【2003年10月27日〜11月02日】
■アフガン人家族8人、空襲で死亡[031102 Reuters]
●ヌーリスタン州で、民家が空爆され、アフガン人の一家8人が死亡した。
●金曜日の犠牲者8人は、Vigol地区のArsent村の部族長Ghulam Rabbaniの親戚だったと、ヌーリスタン警察長官のGhulamullah Nooristaniがカブールにいる『ロイター』に述べた。「犠牲者の数はまだはっきりしないが、今のところ把握しているのは、Rabbaniの家にいた8人だ。全員、空爆を受けて死亡した」という。誰が攻撃をしたのかは明らかにされなかったが、アフガニスタンの空域を支配しているのは米空軍であるため、米軍が急襲をしたと思われる。
●空襲のあったArsent村はクナール州の山々に近く、タリバンやアルカイダが隠れているといわれる。Rabbaniは現在クナール州知事で、ジャマアティ・イスラム派に属し、対ソ戦で活躍した。アメリカはこの件について、何も発表してない。
Eight from Afghan family die in air raid-official
KABUL
■トルコ、誘拐された技師を捜査[031102 AP]
●アフガンと同盟軍は日曜日に、誘拐されたトルコ人技師の捜索を始めた。犯人たちは、18人のタリバン囚人を釈放しないかぎり殺害する、と脅迫している。
●タリバンのスポークスマンは、囚人が釈放されないかぎり、トルコ人技師Hasan Onalを日曜日の夜に殺害すると述べていたが、期限がすぎてもまだ何も動きがない。トルコの外務大臣が、期限が延期されたと述べたと、『アナトリア・ニュースエージェンシー』が発表した。
●ガズニ州知事のAsadullah Khanは、「タリバンと取り引きはしたくない。取り引きをしなくても、タリバンはトルコ人技師を釈放すると確信している」と『AP』に述べた。トルコ外務大臣のAbdullah Gulは、「彼に危害が与えられないと信じる要素がある」と述べた。
●釈放を要求されている18人の囚人の中には、タリバン高官のSyed Muhammed Shahid Khailaがいる。
Troops Seek Engineer Held in Afghanistan
By NOOR KHAN、KANDAHAR
■アフガンの衝突で43人死亡[031102 Daily Times]
●ヘルマンド州で、アフガン警察と前軍司令官が衝突し、40人ほどが死亡したと土曜日、『Bakhtarニューズエージェンシー』が発表した。衝突は金曜日の午後、警察が前軍司令官Haji Idreesのコンボイを通常の検問でを止めようとしたが、これに抵抗したために銃撃戦となったという。
●Bakhtarによると、Idreesとその副官も死亡したという。この他に女性3人と12人の一般市民が戦いに巻き込まれた模様。
●これより先に、『Afghan Islamic Press(AIP)』は、戦闘は二つの親政府軍グループを巻き込み、25人が死亡したとしている。『Bakhtar』によると、店舗も破壊され、一般市民にけが人が発生したらしい。Greshekはカブールの480キロ南西部にある。
●『AIP』によると、クエッタにたどり着いた旅行者から聞いた話として、45人がこの戦いで死亡した可能性があるという。米軍も現場に急行したというが、詳細は不明。
43 killed in Afghan clashes
KABUL
■アフガン軍と警察が衝突、10人死亡[031101 AP]
●アフガニスタン南部でアフガン軍兵士と警察が衝突、兵士2人と警察官8人が殺害された。米軍のヘリコプターが介入したという。
●匿名を希望するあるアフガン兵高官は、この他に、女性3人と男性6人も殺害されたという。この情報は確認されていない。なぜ衝突が起きたのかは、明らかになってない。
●戦闘は5時間続き、カンダハル西部のGeriesh地方の住宅街で、ロケット弾や重機関銃が発砲された。
●警察長官のHaji Abdul Qadoosが『AP』に語ったところによると、ロケット弾は地元の兵士たちが発砲し、警察本部に命中。警察官6人が死亡したという。全部で8人の警察官が死亡し、17人が兵士たちによって連れ去られたという。
●地元のアフガン軍高官は、Gerieshの状況はまだ緊張しており、政府関係者が地元の軍と警察との間で調停に入っていると述べた。死亡したアフガン軍兵士の中には、司令官のIdreesがいたという。彼はヘルマンド州で、米主導同盟軍とともに、タリバンとアルカイダ残党を探し出す捜査に加わっていた。
●アフガニスタンでは、軍と警察との間の衝突が頻繁している。
●いっぽう金曜日に、アフガニスタン北部のサリプール州のコーヒスタニ地域で、ドスタム将軍とアタの兵士の間で小競り合いがあり、ロケット弾やカラシニコフが発砲された。
10 Killed in Afghan Army-Police Clash
By NOOR KHAN、KANDAHAR
■北部の衝突で再び5人死亡[031101 Reuters]
●金曜日に、アフガニスタン北部のサリプール州で、ドスタム将軍とアタの軍隊が衝突し、激しい戦闘の結果、5人が死亡した。ドスタムの兵士が、戦いを始めたという。
●これとは別に、ヘルマンド州で、アフガン兵3人と警察官2人が死亡した。ヘルマンド州警察によると、金曜日に軍の車輌が通常の検問を受けるために停止しなかっために、警察が発砲し、銃撃戦となったという。
Five killed in fresh faction clash in Afghan north
MAZAR-I-SHARIF
■ガンマン、トルコ人を誘拐[031101 Reuters]
●アルカイダかタリバンのガンマンが、アメリカが建設している道路プロジェクトで働いていたトルコ人技師を誘拐し、6人の囚人の釈放を求めている。
●木曜日に、ザーブル州のShah Joy地方を移動していたトルコ人技師Hassan Onalとアフガン人運転手が、誘拐された。トルコのジョイントベンチャー会社、Gulsan/CukurovaがOnalの衛星電話に通信すると、アルカイダのメンバーと名乗る男が電話に出たという。Onalと運転手は目隠しされ、ある場所に連れて行かれたらしい。運転手は金曜日に釈放され、隣のガズニ州の政府関係者に対して、6人のタリバン戦士を釈放しなければ、Onalを殺害するという脅迫状を届けたと、あるアフガン高官が述べた。
●ある高官によると、この手紙には、釈放するべき6人のタリバンが特定されていたかどうかはわからない、という。また釈放の期限も明らかにされていなかったという。ガズニ政府はここ数ヵ月の間に、何人ものタリバンを逮捕している。なかには、前副教育大臣Mawlavi Shaheed Khelと最高諜報官Sadozaiがいる。
●ガズニ知事のHaji Assadullahはコメントを発していないが、彼は最近誘拐された自分の叔父と従兄弟と引き換えに、タリバンメンバーを釈放することを拒否している。Onalは、同じ犯人たちに捕らえられている可能性が高い。
