【2009年7月20日〜7月26日】


■警察、親タリバン宗教指導者を拘束[090726 BBC]

でスワートの和平協定を仲介した原理主義指導者が逮捕されたと、関係者が述べた。

スーフィー・ムハンマドがペシャワルで逮捕された。地域情報大臣のイフティハール・フセインが、特定されない容疑で逮捕されたが、ペシャワルで集会を開いてはならないと警告されていたという。

(中略)「平和のために尽力し、テロリズムを否定するという約束を守るどころか、テロに反対する言葉を一言も発しなかった」と、フセインが記者会見で述べた。宗教指導者の立場は「テロリズムを奨励し、暴力を勧めることだ」という(後略)。

hoonPakistan holds pro-Taliban cleric

■パキスタン、ポーランド人斬首事件で、2人逮捕[090726 AP]

パキスタンの警察が、去年国境付近で拉致され殺害されたポーランド人地質学者の事件と関連して、元政治家とタリバン抵抗勢力を拘束していると、日曜日に発表した。

警察の諜報組織からなる捜査チームの捜査官、マリーク・タリーク・アワンが、2人は先月逮捕されたと述べた。1人は親タリバン系政党メンバーのシャー・アブドゥル・アジズで、アジズは2002年に下院議員に当選した。アワンによると、アジズは去年の9月に拉致されたピオトル・スタンツァックの誘拐を計画したという。この地質学者と一緒に3人のパキスタン人が殺害された。

2月に、パキスタン政府か仲間26人の釈放と部族地帯から軍を撤退することを拒否したためにスタンツァックを斬者したと、覆面を被った男が述べるビデオが出回った。

(中略)逮捕されたもう1人の男は、アタ・ウッラーだという。ウッラーはラワルピンディで逮捕され、アジズ同様、1ヵ月の間取り調べを受けたという(後略)。

hoonPakistani police hold 2 in Polish man's beheading
ASIF SHAHZAD ISLAMABAD

■軍、パキスタン北西部で抵抗勢力14人殺害[090725 AFP]

土曜日に警察が、パキスタン北西部における作戦でタリバン18人を殺害、29人を逮捕したと発表した。軍は、マラカンド各地で軍事作戦を続けている。

(中略)ブネールでは抵抗勢力10人が殺害され、29人が逮捕された。またスワートでは抵抗勢力4人を殺害し、抵抗勢力の洞窟と訓練所を排除し、膨大な量の爆発物や武器を押収した。アッパー・ディールでは、戦闘機がタリバンの拠点を空襲し、少なくとも抵抗勢力4人を殺害したという。「この地域のタリバンの重要な拠点で、全壊させた」と、イジャーズ・アフマッド警察責任者が述べた。

(中略)またこれとは別にバジョールでは、遠隔操作爆弾によりパキスタン兵2人が死亡した(後略)。

hoonTroops kill 14 militants in NW Pakistan: military
ISLAMABAD

■ポーランド系アフガン人の死で逮捕[090725 BBC]

パキスタンの警察は、タリバンにポーランド人技師の殺害を命じたと言われる元右翼国会議員を逮捕した。金曜日に逮捕されたシャー・アブドゥル・アジズは、タリバンやイスラーム過激派と親しいことで有名である。彼は5月に治安組織に逮捕されて以来、行方不明になっていた。

ピーター・スタンツァックは、2008年9月にタリバンに拉致された。スタンツァックはパキスタン北西部で、あるブロジェックのために活動していた。2月に、逮捕されているタリバンとの人質交換の話し合いが行なわれていたが、決裂したために斬首された。

タリバンのアタウッラー・ハーンが土曜日に、裁判所で告白陳述を行なった。「タリーク司令官、ムフティ・イリヤスなどと一緒に、ボーランド人技師を拉致した」と、ラワルピンディの対テロ裁判所で述べた。「その後取り引きが決裂したために、シャー・アブドゥル・アジズの命令で彼を殺害した」。

関係者によるとハーンは、スタンツァックの殺害を命じた男はシャー・アブドゥル・アジズであることを、法廷で明言した。

アタウッラー・ハーンは7月16日に、イスラマバード郊外の検問所で逮捕された。その後警察に拘束されていた。取り調べで彼は、タリーク・アフリディ司令官が率いる、TTPのダラ・アダム・ヘールのメンバーであることを告白した。またスタンツァックを含めて、50件の殺人事件に関与していたことを認めたという。アフリディの組織は、スタンツァック誘拐殺人を行なったと言われている。この組織は、バイトゥッラー・マフスードのTTP下で活動している。

