【2008年12月1日〜12月7日】


■パキスタンのスパイ、ムンバイ攻撃に関与した組織に協力[081207 New York Times]

ラシュカレ・トイバは、パキスタンのISIからここ数年来極秘に協力を受けていたと、米諜報組織と対テロ関係者が述べた。

米政府関係者によると、スパイ組織ISIと関係があったという具体的な証拠はないという。しかし、ISIはラシュカレに諜報情報を流し、彼らを保護したという。そした捜査官たちは、ISIや攻撃の首謀者との間を取り持っていたと思われる、あるラシュ指導者に注目している。

(中略)『AP』が月曜日、武装勢力とある政府幹部の話として、パキスタン軍がカシミールにある元ラシュカルの訓練所を襲撃したと報道した。「12人以上が逮捕された」という。

(中略)アルカイダは以前ラシュカルに資金などを協力していたが、最近の関係は、明らかではない。アルカイダ幹部がラシュカルの隠れ家を使用したこともあったが、ラアュカルはアルカイダと作戦を一緒にしたり、アルカイダのブランドを使用してはいない(中略)。

これまでラシュカル司令官たちは、慈善団体という形を取り、アルカイダと違って、わりと公然と活動できた(中略)。

アメリカとインドの関係者によると、特に1人のラシュカル司令官のザラール・シャーが、ISIとの連絡係になっているという。インドの捜査官たちも、コミュニケーション・スペシャリストのシャーが、ムンバイの攻撃に関与したかを調べているという。「彼が計画の中心人物だ」と、ある米関係者が述べた。

これまでも米諜報アナリストたちはラシュカルを、南アジアに限定しているものの、残虐な組織と見てきた。しかしテロリズムの専門家たちは、アルカイダの成功により啓蒙されたことは明らかだと述べる(中略)。

パキスタン政府はラシュカルの活動を2002年に公的に禁じたが、組織はISIと常に関係を保ってきたという。米諜報組織は、ISIとラシュカル工作員が定期的に会っていることを突き止めている。ISIとラシュカルは、インドのカシミールにおける活動に関する諜報情報を共有している。

「情報の共有だけでなく、資金や訓練も共有している」と、ある米関係者が述べた。「これらはISI中のならず者の仕業ではない。かなり正式に行なっている」。

とはいうものの、ワシントンの関係者は、パキスタンのISIとムンバイ攻撃との間の直接的な関係は、何も現われていないという。「パキスタン政府が関与した証拠はない」と、ライスも語っている(中略)。しかし「テロリストたちが、パキスタンの国土を使用した証拠はある」。

ある対テロ関係者は、「ISIとラシュカルが関係していたと言うのと、ISIがムンバイ攻撃の背後にいたと言うのは、別のことだ。では、何も証拠はない」と述べた。

さらにテロアナリストたちの中には、ラシュカレはこれまでのようにISIに依存していないと見る者もいる。裕福な寄付者はいくらでもおり、志願者も多く、訓練所も豊富にあるために、もはやISIの協力は必要ない」と、『Jane's Information Group』の南アジアアナリスト、ウルミラ・ヴァヌゴパランが語る(後略)。

smellPakistan's Spies Aided Group Tied to Mumbai Siege
ERIC SCHMITT, MARK MAZZETTI and JANE PERLEZ、Washington

■ムンパイのガンマンの家、パキスタンの村で発見[081207 Observer]

(前略)ファリドコットに到着するまでに、数日かかった。パキスタンのパンジャーブ州にある、小さな、貧しい村である。ムンバイのテロがあるまで、この村を知る者はほとんどいなかった。逮捕された男についても、ほとんどわからない。彼の名前はムハンマド・アミーン・カサーブなのか、それともアザーム・アミール・カサーヴなのか。あるいはムハンマド・アジュマル・アミール? カサイという名前は、屠殺業の家系を意味する。カーストでもある。しかし彼はカサーヴと報道され、後にカサーブになった。というのは、最初に彼を取り調べたムンバイの警察関係者はマラーティ語話者で、南パンジャーブ出身の人間とはコミュニケートできなかったからである。ヒンディー語しかわからないのだ。

そして彼の出身は? ファリドコット出身だという。しかし、これはありふれた名前で、パンジャーブ州にはいくつもある。

目的のファリドコットを探した結果、結局インドとの国境に近い、デパルプールという町の郊外に見つけた。一番近くの町はオカラである。多分これではないだろうか。このファリドコットに、アジュマルの父親が住んでいると思われた。

当初、村人は協力的ではなかった。しかし、市長が語った。「アミール・カサーブという名前の男が私を尋ねてきた」と、グーラム・ムスタファ・ワトゥーが述べた。「心配していた。ニュースに出てくるアジュマルは、自分の息子ではないという。息子は働きに出ている。ここには過激派組織はない」。

ここで行き止まりなのか。

(中略)最終的に、ムハンマド・アジュマル・アミールという名前に行き着いた。食べ物屋台を引く、ムハンマド・アミール・イムラーンの息子である。

市長は、地元警察の取り調べもないと述べ、政府はこの場所を怪しいと思っていないようだ。しかし村人たちの話から、なんとなく怪しい気がした。「アミールは数年間ここに住んでいた」と、ある村人、ムハンマド・タージが語った。「彼は息子3人と娘3人がいる」。

地元の農民ヌール・アフマッドは、「アミールは、屋台を持っていた。あちこちに行った。特に宗教的な男ではなかった。あいそよくやっていて、誰とも喧嘩しなかった」。

しかしアミールは村に住み、アジュマルという息子がいたという者がいたり、そんな人は知らないと言う人もいて、意見が一致しない。でも、最終的にわかった。「あなたは間違った情報を与えられているんだ。我々はテロがあった最初の日からわかっていた。彼がアジュマル・アミール・カサーブだ。彼の母親は、息子の写真がテレビに映ると、泣き始めた」。

父親のアミールに会おうとしたが、成功しなかった。村人は、彼と妻のヌールは、今週初め、突然消えたと語った。

「アジュマルはよくラホールに働きにいっていた」と、村人は語る。「もう4年も行っている。1年に1度帰って来たが、その時よく言っていた。『カシミールを解放する』」。

アジュマルは、ほとんど教育を受けていなかったという。しかし、彼が村で過激主義に走ったのか、それとも仕事に出てからそうなったのかはわからない。

13歳の時に両親の家から、兄がいるラホールに向かったと言われている。もしインドのメディアが報道しているように流暢な英語を話すというのなら、村を出てから学んだはずだ。

しかし村人によると、地元の宗教者たちがこの地域にいる若者を洗脳しており、ラシュカレ・トイバの創設者であるハーフィズ・サイードも、近くのデパルプールを訪れている。数百人の支持者がいるという。デパルプールにはラシュカレ・トイバの事務所があったが、つい最近閉鎖された。ラシュカレ・トイバの新聞が、デパルプールとファリドコットに配られている。デパルプールはパンジャーブ州の南部にあり、ジハード者たちを送り出すことで有名だ。

アジュマルの写真を見せられると、村人は、彼がファリドコットの住民であり、数ヵ月前のイードの時、村を訪れたと語った。

ある住民は、このファリドコットと近くの貧しい村、タラ・シンから、ラシュカレ・トイバに多数の男たちが送り込まれていくという。ファリドコットのすぐ外にある建物の横には、「ジハードに行け、ジハードに行け。マルカズ・ダワート・ウルイルシャードMD」という看板が掲げられていた。MDIは、ラシュカレ・トイバの母体組織である。デパルプールでは、幹線道路には、ジャマット・ウッダーワに山羊の皮を寄付するよう呼びかける看板があった。この組織も、MDIの組織である。

タラ・シンには、過激主義のマドラッサがある。またデパルプールには、もうひとつ別の過激主義のマドラッサがある。タラ・シンのナジーム(市長)のラオ・ザイーム・ハイダルが語る。「ここは宗教色が濃い。ジハードに行く者もいる。だけど、それほど多くはない」。

インドで出回っている報告によると、アジュマルはイスラーム主義的な思想のためではなく、ジハードの訓練を受ければ、彼の犯罪歴に磨きがかかると思ったからだいう。しかしラシュカレの基地に行くと、彼の世界観が変わった。

彼はラシュカレの使命を信じるようになった。訓練を受けると、非常に優れた才能を見せたために、マンセーラでさらに高度な訓練を受ける32人の1人に選ばれたという。このコースは、ドゥアラ・カースと名づけられている。

そして最終的に、彼は奇襲攻撃や回航訓練なを受け、ムンバイのテロ攻撃のために選ばれたのだ。

政府は、アジュマルの両親はファリドコットに住んでいないと言うだろう。しかし地元民によると、もう20年間ここに住んでいる。そして最後に重要な証拠が出て来た。『Observer』は、ユニオン・カウンシル5、デパルプール地区、オカラ地域に属す、ファリドコットの選挙名簿を入手した。ここに登録された478人の投票者中に、ヌール・エラヒと結婚しているムハンマド・アミールがいる。ファリドコット在住とある。彼の身分証明書の番号は3530121767339、妻のヌールは3530157035058である。

これで確実だ。アミールという男と妻のヌールはファリドコットに住んでいることが、政府の書類から明らかである。彼らには、アジュマルという息子がいる。

我々がファリドコットを最後に訪ずれたあと、市長のワトゥーがモスクのラウドスピーカーで、外部の者と話してはならないと呼びかけた。昨日パキスタンの諜報関係者が、ファリドコットに押しかけた。電話で語った住民によると、パキスタンのテレビ・クルーとアメリカ人ジャーナリストが、町から追い出されたという。逆襲が始まったようだ。

garrRevealed: home of Mumbai's gunman in Pakistan village
Saeed Shah

■パキスタンで米軍・NATO軍の車輛160台以上炎上[081207 AP]

