【2008年9月29日〜 10月5日】


■パキスタン、「米軍攻撃」の犠牲者を埋葬[081005 BBC]

パキスタンの村人たちは、米軍攻撃で死亡した約20人の人間の遺体や遺体の一部を集めている。諜報関係者と村人によると、無人偵察機が、北ワジリスタンのムハンマド・ヘールの民家を攻撃した。犠牲者の中にはアラブ人武装勢力がいたという。

(中略)パキスタンの『News』紙によると、アラブ人戦闘員たちが、親タリバン系部族民が主催したラマダーン明けの晩餐会に招待されているという情報を元に、攻撃があったという。「瓦礫の中に、遺体の一部が散らばっているのを見た」と、村人が『ロイター』に語った。

この地域の諜報関係者によると、犠牲者の中には、女性と子供3人が含まれているという。

パキスタン軍報道官のアサール・アッバースによると、当初20人が殺害されたと報告されたという。多数の外国人がいたというが、まだ捜査中だという(後略)。

hoonPakistanis bury 'US strike' dead

■タリバン、米軍攻撃に憤慨[081004 AP]

タリバンが、土曜日に起きたアメリカによるミサイル攻撃にいつになく憤慨していると、関係者や住民が日曜日に述べた。

(中略)情報源によると、タリバンは今回の攻撃に、異常に反応しているという。彼らの怒りから、幹部戦闘員が死亡した可能性があるという。

抵抗勢力たちは、地元の人間たちに対して、「政府のスパイ」というような厳しい口調を使用しているという。

住民が語ったところによると、タリバンたちは人々に今回の攻撃に関して、メディアに語ったり、現場に入ったりしないよう通告しているという(後略)。

hoonOfficials say Taliban mad over alleged US strike
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■パキスタンの米ミサイル攻撃、武装勢力20人死亡[081003 AFP]

金曜日にアフガニスタンと接する部族地帯に対するミサイル攻撃があり、アルカイダ系武装勢力20人ほどが死亡した。ほとんどが外国人だったという。

「北ワジリスタンのムハンマド・ヘール村の家屋がミサイルで攻撃され、武装勢力20ほどが死亡した。ほとんどが外国人だった」と、パキスタンの治安関係者が述べた。

地元の諜報関係者が、16人のアラブ人を中心とした外国人を含む、21人が死亡したと述べた。家屋は、この地域に住んでいた2人のアフガン人難民のものだったという(中略)。犠牲者の身元は明らかになっていない。

いっぽう北ワジリスタンの別の地域で、アフガニスタンにいる米軍の戦闘ヘリコプターとジェット戦闘機が、女性2人と子供を含む数人を殺害したという報告を、パキスタン軍が否定した。

地元関係者によると、パキスタン領内の家屋を、コーストにいる米軍が空爆したという。しかし関係者は、事件はアフガニスタン側で起きたという。「そのような事件はパキスタン側では起きていない」と、パキスタン軍報道官のアサール・アッバスが述べた。「彼らはアフガニスタン側で作戦を実施するということを、事前に通告していた」。

今回のムハンマド・ヘールに対する攻撃があった3日前にも、北ワジリスタンの武装勢力の訓練所がミサイル攻撃され、アラブ人を中心とした外国人過激派8人が死亡した(後略)。

hoonSuspected US missile kills 20 militants in Pakistan: officials
MIRANSHAH

■パキスタンの政治家の家で自爆、4人死亡[081002 AFP]

木曜日にパキスタンの連立政府の一員の家に押し入ろうとした男が自爆し、4人が死亡した。政治家は幸い無事だった。

事件は、Awami National Party(ANP)のアスファンディヤール・ワリ・ハーンが、イードの祭りで自宅に隣接するゲストルームで客人を迎えているときに起きた。「客人の一行が帰ろうとしているときに、犯人が警備員をかきわけて来るのが見えた。男は横から撃たれたが、それでも私に向かってきた」と、ハーンが述べた。「私の警備員が正面から撃ったがまだ前進したために、ボディーガードが彼を押さえて止めようとした。そこで倒れるとともに、爆発が起きた」。

(中略)この自爆事件でハーンの警備員と警察、ハーンを訪問していた銀行員など4人が死亡した(後略)。

hoonSuicide blast at Pakistan politician's house kills four
Zaffar Ahmed、CHARSADDA

■戦いは続く、と武装勢力[081001 Asia Times]