Gunmen seize Turk from U.S.-funded Afghan road
By Mike Collett-White and Sayed Salahuddin、KABUL
■アルカイダ、アフガニスタンでの失敗を自省[031031 NBC]
●アルカイダ高官が初めて、これまでのアフガニスタンでのアメカとの戦争を省みて警備上のコミュニケーションを批判し、タリバンの一部の者が同盟軍に諜報情報を提供した結果、アルカイダ工作員とその家族の死亡を招いた、と述べた。
●現在のアルカイダの軍司令官SAIF AL-ADILは、2001年10月のある夜、米軍のミサイルが3回にわたって、もう少しで彼を殺害するところだったと述べた。この批判文は、「ジハードの声 (Sawt Jihad)」という雑誌に掲載され、その一部が今週サウジの権威ある新聞『Sharq al-Awsat』に掲載された。
●あるアメリカ高官は、諜報部はこの記事を検討して信憑性があると述べたが、いつ書かれたかは不明とのこと。別の高官は、al-Adilは「自分が軍事戦略家で思想家であるがごとく振る舞っている」と述べ、自分の責任であるとする批判は適切だと語った。
●戦争についての記述によると、テログループは、自分で自分たちの敗北を早めたという。Al-Adilは、衛星電話を無防備に用いたことと、「あるタリバンの要員」の裏切りにより、米軍は2001年の10月と11月にカンダハルで、「アラブ・アフガン」をピンポイント攻撃できたという。このとき、Mohammed Atef、別名Abu Hafsをはじめ、アルカイダ司令官数人とその家族が犠牲になった。
●これとは別に、カンダハルでの激しい攻撃を語った。「突然大きな爆発音が遠くで聞こえた。兄弟に電話で問い合わせたところ、カンダハルのAl Wafa Charity Foundationの建物がピンポイント攻撃されたことがわかった。これは衛星電話を使ったからで、Abdal Wahidが殺された」。
●夜明け前に、al-Adilと部下たちが食事の用意をしていて、「食事を終えるやいなや、頭上をミサイルが通過するのが聞こえ、家から100メートル先で爆発した。すぐに出発のようにをした。我々が狙われており、目標がもう一度定められ、命中するのを恐れたからだ」。2度目のミサイルは、すぐそばで爆発したが、自分は無事だったという。後に別のヘリコプターが、さらに近くにミサイルを発射した。ミサイルはAsimのそばに落ち、彼は負傷したという。
●アルカイダの家族の死については、警備を怠ったためと述べた。「飛行機が我々の車輌(すべてアルカイダのお気に入りの、トヨタカローラ)を追跡していた。兄弟が、村の方向に進む前にちょっと止まり、話をしていた。ヘリコプターがすぐに攻撃してきた」という。このとき、10人が殺された。うち3人がアルカイダメンバーで、5人が女性、2人が子供だったという。
Al-Qaida critiques its Afghan errors
By Charlene Gubash and Robert Windrem、CAIRO
■アフガンのアヘン商売、タリバンの武装化を助ける[031031 Reuters]
●タリバンゲリラはアフガニスタンのアヘン商人と取り引きし、武装資金を得ていると、Security Councilの外交官が金曜日に述べた。
●タリバンは麻薬売買人たちに通行税を掛け、その資金で武器を買っているという。今年アフガニスタンでは、アヘンが採れるケシ栽培が、かつてないほど広がっている。
●また最近タリバンとアルカイダは、国連の制裁を免れて資金を得る方法を生み出したという。公の銀行を使わず、密使や非合法の銀行を通して送金する方法だ。またビンラディンを中心に動いていた今までの方法ではなく、地方の司令官を通じて活動している。いまや、階層社会ではなくなったという。
Afghan opium trade helps Taliban rearm -UN envoy
By Irwin Arieff、UNITED NATIONS
■パキスタン、踏み外した政治家を黙らせる[031031 Asia Times]
●水曜日に、Alliance for the Restoration of Democracy(ARD)会長のハシュミ氏(Makhdoom Javed Hashmi)が、謀反を計画した罪で逮捕された。パキスタンの支配者たちは、必要ならば、拳を振り挙げることにしたらしい。
●野党、Pakistan Muslim League(Nawaz - PML-N) のリーダーでもあるハシュミ氏は、イスラマバードの自宅で警察に逮捕された。その数時間前、自宅でマスコミと会見し、自分が逮捕される可能性があることを話していた。以前、軍本部の高官が書いた手紙を、配布したからだ。この件に関しては、すでに「FBI、パキスタンを牛耳る[031004 Asia Times]」で報告した。
●ハシュミ氏は、これまで軍高官からいくつもの手紙を受け取っており、どれもムシャラフに対する不満が書かれていたと、述べていた。刑務所に行く準備ができているとも語っていた。彼は組織としての軍に反対するつもりはないが、軍を「議論の的」にした者に対して、反対するという。
●ハシュミ氏の逮捕の前に、Inter-Services Public Relations(ISPR) の情報大臣Sheikh Rashid Ahmedは、軍本部GHQから出された、軍のヘッダーのついた手紙は偽造されたものだと発表し、インドの諜報部の陰謀だと述べていた。しかし、「ムシャラフの軍、隊を乱す[030830 Asia Times]」の記事の根拠となった、同種の別の手紙では、軍高官が逮捕されたことが指摘され、これは結果的に真実であることが判明している。
●軍上層部の「目と耳」とよばれている「Military Intelligence(202)」に近い情報源によると、ここ数ヵ月間、政府の政策に関して満足してはいない者が多いという。特にムシャラフが大統領でありながら、軍の制服を着用していることが問題になっている。「Joint chiefs of staff committee」会長のGeneral Aziz Khanは、公にこれを非難し、軍服を着たまま政治に関わることはよくないと述べた。彼のコンメントは、ISPRが必死に阻止しようとしたにもかかわらず、活字になった。GHQのレターヘッドのついた手紙のコピーが軍幹部の間に出回り、その後、一般にも流出する羽目になった。手紙の信憑性が今ここでは問題なのではない。しかしハシュミ氏は逮捕され、軍は内部に不和があることを快く思ってないという事実が残った。
●いっぽう野党は、何らかの行動に出ようとしている。ハシュミ氏は、これまでも逮捕されている。シャリフ首相が更迭されたあと、賄賂を受け取った罪に問われた。そして刑務所にいながらにして、国会の議席を獲得している。この機を利用して、政治を混乱させようとする者たちが出てくることは確かだ。軍本部にとっても、不安な日々が続くだろう。
