【2008年10月5日〜10月12日】


■SASに殺害されたタリバン・リーダーは、パキスタン人[081012 Sunday Times]

昨年ヘルマンドで特殊部隊により殺害されたタリバン司令官は、パキスタン軍関係者である証拠があることを英関係者が明らかにしたと、アフガン政府関係者が述べた。

サンギン谷の建物内にいた司令官は、SASとSBS軍に殺害された6人のうちの1人である。英兵が建物に入ったところ、遺体にパキスタン軍のIDがあるのを発見した。

イスラマバードはテロとの戦争に協力していると主張しているが、アフガニスタンにいる英軍に対してパキスタン軍が極秘作戦を実施していることが、始めて明らかになった。

英国がこの事実を公表することを拒んだために、カルザイ大統領と口論になったという。カルザイは、ロンドンはタリバンに協力しているパキスタン軍の諜報情報を通してアフガニスタンを見ていると、非難してきた。

「過去6年間パキスタンを非難してきたが、今やっと証拠が出てきた。しかし、ロンドンはカブールとの関係よりもイスラマバードとの関係を重視したために、これを拒否した」と見ていると、大統領に近い人間が述べた。「イギリスはパキスタン人を刺激したくないと思っているようだが、それは理由にならない」。

カルザイは激怒して、英外交官たちを追放すると脅迫した。その後ヘルマンド州知事から、英政府関係者がタリバンと極秘に取り引きをしていることを知ると、2人の外交官を国外追放にし、元タリバン戦闘員たちのために訓練所を計画していることを非難した。

カルザイは来月ゴードン・ブラウンとの話し合いのためにロンドンを訪問予定で、両国間の関係修復を行なうと見られている。

(中略)同盟軍はパキスタン政府と対立することを拒否してきたが、7月にカブールで発生したインド大使館の爆弾事件のあと、態度を変えた。英国と米諜報関係者によると、アフガンの組織とパキスタン軍の諜報関係者との間の電話を盗聴したためだという。

(中略)パキスタンがタリバンに協力しているというカルザイの非難は、米海兵隊幹部関係者の発言によっても明らかである。

アフガニスタン東部で、2007年6月から今年の3月まで訓練チームを指揮していたクリス・ナッシュ中佐によると、タリバンとの激しい戦いがあった去年6月、パキスタン軍ヘリコプターが何度もアフガニスタンに飛来し、タリバンに物資を供給していたという。ナッシュによると「パキスタン軍のD-30(榴弾砲)を受けていた。アフガン国境警察の検問所や監視ポストが、パキスタン軍に攻撃された」という(後略)。

smellTaliban leader killed by SAS was Pakistan officer
Christina Lamb、Kabul

■アフガニスタンの戦いでタリバン死亡[081012 BBC]

アフガニスタンとイギリスの関係者によると、アフガニスタン南部の戦いで、治安部隊がタリバン数十人を殺害したという。

武装勢力たちは、ヘルマンド州都のラシュカル・ガー郊外で、アフガニスタンとNATO主導軍に殺害された。ヘルマンド州知事報道官によると、武装勢力が町を攻撃しようとしたために治安部隊が応戦したという。死亡したタリバンの数については、さまざまな説がある。

アフガニスタン政府関係者によると、タリバン130人が死亡したというが、英軍報道官は、50人程度だと述べた。

ヘルマンド州知事報道官のダウード・アフマッディによると、タリバンがロケット弾や重火器を使用して、3方向から町を攻撃したという。しかし、治安部隊に押し戻された。アフガン軍やNATO軍の間には、犠牲者はいない。

NATOのISAF軍によると、武装勢力たちが町の郊外に集結し、迫撃砲を用いて攻撃し始めた。「ISAF軍は空爆を実施し、敵数十人を殺害した」という。

ヘルマンド州ではこの他の場所でも3日に渡って戦闘が続き、武装勢力が数十人殺害された。外国軍とアフガン軍が、タリバンが占拠していたナド・アリ地区を奪回して、戦いは土曜日に終結した(後略)。

hoonTaleban killed in Afghan battles

■パキスタンの部族民、武装勢力に反旗を翻す[081012 AP]

