【2009年6月22日〜6月28日】


■パキスタン軍、抵抗勢力20人殺害[090627 AP]

土曜日にパキスタンの治安部隊がカラチにあるタリバンの拠点を摘発するとともに、北西部では訓練所を空爆し、少なくとも20人を殺害した。

警察関係者によると、カラチの拠点を摘発することで、パキスタン最大の町を攻撃しようとしていたテロリストの計画をくじいたと述べた。また南ワジリスタンの空爆により、タリバンに打撃を与えたという(中略)。

カラチでは、土曜日の早朝、密告により過激派のアパートを捜索し、中にいた男たちに投降を呼びかけた。しかしアパート内から発砲してきたために銃撃戦となり、過激派5人が死亡、5人が負傷した。残りの6人が逃走したという。アパート内から、武器や爆発物が発見された。警察によると、「死亡したのはすべてバイトゥッラー・マフスードの関係者だった。この町で、テロ活動を計画していた」という。

(中略)土曜日に、マフスードの故郷であるラッダ近くのマキーンが大砲や戦闘機で攻撃された(中略)。タリバン司令官のカリ・フセイン・アフマドが攻撃があったことを認めたが、抵抗勢力が死亡したことは否定した。「ジェット機が爆撃しているが、犠牲者はいない」。

また土曜日にアッパー・ディールでも、タリバンが攻撃された(中略)。土曜日に抵抗勢力が民兵隊を攻撃した。民兵たちは報復し、抵抗勢力5人を殺害したという(後略)。

hoonPakistani forces kill at least 20 militants
ROHAN SULLIVAN、ISLAMABAD

■タリバン、パキスタン領カシミールで兵士2人殺害[090627 AP]

タリバンの自爆犯が金曜日、パキスタン領カシミールで軍の車の近くで自爆し、少なくとも兵士2人を殺害した。カシミールにおける攻撃は初めてのことで、治安部隊に対する抵抗勢力の攻撃が、さらに激しくなってきた。

軍の声明によると、ムザファバードで早朝起きた爆発で、兵士3人がさらに負傷したという。

バイトゥッラー・マフスードの部下のハキムッラー・マフスードが『AP』に、部族地帯に対する軍の作戦にもかかわらず、マフスードは弱体化していないことを示すためのものだと述べた。

(中略)カシミールでも攻撃を開始することで、軍の南ワジリスタンに対する攻撃を邪魔するものと思われる。

(中略)さらに金曜日には北ワジリスタンのミランシャーで、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、兵士3人と通行人1人が死亡した。この爆発で、兵士15人と一般市民2人も負傷した。

ohTaliban bomber kills 2 troops in Pakistani Kashmir
RYAN LUCAS、ISLAMABAD

■タリバンと親しくなる[B090625 BC]

(前略)パキスタン軍は2月から、南ワジリスタンの兵士の数を増やし始め、5月の始めには、さらに増兵した。2005年にバイトゥッラー・マフスードと和平協定を結んで以来撤退した地域に、軍が再び派遣された。今のところ、ほとんど抵抗を受けていない。

しかし本格的な作戦を開始する前に、軍は抵抗勢力を説得しようとしているようだ。戦闘ヘリコプターやジェット戦闘機はバイトゥッラー・マフスードの拠点を爆撃し、数千人の人々に避難を余儀なくさせた。

同時に、バイトゥッラー・マフスードの行為を「非イスラーム的」と非難する、タンクを拠点とする2つの過激派組織に協力している。軍はこれらの組織に、南ワジリスタンの戦争を戦わせようとしている。

タンクの人間は、バイトゥッラー・マフスードを排除するための戦略と考え、イスラーム抵抗運動を排除するためのものとは解釈していない。彼らは2006年にバイトゥッラー・マフスード系の抵抗勢力が入って来てから、タリバンに支配されている。

2008年中旬から、トルキスタンとザイヌッディンの組織が軍の援助を受け、次第にタンクからバイトゥッラー・マフスード系の人間を追い払い始めた。

あるタンクの住民は、以前と今の違いをこのように語る。「バイトゥッラーの人間は、政府の車だけを奪う。しかし新しい組織は区別をつけない。車が気に入れば、誰の所有物であろうと奪ってしまう」。