Pakistan silences out-of-step politician
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI
■ハシュミ氏、裁判に持ち込む[031031 The News]
●情報放送大臣のSheikh Rashid Ahmedは木曜日に、ARD会長のハシュミ氏(Javed Hashmi)は裁判を受けることになると述べた。ハシュミ氏は、既に自分が逮捕されることを知っていたという。
●内務大臣のFaisal Saleh Hayatは木曜日に、ハシュミ氏は軍を刺激した罪に問われたという。PTV(パキスタンテレビ)によると、ハシュミ氏は、軍からの手紙を偽造し、これを国内、国外メディアに公表した。このような行為は、パキスタン国民としてはあるまじきことで、軍に大きな打撃を与えると述べた。パキスタンの法律では、軍や司法に対して謀反を行なった場合、裁判で裁かれるという。
Hashmi to face trial: Rashid
RAWALPINDI
■野党、国会議員逮捕を非難[031030 BBC]
●Alliance for the Restoration of Democracy(ARD)会長で、Pakistan Muslim League(Nawaz)のリーダーであるハシュミ氏(Makhdoom Javed Hashmi)が水曜日の夜、軍を侮辱した罪で逮捕された。彼は、ムシャラフの「テロとの戦争」の政策を非難する手紙を軍関係者から受け取っていたと、以前主張していた。Hashmi氏は、ムシャラフを最も強く非難する立場をとる1人である。これに抗議して、野党は国会議事堂の前で、抗議行動を開始した。
●情報大臣のSheikh Rashid Ahmedが『ロイター』に語ったところによると、ハシュミ氏はパキスタン軍から出されたという手紙を偽造したという。公的には、「パキスタン軍のある人物を中傷し、反乱を起こさせようとした」罪に問われていると。
●先週発行されたパキスタンの新聞で、ハシュミ氏は、野党がパキスタン軍がイラク派兵を拒否したことを賞賛する手紙を、ある軍高官から受け取った、と報道された。手紙にはサインがされてないが、軍専用便箋に書かれ、ムシャラフが、アフガニスタンにおけるアメリカのキャンペーンを支持したことに対しても、非難を表明していたとされる。また1999年の無血クーデターや、カルギル問題について再捜査するよう、呼びかけていた。政府関係者は、ハシュミ氏はこの手紙を偽造し、インドに対するパキスタンの立場を悪くさせようとしているという。
●ムシャラフを支えるパキスタン政府は、たびたび野党とぶつかり、ムシャラフが民主主義を抑圧しようとしているとして、非難する。
Opposition condemns Pakistan arrest
■イギリス人「テロとの関係で逮捕」[031030 BBC]
●イギリスの外務省は、パキスタンでイギリス人がアルカイダと関係を持っていたとして逮捕されたという情報を、確認しているという。
●バーミンガム出身のTariq Mahmudがイスラマバードで、パキスタンとアメリカの諜報部員たちによって逮捕されたという。Mahmudはアフガニスタンで過ごした後、パキスタンに移ったといわれる。
●Mahmudはイギリスとパキスタン両方の国籍を持ち、Moazzam Beggの父親と関係があるといわれる。Beggもバーミンガム出身で、2002年2月にパキスタンで逮捕され、現在キューバの収容所にいる。
Briton 'arrested over terror links
■タリバン、アフガニスタンで力を増す[031030 Asia Times]
●タリバンは今、アフガニスタンの南部と南西部で勢力を増し、次のステップに突入しようとしている。現在、彼らはカンダハル、コシュト、ジャララバード、アサダバード、ガルデズ近くに待機している。
●タリバンの最高ジハード野戦司令官が『Asia Times』に語ったところによると、ここ数ヵ月間、多くの犠牲者を出しながらも、ゲリラ攻撃が続けられてきた。これにより、タリバンは2つの点で有利になった。
●まず、攻撃されたことでアフガン国軍の士気がくじかれ、今は守りの体制に入ってしまった。次に、一般大衆の支持が大きくなり、タリバンを支援するようになった。その結果、タリバンはクナール、ナンガハール、パクティア、パクティカの村々で、それぞれ自分たちの「政府」を確立したのだ。アフガニスタンの状況は、ソ連支配後、そして90年代初期のアフガニスタン共産主義時代と酷似してる。当時アフガン政府の支配は都市部だけに限られ、地方都市や村々は、ムジャヒディンの支配下にあったのだ。
●ナンガハールを例に挙げよう。国境のトルハムからジャララバードは、1時間もかからない。沿道には、何十という村があるが、どれもヘクマチアルが率いるHizb-i-Islami(HIA)戦士たちによって支配されている。Killa Shinwari村が彼らの本部となり、抵抗分子たちが毎日のように会議を開く。アフガン国軍はこの状況を知っているが、HIAとは協定を結び、どちらもこの境界線を越えないことにしている。同様な状況が、コシュトやカンダハルでも見られる。その結果、この地域で続いていた小競り合いはなくなり、抵抗分子は大きな攻撃をかけるために、入念な計画をたてる時間をかせいだ。
●数週間前、タリバンは前大臣でオマールの腹心であるMullah Jalilを含む使節団を、パキスタンに派遣した。パキスタン軍が南ワジリスタンで活動しているときに、Jalilの一行はカラチで密かに活動し、数百万ルピー(3万5000USドル) を共感者たちから集めた。この資金は、アフガニスタンの「支配者」たちの手に渡るよう、手配されたという。
●このように、都市部に比較的安全な隠れ家を持ち、パキスタン人であろうとアラブ人であろうと、「グローバル・ジハード団」たちは団結する。例えば、ベンガル人あるいはビルマ人といわれる有名なゲリラ戦士、Mullah Magrassiは、現在ジャララバードにおり、急襲や爆発物の取り扱い方法を教えるために、新人を訓練し始めたらしい。
●アフガン抵抗分子に近い情報源によると、都市部での戦いは、来年夏に始まる予定だという。厳しい、長い冬の間、ムジャヒディンたちは地下に潜り、洞窟に隠れ、そこから一連の自爆テロを行なう予定らしい。現在、まだこのジハード団の数は少ない。しかしベンガル、パキスタン、チェチェン、アラブ、アフガンのジハード隊員たちの数が増えることは、間違いなしだ。かれらの目標は都市部の外国人であり、これまでよりも、規模が大きく、被害も大きくなることは確かだ。
