【2008年10月20日〜10月26日】


■米国、パキスタンに対する戦略を変更[081026 New York Times]

ホワイトハウスは、パキスタン政府から激しい抗議を受けたために、パキスタン国内で奇襲隊を使った地上攻撃を実施することを中止し、CIAによるミサイル攻撃を実施している。

アメリカとパキスタンの関係者によると、過去3ヵ月の間に、無人偵察機が攻撃する回数が頻発した。8月からこの日曜日まで、無人偵察機が合計18回も、パキスタンの部族地帯を攻撃している。

しかし関係者は、空爆だけでは、部族地帯におけるアルカイダの支配を永久的に封じることはできないという。政府内には、特殊部隊をパキスタン国内に送り込んでアルカイダ工作員たちを逮捕して取り調べを行なわなければ、アルカイダ幹部に対する情報を入手することはできないとみている。

米関係者は、9月3日に米軍の奇襲部隊がパキスタン国内を攻撃したことで、パキスタンから予想以上の激しい抗議を受けた(中略)。日曜日にブッシュ政権関係者が、両国の間では、地上軍を送り込むことと引き換えに無人偵察機の攻撃を激化する、という取り引きは行なっていないと述べた。しかしパキスタン政府関係者は、パキスタンの主権の侵害という面から言えば、地上軍による攻撃よりは無人偵察機による攻撃のほうが許容できると公言している。

(中略)米政府幹部が、9月3日の地上攻撃は、パキスタンを拠点としている武装勢力の攻撃に対する正当防衛だったと述べている(中略)。

最近ミサイル攻撃が頻発していることと関連して、CIAはパキスタン国内の標的の対象を広げており、国境地帯で盗聴活動を行なうことをイスラマバード政府から許可されているという。

(中略)軍幹部や対テロ関係者によると、無人偵察機による攻撃で武装勢力たちの計画を妨害するとともに、彼らをパキスタン国内奥深くに追い込んだが、監視員を増やしたことで携帯電話や衛星電話が頻繁に使用されて、彼らの動き盗聴しやすくなったという。

「アルカイダ幹部たちは、さらに用心するようになった」と、欧米の対テロ関係者が述べた。「彼らはよく知らない人間に対して疑い深くなり、アルカイダと部族民の間に亀裂が生じた」と、対テロ関係者が語る。しかし部族地帯におけるアルカイダの支配力を軽減することはできない。「彼らが作戦を変更するまでにはいっていない」。

パキスタンとアメリカは、諜報活動に関する両国の関係を修復しようとしている(中略)。キアニ陸軍参謀長は最近ISI長官を異動しただけでなく、アフガニスタンのインド大使館爆発事件に関与していたと思われる中堅将軍4人を更迭した。CIAもイスラマバードに、新たな責任者を派遣した。

ISIの新長官であるアフマッド・シュジャ・パシャは今週ワシントンを訪れて、CIA長官のハイデンと会う予定である(後略)。

hoonIn Pakistan, the United States Shifts Tactics
MARK MAZZETTI and ERIC SCHMITT、WASHINGTON

■アメリカの偵察機、パキスタンで10人を殺害[081026 AFP]

日曜日にアメリカの偵察機がパキスタンのタリバン幹部司令官の拠点にある訓練所をミサイルで攻撃し、少なくとも10人が殺害されたと、治安関係者が述べた。

(中略)南ワジリスタンのラッダの近くにある建物が攻撃された。タリバン責任者であるバイトゥッラー・マフスードの拠点である。

バイトゥッラーが攻撃されたことを示す情報は、何もない。「ミサイル2発が建物に命中し、破壊された。当初の報告では、10人が殺害されたという」と、治安関係者が述べた(後略)。

hoonSuspected US strike kills 10 in Pakistan: officials
Rana Jawad、ISLAMABAD

■パキスタンの民兵、拉致されそうになったリーダーを守る[081026 AP]

日曜日にタリバン戦闘員たちが、部族民民兵のリーダーを拉致しようとしたところを妨害され、代わりに衆人の前で、駆けつけた救援者1人を斬首した。その後部族民と戦闘になり、少なくとも30人が死亡したという。

民兵の責任者であるピール・サミウッラーがスワートの自宅から襲撃者たちに拉致され、玄関に停められた車に押し込まれた。そこに地元の部族民数十人が救援に駆けつけピールを救い出したと、地域警察責任者のディルワール・バンガーシュが述べた。

