【2009年4月27日〜5月3日】


■タリバン、車列を攻撃して協定危うし[090503 AP]

タリバンが月曜日に北西部で軍の車列を襲撃して兵士1人を殺害したために、和平協定が危うくなってきた。

(中略)月曜日の攻撃は、スワートのバリ・コットで起きた。軍関係者によると、武装勢力はロケット砲や銃を用いて、車列を襲撃したという。治安部隊が応戦した。兵士1人が死亡し、1人が負傷したという。

hoonTaliban attack convoy, threatening Pakistan deal
ZARAR KHAN、ISLAMABAD

■タリバン、外出禁止令を無視してスワートをパトロール[090503 AFP]

和平協定に従って設置されたイスラーム上訴裁判所を却下してから、武装したタリバンが政府の外出禁止令を無視し、スワートのパトロールを開始した。

(中略)政府は、日曜日の夕方の6時から朝の9時まで、ミンゴーラに外出禁止令を出した。「法と秩序が乱れていることを心配して、外出禁止令を出した」と、行政官のフーシャル・ハーンが述べた。

住民によると、武装したタリバンが日曜日の夜、外出禁止令の発令にもかかわらず道路をパトロールしているのを見たという。「タリバンが再びミンゴーラでパトロールを始めた」と、住民が心配して語った。「再び町に恐怖が戻って来た」。

別の住民によると、タリバンがミンゴーラの「建物の屋上に構えている」という。

治安関係者や警察は、タリバンがミンゴーラでバトロールを開始したかどうか訪ねたところ、コメントを拒否した(後略)。

hoonTaliban defy curfew to patrol town in Swat
PESHAWAR

■タリバン、スワートの協定を破ったと軍[090503 AP]

日曜日にパキスタン軍が、タリバンは週末にかけて暴力沙汰を引き起こして和平協定を「大きく侵害」していると非難した。

いっぽう北西辺境州政府は、この地域にイスラーム上訴裁判所を導入して取り引きをすべて満たすことにしたと発表したが、仲介役を担う宗教指導者が、これを却下した。

2月に締結された和平協定のもとで、政府はスワートにシャリア法を導入することに合意した。この取り引きでスワートのタリバンは自信を持ち、その直後に隣のブネール地区に進出した。

軍は、武装勢力がスワートで銀行を強奪したと非難し、さらに治安部隊が自爆攻撃に使用されると思われる車の下に、爆発物が仕掛けられているのを発見した。またタリバンは、スワートのハワザ・ヘーラの橋を一部爆破したと非難した。

治安部隊と抵抗勢力との間で衝突があり、兵士1人が死亡、兵士3人と抵抗勢力4人が負傷した。

さらに日曜日には、ハワザ・ヘーラの近くで、2人の虐殺死体が発見された。

土曜日に情報相のミアン・イフティハール・フセインが、イスラーム上訴裁判所のダルール・カザを導入することで、政府はタリバンの要求をすべて受け入れたと述べた。2人の裁判官が裁判官に認定され、じきに名前が発表されるという。

スワートでは、すでにイスラーム法の訓練を受けた数人の裁判官が、陳述を聞いているという。フセインが、このようなカジが、残りのマラカンド地区にも任命される予定だと述べた。

パキスタン政府関係者は、取り引きは象徴的なものだと主張する。取り引きを満たすことで、タリバンが何かをしでかしたとき、政府は民衆の支持を得ることができる(中略)。新たな上訴裁判所が導入されることで、抵抗勢力が戦いを続ける正当性がなくなる。「今後は、武器を持つ者は誰でも抵抗勢力と見なされ、カジ裁判所で裁かれる」という。

しかしフセインの声明に、スーフィー・ムハンマドは満足していないと、報道官が述べた。上訴裁判所の導入の際には、スーフィー・ムハンマドと相談することになっていたのに、相談がなかったという。