日曜日にパキスタンの輸送車ターミナル2ヵ所で、アフガニスタンいる米軍主導軍に向かう予定だった車160台に、武装勢力が放火した。

米軍によると、ペシャワルの今回の事件による損失は、アフガニスタンにいるタリバン主導軍に対する作戦に「ほとんど」影響がないと述べた。しかしこの大胆な行動は、タリバンがペシャワル周辺を牛耳っており、カイバル峠を通過する補給線を遮断できることを示している。

アフガニスタンにいる欧米軍のための補給物資の75%が、パキスタンを通過する(中略)。

ターミナルに対する攻撃で、塀で囲まれた敷地は廃棄物置き場と化した。ターミナルのマネネージャーのキファヤトゥッラー・ハーンによると、武装した男たちが夜明け前にロケット推進手榴弾でゲートを壊し、警備員を射殺して車輛106台に放火した。そのうちの70台がハンヴィーだった。

現場を訪れた『AP』記者は、6列に駐車した破壊されたハムヴィーと軍用トラック、トレイラーを目撃したという。どれも炎上してひん曲がっていた。米軍と欧米軍に訓練されたアフガン国軍に宛てたものだったという。

犯人たちは、約40分後に到着した警察と少しの間銃撃線を交わしてから、逃走した。当時警備員9人がいたが、約300人の攻撃者たちの前でなすすべもなかったと、ハーンが述べた。しかし警察関係者のカシーフ・アスラームによると、攻撃者は30人だったという。

近くのファイサル・デポのマネージャーのシャー・イランによると、アフガニスタンに輸送するはずの車輛60台とパキスタンのトラック3台も、同じように襲撃されたという。

アフガニスタンにいる米軍は、アメリカのコンテナ多数が破壊されたが、「作戦にほとんど影響がない」と述べた。「軍事的には重要ではない」と、米軍報道官のルミ・ニールセン・グリーンが述べた。「他から、別の方法で運ばれてくる物資がいくらでもある」。「我々の使命に大きな損傷もインパクトもない」。

パキスタンは11月に、徐行する車列を警備する軍隊を手配するまで、カイバル峠を通行する車輛をしばらく止めた。しかしデボ・マネージャーのハーンは、ターミナルに対する警備は何も行なわれていないという。これまでも何度も、脅迫を受けて来たという。「安心していられない」とハーンが述べた。「この商売を続けることは不可能だ」(後略)。

ohMore than 160 US, NATO vehicles burned in Pakistan
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■ガンマン、「パキスタンの」エリート訓練を受けるとインド[081207 Sunday Times]

先月ムンバイで160人以上を殺害した10人のテロリスト奇襲部隊は、パキスタン軍とパキスタン海軍エリートの訓練を受けた500人の一部だと、インドの諜報組織が報告した。

インド人政府関係者が情報をリークして、パキスタンのISIが攻撃を直接指示しているという。ガンマンを訓練したISIの訓練士や、両者の間のインターネット電話を傍受したという。

(中略)インドの諜報組織に近い情報源によると、来年予定されている総選挙の前に新たな攻撃があれば、両国間の戦いは避けられないという。カルカッタの警察は昨日、犯人たちが使用した携帯電話のSimカードを不法に与えたとして、2人の男が逮捕した。そのうちの1人は、対抵抗運動に従事する警察官で、彼が偵察を行なっていた可能性があるという。

インドの諜報組織は、ムンバイのガンマンたちは、2006年12月から18ヵ月の間、パキスタン軍とパキスタン海軍に奇襲攻撃の戦術を訓練された多数の「フィデイーン(自爆者)」志願者の一部だという。

「500人の男たちの訓練は、3段階を経る。まずは基本的な訓練と銃を扱う訓練。それから航海術や水泳。そして油田採掘機や船、潜水艦など、海中施設を破壊するための訓練などだ」と、ある関係者が述べた。「彼らはUS SEALやパキスタンの海軍奇襲部隊と同じようなレベルの訓練を受けていた。エリートだった。これらの男たちのうちの10人が、ムンバイを攻撃した」。

真実であるとすれば、LETが今回の攻撃に続いて、別の攻撃を考えていたことになる(中略)。

アジュマル・アメール・カサーブは、アブ・ユースフ別名ムザミールというLETのメンバーに海上奇襲攻撃の訓練を受けたと、調査員たちに話している。インドの関係者によると、ムザミールとともに、LET指導者のハーフィズ・ムハンマド・サイードと、彼の幹部司令官の1人であるザキ・ウル・レーマンが襲撃を計画した。

サイードは現在、ジャマット・ウッダーワとい慈善団体を率いる(中略)。先週ISI元幹部であるハリッド・ハワジャが、サイードとラフヴィは、ISIの中では有名だと述べた。

この時ハワジャは、アメリカが、自分の名前とともにハミッド・グルと「コロネル・イマーム」を、テロリストのブラックリストに入れることを国連に申し出たと語った。

米政府関係者は、ISIの「悪徳で引退した」関係者が、タリバンとアルカイダに協力していると信じている。7月に起きたカブールのインド大使館に対する爆弾事件も、彼らの仕業だという。「LETが攻撃の背後にいることは明らかだ。今のところ、ISIと関連づける証拠は何もない。しかしISIはこれまでもずっとLETと関係があった」と、ある欧米外交関係者が述べた。

「インドは、悪徳の元関係者の仕業だとは考えていない。カブール大使館攻撃に関しては、ISIの関与はもっと直接的だった。しかしこうやって攻撃してくるのだ。元関係者を通じて」。ジハード組織の幹部によると、LET幹部たちは、驚喜しているという。

ハジャワは、ムンバイのテロを認めるわけではないが、「ボンベイの攻撃は、世界の人々、インド人、アメリカ人にとって、いい教訓となる。10人でこれだけのことをできるのであれば、数万人の若者たちに、何でもできるということを知らしめている」。

garrGunmen had elite training‘from Pakistan’India says
Dean Nelson and Barney Henderson

■インド、パキスタンの偽電話の報告を非難[081207 AFP]

日曜日にインド外務省は、ムンバイでテロが起きたときに外相の名前を語ってパキスタンに電話をかけたという偽電話の報告は、攻撃に対する責任から逃れるためのものだと述べた。

プラナーブ・ムハルジーを名乗った男がザルダリ大統領に電話をかけたことで、当時治安部隊がムンバイでまだ過激派と戦っていたにもかかわらず、インドからの攻撃があることを恐れ、パキスタンでは厳戒態勢になった。

電話の主はザルダリに、攻撃の背後にいる首謀者を引き渡さなければ、イスラマバードに軍事作戦を行なうと述べた。

「そのような電話はかけていない」と、ムハルジーが述べた。「パキスタン領内にいるテロ組織が、ムンバイのテロ攻撃を計画して実行したという事実から、人々の目を反らせるためのものだ」。

パキスタンがこの偽電話を受けて空軍を出動態勢にしたために、世界の指導者たちは両国が戦争に突入することを恐れた。ムヘルジーは、パキスタンがこのような「偽電話を根拠に行動した」ことが、とても心配だと述べた。

今回いかに緊張が高まったかを示すもうひとつの例として、駐イギリスのパキスタン大使が、インドがパキスタンに軍事攻撃をするのではないかと、国際外交関係者が心配したと述べた。「インドが報復のために、パキスタンを素早く攻撃すると、状況的な証拠があった」と、ワジッド・シャムスール・ハッサンが『BBC』に語った。「我々の友人たちに、次のように言われた。訓練所があるとインドが思っている地域に、空襲のような方法で、すばやく攻撃してくる可能性があると」(後略)。

ohIndia slams Pakistan over Mumbai hoax call reports
Salil Panchal、MUMBAI

■インド、パキスタンを指差す[081206 Washington Post]

(前略)パキスタンは、インドとアメリカが要求を受け入れ、48時間以内にラシュカレ・トイバに対して行動して、インドが首謀者だと指摘するパキスタン人3人を逮捕することを約束したと、パキスタン政府幹部関係者が述べた。この関係者によると、インドはパキスタンにさらに、ラシュカレ司令官のザキ・ウル・レーマン・ラフヴィと、ISI元長官のハミッド・グルを取り調べのために引き渡す事を要求したという。

いっぽう今年北インドのウッタル・プラデシュで逮捕されたファヒーム・アンサリが語ったところによると、アンサリはカファハと名乗る男により、ムンパイのいくつかの場所を偵察するように頼まれたという。その後カファハはラシュカレ・トイバのメンバーだったことが判明したという。

「カファハに、ムンバイ空港に関して質問された」。「飛行場の塀の高さや、近くの建物との関係、滑走路の長さなどを聞かれた。これらの場所の写真やビデオを撮った」という。しかし「武器が調達できなかったので、計画を延期された」(後略)。

hoonIndian Official Points to Pakistan
Emily Wax and Rama Lakshmi、MUMBAI

■いたずら電話であわや戦争[081206 Dawn]

先週末、インド外相のプラナーブ・ムヘルジーになりすました男が、デリーからザルダリ大統領に脅迫の電話をかけてきたために、インドとパキスタンはあわや戦争突入しそうになった。

