【2008年12月29日〜2009年1月4日】


■パキスタン、元タリバン幹部逮捕[090103 AP]

パキスタンが、2007年にイタリア人ジャーナリストと引き換えに釈放された元タリバン報道官を逮捕したと、治安関係者が土曜日に語った。

タリバン責任者のオマール師は去年、モーマンド行政区の2つのタリバングループの仲裁させるために、元報道官、ウスタッド・ムハンマド・ヤシールをパキスタンに派遣したと、諜報関係者が述べた。

(中略)パキスタンはヤシールを2005年にも逮捕してアフガニスタンに引き渡したが、誘拐されたイタリア人ジャーナリストのダニエーレ・マストロジアコモと引き換えに、4人のタリバンとともに釈放されている。

パキスタンは木曜日に、ペシャワルにあるヤシールの親戚の家を家宅捜査し、彼を再び逮捕した(後略)。

hoonPakistan arrests senior Taliban figure
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■パキスタン、アフガニスタンへの補給ルートを再開[090102 AP]

パキスタンは金曜日、アフガニスタンのNATO軍に補給物資を運ぶ幹線道路の封鎖を、3日ぶりに解除した。

大砲や戦闘ヘリコプターを使用した武装勢力に対する攻撃は今後も続くが、カイバル峠を通る幹線道路近くではもう行なわないという。

(中略)カイバル行政府責任者のタリーク・ハヤート・ハーンが、これまでの作戦で回収した重火器やロケット発射砲などを含む兵器を公開した。武装勢力43人が逮捕されたという(後略)。

hoonPakistan reopens supply route to Afghanistan
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■ラシュカレ、ムンバイ事件の「告白」を否定[090102 AFP]

ムンバイ攻撃の首謀者といわれるパキスタンを拠点とする過激派組織が金曜日、組織の指導者の1人が事件に関与していたことを告白したという報道を否定した。

『Wall Street Journal』が水曜日にある関係者の話として、パキスタン政府がラシュカレ・トイバの幹部メンバーによる告白があったと報道した。容疑者のザラール・シャーが取調官に、11月の攻撃を計画する際に重要な役割を果たしたことを告白したという。

「ラシシュカレ・トイバは、『Wall Street Journal』の報道を否定する」と、ラシュカレ報道官のアブドゥッラー・ガズナヴィが述べた。「インドは、ラシュカレ・トイバがムンバイの攻撃に関与しているという証拠を提示することが、いまだにできない。アメリカは、インドに協力しようとしている」。犯罪現場から何の証拠も出てきていない。数千マイルも離れたところで、証拠をでっちあげようとしている」と付け加えた。

イスラマバードも、このような報道を否定している。木曜日のパキスタンの内務省報道官のシャヒドゥッラー・ベーグが、「そのような情報は入手していない。そのような報道は受け入れることはできない」と述べた。

(中略)「アメリカは証拠を捏造するよう、パキスタン政府に圧力をかけている。そして『インドを満足させるため』に、その証拠を元に行動することを求めている」。

smellLashkar rejects 'confession' in Mumbai probe
SRINAGAR

■パキスタンに対するミサイル攻撃で3人死亡[090102 AFP]

金曜日にアメリカによるミサイル攻撃があり、パキスタンの北西部で少なくとも外国人武装勢力3人が死亡したと、治安関係者が述べた。

南ワジリスタンに対するミサイル攻撃は、ここ数日間の間ですでに2度目である(中略)。「南ワジリスタンのラッダ村の近くにあるタリバンの事務所が攻撃され、外国人武装勢力3人が死亡して、2人が負傷した」と、治安関係者が述べた。犠牲者の数は増える可能性があるという。ラッダはバイトゥッラー・マフスードの拠点である。

(中略)金曜日の攻撃で破壊された事務所は元女子校で、マフスードの部下たちにより占拠されていた。「最初のミサイル攻撃のあと、タリバン数人が学校に近づいた。その後2度目の攻撃があった」という。

木曜日にも南ワジリスタンのカリコットでミサイル攻撃があり、武装勢力5人が死亡している(後略)。

hoonThree dead in Pakistan missile strike: official
S.H. Khan、PESHAWAR

■米ミサイル攻撃でパキスタン、3人死亡[090101 AP]

木曜日にパキスタンの北西部でアメリカの無人偵察機によるミサイル攻撃で車が破壊され、少なくとも外国人武装勢力3人が死亡したと諜報関係者が述べた。南ワジリスタンに対する攻撃で、地元抵抗勢力1人も負傷したという。

殺害された3人の抵抗勢力は中央アジア出身者だったと、関係者が述べた。地元工作員から、情報を入手したという(中略)。

またカイバル行政区では、火曜日から武装勢力に対する作戦が実施されているが、行政官のタリーク・ハヤート・ハーンが木曜日に語ったところによると、作戦は80%完了し、武装勢力の拠点33ヵ所を大砲や戦闘ヘリコプターで破壊し、パキスタン人43人を逮捕したという。カイバル峠を通るルートは現在封鎖されているが、一両日中には再開されるという(中略)。

