【2003年12月29日〜2004年1月4日】


■新たなアフガン軍、訓練を受けた専門家を拒否[040104 Paktribune]

Syed Hakimはこれまで19年間、アフガニスタンの防衛のために尽くしてきた。しかし先月、国防省から辞職勧告を受けた。欧米が訓練した兵士が、彼の代わりに来るのだという。

「私は職業軍人だ。職業軍人が解雇される理由はない。もし専門兵士を除外するのであれば、どうやって軍を再構築するというのだろう」。Hakim氏のような熟練した兵士たちは、非武装化政策のために武器を捨てるよう、強制されている。しかしこれらのベテランが除外されれば、アフガン国軍はその空白を埋めることはできない。「これらの兵士たちの経験は計り知れない」と国防省スポークスマンは言う。「彼らのあとを、どうやって埋めたらいいというのか? おそらく外国が訓練した軍隊、というのだろう」。

アフガン国軍は、なかなかうまくいってない。訓練された約9000人のうち、半分がすでに辞めてしまった。総選挙までに1万人を訓練するという目標は、今のところ達成されそうもない。7万人を訓練するのに、2010年までかかるだろうと見られている。いっぽうアフガニスタンのほとんどの兵士たちは、軍閥の個人的な兵士だ(中略)。

これらの兵士たちが武器を捨てると、引退する英雄のように扱われる。メダルを授与され、カルザイのサインがついた証明書を手渡される。さらに店員や農民、労働者、警察官やアフガン国軍兵士などになるための訓練を受けることができる。

ガルデズで試験的に1000件の働き先を設けたが、申し出があったのは447人だけだった。このうちほとんどが農民や労働者を選び、31人がアフガン国軍や警察に志願した。しかし、Hakim氏のような熟練兵士に行き場はない。35歳の彼は、すでに年齢制限を7歳も越えている。

「ガルデズで見られる現象が、アフガニスタン全国にある」と国防省スポークスマンのBrig. Mar Janが言う。「彼のような人間が何千といる。しかし司令官2万人と歩兵5万人の枠しかない。とっても残念だ。しかしそれが現状なんだ」。

ohNew Afghan army rejects trained professionals


■アルジャジーラ、ビンラディンのテープを放送[040104 AP]

アルジャジーラ・テレビは日曜日に、ビンラディンの声とされるテープを放送した。テープでビンラディンはイスラム教徒に対して平和を求めるのではなく、イラクや中東で聖戦を戦い続けることを促した。

テープはフセイン元大統領の逮捕など、最近のことも触れ、ムスリムに「イスラム国家に対して企てられている陰謀を暴き、ジハードを続ける」ように促している。

garrAl-Jazeera Airs Purported Bin Laden Tape
By MAAMOUN YOUSSEF、CAIRO


■アフガン憲法、平和に一歩前進させる[040104 AP]

アフガン人は日曜日に新たな憲法を承認し、3週間にわたる論争の末、タリバン政権崩壊後の平和に一歩近づくことになった。

最後になって少数派の言語を認めた憲章は、強い大統領制を採用することになった。また男女同権が明示された。しかし宗教保守派たちは、法律はイスラム法に基づくとする修正案を押し通すことに成功した。

論争は民族間で緊張を生み出し、6月に予定されている大統領選挙にも影響を与えかねない。

カルザイはイスラム原理主義者たちに歩み寄り、地方軍閥に対抗するために掲げていた強い大統領制を、ある程度引き下げた。カルザイのライバル、タリバン政権一掃でアメリカに協力した北部同盟は、議会の力を強め、取り決めや政策に対する拒否権を付与する修正案を通した。しかし米大使カリルザードは、憲法はそれでも十分強い大統領制を創造することになると主張した。

憲法の承認するために議長に促され、代表たちは一斉に立ち上がり、30秒間沈黙した。しかし最終的な投票は行なわれず、拍手もなかった。

憲法により、大統領は軍の最高司令官となり、国の根本的な政策の決定権を持ち、法律を強制することができる、かなりの権力を持つことになる。首相を置かず、強い地方議会を持たせないことで、カルザイが最初に提案した草案と、それほど大きな変化はない。「大統領は強力になる。決定権は彼にある」とカルザイは述べ、議会は「彼が誤ったときに、助ける」ために存在すると主張した。

hoonAfghan Constitution Gives Hope for Peace
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■論争の結果、アフガン憲法を承認[030104 Reuters]

対立していた派閥が日曜日、新たな憲法に合意をし、総選挙に向けて一歩、歩みだした。

大統領の絶大な権力と少数派の権力について3週間も論争した結果、ロヤジルガの代表は憲法を承認した。民族間の対立が浮き彫りになったが、結局、アメリカが支持する協力な大統領制にある程度妥協した。イスラムの役割、女性の権利、政治体制についても論議された。

パシュトゥンであるカルザイに対立したのが、北部同盟のタジクだった。北部同盟はアメリカに協力し、タリバン政権を崩壊させた。しかし今ワシントンは、欧米寄りで穏健派と言われるカルザイを支援している。

新たな憲法で女性は、国会での議席をこれまでより多く確保できることになった。また、シャリア法について触れた部分はない。もっとも論争が激しかったのは、民族についての問題で、言語について対立した。新憲法ではパシュトゥ語とダリ語を公用語とし、他の言語は、人口の多数派となる地域では、公用語として認められることになった。パシュトゥンは少数派に妥協しすぎていること、パシュトゥ語が国語とされなかったことに、不満を示した。

hoonAfter wrangling, Afghans approve new constitution
Mike Collett-White、KABUL


■無法核計画、パキスタンに行き着く[040104 New York Times]

核テクノロジーの流出を否定してきたパキスタンは、大きな証拠に目を背けてきた。それはA. Q. Khan Research Laboratories自体の、セールス・マニュアルである。カバーには、「パキスタン政府」と書かれ、パキスタンの原子力の父、Abdul Qadeer Khanの写真がある。パキスタンが30年かけて作った、濃縮ウランによる核兵器貯蔵量が宣伝されている。他の国では、このようなセールスは強い規制が敷かれる。しかしパキスタンは、いつも好き勝手にしていた。

パキスタンと、パキスタンが知識やテクノロジーを与えてきた国々は、今や核を増殖する隠れたネットワークを張り巡らせている。ネットワークは世界的に広がる。ドイツからドバイ、そして中国から南アジアに広がり、仲介者や売買人を含む。しかしもっとも驚くべきことは、これらの多くが、パキスタンのA. Q. Khan Research Laboratoriesと結びついていることだ。

アメリカは、2002年に北朝鮮の核施設が「凍結」されたあと、北朝鮮がカーン研究所に新たな核燃料の作り方を教わっていたことを知って驚いた。去年は、パキスタンがイランに18年間にわたって濃縮ウランを作ることを可能にするテクノロジーを与えていたことで、さらに驚かされた。リビアの核についてはまだすべてが明らかになってないが、パキスタンとイランの核開発計画との相互関係があるようで、また30年にわたって、リビアはパキスタンの核計画に資金援助をしていたという。