「我々はこのダルール・カザを却下する。今後のことは相談する予定だ」と、イジャーズ・ハーン報道官が述べた。

上訴裁判所に関しては、多くの事項がまだ明らかではない。いつから機能するのか、その決議はパキスタンの最高裁判所に上訴されるのかが、はっきりしない(中略)。「マラカンドの人々は、今後は裁判をするために、別の場所に行く必要がなくなる。すべてがここで裁かれる」。

hoonTaliban violate deal in Swat
ZARAR KHAN、ISLAMABAD

■北西辺境州政府、マラカンドにダルール・カザ導入準備[090503 News]

北西辺境州の情報相ミアン・イフティハール・フセインが、マラカンドにダルール・カザを導入することを表明した。

土曜日の夜に記者会見を開いた情報相によると、「サラーウッディンとモイーヌッディンが、ダルール・カザのカジに任命された」と述べた。「ニファジ・アドル条例導入を要求していたマラカンドの人々にとっては、良いニュースだ」という。条例は今日から導入されるという。

情報相はスーフィー・ムハンマドに、この件に関して政府に協力するよう呼びかけた。「テヘリーケ・ナースィズ・シャリアテ・ムハンマドの要求に沿って、シャリア法に従い、カジが任命された」という。

さらにフサインはスーフィー・ムハンマドの声明を引用し、シャリア法導入後に武器を取った者は、今後抵抗勢力と見なすと述べた。ダルール・カザが導入されれば、武器を取る理由がないという。州内に並行政府を確立しようとする者は、罰せられると警告した。

ohNWFP govt sets up Darul Qaza in Malakand, issues notification
PESHAWAR

■武装勢力13人と兵士2人、衝突で死亡[090502 AP]

武装勢力が土曜日にアフガニスタンの国境近くでパキスタンの治安部隊検問所を攻撃し、その後の戦闘で抵抗勢力13人と兵士2人が死亡した。

モーマンド部族地帯で起きた攻撃で、このほか兵士3人が負傷した。

「我々の治安部隊が明け方攻撃されたために、応戦した。抵抗勢力が逃げ帰ると、仲間13人の遺体が残されていた」と、モーマンド行政府のサイード・アフマッド・ジャンが述べた。

パキスタンの将軍たちは今年になって、モーマンドとバジョールにあったタリバンのミニ国家を一掃したと表明している(後略)。

hoon13 militants, 2 Pakistani soldiers die in clash
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■北西辺境州とTNSM、話し合い再開[090501 Dawn]

北西辺境州政府とTNSMが金曜日、スワートの和平協定導入のために障害となっている問題点を話し合うために、会合を再開することに同意した。

イフティハール・フセイン情報相が率いる政府のチームが、TNSMのチームとレストハウスで会った。

TNSMのモーラナ・フーフィー・ムハンマドと部下のモーラナ・ムハンマド・アラーム、報道官のアミール・イザート・ハーンとイクバル・ハーンがTNSMの代表となって参加した。イフティハール・フセイン情報相とザヒード・ハーン議員が、州政府の代表となり、話し合いは40分に及んだ。

フセインによると、今回の話し合いは第一段階で、次の話し合いもすぐに行なわれるという。政府はすでにダルール・カザをマラカンドに導入することを表明したと述べ、武力行為を終結させ、この地域に平和をもたらしたいという。

ブネールの軍事作戦に関しては、政府は、マラサカンド地域全体について話し合っているという。「我々の土地である。我々はここに住み、取り残すことはない」。

TNSM報道官のアミール・イザート・ハーンが、「シャリア法導入と平和回復のために協力することに同意した」と述べた。治安部隊とタリバンには、話し合いが終わるまで戦いを中止するように要求した。

(中略)治安部隊がバンダイ・マイダーンにある武装勢力の拠点地を攻撃し、元タリバン司令官のグーラム・ハーンが死亡、仲間3人が負傷した。

タリバンが、チャックダーラ〜ティメルガラ間の道路を占拠していると述べた(後略)。

hoonNWFP, TNSM resume talks
Haleem Asad

■パキスタンの和平協定、話し合う[090501 BBC]

パキスタン北西部では、タリバンと和平協定を結ぶための努力が行なわれている。

スーフィー・ムハンマドが北西辺境州政府関係者と会い、タリバンに対する軍事作戦を止めるように要求した。両陣営とも和平協定を支持する姿勢だが、結論には至らなかった。

金曜日に軍が発表したことによると、武装勢力55〜60人が、過去24時間に死亡したという。軍報道官のアサール・アッバス少将が、軍はブネールで成功を収めていると述べた。