●米軍は、これらの動きに気づいている、と外交官筋は語る。しかしさらに軍隊の数を増やし、すべての都市部に基地を設営しないかぎり、対処の方法がないのだ。米軍の数はわずかだ。ほとんどがパキスタンの国境沿いにいる。しかし他の地域で、抵抗分子の力と影響力は確実に増大している。彼らは戦争の次の局面に移行しようとしており、その目標はひとつ。アフガンの地から、すべての外国兵力を追い払うことである。
Taliban raise the stakes in Afghanistan
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI
■投降を促すため、ワジール族出身者をワナ行政官に[031030 Daily Times]
●連邦政府は、南ワジリスタン、ワナの行政官として部族出身の高官を起用し、タリバンやアルカイダを匿った9人の容疑者を引き渡すよう、ワジール族長たちを説得させることにした。
●情報筋によると政府は月曜日に、これまでの行政官Anwar Ali Shahを部族民のRehmatullah Wazirと交代させ、部族民たちにパキスタン政府を信頼するように仕向けて、容疑者を引き渡そうと目論んだ。
●Rehmatullah Wazirの起用は、9人の容疑者の運命を気にする枝族たちの懸念を取り除くため、という。この人事異動の結果、ワジール枝族たちは引き渡しについて、以前より前向きになったといわれる。これまでは、長老たちのなかには逮捕を恐れ、ワナの行政官に会おうとしない者もあったらしい。Rehmatullahの起用により、部族民たちが行政側と話し合いを持つようになったことは、よい兆しと言える。「部族長たちと、土曜日か週明けに会うことになっている。そこで残りの容疑者の引き渡しについて、話し合う予定だ」とい。
●前行政官のAnwar Ali Shahは、ワナの行政官として3年間任務についていた。部族長たちによると、彼は非常に厳しく、部族民の慣習について何も知らなかったので、更迭してほしかったという。Shahは非難されるいわれなはいとし、この地域について詳しかったからこそ、行政官に任命されたのだ、と述べた。
●Rehmatullahは「私もワジール族だ。だから、人々の扱い方を知っている。部族長の多くは私のことを知っていし、部族の掟を破らないことがわかるだろう」と述べた。「部族民たちは、政府やパキスタンに忠実だ。しかし今回の件を見てもわかるように、部族地域での政策は時間がかかる。だから、部族民たちに充分時間を与えているのだ。彼らにもっと考えてほしいし、我々がどうしたいのか、わかってほしい」と述べた。
Waziri tribesman appointed to Wana administration to expedite surrender
By Iqbal Khattak、PESHAWAR
■ムタワキル、ダウードの関与をほのめかす[031030 Daily Times]
●アフガニスタンにいるムタワキルを3日間捜索した結果、ムタワキルはアフガニスタンにおけるダウードの活動の内容や、インド航空ハイジャック事件の際、数人のパキスタン高官がカンダハルにいたという事実を語ったと、Indian Express紙が発表したという。
●情報筋によると、ムタワキルの証言から、パキスタン組織が使用するハワラ・ルートのネットワークや、組織によって募集されたインド人について明らかになったという。さらにダウードがアフガニスタンにいくつかの財産や工場を持ち、当時タリバンが支配していたケシ栽培にもも関ってたという事実もわかったらしい。
●Indian Central Bureau of Investigation(CBI)は10月14日にムタワキルに接触し、カブールで会ったという。
Wakil hinted at Dawood's interests
NEW DELHI
■ワシントンのパシュトゥニスタン問題援助、問題視される[031029 Dawn]
●パキスタンがブッシュ政権に、アフガニスタンがパシュトゥニスタン問題を持ち出そうとしていることを阻むように要請したようだと、情報筋が『Dawn』に語った。
●「パキスタン人のなかには、パシュトゥニスタンを造ろうとする新しい動きの背後で、ワシントンが悪い影響を与えている、と考える者たちがいる」と、ワシントンをベースとしたイギリスのジャーナリストMartin Walkerがアメリカの新聞に書いている。
●情報筋によると、カブールで、ペシャワルやクエッタがアフガニスタンの一部に入っている地図ができているのを見て、パキスタンは不満を表わしているという。またWalker氏によると、アメリカはカルザイ大統領やKhan Abdul Wali Khanと話し合ったという。Khan Abdul Wali Khanの父親は、パシュトゥニスタンの考案者だ
●ワシントンの外交官筋は、アメリカはパシュトゥニスタン問題に関わることを否定しながらも、パキスタンの部族地帯にパシュトゥンナショナリズムが生まれていることに、反対はしていないという。「アメリカは、世俗的なナショナリストのイデオロギーは、パシュトゥン地域で強くなっている宗教政党の影響を、効果的に阻止する効果があると考えている」とワシントンの欧米外交官が述べた。
Washington help in Pukhtunistan issue sought
■タリバン、アルカイダからカネと“祝福”を受ける[031029 Christian Science Monitor]
●夕方になると、四輪駆動のトラックがワナのマーケットに止まる。カラシニコフを抱えた男たちが、米や油、野菜などをトラックに詰め込み、すぐに姿を消す。「毎週やってくる。誰のための買い物なのか、どこに運ばれていくのか、誰でも知っている」という。
●これらの部族民たちは、アルカイダ戦士のエージェントである。アルカイダのために、食料を調達にきたのだ。おそらく300人以上のアルカイダやタリバンが、地元の犯罪者や無職の若者たちを雇い、この地域にアメリカ軍に対する要塞を築いている。
●今月初めにBaghar村でパキスタン軍は、アルカイダやタリバンと大がかりな戦闘を展開した。8人を殺害、18人を逮捕した。しかし地元民によると、この作戦が始まる前、40人ほどのアルカイダ戦士たちが消えたという。
●ペシャワルのアナリストBukhar Shahは、「ワジリスタンはアルカイダやタリバン戦士にとって、天国だ。宗教的な部族民に保護され、山は絶好の隠れ家だ。生き延び、再組織するための資金もある。アメリカが成功するかどうかは、この部族地帯で成功するかどうかにかかっている」という。
《部族の要塞》
●この地域に侵入することは、非常に難しい。道らしい道はない。しかし地元民の援助が、アルカイダたちにとって何よりも強い味方だ。部族長は「オサマとその一団は、ヒーローだ。大事な客が。彼らは部族民に危害を加えることはない。何日か泊まり、去るときには1万から2万ルピー($175〜$350)置いていく」と、部族長のHaji Behram Khanは語る。
