【2009年10月19日〜10月25日】


■ラール・マスジッド、まだ過激派を訓練か?[091025 Dawn]

ラール・マスジッドのサーガは、まだ終わっていないようだ。捜査官たちは、最近のイスラマバードにおけるテロ攻撃に、ガジ軍GFが関与していたと疑っている。これは2007年6月にラール・マスジッドが取り締まりを受けた際に死亡した、ガジ・アブドゥル・ラシッドにちなんで結成された過激派組織である。

情報源によると、GF会長のニアーズ・ラヒーム別名ビラールが、イスラマバードとラワルピンディのテロ活動の首謀者だという。

情報源によると、ニアーズ・ラヒームの名前は、2009年5月に脚光を浴びた。これは今年の初め、イスラマバードの国境警察と特殊部隊が自爆攻撃を受けた事件で逮捕された、カイルッラーとフラーム・シャハザッドの取り調べによってGF創設者がフィダウッラーが逮捕され、その際にラヒームの名前が浮上した。

情報源によると、フィダウッラーがGF創設者ではあるが、これを率いているのはニアーズ・ラヒームだという。

デーラ・イスマイル・ハーンのガッチャ・マーラ出身のムハンマド・ハニーフと、ペシャワルのサイーダバッド・ブジュギの住民、ガリ・バガ・イブラヒム・ヘール氏族のムハンマド・カムラーン、コハートのレッギ・シェーヌの住民バシール・アフマッド、カラチのアルシラーン・イルシャッドなどが、GFのアクティブ・メンバーだという。これらの重要人物の他に、43人ほどが逃走中で、さまざまなテロ事件に関与しているとされる。

フィダウッラーはハングのグリジョで組織を創設し、イスラマバードから若者を集めて自爆者に訓練していた疑いがかけられている。フィダウッラーの逮捕と、スワートの軍事作戦が成功したことで、組織はしばらくの間様子を伺っていた。しかし新しい会長の指示のもとで、活動を再開した。

情報源によると、この組織はスワートやFATAの過激派たちとも関係しており、イスラマバードとラワルピンディで活動しようとしている(後略)。

garrLal Masjid is still training militants?
Azaz Syed、ISLAMABAD

■バジョールの無人偵察機の攻撃で、外国人を含む20人死亡[091025 News]

土曜日にバジョールのダマドーラ村に作られた、抵抗勢力の地下壕が03-6904-1507アメリカの無人偵察機で攻撃され、地元と外国人抵抗勢力20人が殺害された。

タリバンの情報源によると、洞窟のような地下壕に、バジョール、スワート、アッパー・ディール、ロワー・ディールのタリバン幹部司令官たちが集まっていたところを攻撃されたという。TTPの地域司令官モーラナ・ファキール・ムハンマドの親戚によると、プァキール・ムハンマドもこの会合に出席していたが、攻撃の前に逃走した。地元の抵抗勢力の他に、客人たちが無人偵察機の攻撃で死亡したという。

モーラビ・ファキールの甥のザヒードと義理の息子も殺害された。チョアトラ村にあるモーラナ・ファキール・ムハンマドの家の近くにある隠れ家に、ミサイル3発が撃ち込まれた。情報源によると、ムハンマドが南ワジリスタンに仲間の戦闘員を送り込むことについて、地元・外国人戦闘員と話し合っていたという。

会合に出席したアラブ人司令官が、アフガニスタンのクナールとヌーリスタンで、米軍主導軍と戦う決定的で大事な戦いが行なわれている時期にワジリスタンに行くことはできないと、ムハンマドの申し出に同意しなかったという。

政府関係者によると、スワートのタリバン責任者のモーラナ・ファズルッラーと彼の司令官たちもバジョールに隠れているために、ファキール・ムハンマにジルガを送り、彼らを追い払わなければ対処すると警告したという。ムハンマドは彼らを追い払わなかったために、バジョールにある彼の拠点マーモンドを攻撃したと述べた。犠牲者の中に、タリバン幹部司令官がいたかどうかは明らかではない。

タリバンの情報源が、攻撃されたのは3年前に作られた数十ある隠れ家の1つに過ぎないと語った。戦闘員たちのほとんどが、夜間や、バジョールのマーモンド地域上空にパキスタンの戦闘機や戦闘ヘリコプターが飛来して爆撃を開始すると、これらの隠れ家に隠れるという。