いっぽうバジョールでは木曜日、武装勢力がカールにある政府の建物にロケット弾4発を撃ち込み、少なくとも4人が死亡、16人が負傷した(中略)。

またバローチスタン州でも抵抗勢力による攻撃があり、ウッチのガス精製所がロケット弾と銃で攻撃され、兵士3人が死亡、5人が負傷した(中略)。

さらにペシャワル攻撃にある小さな警察の検問所が、爆弾で破壊された。この爆発で地元警察官1人が死亡した。

hoonSuspected US missile strike kills 3 in Pakistan
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■ムンバイ容疑者、詳しい計画を告白か[090101 AP]

パキスタンで逮捕された戦闘員が、ムンバイのテロ攻撃に関与したことを告白したと、水曜日にパキスタン人政府関係者が述べた。

今回の告白で、ザラール・シャーをはじめとする容疑者を裁判にかけるか、インドに引き渡すか、パキスタンは圧力がかけられることになると見られる。

シャーは「何らかの関与をしたことを告白した」と、政府関係者が述べた。「彼は語り始めた」。シャーが告白したことを最初に報道したのは、『Wall Street Journal』である。

諜報関係者が語ったところによると、シャーとザキ・ウルレーマン・ラハヴィは取り調べに協力しているが、彼らが本当に関与したかどうかを決めることはまだ時期尚早だという(中略)。

またパキスタン政府も、インドが容疑者に関する証拠をいくつか提示したが、「ごくごく少ない」ものだという。また諜報関係者は、別の国家から攻撃に関する「情報」を入手したとも述べた(後略)。

hoonA Mumbai Suspect Allegedly ConfessesMan Giving Details on Plot, Official Says
Kathy Gannon、ISLAMABAD

■米、アフガン戦争のための補給路を拡大予定[081231 New York Times]

アメリカとNATOは、中央アジアを通る補給路を新たに開き、アフガニスタンの軍事作戦のための燃料、食料などの物資を運ぶことを考えていると、アメリカや協力国家の外交関係者や軍関係者が述べた。

中央アジアを通過する新たな道は、カイバル峠を通過するパキスタンのルートに取って代わることになる。パキスタン治安部隊は火曜日、この地域の武装勢力に対する作戦を実施するために、カイバル峠を封鎖した。

(中略)補給物資を運ぶための新たな補給線を築くことで、アメリカはウズベキスタンやタジキスタンなど、民主主義や人権において問題が多い国家の協力を仰ぐことになる。

関係者によると、中央アジアだけでなく、ロシアとも極秘の話し合いが行なわれているという。8月にロシアとグルジアの間に戦争が勃発しているにもかかわらず、アメリカとNATOがクレムリンの協力を必要としていることを示している。

米関係者によると、補給物資は一般の輸送会社が扱い、武器や弾薬は運ばないという約束で、中央アジアの了解を得ようとしている。これらの地域に、米軍基地を置くこともないという。

キルギスタンは、すでにアメリカの物資を運ぶための中継点として機能している(中略)。トルクメニスタン、タジキスタンは、アフガニスタン北部に陸路で繋がる。

米軍はさらに、その北のキルギスタンの滑走路を使用できることになっている。ウズベキスタンは2005年に、人権問題がこじれて基地からの撤退を命じられたために、その重要性がさらに高まると見られている(後略)。

hoonU.S. to Widen Supply Routes in Afghan War
THOM SHANKER and RICHARD A. OPPEL Jr.、WASHINGTON

■カイバル行政区の作戦で「40人逮捕」[081231 BBC]

パキスタン軍がカイバル地域で作戦を実施し、武装勢力の家屋と訓練所を破壊して40人を逮捕したと、関係者が述べた(中略)。作戦には地上軍とヘリコプター、戦車が使用された。

カイバル行政政府責任者のタリーク・ハヤートによると、「治安部隊が火曜日以降、抵抗勢力と犯罪者40人を逮捕した」という。「逮捕者の大半が、地元タリバン司令官と、その共感者たちだ。軍が彼らの家も破壊した」。民家18軒と訓練所14ヵ所が破壊されたという(後略)。

hoon'Forty held' in Khyber operation

■パキスタン、部族地帯に対する不意打ち作戦[081230 BBC]

ペシャワルのオブザーバーたちによると、月曜日まで、パキスタンがこの地域の武装勢力や「犯罪団」たちを攻撃する兆しは何もなかったという(中略)。最近の報告では、軍がインドとの国境に移動したといわれていた(中略)。

カイバル行政区に対する作戦は、アメリカのライス国務長官がザルダリ大統領に電話をかけた直後に開始された。火曜日に外務省のシャー・メフムード・クレイシーが、ライスの電話はインドとパキスタンの緊張を緩和させるためのものだったと述べた。

