【2009年3月2日〜3月8日】


■パキスタン、今のところは僻地を統制[090308 New York Times]

バジョールのタリバンを一掃するために6ヵ月に及ぶ作戦を実施した結果、パキスタン軍は勝利を主張した。その証拠として、軍は、武装勢力から取り返した、かつては活気があったバザールを見せびらかした。「抵抗運動は一掃された。我々は道路をコントロールしている」と、国境警察検事のタリーク・ハーン中将が述べた。「彼らは敗北した」。

しかし、報道陣に紹介されたバジョールのツアーでは見えないところで、タリバンやアルカイダとの戦いはいまだに続いているようだ。

欧米の軍専門家によると、抵抗勢力たちは、バジョールのこの場所や近くのロエ・サムから一掃されたかもしれないが、タリバン本体は山中に隠れ、戻ってくる機会を伺っている。これまでもそうだった。

同時に、パキスタン政府とタリバンとの間では和平協定が締結されたことで、政府が武装勢力たちを本当に一掃する能力があるのかが、疑問視されている。

軍による爆撃で、住民はこの地域から遠ざかってしまった。この地域からタリバンを追い出そうとするパキスタンとアメリカの計画が成功するためには、人々に信用されなければならない。「政府が部族民をしっかり捉え、彼らの懐に金が入るようにしなければ、武装勢力が戻ってくる」と、北西辺境州の元大臣で、現在はバジョールでパキスタンとアメリカの協同事業の活動をしているのハリッド・アジーズが述べた。このほかに、農業援助も必要だ。「今は経済が存在しない」という。

難民たちの帰還プログラムには、電気や水の供給、家の再建、現金収入が入るプログラムなどが必要だと、連邦政府代表のシャフィールッラー・ワジールが述べた。この計画は、文民ボランティアが国境警察隊の協力を受けて行なうと、米関係者が述べた。

しかし、さまざまな障害がある。例えばタリバンから目をつけられ、さらに政府からは見放された長老たちを帰宅させることだ(中略)。「軍の空爆で失った物に対する補償と、政府とタリバンからの保証がほしい」と、インヤット・カレイの長老、イドレース・ハーンが語る。政府の保証にもかかわらず、戻ることが安全なのか、決めきれない難民が多い(中略)。

バジョールに報道陣を招いたハーン将軍は、6ヵ月の作戦で、武装勢力1600人が死亡したという。しかし住民はこの主張を信じていない。欧米軍関係者も、軍が遺体を提示していないために、何人タリバン戦闘員が死亡したかはわからないという。

長老のハーンは、バジョールのタリバン指導者ファキール・ムハンマドの家がいまだに取り壊されていないことに激怒する。「ファキール・ムハンマドはまだダマドーラにいる。なぜ彼の家は攻撃されないのだろう」。

ハーン将軍は、タリバン幹部は誰も殺害されていないことを認めた。諜報情報が足りないためだという。

隣のモーマンドでも、パキスタン軍はタリバンに対する勝利を主張した。

国境警察隊が、報道陣をカンダーロ村に率いた。モーマンドのタリバン指導者であるアブドゥル・ワリが、男子校を自分の本部にしていた。現在は国境警察が占拠している。タリバンが施行したイスラーム法廷は、現在は機能していない。

しかし報道陣がここにくる前日、武装勢力がマーモンドで国境警察隊員3人と政府の警備員3人を射殺した。土曜日には、14人のレビと呼ばれる準軍隊兵士が、ヤカ・グンド地域でタリバンに殺害された。準軍隊の中でも最も軽装備のレビは、武装勢力に家を包囲された長老の救出にやってきた。タリバンがこの長老に目をつけたのは、政府幹部がこの長老を訪問したからだ(後略)。

hoonPakistan Regains Control of Remote Area, for Now
JANE PERLEZ and PIR ZUBAIR SHAH、INAYAT KALAY

■タリバン12人、和平協定に従って解放される[090308 News]

土曜日に北西辺境州政府は、和平協定に従ってタリバン12人を釈放し、3月12日にスワートの法廷にカジが任命されることを発表した。

TNSMの代表、ムハンマド・アラームとアミール・イザートが、アワミ・ナショナル党責任者のアフラシヤーブ・ハタックと北西辺境州情報大臣のミアン・イフティハール・フセインと話し合った後、拘束されていたタリバン12人が釈放され、3月12日にカジが任命されることを発表した。

彼によると、谷の平和は80%が回復し、残りの20%も近い将来には回復するだろうという(中略)。もし状況が改善すれば、治安部隊はもう必要ないと述べた。軍はすべての学校から徹底し、政府は学校を再開する。

(中略)いっぼう武装勢力はサイドゥ・シャリーフから、6人の男たちを自宅から拉致したが、3時間後に解放した。住民によると、武装勢力たちは和平協定が締結された後も、人々を拉致しているという。

(中略)カンジュの治安部隊に対する抗議デモがあり、数百人が2時間以上も、カーバル〜マッタ間道路を封鎖した。人々は、学校を占拠している治安部隊に撤退を要求した。スーフィー・ムハンマドがカンジュ・チョークに現れ、軍は学校を始めとする公共の建物からすぐに撤退することを約束した(後略)。

hoon12 Taliban prisoners freed under peace accord
MINGORA

■南ワジリスタンで無人偵察機「撃墜」[090308 News]

土曜日の午後、南ワジリスタンのアンゴール・アッダ近くのシャキーン地域の山中で、アメリカの無人偵察機が墜落した。

アンゴール・アッダの軍と政府関係者によると、米偵察機がシャキーンで墜落したという報告を受けたという。しかし偵察機が墜落した位置は、まだ確認されていない。ある政府幹部関係者が語ったところによると、偵察機は技術的問題で墜落したという。シャキーンの部族民たちが、偵察機の残骸を回収するために派遣された政府関係者たちに、タリバンがCIAの操縦する偵察機に発砲しているのを目撃したと述べた。

しかし一団は、偵察機を発見することができなかった。村人たちが、小さな飛行機のように見える物体が、山中に落ちているのを見たという。

(中略)「村人とシャキーン周辺の国境警察隊兵士は、偵察機が山中に墜落したことを確信している」と、アンゴール・アッダの軍関係者が述べた。暗闇と安全のために、山中に入ることができなかったために、手がかりをつかむことができないまま、調査団は戻って来たという。

