【2009年1月5日〜1月11日】


■パキスタンで兵士6人、武装勢力40人殺害される[090111 AP]

日曜日にパキスタン北西部で、武装勢力数百人がパキスタンの準軍隊駐屯地を襲撃した。武装勢力の多数が、アフガニスタン側からやってきたという。この衝突で治安部隊兵士6人と武装勢力40人が死亡した。

モーマンド地域で起きた襲撃から、アフガニスタンとパキスタンのタリバンがお互い協力し合い、パキスタン軍の作戦が続いているにもかかわらず、彼らが依然として大きな脅威であることが明らかになった。

武装勢力たちが迫撃砲やロケット弾、小火器を用いて、モーマンド・ガート駐屯地の近くにある検問所を襲撃したと、準軍隊関係者が述べた。600人態度の攻撃者たちは追い払われたが、その後も散発的な衝突が続いたという。

関係者によると、一団はアフガニスタンから入って来て、その後パキスタン側の仲間たちと合流したという。抵抗勢力がいつアフガニスタン側からパキスタンに入って来たかは、明らかではない。アラブ人やウズベク人たちも含まれていた。

この襲撃で抵抗勢力40人が死亡し、数十人が負傷、治安部隊側は兵士6人が死亡、7人が負傷したという(中略)。

日曜日に、タリバン戦闘員がバジョールの対武装勢力部族委員会のメンバー5人を拉致し、全員の片方の耳を切り落とした。犠牲者によると、今後も対武装勢力活動を続ければ、残りの耳と舌を切り落とすと脅迫したという(後略)。

hoon6 troops, 40 militants killed in Pakistan attack
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■武装勢力、部族地帯でパキスタン政府関係者拉致[090111 AFP]

日曜日に覆面をして銃を持った男たちが、部族地帯から地元政府の幹部関係者を拉致した。

南ワジリスタン政府関係者のアミール・ラティーフが、厳重に警護された車列でワナからタンクに向かっていることを、銃を持った男たちが突き止めた。男たちはラタィーフを車から下ろし、部族民警察の目の前で彼を連れ去った。

先月も隣りの北ワジリスタンのミール・アリで、別の政府幹部、アスマトゥッラー・ワジールが拉致されている。ワジールはいまだに救出されていない(後略)。

hoonMilitants kidnap Pakistan official in tribal area: police
PESHAWAR

■ワシントン、重要な人物を失う[090110 Asia Times]

バウチャー米国務次官の要求に応えて、パキスタンは火曜日にラシュカレ・トイバに対する取り締まりを実施する予定だった。しかし内務省と警察、諜報局の協力で実施される予定だったこの作戦は、実施される11時間前になって、パキスタン軍により中止させられていたことがわかった。

さらに国家安全アドバイザーだったマフムード・デュラニ元少将も更迭された。更迭に先立ち、彼と政府幹部が、ムンバイテロの容疑者であるアジュマル・カサーブがパキスタン人であることを認めていた。デュラニは、アメリカとパキスタン政府、パキスタン軍をつなぐ要だった。

今年になってバウチャーは2つの要求をしていた。まず、ザルダリ大統領はインドと和解する。そしてカブールを訪れ、カルザイと協力関係を確立することである。

アメリカはアフガニスタンに派遣する兵士を3万兵から6万兵に増やす予定である。またパキスタンの部族地帯では、NATO軍のほかに、アフガニスタンとパキスタンの民兵が自国の政府軍と共にパトロールを実施する予定である。

しかしデュラニの更迭で、インドに対するアメリカの要求は中止された。したがってザルダリの文民政府は、アメリカとパキスタン軍との間で板挟みになる。

ムシャラフ退陣後は、デュラニが両者の仲介役だった。デュラニは南アジア問題を担当するアメリカの主要人物たちと強い結びつきがあり、カシミールやアフガニスタン問題解決のためのに、アメリカと協力していた。駐ワシントンのパキスタン大使でもあった。

hoonWashington loses a vital link
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■新年のミサイル攻撃でアルカイダ幹部殺害[090108 Washington Post]

新年にCIAがパキスタン北部で行なったミサイル攻撃で、アメリカが長い間追跡していたアルカイダテロリスト2人が殺害された。パキスタンのマリオット・ホテルの自爆事件の首謀者も含まれている。