アジズ氏はマフスードと彼の組織と親しい関係にあることで有名である。彼はバイトゥッラーと政府との間で和平協定を結ぼうと、努力していた。軍は現在バイトゥッラーの拠点である南ワジリスタンで軍事作戦を実施している。

軍関係者によると、軍はアジズの努力は認識しているが、「抵抗勢力と取り引きすることに関心がない」という。この件に関連して、アジズはパキスタン陸軍参謀長宛の和平協定の概略が記された手紙を所持していたことが、注目されている。

パキスタン軍報道官のアサール・アッバス少将は、そのような手紙があることを否定し、「憶測にすぎない」と述べた。しかしさらに興味深いことは、アジズは2009年5月に、イスラマバードで行方不明になったことである。この件に関して、彼の友人であるハリッド・ハジャワが、イスラマバードのアッパラ警察署に同日に訴状を提出している。

ハジャワは告訴状で、警察と治安関係者宛に、アジズ氏が政府に拘束されたと述べている。しかしイスラマバード警察は、アジズの行方はわからないと述べた。7月21日にイスラマバード警察はアジズを探したが、探す事ができなかったと宣誓陳述書を提出した。「政府は無実の人間を巻き込んでいると、ハジャワは『BBC』に述べた。「2ヵ月も前に逮捕されたのに、なぜ昨日逮捕できるのか」。「パンジャーブ政府は人権を犯し、違法に逮捕している」。「彼に対する声明を発表する前に、彼がどこにいたかをまずアジズに尋ねるべきだ。この件に関して、最高裁判所に告訴するつもりだ」。

ラワルピンディの対テロ裁判所は警察に、3日間アジズを勾留することを許した。

アジズは元国会議員で、北西辺境州のカラーク地方から出馬している。2002年に当選し、2008年の選挙では落選した。アジズはMMAの党員である。次の公聴会は7月28日に予定されている。

smellArrest after Polish Afghan death
Syed Shoaib Hasan、Islamabad

■パキスタンの南ワジリスタンの謎[090724 BBC]

パキスタンは南ワジリスタンで、何をしているのだろう?

5月中旬から、軍はパキスタンのタリバン指導者、バイトゥッラー・マフスードに対して軍事作戦を実施している。彼はこの山岳地帯に、拠点を持つ。しかし最近のスワートの作戦と異なり、今のところ抵抗勢力の完全排除を行なっていない。理由は不明である。

軍によると、抵抗勢力を包囲し、空の力と砲撃を用いて、「弱体化」したいという。「現在のところ、彼らを罰している」と、軍報道官のアサール・アッバス少将は語る。「作戦が実施したときに、我々に抵抗できなくするためだ。タリバンが活動を禁じられている場所全体を包囲した」。

これが真実であれば、これはバイトゥッラーと彼の組織を「排除」する作戦の第一段階にあるようだ。しかしすでに「Rah-e-Nijat解放の道」という名前までつけられた作戦を実施する雰囲気はない。「作戦を実施する好機を待っている」と、アッバスは語る。

しかし住民たちが、抵抗勢力に対して作戦が実施されるのを恐怖を感じながら待っているという事実から、これまでのように、軍がタリバンと取り引きをする可能性が大きい。

その疑惑のひとつは、バイトゥッラー・マフスードとパキスタン軍責任者との関係だ。アッバス報道官は、そのような報告を否定する。「軍はそのような可能性を考えたこともない。完全なる憶測だ」。アッバスは、軍はタリバンを完全に敗北させると語った。

しかし軍とタリバンは「行き違い」のせいで戦っているに過ぎないと感じている者たちがいる。元国会議員のシャー・アブドゥル・アジズが、その1人だ。

彼はパキスタンの治安軍とタリバンとの間で、和声協定を結ばせようと尽力してきた。アジズは政府とタリバンや他の過激派との間の仲介役を担って来た。彼はタリバン指導者やラール・マスジッド責任者のような過激主義宗教指導者、モーラナ・アブドゥル・アジズなどとも親しい。アブドゥル・アジズは2007年にパキスタンの治安部隊がラール・マスジッドを襲撃したとき、重要な役目を果たした。

