【2009年5月11日〜5月17日】
●土曜日に北ワジリスタンのミラリ地区ハイスゥール村をアメリカの無人偵察機が2度続けて攻撃し、武装勢力40人が死亡した。
●部族民の情報源によると、アメリカの偵察機2機がハイスゥール村上空を飛んでいたといたという。偵察機はミサイル2発を、建物のそばに駐車していたダブル・キャビン・トラックに撃ち込んだ。情報源によると、抵抗勢力たちがトラックに座りみ、出発しようとしていたところだったという。
●攻撃の直後、別の建物にいた抵抗勢力が救出作戦を開始したところ、再びミサイル2発で攻撃された（中略）。攻撃で死亡した抵抗勢力の大半は、地元の部族民抵抗勢力だった。
●「我々は非常によく訓練された、親しい友人たちを失った。幹部司令官もいた。遺体の損傷が激しく、身元確認ができない」と、ある司令官が述べた。犠牲者の中に、アルカイダ幹部がいたという報道を否定した（後略）。
40 militants die in NWA drone strikes
●パキスタンは、ビンラディンが隠れていると疑われている、アフガニスタンとの国境にある部族地帯を攻撃する予定である。
●「ワジリスタンなどで、軍事作戦を行なう」と、ザルダリ大統領が『サンデー・タイムズ』に語った。「スワートは、戦いの始まりにすぎない」。
●ザルダリは、170万人になると予測されている難民と軍事支援のために、数十億ポンドの援助が必要だと述べた。抵抗勢力排除のために、パキスタン軍はパキスタン国内で英軍と米軍の対抵抗勢力訓練を受け入れたという。「我々の能力を発展させる必要があり、協力が必要だ」と、ザルダリが述べた。「現在得ている、10億ドルの軍事援助以上のものが必要だ。10億ドルでは何にもならない。我々は部族地帯に15万兵がおり、その数を動かすだけで、10億ドルかかる」。パキスタン軍は、インドとの国境に駐屯する。
●2年前にイギリスのプロジェクトが、部族地帯にいる国境警察隊を訓練することを申し出たが、抵抗を受けた。しかしパキスタンは、今この案を受け入れ、米特殊部隊による訓練も始まった。
●ある米政府関係者が『ウォールストリート・ジャーナル』に、25〜50人の特殊部隊関係者が、バローチスタンにある2つの訓練所に派遣されると語った。
●軍はワジリスタンとデラ・アダム・ヘールで作戦を実施予定である。ワジリスタンはTTPのバイトゥッラー・マフスードの拠点である（後略）。
Pakistan to attack Taliban in Bin Laden's lair
●タリバン戦闘員たちが、資金集めや休息、アメリカのミサイル攻撃から避難するためにカラチに集まりつつあると、過激派や警察関係者、諜報報告から明らかになった。
●タリバンがカラチに入り込んだことは、国内各地に彼らの影響力が拡大していく恐れがあることを意味する（中略）。カラチは、アフガニスタンの米軍やNATO軍に供給される物資が荷揚げされることや、パキスタンの経済の中心であることから、このことは重要である。またカラチには、欧米風の若者文化であふれている。ダニエル・バールが殺害されたのも、この町である（中略）。
●パキスタン軍が北西部で軍事作戦を実施し、アメリカがミサイル攻撃を続けていることから、抵抗勢力たちはカラチなどの都市部に避難していると、過激派が述べた。「休息するためや、必要であれば治療を受けるために、何人かのグループになってカラチに行く。我々の兄弟が多数住んでいる」と、32歳の過激派、オマール・グル・マフスードが述べた。35歳の仲間のシャー・ジャハーンは、南ワジリスタンでタリバン戦闘員24人を指揮している。彼によると、20〜25人の戦闘員が数ヵ月戦った後、1ヵ月間の休暇を取ってカラチなどの都市部で過ごすという。「ミサイル攻撃のために、これまで以上に警戒し、注意深くなっている。戦闘地では、多数で行動することは賢明ではない」。
●カラチの郊外には、アフガン人とパキスタン人難民が20万人にも増えている。これらの難民の多数がパシュトゥーン人である。入手された諜報情報によると、これらの地域はバイトゥッラー・マフスードと関係のある過激派たちの隠れ家になっている。
●警察の報告によると、マフスード系の過激派たちが30〜36日ごとに、20〜25人ずつ到着して、「休息や資金集め」をしているという。過激派たちは「身代金目当ての誘拐、銀行強盗、ひったくりなどの犯罪で資金を集めている（中略）。「非常に危険な状況だ」と、諜報組織の関係者が述べた。
●たとえばソーラブ・ゴー地域は、アフガニスタンに物資を運ぶスーパー・ハイウェイの隣に位置する。これまでの民族抗争のために、このハイウェイは封鎖された。警察幹部によると、マフスードのメンバーが所有する道路切削会社が、タリバンに資金を提供している。
●「強制的か自主的かはわからないが、収入の40％をバイトゥッラーに提供している。同じ氏族に属し、彼らの存続や氏族との関係を気にしているからだろう」と、過激派に2度狙われた経験がある警察官幹部のラジャ・オマル・ハッタブが述べた。
●別の警察幹部のハワジャによると、カラチで起きる銀行強盗の3分の1は、タリバンを含む過激派組織の資金稼ぎだという。2008年には、現金輸送車29台が強奪され、百万ドル近くの損害がでた。ハワジャは、カラチにタリバン戦闘員が数百人いるという。カラチで勢力を持つムッタヒダ・カウミ運動党MQMは、地元タリバンは数千人いると述べた。
