【2009年8月17日〜8月23日】


■パキスタンタリバン司令官、アフガニスタンで戦うことを誓う[090823 AP]

パキスタン人タリバン戦闘員は、アフガニスタンの戦いに専念し、オバマ大統領は「最大の敵」と考えていると、司令官幹部が述べた。日曜日には、組織の新たな責任者が選出されたとも言われている。

土曜日、別のタリバン司令官がハキムッラーが新責任者に任命されたと宣言する前、ワリウル・レーマンが『AP』のインタビューに答え、自分がバイトゥッラーから組織を任され、新たな責任者は「5日以内に選出される」と述べた。

レーマンは、ハキムッラーが責任者に選出されたという主張に関して言及しなかったために、全タリバンメンバーの信任を受けたかどうか、疑問が湧いてきた。引き継ぎに関して、2万5000人いるといわれる戦闘員は、まだ分裂しているようだ。

レーマンは、アフガニスタンとの国境近くのマキーン村近辺にある森の中で、インタビューに応じた。健康そうで、清潔でアイロンがかけられた服を着たレーマンは、5人の武装した警護をつけていた。

米関係者たちは、誰がバイトゥッラーを引き継ぐか、警戒心をもって注視している。バイトゥッラーはこれまでパキスタンを攻撃していた。

「我々は、アフガン人タリバンとともにある。アメリカとその仲間を追放するまで、我々は彼らに協力する」と述べた。またこれは、パキスタンに対する攻撃を中止するという意味ではないとも述べた。「オバマ大統領とその仲間は、我々のナンバー1の敵だ」。「我々の体、心、金を犠牲にする」。

他のタリバンメンバー同様レーマンは、バイトゥッラーは生存しているが病気であるために、新たな責任者が必要になったという。

(中略)別の司令官、モーラビ・ファキール・ムハンマドが土曜日に、42人からなるシューラが、組織の新たな責任者としてハキムッラーを選出したと述べた。「分裂しているという噂はもう終わりだ」と、別の司令官、バート・ザーダが述べた。「これまでも亀裂はない」。

パキスタンの抵抗勢力組織に詳しいムハンマド・アミール・ラーナによると、タリバンは新責任者はまだ合意されていないという。「モーラビ・ファキール・ムハンマドは、ハキムッラーが責任者になったと宣言することで、責任者争いをごまかそうとしている」という。「まだ何も決まっていない」と付け加え、ワリウル・レーマンの支持者は、ハキムッラーを受け入れていないと述べた。

(中略)今月初めにマリーク内相は、レーマンとハキムッラーは互いに発砲し合って死亡したと述べていた。「私も彼も死亡したという説は、嘘だった」と、レーマンが述べた。「敵のプロパガンダにすぎない」。8月5日以来、パキスタン政府はタリバンが分裂しているという印象を与えようとやっきになっている。

ハキムッラーはバイトゥッラーと同じ氏族の出身で、彼が責任者を引き継ぐ可能性が高い。

(中略)レーマンはバイトゥッラーに最も近いアドバイザーの1人で、腹心である。マフスードはシューラで、自分に何か起きた場合は、レーマンが自分を引き継ぐべきだと述べたといわれる。

smellPakistan Taliban commander vows Afghan fight
ISHTIAQ MAHSUD、MAKEEN

■パキスタンタリバン、新しい責任者を任命。しかし疑問が残る[090823 Reuters]

パキスタン人タリバンがバイトゥッラー・マフスードの後継者を指命したが、治安関係者によると、抵抗運動の責任者を失った組織を結束させるための煙幕にすぎないという。

タリバン関係者が土曜日にパキスタン北西部のジャーナリストに電話をかけてきて、ハキッムラー・マフスードがシューラで責任者に指命されたと述べた。

(中略)「混乱している。2日前にファキール・ムハンマドが責任者になったと主張したが、今になってハキムッラーだという」。「トリックだ」と、諜報組織関係者が述べた。「声明は本物だろうが、人間は違う」。「本当のハキムッラーは死んでいる」。

別の関係者によると、タリバンの指導者たちはアフガニスタンで戦っているハキムッラーの兄弟の1人が帰って来るのを待つために、時間を稼いでいると述べた。

(中略)部族民の長老によると、バジョールで問題が再び起きることを恐れ、ファキール・ムハンマドはタリバン責任者の座を諦めさせられたという。

パキスタン内相のレーマン・マリークが日曜日に『BBC』ウルドゥー語放送に、バイトゥッラー・マフスードの義父と甥が、マフスードの居場所を当局に密告した疑いで殺害されたと述べた。

