【2005年9月5日〜9月11日】
■トラボラで取り逃す[050911 New York Times]
●(前略)ビンラディンがトラボラの洞窟を初めて訪れたのは、もう20年も前のことだった。その自然に守られた要塞は、冷戦時代、CIAにバックアップされたジハードの賜物でもあった。ビンラディンは父親の建築会社から送られた数十のブルドーザーや重機器を用いて、要塞を作り上げて行った。ビンラディン自身が山の頂までブルドーザーを運転して、トンネルや貯蔵庫を作って行なったともいわれる。
●事実2001年12月、トラボラで最後の戦いが始まったとき、洞窟には換気システムや水力発電を用いたパワーシステムがあったという。そして洞窟の中にあった数百の部屋の床は平らで、設備が整っていた。
●2001年12月、最後の戦いが始まった。洞窟の中には、約1500〜2000人の、よく訓練された武装兵士たちが隠れていた。そしてその1マイルほど下、洞窟のふもとには、米軍特殊部隊員、36人が待機した。アメリカがトラボラの戦いのために派遣したのは、たったこれだけの地上部隊員たちだった。
●Yunis Khalisは、いつかこのような時が訪れるだろうと考えていた。Khalisは、アメリカ人を熟知していた。20年前、彼らのために戦ったからだ。彼は、アメリカ人が好きにはなれなかった。しかし対ソ連戦争時代、アフガン抵抗勢力のリーダーとしてワシントンの贈り物を受け入れていた。(中略)ジャララバードのゴッドファーザーとして、Khalisはトラボラを含む広大な地域を支配していた。そして今ここは、ビンラディンの指令センターとなっている。洞窟はすぐそこにあり、Khalisは自分のベランダからさえ、それを見ることができた。私はあるとき、Khalisの前高官だったMasood Farivarに、なぜトラボラがそんなに大事なのか尋ねたことがある。「荒れ果てて、孤立している」。「良く知っていれば、簡単に動き回ることができる。しかし知らなければ迷路となり、出ることはできない。1400フィートもある場所もあり、ソ連はすべてを投げ打ってこれを陥落させようとしたが、無駄だった。もうひとつ重要な点は、パキスタンとの国境に近いということだ。20マイルしか離れていない」。
●ビンラディンは洞窟をFarivarやKhalisと同様に熟知していた。(中略)ビンラディンがKhalisに会ったのは、対ソ連戦争の時代だった。2人は親しい友人になった。1996年にビンラディンがスーダンからアフガニスタンに戻ると、Khalisの2人の部下の司令官、Hajji Abdul QadirとEngineer Mahmoudが彼を招いてくれた。そしてその年の終わりに、Khalisはビンラディンをオマール師に紹介する。
●「Khalisはビンラディンに興味を持っていた」と、CIAのビンラディン捜索の前責任者のMichael Scheuerは語る。「オサマは若い頃に父親を失った。Khalisは彼にとって父親のようなものだった。Khalisは、ビンラディンを心身深いイスラーム教徒の若者と見ていたようだ」。
●ビンラディンは9年前に、4人の妻と20人近くの子供たちを連れてKhalisの家に移り、その後ジャララバード郊外の農家に移り住んだ。しかしその直後、Engineer Mahmoudが暗殺された。さらにビンラディンも2度、命を狙われた。サウジ人の仕業のようだったと、Scheuerは語る。以前ハルトゥームでも、ビンラディンは暗殺されそうになった。「その結果、ビンラディンは幹線道路から離れた所に移りたがった。そこで、KhalisはトラボラとMilawaを与えたのだ。ビンラディンはすぐさまこの2ヵ所を、自分に都合よく作り変えた。トラボラは家族や腹心のために、そしてMilawaを戦士たちに与えて指令センターを置き、戦術的な拠点とした。そのころビンラディン自身は、カンダハルに移った」。「1997年、山の中の2つの拠点は完全に改築され、現代化した。そして彼がやってくるのを待っていたのだ」。