●しかしパシュトゥーンの政党、アワミ・ナショナル党の地元指導者アハン・ハタックは、MQMはパシュトゥーン社会の評判を落とそうとしていると述べた。「カラチのどこに、タリバンがいるというのだ」。「もしタリバンがいたら、我々はもっと危険にさらされる。我々の指導者たちはこれまで何人も攻撃されてきたが、私は怖いと思ったことがない。カラチでは怖くない」。
●（中略）南ワジリスタンのタリバン戦闘員、サミウッラー・ワジールは、タリバンはカラチを攻撃するつもりはないと述べた。
●カラチの住民は、タリバンに関して神経質になっているが、噂だけだと考えている（後略）。
Fear of Taliban influx in largest Pakistani city
●パキスタン軍が土曜日、パキスタン北西部3地域に対する空と地上からの軍事作戦で、24時間内抵抗勢力47人を殺害したと述べた。犠牲者数は確認することができないが、真実とすればこれまでで抵抗勢力980人が死亡したことになる。
●アサール・アッバス少将によると、「テロリスト47人が24時間内に殺害された」と述べた。
●アッバスは、ジャーナリストたちに、治安部隊が破壊した武装勢力の隠れ家や武器庫のビデオを見せた。軍はミンゴーラの近くにまで迫っているという（後略）。
Pakistan military says 47 militants killed
●土曜日にインターネットカフェと身体障害者の児童を乗せたバスが爆弾で破壊され、パキスタン北西部の主要な町にパニックを引き起こした。この爆発で少なくとも11人が死亡した。
●またアメリカのミサイルが、アフガニスタンに入ろうとしていたタリバンを攻撃するいっぽう、パキスタン軍はスワートでさらに47人を殺害したと主張した。
●（中略）土曜日にペシャワルで、混雑した道路に駐車した車に隠された2発の爆弾が爆発した。道路には、買い物客や、祈りのためにモスクに向かっていた多数の信者で混雑していた。
●テレビの報道では、身体障害者の子供たちを学校から送り返していたバスが破壊され、このほか車輛数台が炎上する映像が流れた。バスに乗っていた子どもたち8人全員と、運転手と助手が負傷したという。子供4人と大人7人が死亡した。
●（中略）警察幹部関係者きサフワート・ガユールによると、ひどく破壊された建物の中には、インターネット・カフェがあったという。カフェはこれまでも何度か脅迫を受け、最近は銃を持った男たちに襲撃されたこともあるという。
●（中略）パキスタンの関係者によると、土曜日にマドラッサと近くにあった車が、何発かのミサイルで攻撃された。諜報関係者2人によると、外国人戦闘員4人を含む29人が死亡し、数十人が負傷した。犠牲者の店とはわからない。
●学校は、有名なタリバン司令官のグル・バハドゥールが、訓練所として使用していおり、アフガニスタンに戦闘員を送り込んでいたという（後略）。
Bombing, US strike kill dozens in Pakistan
●政府は南北ワジリスタンにいる抵抗勢力に軍事作戦を行なった際、収容する難民のためのキャンプを設営する計画を考慮している。軍が作戦を実施する可能性があるというメディアの報告で、住民たちを恐れさせている。
●情報源によると、軍と準軍隊が不自然な動きをしており、部族民たちの間では、軍が抵抗勢力に対して作戦を開始するのではないかという疑いが強くなった。
●チャグマライ、ムンダナ、スピンカイ、アガザイなどの地域を含むマフスード族の居住地域から、多数の人間が避難を開始した。政府関係者によると、地元行政府はダバラ地域の約625エイカーの土地に、難民キャンプを作りはじめた。
●木曜日に2度目の話し合いがあり、南ワジリスタンの行政官と軍関係者が参加した。話し合いでは避難民の収容方法を話し合ったという。
Looming operation in Waziristan●武装勢力が最近ハザラのバッタグラム地域で活動を始め、警察は、地元住民が警察官に対する襲撃に関与している可能性があると述べた。
●これまでも多数のタリバンが、バッタグラームで活動している。木曜日に抵抗勢力は、バッタグラムのバッタ・モリ警察検問所を放火し、多数の兵器を持ち去った。報告によると、約150人の抵抗勢力が検問所に入り、警察官4人を縛り上げた。抵抗勢力たちは拷問してから警察官の首を切り落とそうとしたが、今後仕事を止めることを約束させて解放した。立ち去る前に検問所に火を放ち、ライフルなどを持ち去った。
●（中略）抵抗勢力たちはロケット砲など、洗練された武器を持ち、地元の人間も関わっていた可能性がある。また報告によると、抵抗勢力はマンセーラ地域のカラ・ガッカでも活動しているようだ。
Militants extend activities to Battagram
●アメリカは、パキスタンに特殊部隊を送り、パキスタン軍の訓練を行なうことになる。
●米政府幹部関係者によると、25〜50人の特殊部隊関係者が、バローチスタンに作られた新しい訓練所に送られる。米関係者は、以前よりパキスタンの部族地帯の内部に侵入する。
●特殊部隊はパキスタンの国境警察を訓練し、タリバンやアルカイダと戦う能力をつける。
●米軍幹部関係者は、今後アメリカがパキスタンの国境近くに入って訓練する許可を、イスラマバードから得ることを期待していると述べた。今回の特殊部隊関係者の派遣で、「アメリカはさらに目と耳」を戦略的に重要な地域で持つことになる。