軍報道官のアサール・アッバス少将は、米偵察機が南ワジリスタンに墜落したという情報を得たと述べた。情報収集のために、調査団を派遣したという(中略)。「残骸を回収すれば、メディアに発表する」と述べた(中略)。

南ワジリスタンで活動しているモーラビ・ナジールの組織に属するタリバン司令官が、仲間がアメリカの飛行機を撃墜したと述べた。「村の上空を旋回していた米偵察機に向かって発砲していたが、撃墜はしていない」と語った。

《AFP追記》

タリバンが土曜日に、アフガニスタンと接する部族地帯で米無人偵察機を撃墜した。住民と地元の警察関係者によると、南ワジリスタンの村の上空を、2機の推察機が飛行していた。そのうちの1機が、武装勢力に撃墜されたという。「タリバンが発砲するのが聞こえ、偵察機が墜落した」と、部族民警察官のイスラール・ハーンが語った

hoonDrone‘shot down’in S Waziristan
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■オバマ、タリバン要員との接触を考慮[090307 New York Times]

オバマ大統領が記者会見を開き、アメリカはアフガニスタンの戦争に勝利していないと述べ、和解計画に扉を開き、米軍がイラクのスンナ派と接触したように、タリバン内の穏健派と話し合う予定でいることを発表した(中略)。「アフガニスタンやパキスタンで、別の方策があるかもしれない」と述べたが、アフガニスタン問題の解決法は複雑であることも警告した。

金曜日にエアー・フォース・ワン内で『ニューヨーク・タイムズ」と行なった35分間の会話で、新たな政権が直面しているいくつかの問題について語った(中略)。

オバマは選挙活動の際に、タリバンを分裂させる方法を「検討するべきだ」と述べていたが、今度はアフガニスタンとパキスタンに対して、新たな政策を考え始めていることを示した。イラクの戦略を真似て、和解を第一に考えることが重要だと述べた(中略)。しかし「アフガニスタンの状況は、もっと複雑だ」という。「無政府状態の地域が多く、部族間の対立が歴史的に続いている。さまざまな部族民が、それぞれの目的をもって活動しているために、これらをすべて考慮して行動することは、非常に難しい」。

米軍のプランナーにとって、タリバン内の要員と接触することは、とてもデリケートな問題である。まず、どのタリバンが和解キャンペーンに応じるかを、見極める必要がある。また抵抗運動が続いている無法地帯でこれを行なうことは、並大抵のことではない。

(中略)さらにオバマは、テロ容疑者が潜んでいる国家の協力を受けずに、彼らを攻撃し続けるつもりでいることも明らかにした(後略)。

hoonObama Ponders Outreach to Elements of the Taliban
HELENE COOPER and SHERYL GAY STOLBERG、WASHINGTON

■アメリカ人拉致犯人を突き止めたとパキスタン[090307 AFP]

パキスタンは、拉致されたアメリカ人の国連関係者の犯人を突き止め、隠れ家の周囲を包囲したという。

シャー・マフムード・クレイシー外相が、治安部隊が国連難民局責任者のジョン・ソレッキが監禁されている現場周囲を包囲したと述べた。「犯人たちの身元と居場所を突き止めた」と、クレイシーが金曜日に記者団に述べた。「政府はソレッキの安全を第一に考慮し、あわてて行動しない」という。「彼が無事に救出されることを、最優先させる」(後略)。

hoonPakistan says knows US hostage's kidnappers
QUETTA

■爆発で警察官11人死亡[090307 AP]

北西辺境州で、警察が車から遺体を引き出そうとしたところ、車が爆発し、警察官7人と通行人1人が死亡した(中略)。

遺体を囮として使用する、初めての犯行である。事件は、最近住民たちが警察と協力して、武装勢力たちを追い出したバデベール地域で起きた。

これとは別にダラ・アダムヘールでは、軍の車列が道路脇に仕掛けられた爆弾で爆発し、通行人3人が死亡、兵士4人が負傷した(中略)。

土曜日に、駐車中の車に遺体が放置されているという匿名の電話があり、これを調べに警察官たちがペシャワル郊外にあるバダベールに派遣されたと、警察責任者のラヒーム・シャーが語った。「警察が現場に行った。白い車を発見した。遺体が中にあったので、引き出そうとしたところ車が爆発した」という。「新たなテクニックだ」という。

犯行は、カイバル行政区のすぐ外で起きた(後略)。

garrBombings kill 11 in Pakistan amid political feuds
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■TNSM支持者たち、マムデーライに入る[090307 News]

TNSMのメンバー数百人が、1年半ぶりにマムデーライのモスクから軍が撤退したことを祝して、金曜日の祈りを捧げた。政府はスワートに平和を回復させるための一環として、建物をTNSMに引き渡した。

このマドラッサはかつてはモーラナ・ファズルッラーの本部として機能し、政府が2007年にラール・マスジッドを襲撃した際、ここから政府に対抗した。これを受けて政府は軍事作戦を実施し、国家の威厳を取り戻そうとした。治安部隊がファズルッラーとその追随者を建物から追い出し、占拠していた。しかし軍は谷で勝利することはできなかった(中略)。

ニザミ・アドル条例設置が表明されると、政府はマムデーライの建物から撤退することに決めた(中略)。

TNSM副責任者のモーラナ・ムハンマド・アラームは、祈りの後、政府の方針を賞賛した。ファズルッラーの武装した支持者たちはマドラッサに入ることはできないが、武器を持たない者は歓迎すると述べた。

政府はこの建物を、イスラーム大学に立て変えると述べた。政府の費用で、建物が増築される(中略)。

いっぽう谷では拉致事件が続いた。金曜日にカンバル村からアユーブが何者かに連れ去られた。

hoonTNSM devotees move into Mamdherai
MINGORA

■タリバン、仲間の釈放と引き換えに、ポーランド技師の遺体を交換か[090307 News]

ダラ・アダムヘールのタリバンが、殺害されたポーランド人技師のペートル・スタンツァックの遺体の引き渡しをいまだに拒否しており、取り引きとして、仲間の釈放を主張している。

