【2009年7月13日〜7月19日】
●アフガニスタン南部で民間ヘリコプターが墜落し、少なくとも16人が死亡した。
●ヘリコプターは、アフガニスタン南部にあるNATO軍最大基地カンダハル飛行場で、離陸直後に墜落した。
●報告によると、ヘリコプターはロシア製のMi-8だという。
●ヘリコプターの墜落は今週に入って2度目で、火曜日にもヘルマンド州で墜落があり、6人が死亡した。
●犠牲者の国籍は明らかではない。
Afghan helicopter crash kills 16●タリバンが、先月アフガニスタンで拉致したという米兵が写った28分のビデオを発信した。
●灰色の服を着て頭を剃った兵士が、捕虜になると「気力がなくなる」と述べた。アメリカの国民は、米軍を「我々が属する場所に戻し、時間と命を無駄にしない」だけの力があるはずだと述べた。
●ペンタゴンはビデオの信憑性を発表していないが、ある米国防省関係者は、ビデオの男は拉致された兵士であることを認めた。
●犯人たちは、兵士のID番号が記載された認識票を映した。兵士は6月30日に、アフガニスタン東部で行方不明になった。ビデオの中では7月14日という日付に言及し、バトロール中に1人遅れたときに拉致されたと述べた(後略)。
Taliban issue 'US soldier video'●パキスタン軍は、スワートのタリバン指導者が負傷したと発表した後も、彼がラジオメッセージを発信したかどうかを調査しているという。
●地元の住民によると、ファズルッラー師が火曜日にラジオメッセージを発信したという。スワートの住民のムハンマド・ヤシーン・ハーンが、ファズルッラーのメッセージを数分間聞いたと述べた。彼の声だったが、いつもの生気がなかったという。ファズルッラーは支持者たちに、軍の攻撃に落胆してはならないと述べた。
●軍報道官のアサール・アッバスは、古い録音である可能性が高いと述べた。
Possible audio of Swat Taliban chief surfaces●(前略)軍報道部は4度、ファズルッラー師が重傷を負ったと発表している(中略)。また抵抗勢力数百人が死亡したと発表しているが、抵抗勢力側は50人を失っただけだと述べている。残りの犠牲者は、住民だという。50人のうちには、ダウードとシャー・ドラーンという名前の司令官2人が死亡した。
●スワートには、新たな最高司令官が出現した。ビン・ヤミーンである。彼は反軍を掲げた気性の激しい男で、たとえ和平協定が結ばれても、部下が1人もいなくなり、弾丸が尽きるまで戦うと述べている。ピールとして有名なビン・ヤミーンは、スワートの元ジャイシェ・ムハンマド(JeM:モーラナ・マスード・アザールが率いる)指導者である。1990年代にアフガニスタンでタリバンとともに戦い、反タリバンの北部同盟の捕虜となって7年間投獄された。釈放されるとスワートに戻り、JeMに入会した。2000年の中頃、ムシャラフ暗殺未遂の疑いをかけられて、ISIに逮捕された。
●やはり逮捕されたジハード幹部が語ったところによると、「ビン・ヤミーンは軍関係者から、ひどい拷問を受けた。しかし、彼がムシャラフ暗殺に関与していなかったことは、明らかだ。彼は軍の餌食となった」。
●釈放されると、ビン・ヤミーンはファズルッラーのTNSMに参加したが、自分に忠実な人間だけを指揮していた。今、「バジョールはファキールに、スワートはピールに」というスローガンが流行っている。(ファキールとは、もう1人の反軍抵抗勢力、モーラナ・ファキール・ムハンマドである。彼の弟も拷問で、軍に殺害された。現在マラカンド地域のタリバン指導者たちは、全員行方をくらましている。唯一ビン・ヤミーンが、軍と対戦している。
●(中略)ヘルマンドに戦闘員を送っている唯一のパキスタン人タリバン司令官は、バイトゥッラー・マフスードである。ここ数年来、数千人の戦闘員を送り込んだ。ヘルマンドには、アブドゥル・ジャバールの配下の元カシミールの戦闘員も入っている。
