【2008年12月8日〜12月14日】


■英、パキスタン人将軍の暗殺犯の捜査に協力か[081214 Sunday Times]

イギリスの小説家でノーベル賞受賞者でもあるV. S. ナイポールの義理の弟が、先月タリバンと取り引きを行なったパキスタンの陸軍将軍の名前を暴こうとしたために、暗殺された。

パキスタン特殊部隊の元責任者だったファイサル・アラヴィ少将の妹のナディラは、ナイポール婦人である。アラヴィは陸軍長官に、2人の将軍の名前を暴露する手紙を書いた。「すべての証拠を提供する」と、警告した。

命が狙われることを恐れたために私に手紙のコピーを託し、万が一自分が殺害された場合公表するように言った。その直後、手紙の返事はないとも言っていた。

「うまくいかなかった」と彼は言っていた。「きっと撃たれる」。その4日後、イスラマバードを車で走っていると別の車に制止され、少なくとも2人のガンマンに両側から撃たれた。運転手も死亡した。

(中略)2ヵ月前に、イスラマバードのレストラン、トーキングフィッシュで、将軍に手紙を渡された。「読みたまえ」と彼が言った。

(中略)3年前、特殊部隊責任者だったこの陽気な将軍は、突然更迭された。特殊部隊責任者として「似つかわしくない」ためだった。アラヴィはキアニ陸軍長官に、自分の名誉を回復させる最後の手段として、手紙を書いた。

アラヴィが更迭されたのは、陸軍幹部たちがタリバンと取り引きを行なったことを非難したためである。テロとの戦争に敗北したと述べ、タリバンがパキスタンを拠点にすることを許したと述べた。

イギリスとパキスタンの2重国籍を持つアラヴィは、自分が非難した将軍の名前を挙げた。キアニに、自分を更迭されたのは、名前を暴かれることを恐れた男たちが、「狡猾な計画」を用意したと書いた。

「これは送ってはいけない」と私は彼に言うと、私がそう言うことを予測していたと彼は答えた。「しかし」と付け加え「私に何かあったらこれを発表してほしいから預かってくれ」と述べた。

(中略)彼が暗殺されると、過激派の仕業と報道された(中略)。しかし家族や友人たちは、「過激派ではなく、軍の仕業だ」と思っていた。彼を黙らせるために暗殺されたと信じている者たちが、たくさんいた。

(中略)アラヴィは、ある将軍がバイトゥッラー・マフスードと取り引きをしたことを話した。彼によると、この将軍が、巨額の金と引き換えに、バイトゥッラーが率いる3000人の戦闘員たちに、パキスタン陸軍を攻撃しないという取り引きを交わさせたという。アラヴィがキアニに名前を明かした2人の将軍は、取り引きと引き換えに、バイトゥッラーが自由に行動することを許したという(後略)。

smellUK may help find Pakistani general's killers
Carey Schofield

■英兵4人、アフガニスタンで死亡[081214 Sunday Times]

アフガニスタンで、爆弾を手押車に隠した13歳の少年が自爆し、ロイヤル・マリーン兵士3人が死亡した。1時間前にもヘルマンド州で、英兵が死亡している。これでアフガニスタンで死亡した英兵は今年だけで46人になった。

45ロイヤル・マリーン奇襲部隊が徒歩でパトロールしていたところ、13歳の少年が近づいて来た。少年が近づくと、手押し車に載せられた紙の下に隠された爆弾が爆発した。近くで監視していたタリバンが、遠隔操作で爆発させたと思われる。兵士1人が即死し、もう1人も現場で死亡した。3人目は、病院で死亡した。

これに先立つ1時間前にサンギンで、新しく導入されたジャッカル・オフロードでパトロール中のマリーンが地雷を踏み爆発し、1人が死亡した。ランド・ローバーよりも頑強だということで導入されたジャッカル車に乗っての死亡者は、3人目になる。

garrFour British soldiers killed in Afghanistan
Thomas Harding

■タリバン、アメリカのスパイを殺害[081213 AP]

タリバンが、米軍のためにスパイ活動をしていたアフガン人2人を殺害した。いっぽう治安部隊、部族民、武装勢力との間で衝突が発生して、8人が死亡した。そのうち2人は、子供だったという。

政府関係者によると、ミランシャーでアフガン人2人の遺体が発見された。1人は首を切られ、1人は銃弾を浴びていた。アメリカのミサイル攻撃に協力して、情報を流していたという。スパイたちの告白を含むCDが近々発表されると、メモが残されていた。

