【2008年9月8日〜 9月14日】
●パキスタンの治安部隊が日曜日に部族地帯で、武装勢力16人を殺害、25人に負傷させた。
●バジョールでは、100人以上の武装勢力がここ5日の間に殺害されたという(中略)
●治安部隊が戦闘ヘリコプターやジェット戦闘機、大砲を用いて、バジョールのロイ・ラム、ラシャカイ、タング・ハタ、ゴロカースを攻撃した(後略)。
New Pakistan clashes kill 16 alleged militants●先月、敵対するライバルの部族民が提供した、偽情報に基づいたアメリカの攻撃でアフガン一般市民が殺害され、この攻撃で死亡したタリバン戦闘員は1人もいなかったと、大統領報道官が日曜日に述べた。
●「同盟軍に全く誤った情報が与えられた」と、カルザイ大統領報道官、フマユン・ハミッドザダが述べた。アフガン警察は、米軍に誤った情報を提供した3人の容疑者を逮捕したいう。
●アフガン政府の事件調査委員会によると、子供60人を含む一般市民90人が殺害されたことがわかった(中略)。米軍の特殊部隊とアフガン軍は、イギリスの警備会社職員とその家族を攻撃したという。米軍が攻撃後に武器を押収したのは、そのためだという。
●アメリカは当初、ムッラー・スィディーキという名前の過激派司令官を攻撃しようとしたところ、最初に発砲され、スィディーキを殺害したと述べた。しかし村人たちによると、ナダール・タワキールという名前のライバル部族民が提供した偽情報で、自分たちの家が攻撃されたという。
●アフガニスタンの国会議員によると、タワキールは現在米軍に拘束されている。同盟軍はコメントを拒否している。「いかに情報を入手し、いかに悪用されたかを考えるべきだ。また個人の悪意により、アフガン政府と国際軍が利用された」とハミッドザダが述べた。「1人としてタリバンは殺害されていない」。「全くの災難だった」(中略)。
●内務所は、事件と関係して3人が逮捕されたと述べたが、3人を特定しなかった。ハミッドザダも、3人の名前を公表していない。村人たちは8ヵ月前に、ライバル部族タワキールに殺害されたティモール・シャーという長老の死を悼んで集まっていた。親戚がアジザバードに集っていたために、多数の子供が犠牲になった。
●NATOは、同盟軍とアフガン政府は協力して今回の問題を調査すると述べたが、ハミッドザダは協力を断わった。「すでに何もかもが明るみにでている。これ以上住民に嫌なことを思いださせる必要はない(中略)」。ハミッドザダは、今回の事件で友人と間の関係に汚点を残したと述べた。「ある部分に関しては批判的に考えているが、まだ友人関係を保つことはできる」(中略)。
●これとは別に日曜日、国連に協力していたアフガン人の医者を乗せた車列に自爆攻撃があり、医師2人と運転手が死亡した。
●また南部では、土曜日の爆発で英兵が死亡した(後略)。
Afghanistan: US killed civilians after false tip●バジョールでは激しい戦争が行なわれ、爆発音や爆撃音が響き渡り、ジェット戦闘機やコプラヘリコプターが迫撃砲や爆弾を投下している。
●インヤット・ケレイのタング・ハッタ、ラシャカイ、ロイサム、ハザナ、バンダ、ケララ、バイ・チーナにある武装勢力の拠点が、攻撃されている。激しい爆撃のあと軍関係者が、武装勢力60人を殺害したと述べた。アラブ人やアフガン人なども含まれている。
●しかしカールの病院には、負傷者は誰もいない。軍関係者によると、武装勢力たちは自分たちの拠点に急ごしらえの病院を作ったという。木曜日には、インヤット・ケレイのバザールに設置されたこのような病院のひとつが、爆撃された。
●(中略)ある関係者が、ロイサムで一般市民の犠牲者が出たという報告を否定した。最も重要な武装勢力司令官、カリ・ザアール・レーマンが、一般市民の間に隠れていたために、見逃してやったという。「このアフガン人タリバン司令官が、バジョールに外国人戦闘員たちを集めて、激しく抵抗している。しかし一般市民の犠牲者が出る可能性があったので、3度も彼を見逃した」という。
●(中略)「我々は危険を回避したいので、急いでいない。そのうち部族地帯のあらゆる場所に、我々の兵士が駐屯するだろう」。しかし治安部隊は、バジョールからすべての武装勢力を一掃することことはできないと述べた。
●いっぽう軍の情報源によると、兵士7人が死亡した(中略)。さらにイッヤット・ケレイの住民は、住民10人が死亡したと述べた(後略)。