●9.11の6週間後、そして10月7日に米軍がアフガニスタンの爆撃を開始した2週間後、アフガニスタンに対しては何の心構えもなかったアメリカ人の軍事リーダーたちは、やっと体制を整え始めていた。特殊部隊員12人のユニットが、ウズベキスタンからパンシール渓谷にヘリコプターで到着。そこで北部同盟軍と合流する。北部同盟はアフガニスタンの10%を支配しているにすぎなかったが、ワシントンは北部同盟軍に地上戦を任せた。アメリカ人たちは、空からの圧倒的な力や、スーツケースに詰まったドルで戦闘員たちを買収できると楽観的だった。誰もが、アフガニスタンの複雑な部族民の生活に気づかないふりをした。
●Scheuerによると10月から11月にかけて、アメリカの工作員たちがKhalisに協力を求めた。「Khalisは、すでに引退し、今は何もしていないと語った」。アメリカの諜報官たちが彼に会ったのは、「このときが最後になった」という。「そんなことってあるか! 誰もがKhalisとビンラディンが近い関係だったことを知っている。それともKhalisは、タリバンと中立な立場を保った7人のムジャヒディンの1人だったのか?」。「そして9.11以後、我々はアフガニスタンを爆撃し始めると、Khalisはアフガニスタンにいるアメリカに対してジハードを宣言したのだ」。
●Khalisがアメリカへの協力を拒否したために、米軍特殊部隊は彼の司令官2人に接近した。2人は変な取り合わせだった。ハザラット・アリとハッジ・ザマンである。ハザラット・アリは無学で、臆病で無骨だった。ハッジ・ザマンは裕福な麻薬密売人だった。英語とフランス語に長けて饒舌で、フランスに亡命していたところ、アメリカによってアフガニスタンに呼び戻されたのだ。2人とも10代から、対ソ連戦争を戦った。アリはトラボラで、ザマンはジャララバードで戦った。アリは一時タリバンに参加したが、後に北部同盟員になった。ザマンは中立を維持し、タリバン政権になると亡命した。アリはペンタゴンに支持され、トラボラの洞窟で地上戦を戦うために派遣された。ザマンはKhugyan族のパシュトゥンリーダーで、自身の土壌をすでに培っていた。パシュトゥンではないアリには、これがなかった。
●3人目の民兵リーダーは、Hajji Zahirである。彼はYunis Khalisの前司令官で、それほで経験は積んでいなかったが、良家の出身で、トラボラに自分の軍隊を連れてくる。Hajji Abdul Qadirの27歳の息子である。Hajji Abdul Qadirはナンガハール州知事に着任しようとしていた。
●最近になって明らかになったところによると、ビンラディンは11月10日に、ジャララバードに戻る用事ができた。そして同日、彼はジャララバードのイスラームセンターで、熱烈なスピーチを行なった。数千人の部族のリーダーたちに、全員で協力すればアメリカ人たちに、「ロシア人に与えたと同じ教訓を与える」ことができると誓ったのだ。 (中略)そしてそれぞれのリーダーたちに、白い封筒を渡していった。その場に参加した者たちによと、小規模な氏族にはパキスタン・ルピーで300ドル分、大氏族は1万ドル相当をばらまいたという。
●ビンラディンは、パシュトゥン人たちの忠誠を勝ち取る必要はなかった。もうすでに、全員が彼に傾倒していたからだ。彼は半世紀の間、アフガン人とともに戦った唯一の非アフガン人ムスリムだったからだ。その日の午後、ビンラディンは地下に潜り、トラボラの洞窟から逃げる準備を始めた。
●翌日の午後、あるいは明後日の夜、ビンラディンはパキスタンのパラチナールのパシュトゥン人部族リーダーと食事をともにした。パラチナールは、冷戦時代のジハードの際、CIAの重要な拠点となっていた。このため部族民たちは、暴利を得ていた。クラム渓谷にあるこの美しい町、パラチナールは、パキスタンにとってアフガニスタンからの侵入を防ぐ要所でもある。その先は白い山々だ。そしてトラボラの洞窟が続く。