バンガーシュによると、その後タリバン数百人が戻り、民兵3人を捕まえ、そのうちの1人を路上で衆人の前で斬首した。

(中略)斬首する際にタリバン司令官のムッラー・シャムシェールが衆人に、「彼らに抵抗しようとした者たちに対する教訓だ」と言ったという。民兵たちは近隣地域から男たちを集め、タリバンと数時間にわたって銃撃戦を繰り広げた。

バンガーシュによると、シャムシェールを含む武装勢力20人と民兵4人、巻き込まれた住民4人が死亡し、警察官1人と部族民数人が行方不明になっているという。

武装勢力報道官のムスリム・ハーンは衝突があったことを認めたが、タリバン3人が死亡しただけだと述べた。部族民12人が殺害され、62人を拉致したという。

「愛国者である我々部族民の兄弟が、武装勢力と衝突した。ラシュカルがテロリズムに関わる者たちと戦っている」と、日曜日にギラニ首相が述べた(中略)。

バジョールの政府代表のジャミール・ハーンによると、ヘリコプターと大砲を用いて武装勢力がいるいくつかの村を攻撃し、武装勢力8人が死亡したという。タンガ・ハッタ村の銃撃戦で、さらに武装勢力3人が死亡した。軍のほうには犠牲者はいないという。

さらにモーマンド地域では車を用いた自爆攻撃があり、検問所で治安関係者5人を負傷させた(後略)。

hoonPakistan militias thwart leader's kidnapping
ASIF SHAHZAD、SLAMABAD

■タリバンの取り引きを、ジハード組織警戒心をもって見守る[081025 BBC]

タリバンとアフガン政府が和平協定を話し合っているという画期的な出来事に対して、アルカイダを支持する過激主義者たちは警戒している。アルカイダが、この地域に足がかりを持つことができなくなる可能性が出てきた。

サウジ政府関係者は、今月サウジアラビアで両者の代表が会ったことは認めているが、取り引きがあったことを示すものは何もない。

過激主義者のインターネット・フォーラムでは、話し合いに関する話題にさえも警戒している。

タリバンは、政府の支持を受けることと引き換えに「仲間のアルカイダ」を売ろうとしているのだろうか。タリバン報道官は、完全否定している。しかしインターネット上の過激派たちは、大きく揺れている。

アラビア語で「フィトナ」として知られる内部分裂は、欧米軍を中東から追い出してイスラーム国家を築こうとするグローバル・ジハードにとって、最大の脅威だ。

ここ数日間、インターネット上のジハード組織関係者たちは、タリバンとカルザイ政府代表との間の和平に関する話し合いの噂を、なんとか否定しようとしている。

「オマール師とタリバン」は、「イラク人たちのように、ジハードを諦めることはない」と、オンラインでコメントが載る。「ムジャーヒッドは警戒するべきだ。湾岸の重要な国家が、パキスタンとアフガニスタンにAwakening projectを移行させようとしている」。

Awakening projectとは、アメリカとイラク政府に支援されてイラクで行なわれた、アルカイダに対する部族民の反乱である。今度はサウジが、最近のアフガニスタンの話し合いを主催した。「サウジアラビアは、保護者であるアメリカのために働いている」と、あるオンライン・ジハード者が語る。武装勢力たちを分裂させ、政治的な駆け引きにおびき出そうとしている。しかし成功するはずはない、と主張する。

(中略)「これはタリバンのイメージを損なうための、プロパガンダ・キャンペーンだ」と、別のオンライン参加者がアラビア語で書いている。「恐れるな。タリバンは、ビンラディンを政治的権力と引き換えに売るような人間ではない」。もしタリバンがビンラディンを引き渡すなら、もうとっくにしていたはずだと語る者もいる。

(中略)アフガン人タリバンとアフガン政府の間で何らかの取り引きがあったとしたら、アルカイダの未来には大きな影響力がでるだろう。しかしアルカイダがパキスタンにある拠点を失う危険性は、とりあえずないようだ。

hoonThought of Taleban deal alarms jihadists
Frank Gardner

■作戦で武装勢力1500人、兵士73人死亡とパキスタン[981025 AFP]