(前略)タリバンがパシュトー語で、次のような発表をした。「メディは、タリバンとカブールの操り人形政府との間で、サウジアラビア主催でイギリスの協力のもと、『和平交渉』を行なっていると報道している。またカブールとパキスタンにいると言われるタリバン責任者たちの間を、元タリバンメンバーが行き来して『初めての話し合い」が行なわれているという。投降したタリバン元メンバーたち、あるいは現在監視におかれている元タリバンたちは、アフガニスタン首長国連邦とは全く関係ない」。

「アフガニスタン首長国連邦は、これらはすべて、敵の嘘であることを主張する。これらのプロパガンダは、ムスリムの間に亀裂があるという印象を与え、我々のウンマを弱体化させようとするものだ。我々は、外国軍が撤退するまで戦う」。

メッセージは明らかである。タリバンとアルカイダは今やひとつになった。そして亀裂が生じたどころか、一緒に戦う準備が整っている。

《パキスタンで負け戦に勝つか?》

欧米軍や政治家たちは、パキスタンのタリバンやアルカイダに目を向けている。これに関しては、今後和平協定が交わされるだろう。

先月からバジョールで、軍事作戦が実施されている。軍は空から攻撃して、数百人、数千人が家を追い出された。

政府の公式発表に反し、武装勢力たちは一掃されていない。これまで対立していた親タリバン系武装勢力や外国人戦闘員は、全員ヌーリスタンとクナール州のアフガン人タリバン司令官、カリ・ザアウル・レーマンの下で結束した。すべての組織がレーマンを、クナール、ヌーリスタン、バジョール、モーマンドの最高司令官と仰いでいる。

パキスタンのメディアは、レーマンがバジョールで戦っているために、クナールにおけるタリバンの攻撃が少なくなったと報道している。しかし、これはそれほど長く続かないだろう。すぐに全域で戦いが始まる。

当初の計画によると、パキスタン軍がバジョールで攻撃し、クナールにいる米軍が逃走経路を遮断するはずだった。パキスタンは当初の計画どおり実行したが、アメリカの地上軍は武装勢力がクナールに逃げ込むのを防ぎきれなかった。

問題は計画にあった。比較的道路網が発達しているバジョールと異なり、クナールにはほとんど道がなく、山が険しい。抵抗勢力や親タリバン系村人たちが軍を狙うことができるような、洞窟もたくさんある。

公式な発表とは異なり、パキスタン軍は多くの犠牲者を出した。武装勢力たちは、数十人を失っただけだという。レーマンも死亡していない。

パキスタンの戦略家たちは、軍の敗北により、スワートにやその先にも影響が出ることを心配している。北西辺境州の州都を、アボタバードのような非パシュトゥーンの町に移すことさえ、検討されている。

同時に兵士や関係者たちの意気も低い。とくに軍の26%を占めるパシュトゥーン兵士は、やる気がない。その例として、軍本部の指示を無視し、パキスタンの国境部隊兵士と部族民達が協力して、南ワジリスタンでアメリカの無人偵察機を撃ち落とした。

さらに、ワシントンがザルダリ大統領に強く要求し、ISI長官が交代した。新しい長官は、アメリカや反タリバン的立場を取るアフマッド・シュジャ・パシャである(中略)。これらの動きは、政府やキアニ陸軍参謀長に対する不信感を強めるだけである。

バジョールの失敗により、パキスタンと欧米の友人たちは、抵抗勢力たちと和平協定を結ばざるを得なくなる。タリバンとアルカイダの仲間である元ジハードリーダーたちと、タリバンの育て親である退役軍人関係者が、パキスタン軍とタリバンとの間を取り持とうとしている。

話し合いが成功したら、アルカイダは地元部族民の抵抗運動から切り離され、抵抗勢力たちは政治に参加するようになる。

ハラカトゥル・ムジャヒディンの責任者であるモーラナ・ファズルール・レーマン・ハリルが、モーマンド、バジョール、ワジリスタンの親タリバン系武装勢力と接触し、タリバンとパキスタン政府との間の話し合いを仲介することになった。

元ISI関係者で、1990年代にアフガニスタンのヘラート駐在領事を務め、タリバンの父といわれるアミール・スルタン、別名イマーム少佐も、軍とタリバンとの間を取り持っている。

武装勢力たちは、話し合いにあまり積極的ではない。武装勢力司令官たちが、北ワジリスタンのモーラナ・ジャラウッディン・ハッカーニやハーフィズ・グル・バハドゥールと会い、パキスタンの治安部隊との関係を絶つように説得している。

