【2009年3月9日〜3月15日】
●日曜日にアフガニスタン東部で道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、米兵4人が死亡した(中略)。アフガニスタン南部でも、英兵2人が爆発で死亡している(中略)。
●これとは別に、自爆犯がカブールでNATO軍の車列を攻撃した。この爆発で通行人2人が死亡、14人が負傷した。
●クナール州における1月と2月の衝突数と攻撃数の頻度は、2008年の同時期に比べて131%も上昇しているという。クナールの銃撃戦数が上昇しているのは、1月の初めに10th Mountain Division兵士700人が配置されたためだという。タリバンが優位に立たないように、軍はこれまで外国軍やアフガン軍が長期間駐留していない地域各地に入る予定である。
●これらの地域は、「敵が地域を牛耳って住民と混じり合って暮らしている」クナールと同じような状況になるだろうと、ニールソン・グリーン米軍報道官が述べた(中略)。
●これとは別に、カンダハルのマイワンド地区で急襲作戦を実施していた米軍とアフガン特殊部隊が、武装勢力5人を殺害した。
●またアフガニスタン東部のカピサ集では、仏兵1人とアフガン兵5人が武装勢力との衝突で死亡した。
Bomb kills 4 US soldiers in Afghanistan's east●武装勢力たちが、アフガニスタンのNATO軍に輸送される物資がデポされているパキスタンの輸送ターミナルを攻撃し、車やコンテナ数十台に放火した。
●(中略)日曜日の夜明け前、ペシャワルのパックアフガン・コンテナ・ターミナルが、40人ほどの男たちに襲撃されたと、警察と目撃者が述べた。
●ターミナルにトラックを駐車していた運転手助手のムハンマド・アシーフ・ハーンによると、武装した男たちが建物の裏の塀を壊し、警備員たちを縛り上げたという。「隅のほうに隠れていたら、男たちがガソリン爆弾を駐車していた車に投げつけ、発砲音が聞こえた」という。
●警察官のエジャーズ・ハーンによると、犯人たちは車とコンテナ数十台に放火した。現場を訪れたニュースカメラマンが、ハムビーなどの車の残骸があったという(後略)。
Afghan NATO supply terminal attacked in Pakistan●アフガニスタン南部のカンダハルとキャンプ・バスチョン航空基地では、タリバンと戦うために新たに派遣される米軍兵士1万7000人を迎える準備が、あわただしく行なわれている。
●しかし遠く離れたロンドンのグリーンフォードの外交官の家で、そしてサウジアラビアのアブドゥッラー国王の大理石の王宮で、戦いを終結させるための期待が高まっている。
●これらは、アルジェリア元抵抗戦士とサウジ王子の拠点である。欧米の支援を受け、彼らがタリバンとアフガン政府との間の話し合いを仲介している。かつてワシントンとホワイトホールにとってはタブーとなった話題だが、ここにきて突如欧米の指導者たちは、勝利できない戦いからの唯一の脱出方法として話し合いが注目され始めた。
●すでに2年半、正式な話し合いというよりは、接触が続いているが、進展はほとんどない。しかし先週オバマ大統領が、アメリカは「和解政策」を採ると宣言して、米軍が穏健派タリバンとの話し合いを開始する準備があると発表したことで、大きな弾みがついた。
●(中略)オバマの発表を、アフガン政府は歓迎している(中略)。「オバマの大胆な態度に、驚くとともに歓迎している」と、大統領の弟で大統領の代理人を勤めるカユーム・カルザイが語る。「ブッシュ政権のもとでは、話し合いの可能性は皆無だった」。
●カユーム・カルザイは、オバマの話を聞くや否や、月曜日にカンダハルに向かったという。「ここ5日の間、タリバンとずっと会ってきた。オバマの言葉により、両陣営は楽観主義的な気持ちになってきた」。「話し合いが唯一残された方法だ。両陣営とも、自分たちが望んでいる結果を出せず、戦争に疲れ果てている」。
