【2008年11月11日〜11月16日】


■ロビンフッド、NATOの物資を横取り[081116 Sunday Times]

タリバンの「ロビンフッド」が、アフガニスタンの英軍や米軍から奪い取った物資を、安く売りさばいている。

先週パキスタンの国境地帯で、米軍のハムヴィー2台と食料を積んだ10台のトラックが、タリバンに奪われた。

(中略)襲撃したタリバン司令官のムスタファ・カルマン・ハジャラートが語ったところによると、自分が補給線を妨害することを計画したという。「NATOや米軍のために物資を運ぶ車列を、今後も襲撃する。我々は聖戦を戦っている。何が何でも、これを続ける」。

ヒジャラートは、数百人の戦闘員を指揮していると主張するが、地元政府関係者は、200人程度にすぎないと述べる。

ハムヴィーは、戦利品だとヒジャラートは自慢する。タリバンはカイバル峠を通行していた12台からなる車列を、3ヵ所で襲撃した。車列が昇り坂にさしかかると、地元の部族民警察からなる10人の武装した警備員に守られて、車列は3つに分かれた。最初の車がテディ・バザールにさしかかったところで、ロケット推進手榴弾を担いだタリバン15人が躍り出た。運転手と警備員は包囲された。

数マイル離れたジャムルッドとスール・カマールでは、残りの車列がハイジャックされた。

小麦を搭載した車は2つの町に移動され、タリバンたちはラウドスピーカーで地元民に呼びかけ、廉価で売られた。目撃者たちによると、物資は通常の4分の1の価格で売られたために、歓迎されているという。

先週カイバル行政区政府はイスラマドード政府に、タリバン一掃のためにもっと行動してほしいと依頼した。しかし、何の返事もないという。

hoon'Robin Hood' dishes out Nato booty
Dean Nelson and Daud Khattak、Peshawar

■パキスタンとアメリカ、空爆に取り引き[081116 Washington Post]

アメリカとパキスタンは9月、「聞かない、言わない」政策を取ることに同意し、無人偵察機がパキスタン西部にある武装勢力の拠点を攻撃することが可能になったと、両国の関係者が述べた。最近アメリカの無人偵察機が4〜5日に1回、パキスタン国内でミサイル攻撃を行なっている。

関係者によると、この取り引きと関連して、アメリカ政府はこれらの攻撃に関して語ることを拒否するいっぽうで、パキスタン政府は攻撃に対して声高々に抗議を続けている。取り引きが交わされた時期は、アメリカの奇襲部隊がパキスタン国内を攻撃することを中止した時期とも一致する(中略)。

関係者は、これらの攻撃は、新たなテクノロジーや諜報情報の向上によるものだと説明し、パキスタンにいるアルカイダやタリバンと戦うための大きな進歩だという。関係者は、先月アルカイダの幹部クラスの人間3人が死亡したことを認めた。

ザルダリにとっては、一般市民の死傷者が大きな問題になっている。「アメリカの視点」からは、これらの攻撃は「みんなにとっていいことだという。しかし我々から見れば、国民の心を勝ち取ることにはならない」と述べた(中略)。

関係者によると、空爆に対するアメリカとパキスタンの合意は、「中間点の選択」だという。ムシャラフはアメリカに対して「リップサービスを行ないながら、表立った協力はしなかった」。しかしザルダリは「協力しながら、手柄を立てない」。

ムシャラフが降板した12月から8月の間に、無人偵察機の攻撃は6回あった。それからすでに19回も実施されている。最近では金曜日に北ワジリスタンに対してミサイル攻撃があり、目撃者によると、外国人6人を含む11人が殺害された。タリバン司令官のアミール・グル所有の建物が破壊されたという。

パキスタンは最近の軍事作戦を自画自賛しているが、アメリカはパキスタンの諜報組織とFATAの過激派との関係を疑っている(中略)。

先月、無人偵察機の攻撃により、アルカイダのナンバー4だというハリッド・ハビーブ、そしてアブ・ジハード・アルマスリとアブ・フサイン・アルリミの幹部工作員を殺害したという。このほか爆弾専門家のアブ・ハバーブ・アルマスリ、アブ・スレイマン・アルジャジイリ、幹部司令官のアブ・ライス・アルリビが殺害された。

ミサイルはCIAの無人偵察機が発射する。しかし無人偵察機は、CIAがテロ容疑者を探し出すために使う器機やソフトウェアの一部にすぎない。機器に関しては極秘で、衛星、航空機、飛行船、偵察機など、さまざまな大きさや形のものがある。

2002年以前、CIAは無人偵察機をまだ武器として十分使用できなかった。最近になってその技術が向上し、数千マイル離れた場所で航空機を操る技術者により、たった1人の人間を追跡し、殺害することができるようになった(中略)。

「追跡している人間が明らかになったら、地道に監視し、追跡する」と、ペンタゴンの諜報関係者のジェームズ・クラッパーが語る。「そして適切な場所で、できるだけ被害を少なくするように気をつけながら、標的を捕らえる」。

パキスタンで無人偵察機を使用することに通じている元諜報関係者によると、ミサイル攻撃をすることに関しては、思ったほどの抵抗は受けなかったという。

「アルカイダを殺害することで、パキスタン軍を助けることになる。カラチなどで実施される攻撃を、妨害することにもなる」。(中略)「パキスタン国内が狙われたことで、彼らの気持ちが変化した」。「心配し始めたのだ」。

smellPakistan and U.S. Have Tacit Deal On Airstrikes
Karen DeYoung and Joby Warrick

■タリバン、ペシャワルに新たな恐怖[081116 BBC]

