【2009年12月28日〜2010年1月3日】


■パキスタンで自爆、バレーポールの試合で数十人死亡[100103 BBC]

パキスタン北西部でバレーボールの試合が行なわれている所で自爆があり、少なくとも88人が死亡したと、地元警察が発表した。

警察責任者のアユーブ・ハーンによと、犯人は試合の観戦者が集った競技場に車で乗り付け、強力な爆弾を爆発させた。

事件は、南北ワジリスタンに近いラッキ・マルワートの近くで起きた。

(中略)「村人が2村の対抗試合を観戦していたところ、犯人がダブルキャビンで乗りつけ、自爆した」と、地域警察責任者のアユーブ・ハーンが述べた。「毎日、バレーボールの試合が行なわれている」。「今日はみんなで集まり、バレーボールの試合を見ていた。突然パジェロが競技場の真ん中に侵入してきて自爆した」。

ハーンが報道陣に、地元の人間が過激派たちを追い払おうとしていることに対する報復だと述べた。「この地域は抵抗勢力の温床になっている」。「地元の人間が民兵隊を組織して、過激派を追い払おうとしている。攻撃はこれに対する報復だ」。

報告によると、犠牲者の中には地元の和平委員会のメンバーがいて、暴力沙汰に終止符をうつためのキャンペーンを率いていたという。この組織のメンバーであるムスタク・マルワートが語ったところによると、近くのモスクで話し合いが行なわれている最中だった(後略)。

garrPakistan suicide bomb kills scores at volleyball match

■タリバン幹部、大晦日のミサイル攻撃で死亡[100102 Long War Journal]

2009年の大晦日に、アメリカが北ワジリスタンのミールアリをミサイルで攻撃し、タリバン幹部指導者を殺害した。

南ワジリスタンのタリバン幹部司令官ハッジ・オマルが、2009年12月31日に、マチ・ヘールにある隠れ家がミサイルで攻撃されて死亡したと、家族が語った。遺体は、南ワジリスタンにある故郷の村に運ばれた。

この大晦日の攻撃で、この隠れ家の持ち主だった部族民指導者であるカリム・ハーンも死亡した。

米諜報関係者に接触したところ、ハッジ・オマルの死を肯定も否定もしなかったが、ある関係者によると、彼が標的となっていたことを認めた。

アメリカは以前2008年10月26日にもハッジ・オマルを標的とした。このときに死亡したと噂されていたが、裏付けはとれていなかった。

ハッジ・オマルは、パキスタン軍が南ワジリスタンでの作戦を開始するまでは、シャカイを拠点としていた。一行は、北ワジリスタンに避難していた。政府と北ワジリスタンのタリバンは、南ワジリスタンから避難するタリバンを匿わないとする協定を結んでいたにもかかわらず、オマルの一味は匿われていた。

ハッジ・オマルは南ワジリスタンのシャカイを拠点としていた。1980年代にバグラムとカブールで、ソ連軍と戦ったことで、名声を得た。ソ連撤退後は、アフガニスタンからパキスタンに移った。1996年にオマル師が政権の座に就くと、再びアフガニスタンに戻った。カンダハルに住み、アフガン人の妻をめとった。アメリカのアフガニスタン侵攻後は南ワジリスタンに戻り、パキスタン人タリバンの育成についた(後略)。

ohSenior Taliban leader reported killed in New Year's Eve strike
BILL ROGGIO

■パキスタンタリバン、CIA攻撃に対して犯行声明[100102 AP]

パキスタン人タリバンが金曜日、CIAを裏切った工作員が、ミサイル攻撃で殺害された抵抗勢力責任者の復讐のために、アフガニスタンにいるCIA職員を攻撃し、7人を殺害したと述べた。

この声明の裏付けを取ることは不可能であるために、その真偽はわからない(中略)。

CIA報道官のジョージ・リトルも、この声明に対する真偽を確認していない。「この攻撃に関しては、わからないことがまだたくさんある。しかし、これだけは明らかだ。対テロ作戦に従事するというCIAの決意は、これまで以上に強くなっている」と述べた。

(中略)パキスタン人タリバンの幹部司令官のカリ・フセインが、抵抗勢力は、アフガニスタンからミサイル攻撃を行なっているCIAに打撃を与える方法を探していたという。

フセインが、「CIA工作員」がパキスタン人タリバン司令官に接触してきて、抵抗勢力を捕まえる訓練をCIAから受けたが、抵抗勢力のために米諜報組織を攻撃したいと述べたと語った。彼はこの「工作員」の国籍に関しては、語らなかった。