パキスタンの部族民たちが、アルカイダやタリバンと戦うために軍を組織している(中略)。

部族地帯に対する作戦に、統率のとれていない軍が武器を取って参加している。しかし、完全武装して訓練の行き届った武装勢力に対してどの程度効果があるか、アナリストたちは疑問を投げかける(中略)。

政府は、外国人やパキスタン人過激派に対する地元住民の不満を利用し、民兵、または「ラシュカル」を組織させた。「タリバンたちは自分たちをムスリムと呼んでいるが、彼らはさまざまな犯罪に手を染めている」と、サラルザイ部族民のリーダーが述べた。最近ラシュカレを組織した5つの部族民のうちの、最大部族である。「我々の居住区から彼らを追い出したい」。

マリーク・ムハンマド・ハビーブによると、仲間1万5000人がラシュカルに参加しているという。他のリーダーたちもラシュカルを組織し、同じくらいのメンバーがいるという。しかしアナリストたちは、数字は誇張され、おそらくその半分の数だろうと語る。

ラシュカルは、イラクで組織されている政府支援の民兵軍と比較されるが、パキスタンの場合、部族民たちの統率はとれてなく、それぞれ自分たちの武器を使用している。そのほとんどが古いものである。政府はラシュカルに資金を投入していないと主張しているが、アナリストたちは、リーダーたちは金を受け取っているはずだと語る。

さらにどの程度ラシャレルが現実的に戦っているかは、明らかではない。パトロールしいている写真が発表され、戦いに参加しているという報告があるが、軍により武装勢力がいなくなった地域に留まっているにすぎない。

パキスタンの治安アナリスト、シャジャー・ナワーズによると、部族民たちは武装勢力の存在を快く思っていないために決起したという。しかし、彼らが成功するためには、政府がまず道路を建設したり他の開発事業に着手しなければならないという。「英国植民地時代のように、部族民たちを買収しているにすぎない」とナワーズが述べた。このような取り引きは、歴史的にいつも失敗してきた(中略)。

このようなラシュカルは、将来お互いに戦うようになり、問題になる可能性もある。「地域の安定のためには役立たない力を育てることになる。法と秩序を考えると、将来混乱した状況になる可能性がある」と、政治コメンテイターのルスタン・シャー・ムハンマドが述べた(後略)。

hoonPakistani tribesmen rise up against militants
CHRIS BRUMMITT、ISLAMABAD

■アメリカの偵察機、ミサイル攻撃の後も飛行[081012 AFP]

アメリカの無人偵察機が、パキスタンの部族地帯の町に対してミサイル攻撃を実施して少なくとも4人を殺害したが、その後の日曜日も偵察機が飛行していたと住民が述べた。

アメリカの無人偵察機が土曜日の夜、北ワジリスタンのミランシャー郊外にある建物にミサイルを2発撃ち込んだ。建物はタリバン戦闘員のオマル・ダラーズの住居だったという(中略)。

住民が日曜日、破壊された建物の中から犠牲者がいるか捜索していた際、さらに偵察機3機が飛行しているのを目撃したという。部族民が偵察機に発砲したが命中せず、報復もなかった(後略)。

hoonUS drones fly after missile strike in Pakistan: residents
MIRANSHAH

■米軍ミサイル攻撃で、アルカイダ戦闘員は死亡せず[081012 AP]

パキスタンの北西部でアメリカによるミサイル攻撃があり、5人が死亡したが、犠牲者の中にはアルカイダの外国人戦闘員はいなかったという。

土曜日に北ワジリスタンのミランシャー上空で、無人偵察機2機が目撃され、その直後にマッチ箱工場のそばの家屋が攻撃されたと、諜報関係者2人が述べた。地元の情報源によると、犠牲者の中に外国人はいなかったという。