「去年7ヵ月に及ぶ作戦が実施されたが、こうして我々は無事なのだ。避難壕からパキスタンのジェット機や戦闘機が、山や民家を爆撃するのが見える」と、ファキール・ムハンマドの親戚のタリバン司令官が語った。バジョールで戦闘員2500人が死亡したと発表されているが、そんなことはないという。

バジョールがアメリカのミサイルで攻撃されたのは、2008年5月14日に、アルカイダ司令官で技術専門家のアブ・スレイマンが殺害されて以来である。

hoonForeign militants among 20 killed in Bajaur drone attack
KHAR/PESHAWAR

■車に乗った自爆犯、警察官殺害[091025 AFP]

日曜日の早朝、爆発物を車に搭載した自爆犯がパキスタンの高速道路で自爆し、パトロール関係者を殺害した。

イスラマバード南部約140キロにあるリラーの近くで、攻撃があった。「インターチェンジで止められると、自爆犯が車を爆発させた」と、道路警察のワヒード・カウサールが語った。

諜報情報を受けていたために、車を制止して審問しようとしたところ、自爆犯が爆発物を爆発させたという。車を制止した際、この男と一緒に車に乗っていた男が逃走したが、後に逮捕された。2人はペシャワルに向かっていたという。

しかし後になって別の警察官が、犯人の遺体が車の中から発見されていないために、2人目の男がいたかどうかは明らかではないと語った。「遺体がないために、男1人だけが逮捕されたという当初の報告を見直している」という。逮捕された男が車を運転していたと、地域警察責任者のアスラーム・タリンが語った。爆発には、30キロ爆弾が使用された(後略)。

hoonSuicide bomber in car kills Pakistani policeman: police
ISLAMABAD

■軍、タリバン指導者の故郷の町を制圧[091024 AP]

激しい戦闘の末、土曜日に軍がタリバン指導者の故郷の町を制圧した。

またアメリカのミサイルが、パキスタン北西部で22人を殺害したが、タリバン幹部を逃したという。

タリバンとアルカイダの拠点である南ワジリスタンの戦いは、8日目に入った(中略)。空爆を用いたコットカイ町を確保するための戦いは数日かかり、兵士たちがやっと町周囲の高台を確保した。最後の戦いで抵抗勢力13人と兵士2人が死亡したと、軍関係者と諜報関係者が述べた。軍は、抵抗勢力が町に仕掛けた地雷や道路脇の爆弾を取り除き始めた(中略)。

アメリカの無人偵察機が、バジョールのチュハトラ村を攻撃した。ミサイルは、トンネルがある抵抗勢力の隠れ家を攻撃した。標的は、有名なタリバン指導者のファキール・ムハンマドだったが、彼は逃走したと思われる。殺害された22人のほとんどが、アフガン人だった(後略)。

hoonArmy captures Pakistani Taliban leader's hometown
ASIF SHAHZAD、ISLAMABAD

■ワジリスタンで激しい戦闘、犠牲者数160人以上[091023 Dawn]

ワジリスタンのタリバンに対する攻撃が7日目を迎えた金曜日、犠牲者の数は160人以上にのぼったと軍が述べた。ウズベク人6人を含む戦闘員13人が死亡し、これで抵抗勢力の犠牲者数は142人になった。

最も激しい戦闘は、サラローガとジャンドーラの間で起きた。ここには軍の基地があり、軍によると抵抗勢力7人が殺害され、ウズベク語の本が押収された。

戦闘ヘリコプターと軍用機で援護され、軍は激しい戦闘を戦った。軍によると、コットカイの背後のシシャムワンの崖を確保し、これで東部からコットカイを攻めることができるという(後略)。

hoonFierce fighting in Waziristan; toll passes 160
ISLAMABAD

■パキスタン北部で新たな攻撃[091023 BBC]

パキスタン北部で新たな武力衝突があり、少なくとも22人が殺害された。

イスラマバードの南西部にある空軍施設が自爆犯の攻撃を受け、6人が殺害された。ペシャワルでは車による爆弾で、少なくとも15人が負傷した。その後、結婚式の招待客が乗っていたミニバスが爆発し、15人が死亡した。そのほとんどが子供だった。現場はモーマンド部族地帯である。