●ビンラディンがジャララバードで最後に目撃されたのは、11月13日である。Khalisの息子のMujahid Ullahや他の部族民リーダーたちと、政権をタリバンから新政府の責任者へ平和的に譲渡するための交渉をしていた。話し合いによると、アメリカ主導の政府による支配が開始するまで、Khalisは一時的に町を支配することになった。もちろん政府には、自分に忠実な人間を置いた。Hajji Abdul Qadirはナンガハール州知事に再び着任した。ビンラディンのアラブ人戦闘員たちは数年間、ジャララバードを指令センターにしてきた。今彼らは、武器や日用品、家族などを数百台のトラックや武装した車、四駆に満載して、散って行った。これに続くタリバン戦士たちもいた。他は黒いターバンを取り、村や町に帰っていった。
●(中略)そしてビンラディンはトラボラの山で、アメリカがやってくるのを待った。
●11月の終わりまでに、ハザッラト・アリとハッジ・ザマン、ハッジ・ザヒールは、約2500人の戦闘員をトラボラに集めた。彼らの武器は貧弱で、訓練もされていてかった。いっぼうアルカイダ戦士たちは単に地理的に有利だっただけではない。ジェネレーターも電気も装備も食料も豊富だった。アフガン兵たちは寒さのなかで不平をこぼし、仲間同士で争っていた。さらにハザッラト・アリとハッジ・ザマンの対立が顕著になってきた。部下たちの間で、殺し合いも発生した。
●米軍によるトラボラ空爆はすでに1ヵ月も続き、ハッジ・ザマンによると、数百人の市民やアフガン兵が死亡した。彼は部族の長老をビンラディンのもとに派遣して、彼にトラボラを去ってほしいと懇願していた。そして12月3日に、突然ハザラット・アリが、地上戦が始まると宣言した。
●地図上では、トラボラの山の麓からアルカイダが潜む洞窟は、1マイル強しかない。しかし雪が深く、アフガン兵たちが洞窟の入り口に到着するまで、3時間もかかった。そして到着するやいなや、攻撃される。戦いは10分にも満たなかったという。数日間、このパターンが繰り返された。戦闘が始まった3日目に、やっと米軍特殊部隊員36人が到着した。しかし彼らの役割は、空爆を誘導し、アドバイスするだけだった。
●特殊部隊員たちが到着しても、様子は変わらなかった。北・東・西から同時に攻めたが、パキスタンと国境を接する南だけはそのままだった。最近の情報によると、山の南側はどうなっているか、論争が交わされたという。雪に閉ざされて越えることはできないと言う者もいた。このころ、カンダハルからタリバンは撤退していた。あちこちでタリバンは、単に戦略的に撤退した。トラボラも同じ道を辿ると、アメリカの高官たちは考え始めた。
●その頃アフガニスタンに、4000人の海兵隊員が到着していた。海兵隊司令官のJames N. Mattisによると、兵士たちを全員トラボラに送っていたなら、簡単にビンラディンを捕まえることができたと言う。しかしブッシュ政権は、彼の申し出を却下した。これはアフガニスタンの戦争における、アメリカの最大の失敗だった。
●Mattisの申し出が却下された1週間後、トラボラの戦いは転機を迎えた。12月12日、雪やハザラット・アリに嫌気がさしたハッジ・ザマンが、ビンラディンと停戦協定を結んでしまった。ハザラット・アリも、密かにビンラディンと交渉を続けていた。ハザラット・アリの交渉相手は、おそらくビンラディンの息子、Salah Uddinだった。ビンラディンの息子は、翌日8時に再び話し合おうと言って帰っていった。
●アメリカの諜報部は、その晩のうちに、約800人のアルカイダ戦士たちがトラボラを去ったと見ている。しかしビンラディンを含め、何人かは残った。「彼は最後の最後までトラボラに留まっていた」とCIAのSchroenは語る。しかし12月17日にアフガン軍が洞窟に到着したときには、20人ほどの若者たちが残っているだけだった。
●12月16日頃、ビンラディンは数人の部下とともに、トラボラを去った。他のアルカイダリーダーたちは、別のルートで逃げたが、ビンラディンの一行は馬に乗り、南へパキスタンに入った。そして道行く道、国境の両側でパシュトゥン族の部族民たちが彼を助け、彼を導き、雪のなかをバラチナールまで送り届けたのだ。