元MMAの国会議員モーラナ・シャー・アブドゥル・アジーズが、ポーランド人技師の遺体引き換えのために尽力しているが、いまだに成功していない。アジーズによると、デーラ・イスマイル・ハーンのタリバン司令官と会い、誰が技師を拉致し、その後殺害したかを聞き出し、遺体の返還を求めるという。ダラのタリバンと会うために、オラクザイ行政区に向かう予定だという。

(中略)アジーズによると、当初ダラのタリバンは仲間60人の釈放を求めたが、後にダラ・アダムヘール出身の武装勢力4〜5人に数を減らしたという(後略)。

hoonTaliban to swap Polish engineer痴body for militants
PESHAWAR

■タリバン、和平協定のあと過激主義の法律を強化[090306 AP]

スワートにあるCD店の店主ゼーブ・グルは、パキスタンの指導者たちがタリバン武装勢力と取り引きを交わした後、商売ができなくなったと語る。

政府は、タリバンは厳しいイスラーム法を強要することはできないと主張しているが、グルのような商売人は、そんなことはあり得ないと知っている。彼は肉を売る事にした。「今やタリバンが、すべてを決めている。彼らを怒らせたら大変だ」。

タリバンと取り引きしたパキスタンの指導者たちは、寛容なイスラーム法が施行され、女生徒も学校に行くことが許されると主張している。

しかし、停戦協定が交わされてから3週間たった今、タリバンはスワートに対する支配を強化し、過激なイスラーム法を施行しようとしている。

ミンゴーラのバザールにある小さな店で、アリ・アフマッドは携帯電話を売ることにした。以前はパキスタンのボップス音楽のCDを売っていたが、タリバンによって罪深い行為と言われた。和平協定が結ばれたということは、音楽の商売は今後できないということだと語る。

(中略)ほとんどのアナリストたちは、これまで繰り返されてきたように、タリバンとの和平協定は崩壊し、タリバンが強くなっていくだけだと見ている。

和平協定にもかかわらず、タリバンによる暴力行為は続いている。今週パキスタン兵2人が殺害され、和平協定が締結された翌日、テレビジャーナリストが拉致されて殺害された。

政府は、年老いた親タリバン系宗教指導者のスーフィー・ムハンマドを通して、話し合いを行なっている。彼は暴力を否定したが、タリバンと同じ理念を持って活動を続けてる。2001年には戦闘員数千人を、米軍と戦わせるためにアフガニスタンに送り込んだ。

政府は、武装したタリバンを、過激主義的な思想を持ってはいるものの、非暴力的な運動を行なう者たちと切り離すために、ムハンマドと取り引きしたと主張している。「アメリカは何千という法律を持っている。彼らは自分たちの制度を持っている」と、ムハンマドの報道官のアミール・イザートが語る。「我々はムスリムだ。我々はイスラーム制度を支持している。クルアーンやハディースに従って生活することは、我々の権利だ」。

ミンゴーラでは、ムハンマドの支持者たち数十人が町に繰り出し、ジハードを賛美する音楽をカーステレオで流す者もいた。近くのカンジュとマッタは完全にタリバンに支配され、外部の者は入ることができないと、住民が述べた。

取り引きは極秘に勧められた。取り引きが実現化した経緯、また誰が今後これを遂行するかも、明確にされていない。ザルダリ大統領報道官は、スワートに平和と政府の権限が回復するまでは、法変更を許可に調印しないと述べた。

「過去2年間、流血が続いた。完全な混乱と空白地帯になってしまった。現在は混乱状態から安定に移行させようとしている」と、州文民政府責任者のフーシャル・ハーンが述べた。武装勢力たちは、時がきたら武器を捨てるだろうと付け加えた。

水曜日にスワート政府は、17ヵ条の条約に同意した。これは約束されているイスラーム法の範囲を、拡大するものだ。その中には、祈りの時間の間は店舗を閉めること、CDや「猥雑なビデオ」を売る店を閉鎖すること、売春婦を追い出すことなどが含まれている。

政府関係者たちは、イスラーム法の裁判官の設置が法制度に組み込まれるが、これは政治システムを変えたり、社会問題を規制することはできないと主張する。「CDを売る店を閉鎖させることは許されない」と、州の法務大臣アルシャッド・アブドゥッラーが語る。

住民たちは軍の攻撃や、タリバンに反対する者への見せしめとして、残虐な処刑がなくなったことだけを、喜んでいる。「平和が来ることを嬉しく思う」。「もう木から遺体が吊り下げられることはない」。

hoonTaliban cement rule, hard-line law after truce
SHERIN ZADA and CHRIS BRUMMITT、MINGORA

■タリバン、「米スパイ」2人を殺害[090306 AFP]

金曜日にパキスタンの部族地帯のタリバンが、米軍のためにスパイ活動をしていたという2人の男を殺害した。

銃で撃たれたアフガン難民のシェール・ハーンと、パキスタン人長老のナザール・ジャンの遺体が、それぞれ北ワジリスタンで発見された。「2人の遺体には、アメリカのためにスパイ活動をしていたために殺害されたというメモが残されていた」と、警察官のルーフ・ニアーズ・ハーンが述べた(後略)。

hoonTaliban kill two 'US spies' in Pakistan: officials
MIRANSHAH

■パキスタンの爆発で市長死亡[090306 AFP]

パキスタン北西部の町で金曜日、タリバン武装勢力が仕掛けたと思われる道路脇の爆弾により、市長が死亡、運転手が負傷した。

ミランシャーから70キロ離れたカキ町の市長が、爆発があったムンダン地域を車で通過していた。

「遠隔操作爆弾で車が爆破され、ヘール・ウッラー市長が死亡し、運転手が負傷した」と、警察官のサリーム・ハーンが述べた(後略)。

hoonMayor killed in Pakistan bomb blast: police
MIRANSHAH

■キルギス、米軍主導同盟軍の基地使用を禁じる[090306 AP]

キルギスタンの政治家たちが金曜日に投票を行ない、アフガニスタンで戦う米軍主導軍に、国内にある航空基地の使用を中止することを決議した。80対1の投票結果で政治家たちは、マナス航空基地を使用している11ヵ国の軍隊に、基地使用を許可しないことを決めた。アフガニスタンの作戦のために、1万5000兵と500トンの積荷が、基地を中継点として使用していた。

