【2008年8月4日〜 8月10日】
●ザワヒリによるめずらしい英語のメッセージの一部が、日曜日に放送された。ザワヒリは、パキスタンは「実質的に米大使館に支配されている」と述べた。
●パキスタンのARYチャンネルがテープのコピーを放送したが、信憑性は確認されていない。しかし、ザワヒリの声に似ていると言われる。
●テープがいつ制作されたのか明らかではないが、ナワーズ・シャリーフ元首相の写真が使用され、2月の総選挙後に作られた可能性がある(中略)。
●日曜日に放送されたテープでザワヒリは、ムシャラフが犯した罪を非難した(中略)。パキスタン兵たちに、仲間と戦っていること、特に部族地帯で戦っていることを再考するよう呼びかけた(中略)。テープには、アルカイダのメディア部門であるアル・サハブのロゴが刻印されていた。
●(中略)ARYのレポーターであるファイズッラー・ハーンによると、テープは日曜日にバイクに乗った男により、届けられたという。
●(中略)アメリカのテロ監視組織のIntel Centerによると、ザワヒリが英語で話す今回のテープは、アル・サハブが制作したものとしては始めてのものだという。ザワヒリは、「ムスリムの敵の言語」を使用することを謝罪し、パキスタン人が使用する「美しい」ウルドゥーは話せず、パキスタン人はアラビア語を理解できないからだと述べる(後略)。
Purported al-Zawahri tape criticizes Musharraf●中国西部で起きたムスリム過激派による2度目の攻撃により、これまで小康状態だった武装勢力の攻撃が再び中国で活性化した可能性がうかがわれる。治安関係者によると、新疆省のクカ警察署で起きた爆弾事件は、隣のパキスタンのジハード組織により訓練を受け、武器を入手した戦闘員の仕業だという。
●(中略)今回の攻撃により、中国にいるウイグル抵抗勢力に変化の兆しが見えると、シンガボールを拠点とするInternational Center for Political Violence and Terrorism Researchのローハン・グラナタナが語る。「中国は国内で活動する組織を封じ込めることはできるが、今回の犯人たちは中国国外で訓練を受けて武器も入手。中国で攻撃を行なうために外から入ってきた。これは中国にとっては新しいことで、扱いに困っている」。グナラタナをはじめ専門家たちは、新疆出身の戦闘員約40人ほどが、パキスタンの部族地帯の訓練所で軍事訓練を受けていると見ている(後略)。
A China Threat From Pakistan●3日にわたる戦闘の結果、タリバン戦闘員が、アフガニスタンと接する武装勢力の拠点からパキスタン軍を撤退させた。
●(中略)軍報道官によると、兵士6人が死亡したというが、タリバン側は22人が死亡したと主張している。一般市民の犠牲者の数は、明らかにされていない。
●ここ2週間、タリバンは政府軍と2度衝突している。軍はバジョールに先立ち、スワートでもタリバンを追い出そうとしている。
●バジョールで急に作戦が実施されたのは、ブッシュ政権のご機嫌をとるためと見るパキスタン人が多い(中略)。
●パキスタン陸軍に指揮された国境警察隊が、昨年以来タリバンに占拠された、軍の戦略的な検問所を奪回しようとした。ロワイ・サムの検問所はダマドーラから約20マイルの場所にあり、クナール州に通じるために、戦略的に重要である。
●この地域は、バイトゥッラー・マフスードが率いるTTPの幹部メンバー、ファキール・ムハンマドの作戦基地となっている。ムハンマドは、バイトゥッラー・マフスードの組織の副責任者である。
●軍は、カールに戻る兵士たちの安全を確保するために空爆を使用したと、パキスタン陸軍の元将校のマフムード・シャーが述べた。シャーは、軍は十分能力を発揮していないと批判した。「重要な仕事だったのに、なぜ200人しか兵士を派遣しなかったのか? 200人の国境警察隊など、何にもならない」。