●数ヵ月前マラカンドの戦争が白熱している時、アメリカ人たちはヘルマンドに戦闘員を送り込んでいるパキスタン人抵抗勢力に愛想をつかせ、パキスタン政府も、もしこれ以上放置すれば米軍がパキスタン領内に入ってきてしまうと感じた。
●これを防ぐために、南ワジリスタンのバイトゥッラー・マフスードのライバルたちを統合しようとした。軍によると3000人の部下を持つといわれたカリ・ザイヌッディン・マフスードは、ハッジ・トゥルキスタンと一緒になっても、数十人しか仲間を集めることができなかった。バイトゥッラー・マフスードの宿敵である、パキスタン側にいる最強司令官のムッラー・ナジールは、マフスードに対して行動した場合、自分は中立な立場にいることを約束した。やはりバイトゥッラーの宿敵の別のタリバン司令官のグル・バハドゥールは、沈黙した。
●バイトゥッラーはシラージュ・ハッカーニを通じてすべてのタリバン指導者に、万が一パキスタン軍が南ワジリスタンに入った場合、これはアメリカの圧力に屈してのことだというメッセージを発表した。したがって、自分たちは軍と協定を結ぶことはできないと述べた。
●ムッラー・ナジールは、軍が自分たちの支配地域を通過することを許さなかった。カリ・ザイヌッディンはバイトゥッラーの部下に暗殺され、ハッジ・トゥルキスタンは地下に潜り軍への協力を拒んだ。
●先月バイトゥッラーと対立し、これまで「良いタリバン」と考えられていたグル・バハドゥールは北ワジリスタンの和平協定を破棄し、軍車列を襲撃した。この襲撃で兵士3人が死亡、26人が負傷した。軍関係者30人が拉致された。
●この事件は、軍を戦慄させ、バイトゥッラーを排除するどころか、これまでの氏族間の争いにも関わらず、パキスタン人タリバンが結束したことを思い知らされた。軍はこれまで何度も、軍事作戦はバイトゥッラーに対するものであり、彼の氏族に対するものではないと主張していた。しかし、軍を信じた者はいない。
●3週間前、警察はカラチで5人の盗賊を逮捕した。5人は全員マフスード族だったが、TTPの人間ではなかった。彼らは、たまたまマフスード族の盗賊だった。しかし、軍はこれをバイトゥッラーの仕業にしようとし、警察官のラジャ・ウマル・ハッターブに、彼らを銃殺するように命じた。ハッターブはこれを拒否。彼らを15日間取り調べた結果、単なる盗賊であり、司法外の殺人を行なえば、混乱が生じると思った。
●5人は別の警察官に引き渡され、殺害された。遺体は南ワジリスタンに送られ、バイトゥッラーに、「我々を困らせれば、部族民の遺体をさらに送る」というメッセージをつけた。
●この出来事以後、マススード族は結束し、タリバン司令官たちはバイトゥッラーに協力を始めた。バイトゥッラーは再び、パキスタン人タリバンの総司令官となった。
●軍の過ちは、ワジリスタンとスワートに留まらず、オラクザイにも影響を及ぼしたことである。オラクザイのバイトゥッラーの従兄弟のハキームッラー・マフスードが、動き出したのだ。
●タリバンはオラクザイを中継地として、カイバル行政区とクラーム行政区をコントロールする。ペシャワルを攻撃する拠点でもある。軍事作戦で、オラクザイ最大のマドラッサが破壊され、大きな影響力があった72歳の宗教学者のムフティ・アミーンが死亡した。彼は親軍宗教学者で、パキスタン軍に対する自爆攻撃を非難していた。
●翌日、軍報道官のアサール・アッバスが、ムフティ・アミーンを「ならずもの」と非難した。これがオラクザイの人間を激怒させた。軍のヘリコプターが撃墜され、大佐を含む軍関係者が死亡した。遺体の回収に向かったチームをタリバンが襲撃し、40人が死亡した。
●各地で軍のコントロールが利かなくなってくると、ラワルピンディの陸軍本部はタリバン司令官たちと停戦協定を話し合おうとした。もし抵抗勢力たちが約束すれば、スワートで停戦協定を結ぶと主張した。しかし、反軍感情があまりにも高まってしまった。
●4月に、パキスタンで活動するジハード組織の関係者が逮捕された。その結果、ジハード組織の幹部司令官のアブドゥル・ジャバールが、北ワジリスタンに避難した。