60 die in fierce Bajaur fighting●対テロ法廷が、バイトゥッラー・マフスードの腹心であるモーラビ・ラフィウッディンを保釈したが、金曜日に国境犯罪法により、再び逮捕された(後略)。
Baitullah aide re-arrested under FCR●土曜日にカブールの近くで、遠隔操作爆弾により州知事の車が破壊され、知事と一緒にいた3人の男性が死亡した。
●ロガール州知事で元国会議員のアブドゥッラー・ワルダックが、自宅があるパグマン町で殺害された。タリバンが犯行声明を出した(中略)。ワルダックは、ソ連に対して戦った司令官で、殉教大臣でもあった(中略)。
●金曜日にはヘルマンド州で、イギリス兵が頭を撃たれて死亡した(後略)。
Afghan governor assassinated in bomb blast: officials●金曜日にバジョールで、ジェット戦闘機が武装勢力を空爆し、武装勢力40人を殺害した。戦闘機がインヤット・ケレイのバイ・チーナやラシャカイとタング・ハッタにある武装勢力の拠点を攻撃した。
●バイ・チーナ村の情報源によると、過激派たちがウルドゥー語を話す人間を連れてきて、戦車の運転手だと紹介した。この男は数日前、治安部隊との激しい戦闘があったときに、拉致されたという。武装勢力たちはこの戦車の運転手をインヤット・ケレイのバザールを引き回し、バジョールに来て「本当のムジャヒディン」と戦ったことは過ちだったと、言わせた。
●武装勢力のほかに村人たちも、この嫌がらせを見に集って来た。その直後、ヘリコプターが飛来して、空爆を始めた。村人によると、ザルガラム・マーケットとケレイ・バザールに、村人と戦闘員の遺体が散乱しているという。
●いっぽう軍関係者の話によると、ジェット戦闘機と戦闘ヘリコプターがタング・ハッタ、ラシャカイ、ロイサム、カンザナ、グロカス、ケララにある武装勢力の拠点を空爆した。さらに迫撃砲や大砲も用いて、攻撃したという。兵士7人も死亡した。
●この関係者によると、ラシャカイ、タング、ハッタ、ナシールバードでは、アラブ人戦闘員も治安部隊と戦ったという。アラブ人戦闘員多数が、パキスタン軍や準軍隊兵士の制服を着ていたという。これらの外国人戦闘員たちは、8月5日の襲撃で殺害された兵士たちの制服を奪った。
●軍報道官は、金曜日の作戦で武装勢力40人と兵士2人が死亡した発表した(後略)。
40 militants killed in Bajaur●金曜日、CIAの無人偵察機が北ワジリスタンを攻撃し、ヘルファイア・ミサイル2発を発射した。
●ミランシャーの政府関係者によると、無人偵察機はパンジャーブの過激派の訓練所を攻撃した。関係者によると、イリヤス・カシミーリが率いるジハード組織の過激派が攻撃され、12人が死亡したという。しかし住民によると、犠牲者の中には女性と子供がいるという。
●ミサイル攻撃のあと、ミラシンシャーからバヌーに向かっていた軍の車列を、何者かが襲撃した。治安部隊関係者が2人負傷した。軍が応戦したところ、近くにいた部族民4人が負傷した。
●情報源によると、偵察機2機が北ワジリスタン上空を前の日から飛行していたという。無人偵察機がトルヘール村のサディーム・ハーンが所有する民家を攻撃した。住民たちが現場に駆けつけ、12人の遺体を回収した。
●住民によると、死亡したのは全員地元の人間で、サディーム・ハーン一家だという。ミサイルは近くの家も破壊し、10人が重傷を負った。
●しかし政府関係者によると、狙われたのはパンジャーブの過激派の訓練所で、イリアス・カシミーリが率いるジハード組織の人間、12人が死亡したという。過激派が使用していた、2つの学校が攻撃された。訓練所に住んでいた過激派も殺害されたという。
●しかし部族民の武装勢力によると、攻撃された学校は訓練所ではなく、政府はすぐに大げさなことを発表し、重要な人物が犠牲になったと吹聴すると述べた。
US missile strike kills 12 in North Waziristan●ブッシュが7月に承認した、パキスタン国内で米軍が地上攻撃を行なうという新たなルールを、パキスタンの文民政府と陸軍は認めなかったと、アメリカとパキスタンの関係者が述べた。