いたずら電話か、インド外務省内の何者かの仕業か、あるいはパキスタン国内からの電話だったのかは、明らかではない。

金曜日、ムンバイのテロのために緊張が高まっていたために、大統領の側近たちは、通常だったらするであろう電話の確認を行なわないまま、大統領に話の内容を伝えた。電話の主はインド外相プラナブ・ムヘルジーと名乗り、イスラマバードがムンバイの事件にすぐ対処しなければ軍事行動に出ると、脅迫した。

電話の直後、大統領の関係者たちはインドが宣戦を布告したととらえ、外交活動や警備活動が直ちに開始した。ギラニ首相は、すぐにラホールに引き返すよう命じられた。またインド訪問中の外相のシャー・メフムード・クレイシーは、その日の午後に帰国予定だったが、特別機がデリーに飛び、朝のうちに帰国を命じられた(中略)。パキスタンの空軍も厳戒態勢となり、ラワルピンディーの上空をジェット戦闘機が飛び交っていた。

この謎の電話のかけ主は、インド外相と名乗り、米国務省長官のライスとも話そうとしたが、ライスには取りついでもらえなかったという。

ライスは深夜ムケルジーと接触して、パキスタンを脅迫した理由を尋ねると、ムケルジーはザルダリと話をした事実はないと語ったという。

パキスタン政府は緊張したが、土曜日の夜頃までには少しずつ事実が明らかになっていった(後略)。

ohA hoax call that could have triggered war
Zaffar Abbas、ISLAMABAD

■インド、パキスタンのキャンプを視野に[081206 Asia Times]

先週のムンバイの攻撃のあと、インドの「テロとの戦争」は一歩前進する予定である。特に、パキスタン領カシミールにあると思われる過激派の訓練所の取り締まりを行なう。

インド内務省関係者が語ったところによると、インドがパキスタンのテロ組織や関係者を直接「一掃」することを決めたという。危険は伴うものの、「緊急追跡」が話題になっている。

関係者によると、公的にインドはこれらの行動を否定するが、テロリストとの戦いを行なうという。諜報組織の協力のもとで、武装したエリート海軍、空軍、陸軍が動員される。ムルタンなど、パンジャーブ州の国境地帯で作戦を行なう。カラチからグワダールにかけての海岸部も、インドの監視下になる。

いっぽうアルカイダのもうひとつの活動地であるバングラデシュでも、同じような作戦が実施される。

インドの最近の計画は、ライス米国務長官がデリーを訪問したときに、すでに伝えられた。ワシントンは、インドとパキスタンが面と向かって戦いをしない限り、インドの計画に依存がないようである(中略)。

インドはイスラエルにも、協力を仰ぐ(中略)。テルアビブは、テロとの戦いのパートナーになると見られる(後略)。

garrIndia sets sights on Pakistani camps
Siddharth Srivastava、NEW DELHI

■インド不信のために、パキスタン団結する[081206 Washington Post]

ファテ・ハーンは、テロとの戦争についてほとんど知らなかった。先週ムンバイで170人が死亡したことも知らなかった。しかし、このパキスタン人のタクシー運転手が確信を持っていることがある。3度の戦いを経て、テロリズムではなくインドが、パキスタンの敵である。

「すべてのパキスタン人が、インドを敵国と考えている」と、ハーンが述べた。「パキスタンは常にインドと平和的にやっていこうとしている。しかしインドは平和を無視している」。

ムンバイ攻撃とパキスタンとの関係が浮上するとともに、パキスタンでは古い敵に対して、国家が団結し始めた(中略)。

北西部にいるタリバン司令官からイスラマバードのリベラルなビジネスマンにいたるまで、パキスタンでは愛国心が渦巻いている。インドとの緊張が高まるにつれ、北西辺境州の部族地帯で抵抗運動を行なっているタリバンさえもが、政府に対する支持を誓っている。

今週、武装したイスラーム主義者の指導者数人が、インドと衝突した場合、政府を攻撃するのを辞めて、パキスタン軍とともに戦うことを宣言した。

「パキスタン政府との対立があるかもしれない。しかし、外の力からパキスタンが脅かされれば、協力する」と、南ワジリスタンのパキスタン人タリバン責任者のモーラビ・ナジールが語った。「パキスタン軍とともに戦うために、1万5000人の部族民タリバンからなる軍を組織する」。「インドに自爆志願者500人を派遣して、めちゃくちゃにしてやる」。

協力の約束を、イスラマバードも認識している。ムンバイ攻撃のあと、ISIの幹部がナジールやバイトゥッラー・マフスードからの協力の申し出を歓迎した。

(中略)パキスタンのジャーナリストのラミウッラー・ユースフザイは、ナジールのような武装勢力指導者の間では、反印感情と親パ感情が蔓延していると語る。しかし、インドと対戦するために政府を支持するという組織の発言は、日和見主義的なものにすぎないと忠告した。

「今のところ、これらは声明にすぎない。協力すると言っている。しかし協力する代わりに、軍は部族地帯やスワートでの作戦を中止しなければならないとも述べている」と、ユースフザイは語る。「『ほら、我々は反国家、反パキスタンの組織ではない』と言うタイミングを見計らっている。しかし、政府は気をつけるべきだ。軍を撤退させてはならない」。

ペシャワルのような北西部の一般民は、国家の統一という表現にとまどい、インドの立場に同情的だとユースフザイが語った。今年になって、武装勢力が一般市民数百人を殺害し、一般市民は、政府がパキスタン内部のテロリストを取り締まることに失敗していると見ている。

「ジハード組織を取り締まるべきだと、みんなが感じている」。「彼らの活動がもたらした結果を見てきたために、インドの批判を受け入れざるを得ない」。

金曜日にペシャワルでは車爆弾が爆発し、少なくとも20人が死亡、数十人が負傷した。しかし州政府責任者であるハイダル・ハーン・ホティは、「外部要員」による仕業である可能性があると述べた。つまりインドである。

ムンバイの攻撃の前にもパキスタンは、国内の脅威と国外、つまりインドやアメリカの脅威に、同時にさらされてきた。このような攻撃のために、国民の間ではさまざまな議論が交わされている(後略)。

hoonMistrust of India Forges Sense of Unity in Pakistan
Candace Rondeaux、ISLAMABAD

■アメリカのミサイル攻撃で、3人死亡[081205 AFP]

金曜日にパキスタンの部族地帯がアメリカの無人偵察機のミサイル攻撃を受け、武装勢力3人が死亡した。「アメリカの無人偵察機がミサイルを発射し、ミールアリ郊外で3人が死亡した」と、治安関係者幹部が述べた。

地元政府関係者によると、ミールアリ北部にあるタリバン武装勢力の家が狙われたという。

この攻撃で2人が負傷し、タリバンが攻撃直後に家を包囲して、地元の人々が近寄ることを禁じた(後略)。

hoonThree killed in suspected US missile strike in Pakistan: official
ISLAMABAD

■パキスタン北西部で2件の爆弾事件、27人死亡[081205 AFP]

金曜日にパキスタン北西部で、イードの準備をする者で混雑したマーケットで2件の爆発があり、少なくとも27人が死亡した。

爆発物を搭載した車がペシャワルの中心で爆発して、多数の犠牲者が出た。

21人が死亡、84人が負傷した爆発に先立ち、オラクザイ行政区のマーケットでも車が爆発し、6人が死亡した(中略)。オラクザイの爆発は、シーア派の居住地区でおきた。

ペシャワルの爆発は、キサハニ・バザールの中にあるシーア派モスクの外で起きた。モスクが狙われたのかどうかは、明らかではない。巨大な爆発で、5フィートのクレーターができたという。25キロ爆弾が使用された可能性があると、警察責任者のマリーク・ナヴィードが語った(後略)。

garrTwo bomb blasts kill 27 in northwest Pakistan
Saad Khan、PESHAWAR

■ムンバイ攻撃、平和のきっかけになるか?[081205 BBC]

(前略)パキスタン軍が、パキスタンを拠点とする過激派組織がインド領カシミールに入ることを禁じ始めた2004年、ラシュカレ・トイバ、ジャイシェ・ムハンマド、ハラカトゥル・ムビャヒディンは分裂し、分散していった。故郷に帰ったもの、仕事に就いた者、キャンプに留まり、山中に残った者もいる。

しかし最も若い者と過激な戦闘員たちは、アルカイダやパキスタン人・アフガン人タリバンの仲間となり、パキスタンの部族地帯に入った。

彼らは、アフガニスタンやイラクにいる米軍と戦う、グローバル・ジハード組織となった。その後パキスタン人タリバンが、自身の政治的使命を掲げて権力を握ろう戦い始めると、パキスタン政府や軍を攻撃し始めた。

ムンバイを攻撃した犯人たちは、パキスタン人を含んでいた可能性はある。しかしアルカイダとパキスタン人タリバンによって作られた、国際テロリストと言ったほうがいい。アルカイダやパキスタン人タリバンは、一方ではパキスタン軍に、片やアフガニスタンにいる米軍によるミサイル攻撃の嵐にさらされている。

アルカイダはなんとかここから脱出するための、救済策を考えている。古い敵、インドとパキスタンをテロ攻撃で刺激して、部族地帯から注意を反らすことほど良い考えはないではないか。

そうすればパキスタン軍はインドとの国境に戻り、同時にアメリカとNATO国家は、なんとかこの地域が爆発しないように走り回らなければならなくなる。

注意を反らすことで、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯に沿って存在する過激派の拠点は安全となり、武装勢力が態勢を整えることができる。オバマ次期大統領は、アフガニスタンに2万兵を増員すると宣言しているから、なおさらだ。