ペシャワルは、軍がその郊外から武装勢力たちを追い払った5ヵ月後に、再び脅威を感じ始めている。

7月、ペシャワルの周りの部族地帯の武装勢力たちが、音楽CDを売る店を攻撃したり、髭を剃る床屋を脅かした。売春婦を摘発して処刑したり、キリスト教徒を誘拐したりもした。

これらはダラ・アダムヘールやカイバル部族地帯などの犯罪団の仕業だとされる。当時政府は、これらの犯罪団たちは警察力が不足しているところを狙って活動していると説明していた。その後1ヵ月間、治安部隊が作戦を実施し、武装勢力たちを部族地帯の奥深くに追い払い、打撃を与えた。

しかしその後、攻撃の性格が変わった。火曜日以来、武装勢力はペシャワルの町を3度も攻撃した。まず北西辺境州知事や大臣を狙い、ペシャワルスタジアムで自爆攻撃があった。この攻撃で3人が死亡した。水曜日にはアメリカ国籍の援助活動家が射殺された(中略)。ペシャワルのイラン外交官がボディーガードと一緒に拉致された。

これまでアメリカ人、アフガン人、中国人が標的になったことはあったが、反米感情を持った国の外交官が拉致されたのは、初めてだ。ただスンナ派タリバンは、イデオロギー的にシーア派ムスリムに敵意を持っていることは指摘されよう。

これらの一連の出来事により、町は恐怖にさらされている。政府の治安システムが、機能しなくなっている。

しかし北西辺境州情報大臣のミアーン・イフティハール・フサインは、別の理由を考えている。「武装勢力たちは、ゲリラ戦法を用い始めた。これは我々の警備が失敗していることを意味するわけではない」。「我々が彼らの拠点を攻撃していることの反動として、さらに武装勢力は攻撃してくる可能性がある」。

(中略)9月以来、少なくとも3人のアフガン政府関係者がタリバンに拉致された。今のところ、誰も解放されていない。アフガン外務省のアフマッド・バヒーンが、パキスタン政府は、拉致されたペシャワルにあるアフガン領事だったアブドゥル・ハリーク・ファラヒの解放に努力していると言っているが、「この件に関して、パキスタンの別の組織の協力関係があることも見逃してはならない」と語る。アフガン政府関係者は、ISIがタリバンを援助していると見ている。

いっぼうダラ・アダムヘールの武装勢力たちは、アトックから拉致したポーランド人技師を拘束していると主張している。またディールから拉致された中国人技師も、まだ行方がわからない。そのうちの1人は脱走してきた。運のいい人間の1人だった。

garrTaleban bring new fear to Peshawar
M Ilyas Khan、Islamabad

■タリバン、カナダ人女性拉致を認める[081116 Daily Times]

タリバン司令官カリ・アミーン・シャーが率いる組織が、カナダ国籍のハディジャ・カハールを拉致したことを認めた。

ハディジャは火曜日に、バヌーのジャニ・ヘールで地元の仲間3人とともに拉致された。シャーは、解放のための身代金として1000万ルピーを要求しているという。シャーはジンディ・アクバル・ハーン村で開催されていたジルガに出席していたところ、カナダ人女性のことを知り、14人の仲間とともに彼女を拉致しに出かけたという。

ハディジャは3人の仲間と一緒にバヌーからタクシーで出発したところ、タリバンによって別の場所に連れて行かれた。タクシーの運転手はすぐに解放された。

hoonTaliban claim abducting Canadian woman
Manzoor Ali Shah、PESHAWAR

■アメリカの無人偵察機、12人を殺害[081115 News]

北ワジリスタンのグルヤム村のオラディン地域をアメリカの無人偵察機がミサイルで攻撃し、12人が死亡した。犠牲者のうち9人は、地元の武装勢力だという。

部族民の情報源によると、アメリカの無人偵察機が、地元の住民アミール・グルの家に精密誘導ミサイル4発を撃ち込んだ。この攻撃で、民家は全壊した。

(中略)犠牲者のうちの3人は、アミール・グルの親戚だという。グルは攻撃があった当時、家にはいなかった。部族民によると、犠牲者全員が地元民で、そのうちの9人の遺体の損傷が激しく、身元の確認ができない。しかし政府は、犠牲者のうち少なくとも9人は武装勢力だったと発表した。外国人が家にいたかどうかは、わかっていない(後略)。

hoonUS drone attack kills 12 more in NWA
Haji Mujtaba & Javed Afridi、MIRAMSHAH/PESHAWAR

■モーマンドで作戦開始予定[081115 Dawn]

戦闘ヘリコプターと戦車に援護された治安部隊が、チャールサッダとペシャワルから武装勢力を追い払うための作戦を開始した。さらにモーマンド行政区でも、作戦を実施する予定である。

犠牲者の数については、さまざまな情報がある。政府関係者は、木曜日の作戦で武装勢力21人が死亡したと報告しているが、地元民によると、武装勢力7人と一般市民6人が銃撃戦で死亡したという。兵士1人も死亡し、1人が負傷した。

現場から逃げ出した住民40人を乗せた舟がハッジ・ザイ川で転覆して、子供3人が負傷した。

チャールサッダ、ペシャワル、モーマンドの一部では、外出禁止令が出ている。

(中略)コブラ・ヘリコプターが上空を飛行し、戦車に援護された隊が、ピール・カーラ、ジュマ・ハーン・コルナ、ミチニ地域に向かっている。この地域は、武装勢力の拠点になっている。地元の人間によると、戦車がモーマンド行政区と隣接するヤカ・グーンド地域の25の村を攻撃したという。これらの村は、10年前から居住区となっている。