●アシュタク・キアニ陸軍参謀長は、先月米国防省関係者に、もしパキスタンが、タリバンなどの戦闘員がアフガニスタンに越境することを防げなかったら、アメリカは新たな政策を採用すると言われたという。そのうちの1つは、武装勢力の隠れ家を地上から攻撃することである。パキスタン関係者は、キアニはこの政策はまだ決定されたものではなく、パキスタンの対テロ作戦はうまくいっていると見ていた。
●昨日ギラニ首相は、アメリカの奇襲部隊が、先週パキスタン国内を20マイルほど越境したことを非難した。キアニも、パキスタンの主権を侵害したとアメリカを非難している。
●いっぽうカルザイ大統領は、新たなアメリカの戦略を歓迎し、パキスタンにある武装勢力の隠れ家を「排除し、破壊する」必要があると述べた。
●アフガニスタンに米兵3万1000兵がおり、それぞれNATOとアメリカ中央司令部の下で、別の任務についている。
●ヨーロッパの関係者は、NATOの国々はアメリカと同じようにアフガニスタンの治安悪化を心配しているが、アメリカの新たな政策をブッシュが承認したことに関しては何も聞いていないと述べた。
●駐ワシントンのパキスタン大使、フサイン・ハッカーニは、米政府関係者が、「そのような命令は下されていない」と断言し、アメリカは「パキスタンの主権を尊重している」と述べたという。
●ヨーロッパの関係者は、新たなルールの承認がザルダリ大統領の就任時期と一致しているために、このような新しい政策は「奇妙」だと述べた。「もし許可なくして他国に侵略するなら、民主主義政府が誕生するのを8年間も待っていたことを考え合わせると、そんな時期に侵略するとは、非常に混乱した政策だとしか思えない」。
●ザルダリは、今月ブッシュ大統領とワシントンで会う予定である。
●(中略)これまでパキスタンは、米軍がアフガニスタン側から武装勢力を追跡している場合に限り、国境から6マイルだけ越境することを認めている。パキスタン人関係者によると、キアニは先月、パキスタン軍の作戦をもっと強化し、アフガニスタン側からパキスタンを空から狙うための正確な諜報情報を提供しないなら、新たなルールを採用すると警告されたいう。
●「条件がついていた」と、あるパキスタン人関係者が語った。「もし我々は自分たちの側で何らかのことをすれば、ルールは変わらない」。すでに問題は改善され、「実施されていた」と、最近のアメリカの無人偵察機の攻撃や、バジョールで治安部隊が戦闘員100人を殺害したことに言及した。
●しかし米関係者は、アメリカは「いかに行動するかをすでに決めている」と述べた。
Pakistan Did Not Agree to New Rules, Officials Say●金曜日にアメリカの無人偵察機がパキスタンの部族地帯をミサイルで攻撃し、12人を殺害した。
●ミサイルが、北ワジリスタンのミランシャー郊外の家を攻撃したと、地元関係者が述べた。「夜明け前の攻撃で、家屋が破壊され、12人が殺害された」と、関係者が述べた。この他に14人が負傷した。
●12人は抵抗勢力戦闘員だったと、地元関係者が述べた。攻撃されたコール・ヘール地域にあった家屋は、アフガンの過激派組織、アル・バドルに貸与され、その事務所になっていたという。
●アル・バドルは、グルブッディン・ヘクマチアルが支援しており、アフガニスタンのアフガン軍や国際軍を攻撃している。
●(中略)最近米軍主導軍かCIAの無人体裁機が、パキスタンを頻繁に攻撃している。これまで女性や子供を含めた38人が死亡た(後略)。
Suspected US missile kills 12 in Pakistan: official●対テロ裁判所が、3人のタリバン戦闘員を保釈した。そのうちの1人は、7月以来地元タリバンが釈放を要求していた戦闘員である。政府によると、保釈されたタリバンの1人、ワジリスタンのモーラナ・ラフィウッディンは、バイトゥッラー・マフスードの腹心だという。この他の2人は、アフガン人のムハンマド・アジーズと、ハング出身のナヴィード・アラームである。3人の男を保釈し、それぞれ20万ルピーの保釈人の支払いを命じた。
Mehsud's deputy, 2 other militants granted bail●木曜日に治安部隊が、スワート谷各地で武装勢力14人を殺害、15人を負傷させた。
●治安部隊が、カーバル地区ニンゴライの地元タリバン司令官のクルシッドの家を戦闘ヘリコプターで攻撃した。この攻撃で武装勢力6人が殺害された。
