【2008年8月18日〜 8月24日】


■パキスタン、武装勢力との停戦を拒否[080824 AFP]

日曜日にパキスタンは、部族地帯のタリバンが申し出た停戦を拒否し、さらに抵抗勢力7人を殺害した。

バジョールの抵抗勢力が、停戦を申し出た。「我々は戦闘員たちに、バジョールの政府や治安部隊に対する攻撃を中止するように指示した」と、タリバン報道官のモーラビ・オマルが述べた。部族民たちの説得で、このように決めたという。「ジルガが、バジョールの人々のためにならないから、戦いを中止するよう説得してきた」。ジルガは、政府が空爆を中止することを保証したという。「我々は政府と話し合う準備ができている。和平協定のために話し合いが必要だ」。

しかし、首相アドバイザーのレーマン・マリックは、この申し出をすぐに拒否した。「我々は彼らの言葉は信じない。本気であれば、まず投降するべきだ」(中略)。

パキスタン陸軍はバジョールでさらに武装勢力7人を殺害し、タリバンはスパイだという男を殺害した。

バジョールの検問所が襲撃されたために、軍が抵抗勢力の隠れ家を迫撃砲で攻撃し、「武装勢力5人を殺害した」という。またタリバンは、アフガニスタンの米軍のためにスパイ活動をしていたという、35歳の男の喉を掻き切った。

南ワジリスタンでは土曜日の夜、武装勢力が治安部隊のポストを襲撃し、兵士3人が負傷した。治安部隊が応戦し、武装勢力2人を殺害したという。

hoonPakistan rejects truce offer by militants in tribal area: official
KHAR

■同盟軍の空爆で90人以上死亡[080824 AFP]

捜査によって、数日前に行なわれた同盟軍の空爆で、一般市民90人以上が死亡し、その大半が女性と子供だったと内務省が発表した。

カルザイ大統領は、ヘラートで実施された金曜日の作戦を調査するように命じた。米軍主導軍は、武装勢力30人しか死亡していないと述べている。

(中略)「現場に行ったところ、現場は激しく空爆され、多数の家屋が破壊されて、女性や子供、老人を含む90人以上の非戦闘員が死亡したことがわかった」と、シンダンド地域を訪問したイスラーム問題大臣が述べた。「ほとんどが女性と子供だった」と、ネマットゥッラー・シャハラーニが語った。

シャハラーニによると、調査はまだ続いており、アフガン軍や奇襲隊と一緒に行動した米軍特殊部隊と会見するつもりだという。「彼らはタリバンがいたと主張している。それを証明するべきだ」。「今のところなぜ同盟軍が空爆したのか、明らかになっていない」。またアフガン軍と国際軍の間には、連携が取れていないとも述べた。

カルザイ大統領は、アフガニスタン西部の軍の責任者と奇襲部隊責任者の更迭を命じた。2人は、「怠慢と事実の隠蔽」のために更迭されたという。

(中略)現場は、国際軍が使用しているシンダンド滑走路のそばである。破壊された15軒の家は、滑走路の警備員が住んでいたという。また犠牲者の多数は、アフガニスタンの慣習に基づき、死亡した民兵司令官の40日忌のために集っていた。

(中略)これとは別に、7月の初めに東部で実施された空爆で、結婚式に集まっていた多数の女性を含む50人の一般市民が死亡したという(後略)。

hoonMore than 90 kiled in coalition strikes: investigation
Mohammad Reza、HERAT

■武装勢力、パキスタンで戦う準備万端[080823 Asia Times]

パキスタンには2つの選択肢がある。武装勢力に屈するか、彼らと戦うかだと、内務省アドバイザーのレーマン・マリックが木曜日に述べ、政府は彼らと取り引きをするつもりはないと付け加えた(中略)。レーマンのコメントはは、イスラーム過激派に対して戦争を布告したものとも取れるが、パキスタンの新しい文民政府は、「テロとの戦争」を、誤った報告に向けてしまう可能性がある。

(中略)これまでムシャラフは、都合がいいように「テロとの戦争」を戦ってきた。しかし新政府はNATOに協力し、アフガニスタンにおけるカルザイ政府とNATO軍の関係と同じような関係を築くだろう。

NATOは問題の地域を特定し、パキスタンはそれを攻撃する。2007年にアメリカとパキスタンとの間で交わされた計画が実行され、ペシャワルがその拠点となる。ここからアメリカの指示に従い、タリバンの基地が攻撃される。