(中略)バジョールのインヤット・カリ地域で、治安部隊が発射した迫撃砲によって子供2人が死亡し、5人が負傷した。またカールでは、武装勢力が政府と軍の建物にミサイル7発を撃ち込んだ。治安部隊が報復し、武装勢力3人を殺害した。さらにバジョールのナワンガイでは、武装勢力と親政府系部族民民兵との間で衝突が発生して、武装勢力2人と部族民1人が死亡した。

hoonPolice say Taliban kill alleged US spies
HABIB KHAN、KHAR

■ペシャワルでNATO軍コンテナ12、放火される[081213 News]

金曜日の早朝、リングロードの駐車場のコンテナ12台が再び放火され、灰と化した。12月1日以来、NATO軍の物資に対する攻撃はこれで5度目になる。

アフガニスタンに輸送するコンテナが置かれているPort World LogisticとVSFターミナルに、ロケット弾5発が撃ち込まれたと報告されている。午前2時半頃、爆発音のあと、自動兵器や銃撃音が聞こえた。警察はコンテナ5台が放火されたことを、確認した。

爆発のあと、Port World LogisticsとVSFターミナルでは、火災が発生した(後略)。

hoon12 more Nato containers torched in Peshawar
Javed Aziz Khan、PESHAWAR

■死亡した武装勢力、パンジャーブ出身[081213 News]

木曜日にアメリカのミサイル攻撃を受けて死亡した6人は、過激派組織と関係のあるパンジャーブ出身者だった。

部族民情報源によると、25〜35歳の間の男たちが、1ヵ月前から、アザム・ワルサックのそばにあるカザ・パンガ村の民家に住んでいた。家は、この地域から避難した住民のもので、無人になっていたという。情報源によると、アメリカの無人偵察機がミサイル1発をこの民家に撃ち込み、家を破壊した。家にいた者たちは、即死したという。過激派たちが遺体を持ち去り、埋葬した。

いっぽう南北ワジリスタン上空では金曜日、アメリカの無人偵察機が飛び続けていた(中略)。

数百人の住民が、アザム・ワルサックで開催された葬儀に出席した。死亡した男たちの遺体は、見分けがつかないほど損傷していたという。

hoonDead militants belonged to Punjab
PESHAWAR

■スワートの武力衝突で、さらに6人死亡[081213 News]

スワートで武力衝突があり、6人が死亡、4人が負傷した。また金曜日に何者かによって、ANPの国会議員の自宅と来客用の家が爆破された。

情報源によると、マッタ地区のマンダル・ダーグ地域で、TTPスワートの武装勢力とサミウッラーのグループとの間で衝突があり、ピール・サミウッラー側の人間に犠牲者が出た。

武装勢力は拉致されていたピールのグループ200人のうち150人を解放したが、残りの50人は、別の場所に連れて行かれた(中略)。武装勢力は拉致した50人と引き換えに、タリバン司令官の家に手榴弾を投げつけた犯人たちの引き渡しを要求している。

これとは別に何者かが、ANPの国会議員、ムザファウル・ムルクの家と来客用の家を爆破した。犠牲者はいないようである。

さらに武装勢力は、チャルバガ地区のシンカイ・チーナの住民であるマランの息子、シェルザダを拉致し、政府の高校に放火した。またカンジュ飛行場に駐屯している治安部隊を、ロケット団で攻撃した。

いっぽうカヒバル地区では砲撃があり、2人が死亡、4人が負傷した。

hoonSix more killed in Swat violence
MINGORA

■ジハード組織、消える[081213 News]

原理主義の過激派司令官、サイード・サラウッディンが率いる5つのジハード組織が、消えてしまった。突如姿を消し、事務所を閉鎖し、看板を取り下げ、指導者たちは鳴りを潜めた。

(中略)ジハード連盟組織(UJC)はハラカトゥル・アンサール、ヒズブル・ムジャヒディン、ジャマットゥル・ムジャヒディン、アル・ジハード、アル・バルク、イフワヌル・ムサルミン、テヘリケウル・ムジャヒディンからなる連合体である。1999年には15の組織が加入していたたが、実際に活動していたのはそのうちの5つである。

ムンバイ攻撃とパキスタンとインド間の緊張のために、UJCはおとなしくすることにしたと、組織のメンバーが語った。この男によると、パキスタンの支配者たちはムシャラフの政策を踏襲しており、ザルダリ大統領は、パキスタン政府はカシミールのための自由戦士をこれまで通り支持することを表明しているという。

現在の状況を踏まえて、UJCは鳴りを潜め、現在パキスタン政府や組織とはコンタクトを取っていないという。ラシュカレ・トイバなど今回取り締まりを受けた組織は、これまでUJCと協力したことはなく、また直接、間接的な接触もないという。ジャンム・カシミールの自由のための戦いは、今後とも続くと付け加えた。