2週間前までパキスタンは、核テクノロジーが開発所から漏れていることを否定していた。しかし世界の圧力のもとに政府は研究所の科学者たちを捜査し始めた。カーン博士自身も取り調べを受け、まだ捜査を続行中のようだ。(中略)

カーン博士は1976年にオランダから帰国したが、このときにオランダのアルミニウム・ローターとドイツの超合金で作られた遠心分離機の設計図を盗み出した。(中略)98年に実行されたパキスタンの最初の実験の前に、カーン博士とそのチームは世界的な科学雑誌の中で、ウラニウム遠心分離機の作り方と実験の仕方についての論文を、次々に発表しはじめた。欧米では、このようなものの出版は機密事項、あるいは極秘事項となるはずだ。(中略)

これらの科学論文のあとに、セールス・マニュアルが出版された。カーン研究所が販売した装置のほとんどは、遠心分離機を作りたい者にとっては、喉から手が出るほどほしい物だった。2000年になるとパキスタン政府自身が、ガス遠心分離機やそのパーツを含む核装置の輸出を宣伝しはじめた。そのアイテムの多くは、「核兵器プログラムに役立つ」と書かれていた。

アメリカの諜報部員によると、CIAはこれらの動きに気づいていたが、全てを知っていたわけではなく、カーン研究所の科学者たちを追跡し始めたという。しかし戦略的な問題がいつもつきまとった。80年にはソヴィエトのアフガニスタン侵攻があった。86年にアメリカの諜報部は、パキスタンが武器として使えるウラニウムを作るのに成功したと見ていたが、同年、レーガンはパキスタンに40億ドル以上の援助を約束した。アメリカの諜報部が知らなかったことは、カーン博士が他の国を援助した、そのペースだった。まず中国から始まった。ワシントンのNational Security Archiveが入手した国家機密メモから、中国は1960年中ばごろに実行した核実験のあと、パキスタンに「核分裂物質の政策と他の核装置のテクノロジーを供給したと結論した。

その後、流れがかわった。中国が逆に、パキスタンの遠心分離機を買い始めたのだ。中国は古くて高価な方法を用いていたが、カーン氏はもっと高速で、安く、効果的な方法を約束した。しかし、これはほんの始まりにすぎない。最近になって、87年頃、パキスタンとイランが取り引きをした証拠がでてきた。(中略)。「我々はイランについての情報を得ていたが、パキスタンとの関係は知らなかった。全くの驚きだった。そしてパキスタンとの関係の深さは、今になってみると、90年代の最大の驚きだ」と、クリントン時代にNational Security Councilの指揮をしていたGary Samoreは言う。イランはパキスタンの古いモデルを手に入れ、ゆっくり歩んでいった。

イランが亀とすると、北朝鮮はウサギだ。パキスタンがイランと取り引きをした10年後、97年頃、カーン博士はキム・ジョン・イルと取り引きし、カーン博士は北朝鮮を13回も訪問している。この間、北朝鮮は遠心分離機のテクノロジーとミサイルテクノジーを交換した。(中略)

パキスタンと北朝鮮との関係が切れたかどうか、はっきりしない。しかし新たな証拠が、北朝鮮はまだ画策していることを示す。4月にスエズ運河で、超濃縮ウランを運んでいる船が拿捕され、ドイツはこれが北朝鮮に向かっていたと確信した。その大きさから、G-2遠心分離機の外のケースを作る物とみられ、これはカーン氏が書いていたモデルと同じだ。CIAは、北朝鮮は2005年までに濃縮ウランを大量に作り始めるだろうという。しかし今現在、北朝鮮の遠心分離機がどこで作動しているのか、わかってない。(中略)

アメリカは最近ドイツで登録された船が、ウラニウム遠心分離機に必要な、何千もの部品を積み荷し、スエズ運河をリビアに向かっているのを発見した。リビアの核についてはまだ捜査中であるが、この船はドバイを出港していた。ドバイといえば、カーン博士にとっては大事な場所だ。カーン博士と親しいあるヨーロッパ人女性が言うところによると、90年の湾岸戦争で、カーン博士の代理人というドバイの仲介者が、イラクに原子爆弾の作り方を申し出た。さらにイランに遠心分離機を提供したと、カーン博士が名指しするのも、ドバイの仲介者だという。

パキスタンとリビアの関係は昔からある。73年にパキスタンが原子力研究を始めたとき、リビアは核燃料の作り方と交換に、資金を援助する約束を交わしたらしい。78年と80年には、リビアはパキスタンにウラニウム鉱石を提供した。しかしリビアは、イランほど進歩しなかったようだ。(中略)

今世界は、科学者、仲介者、過激派と、ネットワークをとおして核テクノロジーが広まるのを防ごうとする欧米の、し烈な競争を見守る。ブッシュ大統領は、過激派を刺激し、今にも崩れそうなパキスタンの状況を悪化させることを恐れ、パキスタンを取り締まらずにいる。リビアを見習って、他の国も核を放棄するのではないかと見る者もいる。「そういうこともあるかもしれない。2004年の問題は、ムラーかキム・ジョン・イルが賛成するかどうかだ」と、あるアメリカ高官が述べた。

ohgarrFrom Rogue Nuclear Programs, Web of Trails Leads to Pakistan
By DAVID E. SANGER and WILLIAM J. BROAD


■行政側の警告に、ワジール族猶予を申し出[040104 Daily Times]

南ワジリスタンの部族民は土曜日に、行政側が外国人容疑者や地元テロリストを引き渡すよう求めている件に対して、もう少し時間が欲しいと申し出た。行政側は、引き渡さなければ作戦を行なうと警告している。

行政官Rehmaullah Wazirは、Ahmadzai族のロヤジルガで、テロリストを匿っている者に対して厳格な行動に出ると警告した。12月23日に北西辺境州知事のIftikhar Hussain Shahがこの地域を訪れたとき、政府に投降した地元民や外国人に対しては恩赦の準備があるとアナウンスしていた。Wazir氏はジルガで、知事の提案を受け入れるよう促した。部族民は協力を申し出たが、もう少し時間がほしいと述べた。

hoonWaziri tribe seeks more time to avail amnesty offer
By Rasool Wazir


■ムシャラフへの攻撃で6人拘束[040104 The News]

土曜日に、治安組織がムシャラフ暗殺と関係して、6人を逮捕したという。6人はJaish-e-Muhammadに属していた。

これとは別に、警察は過激派の取り締まりで、3人を逮捕したという。「過激派がシーア派を攻撃するという情報をもとに逮捕した」と警察関係者。ムシャラフ暗殺とは関係ないという。逮捕者の身元は発表されてないが、Sipah-i-Sahaba Pakistan(SSP)のメンバーとのこと。

garrSix held for attack on Musharraf
LAHORE


■ムシャラフ暗殺未遂で6人を逮捕[040104 Daily Times]