ムンバイ攻撃の最大の目的は、アルカイダから注意を反らすための作戦だ。2002年にパキスタン軍がインド軍と対戦するために、アフガニスタンとの国境から撤退したときにはうまくいった。パキスタン軍が撤退したことで、アフガニスタンからアルカイダやアフガン人タリバンは、パキスタンの部族地帯に逃げ込むことができたのだ。

もし両国が軍を対戦させれば、アルカイダが仕掛けた罠にまんまとはまることになる。

パキスタン政府、軍、ISIが今回の攻撃の背後にいるという考えは、現実味がない。経済危機、バローチスタンや北西辺境州の武装勢力、カラチの武力衝突、国家の3分の1に憲法が及ばないような状況の中で、パキスタンはインドとの緊張が高まりに絶えられるはずがない。

パキスタンにも非がある。軍や元陸軍指導者だったムシャラフ大統領が、2004年以後もカシミールの過激派組織を完全に取り締まらなかったこと、またいつまでたっても部族地帯の武装勢力に対処しなかったことに原因がある。軍が部族地帯で作戦を行なったのは、やっと8月になってからである。

ムシャラフは2004年にインドと和平協定を結んだが、軍自体は戦略をなかなか変更しなかった。地元の過激派の問題が禍の元であるこに気づくのが、遅かった。

(中略)インドとパキスタンが、自分たちはアルカイダの注意を反らすための作戦の犠牲者であるこに気がつけば、また国際社会がそれを理解できれば、両国にっては関係を改善するきっかけとなる(後略)。

garrAre Mumbai attacks a chance for peace?
Ahmed Rashid、Lahore

■ムンバイ後遺症、パキスタンを震撼[081205 Asia Times]

(前略)
《過激派の協力》

ジャマット・ウッダーワ責任者のハーフィズ・ムハンマド・サイードは、11月26日にカラチから363キロ離れたスックルにいた。カラチに行く予定だった。しかし27日にムンバイの攻撃が起きた後、急遽ラワルピンディのOffice of Strategic Organizationで開催された会議に出席を求められた。

インド空軍が厳戒態勢にあり、もしインドが戦争を仕掛けてきた場合、どのような対処するつもりかを問われた。サイードは、LETはアラビア海にいるインド海軍に対して最前列で海上作戦を実施し、またインドとカシミールにおける活動を激化させると述べた。また北西辺境州にいる武装勢力たちに、パキスタンの治安部隊を攻撃しないように命じると付け加えた。

同時にインドからの攻撃に備えて、ムザファバードの訓練所はすべて閉鎖された。

イスラマバードで報道陣に対して記者会見を開いたISI幹部が、もしインドが国境に軍を集結させたら、パキスタン軍はタリバンと戦っている北西辺境州からすべての軍を引き上げると述べた。またもしインドが戦いを挑んで来たら、パキスタン人タリバン指導者のバイトゥッラー・マフスードを始め原理主義者たちは、全員パキスタンを支持するだろうとも述べた。

さらにパキスタン人治安軍がスワートから軍を撤退させるための条件を話し合うために、タリバンとの話し合いを率先して実施している。

《ほとんど完璧な計画》

ムンバイの攻撃は、アブドゥス・スバーン・クレイシーのような、アルカイダと関係のある地元過激派(インド人ムジャヒディン)に負うところが大きい。彼が、ユダヤ教センター襲撃を計画した。彼によると、イスラエルの諜報組織、モサドがこれを利用していたという。

このような情報がLETに伝えられ、訓練された奇襲部隊が攻撃を実施した。

アブドゥス・スバーンは、ムンバイの攻撃直後に別の標的を狙う計画を立てていたが、カサーブが逮捕されたことで、LETが背後にいることが暴かれてしまった。

ワシントンはムンバイの攻撃はイスラマバードやパキスタン軍、あるいはISI幹部の仕業ではないと思っているようだ。しかしLETやISI下級関係者が関与したという証拠はない。アメリカは過激派の取り締まりに関して、イスラマバードに圧力をかける。

しかし問題がある。

《過激派、影響力発揮》

北西辺境州の状況は、コントロールできないものになってきた。部族地帯の武装勢力は、北西辺境州にまで入って来た。

過去4日間で、武装勢力たちはペシャワルから60人もの人間を拉致した。ほとんどが退役軍人やAwami National Party(ANP)の親戚である。タリバンはANPや治安組織と関係のある人間多数を殺害した。

いっぽうカイバル行政区を通過するNATO軍のための補給物資を運ぶ車列は、毎日のように攻撃されている。最近では、ペシャワルの中心にある警備の行き届いたターミナルで、コンテナ40台が破壊された。

このような無政府状態の中で、垂直方向の指令系統を持つジャマット・ウッダーワ(LET)は、サイードの一声で、アルカイダと関係する反国家的な存在であるパキスタン人武装勢力の大義名分のために、数千人のメンバーを送り込むことができる。

この反印組織がこれをしなかったのは、パキスタンに対する忠誠心、そしてパキスタンからの得て来た協力のためである。もし政府がLETを引っ掻き回し始めたら、すべてのバランスが崩れ、国内は大変なことになってしまう。

同様にISIの圧力がかかれば、ISIや軍の原理主義者たちから大きな反応が返ってくる。

今のところ政府はこれからの方向性を、明確にしていない。過激派を取り締まるというミュレンやライスの要求に抵抗するなら、パキスタン軍はスワートやバジョールから撤退し、この地域はタリバンたちに明け渡されるだろう。武装勢力たちはインドでさらに攻撃を実施する。

しかし、LETを取り締まることも、同じように危険であり、最悪の自体になる可能性がある。

garrMumbai after-shocks rattle Pakistan
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■スワートでタリバン10人死亡、ANP指導者射殺される[081205 News]

水曜日にスワートのマッタとマラーム・ジャッバ地区で、治安部隊がタリバン10人を殺害した。また何者かが、ディール〜スワート地域のAwami National Party(ANP)の元地方議会立候補者を殺害した。

「軍がマラーム・ジャッバにあるタリバンの拠点を狙い、自爆攻撃の準備をしていた車を破壊した」と、『APP』通信がスワート・メディア・センター報道官の話を引用した。また作戦で、タリバン戦闘員6人が死亡したという。マッタではタリバンの車を攻撃して、戦闘員4人を殺害した。

いっぽうバジョールでは、隊がタリバンから奪回したナワガイ地区のパトロールが開始された。(中略)。

ANPのシャミーム・ハーンが、ミンゴーラで何者かに射殺された。個人的な怨恨のために、殺害された可能性があるという。またスワートのハワザハーラ地域で、「政府のためにスパイ行為をしていた」人間2人が、武装した男たちに殺害された。さらにカーバルでも2人が殺害された(後略)。

hoon10 Taliban killed in Swat, ANP leader shot dead
KHAR/MINGORA/PESHAWAR

■レーマン、タイガー・メーモン、イブラヒムはいないと語る[081205 News]

内務省アドバイザーのレーマン・マリークが、インドから「タイガー・メーモン、ダウード・イブラヒム、モーラナ・マスード・アザール」の3人を引き渡すよう要求されたと述べた。

しかしマリークは、3人はパキスタンにはいないと述べ、さらにタイガー・メーモンとダウード・イブラヒムはインド国籍の人間で、そのような人間がパキスタンにいることは論外だと述べた。またモーラナ・マンスール・アザールに関しては、インドは証拠をパキスタンに提供するべきだと述べた。またパキスタンもインドに、引き渡しを要求する人物のリストを送ったという(後略)。

hoonRahman denies presence of Tiger Memon, Ibrahim
ISLAMABAD

■アフガニスタンでデンマーク兵2人死亡[081204 AFP]

木曜日にアフガニスタンのNATO軍に従事していたデンマーク兵2人が、南部で殺害された。

兵士たちはヘルマンド州のゲレシュクをパトロールしていた際に敵と衝突し、殺害されたという。

徒歩でパトロールを行なっていたところ地雷が爆発し、その後銃撃された。爆発でデンマーク兵1人が死亡し、その後の爆発で、犠牲者を運ぶために到着した兵士1人が死亡した。

(中略)アフガニスタンで死亡したデンマーク兵は、これで18人になる(後略)。

hoonTwo Danish soldiers killed in Afghanistan
COPENHAGEN

■パキスタンの警察、テロに対する戦いに負けつつある[081204 AP]

ムシャタクとイシャーク・アリの兄弟は、1ヵ月前に警察を辞めた。仲間が衆人の前で斬首されるのを見て、恐怖に陥ったからだ。

地元ウルドゥー語新聞社に直行して、警察を辞めたことを公言した。個人広告を掲載するだけの金がなかったために、『The Daily Moon』紙の編集長のラシード・イクバルが、ドキュメントを書いた。イクバルはこのような話を数十回書いている。

「自分たちはもう警察官ではないために殺さないでほしいということを、タリバンに知らせたいだけだ」とイクバルが語る。「自分たちを守ってくれる者は誰もいないことを知っている。特に仲間の警察官は、守ることができない」。

パキスタン北西部の警察は、武器も貧弱で人数も足りなく、武装勢力に対する戦いに敗北している。大人数が死亡し、生存者たちは辞めつつある。警察に対する攻撃は2005年には113件だったのが、去年1820件になった。当時警察官の犠牲者は9人だったのに、今は575人である。北西部だけでも、自爆攻撃や暗殺で、今年になって警察官127人が死亡した。260人が負傷している。