2ヵ月に及んだ部族地帯の戦いで、アルカイダとタリバン武装勢力1500人を殺害し、兵士は73人死亡したと、パキスタン軍が土曜日に述べた。

(中略)「武装勢力1500人以上が作戦で死亡し、治安部隊は大きな成功を収めた」と、準軍隊責任者のタリーク・ハーン将軍が述べた。「軍関係者42人と国境警察隊員31人が死亡した」という。また正規兵172人と国境警察隊員95人が負傷した。

8月に武装勢力はロイサムを占拠したあと激しく抵抗していたが、ついにここを奪回したという。治安部隊はアフガニスタンやウズベキスタン、タジキスタン出身の外国人武装勢力300人を逮捕した。「この地域から武装勢力をすべて一掃するためには、まだ数ヵ月かかる」という。

武装勢力たちは、南北ワジリスタンから追い払われたために、バジョールに集結していた(後略)。

hoonPakistan says 1,500 militants, 73 troops killed in offensive
KHAR

■カブールで外国人2人射殺される[081024 AP]

カブールで土曜日、国際輸送会社DHLの欧米人職員2人が射殺された。アフガン人1人も死亡した。

カブールのダウンタウンにあるDHLの事務所の目の前で、事件が起きた。死亡した外国人2人はドイツ人だったと発表されたが、後にイギリス人と南アフリカ人であることが判明した。アフガン人2人も負傷した。

殺害されたのは、 アフガニスタンのDHL社長と副社長だったと、内務省報道官のゼメリ・バシャーリーが述べた。

ドイツのボンにあるDHL本店の報道官ゲロルド・ベックが、死亡したのはドイツ国籍ではないと述べたが、それ以上のことは語らなかった(中略)。

バシャーリーによると、警察はDHLの警備員や職員を含む13人を逮捕したという。しかし事件の背後関係はまだ明らかになっていない。タリバン報道官は、事件には関わっていないと述べた(後略)。

hoonAfghan police: 2 foreigners shot to death in Kabul
AMIR SHAH、KABUL

■パキスタン、タリバン戦に部族民兵を起用[081024 New York Times]

(前略)ラシュカルという部族民民兵が、急に注目され始めた(中略)。部族地帯で武装勢力の力が増すともに、パキスタンは新たな戦術を採用し始めた。ラシュカルは、部族民がタリバンに嫌気を感じ始めていることの現われであると同時に、自分たちの問題に、パキスタン軍を介入させないためでもある。

(中略)1980年代の古い武器を持った部族民たちは、洗練された武器を持ち、明確な使命を持って動いているタリバンに太刀打ちできない。

過去2ヵ月の間に、タリバンは自分たちに対抗しようとした部族民リーダーの家を放火したり、暗殺したりしている。民兵を支持している部族民をバスや車から引きずり降ろしたり、自爆攻撃を行なっている。

「ラシュカルを組織したかった」と、負傷して病院に横たわる、あるオラクザイの長老が語る。政府に圧力をかけられたからだ。しかしパキスタン軍や政府の支持が十分ないために、裏切られたと感じている。10月10日に部族民1000人集まり、ラシュカルを組織することを決めたところを、自爆攻撃された。100人以上が死亡した。

翌日、政府がオクラザイを攻撃した。武装勢力よりも一般市民の犠牲者のほうが多かった。地元民は逃げ出し、空白になった地域を武装勢力が占拠した。

パキスタン軍は部族民民兵に便り、自分たちの仕事を少しでも軽減させようとしている。「我々はハード・コアを相手にする。ラシュカレは自分たちの地域を受け持つ」と、ある将軍が述べた。

しかし過去4年間、タリバンは親政府系部族民長老を探し出し、500人以上を殺害している。文盲の若者たちを金で釣り、仲間に仕立てあげている。

(中略)ラシュカルが軍の脅威にならないよう、気をつける事も重要だ。「ラシュカレが軍になってほしくない」と、ある将軍が語った。したがって軍は砲撃の援護は行なうが、民兵に重火器を与えない。

(中略)ラシュカレの危うさは、バジョールのチャルマングで証明済みだ。タリバンはチャルマングを支配し、税を課し、商売をするための許可書を発行し、法を施行している。

バジョールの大学生のタージ・ムハンマドによると、自分の父親と仲間の長老たちが、ハラール・ヘールでラシュカルを組織した。その直後タリバンが、有名なアフガンタリバン司令官、ジア・ウル・レーマンが指揮する、600人の補強部隊を連れて来た。「長老たちはおじけづいた」と、ムハンマドが語る。