政府がジャマット・ウッダーワに対する取り締まりを開始し、パキスタンやアザド・カシミールにある事務所の閉鎖が始まると、UJCの中心指導者たちは地下に潜り、アザド・カシミールにある事務所の看板を取り外した。

(中略)UJCは1994年に、武装低高組織の連合体として結成された。現在はジャンム・カシミールで活動する最大組織、ヒデブゥル・ムジャヒディン指導者のサイード・サラウッディンが代表である(後略)。

hoonMajor Jihadi groups disappear
Mazhar Tufail、ISLAMABAD

■モーマンド行政区で武装勢力5人殺害される[081212 News]

木曜日にモーマンド行政区のパンディアライ地区のカルザヒ地域で武装勢力と治安部隊の銃撃戦があり、武装勢力5人が死亡、7人が負傷した。

情報源によると、地元武装勢力がモーマンドの政府本部があるパンディアライ地区のタルガンヒ検問所を、迫撃砲や重火器を使用して攻撃した。治安部隊がガイラナイ本部とユーサフヘール検問所から大砲や迫撃砲を用いて応戦し、武装勢力5人を殺害した。

別の報告によると、水曜日にジェット戦闘機がハガナ地域を攻撃して、武装勢力2人を殺害したという。

いっぽう、ハリームザイ族が7人の容疑者を政府に引き渡した。これとは別にすでに63人の指名手配者が、投降している。

hoonFive militants killed in Mohmand Agency
Mohmand & Shakirullah、GHALLANAI

■米ミサイル攻撃で6人死亡[081212 Dawn]

木曜日にタリバンの拠点と言われる部族地帯の民家がアメリカの無人偵察機で攻撃され、武装勢力6人が死亡したと、関係者が述べた。

ミサイルが南ワジリスタンのマドラッサに隣接する民家を攻撃したと、パキスタンの治安関係者が『AFP』に述べた。地元の諜報関係者も、ミサイル攻撃により民家とマドラッサが攻撃されたことを確認した。

タリバン幹部が死亡したという報告はない(後略)。

hoonSix killed in suspected US missile strike
ISLAMABAD

■米軍トラック2台破壊される[081212 Dawn]

木曜日にペシャワルのリング・ロードにあるガソリンスタンドの駐車場が武装勢力に攻撃され、米軍のトラック2台が破壊された。

これまでの攻撃と違い、攻撃者たちがビラール駐車場に爆発物を投げつけた(中略)。消防士たちが消火したが、車はすでに燃え尽きていた(後略)。

hoonTwo US military trucks destroyed
PESHAWAR

■スワートで、武装勢力200人を拉致[081212 News]

木曜日にタリバンがスワートのマッタ地区のアガール・マンダイ・ダグ地域でピール・サミウッラーのグループの男たち200人を拉致し、彼らの車5台を取り上げるとともに、道路を封鎖した。

情報源によると、ピール・サミウッラーが地元武装勢力の家に手榴弾2発を投げつけて、家の一部を破壊した。この出来事のあと、敵対するこのライバルグループの間で、3時間にわたって銃撃戦があった。犠牲者の報告はない。

その後武装勢力がアガールに通じる道を閉鎖し、この地域の男たち200人を拉致した。情報源によると、捕虜たちはアガールの病院で監禁され、拷問を受けているという。

これとは別に、マンガルワールのバンジョット地域の警察署が襲撃され、職員が拉致された。水曜日の夜、数十人の武装した男たちがやってきて、地区警察署の職員が自宅から拉致された。武装勢力と和平協定が結ばれていることやイードの祭りにもかかわらちず、軍事作戦が行なわれるとの噂が広まり、カーバル地区のバラ・ガンダイ地域とミンゴラ近くのカンバール地域の住民たちが避難を開始した。

hoonMilitants capture 200 in Swat
MINGORA

■パキスタン軍、大きな打撃を受ける[081212 Asia Times]

(前略)国連がシャマット・ウッダーワをテロリスト組織と認知して銀行口座を凍結した直後、パキスタンはジャマットの事務所の取り締まりを行ない、サイードを始めとする指導者たちを自宅軟禁にした。地下に潜った指導者たちもいる。

(中略)しかし、ムシャラフ時代以後、鳴りを潜めてきた軍の幹部指導者たちが動きだして、大統領、首相、外務省の事務所は、この件に関して人質となった。

パキスタンのメディアは、ムンバイ攻撃はパキスタンを罠にかけるためのインド諜報局RAWとイスラエルのモサド、アメリカのCIAの陰謀と書き立てるように指示された。キアニ陸軍参謀長はブッシュ大統領にLETを取り締まると約束したにもかかわらず、政府には、ジャマット・ウッダーワとLETを区別するように指示した。