スーフィー・ムハンマドと北西辺境州情報相のイフティハール・フセインが、ロワー・ディールのティメルガラで話し合った。「もし政府が誠心誠意イスラーム法を導入につとめるならば、タリバンは武器を放棄し、この地域の和平のために協力する」と報道陣に述べた。

フセイン氏は、「すべてが、武力行為を終えるためのものだ。すべて平和のためにしている」と述べた。

話し合いは前向きのもので、両陣営とも和平協定を支持した。今後も話し合いを続ける予定であるが、日程は決まっていない。スーフィー・ムハンマドは、軍事作戦が終了するまで、タリバンと直接話し合うことはないと述べた。しかし軍は、ロワー・ディールとブネールから武装勢力を一掃するために、作戦を続けると主張している。

(中略)アサール・アッバス少将によると、タリバンは強く抵抗しており、なかには外国人戦闘員もいるという。戦闘員たちはよく統率され、迫撃砲や対空機関銃を持っている。

戦闘ヘリコプターに援護された地上軍が、9台の自爆車と「逃走する抵抗勢力」を乗せた車6台を破壊したと述べた。さらに地上軍が、狭い山道で「バイクに乗った自爆犯」3人を、射殺した。

いっぽう自爆犯が仕掛け小屋を爆破し、準軍隊兵士2人を殺害、8人を負傷させた。これで軍隊側の犠牲者の数は、13人になった(後略)。

hoonTalks held on Pakistan peace deal

■拉致されたパキスタン兵、「解放」[090501 BBC]

タリバンにより拉致された準軍隊兵士10人が解放されたと、政府関係者が述べた。

抵抗勢力50人以上がディール町にある軍本部を襲撃し、兵士たちを拉致した。解放に関しての情報はほとんどないが、政府によると、地元の長老を通して交渉が行なわれたという。

hoonAbducted Pakistan troops 'freed'

■パキスタン、タリバンに激しい抵抗を受ける[090501 AFP]

タリバンが金曜日、パキスタンの北西部で治安関係者10人を拉致した。

(中略)パキスタン軍がロワー・ディールのマイダンとチャッダーラ村にある武装勢力の拠点を攻撃し、12人を殺害したと報告した。

軍の発表によると、木曜日以来ロワー・ディールとブネールに対して実施された「黒い稲妻作戦」で、戦車やジェット戦闘機、戦闘ヘリコプターが出動し、犠牲者の総数は130人に登ったという。

ブネールの住民によると、戦いは激しいという。「激しい砲撃で、眠れない」と、ナワガイの薬屋のハビブッラー・ハーンが述べた。村人は4人を残して、全員避難したという。

「ドアの隙間から、タリバンがあらゆる所にいるのが見える。外出禁止令と戦いのために、家を出ることができない」と、スルタンワスの教師、ハザラット・ハーンが述べた。妻と子供とともに、4日間家に閉じ込められたままで、食料がなくなってきたという(後略)。

hoonPakistan meets fierce Taliban resistance
S.H. Khan、PESHAWAR

■タリバン、パキスタン北西部で兵士10人拉致[090501 AFP]

パキスタン北西部で、タリバンが準軍隊兵士10人を拉致した。拉致事件はアッパー・ディールのディール町で起きた。

タリバン60人が地元の準軍隊本部の建物を襲撃し、兵士10人を拉致した。ほとんどの兵士が野外に出ていたために、建物内にいた兵士の数は少なかった。

アッパー・ディール行政官のアティクール・レーマンが、50人以上の抵抗勢力が地元のディール・レビ準軍隊本部を攻撃し、10人を拉致したことを認めた。

ブネールでも武装勢力が3つの村の警察署を占拠し、警察官52人を捕虜にしているという。

hoonTaliban kidnap 10 troops in NW Pakistan: police
PESHAWAR

■アフザル・ハーン・ララ、スワートからペシャワルに[090501 News]