マフスードの親戚4人が疑いをかけられてタリバンに引き渡されたというが、残りの2人に関しては語らなかった。

smellPakistan Taliban name new leader but doubts remain
Kamran Haider、ISLAMABAD

■ハキムッラー・マフスード、新たな責任者に[090823 Dawn]

数日前にバイトゥッラー・マフスードの後継者だと主張していた抵抗勢力司令官のファキール・マハンマドが土曜日、若いハキムッラー・マフスードがTTP責任者を引き継ぐことになったと主張した。

(中略)「私は組織の将来のために、TTP責任者の座から降りる」と、バジョールのTTP責任者であるファキール・ムハンマドが述べた。「先週いくつかの点で問題が起きた。しかしすべて解決した。バイトゥッラーの次には、私がTTPの最年長である。しかしある理由のために、私は身を引く。TTP内の問題は、何もなくなった」。

ファキール・ムハンマドによると、タリバン42人がオラクザイに集まり、責任者を決めたという。シューラは逮捕されたモーラビ・オマルに代わって、アザム・タリークをTTP報道官に任命した(後略)。

hoonHakeemullah Mehsud new chief: Faqir
KHAR

■パキスタン人タリバン、マフスードの親族を取り調べる[090822 Reuters]

パキスタン人タリバンが、アメリカのミサイル攻撃で死亡したと思われるバイトゥッラー・マフスードの居場所を当局に通報した疑いがあるとして、彼の親族4人を拘束した。

(中略)諜報関係者によると、マフスードの義父であるイクラームッディン・マフスードとその息子、兄弟の1人と甥が、マフスードの居場所を密告した疑いがあるとして、タリバンに拘束された。「2日前に拘束され、サラローガでタリバンの取り調べを受けている」という。別の諜報関係者でパシュトゥーン族の長老も、彼の親族が拘束されたと述べた。イクラームッディンの娘であるマフスードの2番目の妻も、ミサイル攻撃で死亡した。

マフスードは腹部の痛みのために、屋上でベッドの上にに横たわっていたところ、夜中過ぎにミサイルで攻撃されたという。

これに先立ちイクラームッディンの兄弟で近くに住む看護士のサードゥッラー・マフスードが、マフスードの腹部の治療のために呼ばれた。

サードゥッラーが家を立ち去った直後にミサイル攻撃があったために、タリバンは彼が情報を流したと疑っていると、別の諜報関係者が述べた。サードゥッラーも、拘束された者の中に含まれている。

部族民長老によると、抵抗勢力はミサイル攻撃のあと、マフスードの運転手のムハンマド・カシーム、別名カシーフを、スパイ行為をした疑いで射殺した(後略)。

smellPakistani Taliban interrogate Mehsud family
PESHAWAR

■パキスタンのタリバン、マフスード「後継者」を指命[090822 AFP]

パキスタンのタリバン司令官が土曜日、米ミサイル攻撃で死亡したと思われる責任者の後継者を指命したと述べた。

TTP副責任者で組織の責任者を果たしていると述べていた、戦闘に従事してきた元教師のモーラビ・ファキール・ムハンマドが、タリバンのシューラによる指命だと述べた。「タリバンのシューラで、ハキムッラー・マフスードをバイトゥッラー・マフスードの後継者に指命した」と、電話で述べた。「シューラは2日間に渡って開催され、22人が参加した」という。

バジョールの中心の町であるカールの住民や諜報組織関係者によると、ハキムッラーが指命されたことが、ムハンマドの違法FMラジオで放送されたという。「シューラがハキムッラーをバイトゥッラー・マフスードの後継者に指命した。シューラは前に私を責任者に推薦したが、私は再び副責任者になる」というラジオ放送があった。「バジョールのTTP責任者は続ける」という。「バイトゥッラーは生存しているが、重病だ。万が一死亡したら、ハキムッラーが引き継ぐ」と、付け加えた。

ハキムッラーはバイトッゥラーの腹心といわれ、オラクザイで活動する強力な司令官である。

hoonPakistani Taliban appoint Mehsud's 'successor'
PESHAWAR

■米無人偵察機がパキスタンを攻撃、3人死亡[090821 Reuters]