●今回のプロジェクトは、以前ブッシュ政権時代に、イギリスとアメリカの関係者が話し合って提案したものである。しかし、イギリスが訓練に出資するかどうかは、まだ明らかではない。イギリスはこの計画を数年前から進めてきた。すでにパキスタン北部で、小規模に実施されているアメリカの訓練が土台となる。
●（中略）ペンタゴンは議会に、新たな「パキスタン対武装勢力能力資金」のために、4億ドルを出資するよう要求した（中略）。この資金は5年にわたるプログラムの最初の一歩で、国務省ではなく、中央司令部の管轄となる（後略）。
U.S. Special Forces Sent to Train Pakistanis
●パキスタンのペシャワルで車爆弾が爆発し、少なくとも11人が死亡、多数が負傷した。混雑したカシュカール地域で、スクール・バスが通りかかったところで爆発が起きた。少なくとも25人が負傷し、そのうちの2人は重傷である。
●北ワジリスタンでは、無人偵察機が建物と車輛にミサイルを発射した。関係者によると、犠牲者の中には外国人抵抗勢力2人が含まれていたという。このほか多数が負傷した。
●ペシャワルの爆発では、17台の車輛が巻き込まれ、5台が炎上したという。犠牲者の中には、子供4人と女性2人が含まれている（中略）。
●無人偵察機によるミサイル攻撃で、マドラッサが狙われたと報告されているが、民家だったという説もある。火曜日には、南ワジリスタンのテラ・ハウラ村民家が、ミサイルで攻撃された（後略）。
Deadly bomb strikes Pakistan city
●アメリカの無人偵察機がパキスタンの抵抗勢力にミサイルを発射し、アラブ人2人を含む10人が死亡したと、土曜日にパキスタンの諜報関係者が述べた。
●（中略）ミサイル2発が、北ワジリスタンのハイソール地域に発射された。「10人が殺害された。2人はアラブ人だが、国籍はわからない」と、諜報関係者が述べた。ハイソールはミール・ワリから20キロ南に位置する（後略）。
U.S. drone attack in Pakistan; 10 killed
●金曜日にパキスタン軍がスワートで、タリバン55人を殺害したと述べ、タリバンが占拠している町を攻撃する前に外出禁止令を解除して、数千人の市民を避難させた。
●（中略）軍は、武装勢力たちが髭を剃って髪を切り、難民と一緒に谷から逃げ出そうとしていると述べた。一般市民に、タリバンが紛れ込んでいた場合は治安部隊に報告するように要求し、匿名で報告できるように携帯電話番号さえ提示している。
●しかしEメールで発表された声明によると、抵抗勢力が報復しており、24時間内に兵士3人が死亡し、11人が負傷したという（後略）。
Pakistan says 55 Taliban, 3 troops killed in Swat
●最近アフガニスタン西部で発生したアメリカとタリバンの戦闘で、死亡した140人のうち95人が子供だったと、調査に関与する政治家が水曜日に述べた。アメリカはこれを否定している。
●アフガン人たちは、ファラー州の2つの村に対するアメリカの空爆で、犠牲者が出たと述べている。米関係者は、タリバンが村人を捕虜にし、買収により大げさな数字が出てきていると述べた。
●犠牲者の家族の証言から、女性と女児65人が犠牲者の中にいたと、ファラー州の政治家オバイドゥッラー・ヘラリが述べた。すでに遺体は埋葬され、掘り起こす計画はないという。
Afghan official: 95 kids died in US-Taliban clash
●パキスタンの北西部に立て籠っているタリバンに対して軍の攻撃が続き、木曜日に激しい戦闘が各地であった。
●砲撃隊がスワートとロワー・ディールにあるタリバンの拠点を攻撃し、24時間内に武装勢力124人を殺害したという。兵士も9人死亡した。
●アシュタク・キアニ陸軍参謀長がスワートの前線を視察した。ミンゴーラで足止めを受けている住民は、激しい戦闘が起きることを恐れている（中略）。
●軍が、北部のピオチャール山地で「激しい戦闘」があったと報告した。ジェット戦闘機がピオチャールの洞窟や、抵抗勢力の拠点を爆撃し、治安部隊によると、抵抗を受けているが現場を制御しているという（後略）。
Pakistan pounds Taliban bastions, more than 834,000 flee
●アメリカは、パキスタン上空を飛ぶ無人偵察機から収集した偵察データを、イスラマバードと共有していると、木曜日に米軍幹部関係者が述べた。
●統合本部長官のマイク・ミュレン提督が、パキスタンが、アメリカの無人偵察機による偵察任務に関して、依頼があったことを確認した。「彼らからは、協力と情報に関して依頼があった。我々は彼らに協力した」と、ミュレンがSenate Armed Services Committeeで発言した。しかし最近、パキスタンからの依頼はないという。「依頼は先月くらいからなくなった」。
●イスラマバードの立場を説明しなかったが、米軍協力や偵察機による攻撃はパキスタンにとってはデリケートな問題であり、軍と諜報組織の間には、ワシントンの役割に関して意見の相違がある。「パキスタンがさらに協力を依頼してくることを期待している」と、国防省関係者が述べた。「しかし彼ら次第だ」。
●ミュレンは、木曜日の『ニューヨークタイムズ』の報道は『正確』だと述べた。アメリカの無人偵察機がパキスタンとアフガニスタンの国境上空を飛び、武装した偵察機がアルカイダを標的に爆撃を行なっていることに関してワシントンとイスラマバードの間に論議があり、亀裂が生じている。