ラホールのChauburjiにあるモスクで、ムシャラフ大統領暗殺未遂事件との関係で、6人の過激派組織のメンバーが逮捕された。

6人はJaish Mohammadのメンバー。Jaish Mohammadは活動を禁止されてからはKhudam ul IslamとSipah-e-Sahabaになり、さらにMilat-e-Islamiaと改称された。6人は、以前、Harkatul Jihad Islamiの本部だったAl Hilalモスクに隠れているところを逮捕された。

情報筋によると、モスクのイマーム、Qari Iqbalも逮捕者の中に含まれているといわれる。彼らはLashkar-e-Jhangviの活動家、Malik Ishaqの司令を受けて、行動していたという。さらに、Lashkar-e-Taibaの別の活動家2人が、GujranwalaのRasool Nagarでも逮捕されたとのこと。

garr6 men held for trying to kill Musharraf
LAHORE


■アメリカ、ムシャラフの警備を支援[040103 Washington Post]

ムシャラフ暗殺未遂のあと、アメリカ政府は大統領を警備するための支援を強化すると同時に、さらにイスラムテロ組織を取り締まるように要求した。

アメリカは、最初のムシャラフ暗殺未遂事件でムシャラフを救った、爆発物の作動を妨害する装置を大統領に贈ったという。それ以後、アメリカは諜報情報などをパキスタンと共有することで、ムシャラフの警備を強化している。またFBIは、暗殺未遂事件の捜査に協力している。

米軍と諜報部高官によると、もしムシャラフが暗殺された場合、パキスタン軍はすぐに後継者を任命すると思われるという。後継者はおそらく軍の副長官であるGen. Muhammad Yousaf Khanになると見られ、彼は親米派で、今後もアルカイダの捜索を続けると考えられている。

暗殺未遂事件は、アルカイダの仕業だと疑われていると、あるアメリカ諜報部高官が言う。暗殺者の1人とみられるMuhammed Jamilは、アフガニスタンでタリバンとともに戦い、Laskhar-e-Muhammedのメンバーだといわれる。このグループは、カシミールで戦うためにISIが創設したとされ、今はアルカイダを訓練しているらしい。Jamilはアフガニスタンで逮捕され、その後パキスタンに送還されたが、取り調べのあとで釈放されている。

ムシャラフが暗殺された場合、パキスタンの安定を脅かす最大の危機は、核兵器の安全である。これは軍の厳重な警備のもとに、コントロールされている。さらにアメリカにとって脅威なのは、国内動乱である。今のところムシャラフの権力は安定しているが、これはパキスタンのイスラム政党からの支持を確保することで保たれている。イスラム政党の中には、彼の親米政策にいらだつ者もいる。

暗殺事件が、ムシャラフのもろさを浮き彫りにすると専門家は言う。彼の選択肢としては、一部の反感を買っているこれまで通りの態度を続けるか、彼の敵に断固たる態度で対抗するかしかないと見る。もし後者を選択するのであれば、ムシャラフはアメリカにすぐにも支援を求めることができるという。「我々はすでに随分、支援の申し出をしている」と政府高官が語った。

パキスタンの専門家は、リーダーの交代があっても、核兵器と核装置は安全だと見る。アメリカは9.11以後、核移送や核あるいは核と関係がある物質の取り締まりに関して、セーフガードを向上させるよう、働きかけているという。(後略)

smellU.S. Aids Security of Musharraf
By Dana Priest


■パキスタンの国会は任期を完遂するとムシャラフ[040102 Reuters]

ムシャラフは金曜日に、国会を解散させる自分の権力は使わないと約束し、5年間という任期を完遂する、パキスタン史においての初めての議会になるだろう、と述べた。(中略)

さらにムシャラフは、今回決められた政策に基づき、今後National Security Councilを設立するという。これは市民と軍のリーダーからなる最高組織で、国の決議を監視するという。

評議会は軍に国の支配権を与えていると、見られている。

smellMusharraf says Pakistan parliament to see out term
ISLAMABAD


■パキスタン、ムシャラフを大統領として信任[040102 New York Times]

木曜日、ムシャラフが2007年まで大統領の座に就くことを法的に認めるかどうか投票が行なわれ、信任を勝ち取った。

ムシャラフは国会と4つの地方議会からなる選挙委員団から、56%の信任投票を得た。反対派はほとんど投票を棄権し、彼の政策や選挙されずに権力についていることに抗議した。

棄権やボイコットをした反対派の中にはMuttahida Majlis-e-Amals(MMA)がいるが、MMAは先週、ムシャラフの支配を合法化し、99年のクーデターに対して起訴されず、責任を問わないとする一連の憲法の改正を合法化することに合意していた。その代償として、MMAは大統領が1年のうちに軍の最高司令官から辞職すること、国会や下院議会の解散は、最高裁判所の裁可を必要とするという約束を取り交わした。

ムシャラフとの合意は、アメリカのテロとの戦争を支持する彼の政策に合意するのではないと、MMAのメンバーは言う。ベナズィール・ブットー前首相やナワズ・シャリフ前首相が率いる、15の政党の連合からなるAlliance for the Restoration of Democracyも、大統領に対して投票しなかった。(後略)

smellPakistan Gives Musharraf Confidence Vote as President
By AMY WALDMAN


■国会、ムシャラフ支配を封印する[040101 BBC]

パキスタンの国会と4つの州議会は、ムシャラフが大統領として5年間在位することを信任した。今週初め憲法が改訂され、50%の議決が取れたら国の長として「選出」されることが認められた。反対派は退場し、投票はいかさまだとして抗議した。

下院議会と北西辺境州、バローチスタン、パンジャブ、シンド議会は、満場一致でムシャラフを信任したが、何十人もが棄権した。上院議会は、56対1で信任された。

パキスタンの主要なイスラム政党たちは、2007年まで大統領として在位することをムシャラフに許すという以外な取り引きを交わしたが、その後の投票は棄権した。

『BBC』のZaffar Abbasは、軍支配者が選挙ではなく、信任投票で国家のリーダーとして受け入れられたということは、パキスタンの政治史にはかつてないことだという。しかしアナリストたちによるとこの動向は、大統領がどの程度の権力を持つことができるかという、長年続いていた大統領と国会との論争に終止符を打つことになるという。憲法の改正法案は、今週初めに上院と下院議員で承認されていた。憲法の改正により、大統領は最高裁判所の承認のもとで、国会を解散させ、首相を解任することができる。

水曜日に有効になった法案の一部として、ムシャラフは新たにNazim Hussain Siddiquiを最高裁判所長官に任命した。Siddiquiは、ムシャラフが無血クーデターで権力の座に着いたときに、反対派に対して不利な判決を下した最高裁判所の陪審団の1人だった。別の2人の最高裁判事は、Siddiquiは自分たちよりも若いとして、これに抗議した。