中央アジアのこの国家は去年アメリカに、マナス航空基地から6ヵ月以内に撤退することを命じた。しかし他の同盟軍国家も基地を使用できなくなったことで、別の形で基地が使用できるのではないかという期待も否定された。

マナスは主に米軍が使用しているが、フランス、スペインなどの小隊も使用している。基地の使用が許可されているのは、オーストラリア、デンマーク、オランダ、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、ボーランド、韓国、トルコである。

バキエフ大統領報道官は今週は、キルギスタンは米軍が国内で活動することを許可するために、新たな取り引きを行なう準備ができていると述べた。バキエフは、基地の年間使用料1700万ドルを値上げすることを繰り返し要求していたが、アメリカはこれを無視したと不満を表していた。

(中略)バキエフは今週、キルギスタンはアフガニスタン向けの非致命的物資の中継点として、交通ルートを提供する準備があるという懐柔的な態度を示した。キルギスタンはアフガニスタンと国境を接していないが、アフガニスタンと国境を接するウズベキスタンとタジキスタンと米軍は、同じような取り引きを締結している。

hoonKyrgyz vote denies US-led coalition use of base
LEILA SARALAYEVA、BISHKEK

■TNSMとの会合、延期[090306 News]

木曜日に、TNSM責任者と北西辺境州政府との間で計画されていた重要な話し合いが、延期された。何らかの理由により、政府側のアフラシヤーブ・ハタックとミアーン・イフハール・フセインの都合がつかなくなったせいである。

今回の会合は、政府が拘束している武装勢力の解放と、スワートにある治安部隊の検問所の撤去を話し合う予定だった。情報源によると、今回決まった17ヵ条の協定を見直すことになっていたという。政府は、武装勢力が武器を持ち歩いていることに対して不満を表明し、これに関して話し合うことを望んでいた。

またモーラナ・スーフィー・ムハンマドが、マッタで、モーラナ・ファズルッラーと会ったといわれる。情報源によると、スーフィー・ムハンマドは、武装勢力が武器を持ってパトロールしていることに対して怒りを表明し、ファズルッラーにすぐさま武器を捨てるように要求したという。義理の息子であるファズルッラーに、TNSMは政府との話し合いに満足していることを伝え、政府がTNSMの要求を実現することを期待しているという。

しかし、TNSM報道官のアミール・イザートは、スーフィー・ムハンマドがファズルッラーと会ったことを否定した。またTNSM責任者に近い情報源によると、スワート政府のフーシャル・ハーンが拉致されたときにスーフィーはファズルッラーと連絡を取ったというが、2人が会ったことは否定した。

さらにTNSMは、マムデーライに移ることを延期した。イザートによると、ここにある建物は、地元TNSM活動家に引き渡されたという。スーフィーは現在ここに移っていない。現在は政府との話し合いに忙しく、ミンゴーラに頻繁に来るのことは難しいという。中央シューラが信任されたあと、マムデーライに移るという(後略)。

hoonMeeting with TNSM postponed as govt reps fail to turn up
MINGORA

■パキスタンの和平協定は平和ではなく、タリバンにとっての逃げ道[090305 New York Times]

先月タリバンとパキスタン軍が和平協定を結んだが、このおかげでタリバンは自由に活動し、厳しい宗教支配を拡大している。

和平協定が締結された数日後、有名な反タリバン一家が、政府から安全を約束されたために村に帰った。彼はすぐにタリバンに拉致され、拷問されて殺害された。

その後武装勢力は、彼の葬儀に参加するために訪れる親戚を探し出すために道路封鎖を行ない、車を捜索した。誰も葬儀に参加しなかった。

今週、飲料水を運ぶタンクローリーを先導していたパキスタン軍の車列が襲撃され、兵士2人が殺害された。行動予定を、事前にタリバンに知らせなかったためだ。

水曜日に州政府は、地元タリバン指導者との合意書に調印した。シャリア法施行を約束するとともに、音楽の禁止、祈りの最中に店舗を閉めること、反イスラーム的行為に対する苦情を寄せる投書箱など、新たな条例が盛り込まれた。地元の住民は、女子校が開校されることに対しては、懐疑的だ。

これまでパキスタンの部族地帯で締結されてきた和平協定のおかげで、アルカイダやパキスタン人抵抗勢力たちが「ミニ国家」を築くことになった。パキスタン政府は、スワートで協定が結ばれたことにより、パキスタン陸軍の負担がなくなり、地元の住民の苦悩を和らげ、地元の司法制度に対する苦情もなくなるという。

スワートから脱出した数千人の住民のうち数百人は、自宅に帰ることをいまだに躊躇している。「武装勢力たちは武器を放棄していない」と、弁護士のシェール・ムハンマドは語る。「一度権力を知ると、それを放棄することは難しい」。

パキスタン政府は2月16日に、軍がスワートの70%を失ったあと、イスラーム宗教指導者のモーラナ・スーフィー・ムハンマドと停戦協定を締結した。政府によると、モーラナ・ファズルッラーのような過激主義のタリバン指導者と、ムハンマドのような中庸な立場にいる武装勢力を分けるためには、和平協定しか方法がなかったのだという。ファズルッラーはパキスタン人タリバンやアルカイダ戦闘員を従えて、スワートでパキスタン軍と戦っていた。

しかし協定に批判的な者たちは、政府の目論みとは異なり、スムートをタリバンに引き渡しようなものだと見ている。

軍は、イマーム・デーリ村にあるマドラッサからの撤退に同意した。去年軍が占拠するまで、ファズルッラーがこのモスクからFMラジオを発信してきた。

木曜日に、ムハンマド報道官のモーラナ・イザート・ハーンが、3月15日までにシャリア法廷裁判官を選出することを確認した。州政府は、イスラーム法が施行されることで、住民が要求していた迅速な裁判が実現するが、残虐な処罰方法はこれには含まれていないという。

水曜日の条例には、女子教育が再開されることが盛り込まれておらず、これは悪い兆候である。これまで武装勢力はスワートにある女子校数百校を燃やし、女学生を家に追い返した。

北西辺境州大臣のアミール・ハイダル・ホティが今週スワートを訪れた際、女子校は再開されると述べた。しかし州政府には資金が不足しており、焼かれた学校を再建するだけの資金がないと思われる。