●ジャバールは、パキスタン治安軍に対する攻撃や、パキスタンにおけるジハード作戦に反対してきた。アメリカの圧力を受けて、パンジャーブ南部の抵抗威力に対して、作戦が実施された。これを監視するために、イスラマバードに500人以上のアメリカ人がやってきた。ジャイシェ・ムハンマドのファルークという名前の男とメンバー何人かが逮捕された。
●あるジハード組織指導者が述べた。「このような展開になるとは思っていなかった。これまでパキスタン軍と戦うことは、間違っていると思っていた。しかしこのような逮捕が続けば、やむを得ない。ワジリスタンに行き、そこで活動する人々に合流するしかない」。
●軍本部は、スーフィー・ムハンマドのような人間は、自分たちの切り札と見ている。彼は現在、軍の隠れ家に拘束されている。しかし、最近抵抗勢力の司令塔は変化し、スーフィー・ムハンマドのような人間は影響力がなくなっている。今やビン・ヤミーンのような人間が、前面に出てきた。
Pakistan wields a double-edged sword●金曜日に米偵察機が、パキスタンの部族地帯にあるタリバンの建物にミサイルを撃ち込んだ(中略)。「ミランシャーから30キロ南部のバハドゥール・カレイ村が、ミサイルで攻撃された。タリバンの拠点が標的となった」と、治安関係者が述べた。「抵抗勢力5人が死亡し、4人が負傷した」と、地元治安関係者が述べた。「バイトゥッラーの組織に属し、この地域は彼らの拠点だった」。「外国人や重要人物がいたかはどうかはわからない」。
US strike kills five militants in Pakistan●土曜日にパキスタン北西部にあるタリバンの隠れ家をパキスタン軍の戦闘機が攻撃し、タリバン6人を殺害した。
●土曜日にアッパー・オラクザイがパキスタン軍の戦闘機で空爆され、バイトゥッラー・マフスードの部下のハキーム・ウッラーの隠れ家を破壊した。ハキーム・ウッラーが攻撃当時に現場にいたかは、明らかではない(中略)。
●またスワートでは24時間内に、兵士2人が爆発で死亡した。
Pakistani jets kill 6 militants in northwest●極秘軍事作戦により、パキスタンとアフガニスタンから逃走する戦闘員たちが、タジキスタンに入り込んでいる可能性がある。
●5月以来タジークの治安軍は厳戒停戦にあり、アフガニスタンとの国境付近で武装グループと銃撃戦を交わしている。関係者は対麻薬作戦と呼んでいるが、パミール山脈のふもとにいる外交関係者や住民によると、政府はタリバンと関係のある戦闘員たちと戦っている恐れがあるという。
●「何かが起きているようだ。おそらくタリバン関係者が関与している。スワートの作戦で逃走してきた人間だ」と、欧米外交筋が述べた。
●スワートのタリバンとパキスタン軍と戦いにより、元ソ連邦中央アジアと民族的な関係を持つ抵抗勢力たちが、タジキスタン内に隠れている恐れがあるという。「1997年に交わされた和平協定以来、IMUのような組織が、アフガニスタンに追い出された。最近、戻ってきた可能性がある」という。
●アフガニスタン北部のクンドゥーズ近くの町で、タリバンによる武力行為が頻発している。タジーク政府が土曜日、アフガニスタンとパキスタンでドラッグの売買をしていたチェチェン人5人が逮捕されたと発表した。外国人戦闘員が国内に潜んでいたことを、初めて明らかにした(後略)。
Fears of Swat operation spillover in Tajikistan●水曜日に治安部隊がスワートで、指名手配テロリスト指導者のアブ・ライスと、外国人2人を含むタリバン抵抗勢力13人を殺害したと主張した。
●いっぽう治安部隊と警察がブネールの抵抗勢力に対して合同作戦を実施し、抵抗勢力の隠れ家を排除し、6人を逮捕した。