大統領とイスラム連合のMMAが達した合意では、ムヒャラフは2007年まで大統領の座に就くが、2004年の終わりまでに、軍最高司令官としての地位から降りるとする。

smellParliaments seal Musharraf rule


■アフガン抵抗分子殺害され、米兵3人負傷[040101 Reuters]

米軍スポークスマンが、水曜日、パキスタンとの国境付近のShkinで数回の衝突があり、3人から14人のゲリラが死亡し、米兵3人が負傷したと発表した。ヘリコプターが攻撃し、おそらく11人が殺害されたと言われるが、確かではない。

garrAfghan rebels killed, three U.S.-led troops hurt
KABUL


■パキスタンの過激主義の源[040101 Daily Times]

ムシャラフはMMAに、国から過激主義を一掃するために努力するよう申し出た。過激派の名前を出す手前で控え、若者たちにイスラムの同士を殺すよう教育している「過激派マドラッサ」と述べるにとどまった。彼は最近、仲間になったMMAに対して、必要以上に「注意深く」なっている。以前の彼の声明は、もっと一般的だった。パキスタンの過激主義は単なるセクト主義ではなく、国内外で起きている出来事に対する、国家的な態度だと語っていた。しかし国会の中には、少なくとも1年間、過激主義が存在していた。MMAは彼の外交政策に反対し、ARDは内政に反対していた。強力な野党によるこの厳しい態度は、感情をむき出しにしたテロリストや無法者たちが、道徳心のかけらもなく行動することを、奨励していったのだ。

パキスタンには、過激主義を唱える組織はたくさんある。ムシャラフが彼らに目を向けない限り、彼らを一掃することはできない。MMAに対する要請も、効果はないだろう。なぜなら、宗教政党たちは過激的思想を一般に広めるために、連合しているからだ。その例えとして、宗教連合は大衆に、9.11以後のパキスタンのタリバン離れに反対することを約束している。北西辺境州やバローチスタンで彼らが行なった政策により、2つの現象が生じた。まず、パシュトゥンの支持を確保し、非パシュトゥンを原理主義に導いたのだ。パシュトゥンの票が北西辺境州政府をつくりだし、バローチスタンのMMAに政治力を与えた。いっぽう、現在PONAMの中に組み込まれ反パシュトゥン勢力は、自分たちがもってきた伝統的な権力を奪い、聖職者の力を強化した軍事政府に対立し、過激主義に走った。

MMAは今後も、外交政策や北西辺境州、バローチスタンの取り締まりに関して、国会内で反対を続け、原理主義を貫くだろう。さらに、反パシュトゥンを唱えるカブール政府や、タリバン狩りを行なうイスラマバードの親米政府に対して、精力的に反対していくだろう。ペシャワルで施行しようとしているヒスバ法案は、確実に原理主義を広めることになる。以前MMAはアメリカ人や欧米人に、死のファトゥアを出していたことを忘れてはならない。今日、それに近いことが過激派組織のリーダーたちに対して行なわれている。

これまで北西辺境州知事は、ヒスバ法案のテキストをCouncil of Islamic Ideology(CII)に送り、イスラムとシャリア法に反してないか確認していた。しかしCIIはタリバン時代に、すでにパキスタンにヒスバ法案を施行するよう、推奨していたのだ。大統領自身の手によってCIIに任命された、超保守的聖職者たちが、パキスタンに過激主義を広めている。シャリア法を自分たちで政府に推奨するのではなく、定期的に新聞社にリークするのが常だった。MMAはCIIが推奨するすべての法律を政府に提案することを誓ったが、今のところうまくいってない。ムシャラフはCIIに新たなウレマを任命してないため、CIIは今、機能してない。したがってパキスタンの過激主義は、今後大統領が誰をCIIに任命するかによって影響される。CIIは常に「イスラム的」で、国の「誤った」現代化を譴責する。(中略)

過激主義を一掃することはできない。しかし政府が強制することができない勧告を用いて、過激主義を広めている機関を一掃することはできる。過激主義の心理学は、一般大衆が認識する「明確な目的」に依存する。そして国はこれを偽善的に妨げようとしているのだ。そしてその後、国がしないことを個人がしたり、国が防止しようとしないことを防止するという、完全に誤ったイスラム的「教義」がはびこっていく。ムシャラフは聞いているだろうか?

garrSources of extremism in Pakistan


■ムシャラフ暗殺未遂の裏にJaish [040101 Daily Times]

先週ムシャラフを殺害しようとした自爆テロ犯は、Jaish-e-Muhammadのメンバーだったと、3人の諜報部高官が『AP』に述べた。

犯人の1人はアザド・カシミール出身だったという。情報相Sheikh Rashid Ahmedは、2人目は外国人だったと発表した。ある諜報部高官によると、「1人はJaish-e-Mohammedであることが確定し、もう1人はアフガン人で、これもこの組織と関係があった。2人ともアフガニスタンでテロ訓練を受けていた」という。

garrJaish behind attempt to kill Musharraf
ISLAMABAD


■警察の爆破事件で3人逮捕で、タリバン、戦術を変える[031231 Paktribune]

タリバンがアフガニスタンの都市部で、自爆テロを行なうために200人の工作員を送り出した、という声明を発表した最中、カブール警察は、圧力鍋に隠された爆発物を所持していた3人のテロ容疑者を逮捕した。警備関係者によると、3人はタリバンとアルカイダのために働き、28日に起きた自爆テロ事件と同じような事件を起こそうと、画策していたという。

警備関係者によると、爆発事件では、逮捕者が持っていたものと同じような圧力鍋に隠した爆弾が使用されたという。なぜ爆発物を持ったテロ容疑者が、爆発物を持ったまま警察の車に乗り込むことが許されたのか、今のところわかってない。国防大臣スポークスマンは、犯人は当初報告されていたように1人ではなく、2人だったと発表した。1人は圧力鍋に隠した爆弾を持ち、もう1人が体に巻きつけた爆発物を発火させたという。

タリバンの副司令官Mullah Sair Mominが『ロイター』に語ったところによると、約200人のタリバンがアフガンの町に潜入したという。すでに130人の訓練を受けたタリバンがカブールに潜入し、政府機関や米軍、国連、援助団体の建物に対して攻撃をかける用意をしているらしい。Mominは、タリバンの資金は限られているが、強力な爆弾を作ることはできる、とも語った。アナリストによると、もしMominの話が真実だとしたら、タリバンの新たな戦術は大きな脅威となるという。(後略)

garrTaliban Claims Tactical Shift As Police Arrest Three After Bomb Blast
PRAGUE


■政府、原子力科学者を裁判にかける可能性有り[031231 Daily Times]

政府は、原子力研究所Kahuta Research Laboratories(KRL) のエンジニア、Muhammad FarooqとSaeed Ahmedを、パキスタンの原子力のノウハウに関して不正があった容疑で、裁判にかけるかもしれないという。