金曜日早朝北ワジリスタンで米無人偵察機がミサイル攻撃を実施し、少なくとも3人が死亡した。

北ワジリスタンのミランシャーから2キロ離れた、ダルパ・ヘール村が攻撃された(中略)。「攻撃により巨大な爆発が生じ、ドアが開いた」と、ミランシャーの特派員が述べた。パキスタン人諜報関係者によると、この攻撃で少なくとも3人が死亡したという(中略)。

ダルパ・ヘール村は、ジャラウッディン・ハッカーニのモスクがあることで有名である。去年の9月にもミサイル攻撃があり、主にハッカーニの家族23人が死亡した。今回の攻撃で、彼が攻撃されたかどうかは、明らかではない。

攻撃のあと、抵抗勢力がこの地域にいる治安部隊を攻撃したが、犠牲者の報告はない(後略)。

hoonU.S. drone strikes in Pakistan, at least 3 dead
MIRANSHAH

■CIA、外部の人間を使って無人偵察機に爆弾搭載[090820 New York Times]

ノース・カロライナの本部にある極秘部門から、ブラックウォーターとして知られていた会社が、ワシントンの最も重要な対テロ計画に大きな役割を果たしていたと、関係者や現・元職員が語った。アルカイダ指導者を殺害するための、遠隔操作による無人偵察機の使用である。

この部門の計画は、パキスタンとアフガニスタンにある極秘基地で実施され、ここで会社の請負人たちが、ヘルファイア・ミサイルや500ボンドのレーザー誘導爆弾を、遠隔操作で飛ぶ無人偵察機に搭載している。この仕事は以前CIAの職員が実施していた。会社は、基地の警備にも当たっていると、関係者が述べた。

無人偵察機計画にこの会社が関与していたことから、CIAは、組織の最も重要な仕事に外部の請負会社を使用していることが明らかになった。現在はXe Serviceと改称したブラックウォーターの底力が見せつけられる。さまざまな批判を浴び、イラクにおける残虐行為などの疑いがかけられているが、政府の仕事をすることで、成長したことがわかる。

CIA報道官は、この記事に関するコトメントを拒否した。

『ニューヨーク・タイムズ』は、木曜日に、CIAがアルカイダ工作員を探し出して暗殺するために、2004年にブラックウォーターを雇ったことを報道した。

木曜日のインタビューで、現・元政府関係者はブラックウォーターが、2004年に開始した暗殺計画に関与していたことを詳しく語った。ボーター・グロスがCIA長官になった直後のことである。関係者によると、諜報組織はブラックウォーターの人間に「暗殺するライセンス」を与えて派遣したのではないと述べた。そうではなく、アルカイダ指導者の居場所に関する情報収集、偵察、行なうであろう作戦のための訓練を命じたという。

「引き金を引くことは、最も簡単な部分だ。専門性がなくてもできる」と、中止になったCIAの計画に精通した政府関係者が述べた。「要点は、そこに至る過程だ」。

抵抗勢力を逮捕または殺害するための作戦は、実行前にCIA長官の許可を得なければならず、さらにホワイトハウスに提出される。現在のCIA長官のレオン・パネッタがこの計画を中止し、6月に緊急会議を開いて議会に知らせたという。

ブラックウォーターのビジネスがどのていどCIAと関係していたかは、ほとんど隠されている。しかし国防省に協力して、イラクにいる米外交官を警備していることに、大きな論議が集っている。

2007年に、ブラックウォーターの警備員がイラク人17人の射殺事件に関与したとして、この会社は今年になってイラクでの仕事を失った。しかし、国防省の別の仕事をまだ持っている。

(中略)諜報の仕事のために、ノース・カロライナにある会社の本部には、ブラックウォーター・セレクトと呼ばれる極秘部門がある。最初2002年にCIAと合意を交し、アフガニスタンのカブールの警備を請け負った。無人偵察機の基地に配属されるブラックウォーターの職員は、ネバダのネリス空軍基地で訓練され、無人偵察機にヘルファイア・ミサイルとレーザー誘導爆弾を搭載する方法を訓練されるという。

これまで数年間、CIAは、パキスタンのジャムシにある基地から、無人偵察機を操縦してきた。しかし、最近はアフガニスタンのジャララバードに諾否に移動したと、現・元・政府関係者や会社の人間が語った。これまで、ジャララバードに無人偵察機の基地があることは、極秘になっていた。

関係者によると、CIAは現在アフガニスタンとパキスタンの国境地帯を標的とする無人偵察機のミサイル攻撃や爆撃をジャララバードで行ない、偵察機はほとんど毎時間ごとに離着陸している。パキスタンの基地も、まだ使用されている。しかし、パキスタンでは反米感情が高まっているために、閉鎖せざるを得ないかもしれない。