さらにタンクだけではない。タンクから60キロ離れたデーラ・イスマイル・ハーンも大きな問題を抱えていると、行政官が語る。「抵抗勢力たちはあちこちに隠れ、無政府状態になっているために、警察や行政府内に汚職がはびこっている」という。

デーラ・イスマイル・ハーンは、南ワジリスタンの部族民の冬の村である。この地域から出る、唯一の幹線道路沿いにある。2007年以来、南ワジリスタンの抵抗運動のために、難民が押し寄せている。

援助活動家たちは、新たな作戦により、5万人以上が移動し始め、デーラに辿り着くと見ている。しかし過激主義により、宗教抗争も噴出している。2007年以来、シーアとスンニの抗争で、500人以上が死亡した。抗争があまりにも長くつづいているために、「過激主義を広めることで得をする、政府内の人間の仕業」と見る者たちもでてきた。イスラマバードは、インドとパキスタンの対立に、過激派を利用している非難されてきた。

3年前、政府は過激派のムッラー・ナジールを利用して、南ワジリスタンのワナから軍に対立する組織を追い出させた。南ワジリスタンのマフスード族の居住地で、同じことが繰り返されていると見る者が多い。

特にタンクではこれが顕著だ。タンクの商業地には、軍のパトロール隊の車が渋滞に巻き込まれると、長靴の足音と銃がぶつかる音で騒がしくなる。民衆にまぎれた自爆犯を、追い払うためだ。

しかしトルキスタンの組織の事務所正面の、道路の真ん中に設置された三脚の上に軽機関銃の後ろにいる男に、注意を払う者はいない。

hoonMaking friends with the Taliban
M Ilyas Khan

■8年、そして待ち続ける[090625 Guardian]

ビンラディンはまだ生きている。少なくとも、今年の初めは生きていた。聞き慣れた彼の声が入ったテープが、アルジャジーラに届けられた(中略)。

ワシントンとロンドンの諜報組織の憶測では、52歳のサウジ人は北ワジリスタンのどこかに隠れている。

逮捕されたアルカイダのメンバーは、ビンラディンがさらに北のチトラルにいると述べている。CIAがこの地域に突然興味を示し始めたのも、そのせいかもしれない。1万3000フィートのボロギル峠の近くに、偵察基地と思われる謎の基地が建設中だ。地元民によると、米資本のものだという。

「この建物は、ここにあるものと全く違うものだ」と、地元のホテル経営者のシラージュ・ウル・ムルクが語る。チトラルの王族である。観光省は、この地域でトレッキングをする許可を出すことを、中止した。毎年行なわれるヤック祭りも、キャンセルされた。

ウル・ムルクは、ビンラディンのような人間がチトラルの山中に隠れることはできるが、村に隠れることはあり得ないという。「ここいらでは、秘密はない。イギリス人たちは、この地域にスパイはいらないと本に書いている。地元民が、何でも教えてくれる」。

2月にカルフォルニア大学のチームが、衛星画像や「地理の基本原則」を用いて、ビンラディンの居場所の可能性をかなり特定したと発表した。彼らによると、クラーム部族地帯の、3ヵ所の塀で囲まれた敷地が怪しいとさえ特定した。「もし生きていれば、そこに座っている可能性が高い」と、この研究の責任者であるトーマス・ギレスピが主張した。

UCLAの地理学部門は、トラボラから20キロ南だと指摘する。

(中略)アメリカとイギリスの諜報専門家は、ビンラディンは北ワジリスタンにいると見る。友人がいるからだ。彼はジャラウッディン・ハッカーニと息子のシラージュッディンとは、長いつきあいだ。2人はアフガニスタンのコーストから北ワジリスタンのミラン・シャーにまで、影響力を及ぼす。両者の関係は80年代にまで遡る。ビンラディンはハッカーニの敷地内に、最初の「ライオンの巣」を構えた。

彼がこれらのジハードのルーツに戻ったという、断片的な諜報情報がある。逮捕されたアルカイダのメンバーがこれらの峠を口にしたり、彼をこの地域で見たとか、彼を見たという噂を聞いたなどと述べている(後略)。

hoonEight years and counting .
Julian Borger and Declan Walsh

■パキスタンタリバン、数時間の差で攻撃を逸する[090624 New York Times]

パキスタンの部族地帯で開催されていた葬儀に対するアメリカのミサイル攻撃は、数時間の差でバイトゥッラー・マフスードを逃したと、パキスタンの治安関係者が水曜日に述べた。

