【2009年6月15日〜6月21日】


■バグラム基地にロケット弾、米兵2人死亡[090621 AP]

日曜日にアフガニスタンの米軍基地にロケット弾による攻撃があり、米兵2人が死亡、一般市民2人を含む6人が負傷した。

(中略)バグラムの政府幹部によると、日曜日早朝にロケット弾が数発基地に撃ち込まれた。

(中略)タリバン報道官のザビウッラー・ムジャーヒッドが、ロケット弾攻撃に対して犯行声明を出した。またタリバンは、ロードの拉致には関与していないと述べた(後略)。

hoonRockets hit US base at Bagram, kill 2 US troops
JASON STRAZIUSO、KABUL

■拉致された米レボーター、タリバンから劇的な脱出[090621 Observer]

タリバンのハッカーニ組織に拉致され、7ヵ月間拘束されていた『ニューヨーク・タイムズ』のピューリッツァー賞受賞記者が、閉じ込められていた建物の塀を乗り越え、劇的に逃走した。

(中略)犯人たちは、ロードの解放に2500万ボンドを要求していた。

ロードの友人の1人によると、彼は自分がロガール州を出た後に何か起きた場合、自分にすべての責任があるという手紙を残していた。「ヘルマンド州に着いたときに、インタビューに応じるという申し出があった」と、彼の友人が『オブザーバー』に述べた。「危険ではないと思ったようだった。数ヵ月にわたって、デビッドのビデオが送られて来た。元気そうに見えた。あまり元気そうではないものもあったが、先週受け取った最近のビデオでは、なんとかやっているように見えた。自分のためにみんなに迷惑をかけていることを、詫びていた」。

犯人たちが送った手紙、オーディオ・デープ、電話や、赤十字を通じての接触もあった。

ロードと通訳のルディンが脱出してみると、パキスタンの国境地帯にいることがわかり、最初に出会ったのがパキスタン人のスカウトだった。この兵士が軍の基地に2人を連れて行った。

彼の妻によると、2人は金曜日に北ワジリスタンで脱出したという。「建物の塀を乗り越えただけ」だという。運転手のアサドゥッラー・マンガールは一緒に脱出しなかった。『AP』の報道によると、運転手は、犯人のもとに留まることを選んだという。2人は昨日アフガニスタンのバグラム基地に飛行機で飛んだ。

ロードの捜索にFBIが加わっていたが、犯人との交渉にはロードの家族が仲介者を通じて行なっていた。

去年もイギリスのジャーナリストのシーン・ランガンが拉致されたが、これにもハッカーニの組織が関与していた。ハッカーニはタリバンとは別と言われるが、ハッカーニの組織は同じ価値観を持ち、協力しているといわれる(後略)。

hoonKidnapped US reporter makes dramatic escape from Taliban

■パキスタン、タリバン責任者排除に立ち上がる[090621 Sunday Times]

(前略)復習−−バイトゥッラー・マフスードの攻撃−−と題された39分のジハードのビデオが、先週アルカイダのウェブサイトに掲載された。これは、南ワジリスタンにあるマフスードの訓練所の初めての映像である。パキスタン軍がマフスードの排除を試みようとしているが、それに対する抵抗の警告である。

先週傍受された2人のタリバン責任者の電話による会話によると、マフスードがパキスタン各地に自爆攻撃者を送り出した。ペシャワルでは、パール・コンチネンタル・ホテルで自爆攻撃があり、18人が死亡した(中略)。

ビデオには、2人の白人が武器を構える様子が映り、欧米人がマフスードの仲間にいることを臭わせる。Royal United Services Instituteのマイケル・クラーク校長は、ワジリスタンの訓練所に西洋人がいる可能性は「非常に高い」という。2003年以来逮捕された90人のテロリストのうち、半分がアフガニスタンかパキスタンで逮捕されたという。

マフスードのパキスタン国内での活動は恐れられているが、彼は海外にもテロを持ち出していると言われる。1月にバルセロナのテロ組織を家宅捜査したスペイン政府の報告書によると、容疑者の1人がマフスードに訓練され、バルセロナの地下を事始めに、自爆攻撃を実施しようとしていたという。