●バジョール付近出身の元内相のアフタブ・ハーン・シェルパオは、空爆を使用したことに批判的だ。「全く意味のない、ぞっとすることだ」。タリバンは日曜日の午後までにカール周辺に塹壕を掘り、さらに国境警察隊を閉め出そうとしていると述べた。
●戦闘は、国境警察隊の車列の第一陣がロワイ・サムに到着するとともに始まった。ロワイ・サムで兵士たちは、タリバンに包囲された。ペシャワルの関係者の話によると、タリバンは戦車を奪って持ち去ったという。その後カールから派遣された補強隊を、ロケット推進手榴弾と重機関銃を用いて攻撃したといわれる。
●タリバンは、車列が通ってきた道沿いに即席爆弾を設置したと、このルートに自宅がある木材商のムハンマド・ハーンが述べた。「即席爆弾が仕掛けられていたために車列が止まると、タリバンがあちこちから現われた。そして国境警察隊を攻撃した」と、近くのリサルプール村に逃げて来たハーンが述べた。「周りには緑が生い茂っているために、タリバンに有利だった」。収穫目前のトウモロコシが6フィート近くの高さで生い茂り、武装勢力たちはこの中に隠れていた。ハーンは6人の子供たちと一緒に、家族18人で逃げたという(中略)。
●リサルプールに逃げてきたジャーナリストのサヒバザダ・ブルハーヌッディンによると、ロワイ・サムのような軍の検問所150が、この1年間でタリバンに占拠されているという。「国境警察隊の車列が、TTPの拠点であるマーモンドの南部を走っていた」。「いったいなぜあのルートを取ったのだろう? タリバンは1年前からここを完全に支配している」。
●またタリバンは土曜日の夜、スワートの近くの警察署を襲撃し、警察官8人を一列に並ばせ、射殺した。軍は先週スワートで、タリバンの幹部司令官をはじめめ13人が殺害した。
●元将校のシャーは、タリバンは軍をスワートに続いてバジョールにおびき寄せたところ、期待以上の成果があった可能性があると警告した。「バジョールとスワートを同時に占拠することはできないはずだ」。
Taliban Fighters Force Pakistan Troops From Tribal Region●パキスタン軍が日曜日に、部族地帯の民家数十軒を空爆した。武装勢力との4日間の衝突で武装勢力100人以上、準軍隊兵士9人が死亡したと報告されている。
●バジョールの衝突に関する詳しい情報は、ほとんどない。地元の警察官サルダル・ハーンによると、いくつかの村の民家40件が空爆された。ロイ・サム村でタリバンが占拠していた学校も、爆撃されたという。軍の戦闘機やヘリコプターが爆弾を投下した。
●いっぽうカールにいる記者によると、タリバン戦闘員がロケット砲や重機関銃、対空銃を持って町をパトロールしていた(中略)。
●犠牲者の数に関しては、さまざまな説がある。国境警察隊の声明によると、兵士9人と武装勢力100人が4日間の戦いで死亡した。しかし軍の諜報関係者は、兵士の犠牲者数は13人だと述べた。
●パキスタン人タリバン報道官のモーラビ・オマルは、長老たちの説得により、武装勢力は治安部隊兵士の遺体22人を政府に引き渡したという。
At least 100 said killed in Pakistan tribal region●金曜日の夜、武装勢力と激しく戦った治安部隊が、バジョールのロワイ・サムから撤退した。3日間の戦いで、両陣営とも大きな犠牲者を出した。
●目撃者によると、現場は混乱して遺体が散乱しており、炎上した車が放置されている。兵士は3日間包囲され、遺体や武器、トラックなどを置いたまま、カールの基地に撤退せざるを得なかったという。
●ヘリコプター戦闘機や戦車に援護された隊が、初めてバジョールに入り、タリバンと対戦した。