木曜日にANP責任者のムハンマド・アフザル・ハーンが、病気治療のために軍のヘリコプターで故郷のスワートからペシャワルに飛んだために、スワートで再び軍事作戦が実施されるのではないかという噂が飛び交った。

パキスタン陸軍のヘリコプターが、アフザル・ハーン・ララの愛称で呼ばれる、82歳の元連邦大臣とその家族を、バラ・ダルシュヘールからペシャワルに運んだ。

アフザル・ハーンは、これまで何度も武装勢力に暗殺されそうになっている。親戚によると、病気治療のためにペシャワルに行ったという。

これとは別に、スワート各地で警察官4人が拉致され、警察官を含む3人が殺害された。ここ数日間で、警察官12人以上が拉致されている。

マッタ地区のテターニ地域で、銃を持った男たちに、バイクに乗った男性2人が射殺された。また武装した抵抗勢力が、カラームの警察署を占拠した。警察官たちは、すでに建物から逃げ出していた(中略)。

住民によると、武装した抵抗勢力たちがサイド・シャリーフをパトロールしているという。

パキスタン軍のジェット戦闘機と無人偵察機が、スワート各地の上空を飛んでいる(後略)。

hoonAfzal Khan Lala flown to Peshawar from Swat
MINGORA

■タリバン、町で捕虜を拘束[090430 AP]

タリバン一掃のために派遣された兵士たちが木曜日に峠を越え、少なくとも武装勢力14人を殺害した。またあわやの所で、自爆攻撃を受けるところだったと、軍が発表した。

(中略)アメリカの圧力を強く受けたザルダリは、パキスタン国民に、イスラーム国家が「現代的・穏健的民主的国家」であり続けることができるために、ブネールの作戦を支持するように呼びかけた。

しかし、木曜日にブネールから避難してきた数百人の住民たちは、怒りと諦めを表わした。「どちらも問題を起こす。タリバンが攻撃する、軍も攻撃する」と、ピックアップトラックを運転する農民のタージ・ムハンマドが述べた。「なぜ、女性や子供を危険にさらすのだ。我々は平和がほしいだけだ。政府でもタリバンでも、どちらでもいい」。

木曜日に軍がブネールに繋がるアンベーラ峠から武装勢力を追い払ったと、軍報道官のアサール・アッバスが述べた。兵士たちが4台の車を運転した自爆犯を銃撃し、2台の車が爆発し、残りの2台は走り去ったという。兵士の犠牲者はいない。

ディールても武装勢力の車4台を破壊した。過去24時間内に、武装勢力14人が死亡、兵士1人が負傷したという。

アッバスによると、さらに北部では、武装勢力たちが軽武装した警察員と準軍隊兵士数十人を拉致し、警察署に放火した。スルタンワス町は、孤立しているという。「スルタンワスの住民は、心配している」と、アッバスが記者会見で述べた。「スルタンワスから誰も出ることができない」。

武装勢力が警察官を殺害し、遺体をスワート川に投げ込んだ。しかしスワートの和平協定は「遵守」されているという。

スワートのタリバン報道官が、自分たちは和平協定を遵守していると主張した。ブネールのタリバンは全員地元のタリバンだと、ムスリム・ハーンが述べた。「彼らは我々の友だちで、大きな犠牲者が出たわけではない」。

治安部隊は、報道陣がブネールに入ることを阻止し、電話連絡ができない状態である。

アメリカの指導者たちは、スワートにシャリア法導入を許可したザルダリに批判的だ。しかし協定を支持する者たちは、イスラーム法の導入により、国家を不安定にしようとしている原理主義者たちを孤立させ、その後作戦を実施した場合、国民からの支持を受けなくなるはずだという。

木曜日に政府関係者が、武力衝突は続いているが、イスラーム法廷は数日内に稼働し始めると述べた(後略)。

hoonPakistan army: Taliban holding town hostage
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■パキスタン、町を奪回。ザルダリ団結を呼びかける[090429 AFP]