マフスードは攻撃があった現場にはいなかったが、同日ミサイル攻撃で死亡したタリバン司令官に敬意を払いに行ったと、関係者が述べた。

葬儀に対する攻撃で死亡した数十人の犠牲者の中には、2人の中堅タリバン指導者がいたにすぎなかったが、バイトゥッラーの拠点が攻撃されていること、そして彼自身が標的であったことなどから、彼の作戦にとっては、大きな打撃であることは間違いない。

(中略)パキスタンのテレビ局では、マフスードに近いカリ・フセインとサンギンーン・ザドラを含む幹部司令官が殺害されたと報道しているが、住民はこれらの人間は葬儀に参加しなかったと述べている。

(中略)葬儀で死亡した最も位の高いタリバン司令官は、コマンダー・ビラールという名前で知られる指導者のようだ。彼はマフスードのシャビ・ヘール族を管轄し、タリバン運動の中心人物だったという。

hoonStrike Reportedly Missed Chief of Pakistani Taliban by Hours
By PIR ZUBAIR SHAH and SABRINA TAVERNISE

■パキスタンの新たな戦闘、スワート難民を不安にさせる[090624 New York Times]

スワートの難民たちは、南ワジリスタンで新たな作戦を開始しようとしているパキスタン政府に対して、疑問を投げかける(中略)。

政府は先週、ワジリスタンに対して作戦を開始することを公的に認めたが、軍の専門家たちは、同時にいくつもの前線を開いていることや、これまで外国人の侵略者たちを敗北させてきた歴史的に有名な部族民たちと対戦しようとしていることを心配する。

一体敵が誰なのか、作戦の目的は何なのかもはっきりしない。さまざまな抵抗勢力組織が、部族地帯の山中で活動する。これまでパキスタンは地元の過激派たちを見て見ぬ振りをし、問題をアフガニスタンのせいにしてきた。しかし、今日彼らはこれまで以上に協力し合い、両者の区別もつかなくなってきている。

特にパキスタンの治安関係者や諜報組織は、地元で育った抵抗勢力のうち、政府がコントロールできる「良い」タリバンと、反国家的な「悪い」タリバンを区別することができなくなっている。個人的な敵対心や政治的な立場から、両者はすぐ味方を変えることも問題だ。

今のところパキスタンの最大の敵は、マフスードである(中略)。その対抗馬として、政府は以前マフスードの仲間だった、カリ・ザイヌッディンとハッジ・トルキスタニ・ベターニと同盟を結び、マフスードを孤立させようとした(中略)。しかし火曜日に、ザイヌッディンは殺害された。

パキスタンと米軍の思惑の違いもある。先週政府が別の抵抗勢力指導者と取り引きを交わそうとしていた矢先に、アメリカの無人偵察機が彼の支配地域に対して無人偵察機による攻撃を実施した。恐らくアルカイダかタリバンが標的だったのだろうが、意図せず、この取り引きを無効にしてしまった。

アメリカはパキスタンの作戦を評価しているが、ワジリスタンの作戦により、彼らがアフガニスタンに入ってくることを気にしている(中略)。「パキスタンはこれらの抵抗勢力を追い出したがっている」と、元軍関係者のシャーが語る。「目的は、彼らをアフガニスタンに追いやることではない。しかし我々は、米軍やNATO軍の安全を考慮している暇はない。彼らは、自分たちで自分たちを守らなければならない」。

(中略)軍はスワートの作戦を成功したと表明し、数千人の難民たちを隣のブネールにエスコートしている。しかし難民の多数は、戦闘員が再び戻ってくることを恐れている。「まだいたるところにタリバンが潜んでいる。彼らは洗練された武器を、いまだに所持する。髭や頭を剃って、大勢のタリバンが山中に逃げ込んだ」と、先月スワートから逃げて来たフルシード・アリが語る。「彼らはまだ敗北していない。軍が新たな前線を開く前に、まずこの戦いを終えるべきだ」。

hoonPakistan's Plans for New Fight Stir Concern Swat Refugees, Others
Pamela Constable、CAMP JALOZAI

■南ワジリスタン上空に米偵察機[090624 Reuters]