●タリバンは、兵士22人の遺体をサディカバードの長老に引き渡したという。
●関係者によると、ロワイ・サムでは隊が撤退したあとは静かになったという。武装勢力たちはカールのそばのデライで隊と衝突し、大きな犠牲者を出した。兵士8人が死亡、15人が負傷したという。
●準軍隊兵士は大きな被害を受けた。タンク2台と武器や爆発物を搭載した車数台が奪われた。ロワイ・サムの戦いで、兵士55人が行方不明になっていると言われる。
●タリバンは、兵士100人のうち80人が殺害され、残りの35人は捕虜になっていると主張している。
●TTP報道官のモーラビ・オマルが、戦車2台ととクレーン車を含む車輛25台を奪い、10台を破壊したと述べた。タリバンは仲間5〜10人を失ったという。
●戦車や装甲車に援護された治安部隊が4日前にタリバンの拠点と思われるロワイ・サムに入り、地域を確保しようとした。兵士200人ほどが地域に入ったところを武装勢力に包囲され、補給線が遮断された。ジェット戦闘機とコブラ・ヘリコプターが武装勢力を攻撃して包囲網を突破して、兵士たちを救出した。
●いっぼう目撃者によると、驚喜したタリバンが「軍に対する勝利」を祝い、戦闘員に報奨金を約束した。住民はロワイ・サムから避難を続けている。
Troops pull out of Lowi Sam●バジョールでは部族民たちが安全な場所に避難を始めたが、土曜日にタリバン戦闘員たちが、金曜日に射殺した国境警察隊員22人の遺体を引き渡した。
●情報源によると、死者の中には少佐が含まれているという。武装勢力たちは、バジョールの行政本部があるカールを包囲した。
●部族民の情報源によると、死亡した兵士たちの遺体は、車列が襲撃されてから24時間近くたったあとで、引き渡されたという。
●バイトゥッラー・マフスードのTTPの副責任者でもある、地域司令官のモーラナ・ファキール・ムハンマドに率いられた武装したタリバンが、金曜日の午後、サディーカバードで軍の車列を襲撃した。村人によると、夜を徹して負傷した兵士たちが助けを求めていたが、武装勢力たちが彼らを包囲し、兵士たちに近づいたら殺害すると脅迫した。重傷を負った兵士たちが、そのまま息絶えた可能性もある。
●部族の長老たちがジルガを開いて武装勢力を説得したために、やっと遺体が引き渡された。長老の1人によると、22人の遺体が引き渡され、その後カールに運ばれた。まだロイサムでは数十人の遺体が放置されていると、住民がジルガに報告してきた。しかし武装勢力に制止されたために、現場に向かうことはできない。
●地元民の家に避難した兵士たちもいるが、武装勢力は完全にこの地域を占拠しているようだ。避難していた兵士の1人が、民家の中から出て来てカールに戻ろうとしたところ、射殺されたという。
●国境警察隊員とバジョール・レビ関係者200人の安全を確保するために、約30台の車からなる車列が兵士たちを乗せて、カールからロイサムに向かった。武装勢力たちはすでに3日間国境警察隊員とバジョール・レビを包囲している。
●村人によると、武装勢力の攻撃は非常に激しく、兵士たちは全く応戦できないでいる。兵士の多数が襲撃直後に死亡し、残りは地元の村人の家に避難した。その後武装勢力たちは兵士たちの車10台を奪った。ピックアップ・トラックやジープ、クレーン車、戦車などである。インヤット・カレイの住民たちはその日の午後、武装勢力数百人が驚喜し、奪った車をマーモンド地区に運転していくのを目撃したという。
●国境警察隊は土曜日、バジョールの武装勢力との衝突で、少なくとも治安関係者6人が死亡、15人が負傷したと発表した。武装勢力が金曜日に「デレイ地区からカールに向かっていた治安部隊の車列を襲撃した」という。
Bullet-riddled bodies of 22 troops retrieved●パキスタン人タリバンがスワートで、警察官8人を射殺した。
