【2008年10月13日〜10月19日】
●パキスタン軍は、アフガニスタンにいる英軍と米軍に燃料と兵器を輸送するための補給道路がタリバンの手に陥ることを防ぐために、激しい戦いを繰り広げている。
●先週パキスタン軍はペシャワル周辺の村を強制捜査し、アフガニスタンにいるNATO軍のための燃料トラック40台以上を破壊した爆弾攻撃の首謀者と思われる、タリバン司令官の行方を追った。
●ムハンマド・タリーク・アフリディがペシャワル南部にあるコハート・トンネル周辺を、1月以来、3度占拠したといわれる。トンネルを出入りする車列に対して、爆弾やロケット弾で攻撃している。
●タリバンは、アフガニスタンとの国境付近からカラチにかけて、攻撃を行なっている。カラチには、兵器や爆発物、食料や燃料が荷揚げされ、ここから陸路で輸送される。
●先週カラチの外交官たちが、カラチにおけるタリバンの活動が頻発していることに驚きを表わした。地元の政治家も、タリバンの家族60世帯が部族地帯からカラチに避難し、シャリア法を施行しはじめていると警告した。女子が学校に行くことを禁じるビラが、夜間にばらまかれている。
●部族地帯における対タリバン作戦が、彼らに打撃を与えているようだ。先週タリバン報道官のモラービ・オマルが、軍が戦いを中止すれば自分たちは武器を捨てる準備があると述べた。この申し出は、無視された。
●トンネルをめぐる戦いは、今年の初め、タリバンが兵器や爆発物を搭載したトラック5台を奪ったことから始まった。激しい戦闘の末に追い払われるまで、約1週間トンネルが占拠された。それ以後タリークと仲間たちは車列を何度も攻撃している。6週間前にトンネルの近くにある軍の基地が自爆攻撃を受けてから、軍は攻撃を開始した。この自爆攻撃で5人が死亡し、45人が負傷した。そのうちの35人が兵士だった。
●『Sunday Times』が先週トンネルを訪れると、トンネル近辺の道路や橋には戦いのあとが残っていた。村人たちによると、タリバンはいなくなったわけではなく、近くに隠れ、再び攻撃する機を狙っているだけだという。
Pakistan and Taliban battle for key tunnel●タリバンが土曜日、パクティカ州のビルマールで米軍ヘリを撃墜し、兵士7人を殺害したと主張した。
●南ワジリスタンのアンゴール・アッダを拠点とする軍関係者も、国境の反対側でタリバンが米軍ヘリを撃墜させたという報告を聞いていると述べた。
●「ビマールでタリバンが米軍ヘリを撃墜したという報告を受けた」と、パキスタン軍関係者が述べた。
●タリバンが金曜日の夜、ビマールにある米軍のマチャダート基地を攻撃し、米軍ヘリが自分たちを攻撃しようとしたところ、RPG7を発射し、チヌークを撃墜させたと述べた。アフガニスタンの村人の話を引用して、タリバン幹部司令官が、米軍兵士7人の遺体が運ばれるのを目撃したという。
Seven killed as Taliban 'shoot down' US chopper●土曜日にバジョール行政区で、ジェット戦闘機と戦闘ヘリコプターを用いた空爆が続行され、武装勢力13人が死亡、民家数十軒が破壊された。
●軍によると、武装勢力の拠点だったマモンドとチャルマング地域が空爆された。
●ロイサムや近隣の村では、ジェット戦闘機とヘリコプターが武装勢力の拠点を攻撃し、7人を殺害した。またラシュカイに近いシャナット・シャー・コルーナ地域が激しく爆撃され、民家が破壊された。
●いっぽうTTP報道官のモーラビ・オマルは、政府と話し合うために武器を捨てることはないと述べた。メディアは、自分が和平協定を結ぶつもりでいると報道しているが、それは誤りだと述べた。平和回復のために努力するつもりで、政府との対話を望んでいるが、武器を捨てるつもりはないという(後略)。
13 militants killed in Bajaur air strikes●ビンラディンなどの過激主義者たちが声明を発表する、アルカイダのメディア部門の主要オンライン・フォーラムのうちの4〜5つが、9月中旬から使えなくなっている。
