【2009年9月28日〜10月4日】


■辺境での攻撃、アフガンの危険性が浮き彫り[091004 New York Times]

週末に、アフガニスタン辺境地区にある米軍基地2ヵ所が抵抗勢力に攻撃され、孤立した辺境にある基地がいかに危険にさらされているかが明らかになった。米軍司令官は、これらの基地から撤退することを望んでいる。

マクリスタル司令官は戦略の変更を予定しており、軍を人口の多い居住区に移動させ、僻地での戦いを縮小しようとしている。

抵抗勢力たちが白昼堂々と、パキスタンとの国境近くにある2つの基地を攻撃し、米兵8人とアフガン兵4人を殺害した。

(中略)戦いは日曜日にヌーリスタン州のカムデッシュ地区で勃発し、米軍はヘリコプターや重火器、空爆を用いて攻撃したが、抵抗勢力が執拗に抵抗し、戦いは午後になっても続いたという。

(中略)2008年7月にも、近くのクナール州で似たような事件があった。抵抗勢力200人が、ワナット村にある小さな米軍前哨基地を攻撃した。土曜日の攻撃があった場所から、20マイルも離れていない地点である。

4時間続いたワナットの戦いでは、米兵48人とアフガン兵24人がいたが、3人に1人が犠牲になった(中略)。ワナットでは、1週間前に米軍が診療所を空爆してスタッフが死亡したことで、住民は激怒していた。住民が抵抗勢力に味方したのは、そのためだといわれる。

(中略)マクリスタルは、カムデッシュを含む人口が少ない地域から、米軍を撤退させることを表明している。土曜日の攻撃の後も、この計画は変わらないという。

しかしヌーリスタン州知事のバダールは、撤退は過ちだという。この地域に兵士が少なすぎることやパキスタンの部族地帯に近いことから、ヌーリスタンは狙われやすくなっている。「タリバンが毎日強くなっていることを知っていた。教師や政府関係者たちは脅迫され、州の中央部に入ることはできなくなった」という。「政府や外国軍にこのことを伝えてきたが、彼らは真剣に取り合ってくれない」。

彼によると、攻撃者たちはモスクと近くの村に集結し、その後、基地を襲撃したという。戦闘員たちはパキスタンから入って来た。軍事作戦により、パキスタンの基地から追い出されたからである。ドスト・ムハンマドという名前のタリバン司令官が、襲撃を指揮していた。彼はヌーリスタンにいる、タリバンの陰の司令官である。

バダール知事によると、アフガン人警察官11人が拉致された。アフガン兵も拉致されたというが、はっきりしない。米軍は、犯人たちをタリバンというよりは「部族民民兵」と表現している(中略)。戦闘後、抵抗勢力5人の遺体が残されていた。捕虜たちは、カムデッシュのマンデガール村に連れて行かれたという。

タリバン報道官のザビウッラー・ムジャーヒッドが、タリバンが前哨基地を襲撃し、短時間占拠したと述べた。タリバンは、地区警察責任者と諜報関係者を捕虜にしている。タリバン戦闘員7人が死亡し、空爆が始まったために戦闘員たちは撤退したという(後略)。

hoonAttacks on Remote Posts Highlight Afghan Risks
SABRINA TAVERNISE and SANGAR RAHIMI、KABUL

■アフガニスタン僻地の前哨基地で米兵8人死亡[091004 AFP]

アフガンの村とモスクから躍り出て来た抵抗勢力戦闘員が、パキスタンの国境近くにある僻地の前哨基地2ヵ所を襲撃し、米兵8人とアフガン兵7人を殺害した。

タリバンが犯行声明を出した。2008年7月にも、同じ地域で米兵9人が殺害されている。アメリカは僻地から兵士を撤退させる計画であることを発表しており、今後は居住地域での活動に焦点を当てる。

土曜日の明け方に戦闘が開始され、数時間続いた。空爆が実施された。ヌーリスタンのジャマルッディン・バダール知事によると、丘の頂上と麓の2ヵ所に前哨基地があり、両側に村とモスクがあった。下のアフガン軍の基地に戦闘員300人ほどが流れ込み、その後上にある米軍の基地に到達したと、州警察責任者のムハンマド・カシーム・ジャングルバーが語った。軍によると、米兵とアフガン兵が応戦し、敵に「大きな損害を与えた」という。