このようなドラマの中、日曜日、パキスタンのヘリコプターがLET司令官のザキウル・レーマンを逮捕するために、パキスタン領カシミールのシャワイに飛んだ。しかしムンバイ攻撃の直後、インドから報復される可能性があるという軍のアドバイスを受けて、LET事務所や訓練所はすでに無人となっていた。

LET総司令官のザキウル・レーマンはパキスタンの治安組織に保護され、イスラマバードに住んでいた。彼は月曜日に逮捕されたが、抵抗しなかった。同日ジャマット・ウッダーワには、犠牲祭のための動物を集めるために、「異論なし証明書」を発行された。犠牲のための動物は、かなりの金額にのぼった。

この間パキスタンには国際圧力がかかり、イスラマバードの政治指導者たちは、武装勢力の取り締まりと軍との間の板挟みになった。軍は、取り締まりをうまくかわそうとしていた。

ワシントンのパキスタン大使のフセイン・ハッカーニと、パキスタンの国連大使、フセイン・ハルーンは、パキスタンに対する協力を国際社会に求めた。

国連が制裁を加えた直後、軍参謀長とISI長官にマフード・デュラニ少将を通じてメッセージが送られ、治安組織はジャマットに対する制裁を受け入れなければならないと伝えた。

木曜日に警察がジャマットと事務所を取り締まった。ISIと軍の介入はなかった。The State Bank of Pakistanがジャマットと銀行口座を凍結した。

これまで国家の出来事に介入してきた軍が政府に抵抗しなかった点で、今回の展開は重要である。次は、ISIを無力化することだ。ワシントンはすでに、ムンバイ攻撃にISIが関与していた証拠を提供している。これまでもパキスタンはISIを内務省の下に入れようとしたが、軍に反対された。

欧米の協力を得た政府が、再びこれを試みる。しかしISIは戦いを挑む事なく、これに屈するはずはない。

smellPakistan's military takes a big hit
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■パキスタン、ムンバイ攻撃に関与した組織を取り締まる[081211 AP]

水曜日にパキスタンが、ムンバイ攻撃の過激派組織と関係のある慈善団体の事務所を閉鎖した。昨日国連が、この組織をテロ組織と認定したばかりである。

カラチにあるジャマット・ウッダーワの事務所7ヵ所が閉鎖されたと、アリーフ・アフマッド・ハーンが述べた。ジャマット・ウッダーワはパキスタン各地に支部や学校、診療所を持つ。全部が閉鎖されたかどうかは、明らかではない(後略)。

hoonPakistan targets group linked to Mumbai attacks
ISLAMABAD

■パキスタンの慈善団体、テロ組織の表向きの顔と国連[081211 AP]

水曜日に国連の安全保障委員会が、パキスタンの慈善団体は、ムンバイ攻撃を実行したと疑われている過激派テロ組織の表向きの顔だと断言した(中略)。

国連は、ジャマット・ウッダーワは、ラシュカル・トイバの表向きの顔だと述べ、テロ組織であることを認定したいう。またムンバイ攻撃首謀者とされる4人を、テロリストと指定した。

国連は、4人はすべてラシュカルの指導者だと述べた。これにはザキ・ウル・レーマン・ラハヴィが含まれる。残りは、ジャマット・ウッダーワ指導者のハーフィズ・ムハンマド・サイード、ラシャルの会計責任者のハッジ・ムハンマド・アシュラフ、ラシュカルの会計士であるマフムード・ムハンマド・アフマッド・バハジークである。

組織と4人の人間の銀行口座が凍結され、渡航制限と武器の所持が禁じられる(中略)。

国連の制裁委員会によると、アル・ラシッド・トラストとアル・アスサール・トラストは、多数の別名を持ち、どれもラシュカルのために資金を集めているという。アル・ラシッド・トラストは、al-Amin Welfare Trust,、al-Amin Trust、al-Ameen Trust、al-Ameen Trust,、al-Madina Trust、al-Madina Trust.と同一だという。またアル・アスサール・トラストは、Pakistan Relief Foundation、Pakistani Relief Foundation、Azmat-e-Pakistan Trust、Azmat Pakistan Trustと同じだという(後略)。

hoonUN says Pakistan charity front for terrorist group
JOHN HEILPRIN、UNITED NATIONS

■パキスタン、ムンバイ攻撃で逮捕者を確認[081210 AP]