ブラックウォーターは、標的を選出することには関わっていない。CIAが標的を決め、ヴァージニア州のラングレイにある本部が、遠隔操作で攻撃する。アフガニスタンとパキスタンで実際に仕事をしているのは、CIAのごくわずかな人間である。

ブラックウォーターがこれらの作戦に直接関与していることは、CIA内部でも議論されることがあった。無人偵察機が標的をはずした場合、ブラックウォーターが爆弾をちゃんと設置しなかったせいだと非難された。特に、去年500ボンド爆弾が、標的を攻撃する前に無人偵察機から落下したために、不発弾の回収のために、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯を必死に捜索したという。結局標的から100ヤード離れた場所で、発見された。

会社の役割は、9.11以後急に広がった。1990年代の冷戦後にCIAの仕事が縮小されたために、手の回らない所に補充された。CIAの現在の仕事の4分の1を、請負会社が担っている。諜報収集や分析、そして最近まではテロリスト容疑者の取り調べも行なっていた。

「今すぐに必要なのに、政府が持たない技能を持っている」と、2006年からつい最近までCIAを切り盛りしていたマイケル・ハイデン将軍が語った。

グロス氏を引き継いだハイデンは、CIA計画は自分の監視下で続けられたが、最重要の仕事ではなかったという。自分がCIAを管轄していたときには、計画は重要ではなかったために、議会に知らせる必要性を感じなかったという。自分が役職に就いたときには、外部の請負会社を使用していなかったという(後略)。

smellC.I.A. Said to Use Outsiders to Put Bombs on Drones
JAMES RISEN and MARK MAZZETTI、WASHINGTON

■モーラビ・ファキール、TTP責任者を公言[090820 News]

バジョールのタリバン司令官モーラビ・ファキール・ムハンマドが水曜日に、自分がTTP責任者で、ムスリム・ハーンが抵抗勢力組織の報道官責任者だと述べた(中略)

これまでタリバンはバイトゥッラー・マフスードの死を否定してきたが、ここにきて急にファキール・ムハンマドがTTP責任者として宣言し始めた。

ファキールは、バイトゥッラーが病気であるために自分が責任者だと述べている。彼は重病であるために、タリバンを指揮することができなくなったという。

ファキールは2007年12月14日に、7つの部族地帯と国境地域、NWFPの居住地区の抵抗勢力が連帯したときに、TTP副責任者に推薦された(中略)。シューラの決議で彼が責任者になったのかを問うたところ、自分は副責任者であるために、バイトゥッラーが組織を統率できなくなれば、当然責任者になると答えた。

逮捕されたTTP報道官のモーラビ・オマルに関しては、彼はすでにある事情により、TTP報道官を辞めていたと述べた。モーマンドで治安部隊に逮捕された時、モーラビ・オマルは南ワジリスタンに向かっていたという。自分が火曜日に彼をワジリスタンに送り、タリバン司令官から再びTTP報道官に任命しようとしていたという。バジョールは政府と和平協定を結んでいるために、治安部隊は作戦を実施しないはずだという。したがって軍がオマルを逮捕したことを、協定違反だとして非難した。自分がTTP責任者であるために、報道官責任者にムスリム・ハーンを任命したと述べた。

バイトゥッラーの腹心でオラクザイのタリバン司令官が、ファキール・ムハンマドがTTP責任者を主張していることに、驚きを表した。彼が責任者に任命された事実はないという(後略)。

hoonMaulvi Faqir says he is acting TTP chief
Mushtaq Yusufzai、Bajaur

■CIA、ジハード者の殺害計画をブラックウォーターに依頼[090819 New York Times]

CIAは2004年に、アルカイダ工作員の場所を特定・暗殺する極秘計画の一貫として、民間の警備請負会社ブラックウォーターUSAを雇ったことが、現・元政府関係者の話から明らかになった。

イラクで攻撃的な活動を行なうとして非難されるブラックウォーターの関係者が、スパイ組織に協力して暗殺計画や訓練、偵察を実施していた。CIAはこの計画に数百万ドルを費やしたが、テロリストの逮捕・殺害には至らなかった。

CIA長官のレオン・パネッタが6月に緊急会議を開き、CIAがこの計画内容を7年間極秘にすることを詳議会に伝えた主な理由は、CIAが外部の会社を使用した事実を知ってあわてたためだったという。