イスラマバードの米大使館とパキスタン政府との間に、新たな関係もできた。その印として、米大使館はバジョールの難民たちに5万ドルの援助金を約束した。

ムシャラフが支配していた2007年まで、パキスタンはタリバン、アルカイダ、タフキール(信心深いムスリムも異教徒として扱う)を、はっきり区別していた。

タリバンはパキスタンのバローチスタンからアフガニスタンのカンダハル、ヘルマンド、ウルズガン、ザーブルにかけて広がるパシュトゥーンの地域に起きた現象として捉えられてきた。オマール師がこの地域を支配する。

彼らはパキスタンを困らせたことはなく、シーア・スンニの問題にもチャマンに住むヒンドゥー教徒にもちょっかいを出さない。これらは「本当」のタリバンで、アフガニスタンで外国軍に対する抵抗運動を繰り広げている。パキスタンはバローチスタンにいるタリバンを取り締まったことはない。

しかし北西辺境州では問題は別だ。ここには、アフガニスタンで活動しているジャラウッディン・ハッカーニのようなタリバンがいる。パキスタンは彼を取り締まろうとしたことはない。アルカイダ幹部もここに住む。彼らは特に反パキスタンではなく、2007年までは、治安部隊は彼らを取り締まらないという取り引きが、交わされていた。アメリカの諜報組織は勝手に彼らを取り締まることが許され、アルカイダは自分たちで自分たち自身を守らなければならなかった。

しかしエジプト人シェイク・エッサの組織を含むタクフィールは、別問題だ。パキスタンはタヒール・ユルダシェフの率いるウズベク人たちを含めて、部族地域でタクフィールたちを取り締まっている。タフキールの一派と、タフキールに近いパキスタン人タリバンのバイトゥッラー・マフスードの組織の傘下にある、ラシュカレ・ジャングヴィのメンバーである犯罪者グループも同様だ。

パキスタンは、パキスタン人タリバンがどの組織に入っているかで、区別している。オマール師やジャラウッディン・ハッカーニのグループだったら、取り締まらない。タフキールのグループであれば、取り締まる。

つまりこれはパキスタン自身の戦いで、自分たちのために戦っていた。しかし今度NATOは、もっと恩恵を被るだろう。これまで自由に行動できた武装勢力たちは攻撃される。そしてそれと引き換えに、彼らはパキスタンで行動を開始する。

ビンラディンは、1989年にナワーズ・シャリーフを買収してベナジール・ブット政府を覆させたような財力を、今では持っていない。しかし治安部隊との関係はまだ保っている。去年ビンラディンは、パキスタンで反乱を起こすための責任者を任命した。しかしその男は今年病で死亡した。新たな責任者はモロッコ人のハリンド・ハビーブである。

ワーで起きたも木曜日の攻撃は、パキスタンのこれからを暗示する。この攻撃に対してパキスタンのタリバンが犯行声明を出しているが、実行したのはタフキールと関係があるパキスタン人の犯罪者組織だ。今後パキスタン政府が武装勢力と本当に戦えば、さらに被害を被るだろう。

hoonMilitants ready for Pakistan's war
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■テロリストは今後ペシャワル、コハード、ノーシェラを狙う[080823 News]

(前略)ワーで自爆しようとしていた3人目の男が逮捕された。(中略)この自爆予定者ハミッドゥッラー・ハーンはカイバル行政区の出身で、自爆を予定している組織が今後はペシャワル、コハート、ノーシェラを狙うと自白した。

ハミッドゥッラー・ハーンはスワートやバジョール出身ではなく、自爆した仲間もカイバル地域の出身者だったはずだと語った。TTPのオマル報道官が犯行声明を出しているが、治安組織はこれを疑っている。

捜査官たちは、ハミッドゥッラーは南ワジリスタン、スワート、バジョールの組織の人間ではないと見ている。彼はカイバルで過ごし、カイバルから出ることを禁じられていたために、バジョールの出来事に関して何も知らなかった。彼の面倒を見ていた男たちは、パキスタン陸軍がイスラームの敵に協力して仲間のムスリムを殺害しているために、パキスタン陸軍を攻撃することはジハードだと説いたという。

水曜日の朝カイバルからモーマンドに行き、1泊した。翌日自爆犯たちはモーマンドからワーの工場に連れて来られた。最後の瞬間にハミッドゥッラーは、標的は兵士ではなく一般民であることに気がつき、心変わりしたという。仲間は標的に向かって歩いて行ったが、自分は近くのモスクに逃げ、トイレで自爆ジャケットを取り、タクシーで逃げようとしたが警察に逮捕された(中略)。