自爆攻撃は、イスラマバード南西部のカムラ航空施設のそばで発生した。施設の外の検問所で制止されると、男が自爆したという。この攻撃で治安関係者2人が死亡した。

またペシャワルでは、高級住宅地域にあるレストランの駐車場で車爆弾が遠隔操作で爆発し、15人が負傷した。爆発はペシャワルの高級住宅地のそばのマーケットで起きた。スワン・レストランの外壁が壊れた(後略)。

garrFresh attacks rock north Pakistan

■パキスタンの准将、攻撃されて死亡[091022 BBC]

パキスタン陸軍准将とその運転手がイスラマバードで射殺されたと、警察が述べた。2人は軍の車で移動中、銃を持った男たちに襲撃された。

(中略)イスラマバードのG11で、モイヌッディン准将と運転手のアスガールが攻撃された。この攻撃で兵士1人が負傷した。車は銃弾で蜂の巣のようになり、タイヤがパンクし、窓ガラスが割れた。

警察によると、20歳前後の男性2人による犯行だという。目撃者によると、犯人たちはバイクに乗って現場から逃走した(後略)。

garrPakistan brigadier dies in attack

■北ワジリスタンで爆発、12人死亡[091022 News]

水曜日の午後、北ワジリスタンのスルコット村で謎の爆発があり、アラブ人とパキスタン人、アフガン人戦闘員を含む12人が死亡し、多数が負傷した。なかには女性や子供もいた。

死者の中には、アルカイダ工作員のアブ・ムサ・アルミスリが含まれている。部族民とタリバンの情報源によると、スルコット村の民家の中に備蓄されていた爆発物の爆発により、4軒の家が破壊された。

情報源は、無人偵察機による攻撃だったという報告を、強く否定した。また爆発でアルカイダ幹部が殺害されたという報告も否定したが、何人かは「客人」であったことは認めた。アブ・ムサ・アルミスリという名前と同じ男は、最初は北ワジリスタンのミラリ地区ナウラックで、その後ハイスーラに対する無人偵察機による以前の2回の攻撃で、死亡したという。

タリバン幹部に電話で問い合わせたところ、死者の中にはアラブ人、パキスタン人、アフガン人戦闘員と、アラブ人戦闘員の子供たちがいたいう。過激派たちが家の中に膨大な量の爆発物を置いて爆弾を製造していたところ、巨大な爆発が生じた。爆発は無人偵察機によるものではないという(後略)。

smell12 die as blast rocks NWA

■フランス、パキスタン爆弾事件の報告書を公開[091021 Reuters]

2002年に、パキスタンでフランス人11人が爆弾攻撃で死亡した事件を捜査した、フランスの裁判官の報告書が発表された。

2002人5月に、フランス人海洋技師を運ぶ車が、カラチのホテルを出発したところで爆破された。パキスタン政府はイスラーム過激派組織の犯行とし、関係者2人に死刑を宣告したが、2003年に無罪となった。

フランスの捜査官によると、フランスが防衛協定と関係する賄賂を支払わなかったことに激怒したあるパキスタン人政府関係者が、この攻撃を首謀したという(中略)。

フランスのサルコジ大統領はこの報告が6月に浮上したときに「作り話」と却下したが、捜査官のアリオット・マリーによると、これを判断するのは裁判官しだいだと述べた。

ohFrance declassifies Pakistan bombing documents
PARIS

■ワジリスタンの戦争の目的は?[091021 BBC]

マフスード族の居住地にいるタリバンとアルカイダに対するパキスタンの軍事作戦は、大きな目的がある。パキスタン国内を攻撃する元凶を排除することだ。

土曜日に開始された地上戦は、この地域の抵抗勢力組織を排除するための、これまでになく真剣な試みである。これは、軍が採用した戦術からも明らかだ。

これまでいやいや実施されていた作戦と異なり、作戦計画に時間がかかった。まずマフスード族の居住地に対して、4ヵ月かけて空からの攻撃を行ない、一般市民の避難を呼びかけ、抵抗勢力の機動力が制限された。さらに軍は、南北ワジリスタンに隣接するワジール族の抵抗勢力組織を説得して、戦いに参加させないようにした。