アメリカの無人偵察機がバイトゥッラー・マフスードの拠点を攻撃して約70人を殺害した翌日の水曜日、南ワジリスタン上空を再びアメリカの無人偵察機が飛行した。

(中略)火曜日にアメリカの無人偵察機による攻撃で死亡した抵抗勢力6人のうちの1人の葬儀を、偵察機が再び攻撃したことで、アメリカとパキスタンの間にこれまで以上の協力態勢があることが伺える。

(中略)火曜日の午後、葬儀の参列者が帰宅しようとしているところがミサイルで攻撃され、46人が殺害されたと諜報関係者が述べた。水曜日になると、70人が殺害されたと発表された。タリバン報道官は、65人が死亡したと述べた。

タリバン関係者によると、バイトゥッラー・マフスードもこの地域にいたが、無事だったという。治安関係者や村人が、タリバンが現場を封鎖したと述べた。「遺体がまだ残っている。タリバンは村人を近づけないようにしている」と、住民が述べた。

抵抗勢力は、上空を飛んでいる無人偵察機に発砲したという。「過激派たちがマシンガンで無人偵察機2機に発砲したために、偵察機は引き返した。

軍が、先週あるいはそれ以前からマフスードの拠点に対して攻撃を開始し、兵士たちが彼の拠点に入る幹線道路を押さえている。

戦車や装甲車などの軍の車列が水曜日、この地域に向かったと『ロイター』の特派員が述べた。

水曜日にタリバン報道官のワリ・ウル・レーマンが、ライバルである抵抗勢力司令官のカリ・ザイヌッディン殺害に対して、犯行声明を出した(後略)。

hoonU.S. drones prowl over Pakistan's South Waziristan
Hafiz Wazir、WANA

■ミサイル攻撃で80人死亡[090624 News]

火曜日、南ワジリスタンのラドゥハ地域にある抵抗勢力の拠点と葬儀がアメリカの無人偵察機で攻撃され、バイトゥッラー・マフスードの幹部司令官のハワーズ・ワリ・マフスードを含む80人が死亡したと、テレビ局が報道した。

軍の情報源によると、火曜日の朝に2回にわたって実施された偵察機の攻撃で、70〜80人が死亡した。火曜日の朝、ラッタカ村の抵抗勢力拠点に、ミサイルが3発撃ち込まれた。タリバン幹部司令官のハワーズ・アリを含む、6人が死亡した。ハワーズ・アリは、バイトゥッラー・マフスードに信頼される司令官の1人だという。

残りの5人は地元過激派だった。南ワジリスタンのシャビヘール地域をアメリカが攻撃したのは、初めてのことである。

(中略)瓦礫の山から犠牲者が掘り起こされ、抵抗勢力や村人が葬儀に参列している最中に、さらにミサイル2発が発射された。

情報源によると、ハワーズ・アリの葬儀が終わり、人々が帰り始め、アリと最後の対面をするために数人が残っていたところ、ミサイルが発射された。突然無人偵察機2機が現われ、過激派60人ほどが集っているところにミサイル2発を撃ち込んだ。

(中略)バイトゥッラー・マフスードを含む、幹部司令官たちが葬儀に参加していたという報告もある。また、ある報告によると、自爆訓練者で残虐な抵司令官のカリ・フセインと、有名なアフガンタリバン司令官のモーラビ・サンギーンが殺害された。しかしモーラビ・サンギーンに近い情報源によると、彼は葬儀に参加していなかった。

「サンギーンは無事だ」と、ある同僚が述べた。タリバン司令官たちは、政府が軍事作戦を実施し始めてから、南ワジリスタンで移動するのをやめたという。葬儀や結婚式などの儀式に参加するのも止めている(後略)。

hoon80 die as drones hit Baitullah痴hideouts
Mushtaq Yusufzai & Irfan Burki、PESHAWAR/WANA

■アメリカの攻撃、パキスタンで抵抗勢力6人殺害[090623 AFP]

火曜日にアメリカのミサイル攻撃で、パキスタンの部族地帯の武装勢力6人が死亡した。「米無人偵察機によるミサイル攻撃が、南ワジリスタンのニージュ・ナルナイの山中であった」と、パキスタンの治安関係者が述べた。偵察機がミサイル3発を発射し、「抵抗勢力6人が死亡、7人が負傷した」と付け加えた。