水曜日にパキスタン軍は激しい戦闘の結果、ブネールをタリバンから奪回した。この戦いで、タリバン戦闘員50人以上が殺害された。

火曜日に軍は、ブネールから武装勢力を一掃するために地上と空からの攻撃を実施した。これに先立ち軍は、ブネールからタリバンに拉致された警察官と準軍隊兵士70人のうち、18人を救出したという。

火曜日に、軍報道官のアサール・アッバス少将が記者会見を開いた。「昨日以来、50人が死亡したと報告されている」と述べ、2ヵ所にあった武器庫を破壊したという。

いっぽう水曜日にはカラチで民族間の抗争があり、20人が死亡、24人が負傷した。政府によると、カラチで民族抗争を起こすための「ターゲット殺人」から発生したという。ウルドゥー話者のムッタヒダ・カウミ運動MQMとパシュトゥーン族が、対立を続けている。

アッパスによると、軍がブネールの中心である「ダガールの奪回に成功」したと述べた。「武装勢力がブネールの住民を捕虜にしていたために、行動が制約されていた」という(後略)。

hoonPakistan retakes key town as Zardari calls for unity
Lehaz Ali、PESHAWAR

■米ミサイル攻撃、パキスタンで6人死亡[090429 AFP]

水曜日にパキスタン北西部に対するアメリカによるミサイル攻撃があり、武装勢力6人が殺害された。

攻撃は南ワジリスタンのカニー・ガラム村で起きた。「ミサイル攻撃が車を攻撃し、6人が死亡した」と、治安関係者が述べた。「殺害されたのは、ほとんどがタリバン戦闘員だった」。「近くの家もミサイル攻撃で破壊された」と、別の治安関係者が述べた。これに先立ち、ある関係者が、ミサイルで民家が攻撃されたと述べた。

住民のイスラール・ジャンが、ミサイルが民家の外に駐車した車を攻撃するのを見たと述べた。「少し遠くに立っていたところ、車が偵察機からミサイルで攻撃されるのを見た」。

hoonSuspected US missile strike kills six in Pakistan
PESHAWAR

■パキスタンの問題地域に関して混乱[090429 BBC]

パキスタンがロワー・ディールで軍事作戦を終了したが、まだこの地域は混乱している。

政府軍が日曜日、武装勢力を追い払ってバジョールに通じるルートを遮断するために、ロワー・ディールのマイダーンに入った。火曜日には、作戦は成功したと発表された。避難した人々が水曜日に帰ってみると、マイダーンに通じる道路は封鎖されていた。兵士たちは彼らに歩いて帰ることを許可したが、そうすると20〜30キロも歩かなければならない。

いっぽうマイダーンからは、住民がまだ避難してくる。ティメルガラに駐屯する軍が、まだ砲撃や銃撃を続けているからだ(中略)。マイダーンは、モーラナ・スーフィー・ムハンマドの故郷である。ディールには30万人が住み、200の村がある。関係者によると、これらの村は地元タリバンの拠点となりつつあり、身代金目当ての誘拐事件や、政府関係者に対する攻撃が続いている。

治安部隊は火曜日まで、マイダーンに入るすべての交通を遮断し、避難民が外に出ることだけを許可した。今は双方向が遮断されている。

ティメルガラの住民であるイナムール・レーマンは水曜日、マイダーンの妹の家まで15キロ歩いたが、山頂が40回砲撃されるのを見たために、諦めて帰った。ある場所ではライフル音も聞こえたが、戦闘場面は見られなかったという。途中の村に男の数人いたが、女性や子供は全くいなかったという。

(中略)ティメルガラの町は、不気味に静かだ。3日ぶりの水曜日、店舗は短時間だが営業した。「ティメルガラのビジネスは日曜日以来、数百万ルピーの損失だ」と、ティメルガラ商工会会長のハッジ・アンワルッディンが述べた。

(中略)ロワー・ディールでは、マイダーンだけが問題を抱えているのではない。この地域の南端から20キロに及ぶ地域に、政府の権限は届いていない。南部のチャックダーラからタラーシュの間を通る車は、ほとんどない。途中の道路で最近設置されたばかりに見える警察の検問所があったが、警察官はいなかった。軍も準軍隊もいない。