●スワート・メディア・センター報道官によると、司令官とその息子が攻撃で負傷した。ヘリコプターが家とゲスト・ルームを攻撃し、中にいた武装勢力6人が死亡した。この他にタリバン司令官を含む15人が負傷した。負傷者のうち、12人は一般市民であった。
●マッタのシェルパチムでは、武装勢力が検問所を攻撃し、逃走しようとした。報道官によると、軍が武装勢力を追跡して戦闘となり、武装勢力2人が死亡した。
●さらにマッタのポディラムの避難壕に隠れていたタリバン司令官のバフトが空から攻撃された。バフトは逃げたが、武装勢力6人が死亡した(後略)。
14 militants killed in Swat operation●木曜日にダラ・アダムヘールの武装勢力が、アフルワル地域の国境警察隊の検問所の近くで、簡易爆弾により治安部隊兵士6人を殺害したと主張した。治安部隊は、これを否定している。
●情報源によると、武装勢力が簡易爆弾を国境警察の検問所の近くに仕掛け、軍の車列が通過したときに爆発した。政府関係者は、この事件で犠牲者はいないと述べている。
●しかしテヘリーケ・タリバンのダラ・アダムヘール、モーマンドの報道官は、治安部隊兵士6人が死亡したという。警察官たちが乗っていたダブル・キャビンは大破した。武装勢力はビデオにこれを撮ってあると主張し、兵士たちの遺体も映っているという。
●さらに報道官は、1週間前にカタル峠で拉致した国境警察隊員11人の中から、2人を殺害したという(中略)。
●警察隊員オマール・ハーンの遺体が、サタル国境警察検問所の近くで、3日前に発見された。タリバン報道官は、コタルの丘の上で国境警察隊を襲撃したときに、2人を殺害したという。
●さらにタリバン報道官は、数日前にカイバル行政区から拉致された警察官見習い2人を、斬首したという。警察官見習いたちは、ハングの訓練学校に向かっていたところを、拉致された。この他に9人の見習いが、この時に拉致された。タリバンたちは、仲間の釈放を要求している(後略)。
Darra militants kill six security men, two police recruits●木曜日に、戦闘機に援護されたパキスタン軍が北西部で、武装勢力100人を殺害したという。
●パキスタン軍は、バジョール地区で武装勢力の拠点を攻撃している。これまで600人が殺害され、26万人が避難している。「我々はバジョールの武装勢力の隠れ家を攻撃し、彼らが使用していた建物数軒を破壊した」と、治安関係者が述べた。「現場からの情報によると、戦闘員80〜100人が殺害された」という。武装勢力の通信を傍受して得た情報だという。
●関係者によると、抵抗勢力がインヤット・キリの近くで治安部隊のパトロール隊を襲撃したために、攻撃したという。武装勢力が隠れていたマーケットが、完全に破壊された。これに先立ち治安関係者が、TTPの事務所も破壊されたと述べた。
●水曜日にもパキスタン軍がバジョールで、武装勢力22人を殺害している。
●これとは別に、バジョールでタリバンが、政府のためにスパイ行為をしていたとして親政府系武装勢力3人を殺害した。部族民の遺体が木曜日早朝、タリ地区の路上で発見された。「首を撃たれ、パキスタン政府と米軍のためにスパイ活動をしていたというメモが残されていたという(後略)。
Up to 100 militants killed in Pakistan: official●パキスタン北西部での戦いで、武装勢力20人と兵士4人が死亡したと、軍が発表した。
●治安軍がバジョールのラシャカイ村を攻撃し、戦闘となった。軍が8月にロイ・サムに検問所を設置しようとしたところ、戦闘が始まった。
●政府軍によると、村は制御されたというが、まだ各地で抵抗が続いているという報告もある。
●(中略)政府は、ラマダンの間は戦闘を行なわないと述べていた。タリバン報道官のオマルは停戦を歓迎したが、自分たちは武器を捨てないと述べた。
●軍報道官のムラッド・ハーン中尉が、ロイ・サムの近くのラシャカイ村で襲撃されて、兵士4人が死亡したと述べた。戦闘でタリバン戦闘員20人が死亡した。
●関係者によると、ラシャカイ村を制御し、タリバンの指令センターを取り除いたという。武装勢力たちはまだロイ・サムで抵抗している。この地域は、モーマンドとバジョールの武装勢力にとっては、重要な場所である。
●いっぽうモーラビ・オマル報道官が『BBC』に、ラシャカイ村の戦いで、兵士24人が死亡したという。事実は確認できていない。
