【2009年3月16日〜3月22日】


■アメリカ、民家急襲作戦でアフガン人5人殺害[090322 New York Times]

アメリカの特殊部隊が日曜日の早朝クンドゥーズで急襲作戦を行なって5人を殺害したが、米軍とアフガン政府の間では、犠牲者が民間人だったか武装勢力だったかで意見が割れている。

米軍は、アフガンとタジキスタンとの国境付近の「テロ組織」に対して作戦を実施し、武装勢力5人を殺害して4人を逮捕した、と発表した。しかし地元政府関係者たちは、急襲作戦が実施されたのはイマーム・サヒーブ町の町長の家で、犠牲者たちは武装勢力ではなかったと述べている。

軍の声明によると、地元のアフガン人警察と協力して作戦を実施したというが、州警察長官のアブドゥル・ラザーク・ヤクービ将軍は、そのような情報は何も受けていないと述べた。

「作戦については何の知らせもない。知事も諜報組織責任者も、何も知らなかった」。アメリカの特殊部隊は、作戦を開始したあとにイマーム・サヒーブの警察長官に連絡してきて、現場に行かないように忠告したという。

米軍の声明によると、アフガンと同盟軍が建物を襲撃すると、「庭で敵の戦闘員に遭遇した」という。「抵抗勢力1人が殺害され、1人が拘束された」。「非戦闘員に建物から出てくるように呼びかけると、小火器で攻撃してきた。隊が応戦して敷地内の建物を捜索し、抵抗勢力4人を殺害、3人を拘束した」。軍は敷地内からAK47を発見したという。女性や子供達はいなかった。

ヤクービ将軍は、建物がアブドゥル・マナーン町長のものであることを認めた。「標的となった家は、イマーム・サヒーブの町長のものだった。殺害されたのは彼の運転手、コック、ボディーガードと客人2人だ」。拘束された4人が誰かは知らないという。

マナーンが『AP』に語ったところによると、女性と子供たちとともに部屋でうずくまり、襲撃があった際、隊からの連絡はなかったという。ヘリコプターに乗ってやってきた隊が、自分の家のゲートを爆破した。

町長は有名なムジャヒディン司令官で、反タリバン勢力であるジャミアティ・イスラミのメンバーである。2001年にアメリカのアフガン侵攻の際、これを支持していた(後略)。

hoonU.S. Kills 5 Afghans in Raid on House
ABDUL WAHEED WAFA and CARLOTTA GALL、KABUL,

■アフガンの戦争の最中、話し合い開始[090322 Observer]

ドバイからパシュトゥーン族の僻地の村にかけて、宗教指導者、将軍、テロリストの黒幕が、外交を通じて抵抗運動を終わらせるために翻弄している。

カブールのデー・ボリにあるモーラビ・ムハンマド・ラーマニの応接間は、最近忙しい。部族民長老で元タリバン大臣だったラーマニの家の前も、人の行き来がある。「長い間、私を訪ねてくる者はほとんどいなかった。最近はアラブ人の兄弟がやってきて、その後ヨーロッパの友人たちが訪ねて来た。最近ではアメリカ人が来る」。

この宗教指導者は、アフガニスタン南部と東部で戦いを展開している抵抗勢力との連絡係をしている。ラーマニを含む数人が去年サウジを訪れ、話し合いの準備を行なっていると『Observer』が以前報道したが、その後アメリカの新政権の政策のおかげで、急展開がありそうだ。

(中略)アフガン政府内には、抵抗勢力が政府の建物や学校、道路などを攻撃するのをやめさせるために、収容所から特定の囚人を釈放することを考えている。また国連のブラック・リストから重要な抵抗勢力をはずしたり、タリバンの「政治部門」を政治の進行に取り入れるために、憲法の改訂も検討している。

去年メッカで会談が行なわれたあと、話し合いに向けての動きが急転しつつある。話し合いの多くは、カブールから飛行機で2時間の距離にあるドバイで行なわれている。抵抗勢力の味方をしている共同体を代表する長老がカブールに向かい、元タリバン関係者やカルザイ大統領の弟のカヌームと話しあっている。

このような旅には、危険も伴う。最近ヘルマンド州の長老がカブールに向かう途中、米軍に逮捕され拘束されたたために、話し合いをお膳立てしたアフガニスタンの仲介人たちを激怒させた。

2週間前ににドバイで、ヘクマチアルの代理人を招いた話し合いが実施されたことを、『Observer』はつかんだ。結論が導きだされることはないが、今後も話し合いが計画されている。「すべてのチャンネルを開いている」と、カルザイの報道官のハマヌーン・ハミッドザダが述べた。