ティメルガラのある政府関係者によると、スワートのカーバルに繋がる東部のチャックダーラ〜タラーシュ間は、タリバンがコントロールしている。「幹線道路に検問所を設置して、車を検問している」という。

ロワー・ディールがスワートのような状況になることを、みんな恐れている。「昨日政府が作戦が終わったことを宣言したとき、すべてが日常に戻ると安心した。しかし、それは嘘だ。世界に、戦いが終わったと思わせたいだけだ。まだまだ続くと思う」。

garrConfusion reigns in Pakistani hotspot
M Ilyas Khan、Lower Dir

■パキスタン軍、タリバン一掃のために動き始める[090428 New York Times]

海外から非難され続けていたパキスタンは、先週ブネールを占拠したタリバンを攻撃するために、とうとうジェット戦闘機と戦闘ヘリコプターを使用した。

パキスタンはインドとの国境に駐屯させている兵士6000人を、アフガニスタンとの国境付近に移動させることにも同意した。しかし米政府関係者はこの動きを歓迎しながらも、パキスタンはまだ武装勢力に十分対処していないと非難した。

(中略)ブネールの作戦は、2日にわたって行なわれたディールの作戦が終わった火曜日に開始した。

タリバンがブネールに侵入したことで、欧米諸国がパキスタン軍に大きな圧力をかけた。軍事作戦が開始される気配を察して、タリバンは先週末にブネールから撤退するそぶりを見せたと、アッバース軍報道官が述べた。しかし武装勢力は、スワートからディールやブネールにも力を繰り広げようとしているという。

「ブネールでは、人々が恐怖にさらされて生活している」。「ブネールの人々を怯えさせる理由はない。武装勢力は若者を仲間に強制的に入れて、軍事訓練を受けさせるためにスワートに連れ帰った」。「政府は辛抱強く待ったが、結局作戦を開始さぜるを得なくなった」。

政治家や民衆の気持ちを変化させるような、いくつもの出来事が重なった。数週間前に、スワートのタリバンが17歳の女性を鞭打ちの刑に処するビデオに、国民はショックを受けた。モーラナ・スーフィー・ムハンマドが最近、国会や最高裁判所のようなパキスタンの機関は非イスラーム的だと述べ、政治家たちを憤慨させた。そして先週になって武装勢力が新たな地域に進出したことで、とうとうパキスタン軍がタリバンに対して作戦を開始した。

インド国境から移動予定の6000兵は、もともとは西部の国境に派遣される予定だったが、12月に起きたムンバイのテロのあとにインドとの緊張が高まり、インド軍が国境に軍を集結させたために、東部に派遣された。

(中略)米関係者によると、アメリカは、米国人訓練士を受け入れるよう、パキスタンに圧力をかけているという。すでに米軍アドバイザーと技術専門家70人以上が、部族地帯と戦う武装軍を訓練するために、パキスタンで活動している。アメリカは、これをもっと拡大したいと考えている。

米関係者によると、パキスタンは国内に多数の米国人がいることを嫌い、これに反対している。「我々のアドバイザーや外国軍が国内にいることを嫌がっている」と、ある政府関係者が述べた。アメリカは「今のところ許容範囲内で、できる限りのことをしている」。

タリバンはすでに避難壕を掘って拠点を強化しているために、軍は強い抵抗を受ける可能性があると、アッバース将軍が述べた。

ディールの戦いは、パキスタン政府関係者が発表しているよりも激しかった可能性があり、多数の一般市民の犠牲者が出たようだ。軍によると、3日間の戦いで、武装勢力70人が死亡したという。

しかし約3万人が現場から避難し、避難の途中、道路や畑に遺体があるのを見たと述べる者もいた。「タリバンも政府も、ロワー・ディールの住民の幸せを無視しているようだ」と、Amnesty International's Asia-Pacific会長のサム・ザリフィが述べた。

garrPakistani Military Moves to Flush Out Taliban
CARLOTTA GALL and ELISABETH BUMILLER、ISLAMABAD

■パキスタン戦闘機、首都近くの武装勢力攻撃[090528 AP]