いっぽう隣接する2つの地域で、治安部隊と武装勢力の間で衝突があり、戦闘員52人が死亡したという。

日曜日にパキスタンの国境警察隊が、オラクザイで武装勢力と衝突し、2人の「司令官」を含む戦闘員27人を殺害した。死者のうち12人は自爆予定者だった。

さらにバジョールでも衝突があり、少なくとも武装勢力25人以上を殺害したと、政府関係者のジャミール・ハーンが述べた。

ハーンによると、戦闘ヘリコプターがバジョールのチャルマング地域を空爆し、少なくとも10人を殺害した。さらにその後の衝突で15人が死亡したという。

武装勢力は、この地域で結成された地元の部族民民兵と戦っていたという。地元民2人もこの戦いで死亡した(後略)。

hoonNo al-Qaida fighters reported dead in US airstrike
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■パキスタンにとって長く熱い冬[081011 Asia Times]

(前略)アメリカがパキスタンで、武装勢力と戦うための訓練プログラムを開始する(中略)。しかしこれは訓練以上のものであるようだ。タベーラ・ガジから6キロ離れたガジ・ブロサ水路に沿ったハサンプールが、その中心地である。治安組織の情報源によると、ハサンプールの滑走路にはここ数週間の間に新たな格納庫が作られ、戦闘の準備が始まっている。地下防空壕や避難壕、トンネルなども作れている。アメリカ人「訓練アドバイザー・グループ」に続き、英軍関係者もこの施設を管理するために訪れたという。

情報源によると、アメリカとイギリスの関係者が訪れていることや、滑走路が整備されていることから、単なる訓練以上のことがここで行なわれることを示しているという。

さらに治安関係者によると、ハサンプール山脈にある新しい施設も、軍事作戦を実施することができるように再整備されている。少なくともハサンプールの高所から、偵察を行なう能力を持つことになる。

以前に報告したように、アメリカはパキスタンの特殊部隊本部があるタルベーラでも準備を行なっている。9月にアメリカ人関係者が、「訓練アドバイザー・グループ」と称してここの施設を訪れた。

この報告はパキスタンで話題になり、議会でも取り上げられた。問題は、パキスタンの核施設に近い場所でアメリカが活動することが、パキスタンの核計画を妨害するのではないかという点である。

(中略)パキスタン軍はバジョールをまだ制御できないでいるが、現在北ワジリスタンを攻撃する準備が進んでいる。パシャ中将が国会で語ったところによると、バジョールからは武装勢力は一掃され、近々政府はこの地域を管轄するようになるという。しかし治安関係者によると、パキスタンは武装勢力を空爆しているにすぎない。地上軍は、安全のために投入されていない。軍が地上を制御するまで、バジョールの軍事作戦は不完全だ。

しかしパキスタン軍は、確かな根拠もなく、アルカイダ責任者たちはバジョールから北ワジリスタンに逃走したと見ている。

アメリカの選挙が来月予定されている今、パキスタン軍は北ワジリスタンを攻撃する。軍の新たな派遣部隊が動員され、来週行動が開始されそうだ。

情報源によると、作戦の標的はザワヒリだという。NATOはこの作戦を歓迎するだろう。この地域にはジャラウッディン・ハッカーニがいる。

武装勢力たちは11月に目標を定めている(中略)。「10月をなんとかやりすごす。そうすればムジャヒディンに有利になる。金やアメリカに服従している者たちは、我々が強いか、彼らの支配者であるアメリカ人が強いか、見極めることになるだろう」(後略)。

smellA long, hot winter for Pakistan
Syed Saleem Shahzad

■アフガン大統領、タリバンに政府内に地位を提供[081011 Sunday Telegraph]

サウジアラビアでカルザイの兄のカユーンが極秘にタリバンと会い、抗争を越えて和平協定を結べば、政府内に地位を確保することを伝えた。イギリスはこのことを知っているという。

イギリスはカブール政府にタリバンと話し合うことを勧めており、アメリカも最近では取り引きに同意を示している。

しかし同盟軍は、まずタリバンはアルカイダから離れ、取り引きの一環として、パキスタンとアフガニスタンにいる国際テロリストの情報を提供させようと主張している。

サウジアラビアの招待で、アフガン政府の承認のもとで、タリバン元幹部12人以上がサウジを訪れた。

英政府はこの会談についてほとんど公にしていないが、英軍司令官や外交官たちは戦争に終止符を打つために、この取り引きを奨励しているという。

英諜報関係者たちは、タリバンたちは、タリバンのリーダーたちが家に帰ることを許され、政府内に権力の座を与えられ、処罰されなければ、これを受け入れる準備があると見ている。来年9月に予定されている選挙にも、参加する可能性がある(後略)。

hoonAfghan president offers Taliban a role in governing country
Nick Meo、Kabul

■パキスタンの長老を狙って自爆攻撃[081010 BBC]