●(中略)ビンラディンがパキスタンを去ったことを証明するものはない。パラチナールからワジリスタン、そしてモーマンドやバジャールを移動しているらしい。(中略)
●これまでブッシュ政権は、ビンラディンがトラボラにいたことを知らなかったと述べてきたが、今年の春、ペンタゴンはビンラディンがトラボラにいることをつかんでおり、彼を取り逃がしたことを初めて認めた。タリバンの抵抗運動が再び強化されたデリケートなタイミングで、これが発表された。(中略)
●またパキスタン北部のマンセーラや、南部のバローチスタンに、いまだにテロキャンプがあると報道された時期でもある。クエッタはタリバンの町だ。
●ムシャラフは、ようやくビンラディンの捜索に重い腰をあげることにしたのか、私にはわからなかった。Carnegie Endowment for International PeaceのGeorge Perkovichにこの点を尋ねた。「イスラマバードでは、ビンラディンを逮捕あるいは殺害することは、パキスタンにとって有益だと考えているのだろうか」。この問いに対して、次ぎのように語った。「いったい彼らは、それをしようとしているのだろうか? アメリカの味方をしているだろうか? ムシャラフは、ワシントンが自分の側につくことを気にしている。アメリカ人を引きつけておきたい。彼らがほしいものを持っていること。オサマは、彼らにとっては保証金みたいなものだ」。
●CIAのSchroenによると、ビンラディンはパキスタンの協力がなければ捕らえることはできないという。「我々は彼らに、ビンラディンを捕らえることがいかに重要か、知らしめなければならない。そしてそのために、多数の特殊部隊員やCIAのチームを北部地域に潜入させ、自由に動き回れるようにしなければならない。また国境の両側で協力しながら、アフガニスタンにおけるアメリカの軍事作戦を再び見直さなければならない」。「これは全部パキスタン次第だ」。「しかし、もしムシャラフ自身がビンラディンを引き渡した張本人だということが明らかになれば、彼は生きながらえないだろう」。
Lost at Tora Bora
MARY ANNE WEAVER
■シャーワルの捜索で7人逮捕[050911 News]
●軍が北ワジリスタンのシャーワルで抵抗勢力の隠れ家を捜索し、7人を逮捕した。
●情報源によると、逮捕者のなかには、指名手配となっていたZareen KhanとMir Aslamが含まれているという。パキスタン軍と国境警察がシャーワルで作戦を行なったという。軍は隠れ家を急襲し、捜索を開始する前に周辺を封鎖したという。 (後略)
Seven arrested as troops raid Shawal valley
MIRANSHAH
■米軍とアフガン軍、選挙前の取り絞まりで抵抗勢力30人殺害[050910 AFP]
●米軍とアフガン軍がアフガニスタン南部で、タリバン抵抗勢力30人を殺害した。
●「金曜日にヘルマンド州のGrishkで作戦を実施し、アフガン軍と同盟軍が30人の敵を殺害、60人を逮捕した」と、国防省報道官のMohammad Zahir Azimiが述べた。
●ヘルマンド州の作戦で、多量の武器も押収したという。(後略)
US-Afghan forces kill 30 suspected militants in pre-election swoop
KABUL
■アフガン軍ヘリ、離陸後墜落[050910 AP]
●土曜日に、アフガン陸軍長官と内閣大臣を乗せたヘリコプターが離陸直後に墜落したが、乗員は全員炎上した機体から脱出した。
●パイロットと障害者省大臣が軽傷を負ったという。
●軍のヘリコプターが離陸直後に横転して墜落、炎上した。
Afghan Army Copter Crashes After Takeoff
DAVID GUTTENFELDER
■アフガン大臣、暗殺を免れる[050910 AP]
●カブール空港で、銃を持った男たちがアフガン国防大臣が乗っていた車列を襲撃して暗殺しようとしたが、大臣はすでに下車して無事だった。