(中略)パキスタン軍はスワートから軍を撤退させ、ワジリスタンで作戦を実施しようとしている(中略)。マフスードの隠れ家50ヵ所がすでに攻撃されているが、金曜日には大砲と戦闘ヘリコプターが訓練所と建物2ヵ所、マドラッサ3校を攻撃し、抵抗勢力が50人程度が死亡、昨日はさらに32人が死亡した。

hoonPakistan fires up big guns to destroy Taliban leader
Nicola Smith and Daud Khattak、Peshawar

■タリバン7人、パキスタンで殺害される[090621 AFP]

日曜日にパキスタンの北西部で、地元の自衛団との銃撃戦でタリバン7人が殺害されたと、警察が発表した。抵抗勢力の一団がチトラル方面に向かって逃走していたところ、アッパー・ディールのパトラック村で、地元の自衛団が会話を盗聴して銃撃戦となったと、警察責任者のイジャーズ・アフマッドが述べた。「抵抗勢力7人が戦闘で死亡した」という。警察は逃走する抵抗勢力を捕まえるために、この地域から出て行くルートを遮断しているという。

関係者によると、アッパー・ディールの村人1000人が自衛団を組織し、タリバンが隠れていた3つの村を襲撃し、タリバン6人を殺害した(後略)。

hoonSeven Taliban killed in Pakistan: police
PESHAWAR

■パキスタンの衝突で「数十人」死亡[090620 BBC]

軍が、パキスタンの北西部におけるタリバンと政府軍との一連の戦いで、少なくとも44人が死亡したと発表した。

犠牲者の中には、武装勢力38人と兵士6人が含まれているという。最も戦闘が激しかったのは南ワジリスタンである。

(中略)南ワジリスタンでは、軍が車列が使用する幹線道路を確保するために、戦闘ヘリコプターと大砲を用いて抵抗勢力32人を殺害した(後略)。

hoon'Dozens dead' in Pakistan clashes

■『ニューヨーク・タイムズ』のレボーター、タリバンから脱出[090620 AP]

『ニューヨーク・タイムズ』のレポーターが、7ヵ月ぶりに犯人のもとから脱出したと、同紙が土曜日に報道した。

デビッド・ロードは11月10日にアフガン人の同僚と運転手とともに、カブール南部で拉致された。タリバン司令官をインタビューするためにロガール州を旅していたが、途中で別の抵抗勢力に拉致された。『タイムズ』によると、ロードとアフガン人レポーターのタヒール・ルディンが金曜日に、北ワジリスタンで拘束されていた建物の塀を乗り越えて脱出した。

2人はパキスタンの準軍隊兵士に出会い、そこから近くの基地に連れて行かれた。土曜日にアフガニスタンのバグラム基地に飛んだという(中略)。ロードは、自分は元気だが、運転手はまだ拘束されていると述べた。

(中略)当時ロードは休暇中で、自分の本を書くためにアフガニスタンを訪問していた。タリバン司令官をインタビューするために、ロガールに出かけた。

(中略)誰がロードを拉致したかは明らかではないが、ロガール州の抵抗勢力はオマール師に忠実で、軍閥のシラージュ・ハッカーニとも関係がある(中略)。犯人たちはロードを北ワジリスタンに移動させた。パキスタン政府によると、アフガニスタン特使のリチャード・ホルブルックが今年、ロードの解放のために協力を要請したという(後略)。

hoonNew York Times reporter escapes Taliban captivity
JASON STRAZIUSO、KABUL

■タイムズのレポーター、7ヵ月ぶりに脱出[090620 New York Times]

タリバンに拉致された『ニューヨーク・タイムズ』特派員のデビッド・ロードが、金曜日の夜にアフガニスタンとパキスタンの山中で7ヵ月以上拘束されたあと、無事に脱出した。