●9月10日に突如フォーラムが消え、アルカイダはこれを復帰させることも、またこれまでのように別のオンライン・フォーラムを作ることもできずにいる。そのために組織は幹部の声明や画像を発表できずにいる。9月29日に、アルカイダ支持者やスンナ派過激派組織が運営す『al-Fajrメディア・センター』が、フォーラムは「技術的な理由」から消えたと発表し、似たようなサイトを信じてはならないと、追随者たちに呼びかけた。
●アルカイダにとって「これらのサイトはpentagon.milやwhitehouse.gov, att.comと同等のものだ」と、アルカイダのオンライン活動に詳しいエヴァン・コールマンが述べた。現在機能しているアルカイダのオンライン部門は1つしかない。「アルカイダのプロパガンダ戦略が手薄になっている」。
●同時にこれらの動きとは別に、シーア派とスンナ派のハッカーたちが、それぞれ敵対する組織のウェブ・サイトを攻撃している。サウジ所有のテレビ局や、イラクのシーア派最高宗教指導者のサイトも攻撃された。
●過去3年間、ビンラディンをはじめとする過激派責任者の声明の発表が予告されると、何者かがアルカイダ関係のウェブ・サイトを妨害した。このような攻撃を誰が行なっているか特定することは難しいが、おそらく個人の仕業だといわれる。
●アメリカのスパイ組織にこの件を問い合わせたところ、発言を拒否した。
●(中略)9月の初め、『al-Fajr』が9.11に関するアルカイダのビデオ声明があることを大々的に予告していた。「9月11日乞期待」と宣伝していた。ところが9月10日、フォーラムが消えた。
●ドメイン取得情報やサーバーの変更などから、これらのサイトのウェブマスターたちがフォーラムの復旧に躍起になっていることが伺われたと、SITE Intelligence Groupが語る。
●24時間後、サイトの1つである『al-Hesbah』が復帰した。
●アルカイダの9.11ビデオは、9月19日になって『al-Hesbah』に掲載されたが、アルカイダ支持者たちにとっては、すでに色あせたものとなってしまった。
●(中略)まだ機能している過激派の「フォーラムで、人々はかなり混乱しているのがわかった」。「ジハードのチャット・ルームで論争があることはいつものことだが、今回はいつもと全く別のものだった」。
●アルカイダは『al-Hesbah』にビデオや声明を発表してきたが、これに入るためのパスワードを持つ者は限られている。別のパスワードを使うことを許可したり、新たなパスワードを使用するようにフォーラムを変更することも、避けようとしているようだ。「アルカイダのプロパガンダを広めるために、1つのフォーラムしかないという状況は、3年ぶりのことだ」とコールマンが語る。『al-Fajrセンター』は、2005年に作られた。アルカイダは別のサイトに頼って、ビデオを発信せざるを得なくなっている。攻撃を呼びかけたり、メンバーを増やすことに障害が起きている。
●しかし「ジハード組織のウェブサイトを妨害することで、ジハード組織の動きを監視することもできなくなる」と、Combating Terrorism Centerの月刊誌『Sentinel』のマルカルド編集長が語る。「ウェブサイトがなくなると、重要な窓が閉じられてしまう」。
●イランのニュース・メディアによると、9月に、イランのシーア派宗教者たちが運営するシーア派のサイト300がハッキングされた。例えばイラクのシーア派最高宗教指導者、アヨタラ・アリ・シスターニの公式サイトもハックされた。このサイトにアクセスすると、Youtubeビデオに連れて行かれ、セックスに関する宗教指導者のファトアだと揶揄する、ビル・マハールがホストとなったアメリカのトークショーが流れた。アラブ首長国連邦に拠点があるGhoroub XPというグループが犯行声明を出したが、真実は明らかになっていない。