●アフガン兵9人がこの事件と関連して逮捕されたと、国防省報道官のMohammed Saher Azimiが述べた。
●空港から出てきた車列が銃撃され、国防大臣がそれまで座っていた場所に命中したという。
Afghan Survives Assassination Attempt
KABUL
■パキスタンで戦闘員3人逮捕[050910 AP]
●アフガニスタンに近い部族地帯で、パキスタン軍との銃撃戦の結果、外国人戦闘員3人が逮捕されたと、治安部高官が土曜日に述べた。
●容疑者たちは金曜日に、治安部隊の制止命令を無視して車の中から発砲してきたという。北ワジリスタンのミランシャー近くで発生したこの衝突で、通行人1人が死亡し、その息子が流れ弾に当たって負傷した。容疑者の国籍は明らかにされていない。 (後略)
3 Suspected Militants Arrested in Pakistan
MUNIR AHMAD
■タリバンの選挙戦との戦い[050910 Asia Times]
●アフガニスタンの麻薬密輸で資金が潤っているタリバンは、抵抗運動を強化している。密輸ルートは、イラク、クルディスタン、トルコ、中央アジア、イランを経由する。
●ある情報源によると、タリバンはさらに洗練された武器を購入し、ロシアと中国製の地対空ミサイルが、多量にアフガニスタンに流入している。これらはタリバンの戦闘能力に大きく貢献しており、最近ではヘリコプター数機を撃ち落とした。(中略)
●タリバンは大量の対地ミサイルも持っているが、その扱い方にはまだ慣れていないようだ。
●「イラクのクルディスタンからイランを経由して、武器がアフガニスタンに密輸される。ロシア製・中国製のSAMミサイルは、2500ドルで入手できる」という。
●タリバンはすでにイラクの抵抗勢力と戦術や訓練面で連携しており、武器の協力があっても不思議ではない。
●先月アルアラビア・テレビは、ヨーロッパ人、アラブ人などの外国人戦闘員がアフガニスタンで、米軍やアフガン軍に攻撃を仕掛ける準備をしている映像を放映した。『ロイター』の報道によると、「これらの外国人戦闘員たちは、完全武装している」と、パクティア州のオルグ剤をパトロールしているアメリカのパラシュート隊員が語った。「アフガニスタンでは入手できない、高価な武器を所持している」。
《元をたどる》
●今年の初めにイラクの抵抗勢力はメディアに、 イラクの国防省とWye Oak Technologyという名のアメリカの建設会社との関係を示す書類をリークした。この書類は去年の8月に作成され、サダム・フセインの軍隊で使用した武器をスクラップにするための売買に関するものだ。リストには、ロシア製・中国製・フランス製のミサイル、大砲、小型・中型の武器が含まれていた。
●この書類が本物かどうかは証明できないが、このような武器は闇市に流れ、イラクのクルディスタンに流入し、そこからタリバンのもとに流れたといわれる。
《抵抗運動は続く》
●アフガニスタンの総選挙の妨害のために、タリバンは攻撃を強化している。(中略)選挙管理委員会は、まだ候補者の完全なリストを発表していない。というのは、タリバンが候補者たちを攻撃すると表明しているからだ。このなかには、カルザイ政権に参加した17人のタリバンが含まれている。
●Maulvi Pir Mohammedはその中の1人だ。Maulvi Pir Mohammedはタリバン政権時代、カブール大学の副学長だった。タリバン政権が崩壊すると、北ワジリスタンのDand-i-Darpa Khailに隠れた。数ヵ月前に突然現れ、タリバン運動を非難してカルザイ支持を表明した。彼は現在、カブール最高裁判所の最高裁判官である。
●しかし代償は払った。最近彼の甥2人が、ミランシャーで誘拐された。犯人はタリバンのハッカーニ司令官の部下だという。Pir Mohammedが、武器を満載したトラック2台と現金7500ドルの身代金を支払ったために、2人は解放されたという。
The Taliban's battle over the ballot