ロード氏は地元のレポーター、テヒール・ルディンと運転手のアシドゥッラー・マンガールとともに、11月10日にカブール郊外で拉致された。ロード氏のチームは、アフガニスタンとパキスタンに関する報道で、この春ビューリッツァー賞を受賞している。

ロードは妻のクリステン・ムルヴィヒルに、パキスタンの北ワジリスタンで拘束されていたところ、同僚のルディン氏と一緒に建物の塀を乗り越えたと語った。土曜日に近くの国境警察の基地に辿り着き、その後バグラム米軍基地に飛行機で飛んだという。「建物の塀を乗り越えただけ」と、ムルヴィヒルが述べた。

運転手のマンガールは、2人と一緒に逃げなかったと報告されている。ロードは元気だが、ルディンは逃走中に足を負傷した。これまでロードの一行が拉致されたことは、3人の安全のために伏せられていた。

(中略)。ロードが拉致されたあと、本人や犯人たちから時々連絡があった(中略)。捕虜たちの解放のために、どのような努力が払われたかは明らかにされていないが、身代金を払ったり、拘束されているタリバンとの引き換えはなかったという。

ロード氏は11月にアフガニスタンを訪れ、アフガニスタンにおけるアメリカの関与に関する本を書くために、取材をしていた。ロガール州でタリバン司令官にインタビューすることになっていた。ロードは以前にもボスニアを取材していたときに拉致された経験があったために、万が一も戻らなかった場合の対処の仕方を『タイムズ』に指示していた。また今回のインタビューは重要なものであるが、危険はないはずだと語っていた。

ロード氏は12年前に『タイムズ』に入社し、1996年にスレブレニカにおけるボスニア人ムスリムの虐殺のドキュメントでピューリッツァー賞を受賞している。

(中略)アフガン人レポーターのルディン氏はロードの通訳で、ロンドンの『タイムズ』などと仕事をしていた。ザーブル州出身のパシュトゥーンで、ソ連のアフガニスタン侵攻後、家族とともにクエッタに避難してきた(中略)。マンガールはいつもルディンの車を運転していた(後略)。

Times Reporter Escapes Taliban After 7 Monthsoh

■軍、バイトゥッーラの拠点を攻撃[090619 Dawn]

金曜日、ジェット戦闘機や戦闘ヘリコプター、装甲車などが南ワジリスタンのマフスード族の居住地で国選を開始し、抵抗勢力の拠点を爆撃した。

情報源によると、治安部隊とバイトゥッラー・マフスード系の抵抗勢力の間で激しい衝突があった。犠牲者の報告はない。

『AP』の報告によると、ジェット戦闘機が、南ワジリスタンにあるタリバンの訓練所3ヵ所を破壊し、抵抗勢力数人を殺害または負傷させたという(中略)。

戦車に援護された隊が、ワナから、マフスード族の居住地につながるマドジャーン地域に前進している。マドジャーンはワジリスタンの南西部にあり、アフマドザイ・ワジールの居住区である。

戦闘ヘリコプターが、マススード族が住むクンド・サライ、ワナ、セルウェカイを攻撃した。マドラッサ2ヵ所、訓練所、抵抗勢力が立て籠る家屋3軒が破壊された。軍がタナイ城からロケット弾を発射し、マドジャーンに避難壕を掘り、大砲を設置した。

関係者によると、軍はまずマフスード族の居住区を通過するジャンドーラ〜ワナの道路を確保してから、バイトゥッラー・マフスードとその支持者に対して全面戦争を行なう。この道路はワナにいる軍の補給線であるが、3年前からタリバンにコントロールされている(中略)。

いっぼう2人の反バイトゥッラー司令官が、タンクで活発に活動し、ラシュカルを組織し始めた。トルキスタン・ビターニとカリ・ザイヌッディン・マフスードは、バイトゥッラーに反旗を翻したために、政府の支持を受けているという。タンクとジャンドーラで、ラシュカル志願者を集めてまわっている。