ジャングルバーによると、米軍の空爆も実施され、また地元警察責任者と副責任者を含むアフガン警察15人が拉致された。タリバン報道官のザビウッラー・ムジャーヒッドが、警察官の運命は話し合いで決まると述べ、地元警察幹部2人を拘束していることを確認した。

バダールによると、アフガン兵5〜6人と警察官1人が死亡したという。アフガン軍が援護に派遣されたが、カムデーシュとの通信が途絶え、日曜日の段階ではその後の状況はわからないという。現場は、パキスタンとの国境から30キロしか離れていない。

「難しい地形での、複雑な攻撃だった」と、地域司令官のランディー・ジョージ大佐が述べた。「米兵とアフガン兵は、協力しながら勇敢に戦った」。

軍報道官のエリザベス・マシアスによると、米軍はまだ前哨基地を守っており、日曜日にも単発的に戦いが続いているという。攻撃してきたのはタリバンなのか、彼らと関係する組織なのかはわからない。米軍関係者はアフガン軍と協力して、この地域にいるアフガン軍と連絡をとろうとしている。

これとは別にカブール南西部では、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、米軍関係者1人が死亡した。

2008年7月に、ヌーリスタンにある別の前哨基地でも米兵9人が死亡している。この出来事で、米軍司令官の怠慢が問題化し、ペトラウス将軍が先週、出来事の再調査を命じた。この時はマシンガンとロケット推進手榴弾で武装した抵抗勢力200人が、現在はすでに使用されていない前哨基地を攻撃した。

(中略)米軍によると、この地域から撤退する計画は、今回の襲撃のあとも変わらないという。

ヌーリスタンとクナールは、アルカイダの基地であるとともに、グラブッディン・ヘクマチアルの拠点である。ヘクマチアルの軍責任者であるカシミール・ハーンはこれまでもアメリカのミサイル攻撃の標的となっているが、逃げ延びている。

カムデッシュには、携帯電話も地上電話もつながらない。地元の治安軍は、携帯無線で連絡を取り合っている(後略)。

garrAttack on remote Afghan outposts kills 8 US troops
LORI HINNANT、KABUL

■タリバン、ハキムッラー死亡説否定にやっき[091004 News]

TTPは、米関係者がハキムッラー死亡説を主張したあと、それを否定することにやっきになっている。

TTPが、自分たちの責任者が生存していることを証明するよう要求されるのは、これで2度目である。バイトゥッラーは結局死亡していた(中略)。

政府関係者や軍関係者は、バイトゥッラー死亡後にモーラナ・ワリウル・レーマンと後継者争いの結果銃撃戦となり死亡したと、自信満々に主張していた。ハキムッラーだと名乗る人間が少なくとも2人のジャーナリストと電話で話し、自分が死亡していないことやTTP責任者になったことを主張した。しかし政府関係者は、ハキムッラーと似た弟が電話をかけてきたと、主張し続けている。政府は録音されたハキムッラーの声と、ジャーナリストに電話をかけてきた人間の声を比較し、最近になって、声が異なっているという結論に至った。

今度は米諜報関係者も、ハキムッラーが死亡したという結論に至ったようだ。

ハキムッラーはメディアの注目を浴びることを好むために、自分が生存していることを証明するビデオが発表されると見られていた。しかしビデオがまだ登場しないことは、彼が死亡しているか、あいまいにしておこうとしているかである。

TTPはジャーナリストたちを南ワジリスタンに招待し、自分たちの司令官と会わせる計画を立てているために、このことも数日のうちに明らかになるだろう。ハキムッラーは、オラクザイ行政区でメディア関係者と最後に会っている。これはバイトゥッラーがまだ生存している時期で、彼はオラクザイ、カイバル、クラームの司令官だった。

いっぼう政府関係者は、ハキムッラーの一味と衝突した際に負傷したワリウル・レーマンが、回復したという。もしハキムッラーが死亡しているなら、彼はますます強力になっているはずだ。