元タリバン大臣のラーマニによると、アフガニスタン東部の有力な宗教指導者で部族民長老のジャラウッディン・ハッカーニとも接触したという。現在カブールにいる、パキスタンの元タリバン大使でグアンタナモ収容所で2年過ごしたムッラー・アブドゥル・サラーム・ザイーフも、その1人だ。ロンドンを拠点とする元抵抗勢力のアブドゥッラー・アナスも、重要人物として活躍している。

タリバン代表との接触が注目される一方で、危険性を指摘する者たちもいる。

まず第一に、アフガニスタンはこれから選挙に入る(中略)。次に、これらのことは何もかもが新しい試みだ(中略)。辛抱強く待ち、動きを観察する必要がある(中略)。さらにタリバンは非常に複雑で、多義にわたる現象だ(中略)。「我々が交渉する側には、代表となる団体がない。さまざまなグループからなり、さまざまな階層からなる」と、ハミッドザダが語る。

タリバンもこれに気づいている。最近共産主義の時代の墓から、元大統領のダウード・ハーンの遺体が発見されたが、先週タリバン最高会議は、正式な葬儀を行なうために24時間の停戦の申し出た遺族の要求を受け入れた。この日タリバンの銃は静かだったが、他の地域では攻撃はあった。

話し合いが失敗する可能性の最後の理由としては、タリバンは話し合いが必要だとは思っていないことだ。「勝てば勝利だ。殺されても、勝利だ」と、ザイーフが語る。2001年から今日まで、タリバンは兵站学な敗北を味わい、大きな犠牲者を出しているが、戦略的な進歩を遂げた。

(中略)アフガニスタンにあるアメリカの収容所から釈放されたヘクマチアルの義理の息子は、最近ロンドンに飛び、その後ドバイの話し合いに参加した。

(中略)アフガン政府も、別の計画を支援している。抵抗勢力のうち、政府側に引き込むことができる中堅司令官を探している。ナンガハル州では、グル・アガ・シェルザイ知事が先週、長老たちに大規模なジルガを呼びかけ、各地域の責任者たちに、タリバン司令官たちを探し、話し合うよう要求した。

最も効果がないと思われているのが、政府が行なう和解計画である。リストには7000人の名前が挙げられているが、そのほとんどが歩兵である。抵抗勢力にとって、歩兵はいくらでもいる。タリバンに志願する多数の若者たちは、ほとんどが仕事のない者たちだが、彼らに給料を与え、Afghan Public Protection Forceとして警察官を補助する役目を与えるという計画もある。しかし問題は、各地の村にいる、残虐で権力を持つタリバンである。

話し合いは成功すると思えないが、新たに浮上した対話への呼びかけは、終わりを模索している国際組織にとっては、一種の景気づけになるかもしれない(後略)。

hoonEven as the Afghan war rages, the talking starts

■武装勢力、スワートの次はディールに[090320 News]

武装勢力たちは、活動をスワートからディールに移し始めた。また武装勢力は、スワートにおける活動を完全に中止してはいない。スーフィー・ムハンマドとTNSMは、政府関係者を拉致したり治安部隊やパトロール隊を攻撃するなど、彼らの活動を擁護している。

TNSMはすべてを政府側の責任にし、武装勢力の要求が通るようにしている。水曜日にスワートのチャマタライ橋が、予告もなく爆破された。毎日のように道路脇や畑に、銃で撃たれた遺体が発見され、拉致事件は終わることがない。

しかし、武装勢力の傍若無人な行動にもかかわらず、政府は彼らの行動を許している。スーフィー・ムハンマドは武装勢力たちの信頼を勝ち取っているが、タリバンたちに和平協定を遵守させることができないでいる。

彼は武装勢力たちに取り引きを順守させるように説得しているが、タリバンの中には、年老いたスーフィーに逆らう者たちがいる。ニザミ・アドル条例が施行された場合、抵抗勢力が取り引きに違反したら力で制すると政府に約束していたが、それだけの力がない。

モーラナ・ファズルッラーが率いる武装勢力の活動は、今に始まったことでも驚きでもない。しかし、彼らはこれまで平和だった地域にも、自分たちの影響力を拡大しようとしてきた。

武装した多数の男たちが、ロワー・ディールのチャックダラ町にあるマラカンド大学を襲撃し、警察官4人と警備員1人を殺害した。これまで武装勢力たちがこの地域で活動していなかったために、今回の事件は驚きをもって迎えられた。