●(中略)デビッド・ミリバンド英外相は、イギリスはこの政策をずっと考慮してきたという。「軍事的な方法だけでは、成功は望めない」。「経済開発と実現可能な和解政策が、抵抗運動を一掃するために最も重要だ」。
●(中略)その後、ロンドンでプロジェクトが開始され、サウジアラビア、ドバイ、カブールの間を、宗教指導者や影響力のある人物が行き来している。その中心人物は、政治的にイギリスに亡命を許されたアルジェリア人、アブドゥッラー・アナスである。彼は以前ビンラディンと近い関係にあり、現在はイギリスのモスクで、若いイスラーム教徒たちに穏健主義を説く。
●もう1人の重要人物が、サウジの諜報組織長官のムクリン・ビン・アブドゥル・アジズ王子である。サウジはタリバン政権を認めた3ヵ国のうちの1つで、両者の関係は良い。
●和解の可能性が見えて来たのは、去年の9月にアブドゥッラー国王が、イードの祭りを祝福してメッカにアフガン政府とタリバンの両方を招いた時だ。晩餐会に出席したのは、タリバン元外相のムッラー・ムハンマド・ガウスと、国連のタリバン代表のアブドゥル・ハキーム・ムジャーヒッドである。アフガン政府代表としては、カユーム・カルザイが出席した。欧米の情報源はこの会合が行なわれたことを軽くあしらい、タリバン側も、現役メンバーが参加したことを否定した。
●タリバンは国家の半分以上を支配しているために、彼らに取って話し合いの必要性はないように見える。しかしメッカの会合に続いて、さらに接触があった。ムクリンは1月にイスラマバード、デリー、カブールを訪れて両陣営と話し合い、今月はドバイで、来月はサウジで話し合いが行なわれる予定である。そしてオマール師が初めて、この話し合いを認めた。
●「タリバンは今や強い立場にいる。しかしだからと言って、国家を支配できるわけではない」と、アナスが語る。「アフガン人は彼らに忠誠を誓わないだろうし、彼らもそれを知っている。大きな大きな歩みが始まった。両陣営の間で、初めて話し合いが開始し、平和が話題になり始めた」。
●(中略)最も難しいのは、タリバンが外国軍に撤退を主張していることだ。「何かをきっかけに、始めなければならない」と、カユーム・カルザイが語る。「彼らはかなり現実主義的だ。自分たちのイデオロギー的・政治的目標は達成できないことに気づいている」。
●イギリスは、「和解のための皇帝」の任命を提案している。ベトコンを一掃したような、ベトナムのOpen Arms programmも考慮される。すぐに結果が出るとは、誰も思っていない。
Quiet crawl to peace on the Afghan shuttle●土曜日の朝、米軍とアフガン軍がヘリコプターを使った特殊作戦を実施し、カブール南部の州で5人を殺害した。しかし犠牲者は全員一般市民だったと、村人が激怒して抗議した。
●米軍によると、夜間に実施された急襲作戦で、民家に立て籠っていた容疑者に投降を呼びかけたが、武装勢力が発砲してきたという。作戦は、道路脇にしかける爆弾製造組織を標的としたものだった。
●しかしロガール州知事報道官によると、政府調査団が現場を訪れたところ、一般市民が殺害されたことが確認されたという。激怒した村人たちが土曜日遅くに政府関係の建物の近くに集まり、建物に突入するのを防ぐために警察が発砲したと、政府報道官のデン・ムハンマド・ダルウェシュが述べた。2人が負傷したという。
●米軍報道官のグレッグ・ジュリアン大佐は、死者が一般市民であることを否定した。「標的は、合同軍に発砲してきた武装勢力5人だった」。「外に出るように呼びかけたが、隊が到着すると男たちが発砲し、その過程で殺害された」。合同軍は現場を捜索したところ、手榴弾などの兵器を発見したという(中略)。
●最近一般市民の犠牲者が急増していることを、カルザイ大統領が強く抗議しているために、米軍は作戦を実施する際にアフガン軍を参加させるようになった。それにもかかわらず国防省報道官は、急襲作戦に関しては何も知らないと述べた。ダルウェッシュは、ロガール知事が州にいる米関係者に説明を求めたが、バグラムの米軍基地、つまり米特殊部隊が指揮しているため、情報は何もないとの返事を受けたと述べた。