●シーア派のハッカーも報復した。10月1日に、宗教指導者のサイトを含むスンナ派組織が運営する数百のサイトが消えた。その代わりにイランの旗が、微笑を浮かべた女性の上になびく画像が現れた。「汝を攻撃した者には、同じように攻撃するべし」というクルアーンのメッセージが付け加えられていた(後略)。
Al-Qaeda Web Forums Abruptly Taken Offline●土曜日にカンダハルで、モスクから出てきた親政府系アフガン人長老とカルザイ大統領の元ボディーガードである息子が、バイクに乗った男たちに射殺された。
●この他のタリバンによる攻撃としては、アフガニスタン東部で道路脇に仕掛けられた爆弾で一般市民5人が殺害され、西部では車を用いた自爆攻撃により、国際軍兵士4人が負傷した。
●カルザイは、カンダハルのバラクザイ族責任者だったアリ・アフマッド・ハーンの暗殺を強く非難した。
●先月もカンダハルでは、政府の幹部関係者と警察長官がバイクに乗った男たちに射殺された。タリバンが犯行声明を発表したが、土曜日の事件に関しては言及がない。
●(中略)土曜日にはヘラートのイタリア軍基地の外で車を用いた自爆攻撃があり、兵士4人が負傷した。
●さらに土曜日にパクティアでも爆発があり、一般市民2人と子供が死亡した。木曜日にも爆発があり、一般市民2人が死亡している。
Afghan elder, ex-Karzai bodyguard gunned down●北西辺境州知事のオワイス・ガニが、FATAでの新たな和平に向けての一歩として、地元の長老たちを通して南北ワジリスタンの武装勢力と和平協定を結んだ。
●情報源によると、北ワジリスタンにおける和平協定を、地元タリバン司令官のカリ・グル・バハダールと結んだという。バハダールは、ミランシャー周辺地域を支配している。別の和平協定が、南ワジリスタンンのモーラビ・ナジールとも結ばれた。ナジールは長老たちを通じて、今後パキスタン陸軍とは戦わず、外国人たちを匿わないことを約束したという。
●オワイス・ガニ知事は和平協定が締結されたことを認め、南北ワジリスタンの状況は安定するだろうと述べた。カリ・グル・バハダールはバイトゥッラー・マフスードのTTPに属するが、モーラビ・ナジールはその傘下に入っていない。彼はワジール族で、アンゴール・アッダを含むアフガニスタンとの国境地帯を支配している。
●これらの和平協定が締結されたことで、TTP内部に亀裂が生じ、バイトゥッラー・マフスードは北ワジリスタンの武装勢力に対する統率力を失いつつある。その結果として、南北ワジリスタンにおけるパキスタン陸軍に対する攻撃が、最近急激に少なくなった。
●いっぽうで、アメリカの無人偵察機が、カリ・グル・バハダールとモーラビ・ナジールが支配する地域を繰り返し狙っている(中略)。
●知事によると、これまでの取り引きが失敗したのは、軍と武装勢力との間で交わされたためであり、今回は長老たちもこれに参加しているために、うまくいくはずだという(後略)。
Baitullah losing control after new peace deals●アメリカに協力するためのパキスタンのテロとの戦争は、新たな危険な段階に移った。アメリカはアフガニスタンで使用する装甲車1000台を作ることを、パキスタンに受注した。
●パキスタンがテロとの戦争のためのハードウェアを供給し始めたことは、非常にデリケートな問題となる。
●タキシラにあるHeavy Industries Taxila(HIT) が、四輪駆動の装甲車Humveesを製造することを受注されたという。資金の額は明らかにされていない。HITは、パキスタン軍のための兵器製造工場である。
●Humvees製造は、すでに極秘に開始されている。HITは、戦車や兵士を運ぶためのキャリアなどの軍需品を製造する能力がある。Humveesは、現在インディアナ州のサウス・ベンドで製造されている。