さらにスワートの開発のために資金を援助していたヨーロッパの活動団体は、スワートを統治しているタリバンに協力することを躊躇している。

和平協定にもかかわらず、住民の大半はタリバンを恐れていると、NGO団体のInitiative for Development and Empowerment Axisのムハンマド・アマードが語る。武装勢力は、政府や軍を支持する人間をいまだに捜索している。マンダル・ダーグの自宅に戻ったあと殺害された、親戚のラフマット・アリについて話した。ラフマット・アリは、タリバンに対して決起した宗教指導者であるピール・サミウッラーの従兄弟である。サミウッラーは支持者を従え、3ヵ月間にわたって武装勢力と戦い、数百人を殺害した。

政府に安全を保証されたために、アリは自宅に戻った。「政府のばかげた主張を信じて、村に帰った」とアマードが述べた。「商売を開始したかったのだ」。彼は小さな輸送会社を運営していて、車の販売を計画していたのだという。自宅に帰ったアリは拉致され、5日間拘束された。遺体が2月25日に発見された。「彼の背中に皮膚は残っていなかった。帰らない方がよいと、忠告したのに」。タリバンは地元のモスクで、村のすべての家族は、それぞれ若者1人を自分たちのもとに送り込まなければならないと、要求したという。

タリバンの前で地元政府や州政府関係者は、何の力も持たないようだ。イスラマバードに逃げた政府関係者もいる。ロンドンに逃げた者もいる。タリバンと協定について話しあうためにスワートを訪れた者たちは、誰が権力を握っているかを見せつけられた。

地域政府責任者のクーシャル・ハーンは、先週タリバンと話し合うためにスワートに到着するや否や、護衛とともに拉致された。その後、解放された。

タリバンは、新しい訓練所も運営し始めたという。電話インタビューに応じたマンダル・ダーグの住民によると、武装勢力たちは、山中の学校を訓練所にしているという。若い少年たちが、訓練所に放たれた犬を相手に、動く標的を銃で狙う訓練を受けている。

FMラジオ局もいだに放送され、毎夜の放送で、斬首予定の人間の名前が読み上げられている。しかし停戦後、その口調は少し緩和された。抵抗勢力たちの、政府や軍に対する激しい糾弾はなくなった。既に自分たちが完全にスワートを制御していることを誇示するために、武装勢力たちは村の状況を報道し、イスラームの教えを解き始めているのかもしれないと、ミンゴーラのビジネスマンのアドナーン・ハーンが述べた。

garrTruce in Pakistan May Not Mean Peace, Just Leeway for Taliban
JANE PERLEZ and PIR ZUBAIR SHAH、PESHAWAR

■スワートの和平協定を救済するための17ヵ条計画[090305 News]

スワートの和平協定をなんとか救済するために、政府とスワートの武装勢力とTNSMは、水曜日に17ヵ条計画を打ち出した。

この協定が交わされたあと、軍はマンデーライにあるモーラナ・ファズルッラーの元本部から撤退した。建物は、TNSM責任者のモーラナ・スーフィー・ムハンマドの管轄下になった。

さらに、軍はこれまで占拠していた、ミンゴーラにあるジェーンゼーブ大学とムハンマド・グル・シャヒード・モハッラー女子校からも撤退した。政府はこの協定に従い、武装勢力10人を釈放する。政府・TNSM・スワート武装勢力から、それぞれ1名ずつが選出され、協定が守られているかを監視する3人委員会が結成された。

タリバンの情報源によると、政府は谷にある検問所をすべて撤去することに同意したという。またタリバンは、治安部隊のために食料を運ぶ車列を攻撃しないことを約束した(中略)。

TNSMとスワートのTTPと政府は、それぞれの信頼を回復するための話し合いを行ない、ニザーミ・アドル条例施行が約束された和平協定に准じることを、確認し合った。

2時間に及んだ今回の話し合いには、TNSMからはムハンマド・アミール、アミール・イザート報道官など、そして武装勢力司令官のムハンマド・ハーン、政府からはDCOのフーシャル・ハーンが参加した。

話し合いでは、谷の平和のために17ヵ条からなる合意書が作戦された。それらは、麻薬密売者の取り締まり、猥雑な行為の取り締まり、買収の取り締まり、猥雑なCD販売の取り締まり、祈りの時間の間に店舗を閉めること、売春婦の追放などである。また、人々に詐欺行為をする人間や店の取り締まり、犯罪に対する取り締まりを開始。人々の苦情の迅速な解決、麻薬常習者のリハビリ・センター開設、すべての刑務所において、囚人にクルアーンの学習を奨励するとともに、リハビリを行なうこと、ウレマたちは全員信仰のために尽くし、この目的のために行動すること、警察署の信頼を回復させるための努力、マラカンド地区から汚職行為を行なう警察官を排除、政府関係の事務所の外には必ず苦情陳述箱を儲けること、女性も相続の分与、雇用者と被雇用者の権利を保護することなどが決まった。

このような合意書に准じて、マンデーライ・マルカーズを占拠していた治安部隊はここから撤退し、モーラナ・スーフィー・ムハンマドに引き渡した。スーフィーは建物に入ったと言われる。

hoon17-point plan to salvage Swat peace accord
Delawar Jan、PESHAWAR

■スワートで兵士2人殺害される[090304 News]

武装勢力が火曜日にスワートで、対汚職局の幹部2人を拉致し、マッタのロニアル地域で兵士2人を殺害した。

いっぽうTNSM責任者のスーフィー・ムハンマドが、治安部隊が和平協定に違反していると警告し、調停役を降りると警告した(中略)。

スワート・メディア・センターの発表によると、治安部隊がマッタ地区のロニアル地域で水を汲んでいたところを、タリバン武装勢力に攻撃され、3人が負傷したという。「武装勢力が突然、治安部隊のタンク車に発砲してきたが、これは和平協定に違反する。治安部隊は和平協定に従って行動している」という。その後c負傷した兵士2人が病院で死亡した。

これとは別に、武装勢力が対汚職局責任者のヤミーン・ハーンと部下のバハート・ザダ・ハーンを、ミンゴーラの近くで拉致したが、すぐに解放した。

現在軍事作戦が行なわれていないために、武装勢力たちは銃を持って町を自由にうろついていると地元の住民が述べた。武装勢力たちは和平協定のために恐れることなく、厚かましい態度をとっているという。