●パキスタンの諜報や警察と関係がある部族民によると、何百という戦士たちがこの部族地帯に隠れ、ここから町や、イランを経由して湾岸諸国に散ったという。そして約300人が、いまだにワジリスタンに留まり、アフガニスタンにいる米軍と戦っているという。「トラボラの後、彼らはいたる所にいた。赤いランドクルーザー、衛星電話、馬、ドルの札束など、ひと目で彼らだということがわかった。今は、地元民たちだけが、彼らを識別できる」。「今、彼らのランドクルーザーは、別の色に塗り替えられた。でも、地元民にはすぐにわかる。今では地元のエージェントも、ランドクルーザーを乗り回し、お金をたんまり持ち、うろうろしている」。
●地元民たちの間では、アルカイダの地元エージェントたちは、「パキスタン人アルカイダ」と呼ばれている。彼らは運動靴かスニーカーを履き、ショールを巻き、髪を伸ばしている。その存在は、地元の経済に恩恵を与えた。「膨大な量の武器と弾薬を持ち、武器が手に入る所では、常に店から武器を買っている」。その結果、物価が高騰した。カラシニコフの相場は100%、ロシア製の弾薬は、300%値上がった。
●部族地帯で武器の売買が増えるとともに、国境での戦いは激しくなった。「彼らは高価なワイヤレスホンを使い、国際通信に使うために、携帯コンピュータを町で使う。こうやって、山から米軍を攻撃するのだ」と、若い活動家、Dilawar Khanは言う。彼は装備のアクセサリーをセットアップしてあげたという。
●彼らは気前はいいが、恐れられてもいる。政府に情報を流した者は、すぐさま殺される。4月にISI高官が殺害された事件を含め、最近起きているいくつかの殺人事件の裏には、これらの「パキスタン人アルカイダ」がいると思われている。Sher Nawazは日中堂々と、ワナのマーケットで狙撃された。5ヵ月前には、Mohammad Noorという地元の人間が、Tara Yawarでアルカイダ容疑者に殺害された。アメリカのスパイだったといわれる。ある男の遺体には、「アメリカのエージェント。アメリカのエージェントの運命は然り」と書かれた紙が貼り付けてあった。
●部族地帯のあるパキスタン人高官は、戦士たちは地元の犯罪人たちを買収しているが、幅広い支持は受けてないという。「単に欲の問題だ。麻薬常習者や犯罪人がテロリストに引きつけられる。我々はテロリストやその支持者を包囲しつつある」と述べる。
●とはいえ、アルカイダやビンラディンに、村人は敵意を持たない。彼を目撃したという者さえいる。「米軍がアフガニスタンを爆撃していたときだった。我々は畑にいると、ビンラディンがスレーマン山脈に向かって歩いていくのが見えた」とNoor Zamanは主張する。「『イスラムのヒーロー、オサマ、オサマ』と我々は叫んだ。すると彼は立ち止まり、我々と握手をし、祝福を与えてくれた。そして再び山に向かって歩きだした」という。
《「木こり」のオサマ》
●オサマは木こりに扮して、南ワジリスタンに立ちはだかる山々に隠れている、と信じる人々もいる。「数ヵ月前、山に行ったら、見知らぬ人が木を切っていて、別の30人ほどの人間が、フードを被った男たちを囲んでいた。フードを被った男たちの側に、近寄らせてくれなかった。彼らの目だけが見えた」と木こりのJhand Karikhelが語る。「『我々のために、祈ってくれ』と言い、5000ルピーくれた」という。
●このような話はともかく、ビンラディンはアフガニスタンから逃亡後、南ワジリスタンに逃げたことはほとんど確実なようだ。そして先月放映されたビンラディンのテープは、この部族地域で撮影されたに違いないという。「あれは、我々の土地だった」と長老のHaji Behram Khanは言う。「オサマはワジリスタンの丸い毛の帽子を被り、シャルワーズ・カミーズを着ていた。肩にはショールをのせている。あの服装はこの地域のもので、映っていた山も我々の土地だ。この山々をこれまでずっと歩いてきたから、すぐにわかる」。
●住民にとって、外国人戦士を匿うことは、聖なる行為である。「数ヵ月前、アラブ人ムジャヒディンが、私の従兄弟の家に泊まった。彼が家を出たあと、従兄弟は彼の服を洗ったあとの水を家の中にふりまいて、祝福した」という。「ムジャヒディンを泊めたことで、従兄弟は尊敬を受けている」。
Tribesmen take cash, count 'blessings' from Al Qaeda
By Owais Tohid、SOUTH WAZIRISTAN
■Khalis、アメリカにジハードを呼びかける[031029 The News]
●アメリカとその同盟を「十字軍」と名指しし、前アフガニスタンムジャヒディンのリーダーMaulvi Yunis Khalisが、アフガニスタンにいるすべての外国軍に対してジハードを呼びかけた。
●『The News』に送られたテープで、Khalisはすべてのイスラム老若男女に、イスラム国に侵入してきた異教徒にジハードを行なうよう、呼びかけた。「祈りや喜捨のように、世界のすべてのイスラム教徒は侵入者と戦い、彼らと親しくしたり、協力することは許されない」という。
●Khalisはソ連との戦争のときに、Hezab-i-Islami(Khalis)を率い、ナンガハールやアフガニスタン南部で大きな権力を持っていた。現在は病気だという。彼らの司令官たちはハザラット・アリ(現在ジャララバードの治安部隊長官)以外、すべてタリバンに加わった。オマール師やヘクマチアルもジハードを呼びかけているが、Khalisはかれらについては触れなかった。
●このテープとパシュトゥン語で書かれた声明文は、Khalisの息子のMaulvi Anwarul Haq Mujahidによって、届けられた。(中略)
Khalis declares Jihad against US
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR
■パキスタン、アフガン国境封鎖に苦戦[031029 Reuters]
●パキスタンの国境警備隊は、タリバンやアルカイダを捜して双眼鏡を覗く。国境を自由に出入りする人々を、なんとか防ごうとしているのだ。パキスタンは新しいチェックポストを設営、フェンスを張り巡らし、国境付近の建物を撤去した。それでもパキスタンはまだ充分なことをしてない、として非難されている。
●バローチスタン州の高官たちは、警備を補強するためには、資金がもっと必要だという。軍のスポークスマンMajor General Shaukat Sultanは、「密入国が絶対ないようにしたい」と『ロイター』に語った。「色々なことを手がけたが、国境は広大だ。どうしてももっと資金が必要だ」。
●デュランド・ラインは1893年に設定された。パシュトゥンと遊牧民は、自由に国境を行き来してきた。この伝統は80年代にパキスタンが、ソ連と戦うアメリカに支援されたアフガン戦士の基地となったとき、さらにこの政策は強化された。何百万というアフガン難民がパキスタンに流れこみ、イスラム戦士たちはソ連と戦うために、自由に国境を越えた。しかし9.11以後、これが変わった。アメリカがタリバンをアフガニスタンから一掃した際、彼らはパキスタンに逃げ込んだ。今になって、パキスタンはその活動を抑制しなければならないのだ。