「我々は彼を訓練し、コースト空軍基地に送り返した。この男が、以前自分の仲間だった標的を攻撃することに、成功した」。

フセインは、彼に会いにでかけた『AP』の記者のインタビューに応じた(後略)。

hoonPakistan Taliban claims it carried out CIA attack
RASOOL DAWAR、MIR ALI

■アフガニスタンで攻撃されたCIA基地、アルカイダやタリバンに対して空爆実施[100101 Washington Post]

今週アフガニスタンで自爆攻撃を受けたCIA基地は、CIAの遠隔操作による無人偵察機の極秘攻撃プログラムの中心だったと、組織に詳しい関係者が述べた。

服の下に爆発ベルトを着用した犯人が情報提供者になることを申し出たために、この小さな基地内に入ることを許されたと、2人の元CIA関係者が述べた。CIAはコメントを拒否しているが、この地域にいるアルカイダやタリバン指導者に対して空爆を実施することに協力しているために、基地が攻撃されたかどうかは明らかではない。

水曜日にコーストで起きた爆発で、基地の責任者を含むCIA関係者や請負会社の人間7人が死亡し、6人が重傷を負った(中略)。

CIAは、木曜日にも無人偵察機による攻撃を続けた。パキスタンの治安関係者によると、その日遅く、北ワジリスタンが無人偵察機によるミサイル攻撃を受け、抵抗勢力2人が死亡した。関係者によると、このミサイル攻撃では、TTPと関係のある男の自宅が破壊された。

(中略)攻撃されたチャップマン前哨基地にいた米国人たちは、無人偵察機の標的となるアルカイダやタリバンを選び出す任務についていたと、この基地を訪れたことがある元諜報関係者が述べた。無人偵察機自体はアフガニスタンとパキスタンにある、別の基地から離陸する。抵抗活動が盛んな地域に位置するために、この基地では情報提供者を雇ったり情報を聞き出す仕事を行なっていたという。地元のアフガン人が質問を受けるために基地を出入りすることは、珍しいことではなかった。

「何が起きたのか、まだすべてが明らかになったわけではない。まだ事実がすべて明らかになっていない」と、CIA報道官のジョージ・リトルが述べた。「学ぶべきことは、対テロ活動は危険だということだ」。

タリバン報道官が木曜日の攻撃に対して犯行声明を出し、犯人はアメリカを攻撃するために抵抗勢力の一員となった、アフガン軍関係者だという。しかし米軍関係者によると、アフガン軍は、この基地には駐屯しないという。

アフガニスタンにある前哨基地は、警備を地元民にゆだねている。しかし抵抗勢力は、アフガン治安部隊やアメリカの施設を警備するために雇われた民間会社の中に入り込んでいる。CIA関係者は、この基地を誰が警備していたかは、明らかにしていない。

(中略)チャップマン前哨基地は元アフガン軍施設で、2001年以来、タリバンに対する軍事作戦を実施する際、アメリカとアフガン治安軍が共に使用していた。最近は諜報情報収集機能を付加して、米諜報関係者が滞在していた。近くにある米軍のサレルノ前哨基地とは、切り離されている。

コーストにいるアフガン人文民関係者によると、水曜日の攻撃以来、チャップマンで何が起きているかはわからないという。当日休暇を取っていた基地で仕事をするアフガン人通訳は、中に入ることを許されていない。

カブールのアフガン国軍報道官は、コーストの攻撃が軍関係者による犯行であることを否定したが、その可能性は否定できないために、アフガニスタンとパキスタンでは、軍関係者を信頼できるかが大きな問題となっている(後略)。

hoonCIA base attacked in Afghanistan supported airstrikes against al-Qaeda, Taliban
Joby Warrick and Pamela Constable

■米ミサイル攻撃でパキスタン3人死亡[100101 AFP]