Many killed in Pakistan fighting●米統合参謀本部のマイク・ミヤレン提督が、パキスタンから越境する過激派を阻止する新たな作戦をアフガニスタンで行なうと述べた。ミュレン提督は、国境の両側で軍事作戦を行なうことを要求した。
●アメリカは、パキスタンと協力して「隠れ家を撤去」しなければならないと、国会で述べた。しかしパキスタンは、外国軍がパキスタン国内で活動することを許可していない。
●「同盟軍がパキスタン国内で作戦の実施を許可するという合意はないし、理解もない」と、キアニ将軍が述べた。
●パキスタン軍司令官たちは現在ラワルピンディで会談し、アメリカが南ワジリスタンで地上からの攻撃を行なったことが話題になっているはずである。
●ブッシュ大統領は昨日、2009年2月までに、アフガニスタンに4500兵を増兵することに決めたばかりである。
●(中略)ミュレン提督は、アメリカはアフガニスタンの戦争に勝利しておらず、パキスタンにいる過激派を一掃するために、新たな戦略を立てなければならないと述べた。(中略)「我々はパキスタンから戦闘員たちが入ってくれば、彼らを追い、殺害できる。しかし、パキスタン政府と協力して彼らの拠点を一掃しなければ、敵はいつまでもやってくる」(後略)。
US 'must target Pakistan havens'●ブッシュ大統領は7月に、アメリカの特殊部隊がパキスタン政府の許可なくして、パキスタン国内で地上からの攻撃を行なうことを極秘に許可したと、ある米政府幹部が述べた。
●(中略)米関係者によると、水曜日の攻撃のように、特殊部隊がパキスタン国内の村を地上から攻撃する場合はパキスタンに通告するが、わざわざ許可は得ないという。「部族地帯の状況は、我慢ならないものだ」と、ある米関係者が述べた。「我々はもっと攻撃的にならなければならない。命令は下された」。
●(中略)パキスタン軍幹部が水曜日、先週の米軍の越境攻撃をパキスタン陸軍は許さないと述べ、パキスタンの主権を何が何でも守るという。
●友好国家において、たとえ限定的なものであったとしても、アメリカにどのような法的権限があってこのような行為を行なえるのか、明らかではない。ある米政府関係者は、パキスタン政府は個人的には、特殊部隊が特定の武装勢力を地上から攻撃するということを認めているが、各々の作戦を認めているわけではないという。政府内の誰が認めたかは、明らかにしなかった。
●パキスタン国内における地上戦で米軍関係者が殺害されるか、または捕虜となった場合に大きな問題が発生し、アルカイダにとっても大きなプロパガンダになる。
●(中略)米政府関係者によると、今回の襲撃にはNavy Seals関係者24人以上が関与し、数時間に及ぶ地上戦で、アルカイダ戦闘員24人を殺害したという。戦闘員に対する、用意周到の作戦だったようだ。AC130戦闘機に援護され、特殊部隊がヘリコプターから飛び降りた。
●(中略)パキスタン政府は、先週の攻撃は一般市民を殺害し、部族地帯の反米感情を高めただけで、何もならなかったと主張した。「米軍による一方的な作戦は、テロには何の役にも立たない」と、駐ワシントンパキスタン大使、フセイン・ハッカーニが述べた。「今回の件で、軍は何も得なかった」。
●アメリカによる地上からの作戦の代わりに、パキスタン政府関係者はCIAの無人偵察機による攻撃のほうがましだと述べる。CIAはほとんどの場合、攻撃前と後にパキスタンに通告する。
●(中略)国務省関係者や国家治安委員会内部では、特殊部隊がイスラマバードの米大使の許可なくして、作戦を実行することを憂慮している。
●(中略)パキスタン国内での攻撃が行なわれるようになったのは、アメリカとパキスタンの関係の雲行きがおかしくなってからだ。CIAのアナリストやアメリカの諜報組織は、カブールのインド大使館爆撃事件にISI関係者が関与していたとするが、陸軍参謀長を含めたパキスタンの治安関係者たちも、この計画を知っていたと見ている。「キアニが知らなかったとは思えない」と、ある関係者が述べた(後略)。
Bush Said to Give Orders Allowing Raids in Pakistan●水曜日にパキスタン陸軍長官が、米軍による越境攻撃を非難し、パキスタンの主権は「何が何でも」守られるべきだと述べた。
●アシュラフ・パルヴェーズ・キアニは異例の声明を発表し、先週南ワジリスタンに米軍が越境して無実の一般市民を殺害したことにより、反テロを掲げている仲間たちの間に支障をきたす恐れがあると述べた。