アフガニスタンとの国境近くで、長老たちが集会を開いていたところを狙って車を用いた自爆攻撃があり、少なくとも20人が死亡した。爆発で60人以上が負傷し、重傷者が多数いるために、犠牲者の数は増えると見られている。

オラクザイ部族地帯の長老たちが、タリバンを取り締まるための集会を開いていた。最近北西辺境州の部族民たちは、パキスタン軍とともにタリバンと戦うために、武器を取り始めた。

オラクザイはこれまで比較的安定していた(中略)。

オラクザイの会合の出席者によると、約600人ほどが集まった集会に男が車で乗りつけ、集会場の真ん中で自爆した。「ラシュカルを組織するために話し合っていたときに、攻撃された」と、キーマット・ハーン・オラクザイが語った(中略)。

治安関係者によると、「部族民たちが前日武装勢力の隠れ家を爆破したために、その報復の可能性がある」と、『AFP』に語った(後略)。

garrSuicide bomb hits Pakistan elders

■アルカイダ司令官、ミサイル攻撃を免れる[081010 AFP]

アメリカが、パキスタンの部族地帯でアルカイダとタリバン司令官たちが幹部会議を行なっていたところをミサイルで攻撃したが、数分の差で標的を失った。

木曜日に北ワジリスタンで、パキスタン人タリバンのリーダーであるハーフィズ・サハール・グルの家にミサイル2発が撃ち込まれた。アラブ人6人を含む9人が殺害されたと、関係者が述べた。

「約30人の外国人アルカイダメンバーが、地元のタリバン司令官たちと、ハーフィズ・サハール・グルの家に集っていた。しかしミサイル攻撃がある10分前に、大半に家から出た」と、治安関係者が述べた。「アラブ人6人が死亡したが、幹部関係者ではないようだ」という。

関係者は、標的となった人間の身元を明かさなかったが、ビンラディンやザワヒリではないという。

住民によると、タピ村に対する攻撃で死亡した残りの3人は女性と子供だったという(後略)。

hoonAl-Qaeda commanders escape Pakistan missile strike
MIRANSHAH

■パキスタンのスクール・バスに爆弾[081009 BBC]

パキスタンの北西部で護送車とスクール・バスの近くで爆発があり、少なくとも9人が死亡した。

アッパー・ディールで、遠隔操作爆弾が爆発した。関係者によると、犠牲者の中には、女子生徒4人と警察官3人、囚人2人が含まれている。

これに先立ち自爆犯が、イスラマバード中心部にある警察の建物を攻撃して、少なくとも13人が負傷した。

(中略)地元関係者によると、遠隔操作で簡易爆弾が爆発し、裁判所から刑務所に囚人を運んでいた車が爆発した。ちょうど通りがかったスクール・バスも、被害を受けた(後略)。

hoonBomb hits school bus in Pakistan

■カルザイの兄「元タリバンに会った」[081008 BBC]

カルザイ大統領の兄が、先月サウジのアブドゥッラー国王主催の宗教的な意味のある晩餐会で、元タリバン責任者たちと同席したことがわかった。

今回の会見は、アフガニスタン政府とイスラーム運動との間で話し合いが始まる前触れである可能性が高い。

報告によると、今回の会見で話し合いが行なわれたようだが、両サイドともこれを強く否定している。

先月サウジアラビア国王が、宗教的な晩餐会で政治的な重要人物たちをもてなしすという、重要な役目を果たした。『BBC』がつかんだ情報によると、カルザイ大統領の兄であるカユーム・カルザイが、元タリバン責任者とともにこの晩餐会に出席した。パキスタンのナワーズ・シャリーフ元首相も出席したという。