つまり警察は、タリバンやアルカイダに抵抗できないということだ。軍は山中にある彼らの拠点を攻撃することはできるが、武装勢力を取り締まるのは警察でなければならないと、地元政府関係者は語る。人々の心を勝ち取り、秩序を戻すのは、警察でなければならない。

「パキスタンを救う唯一の方法は、北西辺境州の過激主義や武力衝突を法の問題として扱うことだ」と、ハーバード大学のハッサン・アッバスが語る。「F16機を購入するのではなく、パキスタンは警察を近代化するべきだ」。

スワートでは6ヵ月にも及ぶ軍事作戦にもかかわらず、武装勢力たちが爆弾や首切りで人々を恐怖に震え上がらせている。すでに警察官300人が、辞めてしまった。

(中略)パキスタンにいる警官38万3000人は、わずかな給料しかもらってない。北西辺境州の警察を率いるマリーク・ナヴィード・ハーンによると、364マイルごとに警察官1人がいるだけだという(中略)。パキスタンの警察官は、ひと月に80ドル稼ぐだけだ。しかしタリバンの歩兵は、月に170ドル稼ぐ。

死においても、武装勢力のほうが警官よりも恵まれている。自爆犯の家族には、2万ドルが支払われている。いっぽう警察官の家族には、6000ドルだけである。「どこから金が来る?」とハーンが尋ねる。アフガニスタンの麻薬商売からだろうという(後略)。

hoonPakistan police losing terrorism fight
KATHY GANNON, BADABER

■インド、パキスタン人首謀者の名前を明かす[081204 AP]

パキスタン人過激派組織は2007年頃にインド人工作員を派遣して、ムンバイ攻撃のための下見をさせていたと、木曜日にインド政府が発表した。

(中略)逮捕されたカサーブが警察に肩ったところによると、自分はパキスタンの過激派組織ラシュカレ・トイバに攻撃を命じられたと述べ、2人の首謀者の名前を挙げたという。そのうちの1人はザキ・ウル・レーマン・ラハヴィだという。ラハヴィは作戦指導者で、今回の攻撃を実行するために自分が選ばれたという。さらに別の指導者、ユースフ・ムザマミールとは船でムンバイに向かっている間に、衛星電話で話したという。

これらの情報から、別のラシュカル工作員、ファヒーム・アンサリが浮上してきた。アンサリはインド人で、2月に北インドで、ホテルや駅など、今回のムンバイの攻撃があった場所の手書きのスケッチを持っていたことで逮捕されたと、ウッタル・プラデシュ警察の特殊部隊責任者、アミタバー・ヤーシュが述べた。

取り調べで、アンサリもパキスタンにおける工作員としてムザマミールの名前を出し、ムザファバードにある訓練所で訓練を行なっていたと語っている。カサーブも訓練を受けたと話している場所である。

パキスタンのラーマン・マリーク内相は、ラハヴィやムザマミールに関する情報はないが、調べてみると述べた。

アンサリは「ボンベイ南部を攻撃するラシュカレ・トイバの計画について語った」と、ヤーシュが述べた。「攻撃が実行される予定だった8〜9ヵ所の名前を挙げた」と述べ、現場の詳しい地図や逃走路をスケッチして見せたという。

アンサリは2007年秋に米大使館、株式会場など、今回攻撃を受けなかった場所も偵察したという。

現在アンサリはインドに拘束されていると、ヤーシュが述べた。ムンバイの攻撃を実行した犯人たちが、「現場を詳しく把握していた」ことに関して、アンサリが何らかの役割をはたしているかどうか、調べていくという。

ヤーシュによると、アンサリはムンバイを偵察し、ラシュカレ・トイバの過激派たちに隠れ家を手配し、どのように組織と関係していたか、その詳細を語ったという。

アンサリは、ドバイの印刷会社で働いていたときに、ラシュカレ・トイバと関係を持った。海路パキスタンに連れて行かれ、ムザファバードのラシュカルの訓練所で訓練を受け、パキスタンの偽造パスポートと市民権証書を取得した。逮捕時に、これらは警察に押収された。

2007年にアンサリはネパールのカトマンドを訪れ、そこからインドに戻り、ムンバイに落ち着いた。そこで偵察を行なったという。

2月10日に北部の町、ランプールでイスラーム過激派が警察のキャンプを襲撃して警察官8人が殺害されたあとに、逮捕された。武器を集めてムンバイに持っていくために、ランプールにいたという。

アンサリが逮捕されても、攻撃は実行された。別の方法で攻撃を行なったのだ。「ボンベイの組織が摘発されたことがわかると、別の方法で作戦を実行した」という。

いっぽう警察は、カサーブからできる限りの情報を引き出そうとしている(中略)。インドの警察は、「自白剤」を用いるなど、欧米では虐待として使用を禁じられている取り調べ方法を行なっている。

(中略)木曜日の米財務省は、ラシャヴィを含むラシュカレ・トイバの指導者4人をテロリストと名指しし、アメリカにある銀行口座の凍結を命じた。テロリストに指名されたのはラシュカレ・トイバ指導者のムハンマド・サイード、財務責任者のハッジ・ムハンマド・アシュラフ、組織の会計係マフムード・ムハンマド・アフマッド・バシャジクである(後略)。

smellIndia names Pakistani masterminds, date plot to 07
SAM DOLNICK、NEW DELHI 

■パキスタン北西部で、武装勢力警察2人を殺害[081204 AFP]

パキスタンの北西部で武装勢力がロケット弾と銃を使用して、警察官2人を殺害した。

警察官のタージュ・ディンによると、バヌーの検問所に対する攻撃で、この他に政府関係者1人が負傷したという。犯人たちは銃撃戦のあとに逃走した。

hoonMilitants kill 2 police in northwestern Pakistan
MIRAN SHAH

■アフガニスタンで2重自爆攻撃、5人死亡[081204 AFP]

木曜日に諜報組織の対麻薬対策本部の前で2重の自爆攻撃があり、少なくとも5人が死亡、10人が負傷した。

自爆犯がトヨタのピックアップトラックを、コースト州のNational Directorate of Security(NDS)に激突させ、従業員2人を殺害した。「車爆弾により、諜報組織の職員2人が死亡、3人が負傷した」と、コースト州副知事のタヒール・ハーン・サバリが述べた。

これとは別にアフガン軍の制服を着てAK47を持った自爆犯が、併設された麻薬対策本部の建物に入ろうとしたが、警察に阻止されて撃たれた。「警察が撃ったところ体に取り付けた爆発物が爆発し、警察官3人が死亡、7人が負傷した。そのうち3人が一般市民である」と、サバリが語った。

サバリによると、軍の制服を着たもう1人の男の行方を追っているという。男は、最初の自爆攻撃の直後、NDSの建物に入り込んだのを目撃されている。

(中略)タリバン報道官のザビブッラー・ムジャーヒッドが犯行声明を出し、3人が関与したと述べた。「コースト州で3人の自爆攻撃者が自爆した。諜報組織副責任者が標的だった」という(後略)。

hoonDouble suicide attacks kills five in Afghanistan: official
KABUL

■アメリカ、元ISI関係者4人のテロリスト指名を希望[081204 News]

アメリカは、ハミッド・グルを含む元ISI関係者4人の名前を、国連安全保障会議に国際テロリストリストの中に入れるよう要求している。

パキスタン政府はこの動きを把握しており、一部の者たちは、ISIを標的にしようとする国際社会の陰謀だと捉えている。

イスラマバードの米大使館は、この動きに関して全く関知していないと述べており、外務省報道官も何も述べていない。

しかしハミッド・グル元中将は、ISIの元関係者4〜5人とともに国際テロリストのリストに入れられ、リストは米政府により国連に提出されたと述べた。この件に関して、外務省関係者と会い、問題を話し合っているという。外務省の情報源も、この件に関して首相の事務所に伝えてあるというが、今のところ何の進展もない。

ワシントンの外交筋が語ったところによると、安全保障委員会の5人のメンバーすべての同意が必要であるために、リストに挙げられた名前を撤回するのは難しいだろうという。

(中略)このリストが受け入れられれば、名前の挙った者たちは国外に出ることは制限され、銀行口座も監視されるという(後略)。

hoonUS wants four ex-ISI officials declared terrorists
Ansar Abbasi、ISLAMABAD

■スワートの武力衝突で兵士を含む4人死亡[081204 News]

水曜日にスワートでは再び武力衝突があり、4人が死亡した。

一部のテレビニュースで、内務省情報源の話として、テヘリーケ・タリバン・パキスタンのモーラナ・ファズルッラーが作戦で死亡したと報道しているが、これは確認されていない。

「今彼と話したが、彼は生きており、安全な場所にいる」と、武装勢力指導者に近い関係者が述べた(中略)。スワートの武装勢力報道官も、スワートの武装勢力責任者が死亡したという報告を否定した。「彼は生きている。話題にしようとして、つまらない話を流している。我々戦闘員の意気をくじこうとするものだが、そのようにはならないだろう」と、報道官が述べた。

軍関係者も、彼が死亡したことを認めていない。治安部隊はジェット戦闘機や戦闘ヘリコプターを使用して、ファズルッラー一味がいると思われるペオチャールの拠点を攻撃している。

一方軍報道官によると、治安部隊の車列がカーブルのカンジュ地域で武装勢力に襲撃され、兵士1人が死亡、2人が負傷した。その後この地域で作戦が実施され、武装勢力21人を逮捕し、武装勢力の家2件を爆破した(中略)。