●ペンタゴン報道官は、キアニのコメントに直接答えなかったが、米軍はパキスタン人と協力しているとだけ述べた。「我々はこれまで同じ目的を持って行動している。アメリカは、仲間に協力している」。
●しかしキアニは、このような作戦を実施することは、パキスタンとアメリカの間で合意が交わされていないと述べ、このような作戦を行なうことで、過激活動が活発になる恐れがあると忠告した。「我々の長期的計画を無視して、短絡的なことをしても前進しない」と、キアニが述べた。
●(中略)月曜日の米偵察機によるミサイル攻撃で3人の外国人過激派が殺害されたと、諜報関係者が述べた。アブ・ハリスは、部族地帯のアルカイダを率い、アブ・ハムザは、ペシャワルで行動していた。
●(中略)これまでキアニは、あまり表立った行動を取っていなかった。しかし最近米軍がパキスタン国内を攻撃を受けて、水曜日のキアニの声明は、アメリカの政策を初めて公然と非難したものである。
Pakistan army chief criticizes US raid●(前略)アメリカとパキスタンの関係者は、これまでの戦術を変えて、パキスタン北西部の山岳地に無人偵察機を飛ばして攻撃を行なうことにしたと述べた(中略)。
●今年になって無人偵察機からのヘルファイア・ミサイル攻撃は、去年の3倍になり、11回も行なわれている。
●(中略)2005年にCIAは、ビンラディンの重要性はなくなったと考えていた。しかしその1年後、考えを変え始めた。2006年のロンドンの航空機に対する攻撃未遂事件が明らかになったことで、これまで崩壊したと考えられていたアルカイダの司令塔が、再び登場したのだ。CIAはパキスタンの部族地帯や北西辺境州に、数十人の工作員を派遣した。
●状況は、これまで以上に深刻化した。南北ワジリスタンのパキスタンのタリバンは、政府と和平協定を結んだ。パキスタン人の間ではビンラディンの人気は高まり、反米感情が露になった。
●CIAの工作員たちの活動は、僻地のパキスタン陸軍基地内に限定されていた。2006年に部族地帯にいた元CIA工作員のアーサー・ケリーは、ほとんど行動の自由がなかったと述べた。パキスタンの連絡官は、彼らに情報を提供するのではなく、彼らを監視することに関心があったという。
●「1人で外出できなかった。ブロンドの髪と青い目の人間だ。オーストリアではできるかもしれないが、パキスタンではだめだ」と、ケリーが述べた。「何もかもが、許可されなかった。パキスタンが協力することを望んでない場所においては、仕方ない。パキスタンは全く協力の意思がなかった」。
●それ以来、ビンラディンの捜索は暗礁にのり、アメリカの関係者は、パキスタンが許可していないにもかかわらず、特殊部隊をパキスタンに送るかどうかを論議してきた。
●2005年以来アメリカは、ビンラディンやその仲間がいるという諜報情報を入手したら、海軍SEALや陸軍のデルタ・フォース隊をパキスタンに送るかどうか、論議してきたという。しかしアメリカの奇襲部隊員が殺害されたり捕まったりする場合を考え、常に却下されてきた。
●「CIAと特殊部隊の間では、誰がどのような状況下で、何をするための権限を持つべきかが、話し合われてきた」と、ある対テロ関係者が述べた。「さまざまな意見の相違があった」。
●今のところ、この意見の相違は解決したようだ。
●先週、アメリカの奇襲部隊がヘリコプターでアフガニスタンからパキスタンに越境して、南ワジリスタンの武装勢力の隠れ家と思われる場所で約20人を殺害した。
●これまでCIAがパキスタン側のタリバンに無人偵察機で攻撃しても、パキスタン政府はあまり関知しないふりをする。しかしパキスタン領内に侵入すれば、政治的な問題を起こしかねない。「非常に混乱した。泥沼化した状況になった」と、イギリスの諜報関係者が述べた。「アメリカは、2005年以来部族地帯に入ろうとしてきたことは確かだ。しかし、これは問題化する」。
●元CIA関係者でビンラディンの捜索責任者のマイケル・ショアーは、「我々の選択肢はなくなった」。「新しい大統領は、非常に大きな問題を背負うことになる」。