地元の人間によると、トルキスタン・ビターニとザイヌッディンはタンクに事務所を設置し、志願者を集めている。「志願者は月5000〜8000ルピーと、自動ライフルと爆発物が供給されている」という。故アブドゥッラー・マフスードと彼を受け継いだザイヌッディンを称える旗が、タンク各地に翻っている。武装した志願者たちが、タンクとジャンドーラをパトロールしている。

情報源によると、バイトゥッラーのライバルが戻って来てから、彼の支持者たちは地下に潜ったという。先週バイトゥッラー・マフスードの支持者4人が射殺されてから、タリバンはタンクから出て行った。

hoonTroops pound hideouts of Baitullah's men
WANA

■地上軍、パキスタンの軍事作戦のために前進[090619 AP]

パキスタンの陸軍が金曜日、タリバンが支配するパキスタン北西部に前進し、空からや大砲による攻撃が実施された。

(中略)南ワジリスタン政府関係者のネマトゥッラー・ハーンが、金曜日に地上軍が、パキスタン人タリバン責任者のバイトゥッラー・マフスードの拠点の周囲に配置されたと述べた。「軍がマフスードの居住区に入った」のは初めてだという。

近くでは、戦闘機や大砲が抵抗勢力の拠点を攻撃し、訓練所3ヵ所を破壊して抵抗勢力数人を殺害または負傷させたと、諜報関係者が述べた。

タリバンは山岳部で軍に発砲して、銃撃戦が数時間続いたという。軍が作戦開始を表明して以来、地上戦は初めてのことである。ハーンによると、戦いはまだ本格的なものではない(中略)。「今はバイトゥッーラを精神的に混乱させ、心理的な揺さぶりをかけているにすぎない」と、部族地帯の治安関係者である元軍人、マフムード・シャーが述べた。

(中略)いっぽうバジョールでは、抵抗勢力が軍のパトロール隊を襲撃し、軍関係者と兵士を殺害した。軍は大砲で砲撃し、抵抗勢力11人を殺害した(後略)。

hoonGround forces move in for Pakistan offensive
ROHAN SULLIVAN and ASIF SHAHZAD、ISLAMABAD

■パキスタンの作戦「終わりに近づく」[090619 BBC]

パキスタン北西部にいるタリバン抵抗勢力に対する軍事作戦はほとんど終わったと、国防大臣が述べた。

アフマッド・ムフタールが、スワートにおける戦争で避難していた人々は、土曜日から家に帰れると述べた(中略)。大臣によると、軍は今後、パキスタン人タリバン指導者がいる南ワジリスタンで作戦を実施するという。「バイトゥッラー・マフスードを発見するや否や、殺害する」と、ムフタールがテレビインタビューで述べた。

軍は駐屯地があるワナから、マドジャン地域の丘に前進している。目撃者によると、兵士たちが避難壕を掘り、大砲を運んでいる。

『BBC』特派員のイリアス・ハーンによると、スワートの作戦に関するムフタールの発言は、そのまま鵜呑みにすることはできないという(中略)。軍は、スワートの抵抗勢力責任者を排除できずにいる。スワートの作戦が本当に成功したのか、またスワートの抵抗勢力指導者たちの行方もはっきりしない。

(中略)国防大願は、難民は家に帰れると発言しているが、国連によると、帰還しても彼らの安全が保証されるかどうか明らかではないという。

いっぽう北西部では、まだ散発的に武力行為が続いている。タリバンにより男子校2校が爆破されたと報告されている(後略)。

hoonPakistani offensive 'nears end'

■米ミサイル攻撃、パキスタンで8人死亡[090618 AP]

木曜日、パキスタンの北西部でタリバン司令官の隠れ家に対してアメリカのミサイル攻撃があり、少なくとも8人が死亡したと関係者が述べた。

南ワジリスタン行政官のシャーハップ・アリ・シャーが、ワナから10キロ離れたガルラマイとナンダラン村の近くが、ミサイルで攻撃されたと述べた。瓦礫の山から遺体を掘り起こしているために、犠牲者の数は増える可能性があるという。

パキスタンの諜報関係者2人の話によると、2つの村の間にあっこマラン・ワジールというタリバン司令官の訓練所に、ミサイルが4発撃ち込まれたという。犠牲者の数は8人で、24人ほどが負傷した。