ある報告によると、カブールのインド大使館がパキスタン国内でテロリストを操っているという。去年から活動を開始し、部族地帯を攻撃されて怒りを感じている若者たちを雇っている。それらのグループの人間が、シェルパオ元内相に対する2件の自爆攻撃に関わっていた。組織の人間2人が去年逮捕されたが、彼らはカブールのインド大使館と関係があることを自白した(後略)。

hoonPeshawar, Kohat, Nowshera next targets of terrorists
Hamid Mir、ISLAMABAD

■パキスタン軍、スワートの抵抗勢力殺害[080823 BBC]

スワートの衝突で抵抗勢力35人を殺害したと、パキスタン軍が発表した。兵士24人も死亡したという。戦闘は、自爆犯が爆発物を搭載した車を検問所に激突させて、警察官8人を殺害したあとに発生した。

タリバン軍が犯行声明を出し、軍が作戦を中止しなければ、さらに攻撃を続けると述べた(中略)。

スワートで起きた爆発は巨大で、検問所と隣接する店舗や家屋も破壊されたという。現場には人間の手足が散乱していたと、パキスタンのテレビが報道した。

TTP報道官のムスリム・ハーンが、「スワートで作戦を中止しなければ、警察や軍を攻撃するとすでに忠告してあった」と述べた。「政府は警告を無視し、我々への攻撃を続けている」。政府が作戦を中止しなければ、さらに攻撃を続けると警告した(後略)。

hoonPakistan army kills Swat rebels

■アメリカ、パキスタンで抵抗勢力を攻撃するか論議[080823 LosAngels Times]

パキスタンの新しい指導者や過激派が活動していることにいらだったアメリカは、部族地帯に進出して抵抗勢力を攻撃するべきかどうか話し合っている。

(中略)米軍の指導者たちは、パキスタンの反米感情が高まることや、政府の協力がなくなることを恐れ、これまでパキスタンに直接介入することを拒んできた。

総合参謀本部のマイケル・ムレン提督が2ヵ月以上前に、約30人からなる訓練士を今年の夏パキスタンに派遣して、パキスタンの北西部の基地でパキスタン陸軍と国境警察を訓練すると述べた。

この計画に参加した軍関係者によると、これははパキスタン軍との軍事関係を強化するもので、過激派と戦う力をつけるための長期計画の第一歩だという。

しかし6月に米軍がアフガニスタンとの国境付近を空爆し、国境警察隊員11人を殺害したことを根に持ち、パキスタン政府がこれを保留にしたとペンタゴン関係者が述べた。

パキスタン政府関係者は、アメリカの要求に答えて、最近部族地帯で過激派の取り締まりを強化していると述べている。数週間前から、パキスタン軍のXI CorpがFATAに入って武装勢力と対戦し、国境警察隊に協力している。あるパキスタン政府関係者が、アメリカで訓練を受けた特殊部隊を部族地帯に送り込む計画もあると述べた。

しかし米政府関係者は、パキスタン軍が実際にそのような作戦をするかどうか懐疑的である。あるペンタゴン関係者が、キヤニ陸軍参謀長が、今後アメリカの特殊部隊からの訓練は受けないと語ったと述べた。キヤニの真意は、ムシャラフほど簡単にはわからない。「キヤニは非常に誇り高い男だ。彼は紐のついた贈り物は受け取らない。装備は受け取るが、訓練は必要ないと言っている」。

さらに問題は、アメリカとパキスタン軍の関係が制限されていることだ。1990年代にパキスタンが核実験を行なったことに対して数年間制裁を与えたために、アメリカとの関係を持ったことがない世代が育ち、彼らはアメリカの意図に対して懐疑的だ。

「いつも出てくる話題だ。パキスタンは我々を本当に信頼しているのか?」と、訓練計画に関わる関係者が述べた。「これまでもパキスタンを野放しにしておいた。テロとの戦争のためだけに、我々はパキスタンを利用しているのだろか? アフガニスタンが再び安定すれば、またパキスタンから離れるのだろうか?」