別の治安関係者も攻撃があったことを認め、タリバンの建物と避難壕、車2台を破壊したと述べた(後略)。

hoon'Suspected US strike kills six militants in Pak'
PESHAWAR

■航空基地使用に関して、アメリカとキルギス取り引き完了[090623 AP]

アメリカは、アフガニスタンの作戦にとって重要なキルギスタンの航空基地の使用を継続するために、これまでの3倍以上の使用量を支払うことに同意した。

(中略)アメリカはマナス基地を今後も使用するために、これまでの毎年1740万ドルに対して、6000万ドルを支払うことになるという(後略)。

hoonUS, Kyrgyzstan reach deal on air base use
LEILA SARALAYEVA、BISHKEK

■パキスタンタリバン指導者のライバル、殺害される[090623 AFP]

火曜日にバイトゥッラー・マフスードのライバルの部族民リーダーが射殺されたと、警察が発表した。

マフスードに批判的だった、最近台頭してきた26歳のカリ・ザイヌッディンが、デーラ・イスマイル・ハーンの自分の事務所で殺害された。「報告によると、ザイヌッディンが朝の祈りの後に事務所で寝ていたところ、部下の1人が発砲した」と、地元警察のサラウッディン・ハーンが述べた。「ザイヌッディンはすぐに病院に運ばれたが、その時点で死亡が確認された」という。

警察と諜報関係者によると、発砲したのはグルブッディン・マフスードという名前の男だという。動機はわからないが、バイトゥッラー・マフスードの仕業と思われる。

(中略)ザイヌッディンは9ヵ月前にTTPから離れ、地元のメディアがによれば、元司令官に対する軍事作戦を支持すると語っていた(後略)。

ohLeader rival to Pakistan Taliban chief killed
PESHAWAR

■タリバン指導者、抵抗運動を拡大[090622 Wall Street Journal]

タリバン最高指導者のオマール師が、アフガニスタンに派遣が予定されている数千人の米軍兵士と戦うために、アフガニスタンでこれまでゆるやかにまとまっているにすぎなかった抵抗運動に対して一致団結を呼びかけ、野戦司令官たちの配置換えを行なっていると、米関係者やアフガニスタンの抵抗勢力が語った。

これまで米軍主導軍に対するタリバンの戦いは地元司令官に任され、それぞれが独自に行動していた。クエッタ「シューラ」と呼ばれるタリバン首脳会議を率いるオマール師は、タリバン指導者を選出し、資金を集め、宗教的指針や戦闘員に対する戦略的なアドバイスを与えてきた。

しかし今年の初めから、オマール師はアフガニスタン南部と東部で自爆攻撃や暗殺を行なうよう、命令している。

標的の1人は、カルザイ大統領の弟のアフマッド・ワリ・カルザイだった。彼は5月18日に、アフガニスタン東部で襲撃された。穏健派宗教者のカリ・サイード・アフマッドは、4月にカンダハルの自宅の外で、射殺された。タリバンが犯行声明を出し、アフガニスタン南部のタリバン司令官が電話インタビューで、オマールの部下の命令で暗殺が行なわれたと述べた。

6月中旬にはコーストでは12人近いの自爆犯による攻撃があり、自爆犯を含む12人が死亡した。攻撃は、クエッタ・シュラーの命令で実行されたという。土曜日にはバグラム航空基地に対してロケット弾攻撃があり、米兵2人が死亡、一般市民2人と6人の米国人が負傷した。

「オバマの動きに対するクエッタの回答だ」と、ヘクマチアルの組織の幹部メンバーが語った(中略)。「クエッタは武器を捨てるつもりはない」。

(中略)タリバンを率いるのは、2人の幹部である。まずは20人からなるクエッタ・シュラーの頂点にいるタリバン幹部指導者、ベラダール師である。「彼を長い年、殺害しようとしてきた。20もの命をもっている」と、ある米元諜報関係者が述べた。

もう1人はザキール師で、南部と東部のタリバン軍事作戦を指揮する。ザキールの本名はアブドゥッラー・グーラム・ラスールで、2001年にアフガニスタン北部で米軍に逮捕された。グアンタナモで拘束された後、2007年にアフガニスタンに引き渡されたが、その後アフガン政府によって釈放された。理由は明らかではない。

hoonTaliban Chief Extends Control Over Insurgency
MATTHEW ROSENBERG、Peshawar

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.