ミンゴーラでは、武装勢力が学校の教師たちに、学生たちがイスラーム風の髪型と服装をすることを強制するよう要求した。またチーナ・マーケットで女性が買い物をすることを禁じた(後略)。

hoonSoldier among four killed in Swat violence
Musa Khankhel & Delawar Jan、MINGORA/PESHAWAR

■ムンバイの攻撃、パキスタンの武装勢力を取り締まる能力を試す[081203 New York Times]

ムンバイのテロリストとパキスタンの過激派組織との関係は、パキスタンの新政府にとって大きな試金石となっている。過激派を取り締まることができるのか、取り締まる意志があるのか。

ザルダリ大統領は、パキスタンが攻撃に関与している明らかな証拠はないと述べ、米政府関係者も、今のところ政府に直接働きかけていない。しかし木曜日にライス国務長官がイスラマバードを訪れ、政府に過激派組織ラシュカレ・トイバに対する取り締まりを迫った。

ラシュカレ・トイバは公的には活動を禁じられ、数年間姿を表わしていない。この組織は、パキスタンの諜報組織と長い歴史がある。ムンバイ攻撃に関与した証拠が、だんだん明らかになってきた。

ワシントンの国防相関係者が語ったところによると、米諜報アナリストたちは、パキスタンのISIと軍が、ムンバイの犯人たちを訓練することに協力したと疑っている。

またインド警察によると、逮捕された犯人、ムハンマド・アジュマル・カサーブが取締官たちに、パキスタンで少なくとも4つの訓練所で1年半訓練を受け、その間ラシュカレ・トイバの指導者、ムハンマド・ハーフィズ・サイードに会ったという。

さらに欧米関係者によると、犯人が別のラシュカレ指導者であるユースフ・ムザームミールが計画の首謀したと述べ、ラホールから犯人たちに電話をかけたという。

インドの捜査官たちは、ラシュカレを非難する。アメリカもアフガニスタンにいる兵士たちを脅かすパキスタンの過激派組織を取り締まりたがっており、インドと利害関係が一致している。

「純粋軍団」という意味のラシュカレ・トイバは、現在堂々とラホールで活動している。この過激派組織はパキスタン領カシミールとパキスタンの部族地帯にキャンプをを設営し、カシミールで活動する組織から、グローバル・ジハード団に変わろうとしている。外国人を標的に入れたムンバイの攻撃は、組織が拡大していることを反映しているといえよう。

63歳のサイード氏は、商業街にあるクリーム色のモスクを併設する巨大な建物に住んでいる。外には、Center of Qadsisiyahという看板がかかっている。これは7世紀にアラブ人がペルシア人を制服した、勝利の地にちなむ。

サイード氏の報道官、ムハンマド・ヤハヤ・ムジャーヒッドは水曜日に、サイード氏がムンバイの攻撃に関与していた事実はないと述べた。インドがパキスタン政府に、彼が他の19人とともに引き渡す事を要求してきたことを、「プロパガンダ」と表現した。「インドが彼を欲しがっているのは、カシミール問題と水源のせき止めに関してインドを脅威に陥れているからだ」と述べた。インドが、パキスタンに水が流れ込むのをせき止めていることに言及しての発言である。

ラシュカレ・トイバの一般向けの顔であるジャマット・ウッダーワは、マドラッサの運営や慈善活動を行ない、ラホールから15マイル離れたムリドケに、75エーカーもある建物を維持している。9.11以後「環境が変わり、政府との関係が悪化した」という。

欧米の諜報関係者によると、ラシュカレは1989年に、ISIの協力を得て発足し、サイード氏が責任者となった。現在ISIとの関係がどのていど残っているかは、議論されている。ISIに批判的なパキスタンの批判家は、ISIはいまだにラシュカレを守っていると主張する。

カシミールでインドと戦う代理軍として組織されたが、その後世界各地で活動するようになった。現在はバングラデシュ、アフガニスタン、パキスタンの部族地帯に支部組織がある。イラクに向かった戦闘員もいるという。

組織がアルカイダの影響を受けているかどうかは、明らかではない。「直接関係があるというわけではない。しかしアルカイダから学び、模倣影響や接触があると考えられる」と、米政府幹部関係者が述べた。

インドの治安組織関係者は、ラシュカレはいまだにインド領カシミールで活動しているが、武力衝突は小康状態になっているという。

ムンバイで逮捕されたガンマンの取り調べや元ラシュカレ戦闘員の話から、ムンバイの攻撃がどのように計画されたかが、わずかながら見えてきた。

ムンバイ警察責任者のラケシュ・マリアによると、逮捕されたガンマンのカサーブは、パンジャーブのファルドコット出身だという。労働者の息子で、4年生で学校からドロップアウトして、兄がいたラホールに移り、日雇い労働者になった。

そこでラシュカレに勧誘された。彼が行った訓練所のひとつが、カシミールの中心であるムザファバードである。それぞれのキャンプには、だいたい25人、あるいはそれ以上の人間がいたと、ムンバイ警察本部長のデヴェン・バールティが語った。これらの人間は、インドを始め、どこかを攻撃するために訓練を重ねているかどうかは、わからない。「可能性はある」とパールティ氏は語る。

カサーブは、武器を扱い方や航海術、サバイバル・テクニックを訓練された。目標地のグーグル・アースの地図やビデオを見せられた。ラシュカレ指導者のサイードが、扇動的なスピーチをしたこともあったという。パレスチナからイラク、カシミールに至る、汎イスラームの苦しみを語ったという。

(中略)カサーブは、首謀者たちに関してはほとんど何も知らないという。別の標的を攻撃する計画があったのかどうかも、知らなかった。「歩兵にすぎない」と、バールティが述べた。

(中略)ラシュカレの元戦闘員によると、組織の訓練士はメンバーの名前を数ヵ月に一度変えたという。これは、組織のメンバーの素性をわからなくするためである。だからパキスタンの捜査官たちは、ファリドコットにいるカサーブの家族を探し出すことができずにいる。

『Times』に語った元戦闘員はパキスタンの部族地帯出身で、2000年にラシュカレ・トイバに参加したという。8ヵ月後に「イデオロギー上の理由」から、別の過激派ジャイシェ・ムハンマドに移った。

この男によると、ラシュカレのイデオロギーに賛同したパキスタン軍元関係者が、ボランティアとして組織に参加していたという。ラシュカレのメンバーの中には、FATA、特にモーマンド行政区に移った者たちがいるという。組織はインドとの戦いに従事しているが、さらに標的を広げ、南アジア、中央アジアにイスラーム国家を作ることを目標としている。

1989年に結成された当時、ビンラディンが資金を提供していたと報告されている。2002年以来、ラシュカレの訓練士たちはアルカイダやアフガニスタンタリバンと密接なつながりを持っていると、過激派の専門家であるランド研究所のセス・ジョーンズが語る。

アフガニスタンで活動する組織のメンバーの数が、去年急に増えた。「少人数の戦闘員が、タリバンなどの地元アフガン人組織とともに活動して、地上での戦闘経験を積んだり、戦術やテクニックなど向上させようとしている」とジョーンズが語った。

ラシュカレは2002年に、アメリカの圧力のために活動を禁じられた。それ以来サイード氏はラシュカレから離れたと、彼の報道官のムジャーヒッド氏が語る。ラシュカレは現在カシミールで戦うための「作戦部門」であり、戦闘員たちはサイード氏の支配下にはないという。

ラシュカレの作戦司令官を知っているか、ムジャーヒッド氏に尋ねたところ、カシミールにいるために知らないと述べた。またムンバイの作戦の責任者だとインドが名指ししているムザマミールという名前を尋ねたところ、何も知らないと答えた。「カシミールに興味がある者は、全員カシミールに行った。するべき事をしている」。

smellMumbai Attack Is Test of Pakistan's Ability to Curb Militants
JANE PERLEZ and SOMINI SENGUPTA、LAHORE

■パキスタンの空爆でタリバン30人死亡[081203 AFP]

水曜日にパキスタンの部族地帯で空爆が実施され、タリバン戦闘員30人が死亡した。

モーマンド行政区にある武装勢力の拠点を、戦闘ヘリコプターが攻撃した。「報告によると、武装勢力30人が死亡した」と、治安関係者が述べた。「武装勢力の拠点2ヵ所、訓練所と武器庫が空爆で破壊された」という(後略)。

hoonPakistani air strikes kill 30 Taliban militants: security official
PESHAWAR

■仏援助活動家、アフガニスタンで解放[081203 AFP]

1ヵ月前にカブールで拉致されたフランス人援助活動家が、水曜日に解放された。1週間前に、捕虜が命乞いをするビデオが出回ったばかりである。

Solidarite Laiqueの活動家、ダニー・エグラトーが水曜日に、カブールのフランス大使館に到着した。どのような状況で解放されたかは、わかっていない。「彼は自由になった。アフガン治安部隊の尽力で解放された」と、アフガン内相報道官のゼマライ・バシャーリーが述べた(中略)。

エグラトーはアフガニスタンに到着した1週間後に、カブールの住宅街を歩いているところを武装した3人の男に拉致された。彼が連れて行かれるのを阻止しようとしたアフガン人が、殺害されている(後略)。

hoonKidnapped French aid worker freed in Afghanistan
Thibauld Malterre、KABUL

■パキスタンで自爆、4人死亡[081203 Reuters]