●パキスタン関係者は、偵察機を直接コントロールすることを望んでいる。「彼らはテクノロジーを欲しがっている。しかし我々は、テクノロジーから入手した情報を共有したい」と、国防省関係者が述べた。
●ミュレンは、『ロスアンジェルス・タイムズ』が、パキスタンが標的と武装した無人偵察機をコントロールしていると報道したことに関しては、「まったく正確ではない」と述べた。
●パキスタンでは、軍報道官が、無人偵察機に関してワシントンと取り引きはないと述べた。「そのような申し出はなく、パキスタンの治安軍がそれを受け入れたこともない」と、アサール・アッバス軍報道官が述べた。
●（中略）ザルダリ大統領は水曜日に、イスラマバードは攻撃するアメリカの無人偵察機の「所有」を依頼したと述べた。
●（中略）ミュレンは、ワシントンはパキスタン軍がタリバンと戦うために、これまで以上に協力していると述べ、ヘリコプターの保守や、暗視ゴーグル、訓練を提供しているという（後略）。
US military sharing drone data with Pakistan: admiral
●カイバル行政区のジャムルッドで活動する、アフガン国籍の残虐なタリバン司令官ヤハヤ・ムスタファ・カムラーン、別名ヒジュラットが、仲間の戦闘員4人とともに、3日前に治安部隊との衝突で死亡した。
●NATO軍の補給物資を攻撃したとして、3ヵ月前にパキスタンの治安組織に逮捕されていた。バイトゥッラー・マフスードの組織に関係し、彼の忠実な司令官だった。
●バイトゥッラー・マフスードは、彼をペシャワル〜トルハム道路を管轄する司令官として任命し、NATO軍に物資を運ぶ補給ラインを攻撃させていた。武装勢力の幹部司令官でカムラーンの友人が、彼が拘束中に死亡したことを認めた。
●「我々は政府と、彼の釈放に関して話し合っていた。近々釈放することを約束していたのに、果たさなかった」と不満を述べた。カムラーンと仲間4人は、アブドゥル・レーマン・バーバ墓地に埋葬された。
●タリバンが火曜日に彼らの遺体を掘り起こし、バラに運び、葬儀を行なったあと、地元の墓地に埋葬した。警察官によると、5人は警察との戦闘で殺害されたという。彼らをペシャワルから別の場所に移動しているときに、警察がチャマカニ地域の近くで武装勢力に襲撃された。警察関係者によると、警察官2人も負傷したという。
Militant commander among five killed in encounter
●米軍は、パキスタンに、パキスタンとアフガニスタンの国境沿いを飛ぶ無人偵察機が収集した諜報情報を初めて与えたと、関係者が水曜日に述べた。
●この協力が今後も続くかは、明らかではない。いっぽう米軍の無人偵察機は、パキスタン政府の依頼を受けてこの春、非戦闘目的のために国境にそって偵察飛行を数回行なった。しかし、さらに続けてほしいとの要求に、何の説明もなく中止したという。
●無人偵察機から撮影した、リアルタイムビデオ映像や通信傍受を含む多数の映像がパキスタンに与えられたのは、無人偵察機をどのように使用し、パキスタン上空に飛ばす極秘任務をどの国がコントロールするべきかという論議を解決するためのものだったという。
●オバマ大統領とザルダリ大統領が先週ワシントンで会った際に、パキスタンの大統領は、自国内にいるアルカイダやタリバンを攻撃するために、武装した無人偵察機がほしいと繰り返し要求した。しかしパキスタン国内に無人偵察機を飛ばす米諜報関係者は、これまでもこのような試みは失敗していると指摘して、パキスタンの諜報組織と協力することに反対している。数年前米関係者はパキスタンに、偵察機による攻撃を事前に知らせたが、情報が抵抗勢力に漏れたためにこれを中止した。
●「我々は、アメリカとアメリカが関与するものを直接攻撃するテロリストを追跡している」と、ある米対テロ関係者が述べた。「このような標的とのギャンブルは望んでいない。以前やってみたが、うまくいかなかった。これは無視できない事実だ」。
●水曜日に米軍関係者は、軍がCIAと一緒に、パキスタン国内で武装した偵察機を飛ばす計画はないと述べた。火曜日に『ロサンジェルス・タイムズ』が、パキスタン国内でパキスタンが、武装した米軍偵察機をアメリカと協力して飛ばすことを許したと報道したが、これを否定した。オバマ政権関係者は、パキスタン治安軍と無人偵察機のテクノロジーを共有することを拒否しているが、妥協策はあり得ると、両国関係者とも語る。
●パキスタン関係者によると、ザルダリは、CIAがパキスタン国内で空爆を実施していることに対する国民の怒りを収めるために、無人偵察機のテクノロジーを欲しがったという。パキスタンが自身の偵察機を入手すれば、イスラマバード政府は国民に、アメリカの偵察機ではなく、パキスタンの偵察機が抵抗勢力を殺害していると主張できる。「パキスタンが無人体裁機を望んでいるのは、悪いやつらを排除するためではなく、巻き添えで犠牲者が出ていることと、国家の主権が侵害されているためだ」と、駐米パキスタン大使のフセイン・ハッカーニが述べた。
●妥協策として、アフガニスタンにいる米軍は数ヵ月前に、パキスタン軍と共有する極秘偵察情報の数を増やすことを申し出た。米関係者によると、与えられた情報によりパキスタン軍は、部族地帯で広がる武力衝突に対処できる。このような情報の共有により、両国間の信頼関係も増すはずだ。