●現場関係者によると、Humveesは最初の受注品で、今後もアフガニスタンで使用するためのさまざまな兵器を製造することになるという(中略)。軍報道官のアサール・アッバスは、Humvees製造に関する情報は何もないと述べた(後略)。
Pakistan does some US dirty work●米軍が今週、パキスタンが部族地帯の武装勢力と戦うための訓練を、パキスタン国内で開始する。
●いっぽうで、パキスタン空軍にジェット戦闘機を供給をするという約束は、パキスタンがこれをインドに対して使用するのではないかという懸念から保留になった。
●アメリカは約30人からなる特殊部隊関係者をパキスタンに送り込み、パキスタンの国境警察が抵抗運動と戦うための訓練を開始する。このチームには、イギリスの特殊部隊関係者も参加している。今回の動きにより、パキスタンが自身の抵抗勢力と戦う助けになることが期待される。パキスタンがテロとの戦争を戦うために、パキスタンにF16戦闘機を供給するという以前からの計画が、ブッシュ政権にとって課題となってきた。パキスタンの戦闘機は古く、夜間飛行することができず、また精密誘導爆弾を投下することもできない。「彼らは湿気った爆弾を日中投下しているにすぎない。だから敵は逃げてしまう」と、ある国防省関係者が述べた。
●しかし議会は、パキスタン政府がこれらの戦闘機を部族地帯の武装勢力に対して用いるつもりでいるかどうか疑っている。議会の関係者は、パキスタンがなぜ「空対空」戦闘機を必要としているか、その理由を知りたがっている。パキスタンが武装勢力と戦うためには、「空対陸」または「近接支援」の能力を持つジェット機またはヘリコプターで十分である。
●(中略)この計画には、新品F16戦闘機18機と、米軍が使用していない中古の古いモデルのF16機を売却しようとするものである。しかし新たな戦闘機は、2010年まではパキスタンの手に渡らないと、国防省が述べた(後略)。
US plan to help Pakistan fight insurgent●木曜日の南ワジリスタンに向けたアメリカの無人偵察機によるミサイル攻撃で、アルカイダ幹部が殺害されたと、この地域の武装勢力元関係者が述べた。
●パキスタンの部族地帯における作戦責任者だったエジプト人のハリッド・ハビーブは、CIAの指名手配者の中では4番目に位置づけられている。
●木曜日の報告によると、アラブ人を含む4人がタバルガイ村で殺害された。
●パキスタンの諜報関係者は、ハビーブの殺害を確認することを拒否した。パキスタンにおけるアルカイダ掃討作戦に関与している米関係者は、ハビーブが死亡したことは確認されていないと述べた。通常、無人偵察機による攻撃が成功したか否かが確認されるまでは、時間がかかる。
●ハビーブ氏は、最近ワナからタバルガイに移ったばかりだった。アメリカは南ワジリスタンを繰り返し攻撃し、シラージュ・ハッカーニの組織を撲滅しようとしていると、武装勢力の元メンバーが語った。ハビーブはミサイル攻撃を避けるために、タバルガイに移ったという。タバルガイは、バイトゥッラー・マフスードがいるマキンに近い。
●村の住民から受けた電話によると、今回の攻撃で死亡した男は「重要」人物だったようだ。村ではザルファイとしてしられ、「長髪」という意味だという(後略)。
U.S. Strike Is Said to Kill Qaeda Figure in Pakistan●パキスタンの戦闘機が空爆を実施し、北西部の親タリバン戦闘員60人を殺害した。また7週間前に拉致された中国人技師が犯人のもとから脱走に成功したと、治安関係者が金曜日に述べた。
●「治安部隊が、スワートのペオチャールにある武装勢力の隠れ家と訓練所を破壊した。60人を殺害し、数十人を負傷させた」と、治安関係者幹部が述べた。