モスク行政部と政府との間の、仲介役を勤めた。結局、軍がモスク内に突入し、抵抗勢力数十人を殺害する結果となったが、その後も仲介役としての役目を果たし続けた。

2008年12月、ムンバイ攻撃の直後、タリバンが軍に対する作戦を中止するという声明を発表したが、その背景にいたのもアジズである。

最近では、バイトゥッラーと政府との間のこう着状態を「解決」することに尽力していた。この件に関してアジズは、バイトゥッラーからの手紙を、陸軍長官のキアニに渡したといわれる。

その後アジズは、過激主義宗教指導者のモーラナ・アブドゥル・アジズの家の外で逮捕されたという報告され、そして行方不明になった。「5月27日の朝に、フィダウッラーという名前の男と一緒に逮捕された」と、元ISI関係者で、その後人権活動家となったハリッド・ハワジャが語った。

フィダウッラーは後にイスラマバード警察から、最近の自爆攻撃の「首謀者」と発表された。しかし、アジズに関する情報はない。

ある治安幹部関係者が語ったところによると、現在拘束され、バイトゥッラー・マフスードとの関係を取り調べられているという。タリバン司令官が、元ISI長官に宛てて書いた手紙を所持していたという。手紙は、バイトゥッラーと支持者たちに関する、いつくかの選択肢が書かれていたというが、陸軍長官宛の手紙が発見、あるいは存在したことは否定した。

ハワジャはアズジと親しく、彼が過激派の活動を直接計画したり煽動してないと述べた。「彼は平和的で、思慮深い人間だった」という。「シャー・アブドゥル・アジズはタリバンと軍の間で争いが起きることを望まなかった。国家にとって、大きな打撃となるからだ」。「彼のために警察に対して陳述書を書いた。しかし警察は今のところ、行動することを拒否している」。

ハワジャは、パキスタン陸軍長官に対する謎の手紙に関しては、その存在を認める。「手紙を見た。すでに目的の人の手に渡っている」という。

これらの展開に先立ち、親政府系部族民指導者が、政府がバイトゥッラー・マフスードと取り引きをしたと非難している。ワジリスタンの反バイトゥッラー組織のトゥルキスタン・ビッターニは、最近まで、パキスタンの治安部隊から支持されていた。しかし7月14日に、ワジリスタンと接するデーラ・イスマイル・ハーンにある彼の事務所が政府によって閉鎖させられると、政府を非難した。「政府はバイトゥッラーの組織を公然と支持し、組織が再生することを許している」と、記者たちに語った。

政府はこのようなことはないと強く否定しているが、これまでもタリバンに対する作戦は、すべて和平協定の締結で終わっている。

smellPakistan's South Waziristan puzzle
Syed Shoaib Hasan、Islamabad

■ビンラディンの息子、パキスタンで殺害される[090723 New York Times]

ビンラディンの息子がパキスタンでミサイル攻撃により死亡した可能性があると、米関係者が木曜日に述べた。

サード・ビンラディンはイランで数年間自宅軟禁になっていたが、去年の暮れか今年に、不透明な状況下でパキスタンに入り、パキスタンで活動していたと米諜報関係者が述べた。

「彼が死亡した可能性があるが、100%確かではない」と、米対テロ関係者が述べた。関係者は情報の出所を明らかにしなかったが、これらの情報は盗聴や逮捕者の取り調べ、ジハードウェブサイトの発表に頼ることが多い。遺体がないために、死亡は確認できていない。

サード・ビンラディンはビンラディンの年長の息子の1人で、アフガニスタンからイランに逃走した際にイラン政府に逮捕された(中略)。彼は父親の組織の中では重要な位置にはなく、「名前は重要だが、アルカイダのなかで重要な役目は果たしていない」という。

National Public Radioが水曜日にそのウェブサイトで、米関係者がサード・ビンラディンが死亡したと見ているようだと発表した。

1月中人、当時の国家諜報部長官のマイク・マッコネルが、サード・ビンラディンがパキスタンにいる可能性が高いと述べた。しかし彼が拘束下にあったイランから逃げたのか、またはイランとアルカイダとの間に取り引きがあったのか、それとも単にイラン政府に釈放されたのかはわからない。

ohSon of Bin Laden Is Killed in Pakistan
ERIC SCHMITT WASHINGTON

■スワートの指導者「生存」とタリバン[090723 BBC]