これらの村の人口3万人の一帯に、タリバンは自身の法廷や行政を施行し、事実上政府の「侵入禁止」区域となっている。数ヵ月前に誘拐犯が、衆人の前で処刑された。

ヘリコプターが、バダイ・コロナで武装勢力の爆発物を搭載した車を破壊し、6人を殺害した。カラ・シャー・ベーグでは、タリバン責任者の家も破壊された。

軍はラシャカイとジュマ・ハーン・コロナにある武装勢力の拠点を破壊した。

車で逃げる途中、少年が殺害された(中略)。戦闘のために、現場から多数の住民が逃げ出している。

軍と準軍隊兵士たちが、ペシャワルとチャールサッダ各地に配置され、治安関係者が検問所を設置し、現場から出て行く人々の身体検査を実施している。

(中略)バジョールと隣接するモーマンド行政区のラカロ地区にある武装勢力の拠点が、戦闘ヘリコプターと大砲で攻撃された(中略)。カナダーロとカリエールにある武装勢力の基地が破壊された。

サンドヘールにある政府の小学校が襲撃された。武装勢力に占拠されているという。

garrNew operation to quell Mohmand insurgency
Faiz Muhammad & Fauzee Khan Mohmand、CHARSADDA / GHALANAI

■外国人ジャーナリスト2人、ハヤタバードで襲撃される[081115 Dawn]

金曜日にペシャワルで、外国人ジャーナリスト2人が襲撃されて負傷した。2人は、武装勢力責任者をインタビューしようとしていた。

負傷したジャーナリストであるアフガニスタン出身のサミ・ユースフザイによると、日本人ジャーナリストともに、ハヤタバードで武装した男たちに狙われたという。

しかし警察によると、ジャーナリストたちが襲われたのは、ハヤタバードと隣接する部族地帯だったという。ジャーナリストたちは、許可を得ずに部族地帯に入ったと、ハヤタバード警察のジャワードが述べた。事件はペシャワル内で起きていないために、警察は彼らの安全に責任はないという。

(中略)ユースフザイ氏によると、当初ユニバーシティー・タウンのレストラン『チャルシ』で待ち合わせをしていたが、責任者からの電話で、ハヤタバードに来るように言われたという。そしてPhase-Iにあるアル・ヌール小学校の近くに来たところで、銃を持った男たちに襲撃された。

ユースフザイによると、自分で車を運転し、幹木は運転手が運転する別の車に乗っていたという。犯人たちは全部で3人だったという。髭を生やして、薄い緑の服を着ていた。「犯人たちが我々の車を静止して、私の頭を撃とうとした。しかしピストルを押し戻したために、私の肩にあたった」という。取材しようとしていた武装勢力責任者は、アフガン人だという。

警察の情報源によると、襲撃されたとき、ジャーナリストたちは武装勢力責任者のインタビューを終えて、カイバル行政区から帰る途中だったという。

ある政府幹部によると、日本人ジャーナリストが自分に語ったところによると、ジャーナリストたちは、ペシャワルのシャーカスに向かう道路にあるタクシー・スタンドに車を止めた数分後に、3人の男たちが来て、インタビューのためにシャーカスに来るように言われたという。男たちと一緒に歩いて行くことを拒否すると、3人が銃を発砲した。

捜査官のザヒール・シャー・ハーンがジャーナリストたちから聞いた話として、ジャーナリストたちは、シャーカス道路のタクシースタンドで誰かを待っていたところ、近くのカイバル行政区内にある水路から、銃を持った男たちに発砲されたと述べた。

ユースフザイ氏は2004年の4月21日にも、アメリカ人のフリーランスジャーナリストのエリザ・グリスウォルドと運転手のムハンマド・サリームとともに、部族地帯に入ろうとして治安部隊に逮捕された。アメリカ人ジャーナリストはすぐに釈放されて国外追放になったが、ユースフザイは1ヵ月間拘束された。同年6月2日に、北ワジリスタンのミランシャーから釈放された。

smellTwo foreign journalists attacked in Hayatabadの
Ali Hazrat Bacha、PESHAWAR

■外国人ジャーナリスト、負傷。あわや拉致される[081115 News]

日本人ジャーナリストとアフガン人の協力者が、金曜日にハヤタバードで銃で撃たれて負傷し、あわや拉致されそうになった。

2人のジャーナリストと同行していた運転手も負傷したといわれる。朝日新聞の記者四倉幹木は、アフガン人ジャーナリストのサミ・ユースフザイとともにカイバル行政区のシャーカスから帰る途中だったという。

警察によると、ハヤタバードのPhase-I、VI、VIIと隣接する カイバル行政区で事件が起きた。

車が静止しなかったために、銃を持った男たちに発砲され、2人が負傷した。四倉は足に銃弾を受け、サミは腕を撃たれた。運転手も4発撃たれたという(中略)。

2人は武装勢力の司令官をインタビューするために、部族地帯を訪れたといわれる。情報源によると、一行は部族地帯に入る許可書を持っていなかった。外国人は安全のために、許可書を取得する必要がある。

hoonForeign journalists hurt in failed kidnapping bid
PESHAWAR

■カナダ人、パキスタンで拉致されたことを確認[081114 AP]

カナダ政府は金曜日に、今週初めにパキスタンでカナダ人女性が拉致されたことを確認し、パキスタン政府と協力して解放のために尽力しているという。

(中略)カナダ外務省報道官は、拉致された女性の名前を明らかにしなかったが、『The Globe & Mail』と『The Vancouver Sun』によると、拉致されたのはビパリー・ガイスブレヒト(52歳)で、フリーランスのジャーナリストだという。火曜日にパキスタン北西部で拉致された。