●別の治安関係者によると、ジェット戦闘機が山中にあるタリバンの訓練所の洞窟の中の隠れ家を爆撃し、多数の犠牲者が出た。情報源によると、武装勢力60人が死亡したことが確認され、洞窟から遺体を回収すれば、その数は増える可能性があるという。
●これに先立ち金曜日に、タリバンに拉致された中国人技師が脱走し、軍の検問所に向かっているところを保護しされた。いっぽうタリバンが、拉致した中国人の人質のうち1人が行方不明になり、残りの1人は脱走しようとした際に重傷を負ったと述べた。中国人たちは、地元の運転手と警備員とともに8月29日に拉致された。軍報道官のナディーム・アフマッド大佐にが、「中国人技師1人が保護された」と発表した。
●タリバン報道官のムスリム・ハーンが、2人目の中国人は脱走しようとしたが、再び捕まったと述べ、その際に負傷したという。「昨晩ある出来事があり、その際中国人技師1人が負傷し、1人は行方不明になった」という。別のタリバンの情報源が、捕虜は常に移動させられており、その際脱走を試みたという。再び拘束された男は、険しい山の斜面を滑り落ちたために、足に重傷を負った。「スワートのマッタ近くにいた時に、脱走しようとした」。脱走した中国人は、地元の反タリバン部族民と出会い、近くの軍の検問所に案内されたという(中略)。
●タリバンは政府に、人質と交換に、軍事作戦の際に逮捕された仲間122人の釈放を要求している。
Pakistan airstrikes kill 60 militants, hostage escapes: officials●パキスタンの裁判官が金曜日、アフガニスタンとの国境付近に入ろうとした米国人の拘束期間の延長を言い渡した。
●ナルスッラー・ハーン裁判官が、ジュード・ケナンという20歳の米国人を質問するために、拘束期間の延長を言い渡した。警察が1週間の拘束期間延長を要求していた。
●(中略)ケナンは、月曜日にモーマンド地域に入る検問所で逮捕された。外国人が部族地帯に入るための許可書を所持していなかったという(中略)。ケナンの叔父のエバン・リスエノによると、甥は10月3日にノース・カロライナからパキスタンに向かい、パキスタン人でパキスタンに住む父親と妹2人に会いに行ったという。ケナンはこれまでもパキスタンを訪れているが、問題を起こしたことはない(後略)。
Pakistani judge extends detention of US nationalし●木曜日にバイトゥッラー・マフスードが支配するマフスード族の支配地域サームでアメリカの無人偵察機2機によるミサイル攻撃があり、外国人2人を含む6人が死亡、5人が負傷した。南ワジリスタンで偵察機によるミサイル攻撃は、初めてのことである。
●さらにアフガニスタンのパクティカ州ビルマール地域のマチャデート米軍基地から大砲4発が発射され、アンゴール・アッダのパキスタン軍と国境警察隊の検問所近くに着弾した。犠牲者はいない。
●政府と部族民関係者が語ったところによると、南ワジリスタン上空を飛行していた2機の米偵察機が、朝の11時頃、サッダ地区、サーム村の地元部族民、ガジ・ハーン・マフスードの家にヘルファイア・ミサイルを撃ち込んだ。
●情報源によると、外国人戦闘員2人を含む6人が即死し、外国人を含む5人が負傷した。なかには重傷者もいる。負傷者はマキーンの地元病院に運び込まれた。
●部族民情報源によると、ミサイル攻撃直後も偵察機が村の上空を飛行していたために、村人たちはすぐに現場に救出に行けなかったという。
●(中略)しかしバイトゥッラー・マフスードの関係者によると、1人が死亡し、別の1人が負傷しただけだという。あるテロリスト司令官が語ったところによると、アメリカの偵察機が地元ではビンジョまたはグワゲイと呼ばれる車に、ミサイル2発を撃ち込み、1人を殺害、別の1人を負傷させたという。運転手が死亡し、同乗者が負傷した。車は大破し、近くの民家も被害を受けた(中略)。