強力な指導者を失い、TTP間に亀裂が生じている今、パキスタンの治安部隊が南ワジリスタンのマフスード族との戦いを開始しようとしている。土曜日にマフスード族の長老がトゥルキスタン・ビッターニとジルガを開催し、最終計画を練った。ビッターニは親政府系抵抗勢力で、バイトゥッラーの組織と戦う軍に協力していた。マフスード族の長老たちはビッターニと政府に協力し、治安部隊に銃を向ける抵抗勢力に対抗するよう要求されている。

hoonTaliban in hot water over Hakimullah's death claims
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタン人タリバン責任者、死亡した可能性[091003 AFP]

パキスタン人タリバン責任者に指命されたハキムッラー・マフスードが、敵対する組織間の衝突で最近死亡した可能性があると、米対テロ幹部が土曜日に述べた。「ハキムッラーが最近死亡したと信じる理由がある。おそらくパキスタン人タリバンの派閥争いの結果だ」と、関係者が述べた。

アメリカとパキスタン人関係者がこの出来事に関する情報を調査しており、死亡したことを確認しようとしている。

(中略)月曜日に北ワジリスタンで発生した抵抗勢力との衝突で、ハキムッラーの弟のカリームッラー・マフスードも死亡している。若い司令官は責任者に任命されてからメディアや公衆の前に出て来ていないが、2人の弟が生存している(後略)。

hoonPakistani Taliban chief may be dead: US official
WASHINGTON

■米ミサイル攻撃、抵抗勢力幹部殺害か[091002 AP]

ウズベキスタン・イスラーム運動のアルカイダ系指導者が、パキスタン北西部に対するアメリカのミサイル攻撃で死亡したと思われると、諜報関係者が金曜日に述べた。タリバンはこれを否定している。

タヒール・ユルダシェフの死は、抵抗勢力にとっては大きな打撃となる。

ユルダシェフは、8月27日に南ワジリスタンに実施されたミサイル攻撃で負傷し、数日後に死亡したと思われると、4人の諜報関係者が述べた。

(中略)パキスタン政府関係者によると、ユルダシェフ死亡説を、抵抗勢力の情報源から入手したという。しかしタリバン幹部のカリ・フセインが金曜日に『AP』に電話をかけてきて、ユルダシェフは死亡していないと述べた。「報道は偽物だ」とフセインが述べた。「彼は生きている」(後略)。

hoonUS missile said to kill a top militant
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■ウズベク人抵抗勢力責任者、パキスタンで「殺害」される[091002 BBC]

パキスタン北西部にいたと思われるウズベク人抵抗勢力幹部司令官が、8月に実施されたアメリカのミサイル攻撃で死亡したと、諜報関係者が述べた。

パキスタンの内相が、彼の死に関する「確実な証拠」はないと述べた。しかし軍関係者が『BBC』に、「大きな噂」があると述べた。

タヒール・ユルダシェフは、ウズベクイスラーム運動責任者だった。タリバン報道官は、この報告を否定した。

報告によると、タヒール・ユルダシェフは、先月南ワジリスタンのカニゴラーム地域に対する無人偵察機の攻撃で負傷し、その後死亡したという。

彼のボディーガードと主張する男が、パキスタンの『ラジオ・リバティー』に、彼の死亡を伝える電話をかけてきて、死亡説が報道された。

タヒール・ユルダシェフは、南ワジリスタンを拠点としていた。2001年にアフガニスタンから逃走してきたという。

しかしタリバン報道官が『AP』に電話をかけてきて、司令官は死亡していないと述べた。

ohUzbek rebel 'killed' in Pakistan

■ワジリスタンの戦い近し[091002 Dawn]

南ワジリスタンの抵抗勢力と短い戦いを終えたパキスタン軍は、数日内に本格的な戦闘を開始する計画だと、軍や治安関係者が木曜日に述べた。

「戦わなければ、彼らが我々に挑んでくる」と、軍幹部関係者が述べた。「タリバンと呼ばれる者たちの拠点は、南ワジリスタンにある。我々はここで、最も困難な戦いを戦うことになる」。