●パキスタン政府関係者は、もし米政府がアルカイダを本当に排除したいのなら、パキスタンの部族地帯をミサイルで攻撃するより、穏健化するための努力をするべきだったと語る。「アメリカの政策は、藁の中から針を探しだすのではなく、この地域の治安を安定させることに努力するべきだった」と、部族地域の元治安責任者だったマフムード・シャーが語る。「彼を今探し出しても、問題は解決しない」とビンラディンに言及する。「獲物を得るかもしれないが、彼の周りの池に毒を放ったようなものだ」。
●2002年以来、アメリカはパキスタンに100億ドル近くの資金援助をしている。これには、極秘作戦に対する資金は含まれていない。しかし、資金のほとんどはパキスタン陸軍にまわり、使用されるべき場所で使われていない。ごく一部の資金が、パキスタン西部で学校や病院建設に回されている。
●「アメリカ人は信じていなかった」と、パキスタン人治安関係者が語った。「バンバンバンと言っただけだ。大ハンマーを持った人間には、問題はすべてクギに見える」。
●1999〜2002年までCIAの対テロセンターで、アルカイダ捜索に関わったコファー・ブラックは、無慈悲な強攻策をとることで有名だった。しかし先月のインタビューで、米政府はパキスタン人の心を勝ち取るための努力をしていないと語った。「私のような人間が言うと不思議に思うかもしれないが、重要なのは地元のリーダーや住民へのサボートと援助だ」。「それがないならば、好きなだけ師団を投入すればいい。問題はないだろう」。
●7年間、ビンラディンの捜索はアメリカの信頼できるパートナーである、ムシャラフの肩にかかっていた。しかし彼は先月辞任した。
●(中略)ペシャワルのパシュトゥーン族の政治家、アフラシアーブ・ハタックは、パキスタン軍は時折CIAに協力して、アルカイダのナンバー2を捕まえようとした。でも、これはワシントンからの資金援助は続けさせるためだった、と述べた。「ブッシュ政権は思い違いをしている」。「最初から、パキスタンはダブル・ゲームをしていた。公然の秘密だ」とハタックは語る。ハタックは2000年から、ビンラディンはパキスタンの諜報部と緊密な関係を持っていると忠告してきたという。2002年にはアルカイダが部族地帯で再結成していることも忠告した。「アメリカ人たちに、彼らはここにいると言い続けてきた。しかし彼らは『そんなことはない。そんなことあるはずない。ムシャラフは我々に協力している』と言っていた」と、Awami National Partyのハタックは語る(後略)。
In Hunt for Bin Laden, a New Approach●月曜日にアメリカが行なったパキスタンの北西部に対するミサイル攻撃で、外国人過激派4人が死亡したと、諜報関係者が火曜日に述べた。
●男たちは、アブ・カシーム、アブ・ハムザ、アブ・アリスだという。彼らがアルカイダやタリバンの組織の中で、どのような地位にいたのかはわからない。
●月曜日に北ワジリスタンで実施されたミサイル攻撃の犠牲者数は、20人になった。犠牲者の中には、ジャラウッディ・ハッカーニの妻と妹と、子供が少なくとも4人含まれている。この他に、18人が負傷した(後略)。
4 militants killed in Pakistan missile strike●月曜日にパキスタンの部族地帯でアメリカの無人偵察機によるミサイル攻撃があり、女性と子供を含めた21人が死亡した。
●北ワジリスタンのマドラッサの近くの民家に、ミサイル数発が撃ち込まれた。1週間の間に、4回ミサイル攻撃が実施されている。
●「一般市民7人と武装勢力14人がミサイル攻撃で死亡した」と、諜報関係者が述べた。犠牲者の中には女性や子供も含まれ、アラブ国籍の外国人9人を含む、武装勢力が死亡した。
●「ハムザという名前の重要なアラブ人過激派と、ムサとカシームという名前のアラブ人が殺害された」。負傷者のうちの何人かは重傷で、病院に収容された。
●無人偵察機は、ジャラウッディン・ハッカーニのマドラッサか家を狙ったものだったという。
●住民によると、ダンデ・ダルパヘール上空を、無人偵察機2機が飛行していた。その直後少なくとも1機が、ミサイル数発を発射した。2日前にも北ワジリスタンのムハンマド・ヘール村でミサイル攻撃があり、武装勢力5人が死亡した。さらに先週、米軍が南ワジリスタンを襲撃して、15人が死亡している(後略)。
Suspected US missile strike kills 21 in Pakistan: officials●月曜日に『AP』は、毛布や白い布を被せられた、少なくとも幼児10人の遺体が映されたビデオを入手した。先月米軍が行なった空爆で死亡した一般市民は、米軍が報告した数よりも多い可能性が出てきた。