Syed Saleem Shahzad、KARACHI
■北ワジリスタンの銃撃で女性1人死亡、息子負傷[050910 News]
●北ワジリスタンの軍のチェックポストで、制止しなかった車と軍との間の銃撃戦に巻き込まれ、女性の通行人が死亡、息子が負傷した。車に乗車していた3人は逮捕された。
●いっぽう部族の情報源によると、親子は銃撃戦に巻き込まれたのではなく、車を追跡していた軍の車にぶつかったという。
Woman killed, son injured in N Waziristan firing
MIRANSHAH
■ムジャヒディンの英雄マスードを追想[050909 Reuters]
●金曜日に暗殺されたマスード司令官の4周忌が行なわれ、カルザイが、国のために命を落とした犠牲者たちを追悼した。
Afghans remember mujahideen hero Masood
KABUL
■ビンラディン捜査班、9.11首謀者の一歩手前[050909 BBC]
●ビンラディンの消息がなくなってすでに2年経つと、あるパキスタン諜報部幹部が語った。
●「2003年の初め、我々は彼と非常に接近していた」。「しかしアフガニスタンとの国境で作戦が開始される数時間前、彼は移動してしまった」。
●それ以来、何の情報もない。ビンラディンは消えた。
●2001年に、彼はトラボラで包囲されていた。しかしパキスタン側に逃げてしまう。世界各国の数千人が逮捕され、罪状も明らかにされずにグアンタナモ刑務所にいる。しかし、ビンラディンについての情報を提供できるものはいない。10日前に、ビデオで声明を出したザワヒリの行方もわからない。
●「以前も言っていたように、我々は犯人追跡はしていない」と、ショーカット・スルタン中将が語る。「あなたがたの関心は、ビンラディンの逮捕だけであろうが、パキスタンでは、彼だけが問題なのではない。我々の目的はテロを一掃することで、そのことに関しては、大きな前進があった」。
●2年前、ビンラディンの姿が見え隠れしていた頃、パキスタンはKhalid Shaikh Mohammadを逮捕した。今年はアル・リビを逮捕。スルタンによると、これらの人間を逮捕しても、ビンラディンの居場所を特定することはできなかったという。
●しかし、2004年のアメリカの大統領選挙の前にパキスタンのテレビ局に持ち込まれたビデオは別として、ビンラディンの沈黙は、自分たちが成功していることを証明しているという。
●取り調べの際にあるアルカイダ容疑者が告白したことによると、ビンラディンは衛星電話やインターネットを使わず、ロバでメッセージを運んでいるという。「メッセージを運んで返事が来るまで、2ヵ月もかかる。ということは、彼がどこにいるか、だいたいの検討がつく」とスルタンは語る。CIA長官のポーター・グロスは、ビンラディンの居場所については「とびっきりいい考え」があると述べていた。
●いっぽうで高官やアナリストたちによると、ワシントンは再びビンラディンの捜索を強化し始めようとしているという。イラクから、Elite US Delta ForceやNavy SEALがアフガニスタンに戻り、捜索に加わっていると、アメリカの対テロ高官が述べた。
●「特殊部隊員たちが国境に配置され、道路に設置された特殊センサーで、車の音の動きを音や振動を拾っている」。またアメリカの工作員たちは、いわゆる「Operation Enduring Freedom」を、アフガニスタンの外でも密かに展開しているという。
●「諜報部工作員たちが国境を越え、アフガニスタンから南北ワジリスタンに潜入して、作戦を行なっている。さらにバジャール行政区から北部地域にまでにも潜入している」という。
●しかし2003年のときのように、ビンラディン等の居場所がわかったとしても、彼らを生きて捕らえるチャンスは望めそうもないようだ。2人は爆発物を巻いて、何かあったときには、アラブ人ボディーガードに自分たちを殺すよう、指示しているといわれる。
Bin Laden hunters a step behind 9/11 mastermind