軍は3ヵ月かけて計画を練り、マフスード族の拠点にいるパキスタン人タリバンに対する戦いを成功させるために、研究を重ねてきた。「準備は整った。環境も整った」と、幹部関係者が述べた。しかしワジリスタンの戦いは、簡単ではない。「多数の犠牲者が予測される、激しい戦いになる。国家は痛みに絶えなければならない」と、別の関係者が述べた。

軍はすでに去年の夏、スワートで300兵以上を失っている。10人に1人が将校だった。

これまで2回実施された南ワジリスタンの戦いは、失敗に終わった。2004年の戦いでは、悪名の高いシャカイ和平協定が結ばれた。その後2005年にはTTP故責任者のバイトゥッラー・マフスードと、再び和平協定を結んだ。

去年の1月に軍はバイトゥッラーを追い払うために、新たな作戦を実施したが、これは12日間続いただけで、無効になったサラローガ協定を復活させることに必死になった。

(中略)それ以後状況は変わった。スワートから抵抗勢力は一掃され、バジョールにも多数の軍が派遣されつつあり、モーマンドの作戦は終わりに近づいている。「統一された組織としてのTTPは、すでに存在しない」と、治安関係者が主張した。さらにバイトゥッラー・マフスードが死亡した(中略)。

現在2師団からなる数千人の兵士が、マフスードの居住地の手前で、命令が下されるのを待っている。バイトゥッラーの死後、すぐに作戦を着手するべきだったという批判もある。「作戦は3ヵ月前に実施されるべきだった」と、ある政府幹部が述べた。「バイトゥッラーは死亡し、彼の組織は分裂している。我々にとっては好機だ」と、語る。

「それは正しい」と、軍幹部が述べた。「バイトゥッラーの死によってマフスード族の組織が弱体化したことを機に、彼らに苦しめられた部族民たちが立ち上がり、彼らに対抗すると予測された。しかし、そのようなことは起きなかった」という。そして遅れの大きな要因として、軍の規模や物資の問題もあったという。「今や人材も物資もある。すべてが整った」と付け加えた。

増兵されたことで、北ワジリスタンと接するマフスード族の居住地の境界線に沿って存在する、3つの重要な高台を占拠した。さらにラズマック〜マキーン、ワナ〜ラッダ、ジャンドーラ〜サラローガ、カニゴラーム〜ジャンドーラの4つのアクセス・ポイントも封鎖した。残る唯一の逃走路は、シャーワラ山脈である。

さらに政府は、南ワジリスタンのアフマドザイ・ワジール族の地域である、ワナにいるナジール司令官の組織と、北ワジリスタンのハーフィズ・グル・バハドゥール司令官の組織を、中立の立場に追いやった。

去年故バイトゥッラーがこの3つの組織を統合して、ワジリスタンの抵抗勢力が同盟を組んでいたが、マフスード族の地域内にいる、親バイトゥッラー派ウズベク人戦闘員がナジールの組織の人間17人を殺害したことで、同盟が破棄されたからだ。

軍内部には、南ワジリスタンの状況がこのまま続いてはならないと見る雰囲気が高まっている。道路封鎖されてからすでに3ヵ月たち、軍は境界領域に待機し、今や必死になって襲撃してくるマフスード族戦闘員を砲撃し、追い払っている。

さらに、軍の諜報情報に問題があり、空爆する標的がなくなっている。キヤニ陸軍参謀長はマフスード族の居住地を「諜報上のブラックホール」と説明し、「突撃として突入するしかない」と述べた。

軍のプランナーたちは、実質的に居住地に突入することで、これまで非協力的だった部族民たちから、諜報情報を入手できるようになるのではないかと見ている。

また故アブドゥッラー・マフスードが組織した、反バイトゥッラー組織を率いるミスバフッディンからも、諜報情報が得られるはずだ。ミスバフッディンの組織はバイトゥッラーの追随者たちを追跡しており、カラチやペシャワルのような町でも彼らを捜し出し、直接捕らえたり、政府に通報したりしている。