●「金曜日に武装した男たちの集団がブニールの検問所を襲撃して、警察官8人を射殺した」と、地元の警察官が述べた。「これらの男たちはスワートからやってきて、検問所を攻撃した」という。
●武装勢力報道官のハッジ・ムスリム・ハーンがミンゴラにいる報道陣に、「我々の仲間が検問所を攻撃して、警察官を射殺した」と、電話で述べた(後略)。
Militants kill eight police in northwest Pakistan: officials●金曜日、バジョールのロワイ・サム地域で武装勢力に包囲された180人の準軍隊関係者を救出するために、ジェット機とヘリコプターに援護された隊が武装勢力を攻撃した。
●ジェット戦闘機2機とコブラ・ヘリコプターが、この地域の武装勢力の位置を攻撃した。大砲も用いられた。
●情報源が、武装勢力側には大きな犠牲者が出て、武装勢力27人と兵士5人が死亡したと述べた。目撃者によると、空からの攻撃にもかかわらず、治安部隊はまだ兵士たちを救出できないでいる。
●武装勢力は、兵士たちがロワイ・サムに入ろうとしたことろを包囲した。
●TTP報道官のモーラビ・オマルは、水曜日の戦闘で兵士65人を殺害、9人を拉致したと主張した。また軍の車輛も奪ったという。
●戦闘は、武装勢力たちがタリバンの拠点であるロワイ・サムで車を襲撃したことが発端となった。情報源によると、陸軍は、今回の準軍隊の攻撃には加わっていないという。
●軍報道官のアサール・アッバス少将は、包囲された兵士に関しては何も語らなかった(中略)。
●情報源によると、軍と武装勢力の戦いはラガン、サラリ、ウマリ、インヤット・カリに広がっている。またロワイ・サムの住民は、モーマンドやペシャワルに避難を開始した。
Air power used to rescue 180 besieged soldiers●金曜日にスワート谷の武装勢力が、カーバルのロザ・バンダイ地区で3台の車の運転手と建設作業員5人と警察官2人を拉致した。
●治安部隊は、マッタとカーバルの武装勢力を攻撃し続けている。またワナイ検問所でも治安部隊と武装勢力が衝突したが、今のところ犠牲者の報告はない(中略)。
●これまでタリバンに拉致された治安部隊関係者の数は、37人に達した。そのうち33人は7月29日にデオライ検問所で拉致されている。タリバンたちは、軍が谷から撤退して逮捕されている仲間のタリバンを釈放すれば、治安部隊関係者を解放すると繰り返し主張している(後略)。
Two cops among seven abducted in Swat●バジョール行政区では、金曜日になっても治安部隊と武装勢力の衝突が続き、武装勢力30人と治安部隊関係者7人を含む37人が死亡した。
●またジェット戦闘機がロエサム、チャルマング、バンダ、タンギ、インザルレイ村にあると思われる武装勢力の訓練所を攻撃し、武装勢力側は大きな犠牲者を出したと報告されている(中略)。武装勢力側の会話を盗聴したところ、戦闘員30人が死亡し、多数が負傷した。治安部隊側は、兵士7人が死亡、5人が負傷した。
●バジョールの中心であるカールの別の政府関係者が語ったところによると、金曜日の衝突とジェット戦闘機による攻撃で、武装勢力70人が死亡した。まだ武装勢力の遺体が散乱しているが、住民は村を離れてしまったために、遺体を埋葬する者がいないという。
●(中略)関係者によると、兵士たちがロイサム地域に入りつつあり、マンド、カール、ディールにある武装勢力の拠点が攻撃されている(中略)。
●いっぽう行政府の関係者によると、金曜日にロワー・ディールからバジョールのロエサムに向かった軍の車列をタリバンが襲撃して、兵士20人知覚が死亡した(後略)。
37 more killed in Bajaur clashes●ある関係者が『BBC』ウルドゥー語放送に語ったところによると、パキスタン兵150人が武装勢力に包囲された。