パキスタンのジェット戦闘機と戦闘ヘリコプターが火曜日、首都近くの山脈を拠点としているタリバンを攻撃した。

住民によると、地上軍もブネール地域に入りつつある(中略)。いっぽう重武装した武装勢力たちが、ブネールに入り始めた。

軍報道官のナシール・ハーン中佐によると、ジェット戦闘機と戦闘ヘリコプターが火曜日の午後、ブネールのババジ・カンダオ地域の山脈地帯にある、タリバンの拠点を攻撃した。犠牲者の数は明らかではない。

軍報道官責任者のアサール・アッバス少将によると、軍もこの地域に入りつつある。武装勢力の数は450〜500人で、作戦は1週間ほどで終わる予定だという。

タクシー運転手のムハンマド・シャヒード・ハーンによると、戦車や大砲とともに、兵士数百人がブネールに続くアンバーラ峠に向かっているという。

これに対して火曜日の午後、タリバン戦闘員たちがピール・ババ町の警察署を占拠し、戦闘態勢に入ったという。

イスラマバードは、タリバンがブネールに集まっていたことを火曜日まで知らずにいたために、パキスタン国内は動揺している。

日曜日にも軍が、ディールで作戦を実施した。アッバース少将によると、ディールの作戦はすでに終わり、武装勢力70〜75人を殺害したという。治安部隊兵士10人が死亡した。数百人の住民が難民となり、避難を開始した。

(中略)地元関係者やタリバン報道官が、タリバンは政府と話し合ったあと、金曜日と土曜日にブネールから撤退したと述べていた。しかし、アッパースはスワートのタリバン責任者のモーラナ・ファズルッラーの携帯電話から盗聴された会話を提示した。ファズルッラーはブネールの司令官に、「メディアに見せるために」武器を片付け、撤退するふりをするよう命じた(後略)。

garrPakistani jets pound militants close to capital
CHRIS BRUMMITT、ISLAMABAD

■パキスタン軍、武装勢力に圧力[090428 BBC]

パキスタン軍は、北西部にいる武装勢力に対する攻撃をまだ続けている。戦闘ヘリコプターが、ロワー・ディールの武装勢力の拠点を攻撃している。

これまで武装勢力50人と治安部隊兵士13人が死亡したと、ディールの政府関係者が述べた。タリバンは、和平会議を中断させた(中略)。

『BBC』のイリアス・ハーン特派員によると、現場との通信は途絶えているという。携帯電話や地上電話も機能せず、電力供給も止まっている。現場にいる住民は、テレビの報道を見ることができない。

軍関係者の話では、治安部隊が主要な地域を確保し、ディールとスワートを分断する丘の上の武装勢力の拠点を、現在攻撃しているという。

しかし目撃者によると、タリバンは広がりつつあり、アッパー・ディールの険しい谷に向かっている可能性があるという。ここにはすでにタリバンの拠点があり、地元のオブザーバーによると、ロワー・ディールよりこの地域で、タリバンが人気がある。

軍がスワートでの活動を休止しているために、武装勢力たちはマッタ地域から広範囲に広がり始めた。政府が軍事力を使わなければ、この地域もタリバンの手に落ちるのではないかと、ディール政府関係者は警戒している。タリバンはすでにブネールに入った。金曜日にタリバンはこの地域からの撤退を表明し、現在は数人が残っているだけである。

しかし特派員によると、タリバンはすでにブネールの反対者たちを排除し、地元の警察団を組織したという。したがってスワートのタリバンが撤退しても、この地域のタリバン化を意味する。

スワート自体では、タリバンはこれまで入っていなかった北部の谷にも進出した。月曜日にはバーレイン町に入り、政府の建物やタリバンに反対する地元のリーダーたちの住居を占拠した。

火曜日には、チトラル・スカウトの準軍隊兵士8人が戦闘で殺害され、チトラルで埋葬された。ディールの目撃者によると、戦闘で多数の一般市民の犠牲者が出たという。

月曜日にスーフィー・ムハンマドの報道官が、軍事作戦のために、北西辺境州との話し合いを延期したと述べた。しかし、彼も北西辺境州政府も、平和協定はまだ存続するという。