いっぽうヤミーンは、自分は拉致されてはいないと主張した(中略)。

ミンゴーラで記者会見を行なったスーフィー・ムハンマドは、軍が協定に違反すれば仲介役を降りると警告した。彼によると、セルセナイとロニアルで治安部隊が協定に違反し、自分たちの行動を事前に4人の委員に知らせなかったと述べた。以前も警告したにもかかわらず、政府は武装勢力数人を逮捕したという。

スーフィー・ムハンマドに近い情報源によると、和平協定に従うと、軍は委員会メンバーと一緒に行動することになっているという。また政府幹部関係者はスワートを出るのは自由だが、入るためには許可がいるという。また政府関係者を拉致したかどうか尋ねた所、拉致されたのではなく、客人としてやってきて、しばらくしてから解放されたという(中略)。

hoonTwo soldiers killed in Swat

■今度はTTPバローチスタン誕生[090304 News]

パキスタン人タリバンが、テヘリーケ・タリバン・バローチスタンという名の下で、バローチスタンに現れた。

バローチスタンから電話をかけてきた、報道官だと名乗るエンジニア・アサードが、自分たちの組織は、バイトゥッラー・マフスードのテヘリーケ・タリバン・パキスタン(TTP)とは別組織だと述べた。

エンジニア・アサードの主張を証明することはできず、また彼の素性もわからない。バローチスタン訛りのパシュトゥ語を話すこの男は、テヘリーケ・タリバン・バローチスタン(TTB)のメンバーは、全員パキスタン人だという。TTBは非ムスリムや、イスラーム国家を占領している欧米軍に対立するという。TTBはパキスタンの治安部隊や法機関と戦うことには反対している。パキスタンを戦場にするのではなく、イスラームの敵と戦うことに専念すると述べた。

TTB報道官は、自爆を非イスラーム的だと述べた。また月曜日に、ピシン地区でJUI-Fの州責任者だったモーラナ・ムハンマド・ハーン・シェラニとその一派が自爆犯に殺害された事件を非難した。

エンジニア・アサードは、TTBはピシンの自爆攻撃には関与していないと述べた。モーラナ・シェラニは以前に、故ダドゥッラー師が率いるアフガン人タリバンを非難したことがあった。このためにJUI-Fとアフガン人タリバンとの間には、亀裂が生じた。

エンジニア・アサードの話を信じるのであれば、バローチスタンで活動しているパキスタン人タリバンは、北西辺境州や部族地帯のタリバンとは異なるようだ。TTPのメンバーはほとんどパシュトゥーンであるが、TTBにはバローチ族活動家が含まれている可能性がある。いっぽう北西辺境州で活動しているパンジャーブ人たちは、パンジャビ・タリバンと呼ばれている。

hoonAnd now there is TTP Balochistan!
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■スーフィー、スワートの「平和使節」中止を警告[090304 Daily Times]

タリバンが治安部隊の車を襲撃して兵士2人を殺害、政府関係者1人を負傷させるいっぽう、親タリバン系宗教指導者のスーフィー・ムハンマドが「平和使節」中止すると警告したために、スワートの和平交渉は危うくなっている。

「マッタ地区で我々の車列が襲撃され、2人の犠牲者が出た」と、軍報道官のアサール・アッバス少将が述べた。

『AP』によると、タリバン報道官が、犯行声明を出した。「治安部隊が我々に告知せずに行動したために、タリバンは攻撃せざるを得なかった」と、ムスリム・ハーンが述べた。「我々は防衛する権利がある」。「軍が行動するときには、我々が仲間に通告できるように、必ず事前に知らせることになっていた」という。

『AFP』によると、和平協定に反対しているイブネ・アミーン司令官の配下の者たちが兵士たちを攻撃したと、ある治安関係者が述べたと報道した。

スーフィー・ムハンマドが政府が和平協定に違反していると主張したあと、攻撃があった。「もし治安部隊と政府が和平協定に違反し続けるのなら、平和のための努力を中止する」と、スーフィーが記者会見で述べた。モーラナ・ファズルッラーがスワートのタリバンを指導している態度には、満足しているとも述べた。「タリバンは間違ったことをしていない。政府が協定に違反した」。

しかしアッパス軍報道官は、軍は協定に違反していないと主張した。「我々の行動は、平和委員会に通告してあった。しかし彼らが、いつでも我々の後をついてくるわけにはいかない」。

地元の情報源によると、治安部隊は攻撃されたあとタリバンに発砲し、男性1人が死亡したといれわる。またペシャワルの情報源によると、スワートのタリバンの中には「和平協定を快く思っていない者がおり、スーフィー・ムハンマドは、まだ武器を持つ者たちを説得することは無理のようだ」と述べた。

いっぽうタリバンが北西辺境州の対汚職局責任者のヤミーン・ハーンを拉致したが、数時間後に解放した。これに先だち、スワートのDCOであるフーシャル・ハーンが、タリバンに拉致された。

hoonSufi threatens to abandon Swat 'peace mission'
MINGORA

■スリランカチーム、あわやテロ攻撃を回避[090303 Dawn]

火曜日の朝、スリランカのクリケットチームが乗ったバスが、ラホールのカデフィ・スタジアムの近くでテロリストに襲撃されたが、最悪の事態を免れた。

練習試合最終日を迎えたクリケット陣が、最終試合のために競技場に向かう途中だった。現場に残されたいくつかの証拠品から、犯人たちは選手たちを拉致しようとしていた可能性がある。

スリランカチームを警備していた警察官6人を含む7人が死亡し、20人が負傷した。チームのうち6人が負傷し、そのうちの2人は銃弾で受けた傷のために、病院で手当を受けた。

警察によると、銃を持った12人の男たちは高度の訓練を受け、ロケット砲や手榴弾を始め、洗練された自動火器を使用した。攻撃は約30分間続き、その後、車とリキシャを奪って逃走した。

警察は各地で、犯人たちが残した大量の手榴弾、ロケット砲、自爆ジャケット、プラスチック爆弾、時限装置、カラシニコフ、ピストルや無線などを押収した(中略)。

残された膨大な量の弾薬から、犯人たちは長時間法機関と対戦するつもりだった様子で、選手たちを乗せたバスをハイジャックする予定だったことも考えられる(中略)。

犯人たちは選手の車列にロケット弾を発射するとともに、手榴弾を投げ、銃撃した。ロケット弾と手榴弾は、幸い車列に命中しなかった。スリランカチームをエスコートしていたエリート警察が応戦し、そのすきに選手団を乗せたバスの運転手が猛スピードで安全な場所まで逃走した。