CIAが実際にアルカイダ工作員を逮捕・殺害するために雇用を計画したのか、単に計画・偵察の協力を依頼したのかどうかはわからない。これまでアメリカの諜報組織は、囚人の取り調べなどの極秘内容の仕事を外部に受注している。しかし政府関係者は、このような極秘内容に関わる仕事に外部の人間を関与させることに、秘密漏洩など、疑問を投げかけている。

関係者によると、CIAはこの計画に関してブラックウォーターと正式に契約を結んでいるわけではないが、Navy Sealsの元メンバーと政治的に関係している創設者のエリック・プリンスなどと、個人的な取り引きをしたという。実質的にブラックウォーターとの協力は、CIA関係者内部で外部の人間をターゲット殺人に関与させることが疑問視されために、バネッタがCIA長官になる前の年に終わっている。

ブラックウォゥターは現在Xe Servicesと改称し、ノースカロライナを拠点とする。最近では政府の請負仕事で数百万ドルを受け取り、ブッシュ政権は、イラク戦争のためには不可と述べていた。

しかしさまざまな問題も起こしている。イラクの米外交官の警備のために、行き過ぎ行為などが取り沙汰になっている(中略)。

関係者によると、CIAの計画は無人偵察機を用いたミサイル攻撃に変更されたという。この計画は、誤って一般市民を殺害したり、都市部には使用したりすることはできない。しかしパキスタンの山中に隠れていると言われるアルカイダ幹部を標的にするためには、無人偵察機の使用しかない。ブッシュ大統領同様オバマも、パキスタンに準軍隊のチームを送り込むよりは、こちらのほうが安全だと考えている。

hoonC.I.A. Sought Blackwater's Help in Plan to Kill Jihadists
MARK MAZZETTI、WASHINGTON、WASHINGTON

■陸軍は共同墓地に関与せず[090819 Dawn]

軍は、パキスタンの人権団体が、治安部隊がマラカンドで不法な殺害や虐待を行なっていると報告したことに関して、そのような事実はないと否定した。

アサール・アッバス軍報道官は、軍はすべて上からの指令に従い、責任ある態度をとっていると述べた。「テロにテロで応えない。専門的に、法的に動いている」。

人権団体のアスマ・ジャハンギールは、スワートで治安部隊が法外の殺人を行なった事実と「共同墓地」発見に関して、調査したという。

アッバスは、抵抗勢力が犠牲者を共同墓地に埋葬したのであり、軍は関与していないと述べた。軍自身が、ラヘ・ラートの作戦の最中、共同墓地を発見したのだという。

なぜタリバンが仲間を協同墓地に埋葬したのかと問うと、あわてて撤退したからだという。陰謀や復讐などと関係があるかもしれないとも述べた。治安部隊は900人ほどを拘束しており、これらはさまざまな機関に引き渡されているという。

抵抗勢力をヘリコプターから投げ落としたり、テロリストの親戚を公衆の面前で引きずり回すというような行為は行なっていないという。

ジャハンギールによると、スワートの住民多数が、バボザイ地域やカーバル地域のデワライとシャー・デーリ村間で、それぞれ1ヵ所づつ共同墓地があると報告しているという。

hoonArmy has nothing to do with mass graves: DG ISPR

■ホルブルック、海兵隊に関する報道を否定[090819 Dawn]

パキスタンとアフガニスタンに対する米特使のリチャード・ホルブルックが火曜日、米海兵隊がイスラマバードに駐屯するという報道を否定した。

ザルダイ大統領とホルブルックとの会見に精通した情報源によると、ホルブルックは米大使館が米国人スタッフ全員を受け入れるために拡張していると述べたという。

ホルブルックの主張はクレイシー外務大臣の、「我々は米海兵隊がイスラマバードには来ないことを知っている。メディアの中には、この件に関して誤って報道している」という発言により裏付けられた。数日中に、メディアに現状を報告するという。

米国務省の書類に基づく情報として、米政府はイスラマドードに、1万億1250万ドルをかけて海兵隊員1000人を収容するマリーン・ハウスを建設中だという報道が出回った。報道によると、パキスタンの米大使がマリーン・ハウスが建設されていることを認めたという(後略)。

smellHolbrooke denies report about Marines
Syed Irfan Raza、ISLAMABAD

■TNSM責任者の息子逮捕[090819 News]

火曜日にペシャワルの最高裁判所が、、ペシャワルのDistrict Coordination Officer(DCO) に、TNSM責任者のモーラナ・スーフィー・ムハンマドの3人の息子の逮捕記録を提出するように命じた。