タリバンはラシュカルに属す長老4人を拉致して殺害し、首をかき切って、遺体を道路に放置した。殺人のあと、ラシュカルと武装勢力との間で戦いが勃発した。タリバンは「最新式の武器」を使用。ロケット発射砲やマシンガンも持っていた。自分の父親は、カラシニコフしか持っていなかった。

「タリバンは父のところにやってきて、『殺してやる』と言った」。タリバンは見せしめに、チャルマング村の民家数軒を燃やした。

4人の長老が暗殺されると、ラシュカルのリーダーたちは逃げ出したり、投降したりした。タリバンは4つの村の数十件の家に放火した。ラシュカルは軍に助けを求めたが、助けは来なかった。「村人たちは、やる気をなくした」。

(中略)バジョールのサラルザイ地域だけは、部族民兵が成功している。

サラルザイの人間は、タリバンたちを追い払うことに熱心だ(中略)。最近サラルザイのラシュカルは、バーンダ村の武装威勢力の家20軒を焼いた。ここはサラルザイの中で、唯一武装勢力の拠点となっていた。しかし今のところ他の部族地域では、成功例はない。

チャルマングでラシュカルが敗北したことは、政府にとっては大きな打撃である。人々は裏切られたと感じている。2度と立ち上がることはないだろう。政府が自分たちで問題を片付けなければならなくなった(後略)。

hoonPakistan Uses Tribal Militias in Taliban War
JANE PERLEZ and PIR ZUBAIR SHAH、PESHAWAR

■米偵察機、武装勢力10人殺害[081024 News]

木曜日早朝、北ワジリスタンのミランシャー近くにあるダンディ・ダルパヘール村のマドラッサと家屋が米偵察機によるミサイル攻撃を受け、武装勢力10人が死亡、6人が重傷を負った。死亡した武装勢力たちは、南ワジリスタンとアフマドザイ・ワジール族とマフスード族、北ワジリスタンのダワール族だった。

米偵察機がヘルファイア・ミサイル4発をシラージュル・ウルーム・マドラッサと元アフガンタリバン司令官モーラナ・ピール・ムハンマドの家に発射した。ピール・ムハンマドは現在、親米カルザイ政府の一員である。

ダンダイ・ダルパヘールにいるタリバンの情報源によると、9人が即死し、6人が重傷を負った。そのうちの1人が、その後死亡した。

情報源によると、バイトゥッラー・マフスードと関係のある武装勢力がマドラッサと、すでに家族とともにカブールに移ったモーラナ・ピール・ムハンマドの家を占拠していた。タリバン政権時代、ピール・ムハンマドはカブール大学の副学長だった。カブール政権に迎えられてからは、タリバンとの関係を絶っていた。武装勢力たちはこれらの建物を拠点にして、村人たちがモスクに祈りに来ることを禁じていた。

しかし、その後長老たちがタリバン司令官のもとを訪れ、モスクとマドラッサを明け渡し、村の子供たちが宗教教育を受けられるようにしたいと説得した。武装勢力たちはモスクとマドラッサを解放したが、ピール・ムハンマドの家は使用し続けていた。夜間武装勢力たちは建物から逃げだし、マドラッサの前の庭に座っていることがよくあった。

偵察機が低空飛行してマドラッサの建物の前を旋回すると、男たちは村にある涸れ沢に逃げた。偵察機はミサイル4発を撃ち、そのうちの2発はマドラッサの一部と隣接する家を壊し、残りの2発は庭と涸れ沢に座っていた武装勢力を攻撃した(後略)。

hoonUS drone attack kills 10 militants
Mushtaq Yusufzai

■パキスタン、部族民民兵を武装化予定[081024 Washington Post]

パキスタンは、部族地帯にいる反タリバン部族民戦闘員数万人を武装化する予定である(中略)。

ラシュカルと呼ばれる民兵たちは、中国製のAK47ライフルと攻撃用ライフルなどの小火器を配給される予定である。ザルダリは今月北京を訪問し、武器の購入を手配した。

(中略)先月、これまでパキスタンにより数ヵ月延期されていたアメリカによる訓練プログラムが開始された。米軍訓練士30人がパキスタン北部で、訓練計画を開始する許可を得た。訓練士たちは、パキスタン陸軍兵士を訓練し、その後パキスタン軍兵士が国境警察隊員たちを訓練することになる。