ISLAMABAD
■爆弾犯人はパキスタンにいたとムシャラフ[050909 AP]
●7.7.爆弾犯は、イスラーム過激派と関係のあるパキスタンの宗教学校を短時間訪れたことを、ムシャラフが初めて認めた。
●しかしラホールのイスラーム宗教学校に滞在したのはわずかの期間であり、シャーザッド・タンウィールの信念や動機に影響を与えることはなかったと述べ、イギリス社会にとけ込むことができなかったことで、彼は「教化」されたのだろうと語った。(後略)
Musharraf: Blast Suspect Was in Pakistan
PAUL ALEXANDER
■ミランシャーの爆発で、兵士3人負傷[050909 Daily Times]
●北ワジリスタンで爆発があり、兵士3人が負傷した。
●何者かがミランシャー〜Dattakhelの道路を通過する軍の車列を狙い、リモートコントロール爆弾を用いて爆発させた。爆発の後、軍が地域一帯を封鎖して、アフガン人が1人逮捕された。
●ミランシャー〜Ghulam Khan道路の検問で、治安部隊は3人の男を逮捕して、車両を取り上げた。(後略)
Three soldiers wounded in Miranshah blast
MIRANSHAH
■カラチのファストフード店で爆弾[050908 BBC]
●カラチのファストフード店で爆発があり、数人が負傷した。
●カラチのケンタッキー・フライド・チキン(KFC) とマクドナルドで爆発があった。KFCで爆発があった際、店内で食事をした数人が負傷した。8分後に今度はマクドナルドの店舗の外で爆発があった。パニックになったが、負傷者はいなかった。
Bombs hit Karachi fast food sites
■爆弾攻撃容疑者、逮捕[050908 AP]
●フランス人技師11人を殺害した車爆弾事件と関係のあるイスラーム過激派が、銃撃戦の末に逮捕された。
●Mufti Mohammed Sabirがラワルピンディから戻ってきたところ、バスターミナルで逮捕された。ピストルを撃って逃走しようとしたために銃撃戦となったが、負傷者はいなかった。爆弾製造のための材料や、AK-47の弾薬などを所持していた。
●Sabirは爆弾製造をしていたとみられ、2002年5月にカラチのシェラトンホテルの前で爆発した車に、爆発物を搭載したとされる。1ヵ月後にはカラチの米総領事館の外で、トラックに乗った男が自爆した。
●Sabirは、過激派のハラカット・ジハード・イ・イスラミのメンバーである。
Bomb Attack Suspect Nabbed in Pakistan
ZARAR KHAN
■ワジリスタン、大きな恥[050908 Daily Times]
●政府はワジリスタンの軍事作戦に関して国際的な協力を得ているが、その効果についてはいささか疑問が残る。そもそも南ワジリスタンで作戦が始まり、3年後の現在、北ワジリスタンに問題が飛び火している。焦点はワナからミランシャーに移った。月曜日には政府高官3人が殺害され、4人が負傷した。
●武器の持ち運び禁止令に背いたとしてある男がとがめられたところ、男が発砲して逃げたのだ。その後再び武器の持ち運び禁止令が出された。いっぽうその頃、南ワジリスタンのワナの学校とKaniguramの診療所で爆弾が爆発。南ワジリスタンにもいまだに問題があることが、証明された。
●シャーワルにテロリストたちがいるという情報を受けて、別の作戦も実施された。この地域にヘリコプターや兵士たちも増強され、ミランシャーには戒厳令が出された。しかしこれらは、地元のアルカイダ協力者たちを一掃したと宣言していた、軍の主張が間違っていたことを証明するだけだ。
●サフダール・フセイン警察司令官は以前テレビに出演し、ワジリスタンの戦闘員たちはウズベキスタンのユルダシェフに指揮されていると主張した。また地元の人間は、アフガニスタンでウズベク人たちに対して作戦が実施されたときはウズベク人に協力したが、現在協力者はいないと発言していた。警察司令官は楽観的だったようだ。パキスタン軍は、中国人誘拐に関わったアブドゥッラー・マフスードを逮捕することに失敗した。フセインによると、「彼は大した男じゃない」という。また別の地元テロリスト、バイトゥッラー・マフスードについては、過去の行ないを改め、現在は良い男になったと主張している。これも彼に加担しすぎてはいないか。