アルカイダや過激派は、1989年の時と同じように、アメリカはパキスタンとアフガニスタンのパシュトゥーン族をすぐに見放すだろうと吹聴している

(中略)CIAは、訓練を受けたパキスタン軍が問題を解決してくれるというペンタゴンの望みに懐疑的だ。CIAは、パキスタンは抵抗勢力と戦う訓練に不足しており、装備もないと見ている。元CIA幹部のクランプトンは、パキスタンでもっと直接的に行動するよう、繰り返し主張し続けてきたという。

パキスタンで活動している別のCIA元工作員は、「もし本当にアルカイダを一掃しようとするのなら、彼らがいる所に行くことが大事だ。それはパキスタンの部族地帯だ」と述べた。

しかしアルカイダは、パキスタンに隠れてはいるが、アメリカの偵察機が常に監視していることや部族民たちがすぐに鞍替えすることにいらだち、指導者たちは小さなグループに分かれて活動していると語る。グループがばらばらになっていることや、アメリカが盗聴しているために、アルカイダはアメリカで大きな攻撃を計画できないでいると見る者もいる(後略)。

hoonU.S. debates going after militants in Pakistan
Peter Spiegel and Josh Meye

■政府、バジョールの武装勢力と極秘の会談[080823 News]

金曜日にパキスタン軍の戦闘ヘリコプターがバジョールで空爆を続け、14人が死亡した。そのうち8人が武装勢力である。

ある確かな情報源によると、部族民の有力な長老や国会議員、ウレマからなるジルガが、連邦政府とバジョールのタリバンと和平協定のための極秘会談を行なった。

ジルガは、ギラニ首相や内務省幹部と会談したという。ジルガのメンバーが、ギラニ首相がバジョールの問題に関して政府は全面的に協力し、平和的に解決することを約束したと語った。

ある有名なタリバン司令官が語ったところによると、内務省幹部が電話をかけてきて空爆を中止することを約束し、引き換えに国内におけるテロ行為を中止するよう要求したという。

彼によると政府はタリバンに、アフガニスタンとの国境地帯にある治安部隊の検問所すべてから撤退してほしいと述べ、国境警察隊員たちをここに再び配置したいという。またイスラーム法廷や収容所を廃止し、政府関係の建物や治安軍に対する攻撃を中止することを要求している。

「我々は全面的協力することを約束し、国境警察のポストから撤退する準備はあることを伝えた」と、司令官が述べた。

いっぽう金曜日に軍のヘリコプターが、TTP副責任者のモーラビ・ファキール・ムハンマドが率いる武装勢力の隠れ家を攻撃した。マーモンドのタニ村で車が地雷を踏み、武装勢力6人が死亡したと報告されている。

hoonGovt starts secret talks with Bajaur militants
Hasbanullah Khan and Mushtaq Yusufzai、KHAR/ PESHAWAR

■ザワヒリ、仲間2人をビデオで賞賛[080822 AFP]

アルカイダのナンバー2であるザワヒリが、先月パキスタンで殺害された仲間2人を賞賛するビデオ声明をインターネットで発表した。

「私の友人、シェイク・アブ・ハバーブ・アルマスリと彼の仲間が殉教したという、めでたいニュースを発表する」と、ザワヒリがイスラーム過激派が使用するウェブサイトで述べた。「彼と一緒に、シェイク・アビ・アルファラージ・アルマスリの息子である、我々の兄弟で教育者だったイブラヒームが死亡した」。

一緒に殺害されたアルカイダメンバーは、シェイク・アブドゥル・ワッハーブと、アブ・ハバーブの義理の息子であるアブ・イスラームだという。「神の誉れを受けた殉教者たちは、神のもとに行った。彼らはアメリかの圧政とパキスタン政府の裏切りを、神に訴えるだろう」。

アルカイダは今月、自身の化学兵器と生物学兵器の専門家であるアブ・ハバーブ・アルマスリが死亡したと、早々発表していた。パキスタンの関係者は、南ワジリスタンで行なわれたこのミサイル攻撃で、マスリが死亡したと発表。正式名はミハット・ムルシ・アルサイード・ウマルでエジプト人である(後略)。

hoonQaeda's Zawahiri praises two comrades in video

■パキスタン軍、武装勢力21人殺害[080822 AFP]

金曜日にパキスタン軍が、自爆攻撃者2人を含む武装勢力21人を、アフガニスタンとの国境近くで殺害した。

(中略)軍の声明によると、ハングの検問所で車から降りることを拒否した男たちと銃撃戦になり、「抵抗勢力16人を殺害した」という。「男1人が車から降りて、検問所に向かって来た。制止するように命じられたが拒否し、銃撃戦になった。そして自爆した」。「治安部隊は車にも発砲して、車も爆発した」と述べ、別の自爆犯が自爆した可能性があるという。1人が逮捕され、自爆した2人は外国人のようだったと述べた。