●ダルウェッシュによると、州政府関係者を含む調査委員会が現場を訪れたことろ、死亡した5人は全員一般市民だった。カブール出身のムッラーと、4人の農民だったという。当初ダルウェッシュは、父親と4人の成人した息子が犠牲となったと発表していた。
●1月に米軍兵士3000人がロガールとワルダックに配置され、カブールの入り口である2つの地域の治安を確保しようとしている(中略)。
●これとは別に土曜日、ヘルマンド州のムサ・カーラの近くで、英兵1人が爆発で死亡した。兵士は、アフガニスタンで犠牲となった150人目の英兵である。
5 killed in Afghan operation targeting bomb-maker●木曜日に武装勢力が、任命されたばかりのカジを各地に連れて行こうとしていた、スーフィー・ムハンマド、政府代表、タリバンとカウミ・アムンジルガの一行を先導していた警察官20人を拉致した。
●警察官たちは2台の車に分乗して、カジたちを配置先に送り届けるための車列を警備していた。TNSMのモーラナ・スーフィー・ムハンマドが、車列を先導し、マラカンド行政官のサイード・ムハンマド・ジャヴィッド、政府の代表としてはマフムード・ハーンとイナムール・レーマン、タリバンとカヌミ・アムン・ジルガがそれぞれ参加していた。
●武装勢力はミンゴーラに入る3キロ手前にあるカンベールで、警察官20人を拉致した。カンベールでは、これまでも政府関係者が何人も拉致されている。
●しかしスーフィー・ムハンマドとマフムード・ハーン、イナムール・レーマンが仲介して、警察官が解放された。なぜ武装勢力たちが警察官を拉致したのかは、明らかではない。
●いっぽうニザミ・アドル条例に従い、北西辺境州政府に任命された7人のカジが、それぞれ任地に配属された。モーラナ・ピールザダ・ヌール、モーラナ・イシャンウッラーがバボザイに、モーラナ・ムハンマド・リアーズがマッタに、モーラナ・オマル・アリが、バーレインに、モーラナ・サジャート・アリがカーバルに、モーラナ・ムハンマド・レーマンがハワザヘーラに、モーラナ・ムハンマチド・ラスール・シャーがバリコットに配属された。
●興味深いことに、任命されたカジは全員モーラビである。名前の前に、モーラナがついているからだ。
Militants kidnap, release 20 cops in Swat●アフガン政府は昨晩、最近ヘルマンドで英軍を攻撃している元グアンタナモ囚人をなぜ釈放したのか、理由を問われた。
●Commons counter-terrorism subcommittee会長のパトリック・メルセルが、彼のような経歴の男が釈放されて以前と同じ行動を繰り返すことが許されていることは、信じがたいと述べた。ムッラー・アブドゥッラー・ザキールの名で知られている、アブドゥッラー・グーラム・ラスールは、去年の初めにカブールの収容所から釈放されて以来、ヘルマンド州のタリバンの攻撃責任者である。
●2007年12月にグアンタナモから釈放されたが、彼が幹部司令官であることを逮捕当時からタリバンの情報源が認めていたために、アフガン政府はそれを知っていたはずだという。メルセル氏は、「アメリカが釈放したのは、その後もアフガニスタンが彼を拘束するとみていたからだと思う。なぜアフガン政府が彼を釈放したのか、その理由を知らなければならない」。
●ラスールの釈放の経緯は、明らかではない。グアンタナモから釈放されると、カブールにあるブュレ・シルキ収容所のDプロックに入れられた(中略)。
●去年の春、ブロックDの囚人が裁判を受けていないことに関して非難が続出したあと、カルザイは訴訟を見直すための委員会を設け、多数の囚人が釈放された(中略)。
●元グアンタテモ囚人の代理人である米国人弁護士のピーター・リアンは、見直しのシステムは混乱していて不透明で、有罪か無罪かということよりも、部族間の問題が重視されているという。