パキスタンは、ムンバイテロ攻撃の2人目の首謀者を逮捕したと、水曜日に首相が語った。

日曜日に逮捕されたラハヴィに続いて、ザラール・シャーの逮捕が発表された(中略)。

ギラニ首相は、ラハヴィとともにシャーが逮捕されたとしか述べなかったが、2人は「パキスタンに拘束され、取り調べを受けている」という。2人ともラシュカレ・トイバのメンバーである。

水曜日にインド警察は、ムンバイ攻撃に関与したインド人過激派の取り調べを行なうと述べた。ネパールを拠点とするサパウッディン・アフマッドが、2月に別の過激派とともに逮捕された(中略)。アフマッドはネパールに隠れ家を持ち、ネパールからパキスタン人のラシュカレ・トイバのメンバーを、インドに密入国させていたという。インド人はパスポートなしに、ネパールを行き来することができるからである。「彼はカトマンドゥにいる仲介者だった。ラシュカレ・トイバに非常に信用されていた」と、インドのウッターブラデシュ州特殊部隊責任者のアミタバ・ヤシュが述べた。

(中略)インドのメディアは、諜報関係者の話として、ザラール・シャーはラシュカレ・トイバのコミュニケーション責任者だと述べ、パキスタンにいるラシュカレ・トイバ指導者たちが、攻撃の間もガンマンたちと連絡を取ることを可能にしていたという。『ニューヨーク・タイムズ』によると、犯人たちと指令を与えていた責任者たちは通信の際、インターネット・ブロトコール(VoIP)電話を使用して、捜査官たちが逆探知できないようにしていたという。

また同紙は、アメリカ人とインド人関係者の話として、ザラール・シャーがパキスタンのISIとの仲介者だったと報告している。しかし米関係者は、今回の攻撃とISIをつなげる証拠はないという(後略)。

smellPakistan confirms Mumbai arrests
KHALID TANVEER、MULTAN

■ムンバイ攻撃者、多数の新兵の一部[081209 New York Times]

火曜日にムンバイの警察は、先月テロを行なった10人の男たちは、自爆団として選抜された30人の新兵の一部で、まだ20人がどこかにいると述べた。

全員が、パキスタンの過激派ラシュカレ・トイバに属する。残りの20人が必ずしもインドにいるとは思われないが、その可能性を憂慮した。「別の20人が死ぬつもりでいる」と、ムンバイ警察のデヴェン・バールティが語った。「これは非常に心配なことだ」。

(中略)バールティによると、20人の新兵の情報は、逮捕された犯人ムハンマド・アジュマル・カサーブが明らかにしたという。30人は特殊訓練を受け、海上戦の技術も習得しているという。

インド警察は火曜日に、ムンバイ攻撃に関与した犯人たちの名前と写真を公表した。政府はすでに2人のガンマンの身元を明らかにしている。カサーブはパキスタンのファリドコット、イスマイル・ハーンはパキスタンのデーラ・イスマイル・ハーン出身だという。

残りの8人のガンマンも、警察によって明らかにされた。ハーフィズ・アルシャッドはムルタン、ジャヴィッドはオカラ、ショーアイブはナロワール、ナジはファイサラバード、ナズルはファイサラバード、バブル・イムラーンはムルタン、アブドゥル・レーマンはアリフワラ、フハード・ウッラーはディパルプール・タルカ出身である。全員パキスタン人である。

また警察は、ガンマンの写真も提供した。5人は所持していた身分証明書の写真で、3人は損傷した遺体の写真である。1人の遺体の損傷は激しく、顔の判別ができないという。

男たちは全員ニックネームを持ち、訓練中はニックネームで呼ばれていた。カラチから船で出発したとき、初めて本名を知ったという。また各人それぞれ地雷12、9ミリ拳銃、弾倉18、AK-47、マガジン7〜8、弾薬100以上を持っていた(中略)。この他に、それぞれが17.6ボンド爆弾を持っていた。そのうち3つは発見されて処理され、残りは攻撃の際に爆発した(後略)。

hoonMumbai Attackers Called Part of Larger Band of Recruits
JEREMY KAHN and ROBERT F. WORTH、MUMBAI

■パキスタン、過激派指導者逮捕。インドと米、疑心暗鬼[081209 Washington Post]

パキスタンが昨日テロリスト指導者のマンスール・アザールを自宅軟禁にしたが、彼が逮捕されるのは2回目である。パキスタンは今回の逮捕で、ムンバイのテロの首謀者を本気で探し出そうとしていることを証明しようとしている。しかしこのカシミールの過激派は、2001年12月のインド国会議事堂攻撃の際に逮捕されたにもかかわらず、11ヵ月後に釈放されている。