ガイスブレヒトは、アメリカ主導の戦争に批判的なhttp://www.jihadunspun.comを運営し、テロ組織に関する情報を提供している。

このウェブサイトによると、彼女は9.11事件の後の2002年にイスラームに改宗し、ハディジャ・アブドゥル・カハールと改名した。8月4日以来、パキスタンに滞在していたという(後略)。

ohCanada confirms citizen kidnapped in Pakistan
TORONTO

■パキスタン北西部で日本人負傷[081114 AP]

金曜日にペシャワルで、日本人ジャーナリストが撃たれた(中略)。

銃を持った男たちが、パキスタン人の助手と車に乗っていた日本人ジャーナリストに発砲したと、警察官のムハンマド・ハーンが述べた。男性は朝日新聞の四倉幹木だという。ハーンによると、四倉は足を負傷した。助手が怪我をしたのかどうかはわからない。

ohJapanese man wounded in northwest Pakistan
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■アメリカパキスタンを攻撃、8人死亡[081114 BBC]

パキスタンの部族地帯にアメリカの無人偵察機がミサイル攻撃を実施し、武装勢力8人が死亡した。ミサイルは、僻地の村にある民家を破壊したという。

(中略)いっぽうペシャワルで日本人ジャーナリストとアフガン人が銃で撃たれ、負傷した。

金曜日の朝、無人偵察機が北ワジリスタンのラズマックを攻撃した。ミサイルが2発発射され、民家が全壊したという。地元の関係者によると、死亡したのは武装勢力だという。外国人がいたかどうかはわからない。この地域は地元タリバン司令官のハーフィズ・グル・バハバゥールの拠点である。

hoon'US raid kills eight' in Pakistan

■パキスタンでアメリカの攻撃、12人死亡[081114 Reuters]

金曜日にアメリカの無人偵察機が、パキスタンの部族地帯にミサイル攻撃を実施し、外国人5人を含む抵抗勢力12人が死亡した。

パキスタンの関係者によると、バイトゥッラー・マフスードがいるといわれる北ワジリスタンと南ワジリスタンの境界にある村の民家が狙われた。

(中略)「外国人5人を含む12人が死亡したという報告が入っている」と、準軍隊関係者が述べた。外国人の国籍は明らかではない。

マスードの親戚やパキスタン政府関係者、準軍隊関係者によると、朝の1時45分頃に攻撃があり、ミサイル3発が発射されたという(中略)。

マススードは今週の初めに南ワジリスタンのマキーンで、2番目の妻を迎えている。「結婚式に50人ほどの客が出席した。全員がバイトゥッラーの親しい友人で、ごく質素な式だった」と、彼の腹心であるムフティ・ワリ・ウル・レーマンが語った。彼の新しい妻は、同じマフスード族の宗教者の娘である。マフスードの最初の妻には、子供はいない(後略)。

hoonUp to 12 Die in U.S. Attack in Pakistan
MIRANSHAH

■カナダ人ジャーナリスト、パキスタンで拉致される[081114 AFP]

パキスタンの部族地帯で、ドキュメンタリーのための取材をしていたカナダ人ジャーナリストが拉致された。

ビバリー・ガイスブレヒト、別名ハディージャ・アブドゥル・カハールがバヌーで、タリバンに銃を突きつけられて拉致された。パキスタンの英字紙『News International』が水曜日にジャーナリストの拉致を報道し、翌日カナダのメディアがこれを取り上げた。

カナダ外務省のリサ・モネッタが、「カナダ政府は、カナダ国民が拉致されたことを知っている」。「カナダ政府はパキスタン政府と連絡を取り合い、彼女の安全と解放に尽力している」と述べた。

『News International』によると、「カナダ人女性ジャーナリストのハディージャ・アブドゥル・カハールが通訳とガイドと一緒に北ワジリスタンのミランシャーにタクシーで向かう途中、武装した男たちに拉致された」。「現地の警察がジャーナリストと彼女の同僚たちの居場所を追跡し、解放のために努力している」という。

ガイスベルヒトはイスラーム世界に関するニュースを発表する『Jihadunspun.com』を発行している。別のカナダ人ジャーナリストのメリッサ・ファンが10月12日に拉致され、今週、28日後に解放された。

ohCanadian journalist abducted in Pakistan
OTTAWA

■アフガニスタンで英兵2人死亡、アフガニスタンとイラクでの犠牲者300人に[081114 Guardian]

国防省関係者が昨日明かしたところによると、ロイヤル・マリーン兵士2人がジャッカル装甲車が地雷を踏んで爆発し、死亡した。これでアフガニスタンとイラクで死亡した兵士の数は、300人に達した。

水曜日、ヘルマンド州のガルムサールをパトロール中、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、車に乗っていた兵士2人が死亡した(中略)。

英軍はこれまでの比較的軽装のスナッチ・ランド・ローバーに代わりに、ジャッカル170台を使用している。ローバーを使用していた兵士30人が、アフガニスタンとイラクで死亡している。ジャッカルはローバーよりも頑強だが、両サイドが空いており、運転手や乗員は装甲で保護されていない。先月もジャッカルが道路脇の爆弾で破壊され、兵士1人が死亡した(後略)。

hoonBritish death toll in Afghanistan and Iraq reaches 300 after two marines die in blast

■パキスタンの補給線の攻撃、アメリカの弱点[081113 AP]

ハムヴィーが涸れ沢に沿って、砂埃をあげて走行している。しかし乗っているのは米兵ではなく、アルカイダ系の武装勢力だ。パキスタン北西部の武装勢力約60人が、アフガニスタンにいる米軍に物資を運んでいたトラックの車列をハイジャックした直後、『APテレビ・ニュース』が現場の映像を捕らえた。