●カルザイは、囚人は監視下に置き、バスポートの発行を禁じるなど、国から出さないことを約束した。アフガン国民であるラスールは、パキスタンのクエッタに住んでいると見られ、ヘルマンドの英軍と戦うために、アフガニスタンとの間を行き来している(後略)。
Afghans pressed to explain release of Abdullah Ghulam Rasoul●アフガニスタンに対するオバマ大統領の対策には、パキスタンの問題に対処し、この地域にいる多数の抵抗勢力に、ある種の政治的和解を求めることだという。
●オバマ政権は、アフガニスタンとパキスタンにいる抵抗勢力の歩兵は「和解可能」であり、タリバンとアルカイダのハードコアから分裂させることができるという結論に達した。抵抗勢力の70%以上に武器を捨てさせることができると、関係者が述べた。
●(中略)7年に及んだアメリカの作戦で、軍はハードコアタリバンや過激派をアフガニスタンから追い出し、クエッタを含む、パキスタン西部に追い払った。
●パキスタン内の拠点に圧力をかけるために、アメリカとパキスタン政府関係者は、パキスタン国内で、無人偵察機を用いてミサイルで抵抗勢力の拠点を攻撃するという、CIAの極秘戦争を行なう。
●パキスタンに軍事的・資金的援助をさらに行なうというが、その具体的な内容に関してはまだ論議が残る。
●副大統領のジョザフ・バイデンはブルッセルでNATO国家に対して、タリバンのうちの5%は「敗北させるしか方法がない」と述べた。アフガニスタン問題に関与しているヨーロッパの外交官は、その数はタリバンとアルカイダ100〜1000人だという。またバイデンは、このほかに「25%は抵抗勢力への関与の仕方が曖昧で、70%は『金を与えられているため』に関与している」という。
●アフガン政府と米政府が、これらの抵抗勢力と具体的にどう関わって行くかは、まだあきらかではない(後略)。
Obama Afghan Plan Focuses on Pakistan Aid and Appeal to Militants●アフガニスタン南部で英軍と戦っているタリバン司令官は、15ヵ月前にグアンタナモから釈放されていた。今後は家族と平和的に暮らしたいと、米軍を説得したという。
●道路脇に仕掛けられた爆弾でパトロール隊が攻撃され、英軍兵士多数が殺害され始めた時期と、アブドゥッチー・グーラム・ラスールの出現はちょうど一致する(中略)。
●ペンタゴンとCIA関係者によると、ラスールはムッラー・アブドゥッラー・ザキールと名乗り、最近の攻撃の中心人物である。
●グアンタナモ囚人008番だったラスールは、タリバン指導者の車に銃で武装して座っていた疑いで、2001年12月に逮捕された。
●ラスールはグアンタナモで、タリバン戦闘員のための監視役で、銃を無理矢理持たされたと語っていた。「家に帰り、家族の元にもどり、自分の土地で働いて家族を助けたい」と、語ったという。
●彼は2007年12月に釈放された13人のアフガン人囚人の1人で、その後自由になった。
●グアンタナモの元囚人のうち、数人が再び武装勢力グループの中に見つかっている(中略)。1月にも、別の元囚人、サイード・アリ・アシリリが現われた。現在彼は、イエメンのアルカイダ副指導者である(後略)。
Former Guant namo inmate now Taliban leader, US says●アメリカのミサイルが、パキスタン北西部のタリバン訓練所を攻撃して、抵抗勢力とアルカイダ工作員15人を殺害したと、金曜日に治安関係者が述べた。
●クラム行政区に、無人偵察機がミサイル2発を撃ち込んだ。「抵抗勢力15人が死亡し、50人が負傷した」と、治安関係者が述べた。当初は7人が死亡したと語っていた。重要人物はいなかったという。
●別の治安関係者は、死亡したのはアフガン人タリバンだと述べた。「訓練所は地元のタリバン司令官であるファザル・サイードが運営し、攻撃があったとき、訓練が実施されていた」という(後略)。