タリバンが、スワートのタリバン指導者であるファズルッラー師が瀕死の状態だという報道を否定した。

タリバン報道官が語ったところによると、ファズルッラーは負傷しておらず、彼のものだという録音を『BBC」に聞かせた。メッセージがいつ録音されたかは明らかではない。

軍が、ファズルッラー師は重傷を負ったと報告した(中略)。

ファズルッラー師のメッセージは、彼が負傷したと報道されて以来、始めてのものである。『BBC』特派員がが聞いた宗教指導者の録音された声は、弱々しかったという。「タリバン責任者のファズルッラーは生存しており、元気だ。負傷したことはない」と、タリバン報道官のムスリム・ハーンが『AFP』にも述べた。

録音でファズルッラーは、この地域の有名な政治家やビジネス関係者5人に、恩赦を与えた。5人は告訴され、イスラーム法廷に出廷するよう命じられていた。

軍はこれに対してコメントしていないが、空爆で負傷したと述べていた。状態については、明らかにされていない。地元の住民も、彼が軍の攻撃で負傷したと述べている。先週レーマン・マリーク内装が、攻撃でファズルッラー師が重傷を負ったと述べていた(後略)。

smellTaliban say Swat leader 'alive'

■ビンラディンの息子、「死亡と思われる」[090723 BBC]

米諜報関係者によると、今年初めにビンラディンの息子の1人が、パキスタンでアメリカのミサイルに攻撃されて死亡したという。

関係者によると、ビンラディンの息子のサード・ビンラディンは「80〜85%死亡した思われるが、遺体がないために確認はできない」という。息子が意図的に標的になったわけではないが、「間違った場所に、間違った時間」にいたと思われるという。サード・ビンラディンはアルカイダ組織で活動していたが、重要な役目を負っていたわけではないという。「彼の名字のために、彼を重視している」と、諜報関係者幹部が述べた。

サード・ビンラディンはビンラディンの3番目の息子で、イランで数年間自宅軟禁となっていた。アメリカの無人偵察機が発射したヘルファイア・ミサイルで死亡した可能性がある。いつ攻撃が実施されたかは明らかにせず、「今年のこと」とだけ述べた。父親と同様、パキスタンとアフガニスタンの国境付近にいたかどうかは、明らかではない(後略)。

hoonBin Laden son 'believed killed'

■パキスタン、抵抗勢力30人以上殺害[090722 AFP]

ジェット戦闘機で援護されたパキスタン軍が、スワートでタリバン抵抗勢力30人以上を殺害したと、関係者が水曜日に述べた。

(中略)今月ギラニ首相は、軍は過激派たちを「排除」したと述べていたが、スワートや隣のブネールとディールでは、激しい襲撃が続いている。

水曜日に軍が、ディールでは24時間内に「テロリスト」16人が殺害され、テロ訓練所3ヵ所を排除したと述べた。スワートとブネールでは、一般民190万人をすでに帰還させたが、この地域では「テロリスト」11人を殺害し、兵士2人が負傷したという。

(中略)ジェット戦闘機が、南ワジリスタンのサルワカイ地域のタリバンの基地と建物を空爆した。「両方とも破壊され、抵抗勢力4人が死亡した」と、軍関係者が述べた。

北ワジリスタンでは、準軍隊の基地が迫撃砲で攻撃され、兵士1人が死亡、5人が負傷した。

hoonPakistan kills more than 30 militants: officials
S.H. Khan、PESHAWAR

■部族のメンバーに責任転嫁[090721 Washington Post]

(前略)ヌール・ザマーン・マフスードは、自分が経営していた難民や貧しい人々のための診療所を閉鎖させられた。マフスード族の一員であるためである(中略)。

パキスタン政府は、南ワジリスタンのタリバン司令官のバイトゥッラー・マフスードと、数千人の戦闘員からなる関連組織に対して戦争を宣言した。政府は、英国人支配者の植民地時代から続いている「集団責任」という法律により、部族民が犯罪を犯した場合、その部族に属するメンバーであれば誰でも罰することができる権限を持つ。