●車が、知事の元秘書、ディル・マルジャン・ハーンの家の前に駐車していたという報告もある。ハーンの家は、サーム村のパタルガイ地区の政府経営のレストハウスに隣接していた。
●南ワジリスタンの行政官のサハーブ・アリ・シャーも、サーム村でアメリカによるミサイル攻撃があったことを認めた。
●武装勢力の情報源によると、アメリカが南ワジリスタンのアフマドザイ・ワジール族の村や北ワジリスタンのウトマンザイ・ワジール族の村を続けざまに攻撃しているために、アラブ人の大半が家族をマフスード族の居住地域に移動させているという。
US drones kill six in South Waziristan●木曜日にヘルマンド州のラシュカル・ガーに対するNATO軍の空爆で、一般市民25〜30人が殺害されたと、地域のアフガン政府関係者が述べた。NATOは空爆を実施したことを認めながらも、現在報告を調べているが「一般市民犠牲者がいたことは確認できていない」という。
●空爆に関する正確な情報ははっきりしていない。しかし最近同盟軍による一般市民の犠牲者が急増しているために、もし本当だとしたら、大きな問題になる可能性がある。政府内や一般市民の間では、すでに深い怒りが広がっている。
●空爆の目撃者によると、女性と子供18人の遺体が瓦礫の山から掘り起こされ、抗議のために州知事の家の前に運ばれて、並べられているという。
●カブールではNATO軍が記者会見し、ラシュカル・ガーから10マイル離れたナダリ地区で空爆が実施されたことだけを認めた。金曜日には、さらに情報が提供できるだろうという。
●8月22日にもアメリカのAC-130戦闘機が、アジザバードの村でタリバンが立て籠っていたと思われる建物を空爆した。村人によると、一般市民90人以上が死亡したという。大半が女性と子供だった。アフガニスタンの米軍最高司令官のデビッド・マクキールナン将軍は、当初一般市民の犠牲者は5〜7人だとしていたが、さらなる調査で一般市民30人以上が犠牲になったことが判明した。
●(中略)ナダリの地元政府関係者や住民によると、ロイ・バー地区の村にある民家3軒に爆弾が投下された。この家には、他の地域の戦闘から避難してきた7家族が住んでいた。地区責任者のマブーブ・ハーンによると、瓦礫の山から18人が掘り起こされた(中略)。別の地元政府関係者も、同じような報告をしている。(中略)ナダリにあるハーンの屋敷は、この地域においては唯一政府が管轄する場所だという。この地域で発生している戦いを見ると、タリバンはこの地域を牛耳っており、もし一般市民の犠牲者が出たとしたら、タリバン司令官がこの機を利用して都合のいい情報を広める可能性がある。
●NATO司令官たちは、これまでもタリバンは一般市民が犠牲になったという虚偽の情報を流布させているという。しかし今回のナダリ空爆に関しては、多数の一般市民犠牲者が出た可能性がある。NATOがこの地域で空爆を実施したことをすぐに認めたことが、そのひとつの理由である。さらにラシュカル・ガーの目撃者たちが、遺体が知事の家の前に並べられていると述べていることである。
●『BBC』は、記者が、女性と6ヵ月から15歳の子供たち18人の遺体を見たと報道している。さらにカンダハルの『ニューヨーク・タイムズ』の記者が入手した証言も、同じような内容だった。「男性、女性、子供を含めた損傷の激しい遺体だった」という(後略)。
Afghan Officials Say Airstrike Killed Civilians●木曜日にアフガニスタンでアフガン人警察官が、徒歩でパトロールしていた米軍パトロール隊に向かって手榴弾を投げつけたあと発砲し、米兵士1人が死亡した。武装勢力が、警察内に入り込んでいる恐れがでてきた。
●アフガニスタン東部で警察官が米軍兵士を襲撃したのは、今月に入って2度目である。
●パトロール隊は、パクティカ州のベルメル地域から基地に戻る最中だった。塔の上に立った警察官が、パトロール隊を攻撃したという。兵士たちはすぐに打ち返し、警察官を殺害した。
