こうしてひとところに集めてみると……

わが密偵犬は、“怪しい”ところをくんくん嗅ぎ回るのが好きだ。おかげで、ここに集まった情報も、心温まる話題なんて、ひとつもない。まあ、もともとどのメディアを見ても、パキスタンについて好意的な記事など、ほとんどないのだが。おまけに、密偵犬が見ているサイトのなかには、インドの元情報局の人間が書いている記事なんかもあって、パキスタンに対して辛辣な見方と表現をしている。パキスタンを知らない人がこれを初めて見たら、きっと、なんてひどい国だと思うに違いない。なんだかパキスタンのためにならないことをしているような、後ろめたさがある。しかしまあ、ここを覗く物好きは、きっとパキスタン大好き人間ばかりだよね。いまのところ、あえて弁解・説明したりしないでおきます。(03.04.26)


なんでこんなサイトを開設しちゃったのか

2001年の9.11を、パキスタンのチトラルで迎えました。このとき痛感させられたのは、現地にいると、世界情勢についての情報がなかなか入ってこないということ。もう少し粘れなくもなかったのに途中で予定を切り上げて早々に帰国してしまった背景には、いよいよ民間機で脱出できなくなって自衛隊機で帰国させられるのはまっぴらだという気持ちと、これは単なる“事件”ではなく、もっと深いところからじっくりと事態の推移を見ておかねばだめだという思いがあったからです。イスラーム原理主義に対する自分の知識・認識不足も、もどかしくてなりませんでした。

帰国してみるとまあ予想どおり、日本のメディアがあまりにも表面的な取材で書いているのと、イスラームについての誤解や偏見に満ちていることに呆れました。しかしインターネットのニュースサイトやデータベースを見ると、欧米はもちろん、アラブ系やパキスタンの現地メディアがけっこう頑張っている。気が遠くなるほどの膨大な情報が着々と蓄積されていき、見る目とやる気さえあれば、いくらでも利用することができます。

残念ながら、英語が苦手な私にはとうていこれらの情報は利用できません。いくら毎日一生懸命読んでも追いつかないし、それだけで人生が終わってしまう。そこで、インド育ちのわが家の密偵犬をインターネットに派遣しておもしろそうな情報を集めてこさせ、要約と翻訳をしてもらうことにしました。おかげで、9.11から今回のイラク侵攻に続く一連の流れを、別の視点から見つめることができたように思います。

このサイトは、こうして毎日密偵犬から届く報告のメールのなかから、パキスタンとアフガニスタンに関するニュースの要約を集めたものです。毎日長時間インターネットを嗅ぎ回り、翻訳の手間もかなりかけているのに、私がひとりで読んでいるのはあまりにももったいない。パキスタンやアフガニスタンに関心を持っている人にときどき見ていただければ、わが密偵犬の努力も少しは報われるのではないかと考えました。

あくまでも私のために要約・翻訳してくれたものをそのまま載せてしまいますので、情報としての信頼性はあまり高くありません。あくまでも参考程度のものとお考えください。あまり手間をかけても仕方がないので、編集作業も必要最低限にさせてもらいます。思ったよりもかなりの手間になってしまいそうなので、いつまで続けられるかわかりませんが、お役立ていただければ幸いです。(密偵犬の飼い主より、ひとこと/03.04.26)