情報源によると、40〜60人の男たちが、建物を占拠しようとしたという。マラカンド行政官のサイード・ムハンマド・ジャヴィッドは、犯人たちはタリバンではなく、犯罪団だったと述べた。

garrMilitants turn to Dir districts after Swat
Delawar Jan、PESHAWAR

■パキスタン、カブール攻撃に関与か[090319 New York Times]

先月カブールの法務省と刑務所管理局を攻撃した自爆犯たちは、パキスタンの部族地帯で訓練を受けていたと、アフガニスタンの諜報関係者が述べた。

2月11日の攻撃で、26人が死亡して50人が負傷した。自爆ベストを着用した8人の武装した男たちによって、襲撃が行なわれた(中略)。

攻撃者たちの目的は、できる限りの人間を殺害することだったと、国家安全局報道官のサイード・アンサリが語った。法務省内で人質を取り、収容所に入れられているタリバンを釈放させようと計画していたという。

アンサリによると、ロガール州の襲撃作戦で関係者7人を殺害し、多数が死亡したという。逮捕者のうちの1人は、ワジリスタンでムハンマド・ハリスという名前の男から訓練を受け、ハリスが襲撃を指揮していたという。「パキスタン側から、攻撃を積極的に計画して指揮した」。ハリスは、多数の別名を使用しているという。「仲間たちと接触するために、パキスタンの携帯電話番号を使用していた」。

パキスタンの部族地帯にいるタリバン戦闘員たちが、カブール攻撃の背後にはハリスという男の組織が関与し、北ワジリスタンから攻撃を実施したことを認めた。カブールの攻撃で死亡した犯人の1人はザーブル出身で、この男もハリスと面識があったという。

アンサリは、パキスタンの諜報組織が今回の攻撃を計画するにあたり、一役かんでいたと見る。「隣国の諜報組織が、背後で活動を指揮していることを強調したい」。

(中略)あるアフガン人治安関係者が語ったところによると、去年7月に起きた、カブールのインド大使館攻撃の計画者は、ペシャワルのパキスタン人諜報関係者と直接電話で連絡を取り合っていたという。アメリカの諜報組織も、カブールの攻撃に協力したパキスタン人諜報関係者の会話を盗聴していると、アメリカ人関係者が述べた。

アフガニスタンの法務省への攻撃者たちは、銃撃戦で全員死亡した。捕虜を捕まえて囚人の釈放を要求するために、犯人たちはメガホンと数日分の食料、パキスタンにいる首謀者と連絡を取るための携帯電話を持っていた(後略)。

hoonPakistan Accused of Link to Kabul Attacks
SANGAR RAHIMI and CARLOTTA GALL、KABUL

■武装勢力のロケット、パキスタンの部族地帯で8人死亡[090319 AP]

パキスタンの北西部で木曜日に、タリバンが治安部隊を狙って、アフガニスタンの国際軍への輸送ルートの近くで襲撃を行なった。

武装勢力はランディ・コタールの治安部隊の基地に、ロケット弾3発を撃ち込もうとした。そのうちの1つが町の商業地域に着弾して30人以上が負傷し、木材置き場や店舗が炎上した。残りの2発は町の外に着弾した。

「犠牲者の数が増えることが予測される。今は暗闇の中で捜索している」と、政府関係者のラシード・ハーンが述べた(後略)。

hoonMilitants' rocket in Pakistan tribal area kills 8
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■銃を持った男、パキスタン北西部で警察官3人と警備員1人を殺害[090318 AP]

水曜日の早朝、ガンマン数十人がパキスタン北西部の大学に発砲し、警察官3人と警備員1人を殺害した。スワートの近くのロワー・ディールで、攻撃があった。

政府幹部関係者によると、タリバン戦闘員戦闘員が、その後スワートで攻撃を行なった容疑者14人を拘束したという。

地元警察官のパルヴェーズ・ラヒームによると、ガンマンの身元は明らかではないが、学校を警備していた車の中にいた警察官に発砲したという。

ディールはバジョールの隣にある。

(中略)地域行政官のサイード・ムハンマド・ジャッヴィッドによると、ガンマンたちがスワートに到着したあと、タリバン戦闘員がそのうちの14人を拘束した。タリバンがなぜ、またどうして容疑者たちを捕まえることができたかは語らなかったが、後に詳細を報告すると述べた(後略)。

hoonGunmen kill 3 police, 1 guard in NW Pakistan
SHERIN ZADA、MINGORA

■アメリカ、パキスタンにおけるタリバン攻撃を重視[090317 New York Times]

オバマと彼の国家安全アドバイザーが、パキスタンにおけるアメリカの戦争を部族地帯に限定せず、バローチスタンでも行なうことを検討している。

政権幹部関係者によると、パキスタンとアフガニスタンに関する2件の重要な報告書が最近ホワイトハウスに提出され、クエッタにある抵抗勢力の拠点を含め、攻撃目標を拡大することを要求したという。