●木曜日に武装勢力と衝突したあと、兵士200人がバジョールの町ロイ・サムに入った。軍によると、兵士7人が死亡した。
●武装勢力によると、兵士20人を捕虜にしたというが、軍はこれを否定している。
●ある兵士が語ったところによると、多数の兵士がタリバンの捕虜となっているという。「タリバンに攻撃され、兵士1人が即死し、4人が行方不明者になった。残された我々は武器を放棄し、捕虜となった」と、スベダール・ガウスッディンと名乗る男性が、電話で『BBC』ウルドゥー語放送に語った。
●目撃者によると、兵士や武装勢力の遺体がロイ・サムの幹線道路の周辺に散乱しているという。激しい戦闘のせいで、遺体の回収のために現場に近寄ることができない。
●バジョールの中心にある準軍隊の駐屯地カールに大砲が用意され、ロイ・サム周辺の武装勢力の陣地を攻撃し続けている。
●タリバン報道官は、3日間の戦闘で、兵士60人を殺害したと主張している。武装勢力側は、4人が死亡した。
●国防省報道官のムラード少佐は、兵士7人が死亡し、5人が負傷したと述べた。戦闘員側は30人が死亡したという。
●これとは別にタリバンは、バジョールでスパイ行為をしたとして、3人を殺害した。2人は首を斬り落とされ、1人は射殺された。遺体は道路に放置され、タリバンをスパイしていたというメモが残されていた。
●バジョールのタリバン指導者のモーラビ・ファキール・ムハンマドが地元の住民に、自分たちが住んでいる地域から出てはならないと、ラジオで警告した。タリバンに関する情報を政府に流したものは、斬首されるという。
●木曜日にタリバン報道官は、武装勢力がFATA地域で、治安部隊関係者22人を殺害し、17人を拉致したと述べていた(後略)。
Pakistani troops 'held hostage'●アフガニスタンとの国境沿いの部族地帯で、軍が親タリバン系武装勢力と衝突して25人を殺害した。パキスタン兵2人も死亡したというが、犠牲者の数は確認されていない。
●バジョールのロイ・スム地域で、衝突が発生した。タリバンはFATAの大半を支配しており、バジョールはタリバンやアルカイダの拠点となっている。
●タリバン報道官のモーラビ・オマルは、この衝突で兵士15人が死亡したと述べ、武装勢力側の犠牲者に関しては情報はないと付け加えた。
●「武装勢力25人が死亡したという報告を受けている。また準軍隊兵士2人が死亡し、3人が負傷した」と、ある政府関係者が『ロイター』に語った。
●水曜日の夜遅く、武装勢力がロイ・スム地区の治安部隊の車を襲撃した。タリバン戦闘員はロケット砲を用いてパキスタン軍を攻撃したという。
●軍の戦闘ヘリコプターが、山中の武装勢力の拠点を攻撃した。
Deadly clashes in tribal Pakistan●水曜日に国境警察隊とバジョールの準軍隊が、戦闘ヘリコプターに援護されて、ついにバジョールのテヘリーケ・タリバン・パキスタン(TTP)に対して作戦を開始した。
●治安部隊と武装勢力の衝突を恐れて、村人たちは安全な場所に避難を始めている。戦闘ヘリコプターが、TTPの副責任者モーラナ・ファキール・ムハンマドが率いる武装勢力の隠れ家を攻撃しているという。
●戦闘で両陣営とも犠牲者が出たと報告されている。軍報道官のアサール・アッバスによると、武装勢力がロイサムの治安部隊の検問所を襲撃したために、攻撃を開始したという(後略)。
Operation against Taliban launched in Bajaur●水曜日にスワートで、モーラナ・ファズルッラーの腹心であるアリ・バハート司令官の他に、13人の武装勢力が殺害された。
●スワートの軍メディア・センターのファルーク中佐によると、アリ・バハートを含む武装勢力幹部9人が、カーバルのデノライ地区で実施された作戦で死亡した。治安部隊関係者2人と、武装勢力数人が負傷した。