●国境警察の長官Sadaqat Ali Shahは、困難ではあるが、国境は監視されているという。「チェックポストが、数キロごとに設営されている。どんなに遠い所、山の頂上にもある。大規模な行動は不可能だ。小さな動きはあるかもしれないが、それはなんとか防ごうとしている」と、最近レポーターたちを視察団としてパローチテタンの国境に集めたときに述べた。「問題は、こちら側だけが努力していることだ。アフガニスタン側には人がいない」。
●Sultanが語るところによると、部族地帯の90%が監視下にあるという。「しかし、さらに通信機器や空中査察機が必要だ」という。チャマンでは、標高2350メートル以上のところにもチェックポストがある。「冬の間、ここは雪だ。人員をこの時期、ここに配置するのは難しい」。チャマンでは、毎日6000人と数百台のトラックが行き来する。これらを監視するために、土塀に囲まれた建物をすべて撤去した。部族民たちは、国境を越えるために赤い色のパスを提示しなければならない。警備員が、持ち物をすべて検査する。
●チャマンの住人Rozi Khanは、カンダハルにいる親戚や友達に会いに行くのが大変になったと、不満を言う。「以前は、ただアフガニスタンに歩いていけばよかった。今はひたすら並んで、時間をつぶさなければならない」。Shahは、最近密入国しようとした60人の外国人を逮捕したという。しかし、それ以上のことは言わなかった。
●保守的なパキスタンのイスラムグループたちは、政府はアメリカを満足させるためだけに、国境を強化している、と批判する。「大多数はこの政策に反対だ。タリバンが権力の座にいたときに、国境は安全だった。今は、軍を派遣しなければならない。政府はアメリカを喜ばせるために、部族地帯で作戦を展開している」と、国会議員でもある、イスラム神学者協会Jamiat Ulema-e-IslamのMaulvi Noor Mohammedが言う。
●しかし軍高官は、このような反対意見があっても、反テロキャンペーンは続けるという。「大多数は過激派に反対だ。全体としてみれば、我々の社会は中庸で、小さな過激派要素を取り除こうと、あらゆる努力をしている」とSultanは述べた。
Pakistan struggles to seal porous Afghan border
By Amir Zia、CHAMAN
■CIA工作員2人、アフガニスタンで殺される[031029 AP]
●CIAの工作員2人が、パキスタンとの国境付近で殺害された。William CarlsonとChristopher Glenn Muellerの2人は、パクティア州のShkinで「テロリストを追跡」している最中に急襲されたという。(中略)
●米軍スボークスマンのCol. Rodney Davisは水曜日に、CIA工作員が死亡した理由については述べなかったが、この地域で作戦を展開しているのは、米軍の10th Mountain Divisionに属す兵士で、激しい戦闘が続いているという。「Shkinは今、地獄だ。アフガニスタンで、もっともひどい場所だ。ここにアルカイダが出没している」と述べた。
●Davisは、反抗分子たちがパキスタンを基地にしているかどうかは述べなかったが、パキスタンの方角に逃げていくと語った。パクティア州知事のMohammed Ali Jalaliは、戦士たちはアラブ人、チェチェン人、ウズベク人で、パキスタンからカラシニコフ、ロケット弾、重機関銃で武装し、バイクに乗ってやってくるという。「コントロールすることはできない」と述べた。CarlsonとMuellerが死亡した現場上空には、米軍ヘリコプターが旋回しているという。
●これとは別に、月曜日に同盟軍とアフガン国軍は、パクティア州のOrgun付近の別の基地を急襲され、2時間に及ぶ戦闘が続いたと、Davisが水曜日に語った。3人の米兵が負傷したという。
●ここ数ヵ月間、戦闘が頻繁に起きている。「敵は復活を試みているが、失敗している」とDavisは述べた。
2 CIA Operatives Killed in Afghanistan
By BURT HERMAN、KABUL
■急襲でCIA2人死亡[031028 AP]
●アフガニスタンで、CIA工作員2人がテロリストの急襲を受け死亡したと、火曜日に政府機関が発表した。
●土曜日の急襲は、米軍空軍とアフガン国軍が、6時間の戦闘で18人の戦士を殺害した同じ日、同じ場所で起きたと、アフガニスタンの米軍本部が発表。アフガニスタン国軍6人も戦闘で負傷したが、死亡者はいないという。このふたつの戦闘が関係あるのかは明らかでなく、またなぜ今になって、戦闘の内容が発表されたのかも、説明されてない。
●ワシントンは、この2人のCIA工作員を、William Carlson(43歳)、Christopher Glenn Mueller(32歳)とし、2人とも軍の特殊部隊の専門家だという。Shkinで活動しているテロリストたちを追跡している最中だったと、CIAが発表した。諜報情報やテロリストの潜伏所や作戦に対する情報を収集していたらしい。
●アフガニスタンからの声明によると、米軍主導のアフガン国軍は、土曜日にShkin付近、27マイルのところをパトロールしている最中に、25名の反政府軍に遭遇したという。すぐにShkin基地からカブールに要請があり、アフガン国軍が派遣された。A-10戦闘機とアパッチヘリコプターが飛来し、地上戦も展開された。車輌1台が破壊され、残りの反抗分子は撤退したという。約18人が殺害されたとのこと。
●月曜日にアフガニスタン高官がこの戦闘について発表したが、内容は異なる。火曜日の発表は、同盟軍によるものだ。
●火曜日にパクティア州知事のMohammed Ali Jalaliは、同州のGomal地方で土曜日に別の戦いがあり、4人のアラブ人を含む10人が死亡したと述べている。
Two From CIA Killed in Afghanistan Ambush
By BURT HERMAN、KABUL
■空爆でタリバンとアルカイダ22人死亡[031028 Reuters]
●パクティア州で、少なくとも22人のゲリラたちが米軍の空爆で死亡したと、州知事が火曜日に述べた。空爆はパキスタン国境付近のShkinで起こったとMohammad Ali Jalali。米軍が使用しているShkinの基地をタリバンとアルカイダがロケット弾と重機関銃で攻撃を始めたのを受け、空軍が呼ばれた。Jalaliによると、米兵2人も死亡した可能性があると『ロイター』に語ったが、米軍はコメントしてない。
●今回の戦闘は、金曜日にパクティア州Gomal地方で20人のゲリラたちが殺害された戦闘とは、別のものである。