北ワジリスタンで、2日にわたって米無人偵察機によるミサイル攻撃があり、抵抗勢力3人が殺害されたと、治安関係者が述べた。

(中略)無人偵察機が早朝、グンディカラ村で抵抗勢力が乗っていた車を攻撃した。「米無人偵察機がミサイル2発を車に向かって発射し、抵抗勢力3人が殺害された」と、治安関係者幹部が述べた。「抵抗勢力の身元は明らかではなく、重要人物がいたかどうかはわからない」という。別の関係者も攻撃や犠牲者数を確認した。「ミサイル攻撃のあと、車が火だるまになるのを目撃した」と、地元部族民が述べた。「抵抗勢力が車を包囲したために、車に近づくことができなかった。後に遺体が運ばれていった」(後略)。

hoonUS missile strike kills three in Pakistan
Hasbanullah Khan、MIRANSHAH

■北西パキスタンで米ミサイル、3人を殺害[100101 AP]

金曜日にパキスタンの部族地帯で、米ミサイルが抵抗勢力が乗った車を攻撃し、3人が死亡した。1日もたたない間に、2度目の攻撃である。

(中略)ミサイル攻撃は、両方とも北ワジリスタンで起きた(中略)。金曜日の攻撃は、ミールアリの近くで実施された。

金曜日の攻撃の直後、タリバンがグンディ村に集まり、遺体をどこかに持ち去ったという。

(中略)金曜日にはバジョールで簡易爆弾が爆発し、親政府系部族民長老とその家族5人が殺害された(後略)。

hoonAlleged US missile kills 3 in NW Pakistan
RASOOL DAWAR、MIR ALI

■北ワジリスタンで米空爆、4人殺害[091231 Long War Journal]

アメリカの空爆により、北ワジリスタンで4人が殺害された。

無人偵察機かリーパー機による攻撃で、北ワジリスタンのミール・アリ近くのマチ・ヘールにあるタリバンの隠れ家が攻撃された。ヘルファイア・ミサイル2発が撃ち込まれたという。

「米無人偵察機がミサイル2発を撃ち込み、地元部族民カリーム・ハーン所有の建物に命中した。4人が死亡し、2人が負傷した」と、パキスタン治安関係者幹部が『AFP』に語った。アルカイダやタリバン幹部が殺害されたという報告はない。

ミール・アリの町は、アルカイダ指導者のアブ・カシャ・アル・イラキの拠点とされる。イラキはイラク国籍の男で、アブ・アカシュと呼ばれている。タリバンやハッカーニの組織と関係している。ハッカーニとハーフィズ・グル・バハダールも、ミール・アリに影響力を振るっている。

アブ・アカシュは、アルカイダのシューラ・マジリスまたは特別議会とタリバンの仲介役を担っているという。彼はアルカイダが欧米で活動するために、さまざまな便宜を計っているといわれている(後略)。

hoonUS kills 4 in North Waziristan airstrike
BILL ROGGIO

■警察、パキスタン人タリバン幹部司令官逮捕[091231 AP]

関係者がパンジャーブ州でタリバン組織を率いていたパキスタン人タリバン司令官を逮捕したと、警察が木曜日に発表した。

(中略)ハリル・ウラーの逮捕が木曜日に発表された。ラホールのマーケット爆弾事件の首謀者だという。12月7日のこの事件で、49人が死亡した。どこでウラーが逮捕されたかは、明らかにされていない。

(中略)木曜日に南ワジリスタンで、兵士たちが過激派が使用する病院の捜索を行ない、外国人戦闘員5人を殺害したと、諜報関係者が述べた。このほかに27人が逮捕され、そのうちの10人は銃撃戦で負傷しているという。軍側の犠牲者数に関しては、明らかにされていない(後略)。

hoonPolice arrest senior Pakistani Taliban commander
BABAR DOGAR、LAHORE

■CIA関係者、アフガンの爆弾攻撃で死亡[091231 BBC]

米国人CIA関係者8人が、アフガニスタンで爆弾攻撃により死亡した。2001年以来、米諜報関係者にとっては、最悪の犠牲者数である。

爆発ベストを着用した自爆者が、コースト州のチャッブマン前哨基地に侵入した。

タリバン報道官によると、アフガン軍関係者が、攻撃を実施したという。

これとは別にカンダハルでは、簡易爆弾によりカナダ兵4人と同行していたジャーナリストが死亡した。カナダ軍にとっても、最悪の事態である。

タリバン報道官によると、水曜日にチャップマン基地で攻撃を実施した過激派は、アフガン兵だったという。

今回の攻撃で特徴的なのは、自爆犯が基地内で爆発物を爆発できたことである。過去においては、仕事を求めて列を成していたアフガン人労働者が狙われてきた。

CIAは最近アフガニスタンでの活動をこれまで以上に行ない、麻薬密売に対処するために、対テロ活動に従事している。パキスタンの部族地帯では、無人偵察機を用いて空爆を行なっている。