●(中略)軍が、アリ・バハートと地元司令官ファザルール・レーマンの家を爆破した。攻撃があったとき、2人とも家の中にいたという(中略)。
●アリ・バハートは、政府との和平を話し合っていたスワートのテヘリーケ・タリバン25人の司令官のうちの1人である(後略)。
Key Taliban commander among 14 killed in Swat●アルカイダと関係があるとしてアメリカに告訴されているアフィア・スィディーキは、2003年3月に3人の子供とともにカラチで行方不明になった。地元の新聞が翌日、彼女がテロ容疑で逮捕されたと報道した。これを最初に確認したのが、パキスタンの内務省報道官である。
●しかし数日後、パキスタン政府もFBIも、彼女の行方には関わりはないと述べた。
●スィディーキが行方不明になってから2日後、「バイクのヘルメットを被った男性」が、カラチにあるスィディーキの自宅を訪れたと、彼女の母親が『BBC』に語った。「彼はヘルメットをつけたまま、もし今後も娘や孫に会いたいのならしゃべってはならない」と告げたと、2003年に電話で語った。母親はこの後亡くなるが、この件に関して、別の新聞にも語っている。
●政府は彼女の娘との関わりをその後も否定したが、アフィアの姉のフォージアによると、内務大臣のサイード・ファイサル・ハヤートが2004年に、妹はすぐに釈放され、帰宅するだろうと述べたという。当時アフィアは、パキスタンの組織やFBIなどから指名手配にされてはいなかった。単に消えてしまったように見えた。
●アフィアはイギリスで教育を受けた医師の、3人娘の末っ子である。兄はヒューストンで活動する建築家で、フォージアは神経科学者で、ニューヨークのマウント・シナイ病院に勤めていた。アフィアはカラチの学校を卒業したあと、マサチューセッツ工科大学で生物学の学位を取得した。この時期、大学内のイスラーム活動に積極的に参加していたようだ。「スカーフを被って近づいて来て、集会に勧誘してくるタイプだった」と、あるパキスタン人の学生が述べた。その後も勉強を続け、ボストンの近くのブランデイス大学で神経知覚学の博士号を取得した。
●当時彼女の結婚生活に、問題が生じていた。夫婦は、子供をどこで教育するかで争った。「アフィアはアメリカで子供を育て、欧米の教育を与えたかった。しかしアムジャッドは強く反対した」と、彼女の母親が2003年に述べた。
●しかし9.11で何もかもが変わった。夫が事情聴取を受けるために、FBIに拘束されたのだ。暗視ゴーグルと防弾服、軍事マニュアルを所持していたためだ。大型の獲物を狩るためのだと、FBIの取り調べで語ったと言われる。アフィア・スィディーキも簡単な事情聴取を受けたが、夫とともに、すぐに釈放された。
●その直後、2人はパキスタンに戻ることに決める。2002年にパキスタンで、2人はすぐに離婚した。しかし3人目の子供を身籠っていた。出産後、アフィア・スィディーキは一時期アメリカのバルティモアで働いていたが、2002年12月にパキスタンに帰国して1ヵ月後に行方不明になる。
●さまざまな憶測が飛んだ。まず『ニューズウィーク』は、彼女をマイクロ・バイオロジストと呼び、夫とともに、アルカイダのスリーバー・セルの一員だったと書いた。バルティモアでは、現在グアンタナモに収監されているアルカイダ工作員マジッド・ハーンのために、私書箱を開設した疑惑がかけられている。ハーンは、アメリカでガソリンスタンドを爆破する計画を立てていたとして、告訴されている。
●2004年に当時のFBI長官のロバート・ミュラーが、アフィア・スィディーキは事情聴取のために指名手配になっている、と記者会見で述べた。その後、リビアにダイアモンドを密輸する組織の一員として、名前が登場した。