●(中略)これまでも武装勢力が警察官やアフガン軍兵士を装ってアフガン軍や米軍を攻撃したことがあるが、木曜日と先月の襲撃は、現職の警察官によるものである。先月の襲撃は、パクティア警察署に警察官が発砲し、兵士1人が死亡、3人が負傷した。この警察官も、殺害された(後略)。
Afghan policeman fires on US patrol, kills soldier●木曜日にパキスタン北西部の民家がアメリカの無人偵察機にミサイルで攻撃され、外国人戦闘員1人が死亡、1人が負傷したと、関係者が述べた。南ワジリスタンで攻撃があった。
●情報源からの情報によると、外国人武装勢力1人が死亡し、別の1人が負傷したと、パキスタン人諜報関係者2人が述べたという(中略)。家の持ち主が去年、部族地帯から避難して空き家になったために、外国人とパキスタン人武装勢力がこの民家に住んでいたという。
●地元住民のジャビッド・マフスードによると、正午過ぎにタパルガイ村の民家で3回爆発があった直後、上空に無人偵察機が何機も飛行しているのを目撃したという。
●(中略)バイトゥッラー・マフスードが住む南ワジリスタンでミサイル攻撃があったのは、1年ぶりのことである。
Missile strike kills 1 in northwest Pakistan●木曜日にスワートで、爆発物を搭載した車を自爆犯が警察署に激突させ、4人が死亡し、警察の建物が破壊された。
●(中略)「巨大な爆発だった。治安関係者3人と警察官1人が死亡した。警察署が破壊された」と、ミンゴラの警察長官ディルワル・ハーン・バンガシュが語った。
●真夜中過ぎに、用意周到に計画された攻撃が開始された。武装勢力と治安部隊が銃撃戦を交わすなか、自爆犯がミニバスを警察署の裏側に激突させた。バスは炎上するとともに爆発して、近くの店舗やホテル、学校、民家を破壊したという。
●負傷した30人のほとんどが、治安部隊員と警察官だという。一般市民2人も負傷した(後略)。
Suicide attack on Pakistan police station kills four: police●パキスタン陸軍は、タルベーラの近くに米軍関係者がいることを認めたが、パキスタンの奇襲部隊を訓練するために両国間で交わした取り引きの一環で、訓練師だという。
●陸軍元関係者はこれに疑問を投げかけ、ISI元長官のハミッド・グルは、パキスタンの国家資産を妨害するために来ていると主張し、ある国会議員が、政府はタルベーラの近くの土地を米軍に売却したと主張した。
●米大使館報道官もこれを否定し、米軍がパキスタンで土地や軍事基地を所持することはなく、米軍はパキスタン国内に駐屯していないと述べた。しかし、タルベーラのそばに米軍が存在するかどうかに関しては、触れなかった。
●ハミッド・グルは、以前ライス国務省長官が、米政府はパキスタンの核施設の安全確保のための計画があると述べていたことに言及した。
●(中略)ハミッド・グルによると、米軍はパキスタンの兵器を奪おうとしているという。新聞報道によると、米中央司令部のマイク・ミュレン提督が、タルベーラに米軍基地を設営すると述べている。アメリカはタルベーラに巨大な土地を購入したという(後略)。
Army, US deny any American base at Tarbela●火曜日にチャールサッダ警察が、月曜日に逮捕されたパキスタン系米国人を釈放したと、警察が発表した。
●チャルサッダ地域警察のワキーフ・ハーンが語ったところによると、逮捕されたのはジャワード・アリだという。罪はなく、ペシャワルの家族のもとに戻された。「彼はペシャワル系アメリカ人だ」という。
●警察によると、所持品から名前はジョーディ・キャナンだというが、警察にはジャワード・アリと名乗っている。友達に会いに、モーマンド行政区に行くところだった。