●3月中旬、アフガニスタンの米軍が、アフガニスタンとパキスタンの国境に沿って、偵察機のデモ飛行を行なった。無人偵察機が提供することができる、画像や通信情報を見せるためだ。アメリカ人たちは情報を、カイバル峠近くにある、米・パキスタン・アフガニスタン国境協力センターに送り、そこから情報がパキスタンの安全データーベースに送られた。
●このテストがうまくいったために、パキスタンは部族地帯で実施している自分たちの作戦の助けになるよう、さらに偵察機を飛ばすことを要求してきた。
●しかし米関係者たちは、偵察機の飛行は4月初めに突然中止されたという。「理由は与えられず、突然中止になった」と、米国防省の幹部関係者が述べた。米関係者は、パキスタン軍内に、諜報に関してアメリカ人とどのていど協力するべきか、意見の対立があったという。
●オバマ政権はパキスタンに偵察情報を提供したが、偵察機の操縦に関する情報提供は拒否している。「このテクノロジーは同盟国であろうが、イギリスにもオーストラリアにも、NATOにも与えていない」と、パキスタンの問題に関与している米幹部関係者が語った。
●データーベースの共有を拒否しているのは、米諜報組織がパキスタンの諜報組織であるISIに不審感があるためだ。極秘情報が、アルカイダなどの過激派組織に漏れる可能性がある。無人偵察機の操縦パターン、欠点、離着陸地点などだ（後略）。
Pakistan Gets Sensitive U.S. Drone Images, With Limits
●米軍は最近新たなプログラムとして、パキスタン国内に無人偵察機を12回飛ばし、パキスタン人と協力していると、水曜日に米関係者が述べた。
●軍はテストフライトを3月に行ない、パキスタン人に諜報情報入手をしてみせたという。これを受けてパキスタン人は、抵抗勢力に対する諜報情報入手のために、さらに無人偵察機を飛ばしてほしいと依頼した。
●（中略）中央司令部関係者や軍関係者が水曜日、アメリカの協力態勢には武装勢力に対して攻撃することは含まれていないと述べた。「このプログラムは諜報能力を提供するためのもので、武器の能力ではない」と、中央指令部関係者が述べた。
●イスラマバード政府はCIAの無人偵察機による攻撃プログラムに否定的であり、国民にも評判が悪い。パキスタン人たちは4月中旬以来、無人偵察機の使用を求めていないという。
●軍の無人偵察機やリーパー偵察機には、武器が搭載されている。米軍関係者たちの中には、イスラマバードが無人偵察機を攻撃的に使用していないことに関して、不満を表わしている。「これはあなた方に有利になるものだ。兵士たち、人々のためになる」と、関係者がパキスタン人に語ったという。「もっと信頼されるようになり、効果的になる」。
U.S. acknowledges Pakistan drone program
●水曜日に軍が、タリバンに占拠されたパキスタンの谷に入るための一歩を確保し、敵の戦闘員11人を殺害した。またこの地域の中心であるミンゴーラで、5人の首無し遺体を発見したという。
●（中略）昨日ピオチャール谷に投下された奇襲部隊が、モーラナ・ファズルッラーがいる地域に「確かな足場」を確立したと述べた。軍は、戦略的に重要な橋と廟の近くを確保したという。また各地の衝突で、兵士4人と武装勢力11人が死亡したと述べた。
●ミンゴーラでは、5人の首なし遺体が発見されたと、軍が述べた。住民によると、タリバンは自分たちに対立する者たちを殺害し、遺体をミンゴーラに遺棄していたという。
●軍は、タリバンがまだ占拠しているミンゴーラで作戦を開始しなければならない。軍によると、一般市民が犠牲にならないように、慎重に作戦を実施しているという（後略）。
Pakistan fighting kills 15; headless bodies found
●タリバンがパキスタン北西部の、アフガニスタンにいるNATO軍に物資を運ぶ請負会社の駐車場を襲撃し、トラック8台に放火した。
●（中略）ペシャワルの駐車場に数十人の武装勢力が入り込み、トラックを放火して逃走した（後略）。
Trucks torched at NATO supply terminal in Pakistan
●スワートと、隣接する2地域で戦っている軍が、ワジリスタンに対する攻撃を早くても来月実施することを計画していると、情報源が語った。「軍はワジリスタンに、6月頃行くことを計画している。この地域を国家がコントロールするために、膨大な数の軍を派遣することになるだろう」と、パキスタン軍関係者に近い情報源が述べた。
●作戦の最大の標的は、南ワジリスタンにいるバイトゥッラー・マフスードになりそうだ。
●（中略）ある欧米外交関係者が、パキスタン政府が北西辺境州に戒厳令を出し、タリバンに対して全面的な作戦を実施することを考えていると述べた（後略）。
Pakistan army plans to open second front against TalibanPakistan Isambard Wilkinson、Islamabad
●米軍はパキスタン国内に武装した無人偵察機を飛行させ、パキスタン人関係者に標的や航路、攻撃命令に関してある程度権限を与えるとういう新たな協力態勢を組んでいると、米関係者が述べた。このプロジェクトは最近始まった（中略）。