政府のなかの一部のセクションが、取り調べの後、この2人のエンジニアを裁判にかけたがっていると、情報源が『Daily Times』に述べた。

「Farooqは取り調べが終わったら、少なくとも解雇されるだろう」という。Farooq氏は、カーン博士がKRLを辞職するように勧告されたときに、directorに降格になった。それ以前は、KRLの外国部門の事務総長(director general)だった。

政府は約30人の関係者の取り調べを行なったが、拘束された者はいない。Farooqは取り調べの最中、病に倒れたといわれる。

smellGovt might try nuclear scientists
ISLAMABAD


■ムシャラフの綱渡り危うし[031230 New York Times]

9.11以後、ムシャラフは国の政策を変えるという果敢な選択をし、アメリカと共にテロとの戦争を戦うことにした。そして一般民衆や政治組織、また軍内部にも支持者がいるといわれる過激派組織に対する取り締まりを、強化し始めた。自分に対する2件の暗殺未遂事件の後、ムシャラフは再び自分の政策を考え直す必要が出てきたようだ。これらの攻撃は、最近の彼の行動に怒りを感じている、国内イスラム過激派組織の犯行の可能性が高い。そうだとすれば、これまでのワシントン支持は危うくなり、パキスタンの武装組織に立ち向かう決意も揺らいでくる可能性が出てくる。

2年間、ワシントンと過激派組織の両方を手玉にとってきたムシャラフは、ここにきて選択を迫られているとアナリストたちは言う。「イスラム過激派を頼ってはならない、ということを認識しなければいけない」と、ラホールの軍事アナリストHasan Askari Rizviは言う。「彼らは逆の立場にいる。『味方になるかならないか』、決めるのは今だ」。この選択は、難しいものになるに違いない。なぜなら、武装組織はパキスタン政府にとって、有益に働いていたからだ。そして彼が権力にすがりつこうとしていることが、過激派を取り締まる彼の能力を限定していると見る者もいる。

2度目の暗殺未遂事件の前日、ムシャラフは憲法改訂に対する国会の承認を勝ち取った。彼は今や「内なる矛盾」に直面し、これは近々表面化してくるだろう、とRizvi氏は言う。「いっぽうでイスラム過激派の取り締まりを、強化しなければならない。しかし彼は、アルカイダやタリバン要員を支持する宗教政党と連合している」。もちろんこの連合のなかには、大統領を暗殺しようと目論む武装グループに傾倒しているメンバーたちもいる。彼らはムシャラフが世俗政党の力を奪ったために、去年の選挙で議席を獲得した。当時彼は、これらの世俗政党を敵と見ていた。「この取り引きのために、政府は袋小路に入った」とInternational Crisis GroupのSamina Ahmedは言う。「政府は今、これまで以上にムラー(聖職者)に頼らざるを得ない」。

武装組織は、これからもパキスタンにとっては有益な働きをするため、ムシャラフが彼らに対立することは難しい。パキスタンはかつて、タリバンを支援していた。パキスタンのマドラッサは、タリバンを生み出した。これらのマドラッサは、これからも武装集団を育成するだろう。ムシャラフは公約にもかかわらず、これらの取り締まりをほとんどしてない。宗教政党も、もし彼がそのようなことをしたら、本気で戦うことを表明している。

親タリバン要員たちは国境地帯で自由に活動しているし、カシミール問題もある。ここでは武装組織たちが、軍やISIに援助を受けながら、独立のために戦っている。「ムシャラフはカシミールの問題を区別できると考え、武装組織とテロリズムを分けようとしていた」と退役軍人で政治アナリストのTalad Masoodは言う。

しかしこの考えは、木曜日の事件で一掃された。2度目の自爆テロ犯の1人は、アザドカシミール出身のジハード志願者、Muhammad Jamilだという。彼はアフガニスタンでタリバンとともに戦ったといわれる。Jamilはカブールで逮捕され、パキスタンに引き渡されたが、取り調べの結果、「白」で「国の脅威ではない」と判断され、釈放された。彼はJaish-e-Muhammadと関係があった。創始者のMaulana Masood Azharは、インド航空ハイジャック事件で人質と高官された3人のうちの1人だ。

ムシャラフが過激派に対して描こうとしていたもうひとつの線も、武装組織自身の手により、有効性が失われた。ある欧米諜報部員によると、ISIがカシミールで戦わせるために創設したといわれる原理主義組織、Laskhar-e-Taibaは、アルカイダと東南アジアの過激派組織Jemaah Islamiyahを訓練するためのキャンプを設営していたという。アルカイダは今、ムシャラフを最大の敵としている。今やムシャラフの敵は、軍が設立を援助した組織をも含むようになったようだ。「ジハードの子供たちは、保護者に背を向け始めた」と『The News』のImtiaz Alamは書く。「国家とジハード志願者の関係は、仲間から敵に変わってしまった」。

もうひとつ無気味なのは、武装組織が、軍または警察などの警備隊のメンバーと共謀している可能性だ。2つのムシャラフ暗殺未遂事件は、彼のセキュリティー範囲を突破し、警備が最も厳しいはずの軍本部付近で発生している。軍のトップは例外を除いて、主に親欧米派と見られているが、中堅に関しては今のところ何も言えない。ムシャラフは今後、軍との関係が問われるだろう。アナリストによると、もし過激派を一掃したければ、カシミールで過激派組織を用いることを諦めなければならないという。そうするとすれば、彼は軍すべてを彼の元に引きつけるために、かなりの努力をしなければならない。「そういう意味で、本当に彼に同情する」とMasood氏は言う。「彼は非常に厳しい批判にさらされている。軍の一部は不満になるだろう。これをしなければならない状況に迫られているが、突然スイッチを切ることはできない」。

garrThe Tightrope Is Fraying Under the President of Pakistan
By AMY WALDMAN、Islamabad


■核の悩み:もし過激派がムシャラフを追いやったらどうなる?[031230 New York Times]

最近のムシャラフ暗殺未遂事件は、ブッシュを悩ませている。もしムシャラフが殺されたり、現在の地位から引きずり下ろされたら、パキスタンの安定と核兵器の安全はいったいどうなるだろうか?