スーフィー・ムハンマドは戦闘により、ロワー・ディールにある彼の村で、孤立している。

garrPakistan army presses militants

■タリバン20人殺害、話し合い中止[090428 AFP]

パキスタン軍が、パキスタンの北西部で抵抗勢力20人を、地上と空からの作戦で殺害した。

軍がロワー・ディールで作戦を開始した。「国境警察隊がロワー・ディールのマイダーンで、武装勢力20人を殺害した」と、軍広報部が発表した。作戦が開始した2日目、準軍隊と戦闘ヘリコプターがまだロワー・ディールで空爆を行なった。

戦闘ヘリコプターが武装勢力の拠点を攻撃したと、関係者が述べた。「作戦が開始した2日目、治安関係者8人も殺害された」と、別の軍関係者が語った。

これに先立ちタリバンは、政府がアメリカから圧力をかけられて北西部にいるタリバンに対して作戦を開始したために、政府との話し合いを中止した。「我々は日曜日の夜に会議を開き、北西辺境州政府との和平協定の話し合いを延期することにした」と、スーフィー・ムハンマドの報道官が述べた。「しかしまだ、2月の協定を遵守する」と、アミール・イザート・ハーンが述べた。

バイトゥッラー・マフスードが率いるTTPは、作戦は「不要」と述べた。TTP報道官のモーラビ・オマルは、作戦をすぐに中止することを要求し、「和平協定が危うくなる」と述べた。「作戦をすぐ中止しなければ、他の場所にいるタリバンが、ディールのタリバンへの協力を余儀なくされるだろう」と、オマルが電話で語った。

和平協定にもかかわらず、月曜日にタリバン戦闘員がスワート北部にある、ベヒレイン町の電話交換局を占拠した。

またラッキ・マルワート町に遠隔操作爆弾が仕掛けられ、2人が死亡、警察官5人が負傷した。

(中略)ザルダリ大統領が月曜日、タリバンはロワー・ディールから一掃されたと述べた。しかしディールの安全を守るためには、もっと警察官の数が必要だという。ザルダリが、北西辺境州政府がだめだと言わない限り、タリバンとの協定は有効だという。

(中略)ザルダリは、スワートに対する作戦は「可能性」であり、地理的に「我々の能力に限界がある」と述べた。「人口が多い地域だ。犠牲者の数は大きくなる」(後略)。

garrTroops kill 20 Taliban as Pakistan talks suspended
PESHAWAR

■ロワー・ディールで武装勢力40人死亡[090427 Dawn]

治安部隊がロワー・ディールのマイダンで武装勢力と対戦し、多数の犠牲者を出したという。

国境警察隊の発表によると、日曜日以来、司令官2人を含む武装勢力40人以上を殺害した。軍はラール・キラーを占拠し、マイダーン谷から武装勢力を一掃したという。ここはモーラナ・スーフィー・ムハンマドの故郷である。

目撃者によると、非戦闘員も戦いに巻き込まれて死亡したという。治安関係者8人が銃撃戦で死亡した。

戦闘ヘリコプターと地上軍が、ダコライ、カルパニ、オディガラーム、アカヘール・ダーラを含むマイダーン各地の拠点を攻撃した。国境警察隊によると、武装勢力司令官3人、モーラビ・シャヒード、シャジャード、シャバールが殺害された。政府も、治安関係者8人が死亡したことを認めた。マイダンの目撃者によると、タリバンや非戦闘員の遺体が、いくつかの村に放置されているのを見たという。

情報源によると、治安部隊がラール・キラー、クンバール、カパタイ、ハーナバード、ガルゴット、ハヤセライ、カラダーグを制圧した。武装勢力は、アッパー・マイダーン・シャダース地域をまだ占拠し、治安部隊に抵抗していると述べた。

武装勢力が、現場一帯から撤退しているようだ。激しい空爆のために、民家が破壊された。軍がティメルガラ、イスラーム・ダラ、サマール・バーから激しい砲撃を続けている(後略)。

hoonForty militants killed as Lower Dir offensive continues
Haleem Asad、TIMERGARA

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