月曜日の大胆で用意周到な攻撃により、部族地帯におけるイスラーム過激派の力が拡大していることがわかる。さらに、米軍とNATO軍の補給線が危険にされされていることも明らかになった。燃料、食料、兵站学的備品の75%が、このルートを使用する。

NATOは、「非致死」補給物資を運ぶトラックが、アフガニスタン北部の中央アジア国家を通過することの許可を求めて、現在各国と取り引きを行なっている。ロシアとは、すでに取り引きを交わした。

しかし今のところは、アフガニスタンへの物資補給は、パキスタンの山中を通じる2つの道路しかない(中略)。

「なぜパキスタン軍は、これらの車列を守ろうとしないのか」と、イギリスのブラッドフォード大学のシャウン・グレゴリーが語る。「これらの攻撃により、パキスタンはNATOの首筋に手をかけている」。

トラックの運転手によると、最近の物資の強奪は急激に多くなったという。しかしアフガニスタンにいるNATO軍は、強奪されても、アフガニスタンの作戦には支障がないという(中略)。

物資は、無記名のコンテナに入れられ、アラビア海経由でカラチに送られる。その後トラックに積載され、チャマンかカイバル峠を通って、アフガニスタンに入る。

(中略)今回の襲撃では、ハムヴィー2台と飲料水を運ぶトラックが奪われた。残りの11台のトラックには、World Food Programのための小麦粉が運ばれていた。「車列を見れば何でも強奪して、燃やしてしまう」と、World Food Program報道官のアムジッャド・ジャマールが語る。この4週間で、小麦粉650メートルトンが奪われた。「何もかもが米軍のためのものだと思っている」(後略)。

hoonPakistan supply line attacks show US vulnerability
CHRIS BRUMMITT

■シャブカダールで兵士5人死亡[081113 News]

水曜日にシャバカダールのスバーン・ハワール地域の学校のゲートに、爆発物を搭載した車が突っ込み兵士5人と一般市民1人が死亡、11人が負傷した。

目撃者によると、ハイエースを運転していた若い男が、ガバメント・ハイ・スクールに入り込もうとした。学校を警備していた治安軍兵士が車に発砲したところ、大きな音をたてて爆発したという(中略)。負傷者はペシャワルの病院に運び込まれた。軍は周辺地域の捜索を開始した。シャバカバール・バザールは、ペシャワルとバヌー間の道路が通行禁止にされていたために、閉鎖されている。

hoonBomber kills five soldiers in Shabqadar
Sabz Ali Tareen、CHARSADDA

■アフガニスタンの自爆攻撃で多数死亡[081113 BBC]

アフガニスタン東部で米軍車列に対する車を用いた自爆攻撃があり、一般市民20人と米兵士1人が死亡した。現場は、ナンガルハール州のジャララバードである。負傷者67人が、病院に運ばれた。

(中略)現場は、人々が集った果物や動物を売るマーケットの近くである。目撃者によると、米軍車輛1台と一般車輛2台、リキシャ2台が爆発で破壊された(後略)。

hoonAfghan suicide attack kills many

■イラン外交官、パキスタンで拉致される[081113 BBC]

ペシャワルで、銃を持った男たちがイランの外交官を拉致した。外交官は、領事館の商務官だったといわれる。前日アメリカの援助活動家とその運転者が、ペシャワル郊外で射殺されている。

(中略)警察によると、外交官はペシャワルの領事館に向かう途中で、銃を持った男たちに車を狙われた。「犯人たちが銃を撃って車を停め、外交官を引きずり出した。一緒にいた警察のボディーガードは殺害された」。別の警察官によると、犯人たちは外交官を別の車に乗せて連れ去ったという。2ヵ月前には、何者かがアフガニスタンの外交官アブドゥル・ハリーク・ファラヒを同じ地域で拉致し、運転手を殺害している。ファラヒ氏の行方はいまだにわかっていない(後略)。

hoonIran envoy abducted in Pakistan

■米援助活動家、パキスタンで殺害される[081112 New York Times]

(前略)援助活動家のスディーブン・ヴァンス氏が水曜日、ペシャワルの住宅街にあるオフィスに向かう途中、銃を持った男たちに射殺された(中略)。The United States Agency for International Development(またはUsaidは)、パキスタンの部族地帯の開発のために7億5000万ドルを費やしている。今後援助資金を増やすかどうか検討されているが、アメリカ人が現場を訪れて監督できなければ、これらの資金が有効に使用されるかどうか、疑問の声が挙っている。

「彼は身の安全を常に心配していた。私と警備のことを、相談していた」と、ヴァンス氏とともに仕事をしていたパキスタン人開発専門家のハリッド・アジーズが語る。

木曜日の朝にはイラン人外交官が拉致され、警備官が射殺され、ペシャワルの危険度がさらに高まった。イラン領事館商務官のアサール・ザーダが、朝の9時頃、ハヤタバードの自宅を出たところを拉致された。現在この事件に関する詳細はわかっていない。

開発組織に雇われていたヴァンスは、安全上の理由のために、部族地帯に行くことは禁じられていた。活動場所はペシャワルに限定され、妻と5人の子供とともに住んでいた。ペシャワルの米領事館の他の職員のように防弾車ではなく、一般車輛に乗っていた。

ユニバーシティー・タウンで装甲車に乗っていた米領事館のリン・トレイシーも8月攻撃されたが、このときには逃げることができた。

ヴァンスの同僚によると、彼はアメリカの援助を部族地帯で行なうことに熱心だったが、彼が自由に人々と会うことができず、その代わりに事務所に関係者を招いて情報を得なければならないことに不満を持っていたいう(中略)。「彼は危険性に気づいていた。よく話し合った」。