商店主のアリ・ハーン・ワジールによると、爆発の前に偵察機が数時間、上空を飛んでいた。タリバンの車が、現場に急行しているという(後略)。

hoonSuspected US missile strikes in Pakistan kill 8
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD


■マフスード族、バイトゥッーラが孤立するのを見守る[090616 Dawn]

先週南ワジリスタンのマキーン−−マフスード族の商売の中心地−−がパキスタン空軍のジェット機で攻撃されたが、これはバイトゥッラー・マフスードに対してどう対処するかという問題を、2ヵ月間かけて話し合ったひとつの結果だったといえる。

(中略)「我々はバイトゥッラーに、自爆攻撃を続ければ、今後これらの攻撃ができなくなるような結果になるというメッセージを送りたかった」と、軍幹部関係者が述べた。

政府はこのメッセージを、部族民の仲介者を通してタリバン幹部に伝えた。

南ワジリスタンの戦いの準備は整った(中略)。シナリオは次々と変わっていくが、重要なのは、反バイトゥッラー・マフスード勢力のトルキスタン−−40歳のアフガン戦争のベテランと、故アブドゥッラー・マフスードが指揮した組織を率いる、20代半ばの若者、カリ・ゼイヌッディンが同盟を組んだことである。

マフスード族や政府関係者は、軍事作戦よりもカリ・ザイヌッディンが、バイトゥッラー・マフスードに揺さぶりをかけていることのほうが重要だという。「バイトゥッラー・マフスードを作り出した環境は、もはや存在しない」と、ある政府幹部が述べた。「彼の属するマフスード氏族の中から、初めて彼に対立する者が出てきた。バイトゥッラー・マフスードは、問題を抱えている」。

「バイトゥッラー・マフスードは、最近ジルガのメンバーに、軍事作戦は気にしていないと語っていた」。彼が心配しているのは、ザイヌッディンだと、マフスード族の部族民が語る。

バイトゥッラー同様、ザイヌッディンは地元のマフスード族で、以前アブドゥッラー・マフスードが率いた組織を指揮している。アブドッゥラーは元グアンタナモの囚人で、2008年にバローチスタンのゾーブで、奇襲部隊に殺害された。ザイヌッディンとアブドゥッラーの仲間たちは、バイトゥッラーのせいでアブドゥッラーが死亡したと言っている。理由は語らない。

バイトゥッラーが舞台に躍り出る前、アブドゥッラーがマフスード族抵抗勢力の指導者だった。2004年に中国人技師が拉致され、そのうちの1人が殺害されてから、すべてが変わった。

バイトゥッラーはおもしろくなかった。こうして彼は、アブドゥッラーを王座から引き下ろし、弱体化しようとした。アフガニスタンのタリバンが介入したことで、アブドゥッラーの地位はさらに弱体化した。その後、ワジリスタンからアフガニスタンに戦いに行かなければならず、彼の戦闘員は、自分たちで自分たちを守らなければならなくなった。多くの者が死亡した。

ザイヌッディンと少数の戦闘員グループは、南ワジリスタンのアフマドザイ・ワジールの居住区であるシャカイに避難した。

1998年に、南ワジリスタン・スカウトの傭兵だったトルキスタンは、アフガニスタンでタリバンと一緒に戦うために、準軍隊を退役した。以前はバイトゥッラー・マフスードの友人で、「アフガニスタンで一緒に戦った」という。

準軍隊の見習兵士を殺害したりするバイトゥッラーの行動を嫌い、彼から離れていった。「鼻を突っこむな」と、バイトゥッラーに警告されたという。仲違いをしたことで、多くの犠牲を払った。家族8人を含む、親戚73人を失った。

復讐心が大きい。しかしターゲット殺人で肉親を失った数十人が、団結する可能性がある。バイトゥッラーに対する憎しみは大きい。

すでにビッターニ族のトルキスタンとザイヌッディンは、バイトゥッラー・マフスードがタンクやデーラ・イスマイル・ハーンで自由に行動できなくしている。「その他も、同じようにしてやる」と、トルキスタンは自慢する。