さらに軍にとって有利なのは、マフスード族多数が、すでにデラ・イスマイル・ハーンとタンクに移っており、2419平方キロよ及ぶ地域で大掛かりな作戦を実施することに、障害がない。

ただ、戦いが危険であることには変わりない。軍が危険で険しい地域を確保し、作戦を続けることができるかが問題だ。冬期はマイナス20度にまで気温が下がる。マフスードの居住地では、11月の終わりには雪が降り始める。軍にとっては、兵站学的物資の補給が、制限されるだろう。しかし気候は、軍にとってよりも抵抗勢力にとって負担となると見られている。抵抗勢力は、土地を良く知っている。「優位にいる人間を追い出すことは難しい」と、ある関係者が認めた。

守備のために、マフスード族たちは2000人の勇敢な戦闘員がいる。マフスード族とウズベク人、外部から来たパキスタン人過激派たちは、6000〜7000人いると見られている。「ウズベク人との戦いになりそうだ」と、ある関係者が述べた。さらに外部要員がいる。ハッカーニとアルカイダの組織である。「彼らは自分たちの拠点を守り、最後の最後まで戦うだろう」。

マフスード族は、パキスタン各地で問題を起こそうとするだろう。自爆攻撃が、最も強力な武器だ。先月北西辺境州では、すでに71人が6件の自爆攻撃で死亡している。カリ・フセインは、バイトゥッラーとハキムッラーの弟の死に報復するために、自爆攻撃を予告している。

軍事作戦を妨害するために、抵抗勢力たちは簡易爆弾を各地に設置している。「我々と同様、彼らも準備万端だ」と、関係者が述べた。「戦いは3〜4日で終わると思ってはならない。すでに我々は宿題を済ませ、戦いの準備ができた。しかし最終的には、神の意思による」。

garrBattle for Waziristan looms
Ismail Khan、PESHAWAR

■タリバン指導者の弟「殺害される」[091001 BBC]

パキスタンの新しいタリバン指導者の弟が、パキスタン北西部における治安部隊との衝突で死亡したと、地元関係者が述べた。

月曜日に、タリバンが北ワジリスタンの軍事基地をロケット弾で攻撃したあと隊が応戦し、この戦いでカリムッラー・マフスードが死亡した。部族民の情報源も、彼が死亡したことを認めた。村で埋葬されたという。

月曜日に北ワジリスタンで、タリバンがラズマックの国境警察隊の基地にミサイルを発射した。兵士1人が死亡し、5人が負傷したと、治安関係者が述べた。これに対して、治安部隊がラズマック周辺の抵抗瀬力の拠点を攻撃した。「カリムッラーが水曜日に埋葬された。彼は月曜日に、治安部隊との銃撃戦で死亡した」と、北ワジリスタンの治安関係者が『AFP』に述べた。カリムッラー・マフスードを含むタリバン7人が死亡したという(後略)。

hoonTaliban leader's brother 'killed'

■パキスタンに対する米ミサイル攻撃で、「抵抗勢力8人死亡」[090930 AFP]

水曜日にパキスタンの北西部でアメリカのミサイル攻撃があり、抵抗勢力8人が死亡した。24時間内に、3度目の攻撃である。

無人偵察機が北ワジリスタンを攻撃した。「アメリカの無人偵察機が、北ワジリスタンのノラック地域の建物を攻撃した」と、治安関係者が述べた。「犠牲者の数は8人で、アラブ人3人、ウズベク人1人、チェチェン人1人、地元の抵抗勢力3人である」という。重要人物が犠牲者の中にいたかどうかは、明らかではない。

(中略)部族地帯の専門家のラヒムッラー・ユースフザイによると、ミサイル攻撃は、アメリカとパキスタンの協力の成果だと述べた。「アメリカは、抵抗勢力を部族地帯から追い出そうとしている。都市部に来れば、治安部隊が彼らを逮捕することが容易になる」(後略)。

hoon'Eight militants killed' in US strike in Pakistan
S. H. Khan、PESHAWAR

■タリバン、指導者死亡の映像[090930 BBC]