●アジザバードのモスクの中では、泣き叫ぶ女性の声や男性の叫び声が聞こえる。アフガン政府や国連の報告によると、子供60人と女性15人を含む、90人近くの一般市民の犠牲者が発生したという。
●携帯電話で撮られた2つのビデオ映像には、モスクに安置された遺体が映っている(中略)。ビデオは、一般市民60人が死亡した証拠にはならないが、一般市民7人と武装勢力35人が死亡したという米軍が報告よりも、犠牲者が多いことを示している。
●アメリカは日曜日に、新たに出てきた証拠をもとに、捜査をやり直すと述べた(中略)。
●ヒデオには、2列に並べられた数十人の遺体に、毛布がかけられていた。女性が悲嘆にくれて泣き叫び、少年が遺体のそばに座り込んで体を揺すっていた。3人の子供の遺体が白い布にくるまれ、4人目の子供は頭部に大きな傷があった。5人目は、女の子のようにみえる。
●このビデオから結論を出すことは難しいが、米軍が認めている一般市民の犠牲者数は、アフガン政府や国連の報告が示すように、もっと多い可能性がある(後略)。
Videos show dead Afghan children after US raid●日曜日にモーラナ・ファズルッラーが率いる過激派が、拉致した中国人技師は、仲間のタリバンが釈放されるまで解放しないと述べた。
●TTP報道官のムスリム・ハーンは、現在治安部隊関係者38人を1ヵ月以上拘束しているが、政府は彼らのことを気にかけていないと述べた。
●ムスリム・ハーンは、まず治安部隊兵士38人と引き換えに仲間70人を釈放したら、中国人技師とともに、パキスタン人の警備官と運転手の解放について話し合うという。「捕虜を交換するまで、中国人は我々の客人だ」と、述べ、危害を加えるつもりはないという。
●警察は、ある人間を拉致犯人として特定したが、取り調べを行なったあと、彼を逮捕する機会を逸してしまったという。しかしロワー・ディールの警察関係者は、この男が逃げたことを認めていない。
●いっぽう、ある警察関係者は、警察が犯人を逮捕する絶好の機会を逸したと述べた。犯人は警察に、中国人を拉致したことを認めたにもかかわらず、現在この男は警察に拘束されていないという。中国人たちを拘束している男たちと接触して、解放するよう説得すると言いながら、消えてしまったという(後略)。
Swat Taliban link Chinese release to comrades' freedom●月曜日にアメリカの無人偵察機がミサイルを発射し、外国人戦闘員7人を含む13人を殺害したと、諜報組織関係者と目撃者が述べた。
●「無人偵察機2機が、ミサイル3発を発射した」と、北ワジリスタンのダンデヤホダルパヘールの住民が述べた。ジャラウッディン・ハッカーニが狙われたという。
●諜報関係者によると、一般市民6人と外国人戦闘員7人が殺害されたというが、はっきりしたことはわからない。「ウズベク人とアラブ人が、家と付属のゲストハウスに住んでいた。6人が殺害されたが、身元はわからない」。15〜20人が負傷し、そのほとんどが女性と子供だったという。負傷者はミランシャーの病院に運ばれた。
●ハッカーニの息子の1人によると、父親と兄のシラージュッディンは、現場にはいなかった。「ハッカーニとシラージュは攻撃があった当時、アフガニスタンにいた。2人とも生きている」と、ハッカーニの3男のパドルッディンが述べた。家族の家にいた叔母が死亡したという。自分たちが30年間住んでいた家に、ミサイル6発が撃ち込まれたと語った(中略)。
●軍報道官のアサール・アッバスは、「事件が起きた」ために、原因を捜査していると述べた(中略)。
●アメリカの奇襲部隊の襲撃や、パキスタン国内が繰り返し攻撃されていることで、政府は土曜日、アフガニスタンに運ばれる補給物資の補給路を一部封鎖した。
●しかし月曜日に内務省のレーマン・マリークが、道路封鎖は数時間後に解除されたが、安全のためだったと、これまでとは別の説明をした。
●これとは別に日曜日の夜、スワートでは軍と武装勢力が衝突し、武装勢力10人が死亡した。また警察が、ノーシェラで自爆ジャケットを着た十代の少年を逮捕した。
●土曜日にはペシャワルで、車を使用した自爆攻撃で、30人以上が死亡している。
U.S. drones kill 13 in missile attack in Pakistan