軍は南西部と南東部からマフスード族の拠点に前進し、最後の戦いのために、抵抗勢力をマキン〜ラッダに追い込もうとしている。同時に軍は多数ある抵抗勢力の組織から、ハードコア戦闘員を孤立させ、抵抗勢力のリーダーたちを最小限の人数にしぼろうとしている。

軍の政策によると、作戦の標的は中央アジア出身のウズベク戦闘員と、中東や北アフリカの外国人戦闘員だという。武器の放棄を拒否している地元戦闘員の排除は、軍にとってはその次の目的である。

月曜日に行なわれた軍報道官の記者会見によると、この地域には8000〜10000人の戦闘員がおり、そのうちの1000人が外国人だという。さらにすべてのマフスード族戦闘員が同じ目的を持っているのではなく、強制的に駆り出された者もいるという。これは、「ソフト」な戦闘員に、戦いから抜けることを促すメッセージととれる。

ハードコア戦闘員には、2つの選択肢が残されている。最後の最後まで戦うか、今回は戦うのをやめて逃げるかだ。現在のところ、前進してくる軍の進路に沿って、彼らを待ち構えている。

激しい戦いになることが予測されているが、圧倒的な地上軍や空からの精密誘導爆弾が開始すれば、彼らは持ちこたえられない。最終的には今の位置を放棄し、スワートの戦闘のようなゲリラ攻撃に入る。

しかしスワートと違い、南ワジリスタンの戦闘員たちは、水も隠れるための森もない最悪の地形で戦わなければならない。外国人を含む多数が、この地域から逃げ出すだろう。彼らにとって最も簡単なのは、南のゴマル峠を越えて、バローチスタンの「スリーバー・セル」に消えることだ。隣接するラッキやバヌーに忍び込み、アラブ人の基地であるミール・アリに入るか、さらに北のオラクザイに侵入する。ここにはマフスード族の基地2つがある。

欧米のオブザーバーたちは、この地域にいるアルカイダにより訓練された爆弾製造者が、世界に散って行き、欧米で攻撃を開始することを恐れる。

ワジリスタンで作戦が成功したら、軍は今度はオラクザイ〜ダラ・アダムヘールで作戦を実施し、ペシャワルなどが攻撃されるのを防ぐ必要が出てくる。抵抗勢力がバローチスタンに入ることを、どうやって防ごうとしているかは明らかではない。

また北ワジリスタンを拠点とするハッカーニの組織に、どのように対処しようとしているかも、明らかではない。パキスタンの防衛アナリストたちは、北ワジリスタンのハーフィズ・グル・バハドゥールの組織と、南ワジリスタンのワジール族居住区のムッラー・ナジールの組織、そして南ワジリスタンのバイトゥッラー(現在はハキームッラー)の組織を、アルカイダ系ハッカーニ組織の派生組織と考えている。

現在の作戦は、マフスード族居住区に限定されている。これはワジリスタンの4分の1にすぎない。アフガニスタンにおけるマフスード戦闘員の役割は、限定的なものにすぎない。彼らはパキスタン国内を攻撃している。

それと比べるとハッカーニのグループはパキスタン軍と和平協定を結び、アフガニスタン側で活動している。これらの組織は、軍のマフスード族に対する戦闘に関与しないことに同意した。

しかしアメリカ人にとって、どのような恩恵があるのか? アフガニスタンにいる米軍やNATO軍にとっては、マフスード族戦闘員よりもハッカーニの組織が問題だ。

garrWhat are the Waziristan war aims?
M Ilyas Khan、Islamabad

■アルカイダ幹部工作員、殺害される[091021 Dawn]

南ワジリスタンでパキスタン軍が作戦を開始して以来、初めての米無人偵察機の攻撃があり、アルカイダ幹部工作員のアブ・アル・マスリが殺害されたと報告された。

いっぽうアル・マスリは、スパルガ村で自爆ジャケットを準備している間に殺害されたという報告も入って来いる。

別名ムスタファ・アル・ヤジドは、米政府が自家製バックパック爆弾を使用しようとしていたとして逮捕したアフガン人移民ナジブッラ・ザジと、関係があった。1980年代には、アサド大統領暗殺に関与した組織と関係していたとして、エジプトの刑務所で3年間服役していた。釈放後はシェイク・サイードまたはアブ・サイード・アル・マスリとして知られるようになり、テロ組織の創設メンバーの1人となった。