●軍報道部によると、治安軍がピオチャールで捜索活動を実施し、指名手配になっていたテロ指導者のアブ・ライスを殺害したという。治安部隊はカーバルの近くのアフンド・キレイで作戦を実施し、外国人2人を含む抵抗勢力8人を殺害した。銃撃戦で、兵士1人も死亡、3人が負傷したという。
●軍報道部によると、ゴアール・サハラ村の住民の抵抗勢力司令官が、治安部隊に投降した。サンドカ村の地元民が抵抗勢力3人を逮捕し、治安部隊に引き渡した。住民によると、抵抗勢力と思われる数人の遺体がバザールで吊るされていたという。タリバンに味方するものは、同じような運命に遭うという脅迫状が残されていた。
●リーマの捜索で、治安部隊は抵抗勢力3人をさらに殺害した(中略)。
●ブネールでは治安軍と警察がゴーカンド、ヒサール、バグラ、ミンヤライ地域で抵抗勢力と戦った。ゴーカンドからは、抵抗勢力は一掃されたという。ただし、タリバンはまだピール・バーバ近くのビショネイ地域に残っている。
Swat operation●パキスタン北西部で、親政府系部族民とタリバンとの戦いがあり、抵抗勢力23人が死亡した。
●モーマンド部族地帯のアンバール村で、衝突が起きた。隣のカイバル部族地帯では、抵抗勢力がアフガニスタンのNATO軍に燃料を運ぶタンカーを襲撃した。この襲撃で2人が死亡した。
●「報告によると、ラシュカルが抵抗勢力23人を殺害し、数人に負傷させた」と、地元行政官のアサド・アリ・ハーンが述べた(後略)。
'Taliban die' in Pakistan clashes●ヘルマンド州でヘリコプターが墜落し、少なくとも6人が死亡したとNATOが発表した。一般機に乗っていた乗員は全員一般民だったと、NATO主導軍報道官が述べた。墜落原因は明らかではない。
●ヘリコプターは、ヘルマンド州のサンギン基地のそばで墜落した。知事が地元民の話として、抵抗勢力が撃墜させたと述べた。
●いっぽうアフガニスタン西部では、イタリア兵が死亡した。
●ヘルマンド州では英軍と米軍が大掛かりな作戦を実施しており、補給物資はヘリコプターによる輸送に頼っている。ヘリコプターは着陸するとき、敵に狙われる危険性が高い。
●(中略)サンギン地域の知事ファズルール・ハクが『ロイター』通信に語ったところによると、「空中で炎上し、墜落した」という。犠牲者の中には、外国軍の請負者たちが含まれているという。
●先週もNATO軍ヘリコプターがザーブル州で墜落し英兵1人とカナダ兵2人が死亡した。
●イタリアの国防省によると、火曜日にファラー州で、死亡した兵士1人のほかに3人が爆発で負傷したという。
●さらにこれに先立ちNATO軍が、月曜日に南部で「敵との対戦」で兵士2人が死亡したと述べた(後略)。
Afghan helicopter crash kills six●アフガニスタンではここ数日間で英兵8人が死亡しているが、タリバン幹部と対話しようとする動きは、急速に進んでいる。
●タリバン責任者のオマール師が、今注目の的だ。またパキスタン軍は、「アフガニスタンから撤退するための新たな外交」を行なうオバマと、オマール師の仲介役を引き受けると報告されている。
●しかし、オマール師の機嫌は悪そうだ。ここ数ヵ月間、アフガニスタンやパキスタンの部族地帯に散らばる抵抗勢力のグループをまとめようとしている(中略)。
●NATO軍の戦場となっているヘルマンド州では、7月の最初の11日間に、英兵15人が死亡した(中略)。
●先週パキスタンの軍広報部のアサール・アッバス報道官が『CNN』とのインタビューで、「パキスタンはオマール師と接触しており、アメリカとの話し合いの場に連れてくることができる」と述べた。アッバスは、アメリカとタリバンの間を取り持つことと引き換えに、イスラマバードのライバルであるインドに対する心配を解決してほしいと述べた。
●さまざまな抵抗勢力の組織がある。アフガニスタンのクナールとヌーリスタン、パキスタンのモーマンドとバジョールで活動する、カリ・ジアウル・レーマンが指揮する組織。ガズニ、パクティア、パクティカ、コーストとパキスタンの北ワジリスタンで活動するハッカーニの組織。ナンガルハールのアンワルール・ハクの組織。さらに、アフガニスタン北部ではヘクマチアル系の組織がある。