さらに、アフガニスタンの各政治運動の代表者が参加したと、元タリバン責任者が語った。アフガニスタンの武力行為を解決することに全員が熱心だったが、「公式」な話し合いはなかったという(後略)。

hoonKarzai's brother 'met ex-Taleban'
Martin Patience、Kabul

■アフガニスタンの襲撃で一般市民30人死亡と米の調査[081007 New York Times]

軍の調査によると、アフガニスタン西部の村で8月22日に実施された米軍による空爆で、米軍司令官が主張していた数をはるかに越えた犠牲者数があったことが明らかになったと、米軍関係者2人が述べた。

軍の報告によると、米軍が主張し続けていた5〜7人ではなく、30人の一般市民がアジザバードの空爆で死亡したことが明らかになったという(中略)。軍の主張していた数以上の、女性や子供たちを含めた多数の一般市民が、瓦礫に埋まった。

(中略)アフガニスタンの米軍司令官は、武装勢力30〜35人が死亡したと主張していたが、事実は、死亡したのは一般市民であることがわかった。

この襲撃で死亡した武装勢力は、20人に満たなかった(中略)。アフガン政府と国連は、一般市民90人が死亡したと主張している。

(中略)この報告は、軍が攻撃した建物は武装勢力のものだったという主張を支持しており、今後この点がカルザイ政権との間で問題になりそうだ。その結果、個人の責任を追求したり、米軍が処罰を受けることはない(後略)。

garr30 Civilians Died in Afghan Raid, U.S. Inquiry Finds
ERIC SCHMITT、WASHINGTON

■ナワーズ、タリバンとカルザイの間を仲介[081007 News]

ナワーズ・シャリーフが、サウジアラビアと協力して、タリバンとカルザイ政権との間の話し合いを仲介して、アフガニスタンから米軍やNATO軍が撤退させようとしている。

「この目的のために、ナワーズ・シャリーフはサウジからパキスタンに戻るのを2日延期した」と、ある情報源が述べた。PML-N責任者は、火曜日に帰国予定である。

シャリーフ氏はサウジのアブドゥッラー国王に招待され、約2週間に渡ってアフガニスタンの和平を話し合った(後略)。

hoonNawaz mediating between Taliban, Karzai
Tariq Butt、ISLAMABAD

■タリバン、アフガン政府関係者、サウジで会見[081007 AP]

月曜日に元タリバン大使が、先月サウジアラビアのアブドゥッラー国王に招かれ、宗教的に重要な晩餐会を共にしたと述べた。

駐パキスタン元大使のアブドゥル・サラーム・ザイーフは、今回の晩餐会は和平に向けての話し合いを行なうためだったのではないと述べた。しかしカルザイ大統領はタリバンとの話し合いを呼びかけており、今回のことがきっかけに、話し合いが開始される可能性がある。

タリバン報道官のカリ・ユースフ・アフマディが月曜日に、自分たちはアルカイダとは別であると述べた。アメリカや欧米諸国は、アルカイダとの取り引きを認めることはない。タリバン責任者のオマール師にとっては、ビンラディンの組織と距離を置くことが、重要なカギになってくる。

米政府関係者は今回の会見を認めていないが、国防省のロバート・ゲイツは月曜日に、和解に積極的なタリバンのメンバーまたはアフガニスタンの他の武装勢力に接触することを承認した。

「イラクと同じように、アフガニスタンでも、長期的解決法のひとつの手段である」と、ヨーロッパに向かう途中で記者団に述べた。「アフガニスタン政府に協力する人々との和解が、その解決法のひとつだ」。政府に協力したくない者は、軍事的に解決するという。

(中略)ザイーフによると、アブドゥッラー国王にイードの晩餐会に招待されたという。タリバンの代表者、アフガン政府代表とヘクマチアルの代理人が招かれたという。

各人晩餐会では社交的に話し合い、アフガニスタンの問題については言及しなかったという。晩餐会に何人が出席し、サウジのどこで開催されたかはわからない。

ザイーフはグアンタナモ収容所に4年間収監されたが、彼によると、タリバンやヘクマチアルの代表者は、和平のための話し合いに参加する資格はないと述べた。「これは新しいことではない。単なるお祝いだ」と、今回の晩餐会の重要性を否定し、アゲドゥッラー国王にとっては客人を招くことは日常的なことであると述べた。