政府高官は、万が一パキスタンに何かがあったらどうするか、具体的な計画は語らなかったが、核兵器の防備を強化し、アルカイダと、軍や諜報部内部にいる過激派たちから守れるよう、パキスタンを援助しているという。

「我々が知らないということが、一番心配だ」とある政府高官は言う。「パキスタンは今、どのくらい核分裂性物質を持っているのか。どこに貯蔵しているのか」。3年前、アメリカはパキスタンは40の核兵器を作るに足りる、ウラニウムを持っていると見ていた。その量はさらに多くなったと考えられる。「核物質や核兵器がテロリストの手に渡ったら、あるいはテロリストを保護している国の手に渡ったらどうなるか、それが心配だ。この件に関してパキスタンと話し合い、パキスタンはこれを真剣に受け止めている」。

アメリカは、パキスタンがどこに核を隠しているのか、確実に断定することは不可能だという。あるペンタゴンの高官は、パキスタンが混乱に陥ったときに、米軍が核兵器のありかを探し出すことは「非常に難しく、危険だ」という。ほとんど不可能に近い、ともいわれる。

たとえムシャラフが権力を失ったり殺されたりしても、パキスタンは比較的安全に核を守ることができるという。核弾頭やそれを搭載させる装置は、別々に貯蔵されている。したがって、完全な形の武器を盗むことは難しい。

この課程のなかで、アメリカがどの程度援助したかは、秘密になっている。パキスタンにおける反米感情を、刺激したくないからだ。しかし、別の理由もある。パキスタンは核非拡散条約に調印してない。したがって、アメリカは核に関するテクノロジーを分かち合うことはできないはずだ。しかし2年前にあるアメリカの高官が語ったところでは、ブッシュ政権はパキスタンの核兵器の安全性を向上させために、この規則が足かせになってはならないと述べたと語る。しかし、コンピュータ化した核のセーフガードは、アメリカの機密事項といえる。パキスタンも、アメリカのセーフガードテクノロジーを欲しがらないかもしれない。自分の核のデザインを教えなければならなくなるからだ。

9.11後、CIAのテネット長官とアーミテージ国防副長官がパキスタンを訪れ、この件を話し合ったが、その結果はわからない。しかし政府高官は、ムシャラフが核兵器の支配を失うことよりも、高性能ウラニウムを持っていることを気にしていた。テロリストが爆弾の燃料を手に入れれば、“dirty bomb”を作ったり、稚拙な核兵器を作ることができるからだ。アフガニスタンで見つかった書類によると、アルカイダは核兵器を作ろうとしていたが、成功してなかったことがわかる。しかしパキスタンの科学者たちは、その能力を持っている。そしてアメリカが心配しているのは、ムシャラフが原子力科学者たちを信頼しているかどうかだ。

政府が転覆したりムシャラフが死亡したのち、原子力プログラムの安全性がどうなるかが、いつも話題になる。しかし一番の脅威は、これらの科学者たちの性質だ。彼らが誰と繋がり、いかに彼らの動向が把握されているかが問題になると、Council on Foreign RelationsのMahnaz Ispahaniは述べる。(中略)

Center for Nonproliferation StudiesのGaurav Kampaniは言う。「最近の暗殺未遂事件は無気味だ。ムシャラフの警備内部が、謀反を起こしている。もし大統領の警備、軍長官の警備が保証できないのであれば、核兵器やミサイルはどうして安全と言えよう」。

smellA Nuclear Headache: What if the Radicals Oust Musharraf?
By DAVID E. SANGER and THOM SHANKER、RAWFORD, Tex.


■パキスタン国会、ムシャラフの要求を受け入れる[031230 AP]

憲法の修正は、MMAが予想外に賛成に回ったために、承認された。ムシャラフの支持者によれば、この取り引きは民主主義に戻る大事なワンステップだという。しかし前首相、ナワズ・シャリフが率いるPakistan Muslim Leagueのスポークスマンは、「すべての権力が大統領の手中に入った。首相も、国会も、何の意味もなくなる」と非難した。

smellPakistan's Senate Approves Musharraf Deal
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■アメリカ、アフガニスタンでの最大の作戦を終了する[031230 Reuters]

米軍は、アフガニスタンで行なっていた最大の軍事作戦“Operation Avalanche”を終了した。

作戦が行なわれていた3週間、タリバン攻撃は下火になったというが、南部や東部での大規模な攻撃や、カブールで起きた自爆テロ攻撃などを食い止めることはできなかった。米軍の声明によると、この作戦の間、10人の敵を殺害したという。

hoonU.S. winds down biggest post-war Afghan operation
KABUL


■パキスタンの大統領、憲法修正で権力を勝ち取る[031230 AP]

反対派の抗議にもかかわらず、国会で憲法改正が承認され、ムシャラフ大統領は、国会の解散を含む巨大な権力を勝ち取った。これによりムシャラフは2007年の終わりまで大統領の地位に就き、2004年の終わりまでは軍の最高司令官としての地位に就くことになる。

国会の100議席のうち、72議席の賛成を得たが、反対派は抗議して、退場したという。急進派イスラムの政党MMAがムシャラフを擁護したために、必要な三分の二の賛成を獲得することができた。

これまで強く反対を表明していたMMAは、政治的対立に終止符を打つために、大統領を支持したと述べた。反対派Alliance for Restoration of Democracy(ARD)は、イスラム政党がかつてそうだったように、再び軍と同盟を結んだと非難した。「パキスタンの歴史にとって、ブラック・デーだ。議会が権力の抜け道を用いた。議会、首相、内閣は、1人の男の力に屈したのだ」と、ARDのSenator Raza Rabbaniが『ロイター』語った。ARDによると、この修正により、軍の役割が政治の中でも強化され、市民制度や社会が軍事化されることになるという。(後略)

smellPakistan's Musharraf wins powers with amendments
By Amir Zia、ISLAMABAD


■ムシャラフとムラー[131230 BBC]

ムシャラフが政権について以来改正されたパキスタンの憲法は、すべて国会によって正式に認可された。これでムシャラフは、パキスタンの歴史上、もっとも強力な大統領となる。

軍の最高司令官であったムシャラフは、2001年に大統領であることを宣言したが、これまで国会の承認を得られないでいた。結局、彼に反対を表明していたイスラム政党が、憲法改正を承認することで、彼を救うことになった。

ムシャラフにとってもっとも重要なのが、99年のクーデター以後の彼の行動すべてを有効にする、という一節が付け加わったことである。99年10月14日の緊急事態発生後の大統領の行動は、いかなる場合も法廷で問われないことになった。

原理主義政党のMMAは、大統領が要求していた権力すべては認めないだろうと見られていた。しかし、彼は最も権力を持った人間となった。2008年まで現職に就き、あと1年間は、軍の最高司令官として、留まる。さらに、最初に最高裁判所にかけることなしに、パキスタンの国会や地方議会の解散を命令する権限を持つ。また社会的、経済的な改正を行ない、パキスタンの地域的、国際的な政策を決定できる。のちのち、政府の公式な決議に、軍を直接巻き込むNational Security Councilを形成することが予定されている。唯一のイスラム原理主義者たちとの譲歩は、2004年12月までに制服を脱ぐということである。少なくても言葉の上では、そのように約束している。

パキスタンの歴史の上で、これまでにない大きな反対を受けながらも、ムシャラフは憲法に大きな改正を加えることに成功した。イスラム原理主義政党の支持がなければ、国会の3分の2の賛成を得ることはできなかったはずだが、これまで原理主義政党は、ムシャラフに強く反対を表明していた。(中略)それなのに、なぜMMAは今になって、ムシャラフ支持に転じたのだろうか。