ドスト・ムハンマド・ハーン裁判官がDCOに、8月20日の公聴会までに記録を提出するよう命じた。スーフィー・ムハンマドの3人の息子、リズワヌッラー、ハヤトゥッラー、ジアウッラーが、親戚のバート・ワヒードを通じて提出した陳述書を取り挙げてのことである。

陳述者によると、パハリプーラ警察署関係者が、7月22日に3人をペシャワル・ハイキャンプのセシ町の自宅から、不法に拘束したという(中略)。その後ペシャワルのDCOが、3人を秩序維持(Maintenance of Public Order:MPO)に反したとして告訴したことがわかったという(中略)。

リザワヌッラーはここ13〜14年間サウジに住み、ハヤトゥッラーはロワー・ディールのマイダンの公立学校の教師である。ザイヌッラーはマラカンド大学でイスラーム学の修士課程に在学中である。

(中略)スーフィー・ムハンマドも当初3人の息子のように、MPOに反したとして30日間拘束された。その後、扇動的な演説をしたとして、告訴された(後略)。

hoonArrest of TNSM chief's sons
Ghulam Dastageer、PESHAWAR

■タリバン報道官のモーラビ・オマル逮捕[090819 News]

モーマンド行政区のハワザイ地域の部族民警察が、TTP抵抗勢力司令官で報道官のモーラビ・オマルを逮捕し、治安部隊に引き渡した。

オマルは2008年8月6日以来、治安部隊と戦うバジョールのタリバン司令官モーラビ・ファキール・ムハンマドの腹心でもある。彼は以前バジョールのイナヤット・キレイ・バザールで、手押し車で香水を打っていた。マドラッサで学び、教えていた時期もある。

最近TTPはアザム・タリークという別の報道官を任命したが、モーラビ・オマルは、自分は解任されたのではないと主張していた。軍幹部関係者が語ったところによると、準軍隊の取り調べで、TTP報道官はバイトゥッラー・マフスードが米無人偵察機のミサイル攻撃で死亡したことを認めたという。

国境警察隊関係者によると、オマルは2人のボディーガードとともに、オラクザイ行政区に向かおうとしたが向かえず、バジョールに戻る際にモーマンド行政区のハワザイ地区で、武装した地元の部族民ラシュカルに拘束されたという。

モーラビ・オマルは、オラクザイで開催された重要なTTP幹部司令官会議に参加する予定だったという。しかし、カイバルとモーマンドとの間で国境警察隊とラシュカルが厳しく検問を行なっていたために引き返した。

ラシュカルが彼らを拘束したとき、モーラビ・オマルはハニフッラーとワヒード・グルの2人の仲間とともに、徒歩だったという。その後モーマンド・ライフルに引き渡された。TTP報道官は、モーマンド行政区の中心であるガラナイに移された。

(中略)本名はサイード・ムハンマドであるモーラビ・オマルは、その後軍のヘリコプターでペシャワルに向かった(後略)。

hoonTaliban spokesman Maulvi Omar captured
Mushtaq Yusufzai, Shah Nawaz & Shakirullah、PESHAWAR/GHALLANAI

■パキスタンタリバン報道官、「逮捕」[090818 BBC]

パキスタン軍は、タリバンの報道官の責任者と思われる人物を逮捕したと、関係者が述べた。TTP報道官のモーラビ・オマルは、パキスタンにおけるタリバンの報道官の責任者だった。

オマルは2人の仲間とともに車でモーマンドを移動中に、逮捕されたという。

オマルは、タリバン指導者のバイトゥッラー・マフスードの腹心といわれる。パキスタン政府関係者は、オマル氏を火曜日の午後に報道陣の前に連れ出すと述べた。

「非常に重要な抵抗勢力が逮捕された」と、ファズウル・レーマンが『AFP』に述べた。このような発言にもかかわらず、特派員によると、軍が彼の拠点であるバジョールに入ってきているために、最近ではモーラビ・オマルもそれほどは重要ではなくなってきているという。

オマルの逮捕に先立ち、パキスタン陸軍関係者が、これから南ワジリスタンに対する作戦を準備していると発言した。ナディーワ・アフマッドは、リチャード・ホルブルックのパキスタン訪問後の記者会見で、このような発言をした。彼によると、軍は北西部にいる抵抗勢力を攻撃するための「適切な武器」を所持しているという。