(中略)これまでもパキスタンは過激派の取り締まりを約束しながらも、「逮捕後釈放」の歴史を繰り返して来た(中略)。

今回の逮捕は、アメリカが支持するパキスタン政府が、自らが作り出した武装したイスラーム過激派を取り締まる意思があるのか、そして文民政府が取り締まることを強力な軍とISIが許すかどうかが注目される(中略)。

インドとブッシュ大統領からの圧力で、パキスタンは最近カシミールを拠点とするラシュカレ・トイバと関係のある訓練所に対して、一連の取り締まりを行なった。パキスタン政府はラシュカレ司令官のザキ・ウル・レーマン・ラハヴィと、ジャイシェ・ムハンマド創始者のアザールを逮捕した。

しかしパキスタンは、これらの容疑者をインドに引き渡すことや、また取り締まりで逮捕したという22人の身元を明かすことも拒否した。パキスタン指導者たちの発言にもかかわらず、米関係者は、パキスタン政府がアルカイダと関係する反インド過激派を取り締まる意図があるのか、取り締まる能力があるのかわからないと述べる。

米関係者はパキスタンの行動、特にラハヴィの逮捕を賞賛しているが、他の逮捕者に関する情報は全くない。「ラシュカレ・トイバのメンバーであるかどうか」もわからない。「成り行きを見守るしかない」。「これまでもパキスタンはインドを攻撃したテロリストを逮捕しているが、数ヵ月後には釈放している」と、米政府関係者が述べた。

さらに米関係者やアナリストは、ザルダリ新大統領が、軍やISIの支持を受けている抵抗勢力たちを取り締まることができるかを注目している。「政府の権限が揺らいでいる」と、民間の諜報組織、スタットフォーのカムラン・ボハリが語る。「意思の問題ではない。能力の問題だ。できるだろうか?」

昨日の夜の段階まで、インドがパキスタンに引き渡しを要求しているパキスタン人20人は、いまだに捕まっていない。パキスタン政府がラシュカルの訓練所を取り締まる2日前、ラシュカル創始者のハーフィズ・サイードがラホールで演説した(中略)。

月曜日にラホール警察は、活動を禁じられている宗教組織を取り締まると述べた。しかしジャマット・ウッダーワのモスクと本部は、その後も動きがない。サイードが逮捕されるかどうかは、明らかではない。

(中略)インド政府関係者は、今回のパキスタンの取り締まりは目新しいものではないと述べ、ムンバイの虐殺に答える「具体的な行動」がないと述べた。「これまでも同じようなことを経験してきた。現実的な変化があるのか、もう少し見守りたい」。

smellPakistan Detains Extremist LeaderU.S., India Question Effort's Seriousness
Joby Warrick and Rama Lakshmi

■ムンバイ警察、死亡したガンマンの身元を確認[081209 Daily Times]

月曜日にインドの警察は、死亡した9人のガンマン全員の身元とパキスタンの出身地を確認したという。

ムンバイ警察のラケシュ・マリアが、逮捕された男を含む3人の容疑者がオカラ地方出身で、3人がムルタン、2人がファイサラバード、1人がシアルコット出身だと述べ、リーダーはイスマイル・ハーンで、デーラ・イスマイル・ハーン出身だという(後略)。

hoonIndian police identify all dead gunmen
ISLAMABAD

■シャイシェ責任者、本部に軟禁[081209 News]

パキスタン政府は、ジャイシェ・ムハンマド責任者のモーラナ・マスード・アザールの行動を規制し、バハワルプールのモデル・タウン地区にある、数階建てのコンクリートの建物の中に限定した。

政府関係者によると、インドがマスード・アザールの引き渡しを要求してきたあと、彼の行動が規制された(後略)。

hoonJaish chief confined to his headquarters
Amir Mir、LAHORE

■パキスタン、逮捕に関してインドを鼻であしらう[081209 BBC]

パキスタンはムンバイ攻撃のあと過激派の指導者を逮捕したが、インドには引き渡さないと述べた。

国防相のアフマッド・ムフタルが、ジャイシェ・ムハンマド創始者のマスード・アザールとラシュカレ・トイバ司令官のザキ・ウル・レーマン・ラハヴィが逮捕されたと述べた。

(中略)ザルダリ大統領が火曜日に『ニューヨーク・タイムズ』に、「パキスタンはこれらの残酷な攻撃に関与する者を追跡し、逮捕し、裁判にかけ、罰する」と書いた。

(中略)「昨日ラハヴィが逮捕された。アザールも逮捕された」と、ムフタールがインドの『CNN-IBN放送』に語った。また証拠をパキスタンと共有してほしいと、イスラマバードの要求を繰り返した。「アメリカとインドは証拠を持っていると主張しているが、なぜそれを我々に隠すのだ」。