これに先立ち、モーマンド行政区では、武装勢力たちがタリバン司令官のアブドゥル・ワリに、パキスタン軍に協力しないよう説得した。問題はハッカーニだ。もし彼がパキスタンとの関係を絶つことにすれば、国内の戦いは激しくなる。

garrThe fight goes on, militants tell Pakistan
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■アメリカの偵察機、武装勢力8人を殺害[081001 AFP]

アメリカの無人偵察機がパキスタンの部族地帯にミサイルを撃ち込み、イスラーム抵抗勢力8人を殺害した。犠牲者の中には、アラブ人が多数いたという(中略)。

パシュトゥーン部族民が、北ワジリスタンのフサイル・トゥリヘール村の上空を旋回していた無人偵察機3機に発砲した直後、攻撃された。「偵察機が攻撃された後、村の民家にミサイルが撃ち込まれた」と、治安関係者と政府関係者が述べた。「少なくとも抵抗勢力8人が殺害された。全員外国人で、ほとんどがアラブ人だった」という。何人かは負傷し、その後死亡したという(後略)。

hoonUS drone strike kills eight militants in Pakistan: officials
MIRANSHAH

■パキスタン武装勢力責任者、「死亡していない」[081001BBC]

パキスタンのタリバン報道官が、バイトゥッラー・マフスードが病気で死亡したという報道を否定した。

モーラビ・オマル報道官が、マフスードは「元気だ」と述べた。テレビ局が、親タリバン系武装勢力を率いるマフスードが火曜日の夜死亡した、と報道した(中略)。「今朝の9時に彼と電話で話したが、自分が死亡したという報道にびっくりしていると語った」と、彼を診察している医師、エイサ・ハーンが述べた(後略)。

hoonTop Pakistan militant 'not dead'

■パキスタンの新たな諜報組織責任者、任命される[080930 BBC]

パキスタンのISI長官に、アフガニスタンとの国境地域の武装勢力に対して作戦を行なった、アフマッド・シュジャー・パシャが任命された。

今回の異動は、自信がISI長官だったキアニ陸軍参謀長の意向だという。パシャ将軍は、現代的な職業軍人だという。

パシャは、去年開始したスワートやワジリスタンなどのパキスタン北西部の武装勢力に対する作戦責任者だった。パシャはムシャラフ元大統領に任命された、ナデモーム・タージを引き継ぐ(後略)。

hoonNew Pakistan spy chief appointed

■カルザイ、サウジに和平のための仲介を頼む[080930 AP]

カルザイ大統領が火曜日に、アフガニスタンの戦いに終止符を打つために、サウジアラビアにタリバンとの和平のための話し合いを仲介してほしいと申し出た、と述べた。

カルザイによると、まだ話し合いは始まっていないが、サウジに協力を仰いだという。戦いを終わらせることを期待して、アフガン政府関係者がサウジアラビアとパキスタンを訪れたという。

「これまで2年間、サウジアラビア国王に手紙を書いてきた。メッセージを送り、イスラーム世界のリーダーとして、アフガニスタンの治安と繁栄のために、そしてアフガニスタンの和解のために、私たちを助けてほしいと頼んだ」という。大統領宮殿からイードのためのメッセージを送ったカルザイは、政府は武装勢力たちに武器を捨てるよう、呼びかけていると述べた(後略)。

いっぽうタリバン責任者のオマール師もイードのメッセージを送った。アフガニスタンの治安部隊を盗賊や犯罪人と非難し、信頼できない人間だと述べた(中略)。

アフガンの抵抗勢力責任者で元大統領のブルハヌッディン・ラッバーニは今年の初めに、アフガニスタンの政治責任者たちはタリバンや反政府組織と話し合いを行ない、和平を模索している述べた。これらの話し合いは、野党と武装勢力「幹部」との間で行なわれているという(中略)。

カルザイは火曜日のメッセージで、タリバンや武装勢力責任者たちが、もし自分に接触してきたなら、個人的に米軍やNATO軍から守ると述べた。「外国人たちを恐れないでほしい。彼らがあなたに危害を加えようとしたなら、彼らの前にはだかろう」(中略)。

オマール師は、タリバン関係のウェブ・サイトに声明を発表した。「外国軍は我々の文化、宗教、資源を盗んでいる。同じように軍や警察は金、威厳、信頼を人々から盗んでいる」。また武装勢力たちには、作戦を行なう際、一般市民を犠牲にしないよう呼びかけた。