Detained Pakistani-US citizen released●パキスタンで2週間前に拉致されたポーランド人技師が火曜日に放映されたビデオに出演し、逮捕されているタリバン戦闘員の釈放を促した。
●「私はパキスタン人タリバンに拘束されている。ポーランド人を含むビデオを見ている者、耳を傾けている者たちに要求したい。パキスタン政府に圧力をかけて、逮捕されているタリバンを釈放させてほしい。そうすれば私も解放される」と、火曜日にポーランドのテレビで放映されたビデオでピートル・スタンツァックが述べた。
●ビデオは、最初パキスタンのメディアが受け取った。スタンツァックはパキスタンの服を着て、石の壁の前に敷かれた絨毯の上に座っていた。タリバンには丁寧に取り扱われているという。
●ポーランドの大統領レフ・カチンスキが取り引きに応じると主張したが、タリバンの真意はわからないと疑問を投げかけた(後略)。
Polish engineer urges govt to accept demands of Taliban●戦闘ヘリコプターに援護された軍が、パキスタン北西部でタリバン武装勢力40人ほどを殺害した。いっぽう道路脇に仕掛けられた爆弾で、政治家を含む4人が負傷した。
●日曜日にバジョールで、アルカイダ系過激派24人以上が殺害された。「戦闘ヘリコプターと大砲を用いて、武装勢力の隠れ家を攻撃した。抵抗勢力24人を殺害し、10人を負傷させた」と、治安関係者が述べた。
●攻撃は日曜日の午後に開始され、月曜日早朝まで続いたという。バジョールの地元民が組織したラシュカレと武装勢力との間にも衝突があり、武装勢力4人と地元の人間2人が死亡したという。
●(中略)また月曜日にスワートのハワザヘーラ地区では、兵士と過激派との間で銃撃戦となり、イスラーム過激派10人が死亡した(中略)。「武装勢力10人が、治安部隊との戦いで死亡した」と、軍関係者が述べた。軍側の犠牲者はない。
●これとは別にディールでは、Awami National Party(ANP)の地元責任者を含む4人が、道路脇に仕掛けられた爆弾で負傷した。「サイーム・ハーンの他に3人が、遠隔操作爆弾の爆発で負傷した」という。武装勢力は最近になって、ANPの政治家やその家族を攻撃し始めている(後略)。
Pakistan kills 40 Taliban militants●月曜日の夜遅く、20歳の米国人がアフガニスタンとの国境近くの検問所で逮捕された。
●関係者たちは、この男が何をしていたのか調べている。政府関係者のピール・シャハーブによると、ジュディ・ケナンと記載されたパスポートを持つ男は、国境地域に入る許可を持っていなかったという。モーマンド行政区のシャハバサイドに入ろうとしていたところを、検問所で逮捕された。「アメリカのバスポートを持ち、フロリダの住民であるようだ」と、シャハーブが述べた。
●サロカリに駐在する別の警察官マルジャン・ハーンによると、男はパキスタンの衣装を着ており、一般市民のようだという。「フロリダ州の大学生だと言っている。友達に会いに部族地帯に入ろうとしていた」。男はラップトップ・コンピュータと旅行カバンをもっていたという。
●米大使館報道官は、米国人の逮捕については聞いていないと述べた(後略)。
American man arrested in Pakistani border region●アフガニスタン政府から圧力がかかる最中、法関係機関はパキスタン大使に着任することが予定されているアブドゥル・カリーク・ファラヒの行方を追っている。ファラヒは20日前に、ハヤタバードから拉致された。
●数日前にメディアが、行方不明だった大使が発見されたと発表した。しかし法関係機関は、いまだに外交官の捜索を続けている。「アフガン外交官が救出されたと聞いている。しかし彼が戻ったという公的な情報はなく、まだ彼を捜索している」と、ある警察幹部が述べた(後略)。
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