●これは、アルカイダの生物学・化学兵器計画のための資金を集めることが目的だったといわれる。その後は、行方不明者の1人に名を連ねただけだったが、先月アフガニスタンで米軍に逮捕されたと報道された。
●姉のフォージアは、アメリカの関係者に会うと、アフィアは正式にテロリストとして告訴されていないと述べていたという。また、もし彼女がテロ容疑者であるなら、すでに釈放された元夫もテロ容疑者のはずである。
●そうだとしたら、どうしてアフィア・スィディーキは逮捕され、これほど長い間極秘に拘束されていたのだろうか。
●おそらくそれは、彼女とシェイク・ハリッド・ムハンマドとの関係にある。アフィア・スィディーキは離婚後、ムハンマドの甥のアリ・アブドゥル・アジーズ・アリと結婚したといわれる。彼女の家族はこれを否定しているが、『BBC』はある治安組織内の情報源とムハンマドの家族から、これを確認している。ハリッド・シェイク・ムハンマドの家族の一員は、「アメリカの安全にとっては1%の危険人物」と見なされ、アメリカに拘束されることは、カラチでは公然の秘密だ。
●これが、アフィア・スィディーキが犯した「犯罪」なのである。アメリカとパキスタンの治安関係者にとっては、無視できない問題である。
Mystery of Siddiqui disappearance●アルカイダ工作員と関係があったアメリカで訓練を受けたパキスタン人神経科学者が、先月アフガニスタンの警察署で米兵やFBI工作員を殺害しようとした罪で告訴されたと、法務省が月曜日の夜に発表した。
●ブランデイス大学とマサチューセッツ工科大学で学んだ科学者アフィア・スィディーキが月曜日にニューヨークに移送され、火曜日にニューヨークの合衆国地方裁判所に召喚される予定である。
●スィディーキは2003年3月に、3人の子供たちと一緒にカラチにいる両親を訪れてから、行方不明になった。人権団体や家族は、彼女はこれまで極秘に拘束されていたと信じている。しかし月曜日に開かれたインタビューとその後の刑事告訴でア米関係者は、7月17日にスィディーキと十代の少年がアフガニスタンのガズニで拘束されるまでの5年間、彼女がどこにいたのか知らないと述べた。2人が知事の家の周りをうろうろしていたために、関係者たちが不審に思い拘束されたという。
●警察がスィディーキ女史のハンドバッグを調べた所、爆発物の作り方を示した書類や、Anarchist's Arsenalからの抜粋が発見された。また液体やジェル状のものが入った密封されたビンも、所持していた。
●拘束された翌日、FBI工作員2人と米兵2人と通訳が警察署を訪れ、彼女に質問しようとした。FBIは2004年5月以来彼女を尋問することを望んでいたという。
●告訴状によると、次のようなことが起きた。アメリカ人たちが、警察署の部屋に入った。その部屋にはスィディーキ女史がいたが、縛られてはなく、カーテンの後ろに隠れていた。兵士の1人、准尉が椅子に座り、M-4ライフルをカーテンの隣の床の上に置いた。
●話し合いが始まると、別の兵士、大尉が、カーテンの後ろで女性が叫んでいるのを聞いた。振り向くとスィディーキ女史が准尉のライフルを自分に向けていることに気がついた。
●スィディーキに一番近い場所に座っていた通訳が彼女に飛びかかり、ライフルを払いのけたが、彼女は引き金を引いて「神は偉大なり」と叫んだ。少なくとも2発撃ったが、誰も怪我をしなかった。准尉が口径9ミリのピストルを撃ち、少なくとも1発がスィディーキの胴に当たったという。
●関係者たちが彼女を拘束しようとすると抵抗し、英語で、アメリカ人を殺害したいと叫んだ。その後「一時的に意識を失った」。
●スィディーキ女史は月曜日、米人関係者を殺害・襲撃しようとしたとして、法務省に告訴された。有罪となれば、それぞれの20年の罪に処されることになる。