●パキスタンは抵抗勢力の排除にこれまで以上に協力的になってきたが、幹部関係者たちにはためらいがあり、標的を攻撃するかどうか同意を求めてもはっきりしなかった。躊躇すると標的が逃げてしまう恐れがあることを、認識していないという。
●これに対してパキスタン人は米軍関係者に、自国民をミサイルで攻撃することを望んでいないと繰り返し強調した（中略）。パキスタンがいまいち乗り気でないのは、イスラマバードがCIAの偵察機プログラムを拒絶していることにもある（中略）。
●パキスタンはミサイル攻撃を繰り返し非難しているが、米関係者は、パキスタン政府の許可を得ていると述べる。CIA関係者は、パキスタンのISIが地上の情報を提供し、それに基づき無人偵察機が攻撃していると述べた。これと引き換えにCIAはパキスタンに、画像や盗聴情報を提供している。
●しかし米関係者は、パキスタンがCIAの無人偵察機をコントロールすることは拒否している。パキスタンが諜報作戦に関する極秘情報に、直接アクセスすることをいやがるためだ。ISIに対する不信感もある（中略）。
●国防省の無人偵察機を使用することは、パキスタンにとっては不利である。軍の無人偵察機プログラムは、CIAのものよりも目立ち、米軍の関与がデリケートな地域で極秘に行なうことが難しい。「もしパキスタンがこのような無人偵察機の一部をコントロールしていることは事実だとすれば、攻撃に否定的なパキスタンの信頼性を失う」と、ランド研究所のセス・ジョーンズが述べた。
●（中略）新たな協力態勢により、ジャララバードで米関係者に協力しているパキスタン軍関係者の指示のもとで、米軍の無人偵察機はアフガニスタンの国境を越えてパキスタン国内を飛行することが許可される。このプログラムは、パキスタンを無人偵察機プログラムに直接的に深く関与させるためのものである。「信頼の問題だ」と、米軍関係者が述べた。「今持っていない能力を与え、国内の過激主義の排除に協力する」。
●（中略）パキスタン人関係者は、この新たな計画の存在を否定せず、米関係者と協力してアメリ、カのテクノロジーをこれまで以上に利用していると述べた。
●（中略）パキスタンは、スワートやブネールの軍事作戦に偵察機を使用したらどうかというアメリカの申し出を断わり、その後天候悪化のために不可能になった。しかし米軍関係者は、少なくとも最近2回、偵察機がパキスタンの方向に飛行したと述べた。
●現在のところ、ミサイル攻撃が実施されていないために、パキスタン人が無人偵察機を攻撃的に使用していないことに、アメリカは苛立ちを表わす。関係者によると、アメリカが標的の攻撃を許可した場合のみ、パキスタンは攻撃命令が出せるという。
●（中略）このプログラムは、ジャララバードのコマンドセンターで、アメリカとパキスタンが協力して行なっている（後略）。
U.S. military, Pakistan carrying out Predator drone missions together
●火曜日にアフガニスタン東部で、アフガン軍の制服やブルカを被って変装した戦闘員たちが用意周到の攻撃を行なった。捕虜を捕ったあとに米軍と銃撃戦になり、少なくとも9人が死亡したと政府関係者が述べた。
●コースト州知事の事務所の外で爆発も発生し、隙だらけの政府の施設を直接攻撃した（中略）。
●火曜日に抵抗勢力たちは、タリバンの常套手段となった戦術を用いて攻撃した。自爆ベストと車爆弾などの武器を使用して建物内に突入し、捕虜を取り、自爆したり殺害されるまで戦うという戦術だ。
●コースト州で起きた攻撃は非常に素早かったために混乱し、犠牲者の数など情報が混乱した。アフガン政府も米軍も、さまざまな報告を出した。
●内務省は、攻撃は車に乗った自爆犯が朝の10時に州知事事務所のゲートの前で自爆し、警察官2人と警備員2人を殺害したと発表した。抵抗勢力たちは、建物内に入ろうとしたところ、応戦された。
●その直後、9人の自爆犯たちが近くの官庁に入り、警備員と衝突してそのうちの4人が自爆した。5人が建物内に突入して、約20人を捕虜に立て籠った。結局最後に犯人たちは殺害されたという。
●州警察責任者報道官のワジール・パッドシャーが、捕虜20人が解放されたと述べた。しかし事件に関しては、別の説明があった。抵抗勢力たちは最初に官庁を攻撃し、その10分後に州知事の事務所を攻撃したという。タリバンは警察署も攻撃したが、追い払われた。
●パッドシャーによると、犯人は11人で、全員自爆ベストとAK47を持っていたいう。そのうちの1人はブルカを着用、残りのほとんどがアフガン軍の制服を着ていた。
●（中略）火曜日の攻撃があった当時、サレルノ基地に駐屯する米軍は、数ブロック離れた場所でアフガン軍とアフガン国家警察関係者と会っていたと、米軍報道官のブレイン・ナランジョが述べた。爆発音が聞こえたので現場に駆けつけたところ、抵抗勢力に攻撃された。自爆する前に、2人を殺害したという。
●官庁周辺で起きた銃撃戦は、少なくとも7時間続いた。当初、一般市民4人と警備員4人が殺害されたと発表された。しかしその後パッドシャーが、犠牲者の数を9人と発表し、20人とする報告もあった。
●地元の病院の話として、警察官4人と一般市民4人と自爆犯1人の9人の遺体が運ばれたと、パッドシャーが述べた。20人が負傷した。
●ナランジョによると、一般市民6人と抵抗勢力6人を殺害、米兵3人を含む24人が負傷したと述べた。
●当時ハミドゥッラー・カランデルザイ知事が事務所にいたが、無事だった。