関係者によると、1月1日のミサイル攻撃で、ウスマ・アルキニという名前を使用していたケニア人が殺害された。彼はパキスタンにおけるアルカイダの作戦責任者で、彼の腹心であるシマック・アフマッド・サリーネ・スウェダンとともに殺害された。2人は最近パキスタンにおける一連の自爆攻撃に関与し、1998年の東アフリカの米大使館爆弾事件の容疑者として、FBIの指名手配者リストに入っている。

キニは、7月以来実施されているCIAの攻撃で殺害された、8番目に重要な容疑者だった(中略)。

「新たなテロ攻撃を計画中に死亡した」と、ある関係詞者が述べた。2人が殺害された経緯は明らかではないが、ある関係者によると、CIAが操作する無人偵察機で、500ボンド爆弾が投下されて殺害されたという。攻撃があった南ワジリスタンのカリコット付近は、これまでにも無人偵察機により、たびたび標的にされている。

キニの本名はファヒード・ムハンマド・アリ・ムサラーンで、1990年にアフリカでテロリストたちを訓練し、ケニアやタンザニアの米大使館攻撃の首謀者といわれる(中略)。

9.11以後はアフガニスタンのザーブル州のアルカイダ責任者となり、その後アフガニスタンとパキスタン、東アフリカの間を行き来して、自爆や工作員の訓練を計画し、資金の調達も行なっていた。

2007年にパキスタンにおけるアルカイダの作戦責任者となり、7件の自爆事件を首謀した。2007年10月のベナジール・ブット暗殺未遂事件、2008年のマリオット・ホテル爆破事件も計画したといわれる(後略)。

ohNew Year's Missile Strike Kills Top Al-Qaeda Operatives
Joby Warrick

■「タリバンが今は支配している」[090108 BBC]

スワートの政府関係者であるムニール(偽名)が、スワートでの日常生活を説明する。最近タリバンは谷の大半を支配し、残虐な行為でその存在を誇示しているという。

「ここ5〜6日間、ミンゴラには13人の遺体がグリーン・チョークと呼ばれる広場に遺棄されていた。遺体を見るために、数百人が集った。首を切り落とされた遺体、単に撃たれた遺体」。

「ここ数ヵ月で私の村で殺害された人の数だけでも、すでにも2桁になった。村人だったり、国境警察隊の兵士だったり、まったく知らない人もいる。最近もひどい事件があった。私が村から離れていたときだった。タリバンに対抗するために人々を結束させようとしていた、影響力のある男だった。彼が射殺された」。

「1月15日までに女学校を閉鎖しろというタリバンの期限は偽りだ。学校はすでに閉鎖されている。数十校が放火された。私の姪も今は家にいる。女の子を教育しようとする者は、今や皆無だ」。

「みんな、このことを残念に思っている。でも遺体については、もっと心を痛めている。そしてタリバンが力を持ち始めた。昨晩村の壁に、『タバコを吸うな。ハシシを売るな』と書かれていた。このような落書きを家の周りで見ると、恐ろしくなる。近くの村ではタリバンが家の中に入り込み、テレビを壊して主を殴った」(中略)。

「村から出て行く者もいる。叔父の家は、タリバンに占拠された。彼らは私の村を支配している。タリバンが軍と戦ったとき、家が燃やされた。しかし、タリバンはまだいる。ここでは誰がタリバンなのか、わかならい。過激派は一目瞭然だ。しかし、協力者が誰なのかはわからない。誰も信頼できない。レポーターたちが入ってくると、また混乱してくる。誰も彼らに話せない。みんな怖がっている」。

garr'Taleban rule now'

■ムンバイのガンマンはパキスタン市民[090107 BBC]

パキスタンは、ムンバイ攻撃で逮捕されたガンマンはパキスタン市民だったと発表した。外務省が、「アジュマル・カサーブが、パキスタン国籍であるという情報が今入ってきた」と述べた。ムハンマド・アジュマル・アミール・カサーブは、攻撃があった最初の晩に逮捕された。

インドによると、10人のガンマン全員がパキスタンを拠点とするラシュカレ・トイバのメンバーだったという。ラシュカレ・トイバはこれを否定している。

いっぽうパキスタンのギラニ首相が、国家安全アドバイザーのマフムード・アリ・デュラニを更迭した。デュラニが更迭された理由は明らかになっていないが、生存しているガンマンがパキスタン人であるという非公式の発言をメディアにしたためと見られている。