目撃者によると、犯人たちの攻撃が激しく、警察は的確に応戦することができなかったという(中略)。「最初の爆発は巨大で、家の窓が揺れた」と、近くに住む住民が述べた(中略)。

都市警察関係者のハッジ・ハビブゥール・レーマンが語ったところによると、州政府が2009年1月に、インドの諜報機関RAWがラホール・ツアーの際に、スリランカチームを攻撃する可能性があるという諜報情報を入手していたという(後略)。

ohSri Lankan team narrowly escape terror attack
Muhammad Faisal Ali、LAHORE

■アミール・ハイダル・ホティ、スワートの女子教育を約束[090302 Dawn]

スワートの女児は学校に通学してよいが、ヴェールを被らなければならないと、月曜日に政府幹部が述べた。

アミール・ハイダル・ハーン・ホティ州大臣は、政府は3月中旬までに宗教裁判官を着任させることも、約束した。

スワートのタリバン戦闘員は、ここ数年間の戦いで女子校数十校を破壊し、女性の教育を禁じた。

先月停戦協定が締結されると、女子校多数が再開したが、政府がシャリア法施行を約束したために、宗教的規制がどのていど厳しく課されるかが注目されている。

和平協定の条約には、武装勢力が武器を引き渡すことは盛り込まれていないため、アナリストたちは、この協定がそれほど長く続かないのではないかと見ている(中略)。

ミンゴーラを訪れたホティは記者団に、女性は学校に通えるが、「この地域の文化でイスラームの規範でもある、適切かつ必要な服装をしなければならない」と述べた。

この地域の女性や女児のほとんどが、顔の半分を隠すヴェールをすでにかぶっている。

ホティの主張に法的な権限があるかどうかは明らかではないが、学校に通うスワートの女児全員がこれを着用するとは思えない。現在女児は、小さなスカーフを被っている。

北西辺境州政府によると、この地域はニザミ・アドル法で統治され、イスラーム法廷を施行するという(中略)。これは法廷制度の変化を意味する。行き届かない世俗的な法廷に不満を持つ住民は、これを歓迎している(後略)。

hoonAmir Haider Hoti promises girls education in Swat
MINGORA

■ボーランド人技師の遺体引き取りに尽力[090302 News]

政府は、殺害されたポーランド人技師の遺体引き取りのために、さまざまな努力を行なっている。情報源によると、ポーランド人技師が殺害されたことで、政府は抵抗勢力の圧力に屈せざるを得なくなっているという。

「ボーランド人技師殺害により、政府は抵抗勢力に屈してスワートの武装勢力5人とバイトゥッラーの部下9人を釈放した上、ザルダイ大統領の中国訪問に先立ち、中国人技師の解放のために、1億ルピーを支払ったという」。

「政府や元政府関係者は、ポーランド人技師の遺体引き取りのために、最大限のことをしているが、不運にも今のところ何の進展もない」。

「ポーランド人技師の遺体引き取りのために、オラクザイ行政区のガイジョでジルガが開催された。ダラ・アダムヘール、オラクザイ、ワジリスタンとパンジャーブ人タリバンが、このジルガに出席した」と、情報源が語った。

情報源によると、ダラ・アダムヘールのタリバンを率いるタリバン司令官のタリークと、TTPを率いるバイトゥッラー・マフスードとの間でポーランド人技師の運命に関して話し合ったが、意見の相違があったという。バイトゥッラー・マフスードは、捕虜の処刑には反対した。

「この意見の相違が大きかったために、タリークはバイトゥッラー・マフスードの代表7人を殺害し、マフスードの助言を無視してポーランド人を処刑した」と述べた。

情報源によると、タリバンはポーランド人技師の解放と引き換えに、60人の仲間の釈放を求めていたという。その後、そのうち20人の釈放だけを求めた。「しかし政府は、この名簿を考慮することさえを拒否した。全員重要人物だったからだ。政府にとって最も重要な、4人の人物が入っていた」。

スワートのタリバンも、ボーランド人技師の運命を話し合うジルガに参加し、その後中国人技師の釈放と引き換えに、仲間の釈放を政府に求めた。バイトゥッラーも、政府に逮捕された9人の仲間の釈放を求めた」。

hoonNew efforts launched to recover remains of Polish engineer
Mazhar Tufail、ISLAMABAD

■ISIはハッカーニと会っていたと、インドのメディア[090302 News]

ISIの最高幹部の1人が、ミランシャーでタリバン幹部指導者との話し合いを行なったと、日曜日にインドのメディアが報道した。

インドの諜報情報源が『Times Now』に、マフドゥーム・シャー・マフムード・クレイシー外務大臣がワシントンでオバマ政権関係者と会っていた最中、ISIの少将がシラージュッディン・ハッカーニと会ったという。

hoonISI officer met Haqqani: Indian media
NEW DELHI

■コーストで武装勢力7人死亡[090302 News]

治安部隊が日曜日、ラチ地区のグルザンダイ地方の銃撃戦で、武装勢力7人を殺害した。

情報源によると、治安部隊がグルザンディ、ホティ・バンダ、カシュミ・ミアンガリ地域を封鎖して、抵抗勢力を大砲しようとした。

情報源によると、武装勢力が治安部隊に突然発砲し、負傷させた。治安部隊が応戦し、重火器を用いて抵抗勢力の拠点を攻撃した。

情報源によると、武装勢力7人が殺害され、5人が負傷した。戦闘ヘリコプターも、作戦に参加した。治安部隊が、数日前に拉致された4人を救出したという(後略)。

hoonSeven militants killed in Kohat
KOHAT

■戦術的成功、戦略的敗北[090302 New York Times]

米軍兵士たちが2月20日、村人が寝静まった深夜遅く、ロガール州に入った。目的地は定かだった。土塀で囲まれた建物を包囲し、命令を出すとドアを蹴り破った。中からは抗議の声が聞こえた。

その後何が起きたかは、さまざまな説がある。銃が撃たれ、中にいた男が死亡した。4人の男性が逮捕された。兵士たちはすぐに立ち去り、おびえた女性たちが、子供たちをなだめた。そして噂が飛び交った。