ザビブッラー・マジッドが語ったところによると、犯人は制服を着用して基地に入り込み、ジムで爆発物を爆発させたという。

ある米関係者によると、米国人犠牲者の全員とは言えなくともほとんどが、CIA工作員か請負者だったという。CIAやペンタゴンは、これを認めていない。さらに米国人6人が負傷したと報告されている。報告によると、この基地は州再建計画のために使用し、兵士や文民関係者が駐屯していた。

基地は「正規外」のものと説明されており、これは、ホースト州のCIAの拠点であることを示しているという。

(中略)ISAF報道官によると、「米軍やISAF軍関係者は今回の事件で殺害または負傷していない」という(後略)。

hoonUS CIA officers killed in Afghanistan bomb attack

■パキスタン軍、手配中の過激派殺害[091229 AFP]

パキスタン軍が火曜日に、スワートにおける捜索活動で、タリバン司令官で爆発物の専門官を殺害したと発表した。

「治安軍がチャルバガーの近くで捜索活動を実施し、テロリスト司令官だったアブ・ザールを殺害した」と、軍報道官が述べた。彼は爆発物の専門家で、治安軍に対する数々の攻撃を計画した。「この他に武器を持ったテロリスト2人が逮捕された」。

治安関係者によると、ザールはスワートの「テロの象徴」で、警察官や軍関係者多数を殺害してきたという。

(中略)月曜日にはカイバル部族地帯で、抵抗勢力がバラの近くの電話交換所を爆破した。「ラシュカレ・イスラミ関係者の仕業だ」と、行政官のサイールッラー・ハーンが述べた。この電話交換所は、すでに2ヵ月前から機能していなかった。

さらにカールの近くのマーケットでは、過激派が地元部族民警察官を射殺した。

またバジョールでは、過激派が新政府系部族民長老のマリーク・ヒクマート・ハーンに発砲し、負傷させた。

hoonPakistan troops kill wanted militant: army
PESHAWAR

■カラチのシーア派の行進を狙って爆弾攻撃[091228 BBC]

カラチでシーア派ムスリムの行進が自爆攻撃を受け、少なくとも30人が死亡、数十人が負傷した。

犯人たちは、数万人が集結して行進している所に歩いていき、自爆した。爆発のあと、行進者たちの間で暴動が起きて、救急車や治安部隊、ジャーナリストたちに怒りを爆発させた(後略)。

hoonBomb attack on Shia march in Pakistani city of Karachi

■北ワジリスタンの無人偵察による攻撃の犠牲者、14人に[091228 News]

土曜日の北ワジリスタンのサイドガイ村に対する米無人偵察機による攻撃の犠牲者数は、14人にのぼった。

タリバンの情報源によると、6人が即死し、12人が重傷を負ったという。無人偵察機がアフガニスタンのホーストの近くにある村に、ミサイル2発を撃ち込んだ。

抵抗勢力たちは全員地元の戦闘員で、攻撃当時夕食を食べていた。犠牲者の中にはバヌーから来た者もおり、他の者たちは北ワジリスタン各地の村の出身者だった。

ジャニヘールでは、タリバンがラズマック軍事学校の学生たちを拉致して南ワジリスタンに連れて行ったために、軍事作戦が実施された。学生たちは後に解放されたが、ジャニヘールの作戦は何の成果もないまま終了した(後略)。

hoonNorth Waziristan drone attack death toll rises to 14
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタンの衝突で15人死亡[091228 AFP]

月曜日にタリバンと部族民民兵団との間で衝突があり、15人が死亡した。

タリバンが、ストゥーリヘールの反タリバン民兵団の家や避難壕を攻撃したために、衝突が発生した。

治安関係者によると、タリバンが対立する民兵団の家屋数軒を破壊し、9人を殺害した。「部族民長老のマリーク・シャリーフも殺害し、彼の家を占拠した」と、ある関係者が述べた。「民兵団9人とタリバン6人が殺害されたと報告されている。戦いはまだ続いている」という(中略)。「両方に犠牲者が出た。銃撃戦がまだ続いている。両方とも重火器を使用している」と、ハングの諜報関係者が述べた(後略)。

hoonPakistan clashes kill 15: officials
PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2010.