●オマール師は精神的、象徴的なリーダーといわれるが、最近ではその力も減少し、アフガニスタン南東部のカンダハル、ヘルマンド、ウルズガン、ザーブル、ファラの地域だけを指揮する。タリバンが2006年に獲得した中央指令部は崩壊し、各抵抗勢力との協力関係がなくなった。
●今年の初めにNATO軍が増兵され、国境を挟んでパキスタンの協力を得た時期と一致する。パキスタンのモーマンドやバジョールで軍事作戦が実施され、アメリカの無人偵察機が部族地帯を攻撃した。
●しかし、逃走する抵抗勢力たちは協力し合うようになり、オマール師が活動を開始した。大ジルガがパキスタンの南西部で開催され、アフガニスタンのアルカイダ最高司令官のアブドゥッラー・サイードを含む、多数の司令官たちが集まった。
●アルカイダのキャンプの情報減によると、オマール師は各組織か協力し合う戦略を計画し、アフガニスタンで戦わなければならないと述べた。
●アルカイダの最大の関心事はアフガン戦争にしぼられ、中東や南アジアから人材を集める。特にイラクからメンバーが流れてくるだろう。さらにロガールやカブールの司令官たちを集め、大きなタリバン組織の一部に組み込む(後略)。
Taliban will let guns do their talking●治安部隊が月曜日に、デーラ・ムラード・ジャマリの近くでアルカイダ容疑者13人を逮捕した。
●治安部隊関係者が、バスでクエッタからムルタンに向かおうとしていた男たちの情報を入手し、トルコ人3人、サウジ人2人、クウェート人2人、アフガン人5人、パキスタン人1人を逮捕した。容疑者たちは自爆ベスト5着と11キロ爆弾を所持していた。
●さらに4240米ドルと69万ルピー、50万イランドゥマン、10万アフガニを持っていた。男たちはパンジャーブ南部で自爆を行なうためにムルタンに向かっていたと、情報源が述べた(後略)。
Thirteen Al Qaeda suspects held in Dera Murad Jamali●政府系と見られていた南ワジリスタンの抵抗勢力指導者が月曜日、和平協定は「無効」になったと述べた。
●モーラビ・ナジールの報道官のアブドゥル・ハックが、自分たちは過去2年間和平協定を遵守していたのに、治安部隊がタリバンを攻撃していると述べた。「和平協定は無効になったようだ。政府のせいだ」。モーラビ・ナジールは政府の「良いタリバン」のリストに入れられていた。
●日曜日の夜に治安部隊の検問所が襲撃され、治安部隊と抵抗勢力が衝突した。地元の人間によると、戦いは月曜日の午後まで続いたという。
●政府の報告によると、この衝突で抵抗勢力3人が死亡し、2人が負傷した。しかし抵抗勢力は、仲間の1人が行方不明になったと述べた。日雇い人夫が殺害され、別の1人が負傷したという。
S. Waziristan peace deal ineffective: militant●南ワジリスタンの治安部隊の検問所で抵抗勢力と治安部隊の銃撃戦があり、抵抗勢力6人が死亡10人が負傷した。
●政府の発表によると、ティヤルザ・ゲートの治安部隊検問所が抵抗勢力に攻撃されたたために、報復した。
●また治安部隊は、サルワカイ、マウラ・ハーン・サライ、コースキ地域にある、抵抗勢力の拠点を砲撃した。
●これとは別に、南ワジリスタンのダレイ・ナシュタール地域の治安部隊の検問所が襲撃され、治安部隊兵士1人が死亡、2人が負傷した。
●抵抗勢力は検問所を重火器で攻撃したために、軍が抵抗勢力を彼らの隠れ家まで追跡し、報復した。
Six militants killed in South Waziristan clashes●パキスタン軍がマラカンドで軍事作戦を実施した2ヵ月後、難民たちが家に帰り始めた。今後数週間の間に、200万人以上の難民がスワートに帰ることが予測されている。しかし、果たしてマラカンドは安全か?