●タリバン報道官のザビフッラー・ムジャーヒッドが、30人の戦闘員が攻撃を行ない、そのうちの8人が死亡したと述べた。州知事の建物で行なわれていたと思っていた、米軍とアフガン関係者の会合を狙ったという。
At Least 9 Die in Coordinated Attacks in Afghanistan
●パキスタンの奇襲部隊が火曜日、スワートのタリバンの拠点に投下され、この地域からすでに50万人が避難した。
●（中略）火曜日、タリバン司令官のモーラナ・ファズルッラーの拠点に兵士が空から運ばれ、新たな前線が開かれた。「今日パキスタン軍がヘリコプターでピオチャール谷に運ばれ、捜索・破壊活動を実施する」と、アサール・アッバス少将が述べた。
●（中略）「現在のところ、ロワー・ディール、ブネールとスワートで、武装勢力751人を殺害した」とアサールが述べた。そのうちの402人はスワートで殺害されたという。また治安関係者29人が死亡し、77人が負傷した。ブネールでは、火曜日の夜の砲撃で、武装勢力13人が死亡したという。どの報告も確認されていない。
●（中略）軍は戦闘ヘリコプターとジェット戦闘機、砲撃を使用しているが、できるだけ一般市民の犠牲者を出さないように、居住区を攻撃しないようにしていると火曜日に述べた。ミンゴーラの住民であるアフマッド・アリが電話で、ミンゴーラではタリバンがパトロールをしており、治安部隊を迫撃砲で攻撃しているという。「外出禁止令が出ている最中、兵士を1人も見ていない」という（後略）。
Pakistan troops attack Taliban stronghold, half million flee
●火曜日にアメリカの無人偵察機が、パキスタンの部族地帯で10人を殺害した。南ワジリスタンのサラ・ハワラに対する攻撃で一般市民も犠牲になったが、重要人物が殺害されたという報告はない。
●（中略）「10人が殺害された。一般市民4人と地元タリバン4人と外国人2人が死亡した」と、治安関係者が述べた。「無人偵察機による攻撃で、武装勢力がアフガニスタンを行き来するときに使用していた建物だった」という。
●関係者によると、当初武装勢力7〜8人が死亡したと言われている。「外国人と地元タリバンが集まっていた。山の中にあるような家だった」という。また別の関係者は、女性2人と子供2人も犠牲になったと述べた（後略）。
Suspected US strike in Pakistan kills 10: officials
●治安部隊が24時間以内に、スワートで52人の武装勢力を殺害し、ロワー・ディールでは一般市民3人を含む31人が殺害されたと、月曜日に主張した。
●スワートの作戦では、兵士3人が死亡し、14人が負傷した。このほかにスワートの各地の町では、7人の遺体が発見された。
●さらにディールとチトラールを結ぶ、ロワライ・トンネル・プロジェクトの建設事業が中断された。治安悪化と外出禁止令のために、外国人技師とコンサルタントたちがイスラマバードに移動し、建設事業に遅れが生じている。
●軍広報部によると、治安部隊がカーバル、トゥターノ・バンダイ、デーダ・フーラ、ペオチャール、サルバンド、マッタの武装勢力の拠点を攻撃した。これらの攻撃で、武装勢力30人が死亡したといわれる。
●地元民によると、シャガイ、パンルとエメラルド鉱山も攻撃されたという。犠牲者があったかどうかは、明らかではない。治安部隊が、ペオチャール、マッタにあるタリバン本部、アッパー・ディールのニハーグ・ダラに、そしてミンゴーラを攻撃し、武装勢力11人を殺害した。またアユーブ橋で、軍がタリバン7人を殺害したと主張した。
●カンバール尾根にあったトンネルや隠れ家をヘリコプターで破壊し、武装勢力3人を殺害、5人を負傷させた。簡易爆弾を設置しようとしていた武装勢力1人も殺害した。
●治安部隊は、24時間内に武装勢力52人を殺害したと述べたが、この主張は確認されていない。
●月曜日の衝突で、治安部隊兵士3人がベナイ・バーバ・ジアラットで殺害され、数人が負傷した。治安部隊はバナイ・バーバからハワザヘーラに、徒歩で前進していた。兵士たちは武装勢力と激しい戦闘を交わしたという。しかしバナイ・バーバとハワザヘーラに入るルートは、確保された（中略）。
●スワートとロワー・ディールの作戦のために、ロワライ・トンネルの工事は5月31日まで中断する。情報源によると、アッパー・ディールに入る道路間で外出禁止令がでているために、トンネルのための補給物資が遮断されたという。外国人技師やコンサルタントたちは、イスラマバードに移動した。
●（中略）ロワー・ディールでは、軍事作戦のために一般市民3人を含む31人が死亡した（中略）。情報源によると、チャクダーラ地域で、一般市民3人が死亡し、8人が負傷した（後略）。
83 militants killed in Swat, Dir Lower
●火曜日に軍のヘリコプターが、タリバンの戦列の後ろに奇襲部隊を投下した。またこれとは別にアメリカのミサイル攻撃で、北西部で8人が殺害された。
●ヘリコプターが、兵士たちを谷の奥のピオチャール地域に投下したという。軍関係者によると、この地域はタリバンの後部基地だという。スワートのタリバン責任者、モーラナ・ファズルッラーがここに隠れている可能性がある。