モーラビ・オマルはバジョール出身である(中略)。彼はバイトゥッラー・マフスードの腹心といわれる(中略)。メディアとつながりを持ち、タリバンのプロパガンダ・キャンペーンの中心人物だった(後略)。

ohPakistan Taliban spokesman 'held'

■タリバン、「マフスード死亡を確認」[090818 BBC]

月曜日に逮捕されたパキスタンのタリバン報道官責任者が、自分たちの組織の責任者が死亡したことを確認したと、パキスタン政府関係者が述べた。

モーラビ・オマルが、バイトゥッラー・マフスードが今月初め、アメリカの無人偵察機で殺害されたと述べたと、北西辺境州大臣が語った。(中略)。オマル氏は、24時間内に逮捕された2番目の重要なタリバン関係者である。

ハラカトゥル・ジハーディ・イスラーミと関係する司令官であるカリ・サイフッラーが逮捕され、ミサイル攻撃で負傷したために、イスラマバードの病院で治療を受けていると報告されている。2人とも、アフガニスタンとパキスタンにおける抵抗勢力の攻撃にどの程度関与していたか、取り調べを受けているという。

いっぽう北ワジリスタンのミランシャー郊外の国境警察隊の検問所に対して自爆攻撃があり、準軍隊兵士3人が死亡、3人が負傷した。

モーラビ・オマルは、月曜日の夜にモーマンドのハワゼオ村で、2人の仲間と一緒に拘束された。拘束の際には、地元の部族民長老が治安部隊に協力したという。

(中略)「モーラビ・オマルが、取り調べでバイトゥッラーが死亡したことを確認した」と、北西辺境州情報大臣のミアン・イフスィハール・フセインが『AFP』に語った。「我々は全員逮捕する。すべてのタリバンは、自分たちの運命に立ち向かわなければならない」(後略)。

hoonTaliban 'confirms Mehsud's death'

■パキスタンタリバン、爆弾は米特使への「贈り物」[090817 AP]

タリバンが、週末にスワートで発生した2件の自爆に対して犯行声明を出し、パキスタンを訪問している米特使に対するメッセージだと述べた(中略)。

土曜日と日曜日に2件の爆発があった。最初の爆発は治安部隊の検問所に対するもので、5人が死亡した。また別の攻撃では、抵抗勢力を追い詰めたところ自爆し、兵士2人が死亡した。

スワートのタリバン報道官が月曜日に電話をかけてきて、リチャード・ホルブルック米特使の訪問と合わせて、抵抗勢力が攻撃したと述べた。爆発は「ホルブルックに対する贈り物だ」と、ムスリム・ハーンが述べた。「タリバンを排除することはできない」。

月曜日に警察が、バイトゥッラー・マフスードの腹心を逮捕し、現在イスラマバードの病院で治療を受けていると述べた。

アルカイダとの関係も指摘される抵抗勢力司令官のカリ・サイフッラーが警察に、南ワジリスタンでアメリカのミサイル攻撃を受けて負傷したと語ったという。マフスードが殺害された攻撃と同じ攻撃で負傷したかどうかは、わからない。

スワートの抵抗勢力報道官によると、週末の爆弾事件は、軍が拘束していた抵抗勢力を殺害したために、その報復だと述べた。

住民によると、土曜日にスワート各地で18人の遺体が発見された。ほとんどがタリバンだったという。月曜にはさらに4人の遺体が、バリコット村の畑で発見された。

スワート軍司令官のアサール・アッバスによると、軍は拘束している抵抗勢力を殺害していないと述べ、タリバンが負傷した仲間を殺害して、政府に逮捕されて情報を提供することを防ごうとした可能性があると述べた(後略)。

hoonPakistani Taliban says bombs a 'gift' for US envoy
KAY JOHNSON、ISLAMABAD

■パキスタンの「過激派」射殺される[090817BBC]

パキスタン最大の過激派組織の責任者が、スィンド州で射殺された。

シパヘ・シャハバ・パキスタン(SSP)責任者であるモーラナ・アリ・シャー・ハイデリーがハリプール地域を車で走行していたところを、襲撃された(中略)。「モーラナ・ハイデリーを狙ったターゲット殺人だ」と、ハリプール警察責任者が述べた。「彼と運転手が殺害され、一緒に乗車していた男が負傷した」という。

モーラナ・ハイデリーは、ハイダラバードに戻る途中だった。ハイダリー死亡の噂が流れると、カラチを中心に抗議運動が広がった。特にカラチ東部では車が放火されるなど緊張し、警察や準軍隊が警備に出動した。