政府もこれに協力している。直接的ではないが、この二人組の行動を、見て見ぬ振りをしている。ここ1ヵ月の間にバイトゥッラーは、この2つの地域で、ターゲット殺人により30人の部下を失った。

このために、「環境」が変わったと、ある政府関係者が語る。政府の認識も重要だ。2007年2月に、政府はバイトゥッラー・マフスードをマフスード族の責任者と認識し、彼と和平協定を結んだ。今、政府は対抗馬を支持し、マフスード族もこれに賭けようとしている。

マフスード族のジルガが、カリ・ザイヌッディンの招待でタンクで会い、南ワジリスタンで最も恐れられている人間にメッセージを届けた。このようなことは、去年までは考えられなかった。水曜日に、またジルガが予定されている。

このこと自体、部族民長老にとっては大きなかけだ。これまで仲介役を引き受けて来た重要人物たちは、イスラマバードで「病気治療」を受けることを希望した。

オワイス・アフマッド・ガーニ知事が日曜日、軍事作戦を命じた(中略)。モーラビ・ナジールとハーフィズ・グル・バハダールが介入しないように、方策を打っている。2人は南北ワジリスタンの幹部司令官だ。2人は去年、バイトゥッラー・マフスードと同盟を結んだ。

その報復として、またアフマドザイ・ワジールに対する見返りとして、政府は南ワジリスタンのワナとタンクをつなぐゴーマル・ザーム道路を、マフスード族の居住区を迂回させて開通させた。これでワジール族は、アフマドザイ・ワジール族の居住地に物資が流せる。

軍は、マフスード族の経済を妨害することもできる。マフスード族の居住地に入る3つの幹線道路を遮断すれば、彼らは窒息してしまう。ザイウッディンとビッターニの協力と経済封鎖で、マフスード族の部族民はバイトゥッラーから離れることになり、軍は有利になる。

しかし、言うが易しだと警告するアナリストもいる。バイトゥッーラは、普通の人間ではない。彼はテヘリーケ・パキスタンの責任者だ。彼は数千人の支持者を持つ。

スワート、バジョール、モーマンドを失った抵抗勢力は、一致団結して一ヵ所に集まり始めた。これまで2回軍事作戦を実施したが、バイトゥッラーを倒すことに失敗している。逆に彼は伝説的な人間になってしまった(後略)。

hoonMehsuds watch bid to isolate Baitullah from the fence
Ismail Khan

■パキスタン、タリバン拠点の攻撃準備[090616 AP]

アフガニスタンとの国境に沿って存在するアルカイダとタリバンに対する攻撃を準備していると、パキスタン軍が認めたとおり、火曜日には空爆を実施して戦車や大砲が運び込まれた。

南ワジリスタンにおける軍事作戦は、パキスタン軍にとっては非常に困難なものとなりそうだ(中略)。

パキスタン軍参謀長のキアニ将軍が、軍は政府から、南ワジリスタンを拠点とするパキスタン人タリバン責任者のバイトゥッラー・マフスードを排除する命令を受けたと述べた。「作戦の前段階といえる準備が整った」と、記者会見で述べた。しかし情報相のカマール・ザマーン・カイラは、作戦は「公的に開始していない」と述べた(中略)。

南ワジリスタンで軍事作戦が実施されれば、今後パキスタン各地で抵抗勢力の反撃があると思われる(中略)。作戦がなかなか開始されないのは、政府が、一般市民が避難する時間を与えているからと思われる。地元関係者や難民によると、すでにワジリスタンからは数千人が避難した。またワジリスタンで全面作戦を実施するためには、軍はさらに兵士を増やす必要があると思われる。

抵抗勢力は、コンクリートの避難壕やトンネルなどに、武器や爆発物を備蓄する時間がたっぷりあったはずだと、元諜報関係者のアサード・ムニールが述べた。アフガニスタンやスワートなどで戦った熟練した戦闘員が、戦いに参加してくる可能性も高い(中略)。