タリバン政府を率いるオマール師は、ここ数年間、この地域から攻撃を行なっている。(中略)これまでCIAの無人偵察機によるミサイル攻撃は部族地帯に限られ、バローチスタンで行なわれたことはなかった。

国家安全委員会報道官のマイキ・ハマーは詳細を語ることを拒否し、「我々は、大統領が要求したアフガニスタンとパキスタンの問題に関して、結論を出すための努力をしている」とだけ述べた。「これらの極秘プログラムを維持し続行するという点においては、同意している」と、別の政権幹部関係者が述べた(中略)。

パキスタン国内にある武装勢力の拠点を攻撃することに関して、部族地帯に対する無人偵察機、またはリーパー攻撃は非常に効果的で、これまでアルカイダの重要人物20人のうちの9人を殺害できたという。また最近はパキスタン人タリバン指導者であるバイトゥッラー・マフスードや、彼の戦闘員や訓練所も標的になっている。アメリカの諜報関係者によると、タリバン幹部司令官たちの多くはクエッタに隠れているという。アフガン関係者の中には、タリバン幹部指導者たちはカラチに逃走したと語る者もいる。

クエッタや、アフガニスタンとの国境付近にあるアフガン人の村や難民キャンプをミサイルで攻撃したり、アメリカによる奇襲攻撃を行なえば、一般市民の犠牲者が多く出る可能性がある。

smellU.S. Weighs Taliban Strike Into Pakistan
DAVID E. SANGER and ERIC SCHMITT、WASHINGTON

■イスラーム法裁判官、仕事開始[090317 AP]

イラスム法の訓練を受けた裁判官が火曜日、パキスタンの北西部で仕事を開始した。カジと呼ばれる裁判官1組が、スワートのミンゴーラで30件の軽微事件を検討したが、すべての申し立てを、警察に検討または調査するように回した。スワートでは火曜日に、7件全部の裁判が機能し始めた。(後略)。

hoonIslamic law judges start work in Pakistan valley
SHERIN ZADA、MINGORA

■パキスタンの自爆攻撃犠牲者、14人に[090317 AFP]

ラワルピンディで自爆攻撃があり、犠牲者の数は14人にのぼりった。この他18人が負傷したと、警察が発表した。

(中略)車に乗った男が、労働者階級が集まる混在した地域にある、タクシースタンドのそばのレストランの外で自爆した。関係者によると、犯人は、月曜に日ラワルピンディとイスラマバードで予定されていたデモ隊を狙った可能性があるいう。このデモ隊は、これまで自宅軟禁となっていた最高裁判官を復職させることを政府が発表したために、中止となった(後略)。

garrPakistan suicide attack toll rises to 14
RAWALPINDI

■米国人捕虜に対して、犯人新たな起源を設置[090316 AFP]

月曜日に米国連職員を拘束していると主張している組織が、政府が拘束している1100人を48時間以内に解放しなければ、人質を殺害すると述べた。

国連難民組織のジョン・ソレッキは、バローチスタン州で拉致された(中略)。

バローチスタン解放連盟戦線と名乗る組織の報道官が、月曜日にクエッタのオンライン組織に、国連は要求を48時間以内に受け入れなければならないと述べた。「心臓病をかかえるジョン・ソレッキに何か起これば、あなたがたに責任がある」と、シャーク・バローチ報道官の話をオンラインが掲載した。「仲間1109人と女性囚人141人を解放してほしいと、国連に我々の要求を伝えた。しかし、国連は真剣にこれを受け止めていない」と、バローチが述べた。「彼の容態は悪化している。我々はできる限りの手当をしているが、何の変化もない」。

パキスタンのシャー・マフムード・クレイシー外相は、今月の初め、犯人の身元が判明して治安部隊がアジトを包囲したが、慎重に行動しなければ、ソレッキの命にかかわると述べた。パキスタン政府は、犯人の要求を調査するための委員会を組織したが、現在のところ調査結果は発表されていない。

hoonPakistan kidnappers set new US hostage deadline
QUETTA

■パキスタンのミサイル攻撃で5人死亡[090316 AP]

日曜日遅くにパキスタン北西部に対するアメリカのミサイル攻撃があり、アラブ人2人とその他3人が殺害された。

(中略)日曜日の攻撃で殺害した者たちの身元は明らかではない。現場は、バヌーの近くのチョータ・ジャニヘールである(後略)。

hoonOfficials: Missile attack kills 5 in Pakistan
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.