アナリストたちは、パキスタン軍がカイバル地域で作戦を実施したのは、国際圧力、とくにアメリカの圧力のためだという。またインドとの緊張が緩和したために、政府がすでに計画していた作戦を実施できるようになったのだと見る(中略)。

アナリストたちは、パキスタン治安軍が対武装勢力への作戦に良い結果を得ることができるかどうか、憂慮している。スワートとバジョールの作戦はすでに数ヵ月続いているが、いまだに武装勢力を一掃することができない。カイバルに対する作戦も、初めての事ではない。今年の夏、治安部隊はカイバルのバラ地域の武装勢力に対して、1ヵ月間作戦を実施した。作戦以来、カイバル峠に続く道路の安全が悪化した。

hoonPakistan's surprise tribal offensive
M Ilyas Khan、Islamabad

■パキスタン、アフガン補給物資を中断[081230 BBC]

パキスタンは武装勢力に対する作戦を開始するために、アフガニスタンにいる米軍やNATO軍に対する主要な補給路を遮断したという。

火曜日の早朝、カイバル峠で、戦闘ヘリコプターや戦車に援護された軍が作戦を開始した(中略)。

カイバル行政区政府関係者のタリーク・ハヤートによると、「この地域から武装勢力が一掃されるまで、NATO軍への補給は中断される」という。アフガニスタンに入る幹線道路は、すべて封鎖された。

作戦はジャムルッド地域で実施され、カブールに入る道の安全が確保されるまで続くという。軍は、武装勢力の拠点26ヵ所を標的とする。地元のクキヘール族が、タリバン武装勢力を匿っているといわれる。パキスタンとアフガニスタンを結ぶトラハムは、閉鎖される。

NATO軍のマーク・ウィンドソール大将は、「一時的」中断に関する情報を得ていると述べた。「これまで補給物資の輸送を妨害してきた抵抗勢力を一掃するためのもので、数週間続くと思われる」という。

イスラマバードのチャールズ・ハヴィルランド特派員によると、インドとの緊張が高まったあと、再びアフガン国境に関心が戻ったと述べた(後略)。

ohPakistan suspends Afghan supplies

■パキスタンの景勝谷、タリバンに落ちる[081230 AP]

タリバン武装勢力が首切りや放火を繰り返しながら、パキスタンの美しいスワート谷に押し入って来た。住民によると、武装勢力たちは部族地帯の外にある山岳地帯の大半を支配しているという。

2007年に始まった軍事作戦や和平協定にもかかわらず、元観光地の治安が悪化している(中略)。

日曜日には、これまで比較的平和だったスワートと隣接するブネールの選挙会場で自爆攻撃があり、40人が死亡した。政府の支配が及んでいると思われる、いわゆる「居住」地域の治安も悪化し始めた恐れがある。

政府関係者は、スワートの人口150万人のうち3分の1がすでに避難したと語る。谷の80%が、タリバンの支配下にある。

スワートの武装勢力は、ラジオ放送を通じてシャリア法施行を呼びかけていた、有名なモーラナ・ファズルッラーに率いられている。

わずかな数の抵抗勢力だけでも、村が支配される。彼らは恐怖で支配するのだ。政府に共鳴する者の首を切り、橋を爆破し、女性にブルカを強要する。法廷、税、パトロール、検問所などを設置して、独自の行政を行なっている。女学校にも放火している。

12月の中旬にタリバン戦闘員が、自分たちに対抗して民兵隊を組織しようとした、スーフィー系組織の若者を殺害した。武装勢力はピール・サミウッラーの遺体を掘り起こし、遺体を2日間村の広場に吊り下げた。彼が超人的な聖人ではないことの見せしめだったと、治安関係者が述べた。

(中略)5月に地方政府が武装勢力と和平協定を交わしたことが過ちだったと、指摘されている。協定は2ヵ月で破棄され、その間に武装勢力は再結成された。スワートの武装勢力の中には、アフガン人や外国人もいる。

金曜日にパキスタンの治安組織関係者が、数千人の隊がインドとの国境に配置されつつあると述べた。しかし今のところ、インドの近くに兵が集結している気配はない。

「ムンバイのテロリストの狙いは、これだったのかもしれない。パキスタンの西の国境からパキスタン軍を撤退させ、東に移動させることだ」と、ジャーナリストのアフマッド・ラシードが述べた。「テロリストたちはじっとはしていない。軍がインドとの脅威に立ち向かっている間、停戦は結ばない。隊がいなくなった空白地を占拠するだろう」。

(中略)スワートの武装勢力は、「我々は好き勝手なことができる。軍は自分たちの駐屯地から出ることができない」と、自慢した。「我々のように自由に動けない」と、ムザファウル・ハックと名乗る男が述べた。自分たちはアルカイダや外国人とは関係していないと主張し、イスラーム法施行という同じ目標を掲げる組織と協力しているという(後略)。

hoonScenic Pakistani valley falls to Taliban militants
NAHAL TOOSI、ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.