アメリカは無人偵察機によるミサイル攻撃を実施しているが、パキスタンの軍事作戦で隠れ家から追い出されれば、これに対して無防備になる。

軍報道官のアッバス少将が火曜日、アルカイダ系のウズベク人過激派指導者のタヒール・ユルダシュが、日曜日に南ワジリスタンで実施した空爆で負傷したという未確認情報があると述べたが、詳細は語らなかった。ユルダシュはウズベキスタン・イスラーム運動を率いるが、これまでも部族地帯で彼を追い詰めようとしてきた、パキスタン軍の作戦の数々を逃げ延びてきた。

hoonPakistan prepares offensive on Taliban stronghold
ROHAN SULLIVAN、ISLAMABAD

■パキスタン、新たな攻撃のあとタリバンを襲撃[090615 AFP]

アフガニスタンとの国境近くにいると思われるタリバン指導者排除を宣言した後の月曜日、パキスタン軍が部族地帯の抵抗勢力を攻撃した。

治安部隊がすでに北西部の3つの地域で抵抗勢力と戦っているが、日曜日の夜遅く、軍が部族地帯の山脈沿いで、新たに「全面的」な戦線を開くことを公表した。

(中略)日曜日にパキスタンのジェット戦闘機と戦闘ヘリコプターが地上軍とともに、部族地帯とその周辺にある抵抗勢力の拠点を爆撃し、抵抗勢力44人を殺害した。「モーマンドのサーフィ町に対する戦闘機による爆撃と銃撃で抵抗勢力29人が死亡、25人が負傷した」と、ペシャワルの治安関係者が述べた。

治安部隊は月曜日にもモーマンドで続ける一方で、日曜日にはバジョールでも作戦を実施した。「司令官を含む抵抗勢力8人が殺害され、抵抗勢力が使用していたマドラッサと隠れ家が破壊された」と、バジョールのカールの治安関係者が述べた。

南北ワジリスタンと接するバヌーのジャニ・ヘール地域では、月曜日に抵抗勢力が警察署と飛行場にロケット弾を撃ち込んだ。「多数の犠牲者を出してから逃走した」と、地元警察関係者のザヒーン・ウッディンが述べた。「報復により、抵抗勢力7人が死亡した」。

日曜日の夜遅く、北西辺境州知事のオワイス・アフマッド・ガーニが、部族地帯でも作戦を実施していると表明し、バイトゥッラー・マフスードの排除を誓った。「政府はワジリスタンを含む部族地帯でも、全面的な国選を開始した」。「すべての法組織に対して、バイトゥッラー・マフスードとその支持者に対して、全面的な作戦を開始することを命じた」という。「爆弾やテロリズム、無実な住民の殺害など、すべての責任は彼にある」(後略)。

hoonPakistan pound Taliban after launching new assault
Lehaz Ali、PESHAWAR

■タリバン指導者「排除せねばならない」[090615BBC]

パキスタンの陸軍参謀長が、パキスタンのタリバン指導者は「排除せねばならない」と述べた。キアニ将軍が、南ワジリスタンを拠点とするバイトゥッラー・マフスードは、「イスラームのために戦っているのではない」と述べた。州知事が、過激派を標的とする作戦を実施せねばならないと発言したばかりだが、両者とも作戦を開始する時期については触れなかった。

(中略)キアニ将軍は、パキスタン軍がすでにバイトゥッラー・マフスードを追跡しているとは発言していない(中略)。パキスタンのアナリストたちは、抵抗勢力に不意打ちを与えず、作戦を実施する前に計画を公に発表したことを疑問視している。バイトゥッラー・マフスードを攻撃するためには、パキスタンの国民の支持を必要であり、それができるのは中央政府だけである(中略)。

アナリストは、南ワジリスタンに対する大掛かりな作戦は、スワートの戦いよりも難しいと考える。今のことろ南ワジリスタンで行なっている軍事作戦は、スワートのものと比べると限定的だという(後略)。

hoonTaliban head 'must be eliminated'

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.