(中略)パキスタン政府関係者たちは、ラシュタレを武装化することは自分たちの考えで、その費用も自分たちでまかなうという。しかしアメリカは7年前から、パキスタンに100億ドルの資金を対テロ資金として投入している。「アメリカはこの計画には一銭も出していない。我々が投資している」と、パキスタン関係者が述べた。

(中略)ラシュカレは今年の夏頃から組織されはじめた。今のこのバジョールでは1万4000人の民兵が、3つの組織を結成しているとパキスタン軍は見ている。オラクザイには、約4000人の、さらにディールには7000人の民兵がいるという。

民兵たちは、パキスタン軍と一緒に過激派と対戦している。しかし、すでに報復を受けている。今月になって8人が斬首され、2週間前にバジョールでは自爆攻撃があり、民兵に志願するために集った部族民50人が殺害された。

hoonPakistan Will Give Arms to Tribal MilitiasPlan Bolsters U.S. Faith In Ally's Anti-Extremist Efforts
Karen DeYoung

■米軍空爆で11人死亡とパキスタン[081023 AFP]

木曜日早朝、アメリカの無人偵察機がアフガニスタンとの国境付近にあるタリバン司令官が運営する学校にミサイルを撃ち込み、11人が死亡したと治安関係者が述べた(中略)。ジャラウッディン・ハッカーニが標的だった(中略)。

治安関係者によると、ミランシャーのそばにあったマドラッサは、1980年代にハッカーニによって設立された。現在ハッカーニの司令官、ムッラー・マンスールが運営している。「他地域から来る外国人と地元の学生」のためのゲストハウスとして使用されていた。

「早朝2時25分、偵察機2機がミサイル3発をムッラー・マンスールのマドラッサに撃ち込んだ。ミサイル攻撃で、11人が殺害された」と、治安関係者が述べた。「地元民たちが、瓦礫の中にまだ遺体があるか調べている」。

ジャラウッディンの息子のシラージュッディンが、このマドラッサをよく訪れていた。

(中略)住民によると、犠牲者は全員地元の人間だったという。また住民たちは上空を飛行している偵察機を撃ち落とそうとしたという(後略)。

hoonSuspected US strike kills 11 in Pakistan: officials
Hasbanullah Khan、MIRANSHAH

■RAWとアフガン組織から資金援助を受けたと、逮捕された武装勢力[081023 News]

TTPと関係のある武装勢力のメンバー3人が、パキスタンで自爆攻撃をするためにRAWが資金援助を行ない、さらにインドの諜報組織は、アフガニスタンの秘密組織との関係を通じて6億8000万ルピーを流したと告白した。

3人の男たちは、パキスタンに「シャリア法を施行し」て「パキスタンの民主主義を妨害」しようとしていたと述べた。

ある諜報組織関係者に、見返りを期待していた情報源からの接触があり、密告により、ラム・イシュティアーク、グーラム・ムスタファ、シャミームが逮捕された。3人はバイトゥッラー・マフスードの部下であるカリ・フセインの下で活動していた。3人は8月13日に逮捕された。男たちは、自爆ジャケットと爆発物70キロ、さらに起爆剤を含む自爆キットを所持していた。

男たちは、カリ・フセインが、ファルーク・ウスマン別名シャージー、タヤーブ別名ババ、ウスタードの2人を訓練士として雇い、民主政治を妨害しようとしているという。

カリ・フセインは、自爆者たちを準備して、パキスタン各地に派遣しているという。またアフガニスタンの諜報組織RAMに協力しているインドの諜報組織RAWの関係組織から、資金援助を受けているという。

ファルーク・ウスマンはカリの腹心として働き、パンシャーブ地方、特にラホールにおける攻撃を計画・実行している。ラホールで起きたFIA事務所や海兵隊学校、ラホール裁判所の攻撃などを実行した。