Air raid kills 22 Taliban, al Qaeda in Afghanistan
KABUL
■オーストラリア、テロとの関係でパスボートを取りあげる[031028 Reuters]
●オーストラリア政府は、2人のシドニー在住の男のパスボートを取りあげたという。
●この処置は、フランス政府がオーストラリアに、アルカイダによって訓練されたフランス国籍のWilly Virgil Brigitteが、オーストラリアでテロ活動をしている恐れがあるとして注意を促してからとられた。Brigitteはイスラム教徒に改宗したフランス人で、6月にオーストラリアに入国。シドニーのレストランで働いていたところを逮捕され、17日に国外追放となった。現在パリで逮捕されている。
●オーストラリアの外務大臣Alexander Downerは火曜日に、Brigitte関連の捜索が続けられており、パスポートを2つ押収したという。オーストラリアでテロ組織が摘発されたのか、Brigitteがオーストラリアの「スリーパーセル」だったのか、テロを行なう人間を集めていたのかなど、詳細は発表されてない。法務長官Philip Ruddockは、Brigitteはオーストラリアで爆発物専門家を匿うよう命令されていたようだ、と語った。
Australia seizes two passports in terror probe
By Belinda Goldsmith、CANBERRA
■「最悪の場所」での戦い[031103 Time]
●アフガニスタンのShkin米軍重砲基地に配属されているアメリカ兵たちは最前線にいることになり、近くのパキスタンのキャンプにいるアルカイダとタリバンの標的となっている。「Shkinはアフガニスタンの、最悪の場所だ」と、米軍大佐のRodney Davisが言う。
●アフガニスタンでの戦いは、本国では忘れられ始めている。しかしここでは、事態はますます悪くなってきた。敵は以前より組織化され、武器も豊富になった。
●9月29日には、アルカイダやタリバンゲリラたちと、12時間に及ぶ戦闘が続いた。これは米軍にとってはこの18ヵ月間で、最も激しい戦闘だった。最終的に米軍が勝利したが、敵がますます力をつけていたことは、明らかだ。(中略)
●Shkin米軍重砲基地の第2小隊が、国境付近をパトロールしているときに、敵に急襲された。(中略)パキスタン側からも銃撃が始まり、武装団がロケット弾を発砲。この戦いでアルカイダとタリバン20人が死亡、米兵も1人死亡した。「敵は我々の行動を先読みして、いい作戦を立てていた。我々が死傷者を出し、ヘリコプターを出動させたところで、ヘリコプターを撃ち落とそうとしたのだ」という。
●いっぽう、パキスタンがアメリカ兵を攻撃したことは、謎だった。そしてなぜパキスタン人たちは、国境にあるチェックポストのすぐ下で、隠れもしないで発砲しているアルカイダたちを野放しにしていたのかも不可解だ。パキスタン兵と諜報部がどのくらい信頼できるかは、疑問だ。
●後に、ワシントンは、このShkinでの攻撃について、イスラマバードに抗議した。数日後、パキスタン軍は、Shkin米軍重砲基地の向かいにあるアルカイダの隠れ家に急襲をかけた。パキスタン高官によると、チェチェン人とアラブ人を含む8人のアルカイダが殺され、18人が逮捕されたという。
(訳注:11月3日号だが、発行は11月27日)
Battle in "the Evilest Place"
By TIM MCGIRK、SHKIN
■アフガン武装グループ、北部で権力にしがみつく[031027 Washibgton Post]
●10月9日、ドスタム将軍とアタ・モハマッド将軍との間に和平協定が交わされ、新たに訓練された国家警察官300人が、カブールよりマザリシャリフに派遣され、治安維持に勤めている。続いて日曜日にカルザイ大統領は、北部4州の知事と警察長官の人事異動を発表するとともに、ドスタムとアタをカブールに呼び寄せて新たな職務に就かせ、その軍隊を統合し、中立的な立場の司令官のもとに配備した。
●両軍閥とも、この取り引きに同意はしているものの、アフガン人や外国人ウォッチャーたちは、疑心暗鬼だ。ドスタムはウズベク人で、左翼のJumbish-i-Milli党員である。いっぽうタジーク人のアタはJamiat-i-Islamiの党員で、両者とも長い間敵対してきた。アタは本質的にマザリシャリフを支配しており、ドスタムは、その近郊に軍を配備している。これまで何度も和平が結ばれ、メッカで調停書にサインしたことさえあった。しかし無駄だった。
●ドスタムとモハマッドが問題なのではなく、その下部官たちが問題なのだともいわれる。村の支配権で争い、強奪を行ない、誘拐や暗殺を繰り返す。「年がら年中だ。これらの司令官たちは資金をコントロールし、都合がいいときだけ、ドスタムやアタに呼応する」。ドスタムとアタを異動させることは、さらに悪い事態を招くかもしれないとも言われる。「微妙な力の均衡が働いている。彼らを排除したら、すべての均衡が崩れる。腫瘍はなくなるが、癌は広がるようなものだ」。
●イギリス軍と文民軍が今年初めからここに配置されているが、彼らの力では、軍閥を抑えることができない。例えば、マザリシャリフのチェックポストがいい例だ。2週間前、カブールから治安維持のために、警察官が派遣された。しかしアタの司令官たちは激しく抵抗したので、いくつかのチェックポストを支配下に入れているにすぎない。「我々は戦いのためではなく、警護のために来たにすぎない。政府と国連が、我々を支持している。しかし地元の司令官たちは、自分たちの職を譲ろうとはせず、いまだに町に軍を配備している。この問題が解決しないことには、我々がするべきことは、何もない」。
●ドスタムもアタも、相手が武器を捨てれば、自分たちはいつでも非武装するという。それぞれに対して、大きな不信感を持っている。今回の対立では、ドスタムは少し有利な立場になった。アタの司令官2人が、Gen. Habibというドスタムの司令官の1人を誘拐したのだ。容疑者たちは逮捕され、調停が行なわれた。しかしその後、アタの一味は釈放され、Habibの味方は復讐を誓っている。「バザールにいた何百という人間が、この男たちがしたことを見ている。しかし彼らは自由で、弟はまだ行方不明だ」とHabibの兄が怒る。「政府は待てという。でもずっと待ってはいられない。何も処置がなされないなら、いつでも戦う。彼らが誘拐したら、我々も誘拐する。彼らが殺したら、我々殺す」。
●地元住民によると、軍閥の力を排除するには、非武装化するしかないという。カルザイ大統領も同じ意見だ。同じ北部のクンドゥーズでは非武装化が始まった。しかし長いこと暴力が続いてきたことにより、人々は変化に冷ややかで、カブールやヘラートが復興するにもかかわらず、自分たちの地域は孤立するのではないかと、心配する。カルザイが何をしようと、外国兵の力がなければ、軍閥たちを抑えることはできないと考える。「あまりにも長い間、対立してきた。もう習慣になっている。外の力に頼るしかない」と、バルフ大学の法律学教授が言う。