地元警察官のシェール・バハドゥールは、犠牲者の数は15人と述べ、車を制止するように命じられると武装勢力たちが「手榴弾を兵士に投げつけ、銃撃した」と語った。

いっぽうハングと接するバジョールでは、戦闘ヘリコプターが抵抗勢力5人を殺害した。戦闘機がカールで走行していた車を攻撃して3人が死亡し、サラルザイ村では建物を攻撃し、2人が死亡したという。さらに戦闘員11人が負傷した。

タリバン報道官が木曜日、ワーの自爆攻撃は、軍に対する復讐だという声明を発表している。ワーでは3人目の自爆者と思われる男が逮捕された。

これとは別にタリバンは、ペシャワル北西部のバダ・バールにある警察署にロケット弾を撃ち込み、警察官1人を殺害、2人を負傷させた(後略)。

hoonPakistani troops kill 21 militants: officials
Saad Khan、PESHAWAR

■同盟軍の空爆でアフガンの一般市民76人死亡[080822 AFP]

金曜日にアフガニスタン南部で実施された米軍主導軍の作戦で、子供50人と女性19人を含む一般市民76人が殺害されたと、内務省が発表した。

同盟軍はヘラートで空爆を実施したことを認めたが、タリバン抵抗勢力30人が死亡したと述べ、一般市民の犠牲者に関しては報告はないという。

いっぽうアフガニスタンの国防省は、一般市民5人と抵抗勢力25人が死亡したと発表している。シンダンド地域で何が起きたのかは、明らかではない。

内務省は、「ヘラートのシンダンド地域における米軍主導軍の作戦で、女性と子供を含む一般市民76人が死亡した」という声明を発表した。「女性19人、男性7人、残りは15歳以下の子供だ」(中略)。

いっぽうアフガニスタン西部の警察責任者のアクラムッディン・ヤワールは、空爆で76人が死亡し、家屋15軒が破壊されたと述べた。「タリバンもいたようだが、その数はわからない」という。

いっぽう同盟軍は、タリバン司令官を逮捕しようとしたところアフガン国軍の同盟軍が襲撃され、その後の衝突と空爆で抵抗勢力30人を殺害したと述べた。「アフガン国軍と同盟軍が抵抗勢力30人を殺害した」とし、「有名」なタリバン司令官が犠牲者の中に含まれているという。一般市民2人が負傷したが、「他の市民や仲間を誤って殺害したという報告はない」。

(中略)アフガン軍は、女性3人と子供2人の5人が死亡したと述べている。

国防省報道官は、「空爆でタリバン25人が死亡した。有名な司令官2人が含まれている」と発表した。「不運にも一般市民5人が死亡し、女性と子供が負傷した」。

今週は国際軍にとっては災難の週となった。月曜日には仏兵10人が死亡、水曜日にはカナダ兵3人とポーランド兵3人を含む外国兵8人が各地で死亡している。ほとんどが爆弾による攻撃である。

金曜日には別の兵士がアフガニスタン東部で死亡した。国籍は明らかにされていないが、この地域にいるのは米兵である。

ウルズガンでは夜間タリバンがアフガン警察とアフガン国軍を襲撃して、タリバン11人が死亡した。また金曜日には車が爆発物を踏み、アフガン兵2人が死亡した。

hoonCoalition air strikes kill 76 Afghan civilians: interior ministry
KABUL

■パキスタンの武器工場で自爆、45人死亡[080821 AFP]

木曜日にパキスタン軍の重要な武器工場の外で2人の男が自爆し、少なくとも45人が死亡した。

犯人2人が、イスラマバード北部のワーにある、林立する工場群の2つのゲートの外でほとんど同時に自爆した(中略)。「ものすごい攻撃だった」と、地元警察責任者のナジール・デュラニが述べた。「ちょうどシフトの時間に、工場の外で2人の男が自爆した。男たちは徒歩でやってきて、数分もおかずに自爆した」。

地元警察関係者のサルダル・シャッバーズ・フセインが、45人が死亡したと述べた。「爆発で45人が死亡したことが確認された。犠牲者の数は多く、現在情報を収集中である」。

ワーにあるパキスタンの兵器工場は、大砲、戦車、対空兵器などをパキスタン陸軍のために製造する、約20の工場からなり、2万5000人〜3万人の労働者が働いている。現場はタキシラの隣に位置する。