●人権団体と彼女の弁護士は、スヤディーキはアフガニスタンのバグラム空軍基地で拘束されていたと見ている。「彼女が行方不明になって以来、アフィアは拘束されていたと思う」と、告訴状が発表される前にインタビューで語っていた。「アフィアがアフガニスタンで発見されたことが偶然とは思えない」。
●しかし米軍や米諜報関係者たちは、スィディーキはアフガニスタンで逮捕されるまではパキスタンにいたと述べている。「アメリカは彼女を拘束していない」と、あるアメリカ人諜報関係者が述べた。
●米諜報組織は、スィディーキは、グアンタナモに収容されているアルカイダ幹部14人のうちの、少なくとも2人と関係があったと述べた。
●米政府の声明によると、スィディーキは、元バルティュアの住民で、今はテロ容疑でグアンタナモに収容されているマジッド・ハーンがアメリカに再入国する際、そのための書類を入手することに協力した。ハーンはハリッド・シェイク・ムハンマドに指示され、アメリカのガソリンスタンドを爆破しようとしていた。ムハンマドもグアンタナモに収監されている。
●ムハンマドの甥のアリ・アブド・アルアジズ・アリ、別名アマール・アル・バルチがスィディーキ女史に、ハーンのために書類を入手するよう依頼したという。バルーチとスィディーキ女史は、バルーチが逮捕される直前に結婚した。
ERIC SCHMITT、WASHINGTON●5年前に行方不明になった、ボストンのアルカイダ組織に所属していた疑いが持たれているパキスタン人神経科学者が生きており、アフガニスタンで拘束されていると、彼女の家族の弁護士が語った。FBIが、アフィア・スィディーキが生存していることを確認したという。負傷しているが生きており、アフガニスタンにいる。
●ロクスバリーに住み、ブランデイス大学とマサチューセッツ工科大学で学んだスィディーキは、2003年3月に子供たち3人を連れてカラチを訪れて以来、行方不明になった。当時FBIは、彼女の取り調べを望んでいると発表していた。
●5年間、アメリカとパキスタン当局は彼女の行方を知らないと述べていた。しかし人権団体や彼女の親戚は、スィディーキがカラチで逮捕され、どこかで拘束されていると見ていた。
●(中略)木曜日にFBI関係者がヒューストンのスィディーキの弟のもとを訪れ、彼女が生存しており、拘束されていることを知らせた。
●スィディーキは、グアンタナモに収容されているテロ容疑者と関係があったとされる。ハリッド・シェイク・ムハンマドと関係があり、別のテロリストのために偽造パスポートを準備した疑いがかけられている。書類によると、アルカイダ工作員のアリ・アブド・アルアジーズ・アリと結婚している。アリは、アメリカでガソリンスタンドの爆破や、水路に毒物を混入しようとしていた疑いがかけられている(後略)。
Woman scientist alive, in US custody●日曜日に武装勢力15人と兵士1人がスワート谷の衝突で死亡したと、軍が発表した。
●(中略)タリバンは、軍がモーラナ・ファズルッラーに対する作戦を中止しなければ、国内各地で自爆攻撃を実施すると警告した。
●「マッタ地区のシズ・ブンディの近くで治安部隊と武装勢力との間で戦闘が発生し、武装勢力15人が死亡、多数が負傷した」と、軍が声明を発表した。「治安部隊関係者1人も殉教した」。
●火曜日以来この地域では、親タリバン系武装勢力60人が死亡している。
●タリバンは昨日、警察官6人と準軍隊兵士3人を爆弾で死亡させたと主張した。土曜日に警察官たちがカーバル地区での捜索活動を終えて基地に戻る途中で、遠隔操作爆弾が爆発した。タリバン報道官のムスリム・ハーンが、「我々が警察官を殺害した」と述べ、自分たちを殺害していることの報復だと述べた(後略)。
One soldier, 15 militants dead in NW Pakistan: military