Suspected US missile strike kills 15 in Pakistan●スワート谷の4つの地域に、シャリア法が再開された。4つの地域は、すべてタリバンの拠点だという。
●木曜日にスーフィー・ムハンマドが大観衆の前で、正式に裁判官を裁判所に就任させた(中略)。
●木曜日に再開された4つの裁判所は、ハワザヘール、カーバル、バリコット、マッタ地域にある。シャリア法廷は1990年代には機能していたが、90年代後半になると、めったに開かれなくなった。
●裁判所は、イスラームのシャリア法に従って、厳罰な刑を下すこともあるという(後略)。
Sharia law begins in Swat valley●書斎の机には、アブドゥル・サラーム・ザイーフ師が、グアンタナモの囚人だった頃のことをフランス語で書いた本が置いてある。タリバン政権時代、彼はパキスタン大使だった。
●逮捕されたあと、3年間アメリカの収容所で過ごした。今はカブール郊外で、厳重に警備された建物の中で暮らす。彼を守るためと、監視するためだ。ザイーフ師は、タリバンとアフガニスタン政府の間の仲介役を勤める。アメリカとの間の仲介する。
●彼によると、タリバン側は、話し合いの目的は自分たちを分裂させ、運動を弱体化するためのものではないかと疑っているという。タリバンが提出している条件の中には、タリバン指導者に対する国連の制裁を解除し、彼らの安全を保証することが含まれている。
●話し合いのためにはパートナーが必要であるが、ザイーフ師は、タリバンは強力で一貫した運動であり、アフガニスタン各地の「影の政府」となり、裁判を行なっていると語る。
●本当に話し合いを行なうべきか、どのような立場を取るべきか、特に外国軍に関しては、彼らが戦いを止める前に退去するべきか、撤退のためのタイムテーブルが必要かなど、さまざまな問題がある。
●タリバン運動は、いまだにオマール師に指揮されていると、ザイーフ師が反論する。「彼が本当のリーダーで、まだタリバンを支配している。彼以外にリーダーはいない」。オマール師は最近、カンダハルに新司令官を任命し、カンダハルの司令官をジャララハードに移した。これらはすべて伝言で行なわれるが、手紙が使用されることもある。
●理論的にタリバンのリーダーは1人だけだが、アナリストたちは、さまざまな駒が幾重にもなって抵抗運動を行なっている、と見ている。日和見主義者もいれば、金で動く者もいる。イデオロギーを持っている者たちも多い。
●南部では、クエッタ・シュラーとオマール師が支配的で、彼らは外国軍を追い払い、シャリア法施行を目論んでいる。しかし東部では、パキスタンのワジリスタンやアルカイダと関係のある外国人戦闘員が関与している。ヘクマチアルのような、別の組織もある。彼は、現在アメリカと戦っているが、取り引きに応じる可能性がある。
●アフガニスタン政府に近い人間と、タリバンに近い人間の間の話し合いが、サウジ主導で行なわれた。サウジの諜報責任者がカブールを訪問し、他の町も訪れた。
●これらの話し合いの中で重要なのが、ソ連時代の元ムジャヒディンだった、アブドゥッラー・アナスとの話し合いだ。これまで30年間、アフガニスタンの隣国を初めとするさまざまな国家、自分の利益のためだけにアフガニスタンを考えて来たと非難する。「みんなが自分たちのものにしようとしている。彼らがアフガニスタンを破壊した」。
●欧米政府も、地元タリバン司令官や政府関係者に対処するために、自分たちの「和解」プログラムを行なって来た。しかし2007年に、外国人外交官2人が非公式にタリバンと取り引きしようとしたとして非難されてからは、これらの取り引きはアフガン政府が主導するべきだという認識ができた(後略)。
Talking to the Afghan Taleban●パキスタンの治安部隊がダラ・アダムヘールで2日にわたる軍事作戦を実施し、抵抗勢力35人を殺害した。
●「ダラ・アダムヘールで2日にわたって実施した作戦で、少なくとも抵抗勢力35人が死亡し、兵士3人が負傷した」と、治安関係者が火曜日に述べた。「武装勢力の拠点数ヵ所と訓練所が作戦で破壊された」。