アナリストによると、軍とムラー(宗教指導者)との協調は、今でも確固として残っているという。この関係は、ハク将軍の時代に出現し、イスラム原理主義が、軍の国内そして地域的な政策に対する防波堤として用いられた。ハク自身、保守的なイスラム主義者であり、彼の支配に対立した政党に対抗するために、イスラム政党を援助していた。

この軍とムラーの同盟は、ムシャラフのリベラルな政策のために、停滞した。しかしパキスタンの現実が変化しているため、イスラム政党は自分たちの政策を修正し始め、イスラム武装組織と、距離を置き始めたのだ。そして約50年の苦難の道の果てに、国内政策に大きく食い込んだ。2002年10月の国会と地方選挙のあと、イスラム政党は初めて北西辺境州に自分たちの政府を築くことに成功したのだ。

アナリストたちは、MMAは北西辺境州の支配を続けたがっているという。おそらくムシャラフから、この地域でイスラム改革を続行することに介入しないという、口約束を受けたのではないか。したがって、軍の古い盟友にとって、再び軍の支配者がこの上もない権力をもった国家の長に就任してもよい、と考えたのだろう。

北西辺境州の原理主義は、アメリカにとっては頭痛の種だ。この地域にタリバンがはびこることを恐れている。しかしイスラマバードの中央政府が、MMAの厳しいイスラム主義を見て見ないふりをしたとしても、ムシャラフはこの地域に武装組織が根づくことは許さないだろう。すべての権力を手中にしたムシャラフは、イスラム政党の怒りをかったとしても、急進派イスラムを取り締まる地位にいる。

smellMusharraf and the mullahs
By Zaffar Abbas


■パキスタンのリーダー、敵多く、友少なく[031230 New York Times]

ムシャラフ大統領に対する2つの暗殺未遂事件が起きたとき、犯人として、すぐにアルカイダとその仲間たちが浮上してきた。アメリカの高官たちも同じ見解だったが、パキスタンでは諜報はほとんどあてにならないという。「パキスタンでは、状況を把握するのが難しい。現実は常に変化する」と、この地域に詳しい行政官がいう。「情報の信憑性は、ほとんどないといえる」。

アメリカにとって、権力の交代は恐ろしい。いつパキスタンの核が、外に漏れるかわからない。専門家たちは、パキスタンは世界でもっとも危険なところで、誰がアメリカの友であるか、識別するのが最も難しい国だという。

ムシャラフを例にとれば、彼はパキスタンの過激派から、アルカイダに対する取り締まりが厳しすぎると非難を受けるいっぽうで、ワシントンからは、見て見ぬふりをし、ビンラディンを自由にしていると非難されている。どちらの理解も、現実といえる。

アメリカ人高官は、最近ムシャラフは、山がちな部族地帯で道路やその他の施設の建設に、かなりの金額を用いていることにびっくりしている。パキスタンは、これまで中央政府に敵意を持っていたパシュトゥン族たちの、顔色を伺っているのだ。ビンラディンはまさにその地域に隠れていると思われ、パキスタンはその捜索に全力で協力すると、アメリカに言い続けてきた。しかし彼が努力していると思うアメリカ人は、誰もいないだろう。「ワシントンで感じることは、取り引きが行なわれているということだ。力の駆使ではない」とアメリカ人高官は言う。

行政官は、ムシャラフの核兵器を輸出しないという言葉は、表面的なものにすぎないと言う。先週アーミテージ国務副長官は、「彼を信じる」と述べた。

アメリカは、なんとかしてパキスタンを民主主義国家に戻そうとしている。しかし去年の選挙で、イスラム政党が躍進した。北西辺境州政府は、なかでももっとも過激だ。2度目の暗殺未遂事件の前日、ムシャラフは原理主義政党と取り引きし、軍の最高司令官の地位から降りる代わりに、大統領に就任し続けることになった。その見返りに野党は、彼が求め続けていた、大統領の権力と政治生活における軍事力をさらに強固にすることに同意した。派閥の争い、武器、ドラッグ、密輸品の取り引きがはびこるために、アメリカはこれまで軍を信じるしかなかった。パキスタンは47年の独立以来、ほとんど軍に支配されている。そして今日、軍は社会において、もっとも力を持つ。

軍の触手は、経済に伸びる。軍や軍関係者たちはさまざまな企業を経営し、退役軍人はビジネスの要職に着く。軍は冷酷さと脅迫をもって秩序をもたらし、またパキスタンの生活に一貫性と知的素養をももたらす。しかし歴史は、軍支配は没落をもたらすことも明らかにする。パキスタンを治めた最後の将軍ジア・ウル・ハクは、原因不明の飛行機事故で88年に死亡した。彼の死により、民主主義はもたらされたものの、政情不安と汚職がまん延し、99年のムシャラフのクーデターで最高潮に達した。もし過去が指針となるとすれば、ムシャラフは再び政情不安に立ち向かうだろう。アメリカは、ただ彼が権力の座に長くつき、アメリカの利権を守ってくれることを望んでいるだけだ。

garrPakistan Leader Has More Enemies and Fewer Friends
By STEVEN R. WEISMAN、WASHINGTON


■自爆テロ犯、Jaishと関係有り[031230 Daily Times]

2人の自爆テロ犯のうち1人は、昨年アフガニスタンの刑務所から釈放された、Jaish-e-Mohammedのメンバー、Mohammed Jameelであることが判明したと、諜報部高官が述べた。JameelはRawalakot在住だったらしい。

別の諜報部高官は、Jameelは昨年アフガニスタンで釈放されたあと、パキスタンで取り調べを受けたが、その後自由になったという。当時彼が反国家的な活動をしていたとは思えなず、その後彼が自爆テロ犯になるとは、誰もが予想してなかったと、この高官は述べた。もう1人の自爆テロ犯は、アフガン人だったという。

garrSuicide bomber linked to Jaish
PESHAWAR、Reuaters


■2人目の自爆テロ犯の身元,確定される[031229 The News]

パキスタン政府は、2人目の自爆テロ犯の身元をHazir Sultanと断定した。この男はアフガニスタンの武装組織、「Afghan Jihad」と関連があると、捜査当局が『The News』に語った。

Hazir Sultanはアフガニスタンのパンシール渓谷出身で、「Afghan Jihad」の重要メンバーだったという。宗教的過激派で、パキスタンのさまざまな過激派組織と関係をもっていたらしい。彼の補佐役だった男をラワルラワルピンディで逮捕し、身元が確認された。

情報源によると、Hazir Sultanは南ワジリスタンで活動し、ワナで作戦が行なわれたときにも現場にいたという。ワナでの作戦の復讐として、ムシャラフを狙ったとも考えられている。Hazir Sultanは数日前にムシャラフ暗殺を行なうために、ラワルピンディに移動したといわれる。暗殺計画の裏にいる首謀者の逮捕のため、捜査陣が南ワジリスタンに派遣されているらしい。