タヤーブ別名ババはラワルピンディとイスラマバードを担当している。アッパラ・マーケットやマリオット・ホテルの爆弾事件を担当した。ウスタードという3人目は、爆弾製造にかかわっている。インド出身者で、「復讐心を持って仕事をしている」という。彼が自爆者たちを現場に連れて行く。

この下に、2つのチームがある。まずウスタードの下で3人が動いているが、そのうちの2人は逮捕された。TTPのアクティブ・メンバーで、ウスタードから直接命令を受けているという(中略)。

もう1つのチームは、ファルーク・ウスマン別名ジャージーの下で活動している。このグループには4人の人間がいる(後略)。

hoonArrested militants name RAW, Afghan agency for funding
MAK Lodhi、LAHORE

■米奇襲部隊、カブール近くでアメリカ人捕虜を救出[081022 AP]

米特殊部隊兵士たちが夜間作戦を実施し、Army Corps of Engineersの職員で拉致されたアメリカ人を救出した。

アメリカ人は8月中旬に拉致され、カブールから30マイル西部にある抵抗勢力の拠点に拘束されていた。先週末に実施された作戦の際、抵抗勢力数人が死亡したという。

(中略)米軍関係者は、今回の作戦に関して語ることを拒否している。3人の米軍関係者が語ったところによると、米特殊部隊兵が、ワルダック州のニルフにある犯人達のアジトを突き止めたという。しかしそれ以上のことは語らなかった。

救出されたアメリカ人は、アフガニスタンに数年住んでいた。身代金の要求があったかどうかはわからない。Army Corps of Engineers報道官によると、アフガニスタンで仕事をするのが難しくなっているという。「男は全くお金を持っていなかった。彼にとって、他人を助けることが使命のようなものだった」。「今回は本当に嫌気がさした。彼は身代金など払うことができない。彼はここで人々を助けているのに、犯人たちは彼からむしりとろうとしている」(後略)。

hoonUS commandos rescue American hostage near Kabul
JASON STRAZIUSO、KABUL

■サウジアラビア、アフガン会議のお膳だてを認める[081022 News]

火曜日にサウジ外務大臣のサウド・アル・ファイサルが、アフガニスタン政府とタリバンとの間の話し合いをお膳立てしたことを認めた。しかしサウド王子は、今後の話し合いはそれぞれ武器を捨て、政治的プロセスを受け入れる必要があると述べた。

「アフガニスタンのカルザイ大統領に依頼され、サウジはアフガニスタンの各派閥に武器を捨て、アフガニスタンに治安と安定を復帰させることに積極的になるように仲介した」。「アフガンの派閥が政治問題を解決する意志があること、暴力を止め、武器を捨て政治の主流に参加する意志があることがわれかば、さらなる話し合いを行なうことにする」。「しかし進展がなければ、再びイニシアティブを取ることは難しいだろう」。

hoonSaudi Arabia confirms it sponsored Afghan talks
RIYADH

■スワートで7人死亡、うち兵士2人[081022 News]

火曜日にスワート谷では、カンジュにある世界食料プログラムの食料倉庫が放火されるとともに、治安関係者2人を含む7人が各地の衝突で死亡した。

カーバルからトタニ・バンダイに向かっていた治安部隊の車列が、サルシナイにさしかかった所で遠隔操作爆弾で攻撃された。治安部隊兵士2人が死亡、1人が行方不明になっている。軍の車輛2台が大破した。軍は兵士1人が死亡したと発表している。

この攻撃のあと軍と武装勢力が衝突し、武装勢力の間に犠牲者が発生した模様である。この衝突で、一般市民3人が犠牲になったと報告されている(後略)。

hoonTwo soldiers among seven killed in Swat
Musa Khankhel、MINGORA

■パキスタン、銃撃を中止[081020 Asia Times]

バジョールとスワートの武装勢力に対する作戦に失敗し、資金難に陥っているパキスタンは、北ワジリスタンの作戦を中止し、停戦協定を結ばざるを得なくなった。

しかしアメリカからの圧力のために、イスラマバードはあまり長く休んでいるわけにはいかない。週末のバウチャー国務省副長官の予定外のパキスタン訪問は、このメッセージを運ぶためだったと思われる(中略)。