(中略)火曜日に米軍主導軍が、アフガニスタン南部で道路脇に仕掛けられた爆弾により、兵士3人が死亡したと述べた(後略)。

hoonKarzai asks Saudi Arabia for help in peace talks
RAHIM FAIEZ、KABUL

■拉致されたアフガン人外交官、救出[080930 News]

9月22日にペシャワルのハヤタバードから拉致された、駐パキスタンアフガン大使に予定されていたアブドゥル・ハリーク・ファラヒが、月曜日に救出された。

アフガン領事館関係者が、ファラヒが救出されてペシャワルに戻って来たことを確認した。イスラマバードの外務省もこれを確認している。アフガン大使に予定されているファラヒは、イスラマバードに向かうと報告されている。

情報源が『News』に、ファラヒが月曜日か火曜日の朝に解放されると述べた。パキスタン政府が仲介し、ファラヒの解放につながったという。誰に拉致されたかは、明らかにされていない。

未確認情報によると、ファラヒはカイバル行政区から救出されたという。ある情報源は、カイバル行政区のムラゴリ地域に拘束されていたと述べた。モーマンド行政区に連れて行かれ、アブドゥル・ワリ、別名オマル・ハリッドという地元タリバン司令官に拘束されていたという報告もあ(後略)。

hoonKidnapped Afghan envoy recovered
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■オラクザイの訓練所、攻撃される[080930 News]

治安部隊が月曜日、オラクザイ行政区のフェローズヘール地域にあった武装勢力の訓練所と武装勢力の車3台を、戦闘ヘリコプターで攻撃した。

武装勢力は治安部隊の主張を退け、自爆攻撃や拉致した警察官を処刑して報復すると述べた。情報源によると、戦闘ヘリコプターがオラクザイ行政区のギラージ、タング、ダラ、サッパリにあった6ヵ所の訓練所を攻撃した。治安部隊によると、武装勢力多数に被害があったという。

これに先立ち政府は武装勢力に、月曜日までにこれらの地域から立ち去るように申し渡していた(後略)。

hoonTraining centres in Orakzai shelled
BARA

■新たなパキスタンの戦闘で武装勢力12人死亡[080929 AFP]

パキスタン軍と部族民たちが月曜日、武装勢力12人を殺害した。両者は、タリバンとアルカイダとの戦いに協力を始めている。

サラルザイ部族民数百人が政府に協力し始め、バジョールから武装勢力を一掃しようとしている。部族民たちはダラに入り、武装勢力の隠れ家に火を放った。「タリバンがダラで部族民の軍隊を襲撃した際、部族民9人と司令官のアブドゥル・ムトリブを含めた武装勢力3人が死亡した」と、治安関係者が述べた。

これとは別に、日曜日の夜、カールから10キロ離れたラシャカイの検問所を抵抗勢力が襲撃し、銃撃戦となった。軍は応戦してカールにある軍の本部から砲撃し、武装勢力5人を殺害した。

さらに日曜日の夜遅く、先週軍が外国人ジャーナリストたちを視察させた、ひと気のないタング・ハータ村の検問所を、武装勢力40人が襲撃したという。治安部隊が応戦し、武装勢力4人を殺害した(後略)。

hoonFresh Pakistan fighting kills 12 militants: officials
KHAR

■ヘクマチアル、フランス軍襲撃を主張[080929 AFP]

月曜日にアフガン抵抗勢力責任者のヘクマチアルがビデオ・メッセージを発表し、8月にフランス兵10人を殺害したと主張した。

ビデオ声明によると、ヘクマチアルはサロビの戦いで仲間10人を失ったという。

ヘクマチアルとタリバンとの関係はあいまいだが、タリバンもフランス兵襲撃に対して声明を出している。

ビデオを入手したアフガニスタンの通信社Pajhwokによると、日曜日にパキスタンにあるペシャワルの事務所に、ビデオが届けられたという。

ヒズビ・イスラーミの責任者であるヘクマチアルは、死亡した9人の仲間の名前を挙げ、家族に哀悼の意を表した(中略)。

これまでタリバンはヘクマチアルに協力することを拒否していたが、アナリストたちによると、最近になって協力を始めた可能性があるという(後略)。

hoonAfghan warlord Hekmatyar claims French ambush: report
KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.