マフスード族に対する取り締まりは、6月14日にワジリスタンの行政官であるシャハーブ・アリ・シャーにより命じられた。マフスード族たちがタリバン戦闘員を引き渡さなかったためで、かれらは「国家に対して敵意のある態度で接し」、部族民と「その行動は平和や民衆の平穏な生活に反する」ことに満足していると書いた。

政府幹部は自分たちの標的はバイトゥッラー・マフスードとその追随者であり、マフスード族ではないと繰り返しているが、シャーの言葉はもっと踏み込んだものだった。彼はマフスード族全員の北西辺境州における稼働的、不動的財産を没収し、彼らをみつけたら逮捕することを命じた。

その結果デーラ・イスマイル・ハーンやタンク、ペシャワルなどの町における数百のビジネスが滞った。デーラ・イスマイル・ハーンとタンクで、マフスード族25人が逮捕された。

「これはジャングルの法律で、文明人のものではない。彼らはマフスード族を家畜のように扱っている」と、タリバンとは何の関係もないという、病院のオーナーのザマーン・マフスードが語った。

パキスタンでは、数十万人がマフスード族に属し、3つの氏族マンザイ、バハロザイ、シャマーン・ヘールに分かれる。国内各地に散らばるが、彼らの故郷は南ワジリスタンである(中略)。最近の武力行為で、マフスード族数千人が南ワジリスタンから避難した。しかし避難先々で、人々から非難されている。

(中略)「これは植民地時代時代の法律の名残りだ。マフスード族はパキスタン人として扱われべきだ。基本的な人権は尊重されなければならない」と、部族法に詳しい弁護士のラティーフ・アフリディが語る。「残酷なものだが、法律であれば、行政官がこの権限を駆使することはできる」。

(中略)「政府のマフスード族に対する態度が、彼らをタリバンに追いやっている」と、南ワジリスタン出身の議員、サレー・シャー・クレイシーが語る。「人々はワジリスタンに帰っている」(後略)。

hoonTribe Members Held Accountable Joshua Partlow and Haq Nawaz Khan

■パキスタン、アメリカのアフガン戦争拡大に反対[090721 New York Times]

パキスタンは、アフガニスタンでアメリカが戦闘作戦を拡大していることに反対しており、ワシントンとの協力に新たな亀裂が生じつつある。

パキスタン政府関係者はオバマ政権に、アフガニスタン南部で海兵隊がタリバンと戦うことで抵抗勢力はパキスタンに入り、バローチスタンが問題化すると不満を表わした。

パキスタンは、インドとの国境付近に配属されている兵士たちを呼び戻さなければ、バローチスタンに隊は配属できないという。パキスタンにとって必要なのは、タリバンとの戦いではなく、対話だという。

アメリカはパキスタンに、タリバンの脅威に対して隊の配属やその他の手段を講じるべきだと明言しているが、パキスタンはタリバンの問題は話し合いで解決できるとし、アフガニスタンのタリバンはこれまで同様、そしてアメリカが立ち去った後は、パキスタンの協力者となると考えている。

パキスタン政府関係者は、タリバン幹部司令官による脅威に関して、米関係者とは正反対の見解を持つ。

スワートのタリバンに対するパキスタンの軍事作戦も、両国の関係緩和に繋がっていない。オバマ政権はパキスタンの作戦を賞賛するが、パキスタンを拠点とするイスラーム過激派たちを完全に取り締まっていないことに不満を表す。パキスタンは、政府の脅威であるパキスタン人タリバンと戦い、アフガニスタンでアメリカ人と戦っている抵抗勢力やインドでテロ行為をしている者たちを無視していると見る。

(中略)金曜日に、パキスタンのISI関係者やアナリストから、パキスタンの見解を聞いた。

まず「アフガニスタンの戦いにより、外国はアフガニスタンをさらに占領するようになり、一般民の犠牲者が増える。従って地元の抵抗が、大きくなる。

また米軍の作戦により、タリバン抵抗勢力がワジリスタンと接するバローチスタンに入る恐れがある。パキスタン軍はすでにバローチ独立派抵抗勢力と、戦いを続けている。

タリバンが流れ込めば、パキスタンは増兵しなければならなくなると、パキスタンの諜報関係者は語る。現在その余裕はなく、隊をインドとの国境から連れて来なければならず、これはあり得ないという。

