルカイダの化学兵器専門家のミドハット・ムスリ・アルサイード・ウマルが、南ワジリスタンで実施されたミサイル攻撃で死亡したという。この攻撃で、6人が死亡したと報告されている。

アメリカはウマルに対して500万ドルの懸賞金を描けているが、今現在まだ情報はないという。2006年にも、ザワヒリを狙ったミサイル攻撃でミスリが殺害されたという、誤った情報が流れた。

南ワジリスタンのアザム・ワルサックのモスクの近くにある民家が、早朝に攻撃された。米軍の攻撃と見られ、住民によると、アメリカの無人偵察機が現場上空を飛行している音が聞こえたというが、まだ確認されていない。ミドハット・ムスリ・アルサイード・ウマル(55歳)は、アブ・ハバーブ・アルミスリとも言われ、エジプト国籍である。

米政府のウェブサイトによると、「アルカイダの爆発物と毒物訓練師」だという。アフガニスタンのデルンタキャンプで、武装勢力数百人に科学物質や爆発物の訓練を与えていたといわれる。ビンラディンの内部組織の1人とみられ、大量破壊兵器の入手や開発を担当していた(後略)。

hoonAl-Qaeda chemical expert 'killed'

■米ミサイル、パキスタンの部族地帯で6人殺害[080728 AFP]

パキスタンの首相がブッシュ大統領との会談の準備を進めているなか、月曜日にパキスタンの部族地帯でアメリカのミサイルと思われる攻撃があり、外国人3人を含む6人が死亡した。

南ワジリスタンにミサイル3発が撃ち込まれて、民家が攻撃された。「アザム・ワルサック村の民家にミサイル3発が撃ち込まれ、6人が死亡し、3人が負傷した」と、関係者が述べた。

住民によると、攻撃の前後にアメリカの無人偵察機が飛んでいる音が、上空で聞こえたという。週末から偵察機が飛行していたために、住民たちは怯えていた。

パキスタンの関係者は、自分たちはミサイルを発射していないと述べ、アフガニスタン側の同盟軍の方向から飛んできたという。「同盟軍の仕業だ」と、別の治安関係者が述べた。

犠牲者の身元は明らかにされていないが、住民によると、地元の部族民が所有する建物の中にアラブ人たちが入って行くのを見たという(後略)。

hoonSuspected US missiles kill six in Pakistan tribal area: officials
S.H. Khan、PESHAWAR

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