またシャー・マフムード・クレイシーが、パキスタンは、今月の攻撃との関係で逮捕された国民を、インドには引き渡さないと繰り返した。

ラシュカレ・トイバのような活動を禁じられた過激派組織の取り締まりで、今のところ16人が逮捕されたという。報告によると、パキスタンの警察は、ジャマット・ウッダーワの事務所の封鎖を命じたという。

これまでも政府は、アザールの逮捕と釈放を繰り返してきたという(後略)。

smellPakistan snubs India over arrests

■パキスタン、攻撃に関与した組織を襲撃[081208 New York Times]

アメリカとインドから圧力をかけられたパキスタン政府は、ムンバイの攻撃を実施したと疑われている過激派組織が運営する訓練所を襲撃した(中略)。

しかし今回のパキスタンの行動からは、インドやアメリカが期待するほどの結果は得られない可能性があると、対テロ専門家たちが述べる。これまでパキスタンは、アメリカやイギリスからの圧力で過激派を逮捕するものの、その後極秘に釈放していると、ロンドンのAsia -Pacific Foundation所長のサジャーン・ゴーエルが語った。

パキスタン政府関係者は、今回の作戦は過激派たちをコントロールするためのものだったと述べた。これは、パキスタンが、インドと戦うために育てた過激派を統率できなくなったという印象を与えてはならないという、文民政治家の見解と一致する。

「パキスタンは自分たちのペースでやる。銃を突きつけられてやるのではない」と、PPPの政治家が述べた。

(中略)パキスタン軍とISI、ラシュカレ・トイバとの関係のために、今回の襲撃の最中何が起き、誰が逮捕されたかが、明らかではない。また政府も、この件に関して口が重い。

月曜日の段階では、ムザファバードの襲撃は法関係者が行なったのか、あるいは軍が行なったのかは明らかではない。パキスタンの報道によると、現場の建物上空にヘリコプターが旋回していたという。

報道には、建物はラシュカレ・トイバのものだったとするものと、ジャマット・ウッダーワのものだったとするものがある。

日曜日の夜、ラーマン・マリーク内相が『The Nation』紙に、地元の警察が取り締まりを行なったと思われるが、確かではないと述べている。

パキスタン軍報道部門が月曜日に、「諜報情報による作戦が、活動を禁じられている過激派とその組織に対して実施された」と発表した。逮捕者がいるが、捜査結果は「取り調べが終わった」時点で明らかにするという。

月曜日に国際紙は、ラシュカレ・トイバのラハヴィが逮捕者の中に含まれていると報道し、後に治安関係者幹部が、ラハヴィの逮捕を正式に確認した。しかし、午後に開催された軍参謀長を含む国防会議のあとに、ラハヴィは逮捕されていないと治安関係者が述べた。

その後、ラハヴィは逮捕を免れたという噂が広まった。月曜日の夜、議会のメンバー2人は、ラハヴィが逮捕されたかどうかを確認することを拒否した。

もし本当にラハヴィが逮捕されたとしたら、アメリカとインドはこれを第一歩として歓迎する。しかしワシントンやニューデリーを満足させるものではないだろうと、外交関係者たちは見ている。

50代のラハヴィは、アフガニスタンでソ連と戦ったムジャヒディンだと、ニューヨーク大学のCenter on International Cooperationのアリーフ・ジャマールが語る。ラハヴィは1989年以来、戦いを続けているという。彼は組織能力に優れており、ジハードの使命に対して、強いイデオロギーを持っている。「ラシュカレ・トイバがムンバイの攻撃に関与していたなら、ラハヴィは重要な役割を負っていたはずだ。彼の組織能力は非常に優れているからだ」と、ジャマールが語る。

(中略)ラハヴィは、2005年のカシミールの地震のとき、ジャマット・ウッダーワが組織した救援活動にも参加していた。ジャマールがラハヴィを見たのは、この時が最後だという。

月曜日にラシュカレ・トイバの報道官が、パキスタンの治安部隊が「インドとアメリカに圧力をかけられ」、襲撃を行なったと述べた。しかし、誰が逮捕されたかは語らなかった。

smellPakistan Raids Group Tied to Attacks
JANE PERLEZ and SALMAN MASOOD、ISLAMABAD

■パキスタン武装勢力、NATOの車輛100台以上を放火[081208 AFP]