アブ・マスリは2001年に米軍のアフガニスタン侵攻とともに地下に潜ったが、2007年に5月に再び現れ、アル・サバンのウェブサイトに45分のインタビューが掲載された。

2008年にパキスタン軍関係者が、アブ・マスリがバジョールにおける戦闘で殺害されたと主張したが、その後再びアルカイダのビデオに登場した。今月もアルカイダのビデオに登場し、バイトウゥッラー・マフスード殺害に対する報復を誓っていた。

smellTop al-Qaeda operative reported killed
PESHAWAR

■ミサイル攻撃、パキスタンの戦いをこじらせる可能性あり[091021 AP]

水曜日、兵士たちがパキスタン人タリバン指導者の故郷を目指して前進しながら戦うとともに、米ミサイルが別の抵抗勢力が支配する地域を攻撃したために、この地域の抵抗勢力が戦いに参加しないために交わした取り引きに支障をきたす可能性があると、諜報関係者が述べた。

(中略)コットカイの町の戦いは、パキスタン人タリバン責任者のハキムッラー・マフスードと、その部下のカリ・フセインの出身の町であるために、象徴的に重要である。

水曜日に発表された軍の声明によると、軍はコットカイ周辺の丘で「激しい抵抗」に遭遇し、その東は占拠したという。諜報関係者2人の話によると、町の一部を制圧し、マフスードとフセインの家を破壊したと述べた。しかしアッバス報道官はこれを否定し、まだ町の中で大きな戦いは開始していないという。

別の前線にいる治安部隊が、ハイスーラ村を制圧したと、軍が述べた。3人の兵士が犠牲となり、これで犠牲者数は16人となった。抵抗勢力側はさらに15人が死亡し、全体で105人の犠牲者を出したという。これらの声明の裏付けは取れていない(中略)。

水曜日に北ワジリスタンのスパラガ村がミサイルで攻撃された。諜報関係者2人の話によると、抵抗勢力2人が死亡したという。

アメリカはこれまでも南北ワジリスタンを攻撃しているが、今回の攻撃は非常にデリケートなものである。今回は軍と、戦いに関与しないことを約束したハーフィズ・グル・バハドゥールが支配する地域が、攻撃されたからだ(中略)。

ミサイル攻撃により、バハドゥールと軍の取り引きに、支障がきたす恐れがある(中略)。ミランシャーにいる『AP』のカメラマンが、この攻撃で負傷した2人の少女の写真を撮った。少女の父親が、子供たちがスパラーガの家の庭で遊んでいたところ、攻撃で飛んできた流れ弾で負傷したという(後略)。

hoonMissile strike could complicate Pakistan battle
HUSSAIN AFZAL and NAHAL TOOSI、PARACHINAR

■パキスタンの大学で2件の自爆攻撃[091020 AFP]

火曜日にパキスタンの首都にある大学のキャンバスで2件の自爆攻撃があり、5人が殺害された。

イスラマバードの国際イスラミック大学で爆発があった(中略)。午後3時頃に世界最大規模のイスラーム大学で、男性教師の建物と女性のカフェテリアで爆発があった(中略)。「2つの攻撃で、自爆犯を含む7人が死亡し、29人が負傷した。犠牲者の中には、女性1人が含まれている」と、市の行政関係者ラナ・アクバル・ハヤートが述べた(後略)。

garrTwin suicide attack strikes Pakistan university
Nasir Jaffry、ISLAMABAD

■パキスタン、反米勢力と取り引き[091019 AP]

パキスタン軍は、反米部族民長老2人と取り引きを交わし、政府との戦いに参加させないようにしたと、関係者が月曜日に述べた。

(中略)3週間ほど前に交わされた取り引きで、モーラビ・ナジールとハーフィズ・グル・バハトゥールは、現在行なわれている南ワジリスタンの戦いには参加しないことになる。また軍が、自分たちの居住地を通過することも許すという。これと引き換えに軍は、ナジールとバハドゥールの支配地域に対するパトロールや空爆を緩和する。

(中略)軍報道官はこの取り引きを、両者が中立的な立場をとるという「認識」が交わされたと述べた。

(中略)アメリカはパキスタンの戦略に警戒心を持って対応し、標的選びに関してはほとんど語らなかった。国務省報道官のケリーは、このような取り引きに関しては何も聞いていないと述べ、戦略は驚きでもなく、心配するようなものでもないと述べた。