●現場は軍により封鎖されているために、武装勢力の犠牲者の数は確認することはできない。
Troops kill 35 militants in Darra Adam Khel●昨日、先週のスリランカのクリケットチームに対する攻撃の首謀者と思われる男が住む、パキスタン北部の村にある自宅を警察が捜索したところ、男が逃走していたことがわかった。
●男は過激派組織ラシュカレ・ジャングヴィのメンバー、ムハンマド・アキールだという。
●アキールは捜索が実施される前に、イスラマバードから30マイル離れた、ハウタ地区の自宅から逃走したと、治安関係者の情報源が語った。タラートという彼の仲間が逮捕されたという。
●情報源は、12人の犯人たちはパキスタン北部の部族地帯に逃走したのではないかと見ている(後略)。
Lahore attack 'mastermind' escapes police raid in Punjab●アメリカの特殊部隊の極秘部門司令官が先月、アフガニスタンにおける奇襲作戦の大半を中止させた。米軍による一般市民の犠牲者の数が増えていることで、自分たちの目的を達成することに障害が生じることを危ぶんでの行動だという。
●先月特殊部隊の夜間作戦で女性や子供が死亡したあとに、中止が決まった。その後約2週間、作戦は行なわれなかった。タリバンとアルカイダの幹部指導者に対するもの以外、作戦は全面的に中止となった。
●アフガニスタンの米軍司令官は、武装勢力指導者に対するデリケートな作戦を実施する奇襲隊に拠る所が大きい。陸軍のDelta Forceと海軍Sealsの作戦は、ほとんどが極秘で実施されている。しかしこれらは時に、週に数十の作戦を実施しているために、これらを中止したことは、一般市民の犠牲者が出ていることから生じる障害を、米軍がいかに重視しているかがわかる。一般民衆がタリバン支持に向いてしまうことで、アフガニスタンにおけるアメリカの指命が危機に瀕することを恐れている。
●(中略)軍関係者によると、中止命令が出たのは、一般市民の犠牲者を出してしまう危険性を取り除くために、米軍司令官たちが新たな基準を儲けるためだったという。一般市民の犠牲者に関する情報を迅速に発表し、一部の人間が考えているように、アフガン政府関係者が誇張して発表するのを防ぐためだという。
●軍幹部関係者によると、この中止命令は、極秘作戦を管轄する軍のJoint Special Operations Commandのウィリアム・H・マックレーベン副総督だという。
●(中略)中止命令は2月の中旬に出され、その後再開された。特殊作戦が以前と同じ頻度で実施されているかは、明らかではない。
●(中略)アフガニスタンの文民や軍関係者は、カルザイや彼の部下たちが、国内の反米感情を高めるために、一般市民の犠牲者数を誇張していると述べる。カルザイは今年の選挙に再立候補する予定で、米軍が一般市民を巻き込んでいることに対して抗議するよう、政治的な圧力がかけられている。しかしアフガニスタンにおける米軍の軍事作戦で、一般市民の犠牲者が高まっていることには変わりはない(中略)。
●米政府幹部によると、米軍が作戦を実施したあと、敵や一般市民の犠牲者数をすぐに報告し、カブールのアフガン政府関係者の情報を否定できるような対策を考えているという。さらに一般市民の犠牲者を減らすような対策もとったというが、どのような対策なのかは明らかにしなかった。
●アフガニスタンの米軍とNATO軍を指揮するデビッド・マッキールナン将軍報道官のグレゴリー・ジュリアン大佐は、今週、特殊部隊の作戦が中止されたことを否定した。しかし月曜日にジュリアン大佐は、一時的に中止となったことは認識しているようだったが、上司はこの命令には関わっていないと述べた。「マッキールナン将軍は一般市民に犠牲者が出たことを重視している。しかし作戦の中止を命じてはいない」。
●中東と中央アジアにおける米軍を管轄しているデビッド・ペトラウス将軍は、特殊作戦を中止する決議を支持したと、ある軍幹部関係者が述べた。ホワイトハウスは、コメントを拒否している。