アフガニスタンの米軍とNATO軍司令官報道官のグレゴリー・スミスによると、現在抵抗勢力がアフガニスタンからバローチスタンまたはイランに入っている様子はないという。パキスタンはイランも気にしている。

パキスタンと米関係者は、両国間に協調もあるという。情報の共有により、パキスタンのF16戦闘機やCIAの無人偵察機の攻撃が正確になった。また部族地帯と北西辺境州でタリバンとアルカイダ戦闘員を探し出す、危険な任務を協力して行なっているという。

しかしパキスタンはまだ自分たちのいいなりになる人間を選び出し、さまざまあるイスラーム過激派組織の中から味方を選出していることに対して、両国間に亀裂があるという。

アメリカは、タリバン責任者のオマール師は、バローチスタン州のクエッタにいると見ている。クエッタ会議と呼ばれるタリバン会議はパキスタン政府に保護され、パキスタンは今後もタリバンを、アフガニスタンにおける自分たちの協力者にしておこうとしている。

先週行なわれたインタピューで、アフガニスタンの米軍とNATO軍報道官のスターリー・マックリスタルは、クエッタ会議と戦うことに関して、パキスタン軍から期待できるような協力が得られているか尋ねたところ、「パキスタン政府には、アフガン人タリバンが得ている隠れ家を、完全に取り除くための努力をしてほしい」と述べた。

パキスタン人諜報関係者は、オマール師がパキスタン国内にいることさえ否定した。アメリカはパキスタンに、クエッタにいるタリバン10人を取り締まるよう要求したという。そのうちの6人はパキスタンで殺害され、2人はおそらくアフガニスタンにおり、残りの2人はアフガニスタンにいる海兵隊にとっては脅威ではないと、関係者が述べた。

去年ワシントンは、ハッカーニ氏がISIと協力してアフガニスタンのインド大使館を爆破した証拠をパキスタン政府に提供した。

パキスタンの関係者は、ハッカーニはたいていアフガニスタンにおり、彼がパキスタン国内に匿われているという報告は完全に無効だと述べた。

ラシュカレ・トイバも論争の的である。インドとアメリカは、パキスタンがラシュカレ・トイバ創始者のハーフィズ・ムハンマド・サイードを先月釈放したことを非難する。パキスタン人関係者は、政府は裁判所にサイードを拘束し続けるだけの証拠を提供しなかったので、釈放されて当然だと述べた。彼は反パキスタン的使命を持たない単なる創始者にすぎないために、彼を再び逮捕する理由はないという。

hoonPakistan Objects to U.S. Expansion in Afghan War
By ERIC SCHMITT and JANE PERLEZ、ISLAMABAD

■パキスタン北西部の衝突で50人死亡[090721 AP]

パキスタン北西部で2日に渡って治安部隊と抵抗勢力との間で衝突があり、抵抗勢力50人と兵士3人が死亡したと、軍が火曜日に述べた。

準軍隊報道官のファズール・レーマンによると、日曜日と月曜日にロワー・ディールのマイダーン地域で2日にわたって作戦が行なわれたという。パキスタン軍によると、この衝突で抵抗勢力50人以上が死亡した。

月曜日には別の衝突で、軍幹部を含め20人が死亡したという。抵抗勢力12人が、スワートのダルディアール町のそばで発生した衝突で死亡した。

レーマンによると、ロワー・ディールの作戦は、マイダーンにある抵抗勢力のロケット砲を排除するためのもので、犠牲者の中にはスワートから逃走してきた抵抗勢力が含まれているという(後略)。

hoonMilitary: 50 dead in clashes in northwest Pakistan
RIAZ KHAN、PESHAWAR

■スワートで「抵抗勢力死亡」[090721 BBC]

日曜日以来、スワートで抵抗勢力少なくとも14人が死亡したと、軍関係者が述べた。軍関係者1人も、作戦の際に死亡したという。

(中略)軍によると、マッタで抵抗勢力司令官が殺害された。またカーバル地域では銃撃戦の結果、抵抗勢力12人が殺害されたと「報告されている」という。軍報道官によると、犠牲者に関する詳しいことはわからないという。しかしカーバルの銃撃戦で、ザヒード中尉が死亡したことを認めた(後略)。

hoon'Militants die' in Swat violence

■アフガン東部の町、タリバンに攻撃される[090721 BBC]