武装勢力が月曜日、パキスタンにあるNATO軍向けの物資がデポされているターミナルを再び襲撃し、アフガニスタンへの輸送を待っていた車輛100台以上に放火した。

ペシャワルでは前日もタリバンが、車輛200台近くに放火していている。

今回襲撃者たちは、ジープや補給物資を運ぶトラック20台を含む車輛100台にガソリンを振りかけ、放火した。消防団が駆けつけ、残りの40台を救うことができたという。昨晩武装勢力200人ほどで行なった犯行と、ほとんど同じような攻撃だったと、警察官のアンワル・ゼップが語った。「警察が到着すると、武装勢力たちは逃走した」(後略)。

ohPakistan militants torch 100 NATO vehicles: police
PESHAWAR

■パキスタン、ムンバイ首謀者を逮捕[081208 Reuters]

パキスタンの治安部隊が過激派の訓練所を襲撃して、ムンバイのテロを首謀した容疑者の1人を逮捕した、過激派とつながりがある慈善団体関係者が月曜日に述べた。

ジャマット・ウッダーワ関係者によると、ザキウル・ラレーマン・ラハヴィが、ムザファパード郊外にあるラシュカレ・トイパの訓練所で逮捕された。

「そう、昨日の襲撃で逮捕され5人の中に、ラハヴィがいる」と、ジャマット・ウッダーワの関係者が述べた。

パキスタンの諜報関係者は、6人の男が逮捕されたと述べたが、逮捕者の身元は明らかにしなかった(後略)。

ohPakistan arrests suspected Mumbai planner - source
Abu Arkam Naqash、ISLAMABAD

■パキスタン、ムンバイ攻撃の容疑者を標的に[081208 AP]

治安部隊が、ムンパイ攻撃を行なったと疑われている過激派が使用していた訓練所をし襲撃して12人を逮捕したと、過激派と諜報関係者が月曜日に述べた。

逮捕者の身元はわからないが、『Dawn』紙は、ザキウル・レーマン・ラハヴィが逮捕されたと報道した。

(中略)諜報関係者によると、ヘリコプターで襲撃が行なわれた。逮捕者12人以上が、ムンバイとの関係を問われているという。負傷者もいる模様で、軍の病院で手当を受けている。

過激派によると、襲撃された建物は、ラシュカレ・トイパがインドで戦う戦闘員を訓練するために、2004年まで使用していた。最近では、ラシュカルの親組織、ジャマット・ウッダーワが、教育や慈善活動のために使用していた(後略)。

hoonPakistan targets suspected Mumbai attackers
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■LETに対する作戦、AJKで開始[081208 Dawn]

治安部隊がパキスタン各地やアザド・ジャムー・カシミールで、ラシュカレ・トイバの活動家の取り締まりを開始した。

日曜日に、ムザファバードにあるハーフィズ・ムハンマド・サイードが率いるジャマット・ウッダーワの建物に対して、軍の作戦が行なわれている。情報源によると、ラシュカレ・トイバのメンパー20人以上が逮捕された。司令官のザキウル・レーマン・ラハヴィも逮捕されたという。

同様の作戦が、パンジャーブ州でも実施することが計画されていると、報告されている。

しかし軍報道官や内務省は、取り締まりがあったことを確認していない。またムザファパードの文民政府関係者たちは、このような事実があったという報告は受けていないと述べた。

しかし住民によると、軍関係者がムザファバードから5キロ離れたシャワイ・ヌッラーを封鎖しているのを目撃したという。ここには組織の広大な土地があり、組織の建物がいくつも建っている(中略)。

「午後5時頃に、現場上空をヘリコプターが飛ぶの見た。大きな爆発音が2〜3回聞こえた」と、近くに住む女性が語った。別の住民は、ヘリコプターは作戦で負傷したり逮捕された者を、運んでいた可能性があるという。銃撃戦があったという報告はない(後略)。

smellOperation against LeT-Dawa launched in AJK
Tariq Naqash and Syed Irfan Raza、MUZAFFARABAD/ISLAMABAD

■グルの引き渡しはない[081208 Dawn]

アメリカはパキスタンに、元ISI長官のハミッド・グルをインドに引き渡すように要求していないと、米関係者や外交関係者が述べた。

アメリカとインドのメディアが土曜日に、アメリカはパキスタンにグルとラシュカレ・トイバの司令官、ザキ・ウル・レーマン・ラハヴィをインドに引き渡すよう要求したと報道した。

パキスタンも、このような要求を受け入れたという報道を否定した。情報源によると、パキスタンができるはずがないことを要求することは、ばかげているという。しかし、アメリカがグルを国連のテスリスト・リストに追加するかもしれないという報告は、信憑性があるという。

グルは、アメリカが自分を国連のテロリスト・リストに入れようとしていることを、パキスタンの外相が認めたと述べた。またISIで彼と同僚だったハミッド・ハジャワも、リストに入れられそうだと述べた(後略)。

hoonReports about US pressure for Gul's extradition denied
WASHINGTON

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2008.