●マッキールナン将軍は12月30日に、一般市民を犠牲にする危険性を緩和するために、規制を儲けることを協調した。「明らかな危険性がない限り」、アフガン軍が「アフガン人の民家、モスク、宗教的な場所や文化的に重要な場所を捜索する」ことを命じた(後略)。
U.S. Halted Some Afghan Raids Over Concern on Deaths●アメリカは、アメリカに自由に出入りするパキスタン人過激派たちを取り締まろうとしているが、パキスタン政府が大きな障害となっていると、現・元欧米対テロ関係者が述べた。
●ムンバイテロのあと、FBIを始めとする米諜報組織が、アメリカに犯人と関係する人間がいるか、捜索を始めた。しかし、パキスタンで捜索を行なうことを許されなかったばかりでなく、アルカイダの影響を受けたパキスタンの過激派組織ラシュカレ・トイバと世界各地にある支部が、さまざまな攻撃を計画していることがわかった。
●先週FBI長官のロバート・ミュラーがイスラマバードを訪れ、パキスタンの協力を要求した。しかしFBIや米政府関係者は、ラシュカルのメンバー20人と接触することを拒否された。そのうちの6人は、世界各地にある組織の作戦や資金調達を担当している。
●パキスタン政府関係者は、政府は米政府に協力したいが、国民や軍の反感をかわないように慎重にするべきで、それぞれ1人ずつ取り調べをするべきだと述べた。日曜日にパキスタンは、ムンバイの捜索に関して、インターポールと情報を共有することに同意した。
●(中略)アメリカの諜報情報から、パキスタン人数万人が、パキスタンにあるラシュカレのゲリラキャンプで訓練を受け、そのうちの多数がアルカイダの仲間になったことがわかっている。中には米国住民もおり、訓練を受けた後に再びアメリカに帰っている(中略)。
●しかしイギリスを始めとする、ヨーロッパの欧米人やパキスタン人数千人が、大きな問題になっている。ラシュカレで訓練を受けた多数の人間が、欧米に対する憎しみを植え付けられ、帰宅している。彼らはアメリかに自由に出入りできる(後略)。
Pakistan sets roadblocks in U.S. hunt for extremists, officials say●パキスタンは月曜日に、現在自宅軟禁となっている、ムンバイ攻撃を実施したと疑われているイスラーム過激派組織のフロントとされる、慈善団体責任者の拘束期間を延期した。
●ラホール最高裁判所が、ジャマット・ウッダーワ責任者のハーフィズ・ムハンマド・サイードと3人の組織の人間の拘束期間を、さらに60日間延期した。
●サイードは、アミール・ハムザ、ムフティ・アブドゥル・レーマン、ヤシン・バローチ、ナジール・アフマッド元大佐、カジ・カシーフ・ニアーズとともに、厳戒態勢の中を出廷した。拘束期間は、月曜日に失効した。裁判官はカジ・カシーフとヤシン・バローチの釈放を命じた(後略)。
Pakistan extends detention of Lashkar-linked charity chief●月曜日に部族民がパキスタン政府と取り引きを行ない、アフガニスタンと接する部族地帯に、武装勢力を匿わないことを約束した。
●6ヵ月前に軍がバジョールで作戦を実施した際に拉致されたパキスタン兵5人が解放され、軍との衝突で抵抗勢力5人が殺害されたあと、28ヵ条からなる和平協定が締結された(中略)。
●バジョールのマーモン地区の長老たちが、カールの政府関係者と調印した。「長老たちは政府に、武装勢力は武器を捨て、マーモンで平和的に生活することを約束した」と、政府関係者のサイフッラー・ハーンが調印式で報道陣に述べた。
●抵抗勢力の組織は解散し、地域は政府の管轄下になるという。「マーモンでは外国人武装勢力が匿われることはない。また、抵抗勢力は訓練所を作ったりしない」という。「政府や治安関係者を攻撃したり拉致することはなく、マーモンの治安部隊の行動が制限されることもない」(中略)。