ヴァンスの死は、タリバンやアルカイダがいる部族地帯で戦うために、米軍はさらなる努力をするべきか、それとも開発援助をするべきか−−その両方が必要か−−が議論されている最中に起きた。パキスタンに今後の10年間で、さらに150億ドルの文民援助を与えるかどうかが検討されている。

部族地帯でこのような援助を行なうことの有効性は疑問であるが、ワシントンはやってみる価値はあると思っていると、ワシントンのCenter for Strategic and International Studiesのクレイグ・コーヘンは語る。「我々はあそこに出て行くべきである、というふうに感じる。危険性のことは、十分承知している」。「軍事活動以外のことをするべきだと考えている。援助活動の存在が必要だ」。

ヴァンスの場合、活動は目立ったものではなかったが、存在は明らかではあった。人々に溶け込むために、シャルワーズ・カミーズを着る事が多かった。しかし事務所の警備は手薄だった。犯人たちは彼を待ち構えていたようだと、同僚が述べた。

このような熟練した援助活動家の殺害は、ペシャワルのアメリカ人やパキスタン人関係者に大きな打撃を与えたが、予測はされていた。ペシャワルの治安はまったくなくなり、反米感情が高まっている。援助活動家たちは、米領事館に「監禁」されることが多かった。つまり家で仕事をしたり、家から事務所に異動するためには、許可を得る必要があった。

「タリバンが数ヵ月前に政府関係者を標的にし始めたとき、アメリカの援助活動が今後狙われることは明らかだった」と、Johns Hopkins School of Advanced International Studiesのパキスタンの専門家、ヨシュア・ホワイトが述べた。

(中略)ヴァンスは、1986〜1991年の間、ザイールのUsaidのプロジェクト・マネージャーを勤め、その後東チモールに移った。さらに1999〜2002年にはモンゴルでマイクロファイナンシャル・プロジェクトに従事(中略)。モンゴルでは地元の女性と出会い、結婚した。その経歴を買われて、おそらく南北ワジリスタンの開発計画のために派遣されたのだろう。

自宅から車で15分しか離れていない事務所との間を往復することしかできなかったヴァンスは、どの程度仕事を達成できたかわからない。彼を直接雇用していたのは、Cooperative Housing Foundation in Silver Spring, Mdである。7億5000万のブロジェクトのうち、1億ドルを出資している。

ヴァンスは、パキスタンのやり方で仕事をしようとしていた。他のアメリカの援助活動家たちは、アメリカ流の世界をパキスタンに築こうとしていたが、彼は既存のパキスタンの組織を使おうとしていたという。「このようなことはあってはならない。彼はいい奴だった。人道主義者だった。誰とも友だちになれた」と、アジーズが語った。

hoonU.S. Aid Worker Slain in Pakistan
JANE PERLEZ、ISLAMABAD

■米援助活動家と運転手、パキスタン北西部で射殺される[081112 AFP]

水曜日にパキスタンのペシャワルで、米国人援助活動家とその運転手が銃を持った男たちに襲撃されて射殺されたと、米大使館と警察が発表した(中略)。「米国人とパキスタン人の運転者が襲撃されて死亡した」と、米大使館報道官のウェス・ロバートソンが述べた。2人は、部族地帯でアメリカが資金提供をしている開発計画を実施する組織に所属していた。

「銃を持った男たちが車を襲撃して、外国人とその運転手をユニバーシティー・タウンで射殺した」と、地元警察関係者のアブドゥル・カディールが述べた。ペシャワルの治安関係者によると、死亡した男性はアメリカが資金提供をするFDP(federally-administrated tribal areas' development programme) の関係者だったという。「ユニバーシティー・タウンにある事務所に向かうところを襲撃された」と、FDP関係者が述べた。「現在地元政府と事件を捜査中だ」と、米大使館報道官が述べた(中略)。

水曜日にはペシャワル郊外にあるスポーツ・スタジアムで自爆攻撃があり、警察官を含む4人が死亡している。政府関係者など数千人が出席した競技会の閉会式が狙われ、13人が負傷した(後略)。

hoonGunmen kill US aid worker, driver in NW Pakistan: police
PESHAWAR

■武装勢力、NATO軍補給物資と軍のトラック13台をハイジャック[081111 Dawn]

月曜日にパキスタンからアフガニスタンに向かうハイウェイで、ジャムルッド城の準軍隊関係者が見守る中、武装勢力がNATO軍のために輸送していたコンテナ13台をハイジャックした。

ワジール・ダンド、テディ・バザール、スール・カマールの重装備の男たち数十人が、ペシャワルとトルハムを結ぶハイウェイでコンテナを襲撃した。カサダールの検問所が数ヵ所、近くにあった。

政府関係者によると、タリバンがコンテナを路上で奪い、ジャムルッド城の準軍隊関係者からよく見える所で中身を持ち去ったが、彼らは行動しなかったという。

その後カイバル行政区のジャムルッド地域で、武装勢力たちがコンテナから奪った軍用車輛のハンヴィーを乗り回しているのを目撃されている。車には、バイトゥッラー・マフスードの組織の旗や垂れ幕が掲げられていた。

地元の人間によると、リーダーを含めた武装グループの人間のほとんどが、アフガニスタンのナンガルハル州とモーマンドやワジリスタンの出身者だったという。

地元行政府は、これまでも政府にジャムルッドでタリバンが勢力を伸ばしていると助けを求めていた。やっと戦闘ヘリコプターが救援にやってきたが、すでに小麦粉を含む物資はすべて持ち去られたあとだったという。