パキスタンのタリバンが、元指導者のバイトゥッラー・マフスードが死亡したことを確認するビデオを発表した。

『BBC』が受け取ったビデオには、パキスタン最大のタリバン組織の元責任者の遺体が部屋の中に安置されている様子が映されていた。いつ映像が撮影されたかは、明らかではない。

マフスード氏は8月6日に、南ワジリスタンで、アメリカの無人偵察機による攻撃で死亡したといわれる。

北ワジリスタンでは新たな無人偵察機による攻撃があり、少なくとも6人が死亡したと報告されている。

ミール・アリの近くに、ミサイルが2発撃ち込まれた。24時間内に起きた、3度目の攻撃である。火曜日には南ワジリスタンにミサイル2発が撃ち込まれ、その後北ワジリスタンも攻撃された。全部で抵抗勢力12人が犠牲になっている。

アメリカとパキスタンの関係者は、マフスードが死亡したことをすぐに確認したが、タリバンは3週間たってから、彼が攻撃で負傷し、後に死亡したと発表した(中略)。なぜ今になって、元責任者のビデオを発表したかは、明らかではない(中略)。

ビデオの中のバイトゥッラーは、部屋の平らな床に置かれていた。バイトゥッラーの遺体は白い葬儀用の布に包まれているために、どこを負傷したかははっきりしない。鼻の近くにいくつか擦り傷があるだけで、顔もきれいだった。

遺体のそばで、男が悲嘆にくれてうずくまっている。ビデオは2分間くらいで、ほとんど音はない。2つの言葉だけが聞こえる。ビデオを映している者の声が、「指導者がいれば、準備ができたのに」と語る。その後同じ声が、「アッラーが、ライフルを使用しない残虐な人間を始末するように。そしてアッラーは我々を殺すこともご存知だ」(後略)。

ohTaliban film shows leader is dead

■タリバン、パキスタン内に新たな拠点[090929 Washington Post]

米軍はタリバンと戦うためにアフガニスタン南部に進出しているが、タリバン責任者のオマール師と彼を取り巻く首脳陣を憂慮している。彼らは、パキスタンのクエッタ周辺にいると見られ、越境して攻撃を計画・実施している。

しかしアメリカは、パキスタンの国境地帯に関する知識をほとんど持たず、攻撃する能力はないという。またパシュトゥーン部族民と宗教政党の拠点であるこの地域に潜入することはほとんどできないために、クエッタ・シューラと呼ばれるタリバン首脳陣が思うがままに行動しているという。

いっぽうパキスタンは、北西部にいるイスラーム過激派を取り締まっているにもかかわらず、クエッタではタリバンが再結成することを許し、国内の脅威よりも戦略的な利益を重視しているる。

その結果バローチスタンの州都であるクエッタが、突如、重要かつ捕らえにくい標的として浮上したと、パキスタン人と外国人アナリストが語る。

「以前は、我々に対する脅威であったために、アルカイダに焦点を当てていた。我々にとってクエッタ・シューラはそれほど重要ではなかった。あの地域に、米軍が入っていなかったからだ」と、駐パキスタン米大使のアン・パターソンが語った。「今我々の軍は、国境の反対側にいる。そしてワシントンは、クエッタ・シューラを注目している」。

パターソンは、アメリカは北西部の部族地帯と比べて、この広大な砂漠地帯を把握していないことを認めた。北西部ではこれまで数年間、アルカイダやタリバン指導者たちを取り締まるためにパキスタンと協力し合い、無人偵察機による攻撃を実施してきた。クエッタでは、無人偵察機による攻撃は実施していない。

パターソンは、「クエッタに関する諜報情報は、非常に少ない。関係者が派遣されていない。越境して作戦を実施していないし、無人偵察機もない」と述べた。

パキスタン人アナリストによると、クエッタにおけるタリバンの存在は、10年前よりも少ないという。オマール師がアフガニスタンから逃げて来たときには、数千人の戦闘員が追随し、同じパシュトゥーン族の居住区や難民キャンプに溶け込んだ。

今オマール師と彼の仲間は地下に潜り、クエッタと国境の間の村やモスクを常に移動している。パキスタンと外国人専門家は、バローチスタンは、タリバンがメンバーを集め、指令を出す拠点として注目を集めていると語る。