経済危機に陥っているパキスタンは、危機を乗り越えるまで、なんとか武装勢力と時間稼ぎがしたい。

中国もアメリカも、パキスタン救出に協力的だ。サウジも、石油の支払いや借金返済を延期した。パキスタンは週末には、国際通貨基金の援助を求めると思われる。

先週パキスタンは、北ワジリスタンで作戦を実施するために軍を動員し、バヌーの住民数百人が避難を開始した(中略)。しかしパキスタンは急に抵抗勢力と接触し、停戦を呼びかけた。北ワジリスタンの武装勢力責任者のハーフィズ・グル・バハドゥールと、南ワジリスタンのモーラビ・ナジールが、和平協定に合意している。2人ともバイトゥッラー・マフスードのライバルである(中略)。

アフガニスタンのクナールとヌーリスタン、パキスタンのバジョールとモーマンドのすべての親タリバン系武装勢力の作戦責任者であるカリ・ジアウル・レーマンが最近、電話インタビューに応じた。

「ムジャヒディンはバジョールをすべて支配している。ムジャヒディンを一掃しようというアメリカ人の野望と、パキスタン政府のオプションはすべて失敗した」。

政府は、レーマンは負傷してアフガニスタンに逃げたと主張していたが、バジョールの地上電話回線を用いてインタビューに応じた。レーマンはアフガン人であるが、彼が重要な地域司令官になることは、『Asia Times』が予告していた。バジョールでパキスタン軍と戦う、すべての地元・外国人・アフガン人タリバンを指揮している。

「私は全く元気で、バジョールにいる。アフガニスタンに撤退したり、負傷などしていない。ムジャヒディンの士気をくじくための、パキスタン軍のプロパガンダにすぎない」。

「当初パキスタンは、地元の部族民たちを我々と対戦させようとして成功した。また、タリバンの財産が被害を受けたこともあった。しかし部族民たちは、今や全員が政府主導の民兵隊から抜けた。カールなどの一部の地域を除いて、タリバンはすべてを支配している。

「パキスタン軍は、戦闘ヘリコプターを1日3〜4回出動させて攻撃したり、1日1回航空機を飛ばして30分間爆撃するしかない。このような攻撃では、ムジャヒディンは何の被害も受けない」。

レーマンによると、タリバンはパキスタン治安軍に対して抵抗運動を行なうとともに、クナール谷にいる米軍を攻撃することもできるという。「クナールで新たな作戦を開始した。数週間後には、バジョールの作戦が開始した2ヵ月前と同じ状況になると、レーマンが述べた。

北ワジリスタンの停戦協定は、何の障害にもならないという。「北ワジリスタンのタリバンの戦略だった。最終的には、一丸となって国境の作戦を実施する」。

パキスタンは停戦協定でなんとか時間稼ぎをしたかもしれない。しかし戦いはまだまだ終わらず、アメリかの無人偵察機も北ワジリスタンの空を飛び続ける。

hoonPakistan muzzles its guns
Syed Saleem Shahzad、Karachi

■パキスタンの政治家、戦いに消極的[081020 New York Times]

タリバンとアルカイダとの戦い方に関する国家政策を決める話し合いが行なわれたが、何も決まらずに終わった。

ザルダリの呼びかけで、抵抗勢力と戦うための話し合いが行なわれた。しかし2週間にわたって行なわれた国家討論では、タリバンとの対話を要求する声が多数を占め、パキスタンはアメリカに戦うことを強制されていると、非難が集中した。

(中略)今回の話し合いで、パキスタン政府幹部たちが、武装勢力と戦うことに消極的であることが明らかになった。そのひとつの証拠として、パキスタンムスリム連盟Nのナワーズ・シャリーフが月曜日にギラニ首相に手紙を書き、武装勢力との対話を求めた。手紙には、軍事作戦を中止し、話し合いを試みるべきだと書かれていたという。

先週シャリーフ氏は、「話し合ってなぜ悪い」と述べた。対話を試みるべきタリバンと、対話するべきではないアルカイダとの違いを明らかにするべきだという。パキスタンは誰と対話するべきか、委員会を設置して決めるべきだとシャリーフが語った。

討論に参加した者たちによると、タリバンとアルカイダとの間の違いが主題となり、アルカイダは外の人間であり、タリバンはパキスタンの部族地帯にすむパシュトゥーン族であるという。