●「今はなんとか平和だ。でもこれは、外国人が関わっているからだ。和平が結ばれると、再び戦いが始まる。10の和平と10の誓約が結ばれる。しかし、どちらも武器を捨てるつもりなどない。組織全体を下から上まで、ひっくり返さなければ、また人々を殺し始める」と、あるエンジニアが語った。
Afghan Militias Cling To Power in North
By Pamela Constable、MAZAR-E SHARIF
■フランス人、マスード司令官暗殺と関係[031027 Reuters]
●今月アルカイダとの繋がりがある疑いでオーストラリアから追放されたフランス人が、マスード司令官暗殺と関わった疑いで捜査を受けていると、司法関係者。
●現在フランスに拘束されているWilly Virgil Brigitteは、パリ近郊のフォンテンブロー森でアフガニスタンに派遣する戦士を訓練していたとして、逮捕された。「この男は、暗殺犯がアフガニスタンに入国し、マスード司令官に近づくために、パスポートを手配したと思われる」という。
●マスード暗殺犯2人は、ベルギー国籍の窃盗パスポートを所持していた。ベルギー法廷はこの事件と関連して先月、偽造パスボートを手配し、武装団をリクルートしたとして、2人の北アフリカ人を告訴している。
●French overseas department of GuadeloupeのBrigitteは、10月9日にシドニーで拘束され、17日にフランスに送還された。彼は9.11以後にアフガニスタンのテロ訓練所で訓練を受け、米軍と戦っていたと思われる。フランスの諜報部がオーストラリアに、シドニーでテロ活動をしている疑いがあるとして、注意を促していた。オーストラリアによると、Brigitteの線から、シドニーのいくつかのテロ組織が明るみに出て、取り締まりをしたという。
Deported Frenchman tied to Afghan Masood's death
PARIS
■タリバン10人殺害[031027 AP]
●パキスタンとの国境をパトロールしていた米軍とアフガン国軍が急襲され、タリバンを10人殺害したという。
●別の情報によると、米軍とアフガン国軍が空からの援護を派遣するよう要求し、その後、22人殺害されたという。しかしローガル州の軍司令官Gen. Atiqullah Luddinは、自分の兵士たちが戦いに巻き込まれ、タリバンは10人だけ殺害し、空爆はなかったと述べた。
●パクティア州知事のAli Jalaliは、米軍とアフガン軍はパキスタンの国境から1マイル離れたBarmalをパトロールしていたときに、ロケット弾やマシンガン、カラシニコフで攻撃されたと述べた。軍は空からの攻撃を要請し、Shkin村付近が爆撃されたという。
10 Taliban Killed in Fighting With Allies
KABUL
■アルカイダとタリバン、20人殺害[031027 Reuters]
●アメリカとアフガン軍は金曜日に、パクティア州のGomal地方でアルカイダとタリバンを20人殺害したと、州警察長官のDawlat Khanが発表した。アフガン国軍も3人死亡した。「アラブ人、チェチェン人とタリバンが、殺害された20の中にいる」と述べ、米軍戦闘ヘリコプターも出動したという。
U.S.-led forces kill 20 al Qaeda and Taliban
KABUL
■アフガン地方都市で人事異動[031027 AP]
●アフガニスタンの内務省が日曜日に、マザリシャリフ州政府の人事異動を行ない、新たな州知事と副知事、市長と警察長官を任命した。
●中でも注目すべき異動は、カンダハル前警察長官でパシュトゥン族のMohammed Akramが、マザリシャリフの警察長官に指名されたことである。北部では、パシュトゥン族は少数派である。またバルフ大学の校長のHabibullahがバルフ州知事の世話人に起用された。北部の大軍閥、ドスタムとモハマッド・アタ自身には影響はなかったが、彼らに忠実な者たちは、権力の座から追放された。
●土曜日、マザリシャリフの東のクンドゥーズに、治安支援部隊として着任する予定のドイツ軍の第一弾が到着した。
Officials Ousted in Afghan Province
By Burt Herman、KABUL
■ビンラディン、Guzer族の元にいる[031027 Daily Times]
●International Security Assistance Forceが発行した諜報情報によると、ビンラディンはGuzer族とともに住んでおり、彼らに匿われているという。
●「これ以上絶好の隠れ家はない」とレポートは語る。カブール北東の山は低木で被われ、密輸ルートになっている。「彼がいるところに近寄ることは不可能だ」という。また最近ビンラディンは外国人の医者から、肝臓の処置を受けたともいう。
Bin Laden with Guzer tribe
LONDON、NNI
■9人のアルカイダ共謀者たちの投降、調停続行[031027 Daily Times]
●南ワジリスタン行政区は、アルカイダを匿ったという9人の容疑者を引き渡すよう、ワジール枝族と調停を続けている。
●今日(月曜日)ワナでジルガが開かれ、9人の容疑者たちの引き渡しについて話し合うという。行政官のAnwar Ali Shahが語るところによると、「もしジルガが政治的に許可を下せば、我々は容疑者たちに対して作戦を開始する」という。
●「実際のアルカイダ支持者」と見られているYargul khel族の2人が、いまだ捕まってない。Shudyaki,、Sperkey,、Malik Shahi、Khoja khelの枝族はすでに10人の指名手配者の中の5人の容疑者を引き渡した。
Talks still on for 9 Qaeda sympathisersユsurrender
By Iqbal Khattak、PESHAWAR
■「313」、重要人物を標的に[031027 Daily Times]
●「313」という暗号名の下で集結した武装グループが、政治や宗教リーダーたちを狙っているという。
●このグループは、Lashkar-e-Jhangvi、Harkat-ul-Mujahideen、Jaish-e-Muhammad、Harkat ul Ansar、Harkat-ul-Jihad-e-Islamiの、活動禁止を命じられているグループのメンバーで構成されるという。攻撃の標的には、スンナ派リーダーや官僚が含まれるという。
"313" targeting key figures
By Hameedullah Abid、ISLAMABAD
Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.