ハキムッラーの組織はパキスタン政府と軍に対する脅威であり、彼らが第一の標的になるのは当然だという(後略)。

hoonPakistan cuts deal with anti-American militants
ISHTIAQ MAHSUD and NAHAL TOOSI、DERA ISMAIL KHAN

■アメリカは誰の味方?[091019 News]

パキスタンの地上作戦が開始される直前、米軍主導NATO軍が、国境のアフガン側の検問所数十ヵ所から撤退した。これにより、アフガン人タリバンがパキスタン側に入り、パキスタンの治安軍を攻撃してくる可能性が出てきた。

南ワジリスタンの作戦計画に関与している北西辺境州政府と軍関係者によると、アメリカ人たちは軍事作戦が実施する5日前に、8つの検問所から撤退した。これらのうちザンバリとヌルハを含む4つが、南ワジリスタンに近い。またヌーリスタンの4つの検問所からも、撤退した。

さらに北ワジリスタンに近い地域からも撤退したために、アフガン人タリバン戦闘員が、パキスタン側に入ってくることになる。政府や軍関係者は、アメリカ人の意図に首をかしげている。

(中略)パキスタンの諜報組織が傍受した通信によると、ヌーリスタンのタリバン司令官のカリ・ジアウル・レーマンが、バイトゥッラー・マフスードの元副官であるモーラビ・ファキール・ムハンマドをヌーリスタンに招き、ワジリスタンで活動がしづらくなっている場合、ヌーリスタンに拠点を移すことを提案した。

アメリカ人たちがパキスタンとの国境付近から撤退することで、抵抗勢力にとって逃走路を提供することにもなる。さらにアフガン人タリバンもパキスタンに入り、アルカイダが支援する地元タリバンや外国人戦闘員とともに、軍と対戦することになる。

オブザーバーの中には、アメリカはアフガニスタンにいる自分たちの軍隊が標的にならないように、抵抗勢力の関心をパキスタン側に向けようとしていると見る者もいる(後略)。

hoonOn whose side is US anyway?
Qudssia Akhlaque、ISLAMABAD

■パキスタン、「タリバンの拠点に侵入」[091019 BBC]

パキスタン軍によると、南ワジリスタン奥深くに侵入した。

戦いは3日目を迎え、軍は山岳部の高台を確保したという。兵士9人と抵抗勢力79人が死亡したというが、裏付けはとれていない。10万人が、避難している。

タリバンは戦闘員を1人も失っていないと主張し、軍が主張している、9人以上の兵士を殺害したと述べた。住民によると、戦闘が始まって以来、数十人が死亡しているという。

軍はアフガニスタンとの国境近くに5つの基地を設置し、タリバンを包囲しようとしている。

(中略)今のところ、こう着状態が続いている。軍は重火器や空からの援護を受けながら、地上軍を進めようとしている。抵抗勢力は軍が入ろうとしている地域で防備しているが、ゲリラ戦に転じると見られている。

ティアルザ地区へと向かう南西部のシェールワンガイとマンデーナに、検問所や補給物資のデポ地が確保された。

治安部隊はワナ、セルヴァカイ、マンザイ、ジャンドーラ、ラズマックの抵抗勢力の位置を攻撃するために、大砲を使用している。

現在のところ、軍はジャンドーラ〜サラローガ間の道路を前進し、シェールワーム、トルグンダイ、コットカイを確保しようとしている。軍が爆発物の貯蔵された洞窟を爆破したと、報告されている。

マキーン、ナワーズコット、スピンカマール、ハイソーラを、ジェット戦闘機が攻撃した。

いっぽう軍は、アフガニスタンに通じるインガルマール山脈を確保したという。抵抗勢力の補給線を妨害し、アフガニスタンから物資が届かないようにする。

報告によると、タリバンは軍と戦うために、重火器を使用している(後略)。

hoonPakistan 'push into Taliban area'

■タリバン排除の骨の折れる仕事[091019 BBC]

パキスタン軍が、南ワジリスタンのタリバンに対して真剣なのは認めよう(中略)。しかしこの険しい山中を取り巻くさまざまな条件は、彼らにとって決定的だ。山岳隊や特殊部隊などの専門的な連隊が、重要になってくる。