(中略)。討論の発言者たちは、武装勢力と戦うことに強く反対したために、PPPが「適切な解決法」を見いだせるかどうか、疑わしくなったと、PPPの元外務大臣のサルダル・アセフ・アフマッド・アリが述べた。PPPと連合している宗教政党であるイスラーム神学者教会が、中でも特に武装勢力と戦うことに反対したという。「軍がすべての場所から撤退し、南北ワジリスタンの武装勢力との話し合いを開始するべきだ」と言っていると、アリが述べた。

(中略)今回の国会討論は、キアニ陸軍参謀長が背面下で率先し、軍事作戦に対する政治的支持を確保する狙いだったという(中略)。7月に開催された議会で、文民政府はキアニに、武装勢力を攻撃する許可を与えた。しかしキアニは国会討論を開催することを希望し、軍は文民政府の要求に答えて武装勢力に対する作戦を実施していることを見せようとした。

その一環として、最近ISI長官に就任したアフマッド・シュジャ・パシャが2週間前、国会で発言した。この様子はニュース・メディアで広く報道され、文民政府が軍をコントロールしている印象を与えた。

4時間に渡る説明会で、パシャはこの7年間における軍の作戦を説明し、武装勢力が一般市民を殺害している映像を紹介した。作戦でパキスタン兵1500人が死亡したという。

しかし政治家たちはあまり関心を示さず、新たな情報は何もなかったという。パシャは今後の展望も提示しなかったと、評判は良くない。

さらに出席者の数も少なかった。上院議員と国会議員は全部で442人であるが、先週末の出席者は40人にすぎなかった。ザルダリも中国を訪問しており、彼が欠席していたことも象徴的だった。さらに国防大臣のアフマッド・ムフタルも、内務省アドバイザーのレーマン・マリックとともにザルダリと中国に同行していた。国家安全アドバイザーのムハンマド・アリ・デュラニも、インドを訪問中だった。

スピーチで議員たちはタリバンとの対話で解決策を見いだすことを、強調したという(後略)。

hoonPakistani Legislators Show Little Appetite for a Fight
JANE PERLEZ、ISLAMABAD

■イギリスの慈善活動家、カブールで殺害される[081020 BBC]

イギリスの慈善活動家が、カブール大学のそばで射殺された。

イギリスとサウジの二重国籍を持つゲイ・ウィリアムズが、バイクに乗った2人の男たちに殺害されたと、目撃者が語った。Serve Afghanistanというキリスト教の慈善団体で活動していたために殺害したと、タリバンが発表したと言われる。タリバンは8月にもカブールの近くで、外国人女性3人を殺害している。

ウィリアムズは、徒歩で仕事に向かっているところを殺害された。目撃者によると、バイクに乗った2人の男が彼女に近づき、そのうちの1人がバイクから降りて至近距離から6発撃ったという。その後バイクに乗って逃走した。

学校に通学途中の子供たちも、事件を目撃した。「体や足に銃弾を受け、警官が到着したときには既に死亡していた」と、内務省報道官のザルマライ・バシャーリーが述べた。

カブールで外国人が武装した男たちに殺害されたのは、初めてのことだという。

(中略)慈善団体会長のマイク・リースによると、「彼女は2年半仕事をしており、障害者たちのための開発プロジェクトに従事していた」という。

(中略)タリバン報道官のザビブッラー・ムジャーシッドが、「アフガニスタンでキリスト教を布教している団体で働いていたために、殺害した」と述べた(後略)。

garrUK charity worker killed in Kabul

■武装勢力35人、衝突で死亡[081020 AP]

パキスタン軍がアフガニスタンとの国境付近で、武装勢力35人を殺害した。いっぽう地域の責任者が米国務省関係者との会見で、「平和的対話」を要求した。

米大使館は、リチャード・バウチャー国務省副長官が北西辺境州大臣のアミール・ハイダル・ハーン・ホティと会ったことに関しては、以前から予定されていた一連の政府関係者との会見にすぎないとだけ述べた。

(中略)パキスタンのジェット戦闘機がスワートで、武装勢力を爆撃し、25人を殺害した。武器庫が攻撃され、巨大な爆発が生じた。

バジョールでは、ジェット機の爆撃で武装勢力7人が死亡した。さらにバジョールの別の地域で武装勢力が治安部隊の検問所を襲撃しようとして、3人が殺害された(後略)。

hoonPakistan officials: 35 militants killed in clashes
ZARAR KHAN、ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.