「今日クエッタは、タリバンにとって重要だ」と、タリバンの専門家であるアフマッド・ラシッドが語る。「そこから彼らは人材や爆発物や武器、食料を集めてくる。自爆者たちも訓練を受けている。モスクやマドラッサの支持がある」。

アフガニスタンの元国連関係者で、現在イスラマバードを拠点とするマイケル・サンプルによると、クエッタの難民キャンプは、タリバンにとって「軍の人材を確保」する場所だという。カンダハルのパシュトゥーン族は、パキスタン側のパシュトゥーンと、強い絆を持つ。「彼らは結婚により親戚関係を保ち、パキスタン人のIDカードを持つ」。いっぽうクエッタにいるタリバン指導者が公然と結婚式に出席しているというような報道は、事実無根だという。「彼らはパキスタン人たちを疑っている。自身の目的を持っている」という(中略)。

パキスタンの北西部にいるパキスタン人タリバンと異なり、クエッタ・シューラはパキスタン内部の活動には興味を示していない。パキスタン人関係者はシューラの重要性を否定し、存在さえもを認めていない。しかし米軍関係者はシューラを「影響力」があり、「重要な指令・コントロール組織」だと説明する(中略)。

「我々は、バローチスタンにはタリバンはいないと判断している」と、パキスタン軍報道官のアサール・アッバスが述べた。アフガニスタンとアメリカの関係者が提出したクエッタ・シューラのメンバーに関しては、「10人のうちの6人は殺害された。2人はアフガニスタンにいる。2人は重要ではない。オマール師をクエッタの知事とする意見は間違っている」と述べた(中略)。もしアメリカがバローチスタン内のタリバン指導者たちの情報があるなら、「誰がどこにいるか教えてほしい」という。「あなたがたの軍が国内に入ることは許さないが、先導してくれるなら、ついていく」。

パターソンは、パキスタン政府が「我々とは異なる価値観を持つことが明白になった」と述べ、国境の反対側を攻撃するタリバンより、パキスタン国内を攻撃するタリバンに関心を示していると述べた。パキスタンは、以前インドと戦わせるためにイスラーム過激派を訓練したが、今その過激派が国内を攻撃していると指摘した。

批評家や外国人関係者は、バローチスタンにいる政治・宗教指導者が、タリバンを援助していることを憂慮する。イスラーム神学者協会の存在である(中略)。クエッタの新聞編集長メフムード・ジャンが、パシュトゥーン地域にはイスラーム神学者協会のマドラッサが「数千」あり、中にはタリバンを公然と擁護する者たちもいるという。州警察はこれまでタリバンの拠点やモスク、マドラッサを定期的に取り締まっているが、効果はほとんどない。いたるところに「若いタリバンの白いターバンと、大人の黒いターバンが見られる」。

garrU.S. Says Taliban Has A New Haven in Pakistan
Pamela Constable、ISLAMABAD

■2度の米ミサイル攻撃でパキスタン北西部12人死亡[090929 AFP]

火曜日にパキスタンの北西部で2度にわたって米偵察機がタリバンの拠点を攻撃し、抵抗勢力12人を殺害したと、治安関係者が述べた。

ミサイルは、数時間の間隔をおいて、北ワジリスタンと南ワジリスタンを攻撃した。

火曜日の午後早い時間に実施された米偵察機による最初の攻撃では、南ワジリスタンにミサイル2発が撃ち込まれ、タリバン5人を殺害した。「米無人偵察機のミサイルが、地元タリバン司令官のイルファン・マフスードの敷地内を攻撃し、抵抗勢力5人が死亡、6人が負傷した」と、治安関係者が述べた。ミサイル攻撃はサラローガ村で実施された。犠牲者のうち、3人がウズベク人だったという。抵抗勢力の下級司令官であるイルファン・マフスードは、無事だった。