朝になると、憤慨した人々が近くのハイウェイを封鎖し、「アメリカ人に死を」と叫んだ。夕方になると、テレビを見た数百人のアフガン人たちが、扉を開けに出た武器を持たない男が、外国兵に殺害されたと信じ込んだ。

「我々はタリバンが怖かったが、今はアメリカ人のほうが怖い」と、襲撃があった村のトラック運転手のアブドゥル・ガッファールが語った。「外国軍は無実の人間を殺害している。アフガニスタンに彼らは要らない。このまま留まるのなら、ロシア人と同様に、ある日彼らに対抗する」。

バギ・ソルタン村に対する米軍の夜の襲撃は、戦術的には成功した。米軍関係者によると、死亡した男と現在拘束しているその仲間は、爆弾製造者だったという。数日間彼らを追跡し、殺害された男は、手にライフルを持っていたという。

しかし戦略的には、大きなダメージを受けた。村人の悲しみと怒りに脚色されたこの出来事は、タリバンのプロパガンダとアフガンのテレビの影響を受けて、アメリカ人の手に負えないところまで発展していった。さらに、オバマ政権が高額資金を費やして軍事作戦を展開しようとしている地域で、この事件が起きたのだ(中略)。

過去18ヵ月の間に、タリバンはロガールのいくつかの場所に拠点を作った。政府関係者によると、ロガールの住民は、政府側につくか抵抗勢力側につくか、決めきれないでいるという。

(中略)ロガールのアルティムールに新しくできた米軍基地には、約600兵が駐屯する(中略)。バギ・ソルタンの襲撃は、この地域にいる米軍にとっては大きなダメージだという。「我々はあらゆる努力を払ったが、メディアはもっと速かった(中略)。信頼性の問題になってしまった」。

しかし地元の住民やアフガン政府関係者に話を聞くと、問題はもっと複雑であることがわかる。同盟軍の爆撃や夜間の攻撃に対する不満が高まり、米軍やNATO軍に対する敵意が強まっている最中に、事件は起きた。

ロガール政府関係者は、住民と同様、最悪の展開を信じている。米軍関係者によると、アメリカ人たちの味方になることを恐れているのだと語り、カブールの政府は襲撃について事前に報告を受けていたにもかかわらず、地元政府には話していなかったという。

アメリカの関係者は、自分たちの行動を詳しく説明せず、また修正もしていない。諜報源を暴くこともできない。日中に村を訪れるためには、怪物のような装甲車に乗らなければならず、個人的な情報収集を迅速にすることは難しい。

襲撃があった1週間後に米軍関係者は長老1人に会ったあと、逮捕者1人を残して全員釈放したが、バギ・ソルタンの人々の感情は高揚していた。憤慨した住民と、兵士たちに協力するつもりのある住民との間の亀裂が、大きくなった。

今回の襲撃の最初のヴァージョンは、襲撃された家の持ち主、ムッラー・アブドゥル・マティーンの説である。彼は襲撃翌日レポーターたちに、重装備の米兵が寝静まった家に押し入り、弟を射殺したあと、女性と子供を1つの部屋に集め、彼の兄弟や従兄弟たちに手錠をかけて連れ去ったという。

「我々はテロリストでもアルカイダでもない。隠れてもいない。アメリカ人たちがこのような行為をする理由はないはずだ」と、マティーンが述べた。「アメリカ人たちは、アフガン人スパイから誤った情報を得た。彼らが無実の人間を殺害したり逮捕し続けるなら、彼らに対する怒りは大きくなるだろう」。アティクッラー・ルディン州知事も、米軍を非難した(中略)。

米軍関係者は、別の説明をする。アフガン軍と諜報関係者の協力のもとで、襲撃を実施したという。そのうちの1人は、アルティムールの分隊長、トッド・ボーク少佐である。

ポークによると、シェール・アガという死亡した男と逮捕した男のうちの1人は、ロガールで最近フランス軍が攻撃された事件に関わり、爆発製造物を持っていたという確かな証拠があったという。2人ともマティーンの家と、その隣の建物にいることがわかっていた。

「現場に居合わせたので、出来事は明らかだ」。アガは「AK47ライフルを持ち、逃げようとしていた」ところを、米軍に射殺された。「無実であれば、そこに座っていたはずだ」。

ボークや米軍関係者たちは、抗議はタリバンの煽動によるものであり、カブールやロガールのアフガン治安関係者との間にコミュニケーションがあれば、このような誤解生じるはずはないという。

ボークが先週、2人の地元警察関係者とハイウェイの安全に関して話し合っているときに、アフガン人たちは話題を変えた。なぜアメリカ人たちがマティーンの家の扉を壊したのか。なぜ発砲したのか、襲撃の前に何で事前に知らせがなかったのか。

「もしあなたが来て我々に頼んでいれば、彼をあなたに引き渡せた。そうすれば、何の問題も起きなかったはずだ」と、ムハンマド・ワヒドゥッラーがボークに、通訳を介して語った(中略)。

ボークは警察に、この件に関して上司に話してみると述べた。しかし警察官を信頼できるかどうかは、疑っていた。タリバンが外国軍に対するアフガン人の感情を利用していると信じていた。

「間違っていないことはわかっている。しかし、タリバンが人々の反応を利用している。次回は、真実をもっと早く広めるようにしなければならない」。

hoonTactical Success, Strategic DefeatAfghan Outrage at U.S. Raid Highlights Challenges Facing New Military Push
Pamela Constable、FORWARD OPERATING BASE ALTIMUR

■指導者たち、スワートの訪問を開始[090302 BBC]

北西辺境州大臣が、スワートで和平協定が締結されたあと始めて現地を訪れた。アミール・ハイダル・ホティが、戦いで犠牲になった人々に補償金を手渡す予定である(中略)。

ホティは当初の予定を早めて、スワートを訪問した。スケジュールの変更は、スーフィー・ムハンマドが日曜日に政府の態度に不満を表明したためだという。

いっぽう準軍隊関係者と5人のボディーガードが日曜日に拉致されたが、その後解放された。誰に拉致され、どのような条件で解放されたのかは、明らかになっていない(後略)。

hoonLeader begins key visit to Swat

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.