ガンディ・シャガ地域では、戦闘ヘリコプター3機からの攻撃が15分間あり、12歳の少年が死亡し、6人が負傷した。そのうちの2人は過激派だったという。

政府によると、準軍隊兵士たちはバジョールなどの地域に配置されているために、ジャムルッドの武装勢力と戦うだけの人材がいなかったという(後略)。

hoonMilitants raid Nato supplies, hijack 13 military trucks
Ibrahim Shinwari、LANDI KOTAL

■パキスタン、タリバン排除のために残忍な戦い[081110 New York Times]

先月パキスタン軍が戦略的に重要なタリバンの拠点を奪回したが、いかにイスラーム過激派がパキスタン国内深くまで入り込んでいるかが、明らかになった。

バジョールにある土塀で囲まれた民家の裏に、タリバン武装勢力はトンネルを張り巡らせ、ここに武器を貯蓄したり自由に動き回っていたことがわかった。「これらは普通の戦いのためのものではなかった」と、パキスタン準軍隊司令官のタリーク・ハーン将軍が述べた。

3ヵ月に及んだ激しい戦いの結果、パキスタン陸軍はバジョールのごく一部をコントロールした。当初はこの地域の秩序を取り戻すための準軍隊的な活動だったが、今はパキスタン陸軍対タリバン・アルカイダの軍事作戦になってしまった(中略)。

パキスタン軍が外国人報道陣のために用意した、ロイ・サムとカールの2日間のツアーで、パキスタンは部族地帯の抵抗勢力を甘く見ていたことがわかる。タリバンは多数の地域をまだ支配している(中略)。

国境警察隊が8月の初めにロイ・サムを奪回することができなかったために、陸軍は9月の初めに兵士2400人をこの地域に送り込んだ。パキスタン兵たちはインドとの戦いに適した戦術を身につけているが、抵抗勢力と対戦することには慣れていない。

ロイ・サムを救出するために、軍は町を破壊した。ここに住んでいた7000人の住民の家や店は、すべて軍により爆破された(中略)。完全武装したタリバンを一掃するために空爆は必要だったと、陸軍は説明する。

パキスタン陸軍と準軍隊によると、8月以来兵士83人が死亡、300人が負傷したという。2008年の最初の4ヵ月間で、アフガニスタンでは米軍主導軍兵士61人が死亡していることと、比較できよう。

数年かけて、武装勢力たちは複雑に張り巡らされたトンネルを掘っていたと思われる。これらのトンネルは、バジョール中にあるようだ。

バジョールは特別だ。この地域はアフガニスタンのクナール州のように、戦略的に重要だ。ワジリスタンなどの地域から、クナールに入るための入り口である。ペシャワル南部にもつながる。スワートなどの居住区とも接点がある。

今や、戦闘は軍とTTPの力比べである。ハーン将軍によると、バジョール全体を奪回するまで軍は戦うという。

アラブ人、ウズベク人、タジーク人、アフガン人たちが戦いの中心となり、若くて仕事のない地元の若者たちを、金や、ライフルを持ってダブル・キャビンのビックアップに乗るというステータスと引き換えに、仲間に引き込んでいる。

米政府関係者は、バジョールに重要なアルカイダ責任者が隠れていると見ている。2006年にダマドーラ村では、ザワヒリを殺害しようとしてアメリカの無人偵察機がミサイル攻撃を実施した。バジョールと隣接するモーマンド行政区の村人によると、9月にモーマンド北部でザワヒリを見たという。ザワヒリが妻ともに家を物色しにやってきて、一夜すごしたあと車列で去って行ったとされる。

2006年の攻撃のあとにタリバンがバジョールを占拠し始めたと、この地域の政府関係者、シャリーフッーラ・ハーンが語る。強引なやり方だったという。武装勢力たちは、住民たちの家の1階を借りた。貸すことを拒否すると、殺害された。去年の11月、有名なアフガン人タリバンのジア・ウル・レーマンがアフガニスタンから仲間を連れて来たと、ハーンが語る。去年の12月までにタリバンは、政府が武装化した地元の部族民民兵を追い払った。タリバンは6月に、バジョールにある72の検問所のうちの半分を破壊した。文民政府に対しては、学校の先生の給料を運んでいたトラックに対して自爆攻撃を行ない、文民政府を妨害したり、主要な銀行を強奪した。

8月、パキスタンはハッジ・イジャーズ・フセイン少佐と国境警察隊員150人を派遣して、ロイ・サムを奪回しようとした。深く考えず、激しい暑さの中、わずかな爆発物と飲料水だけ持ってタリバンと接近戦を戦い、すぐに包囲された。車列2団が救援に向かったが、トンネルから攻撃してきた武装勢力たちに破壊された。

撤退命令が出て、暗闇に助けられながらトウモロコシ畑の中を激しい雨に撃たれて逃げた。この救出作戦の失敗で、準軍隊兵士29人が死亡、多数が重傷を負った。

数日後、カールの政府関係の建物が占拠されそうになった。城塞に囲まれた政府の建物を守っていた民兵300人以上が逃走、35人だけが残ったという。

「我々にとっての大きな問題は、諜報情報に欠陥があることだ」と、国境警察司令官のハーン将軍が語る。「パトロールを積極的にするべきだったが、それができなかった」。

(中略)兵士たちは武装勢力たちと戦うだけの準備がない。武器もない(中略)。いっぽうタリバン戦闘員たちは重火器や通信システムを持ち、軍の無線も傍受できる(中略)。地形さえも、彼らの味方だ(中略)。