火曜日の午後の2度目の攻撃は、北ワジリスタンのハッカーニの組織が狙われた。「アフガン人タリバン7人が殺害され、5人が負傷した」と、北ワジリスタンの諜報関係者が述べた(後略)。

hoonTwo US missile strikes kill 12 in NW Pakistan: officials
S.H. Khan、PESHAWAR

■パキスタン北西部のミサイル攻撃で3人死亡[090929 AP]

諜報関係者によると、パキスタン北西部に対するアメリカのミサイル攻撃で、タリバン3人が死亡した。

関係者によると、火曜日に南ワジリスタンにあるタリバンの拠点が狙われ、抵抗勢力3人が殺害された。バイトゥッラー・マフードの拠点だったサラローガ村が、攻撃された(後略)。

hoonOfficials: Missile strike kills 3 in NW Pakistan
ISHTIAQ MEHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■アルカイダリーダーの息子、サウジへ[090929 Dawn]

パキスタンはサウジアラビアに、イエメンのアルカイダ幹部アラウィの息子2人を引き渡した。アラウィは、先月ジェッダでサウジのムハンマド・ビン・ナジェフ副内相に対する自爆攻撃を首謀した。

情報源によると、サウジ政府はレーマン・マリーク内相がジェッダを訪問した際に、アラウィの息子のアリとスィディークに関する諜報情報を提供し、自爆攻撃に関与した2人の首謀者幹部の追跡と逮捕を要請したという。

情報に基づき、パキスタンの諜報組織は彼らが隠れていた部族地帯の拠点で2人を逮捕した。

イスラマバードで簡単な取り調べを受けたあと、サウジに連れて行かれた。指名手配者が逮捕されたことで、ナイーフ王子は、サウジに麻薬を密輸しようとしたして逮捕されたパキスタン人家族5人の釈放を表明した。

作戦はイードの前に終わり、マリークはイードの日に、5人のパキスタン人がサウジ政府に解放されたと発表していたが、なぜ解放に至ったのかは明らかにしなかった。

アラウィはイエメンのアルカイダ指導者で、彼の2人の息子はパキスタンの部族地帯で活動し、テロ攻撃を指揮していた(後略)。

hoonAl Qaeda leader's sons sent to S. Arabia
Mateen Haider

■パキスタン北西部のタリバン拠点から、一番市民避難[090928 AP]

月曜日に、パキスタン兵が抵抗勢力とロケット弾や迫撃砲を使用して交戦し、パキスタン北西部にあるタリバンとアルカイダの拠点から数百人の一般市民が避難を始めた。

パキスタンのジェット戦闘機がここ数ヵ月間ワジリスタンを空爆しているが、軍は地上からの攻撃は「適切」な時期になったら開始すると表明していた。

住民によると、最近軍とタリバンに、南ワジリスタンから避難するように促されているという。

情報省のスムサーム・バハリが記者団に語ったところによると、ワジリスタンで軍事作戦を実施することは、月曜日に開催された議会では話題にならなかったという。「すべて憶測だ。まだそのようなことは計画されていない」(中略)。

さらに月曜日には、北西部の軍駐屯地にロケット弾が撃ち込まれ、パキスタン兵1人が死亡、7人が重傷を負った。軍はラズマック、ラッダ、マキーンを砲撃して報復し、抵抗勢力18人を殺害したという。

オラクザイ地域では戦闘ヘリコプターが抵抗勢力の所在地を攻撃し、3つの村で抵抗勢力10人を殺害、多数を負傷させた。

月曜日の夜、北ワジリスタンのミール・アリに近いエソーリ村が、ミサイルで攻撃された。ミサイルの攻撃による犠牲者はいなかったが、木々が炎上した。米偵察機による攻撃だったかどうかは、明らかではない。

hoonCivilians flee Taliban stronghold in NW Pakistan
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■部族民長老、殺害される[090928 BBC]

パキスタン北西部のバカヘールで自爆攻撃があり、反タリバン部族民長老が殺害されたと、警察関係者が述べた。

グル・ハキーム他3人が乗った車の隣で自爆犯が自爆し、4人が死亡した。ハキームは、タリバンと対抗しているバカヘール和平委員会のメンバーだった(中略)。

バカヘールは、北ワジリスタンに近い。

hoonTribal elder killed in Pakistan

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.