●軍は、詳細を語っていないが、ある政府関係者は、スワートの戦いは短時間で終わる可能性があると、楽観的だった。「武装勢力が敗北している様子や、パキスタン軍の戦略が成功していることから、戦いはじきに終わるかもしれない」と、レーマン・マリーク内相が語った（中略）。
●アメリカのミサイル攻撃で、南ワジリスタンのサラ・コーラ村の民家が攻撃されたと、パキスタン人治安関係者が述べた。犠牲者の身元は明らかではない。
●治安関係者2人の話によると、8人が死亡したという。関係者によると、地上にいる工作員たちが、犠牲者の身元を確認しようとしていると述べた。
●地元の住民によると、タリバン戦闘員たちが建物の中から9人の遺体を運び出し、車に乗せて持ち去ったという（後略）。
Pakistan drops commandos into Taliban stronghold
●パキスタン軍が、タリバンの拠点を一掃するために兵士をヘリコプターで投下したと述べた。兵士たちは、スワートのピオチャール谷に着陸した。ピオチャールは、スワートのタリバン責任者であるモーラナ・ファズルッラーの拠点のひとつである。
●（中略）軍報道官が、隊が軍のヘリコプターでピオチャールに運ばれたことを認めたが、作戦の詳細は語らなかった。ピオチャールは、ミンゴーラから65キロほど離れている（中略）。この地域には、武装勢力の訓練所と自爆の訓練所がある。
●モーラナ・ファズルッラーは通常マッタのイマームデーリにいるが、軍の圧力がかかるとピオチャールに撤退するという。現在彼は、ピオチャールにいると報告されている。
●軍がピオチャールから出る道路を封鎖しているという報告もあり、この地域が完全に包囲されれば、激しい戦闘になる可能性がある（後略）。
Pakistan raids Taleban stronghold
●月曜日に、アフガニスタンの米軍最高司令官のデビッド・マッキールナンが解任され、アフガニスタンの戦争にこれまで以上に攻撃、革新的戦略が採用されるようになる。
●国防省長官のロバーツ・ゲイツが、「新しい目が必要で」「新たな戦略が我々にとって重要だ」と述べた。今回の解任で将軍の軍事キャリアが終わることになるのかと訪ねられると、「そうかもしれない」と答えた。
●今回の移動は、強力なタリバンと各地にいる彼らの支持者に対するアフガニスタンの戦争が、非常に複雑になってきていることを意味する。国防省関係者は、マッキールナンは保守的な戦力をとりすぎたことが、異動の大きな原因だと述べた。
●マッキールナンを引き継ぐのは、Joint Special Operations Commandの元司令官である、スタンレー・マックリスタルである。彼は2001年と2002年の軍事作戦責任者としてアフガニスタンに関わり、最近はイラクの奇襲作戦を受け持っていた。
●マックリスタル将軍が指揮する隊は、サダム・フセインを探し出し、アブ・ムサーブ・アルザルカウィを追跡、殺害した。抵抗勢力を追跡・殺害するために諜報情報や武器を使用し、民衆を守る必要性を強調する型破りの訓練法から、アフガニスタンで指揮する最適の人物と見られる。
●同時にアフガニスタンの特殊部隊を指揮するという、非常にデリケートな仕事につく。アフガン政府関係者たちは、その攻撃的な作戦により、多数の民衆が死亡していると見ている。
●（中略）ペンタゴンによると、マッキールナン将軍は、朝鮮戦争中に解任されたダグラス・マッカーサー以後、戦場から消えた最初の将軍だという（中略）。マッキールナンがアフガニスタンにいたのは、11ヵ月だけである（後略）。
Commander's Ouster Is Tied to Shift in Afghan War
●月曜日にパキスタン北西部の準軍隊検問所に対して車を使用した自爆攻撃があり、10人が死亡した。ダラ・アダム・ヘールで爆発があった。
●「10人が死亡した。そのうち3人は、病院で亡くなった。このほかに7人が負傷した」と、諜報関係者が述べた。関係者によると、6歳の少女と治安関係者2人が、犠牲者の中に含まれている（後略）。
Pakistan suicide bomb kills 10
●パキスタンの戦闘機が月曜日に武装勢力の拠点を攻撃し、武装勢力700人を殺害したという。
●国連によると、36万6000人がスワート、ディール、ブネールから脱出した。これまで既に50万人が、避難している。
●（中略）マリーク内相によると、4日間で、武装勢力700人が死亡した。「最後のタリバンが排除されるまで、作戦を続ける」。「彼らを容赦していない。彼らは逃げつつある。このような作戦が実施されることを予測していなかった」。
●マリークが主張している犠牲者の数は、軍が日曜日に発表した200人という数をはるかに越えているが、その信憑性は確認されていない。軍は現場を封鎖し、地元のジャーナリストは避難している。政府は、一般市民の犠牲者の数を発表していないが、難民からの情報によると、かなりの数がいると見られる。
●スワートのカーバル地域に住む大学生のジャワッド・ハーンによると、ジェット戦闘機がダーダ・ハラ村を月曜日に攻撃したという。警察官によると、戦闘機がマッタも攻撃した。この警察官によると、警察署から出ることができなかったが、日曜日に軍とタリバンとの間で衝突があり、道路に1人の遺体が放置されているのを見たという。この戦いで武装勢力6人が死亡した。自分が受けた情報によると、武装勢力がミンゴーラをまだ占拠しているという（後略）。
Pakistan: Up to 700 militants killed in offensive