水曜日にパキスタン北西部で、自爆犯が車で軍の車列に激突して兵士3人と通行人を殺害したと、警察と住民が述べた。

ペシャワルから32キロ離れたモーマンドの近くで、自爆犯がパキスタン軍を攻撃した。「攻撃のあと車が炎上し、治安関係者3人と一般市民1人が殺害されたと報告されている」と、警察関係者が述べた。店員のアブドゥル・カディールによると、爆発のあと軍が発砲したが、犠牲者はいないという。

これに先立ち水曜日の朝、軍が大砲とジェット戦闘機を用いて、モーマンドの武装勢力の拠点を攻撃した。犠牲者の報告はない。これまで武装勢力との戦いは、スワートとバジョールで行なわれていた(後略)。

hoonSuicide car-bomber kills four in Pakistan
PESHAWAR

■ガンマン、犯行にテクノロジーを駆使[081203 Washington Post]

インドの捜査陣や警察によると、重装備の犯人たちは衛星利用測位システム(GPS)を利用して海路、ムンバイに向かった。ブラックベリー、グーグル・アースの地図のような高解像度の衛星写真を入れたCD、追跡を難しくするために抜き差し可能のSIMカードがついたマルチ携帯電話を使用した。衛星電話も使用。テレビ番組は、若者がテロ攻撃をする様子を映し出した。ガンマンが立て籠ったホテルの部屋には、テレビがつけられていたと、目撃者が語っている。

これが、デジタル時代のテロリズムである(中略)。攻撃に関する情報はテレビ、携帯電話、インターネットに流れ、町を恐怖に陥れた。しかしこれは犯人たちが、自分たちの攻撃の矛先を広げるため、さらに自分たちの素性を隠すためにも利用された。

「両陣営ともテクノロジーを利用した。テクノロジーがなければ、テロリストたちは攻撃できなかった。彼らは船乗りではなかった。GPSがなければ、カラチからムンバイには来られなかった」と、ニューデリーの経済リサーチセンターのパルササラシーが語る。「現代生活における現実として、ホテルに閉じ込められた親戚と連絡をとるためにメールを送り、対抗するためにインターネットを使用した」。

犯行の最中、デカン・ムジャヒディンと名乗る組織が、メディアにEメールを送った。このメールを辿ると、モスクワのサーバーに行き着いたと、テロ専門家のパルヴィーン・スワミが語った。その後メッセージは、パキスタンのラホールから送られたことが明らかになった。Eメールは、ウルドゥー語の音声認識ソフトを使用していた。綴りやアクセントを「伏せる」ことで、警察が自分たちの民族や地理的情報がわからなくするためである。

ガンマンがリーダーたちと通信するときは衛星電話を使用し、ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル(VoIP)を使用し、追跡を困難にしたという。そして現場では捕虜から携帯電話を奪い、互いの居場所を確認し連絡を取り合った。

ガンマンたちは常にテクノロジーを使用して、戦術的に有利にもっていった(中略)。

逮捕されたガンマン、アザーム・アミール・カサーブによると、攻撃に先立ち目的地のビデオや衛星写真を見せられたという。

(中略)捜査班や目撃者によると、犯人たちは常にテレビをつけていた。ブラック・キャット特殊部隊がヘリコプターからユダヤ教センターの屋根に落下していく様子をテレビが映し出すと、ムンバイ政府は45分間中継を止めた。犯人たちが映像を見て、特殊部隊を襲撃することを恐れたからだ。

さらにいくつかのテレビ局は、レポーターに中継を止めるように命じた。「ライブが行なわれていた」。「テロリストたちが自分たちに有利にテレビを使う可能性があるなら、それに対抗しなければならない。国家が危機に瀕しているときに、スクープはあってはならない」と『Time Now』のチーフ・ディレクターのアルナッド・ゴスワミが述べた。

しかし、中継がなくなると住民たちはパニックに陥って抗議が殺到したために、民衆に情報を与えることで治安部隊の命が危険にさらされるか、ゴスワミは判断することを迫られた。

ムンバイ攻撃は、ブログやYouTube、Twitterのようなウェブが利用され、絶えず情報が発信された。ナリマン・ハウスの近くに泊まっていたバックパッカーの若者たちは、Twitterで実況中継を行なった(後略)。

ohGunmen Used Technology as A Tactical ToolMumbai Attackers Had GPS Units, Satellite Maps
Emily Wax、NEW DELHI

■アメリカとインド、過激派とパキスタンの関係を指摘[081202 New York Times]

アメリカとインド政府は火曜日、パキスタン国内の過激派がムンバイの攻撃を指示したことに疑いはないと述べた。インド政府関係者は、今回の攻撃の首謀者4人を突き止めたと述べ、パキスタンに行動するよう圧力をかけていくという。

(中略)攻撃計画の詳細が、火曜日にさらに明らかになった。逮捕された過激派が警察に語ったところによると、首謀者の1人はインド政府も知る指名手配者、パキスタンの過激派組織であるラシュカレ・トイバのリーダー、ユースフ・ムザミールだという。

(中略)ムザミールは組織の作戦司令官であるザキウル・レーマン・ラキヴィの腹心であり、犯人たちがタージとオベロイホテルを占拠中、衛星電話で会話を交わしたという。

犯人たちは、殺害した犠牲者の携帯電話を使用して、パキスタンにいると思われるムザミールと会話を交わしている。

証拠が出てくるにつれ、アメリカはパキスタンとインドとの間の緊張を緩和するための方策を模索している。関係者によると、パキスタン政府が作戦に直接関与していた証拠はないというが、テロリストたちが外部からの協力があったかどうか、証拠を探しているという。

「LETの仕業であることは疑いない。しかしそれ以上のことを知る必要がある」と、米政府関係者が述べた。

(中略)ムンバイ警察責任者のハッサン・ガフールが報道陣に語ったところによると、10人の武装した若者たちは、元軍関係者から訓練を受けたという。犯人たちはカラチから3日かけて、海路でムンバイに来た。逮捕された唯一の犯人は、自分がパキスタン出身であることを自白したという。

逮捕された容疑者は、仲間9人のあだ名しか語っていないが、ムンバイ警察は、全員がパキスタン人だと主張している。全員同じ場所で訓練を受け、自爆を命じられたという。

まだ特定の犯罪者や地元の協力者との関係は浮上していないが、ガフールによると、犯人たちはインド人になりすまし、地元の不満分子を装っていたという。

犯人たちは大学の身分証明者を持っていたと、警察が述べた。犯行の早い段階でインドのテレビ局に電話をかけ、2002年にグジュラート州で、ムスリムがヒンドゥー教徒に襲撃されて1000人が犠牲になった事件など、インド人ムスリムの不満を訴えていた。

さらにオベロイのカンダハル・レストランで食事をしていた人が犯人たちに、「我々が何をしたというのだ」聞いたところ、「ゴドーラで何をした」と問い返したという。ゴドーラはグジュラートの町で、ここで宗教抗争が始まった。そのあと犯人は、この質問をした人間を射殺したという。

「犯人たちの意図は、地元で育ったテロリズムであることを印象づけることだった」と、取り調べを率いるラケシュ・マリアが火曜日の夜に語った。

月曜日にインド外務省がパキスタン大使を召喚して、テロ攻撃に関与したとして指名手配になっている20人の容疑者のリストを手渡した。パキスタン情報相のシェリー・レーマンは、政府は「検討する必要がある」と述べた。

パキスタンの指導者たちは、ミュレン米総督がパキスタンに到着するのを待っている様子である。ライス国務長官は、火曜日にイスラマバードに到着予定である。

20人のリストの中には、犯罪組織のボスであるダウード・イブラヒムが含まれている。ダウードは、1993年にムンバイで起きた一連の爆弾事件の首謀者とされる。

名前が挙っている他の人間としては、1999年に起きたインド航空機ハイジャック事件で、捕虜と交換にカンダハルで釈放されたパキスタンの過激派組織、ジャイシェ・ムハンマド責任者のマンスール・アザールが挙げられる。

さらにラシュカレ・トイバ指導者のハーフィズ・ムハンマド・サイードがいる。サイードは、現在ラホールに住んでいる。2002年にラシュカレ・トイパがパキスタンで活動を禁じられると、サイードはジャマート・ウッダーワと組織を改称して活動している。

火曜日に『Geoテレビ』とのインタビューでサイード氏は、ムンバイの攻撃に全く関与せず、犯人たちに攻撃許可も出していないと述べた。「インドは何の証拠もないのに、いつも私を非難する」と述べた。ジャマート・ウッダーワは慈善団体の形を取り、パキスタンではサイード氏は「原理主義の許容できる顔」として認識されている。

(中略)さまざまな証拠が出てくるとともに、過激派組織の取り締まりに関して、パキスタンに圧力がかかりつつある。

地元警察官のアショック・パワールによると、ホテルの2階にある警備室で、犯人たちの行動を監視する事ができたという(中略)。犯人たちは何度も長電話をしていたという。

警察責任者のガフールによると、誰と話していたかは現在捜査中であるが、犯人が属する組織の人間と話していたことは明らかだという。犯人たちはすぐに監視されているのに気がつき、カメラを壊した。警備室に手榴弾を投げて銃撃を始めた(後略)。

smellU.S. and India See Link to Militants in Pakistan
Ruth Fremson

■アルカイダの「ハイジャック」からムンバイ攻撃[081202 Asia Times]