「最終的には地形と気候だ」と、この地域の政府関係者が述べた。「作戦のタイミングは最高の時期ではなく、軍は雪が降る前に、作戦を終えなければならない」。

現在のところ、重火器や空からの力に援護された地上軍が、タリバンを追い詰めようとしている。抵抗勢力たちは、軍が入ってくる地域で守備を固めている。

しかし、一度軍がマフスード族の支配地域に入ってきたら、彼らは伝統的なゲリラ戦に転じると思われる。ここが抵抗運動の中心となり、作戦の運命もここで決まる。

今のことろ、まだ低地で戦いが行なわれている。しかし、今後いかに山中や森林の中で戦うかが、作戦の成功を左右する。

「山岳部隊や特殊部隊が重要だ」と、元軍関係者が述べた。「抵抗勢力が撤退して防備に入る前に、これらの軍を森林や山中に配置しなければならない」。空から攻撃することで、抵抗勢力は丘の方向に向かわざるを得なくなる。「その後撤退し、彼らの得意なゲリラ線に入る」。

彼によると、8週間でこの戦いを終わらせるためには、特殊部隊を事前に配置することが致命的だという。「軍がこの戦術を使用しなければ、戦いは数年間続くことになるだろう」。

しかし軍が目的を達成したとしても、戦いは半分終わったにすぎない。自治権のない部族地帯を、パキスタンの国土に組み入れる時期がきた。「これを終えるまで、部族民たちの間では不満が残る」。「彼らは半世紀もの間、2級市民という意識を持ってきた」。

(中略)マフスード族の一般民たちは援助を求めているが、地元政府の共感を得られないでいる。中には自業自得と見る関係者もいる。「これは非常に危険な状況だ」と、地元援助活動家が述べた。「もし爆発すれば、パキスタン中に自爆者や過激派がうろつくことになる」(後略)。

hoonTough task of vanquishing Taliban
Syed Shoaib Hasan、Dera Ismail Khan

■パキスタン、タリバン指導者を攻撃[091019 AP]

パキスタンは月曜日にタリバンの指導者を標的にすることを誓い、抵抗勢力78人を殺害したと主張したあと、彼らの拠点の町の郊外に集結した。

(中略)地上軍がハキームッラーの生まれた町であるコットカイ郊外の西部、東部、北西部に集結し、襲撃の準備をしている。「標的は首脳陣だ。彼らをつかまえる」と、軍報道官のアサール・アッバスが述べた。

「軍は、コットカイを見下ろす高台を占拠した。コットカイは、自爆指導者であるカリ・フセインの故郷である」と述べ、シェールワンギで「強く抵抗」されているという。

軍は、火曜日までにコットカイを確保するという。抵抗勢力は道路に簡易爆弾を設置しており、軍をこれにおびき出そうとしている。「最大の障害は、簡易爆弾だ。簡易爆弾を排除するために、兵士たちを先に送り出した」(後略)。

hoonPakistan swoops on Taliban leadership
S.H. Khan、PESHAWAR

■パキスタンで新たな戦闘開始[091019 Asia Times]

(前略)ハキムッラー・マフスードは、マフスード族の地域の防衛を、最低限のことで留める戦略をとっている。彼の目的は、都市部の治安部隊を混乱させることだ(中略)。

マフスード族の居住地には最低限の人間が残り、激しく抵抗している。都市部でTTPはパンジャーブ人の協力を得て、先日実施されたラワルピンディの攻撃のような、用意周到の攻撃を実施予定だ。

(中略)この事件に関して抵抗勢力の電話などを傍受した治安部隊の記録によると、抵抗勢力はラワルピンディの陸軍本部に崩れた塀があることに気づいた。従って、治安部隊関係者を正面玄関に引き止め、裏側の崩れた壁から10人を中に送り込んだ。内部に協力者もいた。

犯人たちは捕虜をとり、要求を提示した。確認されてはいないが、ある報告によると、捕虜たちが釈放される前に、過激派たちの要求に従って6人の囚人が釈放されたという。

(中略)スワートのタリバンたちが、再結成している様子がある。補給路が雪で遮断されるころ、タリバンたちはスワートで失った地域を全て取り戻す可能性がある。

軍は南ワジリスタンに入ることで、大きな賭けをしている(後略)。

hoonA new battle begins in Pakistan
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2009.