首相が発表した声明によると、デュラニ氏は「首相を始めとする国家の責任者の信頼を失い、国家の安全を損なう無責任な行動をとったため」に更迭されたという。

パキスタンが、ガンマンたちとパキスタンが何らかの関係があったことを認めたのは、初めてのことである。「カサーブがパキスタン人だったことは認めている。しかしまだ調査が続いている」と、レーマン内相が述べた(中略)。これまでパキスタンは、ムハンマド・アジュマル・アミール・カサーブの名前は、パキスタンの戸籍には登録されていないと述べていた(後略)。

hoonMumbai gunman is Pakistan citizen

■ムンバイのガンマン、電話で指示される[090107 AP]

「女性を含む外国人3人がいる」と、ガンマンが電話の相手に語った。その答えは単純だった。「殺せ」。ムンバイのホテルの中に銃撃音が響き、喜びの声があがるのが聞こえる。

この無慈悲なやり取りは、11月のムンバイ攻撃の際に傍受したとインド政府が主張している、電話の会話の記録である。ニューデリーがパキスタンに手渡した証拠の一部である。

インドのマンモハン・シン首相が火曜日に、ガンマンたちは単独行動をしていたのではなく、パキスタンの組織が関与していたと信じていると述べた(中略)。パキスタン政府は証拠を検討していると述べたが、シンの主張を、この地域の「緊張を高めるためのプロパガンダ攻撃だ」と述べた(中略)。

『The Hindu』が入手したという盗聴記録によると、10人のガンマンは攻撃の最中、ラシュカレ・トイバの幹部指導者である上司たちから指示を受けていたという。

ある上司が「おまえのいるホテルに大臣3人と秘書がいる」と、タージマハル・ホテルにいたガンマンに言った。「どの部屋かはわからないが」。「それはいい知らせだ。ケーキの飾りだ」と、ガンマンが言う。

ユダヤ教センターを占拠した別のチームには、必要があれば捕虜を殺すように指示する。「もし捕虜が死ねば、インドとイスラエルの関係も悪化する」(中略)。またガンマンたちは、ムスリムの捕虜を殺害しないよう何度も指示された。

犯人たちは、捕虜の携帯電話など、いくつかの携帯を使用した。インド政府は攻撃の直後から、ホテル内部から発信される会話を盗聴し始めたという。また犯人たちの上司が使用した、インターネットを通じた電話も傍受されたという。

会話は、典型的な教師と生徒の会話だった。唯一生存したガンマンは、自分たちはパキスタン領カシミールでラシュカルに訓練されたと述べている。

攻撃の最初の段階で、あるガンマンが語っている。「大きな過ちを犯してしまった」。「どんな」。「船に乗り移ろうとしているときに、別の船が近づいて来た。みんな急いで船に乗り込んだために、イスマイルの衛星電話を置いて来てしまった」。この会話から、ガンマンたちがアラビア海に位置するムンバイにゴムボートで入ってきたことがわかる。

(中略)インドがパキスタンに提供した証拠には、攻撃の後に回収したさまざまな品目の写真がある。GPSユニット、携帯電話、銃、爆発物、衛星電話の会話から傍受したデータ、逮捕されたガンマンの供述などである。またピクルス、洗剤、マッチ、ティッシュ、Mountain Dewの瓶、ひげ剃りクリームやタオルなど、パキスタン製の製品などもある。

しかしガンマンたちが単独行動をしていたのではないという確実な証拠、そして最も恐ろしい証拠は、電話の会話に残っている。「電話を切るな」と、上司が犯行の最中に言う。「銃撃音が聞こえるようにしておけ」。

garrMumbai gunmen were commanded by phone
SAM DOLNICK、NEW DELHI

■武装勢力、警察官殺害[090107 BBC]

タリバンがハングの警察官3人を殺害、3人を拉致したと関係者が述べた。警察の検問所が襲撃されたハングでは、シーア派の行進に先立ち、戒厳令が出されている。

この地域で活動しているタリバンは、ハング各地にシャリア法を施行したばかりである(後略)。

hoonMilitants kill Pakistan policemen

■アフガンで一般市民の犠牲者増加。抵抗勢力50人殺害される[090107 AFP]