●(中略)スワートでは、軍がミンゴーラの安全を確保したが、その周囲はいまだに危険だ。タリバンはカーバル、チャールバー、マッタとハンゴーラの西部と北西部でまだ活動していると報告されている。カーバルとマッタは、ロワー・ディールとアッパー・ディールと接する。スワートのタリバン幹部の多数が、この地域にまだ隠れているとされる。
●またこのルートを通じて、バジョール、ワジリスタン、アフガニスタンからスワートに入って来たタリバンたちが逃走したと見られている。治安組織の一部がこのルートで「フレンドリー」タリバンを逃がし、逆に「攻撃的」なタリバンが逃げるのを妨げたとされる。
●ロワー・ディールでは、地元の軍指導者たちがマイダーン地域の避難民に帰還を呼びかけている。しかし住民たちは、この地域はタリバンにコントロールされ、作戦開始に先立ち避難しようとした人々を妨害したために、戻れば報復があることを恐れる。日曜日の夜、マイダーンのチナールコットに帰ったばかりのラティーフ・ハーンが、タリバンに拉致された。彼は現在行方不明である。
●タリバンはブネール北部でも活動し、指名手配者リストをいまだに配布している。このタリバンの隠れ家は、シャンガーラ地域のシャケサールまで広がる。
●これらのタリバンは2007年のときのように再び再結成し、軍と対戦するだろうか? 政府関係者やアナリストたちは、その脅威はこれまでよりは少ないという。「抵抗勢力の指揮系統やコントロールシステムは打撃を受けた。指導者たちは逃走中だ。すぐにつかまるはずだ」と、マフムード・シャー元将軍が語る。「幸せな日がきた」。
●政府はムシャラフ政権時代に破棄した行政システムが、再び施行されるようになった。そのために警察権や行政権が回復するはずだという。また、これまでスワートは行政上2つの地域に分かれていたが、これが7つに分割され、行政が広範囲に及ぶようになった。さらに警察署が9ヵ所から14に増えた。元軍関係者からなる、6000人の特別警察隊も計画されている。
●「政府が状況をコントロールすれば、これが谷で認知される。そうすれば住民も自信を持つようになるだろう」と、この地域のANP責任者のアフラシアーブ・ハタック議員が述べた。
●(中略)マフムード・シャーによると、政府はスワートに軍の駐屯地を計画しているという。「駐屯地を置くことで、ところどころに残っている抵抗勢力と戦える。同時に行政に自信を持たせることができる」。「長い目で見れば、タリバンが再結成することを防げる」。
●(中略)ANP政府はタリバンと和平協定を結び、これが一時逆効果を生んだが、結果的には一般民がタリバンを支持しなくなった。しかし、マラカンド地域に行政組織を確立できるだろうか。答えは彼らの能力如何だ。
Pakistan refugees face uncertain return