工場で働いていたリアーズ・フセインは、午後のシフトに入ろうとしていた労働者が犠牲になったという。「工場で働いていたところ巨大な音がまず聞こえ、続いてもうひとつ聞こえた。ものすごく大きな音だった」。「治安関係者がすぐに現場を包囲し、外に出ることを禁じられた。その後1人ずつ、外に出された」(後略)。

garrSuicide blasts kill 45 at Pakistan arms factory
Asif Hassan、WAH

■バジョールで武装勢力14人と女性3人死亡[080821 News]

バジョールのマームンド地域をジェット戦闘機が空爆し、武装勢力14人と女性3人が死亡したと、地元の住民が述べた。

ジェット戦闘機がダマドーラ、ラガライ、セワイなど、マームンド地域を空爆した。この空爆で女性3人が死亡した。

バジョールではオフィスや学校、店舗などは閉まったままで、治安部隊のタリバンに対する作戦は14日目を迎えた(後略)。

hoon14 militants, 3 women killed in Bajaur
KHAR/PESHAWAR

■南ワジリスタンにアメリカのミサイル攻撃、12人死亡[080821 News]

水曜日、南ワジリスタンのザリ・ヌール村にある建物が、アメリカの無人偵察機から発射されたヘルファイア・ミサイル2発で攻撃され、外国人戦闘員多数を含む12人が死亡、5人が負傷した。

軍はアメリカの偵察機がミサイル攻撃を行なったことを認めていないが、部族民の情報源によると、現場上空に偵察機2機が飛行していたという。

ムハンマド・ヤクーブ・ムガリヘール・ワジールが所有する自宅と来客用の家が、ミサイルで攻撃された。村人によると、攻撃の前に黒い色の飛行機が村の上空を低空飛行しており、その30分後に白い飛行機がミサイル2発を建物に撃ち込んだという。

攻撃直後にモーラビ・ナジール司令官と関係がある過激派たちが村を封鎖したために、村人は現場に近寄れない。

ワナの部族民によると、犠牲者の多数は客人として家に滞在していたアラブ人戦闘員だったという(中略)。ヤクーブと彼の従兄弟や甥が負傷した。「ヤクーブ自身はジハードに参加していないが、ムジャヒディンを家に招いていた」と、ある関係者が述べた。犠牲者のなかに重要な人物がいるかどうかは、わかならいという。「水曜日の朝から無人偵察機が村の上空を飛行していたために、重要人物がいたとしても、すでに去ったあとだろう」。

数週間前にもワナでアメリカの無人低崎津によるミサイル攻撃があり、アブ・フバーブ・アルミスリと彼の妻、息子のムダシール・アフマッド・フバードと8歳の孫が死亡している。

hoon12 killed in US missile attack on SWA village
Irfan Burki & Mushtaq Yusufzai、WANA/PESHAWAR:

■パキスタンでミサイル攻撃、8人死亡[080820 AFP]

パキスタンの部族地帯の武装勢力の隠れ家が、アフガニスタン側からミサイルで攻撃され、外国人を含む8人が死亡した。

(中略)南ワジリスタンのワナのイスラーム過激派と関係がある地元部族民が所有する家が、ミサイルで攻撃された。「武装勢力の隠れ家だった。少なくとも8人が死亡し、なかには外国人もいた」と関係者が述べた。「ミサイルはアフガニスタンから飛んできた」。

軍報道官のアサール・アッバス少将によると、ワナの家屋で爆発があったが、犠牲者の数はわからないという。「ワナで家が爆発したという報告を受けているだけだ。ミサイル攻撃かどうかは、明らかではない」。

住民によると、ハッジ・ヤクーブという名前の家の所有者が負傷し、瓦礫の山から救出されたという。「アラブ人たちがヤクーブのところによくやってきた」と、ある住民が述べた。治安関係者によると、アルカイダ幹部が死亡したという報告はないという(後略)。

hoonPakistan missile strike kills eight: officials
PESHAWAR

■アフガンの襲撃で仏兵10人死亡[080819 BBC]

カブール東部でタリバン戦闘員に襲撃され仏兵10人が死亡したと、仏大統領局が発表した。さらに仏兵21人が負傷し、アフガニスタンの国政平和維持軍が一度に出した犠牲者の数としては、最多になった。