水曜日に治安部隊が、アフガニスタン各地の戦いで武装勢力50人を殺害したと発表した。しかし軍事作戦で、一般市民数十人が殺害された疑いが出てきた。

アフガンと国際軍が、一般市民に犠牲者が出たという報告を調査していると述べた。ある事件では、月曜日にウルズガンで、治安部隊と武装勢力との衝突の際に大砲が一般市民を直撃し、11人が死亡したという。警察によると、このうち8人が女性だったという。内務省報道官のゼマライ・バシャーレイは、砲撃は治安部隊によるものか武装勢力によるものかを、現在調査しているという。この戦いで、「司令官を含む平和の敵12人を殺害した」と、内務省が発表した。

米軍によると、火曜日の作戦では、カブールの近くのラグマン州のアリシン地区で、治安部隊に爆弾攻撃を実施していた武装瀬勢力32人を殺害したという(中略)。しかし、ある州政府関係者によると、この攻撃で一般市民22人が殺害され、9人が負傷したという(中略)。

いっぽうヘルマンド州の住民によると、火曜日早朝、国際軍の作戦で、女性1人を含む村人19人が殺害されたという。戦いは、タリバンが支配しているバグラーン地区で発生した。NATO軍は戦いがあったことを認めたが「一般市民の犠牲者がいたという報告はない」と述べた。軍は深夜にカファールにヘリコプターで着陸して長老兄弟の家を襲撃したと、ヘルマンド地方議会のムハンマド・グルが述べた。女性を含む9人が、この襲撃で死亡した。数時間後ヘリコプターが再び戻って来て、カファール村の様子を隣村から見に来ていた人間10人を殺害したという。村の住民であるグーラム・ムハンマドも同様の話をして、村人たちは「怒っている」と述べた。

また水曜日にファラ州では、軍が武装勢力6人を殺害したと米軍が発表した(後略)。

hoonAfghan civilian casualty claims mount, 50 rebels said killed
KABUL

■タリバン、オラクザイのレストハウスを占拠[090107 Daily Times]

タリバンが火曜日に、オラクザイ行政区にシャリア法が施行されたことを表明し、その後政府経営のレストハウスを占拠した。

オラクザイ行政府関係者が、タリバンが政府のレストハウスを月曜日の夜に占拠したと述べた。タリバンがこの地域に影響力を拡大しているために、政府関係者たちはすでに引き上げ、レストハウスを警備しているカサダールの力も及ばなくなったという。タリバンは、建物を自分たちの本部にすると述べている(後略)。

hoonTaliban occupy rest house in Orakzai
HANGU

■部族民、カイバル行政区で軍事作戦を終了するために協力[090107 News]

ジャムルッドのコキヘールとムッラーゴリ部族民がついに行政府に屈し、カイバル行政区における軍事作戦を終了することと引き換えに、平和維持のために協力することを申し出た。

2部族民のジルガが代表者が、カイバル行政府責任者のムハンマド・タリーク・ハヤートのもとを訪れ、8日前から実施されている軍事作戦を終了するよう要求した(中略)。

作戦で無実の人間が治安部隊に逮捕されているために、商売や日常生活を送ることができなくなっていると訴えた。

しかし政府は、部族民長老たちがこの地域の治安回復のための責任を負わないかぎり、作戦を続けると述べた(中略)。政府は取り調べのあと無実な者は釈放され、作戦で被害を受けたものは補償されると述べたが、作戦は中止しないという(後略)。

hoonTribes offer cooperation to end military operation in Khyber Agency
PESHAWAR

■米軍、北ワジリスタンで捜索活動[090107 News]

月曜日の夜、米兵を乗せたヘリコプター2機がパキスタン領内に侵入し、アフガニスタンのコースト州と接する北ワジリスタンのザンゲ・ダール村に着陸して遊牧民3人を拉致した。

これとは別に武装勢力が月曜日と火曜日の間に、北ワジリスタンで、アメリカのスパイだという4人を殺害した。

部族民の情報源によると、米軍ヘリコプターがグーラム・ハーン地域の近くに着陸して、小さな村で、タリバン武装勢力の捜索を行なったという。村で武装勢力を発見することができなかったが、タリバンと関係があるとして無実の男たちを捕まえ、アフガニスタンに連れ帰ったという。

政府関係者やミランシャーの治安関係者は、同盟軍がパキスタン上空を侵犯したことを否定している。軍報道官も、そのような情報はないと述べた(中略)。

いっぽう北ワジリスタンの武装勢力が、アメリカのためにスパイ活動をしていたという男性4人を殺害し、遺体を幹線道路に遺棄した(後略)。

hoonUS troops carry out search operation in NWA
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.