アフガニスタン東部でタリバンによる一連の攻撃があり、数人が死亡した。

アフガニスタン東部のガルデーズで、知事の建物を含む3ヵ所が、ガンマンや自爆犯の集団に攻撃され、少なくとも4人が死亡した。

ジャララバードでは、抵抗勢力2人と警察官1人が死亡したという。

ガルデーズで、抵抗勢力が警察責任者の事務所、警察署、知事の建物を攻撃したと、地元政府関係者が述べた。地元の商人によると、現場はパニックと混乱に陥っているという。「店にいたら、大きな爆発音がして、その直後に銃撃音が聞こえた。警察官と攻撃者との間で、銃撃戦となった」と述べた。

ガルデズの病院の医師によると、4人の遺体が運ばれたという。

報告によると、少なくとも攻撃者のうちの2人のブルカを被っていた(中略)。

ジャララバードでは、知事の報道官によると、抵抗勢力がアフガンと米軍の飛行場に接近しようとして、2人が死亡したという。銃撃戦で、アフガン人警察官1人も死亡した。

hoonEast Afghan cities hit by Taliban

■アフガニスタンの爆発で米兵4人死亡[090720 AP]

月曜日にアフガニスタン東部で道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、米兵4人が死亡した。米兵の1ヵ月間の犠牲者は、7月に入って過去最高になった。

今月に入って、米軍関係者の犠牲者は30人となった。これは、2008年6月の犠牲者数を2人上回る。7月に入って、アメリカ、イギリス、カナダその他の国の兵士の犠牲者数の合計は、55人になった。

(中略)また月曜日に英国防省が、前日ヘルマンド州を徒歩でパトロール中の英兵が、道路脇に仕掛けられた爆弾で死亡したと発表した(中略)。

さらにイギリスのトルネードGR4ジェット戦闘機が、カンダハル飛行場から飛び立ったところ墜落したが、乗員2人は脱出することができたという。英関係者によると、墜落は敵の攻撃によるものではないが、原因は現在究明中だという。前日にはロシア所有の民間機Mi-8ヘリコプターが、同じ基地で離陸直後に墜落し、乗員16人が死亡した。また土曜日はアフガニスタン中部で、米軍のF-15ストライク・イーグル・ジェット戦闘機が墜落し、米兵2人が死亡している。

同日米軍ヘリも「不時着」して兵士数人が負傷したが、米関係者によると、敵の攻撃によるものではないという。先週は、モルダビア所有のMI-6輸送ヘリコプターがタリバン抵抗勢力に撃墜され、搭乗していたウクライナの民間人6人と地上にいたアフガン人の子供1人が死亡した。

7月の初めにはザーブルでヘリコプターが墜落し、カナダ兵2人と英兵1人が死亡した。関係者によると、タリバンによる攻撃が原因ではなさそうだという(後略)。

hoonAfghan blast kills 4 GIs in deadliest month for US
ROBERT H. REID、KABUL

■米戦闘機墜落[090720 AP]

土曜日早朝アフガニスタンで、米軍のF-15E戦闘機が墜落して乗員2人が死亡したと、軍報道官が述べた。墜落した機は2機目の戦闘機と一緒に飛行しており、敵に撃墜された証拠はないと、グレック・ジャリアン報道官が述べた。

これまでアメリカのジェット戦闘機がアフガニスタンで墜落したことはない。抵抗勢力はロケット砲でヘリコプターを撃墜できるが、高い高度を飛行するジェット機を撃墜させる対空兵器を所持していることは、これまで知られていない。

軍によると、F15Eは土曜日の午前3時15分頃に、アフガニスタン東部で墜落した。正確な墜落場所は明らかにされていない。

いっぽうアフガニスタン南部では、英兵1人と子供5人を含む12人が、爆弾で死亡した(中略)。

また米軍によると、アフガン兵と米兵が金曜日にクナール州で、抵抗勢力10人を殺害した。

ここのところ犠牲者が増えているために、アメリカとイギリスの関係者はアフガニスタンに増兵することを考え直そうとしている(後略)。

hoonUS fighter jet crashes in Afghanistan; 2 crew
ROBERT H. REID、KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.