兵士たちは、NATO主導の国際平和維持軍に属していた。サルコジ大統領は、アフガニスタンを訪問する予定である。

(中略)仏兵はカブール東部のシロビ地域で、月曜日から戦いに巻き込まれていた。アフガン国軍とともに偵察を行なっていたところを、殺害されたという。「激しい襲撃に見舞われたために、救出するために空からの援護が行なわれた」と、サルコジが声明を発表した(中略)。フランス人たちは、オズビン谷を後にして村にさしかかったところを襲撃された」。「さまざまな方角から攻撃された。タリバンとアルカイダ軍が、重機関銃などの兵器を使用した。山や果樹園から攻撃してきた」。

戦闘は24時間続いたという。仏軍は最近カブール地域を受け持っており、シロビもその管轄内に入っていた。

今回の襲撃により、アフガニスタンの治安が悪化していることがわかる。最近ではカブールの治安は向上しているが、夜間にロケット弾2発がISAF本部のそばに撃ち込まれた。

コーストでは、NATO軍のサレルノ基地を攻撃しようとした自爆犯6人が殺害された。ISAFによると、サレルノ基地がロケット弾や迫撃砲で攻撃され、自爆犯数人が基地に侵入しようとした。

月曜日には同基地で自爆犯が車をゲートに激突させ、一般市民9人が死亡している(後略)。

hoonAfghan ambush kills French troops

■パキスタンの病院で爆弾、多数死亡[080819 BBC]

パキスタンの北西辺境州の病院で自爆攻撃があり、少なくとも25人が死亡した。

射殺されたシーア派ムスリムの地元リーダーの遺体が、デーライスマイル・ハーンの病院に運ばれ、弔いのために人々が集まったところで攻撃があった。

バジョールでは武装勢力と兵士の間でさらに戦闘があった(中略)。

デーライスマイル・ハーンの警察署責任者のサラウッディン・ハーンが語ったところによると、爆発は「自爆攻撃だった」という。「現在のところは、25人が死亡したとしか言えない」。この地域は、スンナ派とシーア派の対立が古くからあり、宗教抗争に間違いないという。

病院の救急センターに、地元シーア派リーダーのザファール・ジャジーが運ばれ、人々が弔いに集ったところに攻撃があった。人々で込み合った場所で、男が自爆したという。

テヘリーケ・タリバン・パキスタン報道官のモーラビ・オマルが、犯行声明を出した。「政府がバジョールで作戦を行なっていることの報復に、攻撃した」。「ムシャラフはいなくなっても、彼の政策は残っている」。

ここ3週間、デーライスマイル・ハーンでは宗教抗争が続き、15人が死亡している。ほとんどが、タリバンやアルカイダとつながりがある過激派組織、ラシュカレ・ジャングヴィの犯行とされている。

バジョールでは親タリバン系戦闘員と治安部隊の間で戦いがあり、19人が死亡した。武装勢力14人と兵士5人が含まれる。目撃者によると、武装勢力が仲間の遺体を運び去ったという。

いっぽうタリバンが、10日前の戦闘で死亡した兵士14人の遺体を、地元の平和委員会に引き渡した。軍によると先週バジョールで、武装勢力150人と兵士13人が死亡したという。タリバンは犠牲者の数は12人と発表している。

hoonPakistan hospital bomb kills many

■パキスタン陸軍参謀長、カブール訪問[080819 AP]

パキスタン陸軍参謀長が、ムシャラフが辞任した直後の火曜日に、アフガニスタンに急行した。

アシュタク・パルヴェーズ・キヤニ将軍は火曜日にカブールで、カルザイ大統領と電話で話した。キヤニは突然アフガニスタンを訪問したが、アフガニスタン政府幹部さえ、彼の訪問を事前に聞いていなかったという。

しかし、パキスタン軍報道官のアサール・アッバスは、訪問は1ヵ月半前にすでに決まっていたと述べ、抵抗勢力に対処するためにこれまでも開催されていた3者国会談に参加したという。

(中略)キアニはアフガニスタンで、NATO軍司令官のデビッド・マッキールナンと会ったと見られている。

hoonPakistan army chief in Kabul after Musharraf quits
KATHY GANNON、KABUL

■パキスタンの衝突で兵士5人と武装勢力13人死亡[080818 AFP]