月曜日にタリバン報道官のアフマディも、和平の話し合いはなかったと述べた。

カルザイは先週、サウジ王にタリバンとの話し合いを仲介してほしいと、繰り返し要請していたと述べた。カルザイによると、アフガン政府代表がサウジとパキスタンを訪れ、7年にわたる戦いに終止を打つために奔走したというが、今のところ話し合いは開催されていない。

サウジはスンナ派ムスリム国家の代表であり、1990年にタリバン政権を認めた1国家である。タリバン政権崩壊後も、サウジはタリバンのメンバーがメッカやメディナに巡礼することを許して来た。

ザイーフによると、元アフガン最高裁判所長官のファゼル・ハディ・シンワリが政府代表の1人だったという。アフガン国軍長官のビスミッラー・ハーンもサウジにいたというが、アブドゥッラーと会見した一団の一員かどうかは明らかではない。

ohTaliban, Afghan officials meet in Saudi Arabia
JASON STRAZIUSO、KABUL

■タリバン、アルカイダと分裂して和平へ[081006 CNN]

タリバン責任者は、サウジの仲介によりアフガニスタン政府との話し合いを開始し、武力行為に終止符を打ち、アルカイダとの関係を絶とうとしていると、ある情報源が述べた。

サウジアラビアのアブドゥッラー国王が、アフガニスタン政府とタリバンとの間を仲介しているという。

タリバンは、4日にわたって、サウジアラビアのアブドゥッラー国王主催の話し合いに応じた。今回の話し合いにサウジアラビアが大きな役割りを果たし、敵対してきた代表団たちを受け入れた。

今回の話し合いには、「テロとの戦争」で重要な役目を果たしてきたパキスタンが除外されたことが、注目される。

情報源によると、タリバン責任者のオマール師は出席しなかったが、彼の代理人は、自分たちはもはやアルカイダに協力していないことを強調した。

タリバン責任者がアルカイダと距離を持ち始めたことはこれまで公にされていないが、以前タリバンやオマール師と近い別の情報源が語ったことが、これを証明している。

約2年前から水面化で話し合いが続いてきたが、今回やっと和平に向けてが結実しそうである。

(中略)話し合いに関して詳しい情報源によると、サウジはこの話し合いに真剣に取り組んでいるという。次回の和平に向けての話し合いは、2ヵ月後に予定されていると、サウジの情報源が述べた。

アフガン政府は、タリバンを軍事的に敗北させることはできないと見ている。逆にタリバンは、アフガニスタンにいる米軍主導軍に勝利することはできないと見ているという。

サウジがこの話し合いを仲介したのは、アメリカがアフガニスタンで失敗していることを、イランが利用するのではないかという危惧にもとづくものだという。イランはイラクに介入している。

アフガニスタンにおけるイランの活動に詳しいアフガニスタンの情報源によると、イラン人政府関係者や外交官が、カブールの政治家たちを買収しているという。同盟軍司令官たちも、イランがタリバンに武器を密輸していると見ている(中略)。

話し合いは、9月24日と27日に、メッカで開催された。話し合いにはタリバン使節団11人、アフガン政府2人、アフガニスタンのムジャヒディン司令官でアメリカの敵であるヘクマチアルの代理人、その他3人が参加した。

アブドゥッラー国王は、イードの祭りの間に、アフガニスタンからの使節団17人と食事を共にして、今回の話し合いの重要性を強調しようとした。

サウジアラビアは、タリバン政権がアフガニスタンに樹立されたときに、これを認めた3ヵ国のうちの1国である。しかし、オマール師がビンラディンを引き渡すことを拒否したために、両者の間には亀裂が生じた。

話し合いで、アフガニスタンの戦いに終止符を打つためには、戦うのではなく、話し合いが必要であることに全員が同意した。今後の話し合いも、サウジアラビアで開催される予定である。

ohTaliban split with al Qaeda, seek peace
LONDON

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.