14日と25日の事件は、同じ首謀者が計画したものと考えられている。使用された爆発物は、プラスチック爆弾だった。

『ロイター』によると、政府高官が、自爆テロ犯の1人はアザド・カシミール出身で、もう1人はアフガン人で、パキスタン人の偽造身分証明書をもっていたという。この身分証明書の住所は北西辺境州となっていたという。

garrBody of second suicide bomber identified
By Shakeel Anjum、RAWALPINDI


■誰だろう[031229 Daily Times]

内務大臣Sheikh Rashidは、ムシャラフを殺そうとした自爆テロ犯人は、外部と内部のジハード志願者たちの犯行だと述べる。警察は、アザド・カシミールで数人を逮捕した。これは、犯人の「頭部」を調べた結果、過去においてさまざまなジハード組織と関係があり、アフガニスタンで訓練を受けた男であることがわかったからだという。チェチェン人の名前も浮上している。

何人かのアナリストたちは、2002年のカラチでのムシャラフの最初の暗殺未遂事件から推察して、Jaish-e-MohammadとAl Jihadが関係していたのではないかという。とはいえ、Al Jihadについては何もわかってない。タリバンが指揮する、カンダハルに本部があるHarkat-e-Jihad-e-Islamiを指すのであろうか。いくつかのウルドゥー語紙は、インド航空ハイジャック事件でUmar SheikhとMasood Azharとともに釈放された、Mushtaq Zargarの仕業だとする説を発表している。つまりこのテロはPoonchで計画され、ムシャラフに対する最近の攻撃を、ムシャラフのカシミールに対する「裏切り」と関連があるかのごとく、注意をそらすように仕組んだことになる。しかしZargarは一時、自分の組織のAl Umarを、パキスタン人のメンバーを用いてアザド・カシミールで活動させていた。

ビンラディンこそ、99年にハイジャック事件を起こし、自分のお気に入りの3人の男たちを釈放させたのである。最近ラホールのジャーナリストが、前タリバン外務大臣のムタワキルが、インドとハイジャックについて話し合っている最中、ハイジャック犯はイスラマバードと通信していたと証言したと報道しただけで、当局から厳重な処罰を受けたという。ハイジャック犯とMasood AzharはHarkatul Mujahideenに属し、この組織は後にHarkatul Ansarになった。2000年に2人のHarkatul Mujahideenリーダー、Fazlur Rehman KhaleelとMasood Azharが仲たがいをしたときに、ビンラディンはカラチのビノーリモスクのMufti Shamzaiの援助を受け、Jaish-e-Muhammadを立ち上げるのに一役買った。その時、Fazlur Rehman Khaleelに、新品のダブル・キャビン・トラックを12台も贈り、Jaishはすぐに新しいキャンプに収まったのである。カシミールにおけるジハードで、もっとも活発に戦う組織となり、スリナガルで議会の建物を攻撃して捕まったときも、すぐに自由の身になった。JaishとHarkatはどちらもSipah Sahabaの枝組織であり、そのリーダーは最近暗殺されたMaulana Azam Tariqだった。

2002年のカラチで起きたテロについて、考えてみよう。いかにデオバンドのジハードが、タリバン/ビンラディンと関わっているかがよくわかる。FBIとパキスタンの諜報部は、サウジでエジプト人Hisham al-Wahidを逮捕し、パキスタンに連れてきた。彼の自白により、カラチのGaggar Phatakにある警察所の裏にあるガレージで、3人のJaish-e-Muhammadと2人のLashkar Jhangvi活動家が逮捕された。これらの活動家たちはSargodhaに属し、Maulana Samiul Haqが運営するAkora Khattakマドラッサで訓練されていた。これらの活動家たちから、今度はSteel TownのGulshan Hadeedでイラク人1人とイエメン人2人が逮捕され、さらにMujahid Colony NazimabadでSipah SahabaのRafeequl Islamを逮捕した。そこでオマール師とビンラディンを映したビデオや、ジハードの本が押収された。Rafeequlは、「ビンラディンの相棒」と報道された。

Harkat-e-Jihad-e-Islamiは、イスラマバード亡命後に死亡した、アフガンのリーダーNabi Muhammadiと協力していた。タリバンの大多数は、Nabi Muhammadiのジハード組織に属していたが、当時パキスタン当局はこの組織をそれほど注目してなかった。そしてタリバン決起後、Harkatはタリバンのお気に入りの組織となった。組織のパキスタン人戦士たちは、中央アジアやチェチェンで戦った。チェンチェンとのコンタクトは2002年に全盛期となり、その証拠に、アルカイダの最初のチェチェン人殉教者として、地元のPML-N MNAが、コハートに記念碑を建設したほどである。Harkatのリーダー、Qari Saifullah Akhtarは、2001年のタリバン掃討作戦でパキスタンに逃げ、いまだに逮捕されてない。彼とともにMasood AzharとFazlur Rehman Khaleelは、2001年の国連決議の後も監視下に置かれたことはない。2002年に、百以上のジハード組織がアザド・カシミールに生まれ、大きな組織は改称して、統合していった。

ジハードは、パキスタンにつきまとい始めた。そして以前、ジハード組織を援助していた軍の最高司令官につきまとう。ムシャラフは、ジハードに終止符を打つという正しい行動をしている。しかしジハード団たちは、すでにここに存在していることを認識しなければならない。ジハード団を組織した者たちが、軍の内部にも外部にもいるのだ。そしてムシャラフが共存しようとしているMMAは、パキスタンにタリバン制度を導入することを掲げて、国会の議席を獲得している。パキスタン人の大多数は、テロを一掃しようとするムシャラフの政策に賛成している。しかし彼を妨害し、彼を殺害しようとする少数派は、豊富な資金を持ち、完全武装している。ムシャラフは、自分の政策に固執すべきだ。しかし、彼に対して企てられた陰謀は、「内部」の援助がない限り実現不可能であること、そして今、彼を守ろうとしている国の組織は、過去において、彼の命を狙っている者たちと協調していたことを忘れてはならない。

garrohWho could it be?


■アフガン議会、最後の調整に入る[031229 AP]

ロヤジルガは、最後の調整の段階に入った。ジルガの議長Sibghatullah Mujaddediが日曜日、イスラム原理主義者たちと人権団体が出している要求の折衷案を出した。欧米の外交官によると、大統領制に対しては、変化はないという。

ただし、法律はイスラムや憲法が認める価値に反するものであってはならない、とする部分は、立法はイスラムの「原理と価値」に反してはならないとだけ、記された。いっぽう、女性代表からの抗議で、憲法の中で男女同権を記すことを留意した。

人権団体は、カルザイは大統領制を支持させるために、宗教保守派に譲歩しすぎるのではないかと、憂慮している。

日曜日に自爆して5人を死亡させた犯人は、外国人だったというが、それ以上のことはわかってない。

hoonAfghan Council Prepares Final Amendments
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.