火曜日に関係者が、アフガニスタンと接するパキスタンの部族地帯で、兵士5人と武装勢力13人が死亡したと述べた。

親タリバン系武装勢力数十人が、カールから25キロ離れたナワガイにある準軍隊の検問所を攻撃して、戦闘となった。「数時間続いた戦いで、戦闘員13人が死亡した」と、地元行政府のムハンマド・ジャミールが述べた。兵士5人も死亡したという。

陸軍の戦闘ヘリコプターが飛来し、武装勢力の隠れ家を攻撃した。関係者によると、ヘリコプターがタリバン報道官のモーラビ・オマルの家を攻撃したが、建物は空で、犠牲者はいないという(後略)。

hoonFive soldiers, 13 militants killed in Pakistan clashes
KHAR

■ムシャラフ辞任、派閥間の争い残す[080818 New York Times]

ムシャラフ大統領が弾劾され、月曜日に辞任を表明した(中略)。

ムシャラフの後継者が誰になるかで、今後派閥間の争いがあることは確かである(中略)。「我々はこれまでムシャラフが最高の相手だと主張してきたが、それが真実であったことが今後わかるだろう」と、あるブッシュ政権関係者が述べた。アメリカはムシャラフに長く固執し続け、パキスタンでは他の人間との関係をおざなりにしてきたことも認めた。

ブッシュ政権は今後パキスタンの文民政府の中から、相棒を選ばなければならない。文民政府は、パキスタンのバッドランズからタリバンやアルカイダを一掃することに、ほとんど興味を示していない。

同時にアメリカとパキスタンの諜報組織や軍との間には亀裂が深まり、国家間の関係も、ムシャラフが9.11以後アメリカと同盟関係を結んで以来、最悪の状態になった。

米政府関係者は、パキスタンの核計画も憂慮する。パキスタンにはこれまでも暗殺や疑惑の航空機墜落、クーデターなどさまざまな危機が訪れたが、今回の危機は、核兵器を装備して以来、初めてのものである。

さらに問題なのは、アフガニスタンにおける戦争である。タリバンやアルカイダはパキスタンを根拠地として、ここから洗練された攻撃を実施している。

ムシャラフはパキスタンの武装勢力を取り締まることができず、あるいは取り締まる意思がないようだったが、米政府関係者は、キアニ軍参謀長を含むパキスタンの軍事責任者からの協力は、今度はほとんど得られないだろうと見ている。

部族地帯に接する選挙区出身の元内相のアフタブ・アフマッド・ハーン・シェルパオは、連合政府は暴力に対する「理解力はない」と語る。「彼らの内需に対する政策は1つだ。『平和に、軍を使用しない』」。「そして外国人とは『戦う』」。

(中略)武装勢力に対する作戦は、パキスタンでは評判が悪い。ワシントンは、タリバンを取り締まることはパキスタンのためでもあるということを、連合政府に説明しなければならない。今のところ、軍はここ10日間武装勢力に対して作戦を行なっているものの、内政に振り回されて、中途半端である(中略)。

ブッシュは、ムシャラフの辞任に関して明確なメッセージを送ることを控えている(中略)。ブッシュ政権はすでに数ヵ月前から、今後はムシャラフなしでやっていく方法を模索している(中略)。パキスタンの文民リーダーたちは、パキスタンの陸軍や諜報組織をほとんどコントロールできていない。

CIAやペンタゴン内には、パキスタンのISIは、イスラマバードの民主主義への移行を利用して、アフガニスタンで作戦を実施しているパキスタンの部族地帯の武装勢力との関係を強化しようとしていると見る者があいる。

パキスタンを誰がコントロールしているのかにより、パキスタンの核兵器に対する憂慮も広がった(中略)。最も心配なのは、過激派組織がパキスタンの核研究所内に入り込もうとしていることである(中略)。パキスタンの兵器自体は、それほど大きな脅威ではない。しかし米政府関係者によると、どの程度の資金が投入されているのかその詳細がわからないこと、また警備に関する情報がないという(後略)。

hoonMusharraf Out, Leaving Factions to Vie for Power
JANE PERLEZ、ISLAMABAD

■辞任すると、パキスタンのムシャラフ[080818 BBC]

国会に弾劾されようとしているパキスタンのムシャラフ大統領が、辞任すると述べた。大統領は、憲法侵害と職権乱用などで告訴されようとしている。

ムシャラフは、常にパキスタンと国民の利益のために行動してきたと述べ、自分に対する告発はすべて無効だと主張した。しかし今は対決する時期ではなく、アドバイザーと話し合った末、辞任することにしたという(後略)。

hoonPakistan's Musharraf will resign

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.