●「武装勢力は無条件で兵士5人を解放し、地元政府に引き渡した」と、地元政府関係者のファラモーシュ・ハーンが語った。兵士たちは、去年の8月にロイサムから拉致された。
●日曜日の夜遅く、準軍隊とナワガイ地域の部族民との間で衝突があり、武装勢力5人が死亡したと、地元関係者が述べた(後略)。
Pakistan tribesmen sign peace deal: officials●北西辺境州大臣のアミール・ハイダル・ハーン・ホティが月曜日、ニザミ・アドル条例に調印した。条例は今後、州知事に承認を受ける。
●州知事が承認したあと、大統領に提出される。ニザミ・アドルは、大統領承認後に、マラカンド地区に施行される。
●TNSMのスーフィー・ムハンマドが、3月15日までに条例を施行するよう、政府に圧力をかけていた。
CM Hoti signs Nizam-i-Adl summary for Malakand●パキスタン軍がバジョールで、武装勢力4人を殺害した。武装勢力がナワガイ地域の検問所を攻撃したために、衝突が発生したという。タリバン幹部が2月23日に一方的な停戦を表明して以来、初めての衝突である。
●(中略)バジョールの中心であるカールの政府関係者が語ったところによると、武装勢力が日曜日の夜に治安部隊を攻撃したという。その後カールからナワガイ地域の武装勢力の拠点に向かって、砲撃が続いている。目撃者によると、武装勢力を一掃するための捜索活動も開始したという。
●いっぽうモーマンドでも、衝突が報告されている。
●日曜日にエッカフンド地域の武装勢力が、カサダールと呼ばれる部族民警察14人を殺害した。土曜日の夜に武装勢力との衝突が発生して以来、カサダールと地元の行政官が行方不明になった。日曜日に村人たちが、彼らの遺体が丘の周りや近くの谷に遺棄されているのを発見した。
●モーマンドの行政官が語ったところによると、カサダールたちは、武装勢力が地元の親政府系長老を拉致するのを妨害しようとしたという。
●モーマンドのタリバン報道官、イクラムッラーが、「カサダールたちを殺害したくなかったが、仲間に抵抗したらどうしようもない」と述べた。アルシャッド・アリという中堅行政官も、拘束しているという。関係者や目撃者によると、政府側はアリの釈放のために、抵抗勢力と交渉を続けている。
'Militants die' in Pakistan clash●日曜日に、武装勢力が拉致したカサダール7人を射殺し、遺体をアイーシャ・コール近くの道路に遺棄した。いっぽう治安部隊はモーマンド行政区各地で作戦を実施し、武装勢力15人を殺害した。
●情報源によると、射殺されたカサダールは、ヤカフンド地区のミチニ地域近くにあるバングローで発生した衝突のあと、拉致された(中略)。武装勢力たちは遺体をアイシャ・コールに遺棄し、行政府がこれを回収した。この事件と関連して、行政官のアムジャッド・アリ・ハーンが最近スパリ地域を訪問した際、有力な長老、マリーク・ヌール・ザダが、ハーンを昼食に招いた。このために武装勢力たちが、ザダの家を襲撃していた。行政府が武装勢力を追い払うために、カサダールをスパリ地域に派遣したが、ミチニ近くのガングロー地域でその車列が襲撃された。カサダール6人がその場で殺害され、2人が負傷した。
●武装勢力たちは、ヤカフンド地区責任者のアルシャッド・アリと、カサダール軍指揮官のジャヴィッド・ハーンを始めとするカサダール6人を拉致した。モーマンドを拠点とするタリバン報道官のイクラムッラーが、仲間が土曜日にヤカフンド地区責任者を拉致し、いまだに拘束していると電話で語っていた。
●武装勢力たちは行政官と引き換えに、行政府が拘束している仲間全員の釈放を求めている。
●いっぽう治安部隊は、モーマンド各地で続行している作戦で武装勢力15人を殺害し、5人を逮捕した。治安部隊はグルリ、サパリ、バヒ・コール地域を、戦闘ヘリコプターと大砲を用いて攻撃した。
Seven kidnapped Khassadars in Mohmand slain