モーラナ・ハイデリー、はSSPを1980年代に創設したモーラナ・ハク・ナムーズ・ジャングヴィ以来、殺害されたの4人目の会長である。3人は武装した男たちに殺害され、1人は爆弾で殺害された(後略)。

hoonPakistan 'extremist' is shot dead
Syed Shoaib Hasan

■パキスタンで一般市民6人と抵抗勢力24人死亡[090817 AFP]

月曜日にパキスタン北西部で、子供を含む6人が爆発で死亡し、抵抗勢力24人が各地で死亡した。爆発は、タリバンの仕業だという。

チャールサッダで車が爆発し、乗車していた3人の少年と女性2人と運転手が死亡した。ペシャワル警察によると、モーマンドに向かっていた車がガソリンスタンドにさしかかったところ爆発したという。「時限爆弾だった。誰かが荷物を車の中にいた人間に渡し、時限爆弾がその中に隠されていた」という。この爆発で少なくとも8人が負傷した。

モーマンドのアンバール谷出身の難を逃れた乗員によると、地元の部族民たちがイスラーム過激派と戦うために、民兵隊を組織したという。

モーマンドのタリバン司令官が『AFP』に電話をかけてきて、犯行声明を出した。「アンバール出身の人間が、車に乗っていた。これらの人間はタリバンを攻撃した」と、カリ・シャキールが語った。

ミンゴーラ北西部のカーバルでは、日曜日に発生した兵士との銃撃戦で、タリバン7人が死亡した。またミンゴーラでは逮捕されそうになった男が自爆し、兵士4人が負傷した。

今イスラマバードは、TTPの根拠地であるアフガニスタンとの国境地帯に目を向けている(中略)。土曜日にはパキスタンのジェット戦闘機が南ワジリスタンにあるタリバンの拠点を攻撃し、抵抗勢力16人を殺害、30人を負傷させた。また逮捕されそうになった男が自爆し、兵士4人を負傷させた(後略)。

hoonSix civilians, 24 militants killed in Pakistan
S.H. Khan、PESHAWAR

■バイトゥッラー一派、ライバル17人を南ワジリスタンで殺害[090817 News]

日曜日に南ワジリスタンのワナ〜ラッダ道路で、武装した男たちがタリバン18人を殺害した。

死亡した抵抗勢力たちは、ムッラー・ナジールの組織の人間だったという。ワナの情報源によると、銃で撃たれた18人のタリバンの遺体は、日曜日の夕方ワナに運ばれたという。

抵抗勢力たちは米軍主導軍と戦うためにアフガニスタンのパクティアに行き、帰る途中で武装した男たちに襲撃された。情報源によると、抵抗勢力たちはマフスード族の居住地を通って、シャカイに向かう途中だったという。

土曜日にメーラディンが指揮する抵抗勢力たちが、2台の乗り合いトラックに乗っていたところ、ラッダのシャワンガイで何者かに襲撃された。ラッダはマフスード族の居住地域で、バイトゥッラー系のタリバンが支配する。

ムッラー・ナジールの司令官によると、政府やウズベク人、マフスード系タリバンが関与した可能性がある。しかし今のところ、具体的なことは言えないという。抵抗勢力たちは、マフスード族が居住する南ワジリスタンのマキーンとラッダを走行していた。この地域は、マフスード族のタリバンとウズベク人が活動している。

タリバン司令官によると、犯人たちが持ち去った3人以外の遺体は、全部引き取られた。急襲されたために、防衛のために撃ち返すこともできなかったという。遺体は2日間放置されていた。

別のタリバン司令官がワナから電話で語ったところによると、ムッラー・ナジールが殺害されたという報告を否定した。「そのような報告はでたらめだ。日曜日に彼と一緒に祈った。彼は全く無事だ。トゥルキスターニ・ビッターニが、ムッラー・ナジールがバイトゥッラーの人間に殺害されたという噂を広めようとしている」と、ムッラー・ナジールに近い人間が述べた。アフマドザイ・ワジールとマフスード族を仲違いさせようとして、政府が悪い噂を流しているという。

一方治安関係者の話によると、ムッラー・ナジールの組織の人間18人のうち7人の遺体が引き取られ、残りの10人は行方不明だという(後略)。

hoonBaitullah痴men kill 17 rival militants in SWA
Mushtaq Yusufzai & Irfan Burki、PESHAWAR/WANA

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