ISIがここ数ヵ月間計画していたカシミールに対する極秘攻撃が、先週のムンバイ攻撃に転じた。当初の計画が、ラシュカレ・トイパ(LET)に乗っ取られてしまった。

情報によると、9.11以前、ISIはインドに対する作戦基地として、いくつかの場所を確保していた。そのひとつがムザファバードである。ここからインド領カシミールで作戦を実施する。(中略)次がネパールとバングラデシュである。両国を経由して、武器がインドに密輸され、ここからカシミール以外のインド領内で、ゲリラ作戦が実施される。

9.11以後、パキスタンはアメリカの圧力のせいでムザファバードを手放した。さらに最近ネパールで毛派の勢力が拡大したことで、ネパールにおけるISIの活動も停滞した。バングラデシュでも政府が交代して、状況が変化した。

基地として残ったのが、唯一、港町カラチである。ムザファバードの活動家たちは、カラチに移動した。海軍特殊部隊のPNSが過激派たちを訓練し、アラビア海やインドのグジュラートに派遣された。

その頃ワシントンはインドとパキスタンの対話を仲介し、その結果、見かけ上平和になった。ISIは過激派たちに、命令が下されるまで地下に潜るように指示した。

しかし、そのようにはならなかった。ISIにとって最も重要なラシュカレ・トイバ(LET)は、9.11以後分裂した。上層部はアルカイダと結託した。ISIの息がかかった、インドで作戦を行なうLETに資金提供をしていたカラチの百万長者のビジネスマン、アリーフ・カシマニが、ダブル・ゲームを演じていたとして逮捕された。彼はISIに協力しながら、アルカイダ武装勢力に武器や爆発物を購入するための資金を、南ワジリスタンに送っていた。

バングラデシュとともに、パキスタン全国で活動していたISIの駒、ハラカトゥル・ジハード・アルイスラミは、ハラカトゥル責任者のモーラナ・イリヤス・カシミーリが2004年1月にパキスタンの治安部隊に逮捕されたために崩壊した。カシミーリはインドで2年間服役したことがあり、カシミールに武器を密輸していた。彼は2003年12月に、当時大統領だったムシャラフの車列が自爆攻撃を受けた事件と関係があったとされる。

カシミーリは逮捕された30日後に釈放されたが、その後カシミールの独立のための活動を放棄し、家族とともに北ワジリスタンに移った。彼がカシミールの闘争からアフガニスタンの抵抗運動に転じたことは、カシミールのキャンプにいた者たちに宗教的な影響力を及ぼし、多くの者が外国軍と戦うアフガニスタンの戦争に参加するようになった。パキスタン人ジハード志願者数百人が、南ワジリスタンに小さな訓練所を開いた。

ほとんど同時にバングラデシュのハラカット組織はISIから離れ、アルカイダに接近した。これが、ムンバイ攻撃につながっていく。

これまでインドは、アルカイダの標的になったことがなかった(中略)。当時ISI長官だったパキスタン陸軍長官キアニ将軍の指示のもとで、カシミールの闘争に協力する極秘計画が進んでいた。パキスタンは表立った作戦は控えていたが、カシミール運動が完全に休止しないように、武装勢力たちに何らかの協力は続けていたからだ。

キアニが陸軍参謀長になってから、ナディーム・テージ中将がISI長官になった。彼の指揮のもとで、キアニの計画が引き継がれ、LET過激派数十人がマンガラ・ダムの近くで訓練されていた。彼らは海路でグジュラートに送られ、そこから作戦を実施するためにカシミールに向かった。

いっぽう、全国民の関心がその後パキスタンの部族地帯に移り、2ヵ月前のISIの人事異動により、この極秘計画も中止になた。ISI長官も交代したために、下級ISI(少佐クラス)とLETの司令官代表、ザキウル・レーマンが「ゲーム」を続けることになった。

ザキウルは計画を構築するために、カラチで2ヵ月過ごした。しかし今やアルカイダの手の中にあるインドとバングラデシュのハラカットは、いくつかの計画変更を要求してきた。カシミールを攻撃するのではなく、地元のネットワークを使用してムンバイを攻撃する。欧米人やユダヤ教社会が標的になった。

ザキウルと、幹部とは繋がりがないカラチのISI実行部隊はこの計画を受け入れ、10人の男たちをムンバイに派遣することになったのだ(後略)。

garrAl-Qaeda 'hijack' led to Mumbai attackが、
Syed Saleem Shahzad、MILAN

■パキスタン、危機がつのればアルカイダとは戦えないとパキスタン[081201 Guardian]

パキスタンの諜報関係者が、インドが東の国境に軍を送った場合、イスラーム武装勢力に対する軍事作戦は中止すると警告した。

地元報道陣に対する記者会見で、ここ数日間が重要な時期であり、場合によっては「テロとの戦争」に従事する全ての兵士撤退させ、インドとの「不要の戦い」に備えると、諜報組織関係者が述べた。「インドからの脅威を受ければ、西の国境には、1人の兵士たりとも残さない」という。

(中略)「これらの声明は、アメリカが問題緩和のために介入することを望んでいるというメッセージだ。インドがこの機に乗じて国境問題に関与してくれば、我々は我慢しない」ということを表明していると、ラホール大学の経済学教授、ラスール・バカーシュ・リイースが述べた。「インドと武装勢力のどちらかと戦うとなったら、パキスタンはインドと戦うと言っているのだ」。

(中略)イスラマバードは、ムンバイの事件の取り調べのためにISI長官を派遣するという約束からも、一歩退いた。ギラニ首相はインドにシュジャ・パシャISI長官を派遣することを約束していたが、パキスタンの軍と文民政府との間の差異が表明したと、地元アナリストが語る。

パシャの代わりに、下級関係者が派遣されるこになっている。「ISI長官を派遣したがったことから、文民政府は協力的だったことが伺われる」と、ワシントンとブリュッセルの元大使だったタリーク・ファテミが語る。「しかし、パキスタンの現実を無視して決議がなされた。つまり、軍や他の政治関係者の意見を聞かなかった」。

パキスタン政府報道官のムハンマド・サディークは、このような緊張があることを「でたらめ」と語る。「何もかもが協力態勢にある」という。

パキスタンは国際世界の協力を呼びかけている。昨日はシャー・マフムード・クレイシー外相が、中国、トルコ、アラブ首長国連邦の外相、さらにEUの外交責任者ジャヴィエール・ソラナと電話で話した。パキスタン側は、インドは攻撃に関してイスラマバードを攻撃するのが早すぎたと主張している。ニューデリーは、パキスタンをスケープゴートに使い、国際社会の捜索を依頼していると捉えている(後略)。

hoonPakistan warns west: we cannot fight al-Qaida if crisis escalates
Jason Burke、Islamabad

■NATO軍トラック、パキスタンで攻撃される[081201 AP]

武装勢力が月曜日に、アフガニスタンにいる欧米軍にハムヴィーを輸送していたトラックを攻撃して、2人が死亡、物資多数が炎上した。

(中略)ペシャワル郊外にあるファイサル・ターミナルは、車や備品などを運ぶトラックの駐車場になっている。ここでトラック12台が破壊された。『AP』テレビが、トラックに搭載されたハムヴィー2台が炎上している映像をとらえた。

アフガニスタンの欧米軍に運ばれる備品の75%が、アラビア海経由でカラチに荷揚げされ、パキスタン経由で輸送される(後略)。

hoonNATO trucks attacked in Pakistan; bomber kills 8
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■パキスタンの爆弾で「9人」死亡[081201 BBC]

スワートで車を使った自爆攻撃があり、少なくとも9人が死亡したと軍関係者が述べた。

爆発は、ミンゴラの治安部隊検問所の近くで発生した。少なくとも40人が負傷した。犠牲者全員が一般市民だったという。

(中略)関係者が語ったところによると、ミンゴラの自爆犯が渋滞を避けて測道から検問所に向かっていたところ、途中で時期尚早に爆発した。

hoon'Nine dead' in Pakistan bombing

■アフガニスタンの自爆攻撃で10人死亡[081201 BBC]

ヘルマンド州で自爆攻撃があり、警察官2人を含む10人が死亡した。

ムサカーラでの攻撃で、20人以上が負傷したと、州警察責任者のアサドゥッラー・シェイルザードが述べた。自爆犯は、混雑したマーケットの中で警察の車を狙い、自爆したという。

(中略)これとは別にガズニ州では、銃を持った男たちに知事が射殺されたという。アブドゥル・ラヒーム・デシワールが、自宅を出た所で射殺された(後略)。

hoonTen die in Afghan suicide attack

■インド、パキスタンに抗議[081201 BBC]

インド政府はムンバイの攻撃を正式に抗議するために、パキスタン大使を召喚した。インドは200人を殺害した過激派は、パキスタンとのつながりがあったと繰り返し主張している。イスラマバードは、関与を否定した。

(中略)報告によると、犯人たちが上陸する際に使用した船に、15人分の所持品が残されていたという。このことにより、犯人が全員発見されたのかどうかが、問題になってきた。

身元が明らかになった過激派のうちの1人、アッザーム・アミール・カサーブは、攻撃者は15人だったと自白しているという。

『Hindustani Times』によると、2月に逮捕されて取り調べを受けたラシュカレ・トイバの過激派が、タージハマール・パレス、オベロイ・トライデントホテルなどのファイブ・スター・ホテルを、去年の12月に偵察したことを自白していたという。この過激派は、情報を組織の作戦司令官に報告した。

さらに『ロイター』によると、マハラシュトラ漁民会のダモダール・タンテルの話として、海経由でムンバイにRDX爆発物を運び込もうとしている気配があると政府に忠告していたのに、政府からは何の反応もなかったという(後略)。

hoonIndia makes protest to Pakistan

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.