8月に準軍隊が強い抵抗を受けたターング・ハッタから、武装勢力を追い払う作戦が実施された。初日、兵士たちは徒歩でターング・ハッタに向かったところ、襲撃された。武装勢力たちは土塀の後ろで、細い隙間からライフルを突き出して隠れていた。「小兵器はこれらの塀には役に立たない。どこを狙ったらいいかわからなかった」。

四方八方から攻撃されたが、ゲリラたちは過ちを犯した。「神は偉大なり」と叫んだために、彼らの居場所がわかったという。最終的にターング・ハッタを奪回するのに5日かかり、4人を失ったという。さらに先のニサラバードという小さな地域を奪回するために、12人の兵士を失い、46人が負傷した。

最後に北ワジリスタンのタリバンと戦った経験のあるアンワル・サイード少佐に率いられて、ロイ・サムを襲撃した。最終的に10月21日に奪回し、その過程で町は瓦礫の山と化した。

(中略)家を失った住民たちは、一般市民の犠牲者の数の多さに怒りを表現する。軍によると、パジョールの戦闘で一般市民95人が死亡したという。しかしパキスタンの人権団体は、もっと多いはずだと述べる(中略)。さらに、軍が殺害したという武装勢力の数も、はっきりしない。軍は1500人を殺害したという。しかし、戦闘に関与した別の陸軍大尉は、300人程度だという。

今回の抵抗運動は平地に限られていたが、バジョールの山岳地帯で戦うことは、さらにたいへんだ。カールの陸軍本部にいるナウマン・サイード中佐は、古典的なゲリラ戦の泥沼に入り込んでしまったと語る。9月、バジョールのタリバン責任者たちは、アフガニスタンから950人の戦闘員たちを迎えて軍を補強したという。「彼らを殺し続ける。でも、まだまだたくさんやってくる」。

garrPakistanis Mired in Brutal Battle to Oust Taliban
JANE PERLEZ and PIR ZUBAIR SHAH、LOE SAM


■米軍、アフガン人14人殺害。衝突に関して論議[081110 AP]

米兵がアフガニスタン東部で警備員14人を殺害し、アフガニスタンの大統領は月曜日、このような出来事はアフガン政府の信頼を失うことになると訴えた。

同盟軍によると、兵士たちは日曜日に、コースト州で武装した男たちを乗せた車3台に発砲したと述べた。車から先に発砲があったという。「車で2次的な爆発があり、武装した男14人が死亡した。爆発物や小兵器が、車から押収された」と、米軍が月曜日に声明を発表した。

カルザイ大統領が月曜日に出した声明によると、死亡したのは、道路建設会社に雇われた警備員だったという。「このような攻撃を続ければ、国民とアフガン政府との間の溝が広がるだけだ。アフガニスタンと同盟国との間にも、亀裂が生じてしまう」。

アメリカは先週、アフガニスタン政府との合同調査によると、カンダハルのウェッチ・バンガトゥ村で米軍とタリバンが衝突した際に一般市民37人と武装勢力26人が死亡したことが判明した、と述べた。アメリカによると、武装勢力たちは戦いの最中、住民たちを無理矢理村に留まらせたという(中略)。

いっぽうヘラートでは道路脇に仕掛けられた爆弾により、車に乗っていた4人が死亡した。犠牲者の中には地元の諜報責任者、医師、検事がいたという。4人は犯罪事件の調査のために向かっていたところ、アドラスカン地区で車が爆発した。

hoonUS troops kill 14 Afghans in disputed encounter
FISNIK ABRASH、KABUL

■パキスタンの武装勢力、トラックをハイジャック[081110 BBC]

パキスタン北西部の武装勢力が、アフガニスタンにいる欧米軍に補給物資を運ぶトラック12台をハイジャックした。トラックは、カイバル峠を通行中にハイジャックされたという。

(中略)カイバル地域の政府幹部が『ロイター』に語ったところによると、20マイルに渡る道路の4ヵ所で、トラックが奪われた。「覆面をして銃を持った男60人ほどが急に現れ、運転手と一緒にトラックを運び去った。銃の発砲は全くなかった」と、バハティール・ムハンマドが述べた。

ムハンマドによると、トラックには武器か爆発物が積載されていたが、他の物資もあったかどうかは明らかではない。犯人たちは、バイトゥッラー・マフスードの部下たちだという。「バイトゥッラー・マフスードの部下の仕業だ。完全武装し、非常に訓練されていた」。

今年になって国境に通じる道路の治安が、悪くなっている。兵士たちは、ペシャワル郊外から武装勢力を一掃するために、カイバル地域で作戦を実施している。

住民によると、事件のあと、パキスタン陸軍の戦闘ヘリコプター2機がハイジャックがあった現場上空を飛んで銃撃し、一般市民1人を殺害した。

国境の町、ランディコタルの住民は、政府は道路の安全確保を行なっていないと訴えた。「政府は黙認しているだけだ」と、トラック会社を運営するエスティアール・ムハンマドが述べた。「日中堂々と我々のトラックやオイルタンカーを攻撃して運転者を殺害する。検問所近くで襲撃されることもある。しかし政府は何もしない」。過去トラックとタンカー24台が攻撃されている。

トラック共同体のメンバーであるサワーブ・ハーンが去年語ったところによると、輸送物資は、タリバンと戦う欧米軍に対する補給物資のほかに、NGOやアフガン政府、アフガン商人のためのものだという。ハーンによると、武装勢力に脅かされるほかに、各トラックは税金や賄賂として40万ルピーを支払わなければならないという。「これはひどすぎる。みんな貧乏でやっていけない」。

賄賂を支払うことを拒否するトラックは道路脇に止められ、24時間以上も、通行を許可されるまで待たされることもあるという(後略)。

hoonPakistan militants hijack trucks

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.