【2008年12月22日〜12月28日】
●パキスタン軍は、インドとの緊張が高まったために、北西部のイスラーム武装勢力に対する作戦を縮小したと関係者が述べた。
●インドのジェット機が12月12日にパキスタンの上空を侵害したあと、「非公式の配置換え」があったという(中略)。
●スワートとバジョールにいる武装勢力に対する空爆が縮小し、空軍力の一部は東の国境に配置換えになったと、パキスタン軍幹部関係者が述べた。関係者によると、インドの戦闘機が今月の初めにパキスタン上空を侵害し、パキスタン領内にあるラシュカレ・トイバの本部や訓練所を攻撃する可能性があると報告されたために、配置換えがあったという(中略)。
●パキスタン軍は、インドとの国境である東部に軍を移動させたために、カイバル行政区の武装勢力に対する地上戦も延期したという。
●今週初め、パキスタン陸軍参謀長のキアニ将軍が統合参謀本部のマイク・ミュレン提督に、「パキスタン軍が得た情報によると、インドがパキスタン領内のいくつかの場所を攻撃する計画を決定した」と、伝えたという。
●軍報道官のアサール・アッバス少将は、何も述べていない。しかしカイバル行政区に関する軍の作戦に関与している別の軍関係者は、軍の配置換えがあったことを認めた(後略)。
Troop changes after India tension●水曜日にラホールで、イスラーム武装勢力が車を爆発させ、女性1人が死亡し、4人が負傷した。これとは別に、北西部のマーケットで買い物をしていた中国人技師が過激派に撃たれ、負傷した。
●ラホールの爆発は、2002年にアルカイダと関係があった、ラュシュカレ・ジャングヴィの責任者が殺害された作戦を率いた警察関係者が標的にされたようだと、犯罪捜査局責任者ウマル・ヴィルクが述べた。この関係者はジャヴィッド・シャー監察官で、爆発現場の近くに住んでいたという。爆発物はミニ・トラックに仕掛けられていた(中略)。
●北西部のマラカンドのマーケットで、ボディーガードと買い物をしていた中国人が攻撃された。中国人は、水力発電所建設に関わる技師だという(後略)。
Car bomb kills 1 near border with India●イラクでの実験が成功したことを受けて、米司令官やアフガン人指導者たちは、タリバン抵抗運動と戦うために地元民兵を武装化しようとしている。しかし希望と同時に、新たな武装組織を作る事により、アフガニスタンがさらなる流血の渦に巻き込まれることが警戒されている。
●山間部にいる米軍やアフガン治安部隊に協力するために、民兵が採用される。その最初の試みとして、来年初め、ワルダック州で地元の防衛軍が活動を開始する。ワルダックでは、タリバンが政府を乗っ取っている。
●これが成功すれば、同じような民兵がアフガニスタン各地で採用されることになるという(中略)。
●しかしこの計画は、アフガン人の中に不安をかき立てている。パシュトゥーン族が中心を占める民兵がコントロールできなくなった場合、地元の人間を脅かし、政府に対抗する可能性がある。アフガン政府はアメリカ人の協力を得て、2001年以来民兵を非武装化するために、多大なキャンペーンを繰り広げて来た。
●「パシュトゥーンと非パシュトゥーンの間で戦いが起こるだろう」と、タジーク族の国会議員シャー・ムハンマド・レジスターニが述べた。レジスターニは、20世紀初頭、パシュトゥーン族の民兵アラバキが、他のアフガン人たちを攻撃した例を引き合いに出した。
●民兵計画は今月カルザイ大統領により承認され、実現化に向かっている(中略)。米司令官によると、本当はアフガン軍や警察を採用したいが、人数が足りないのだという(後略)。
U.S. and Afghans Plan to Recruit Local Militias●諜報組織によると、イスラマバードの警察から武器が盗まれている証拠を発見したという。去年のラール・マスジッドの作戦の際に押収された武器が、タリバンに返却されたようだという。
●諜報関係者は、法組織とタリバンとの間で武器を返却する極秘取り引きが交わされたた可能性があり、この件に関する調査を開始したという。アッパラ警察が「押収した危険な兵器」を返却することに関して、巨額の金が動いている様子である。
●(中略)政府は、行方不明になった兵器の問題を取り上げたSHOを逮捕したという。実際に重要な役割を果たした人間の代わりに、スケープゴートになったと思われる。情報源によると、実際に事件に関与していたのは、DSPだという(後略)。
Stolen weapons returned to Taliban elements?●南ワジリスタンでパンジャーブ人タリバン5人が、アメリカの無人偵察機のミサイル攻撃で死亡したと、地元関係者が述べた。
●「全部でパンジャーブ人タリバン5人が、別々の攻撃で死亡した」と、行政関係者と部族民長老が述べた。住民によると、タリバンは銃を装着したピックアップトラックでパトロールし、無人偵察機を見つけると発砲していたという。車は泥や草でカモフラージュされていた。
●最初のタリバンのピックアップは、ワナから7キロは慣れたガワハーワをパトロール中に攻撃された。タリバン3人が死亡した。
●次の攻撃は、アザム・ワルサックのステーション・ワゴンが攻撃された。トラックに座っていたタリバン2人が殺害された。地元の住民によると、ピックアップには銃が搭載され、無人偵察機を狙っていたという。
Twin drone strikes kill 5 Punjabi Taliban●アメリカの無人偵察機がパキスタンの国境地帯にミサイル2発を撃ち込み、少なくとも7人が死亡した。報告によると、南ワジリスタンでの攻撃で、2台の車と民家が攻撃されたという。犠牲者の身元は明らかではない。
●報告によると、夜中の3時頃に無人偵察機が現場上空を旋回し始め、その数時間後に攻撃したという。目撃者によると、標的のひとつは対空銃を装着した車で、武装勢力が無人偵察機に発砲していたという。2台の車と近くにあった建物が破壊され、4人が死亡した。その後近くの別の村でも、別の車が攻撃された。目撃者によると、タリバン戦闘員たちが遺体を埋葬するために集った。
●村の住民が『ロイター』に語ったところによると、地元の部族民たちが「攻撃されたあとに偵察機に発砲していた」という(後略)。
'Seven killed' in Pakistan strike