●フセインは、パキスタン国内で問題を起こすことに従事している「外国の力」を強調する。多くの者はインドを想像するだろうが、アフガニスタンにいるアメリカの可能性だってある。アメリカは、パキスタンがワジリスタンで十分作戦を行なっていないとの不満を持つ。フセインは、パキスタン側からアフガニスタン側への戦闘員の流出はないと主張するが、パキスタンが戦士を送り込んでいるという疑惑が常にある。さらに高官たちは否定しているが、ペシャワル警察司令官や北西辺境州知事が、この地域の平和を獲得するために、バイトゥッラー・マフスードを買収したという噂さえある。
●最近アルジャジーラ・テレビが放映したビデオで、ロンドンの爆弾犯スィディーク ・カーンがおそらくパキスタンのどこかで、アルカイダの名目でジハードを実施することを宣言した。彼はロンドンに帰る前に、パキスタンに3ヵ月滞在した。いったいどこでアルカイダと接触したのだろう。スィディーク・カーンからさらに鍵が出てきたら、世界は南北ワジリスタンに注目するだろう。部族地帯で問題が続くことは、パキスタンの益にはならない。(後略)
Waziristan remains a simmering embarrassment
■日本人、パキスタンで殺害されていない[050907 Dawn]
●パキスタンは火曜日に、2人の日本人がパキスタン側で殺害されてアフガン側に遺体が捨てられたとする、アフガン州知事の発言を否定した。
●カンダハル州知事のAssadullah Khalidが月曜日に、2人の日本人はアフガン国境の外で殺害され、その後遺体がアフガニスタンに運ばれたと発言していた。
●「我々の出入国管理事務所の記録によると、日本人は日中に国境を越えてアフガニスタンに入ったことを示している」と、パキスタンが外務省報道官Mohammad Naeem Khanが報道陣に語った。Khanは、パキスタンは2人が国境を越えた後の足取りについては知らないという。
●タリバンも、2人の日本人旅行者の殺害事件には関わっていないと述べた。(後略)
Japanese nationals not killed in Pakistan: FO
ISLAMABAD
■北ワジリスタンでトンネル捜索[050907 Dawn]
●火曜日に治安部隊が、北ワジリスタンのZoi NarayとKund Gher地域で捜索を行なったと、情報源が語った。
●部族の長老たちと協力して、正規軍と準軍隊が捜索を実施したが、火曜日夕方の時点では逮捕者はいないという。
●ある高官が語ったところによると、アフガニスタンのパクティア州に通じるトンネルがあるという情報があったために、捜索が実施されたと。これらのトンネルが、この地域でテロ行為をするために用いられているという諜報情報があったという。トンネルは、以前アフガニスタンでソ連軍と戦った際に、ムジャヒディンが使用していたらしい。
《爆発物を取り除く》
●準軍隊が、ミランシャー付近のTapai村に仕掛けられた4つの爆発物を取り除いた。
●高官によると、抵抗勢力たちがTapai村の井戸に爆発物を仕掛けたという。
《容疑者投降》
●Borakhel族の住民が行政側に、行政官3人を殺害した容疑者2人を引き渡した。行政側は、さらに2人の容疑者の引き渡しを要求している。
Search for terror tunnels in North Waziristan
Pazir Gul、MIRAMSHAH
■軍、北ワジリスタンの戦闘員の隠れ家を捜索[050907 News]
●北ワジリスタン当局は、ミランシャーで政府高官3人が殺害された事件を受けて、政府が雇った地元警察官5人を解雇した。
●パキスタン陸軍が、シャーワル地域のKundi村に外国人戦闘員がいるという情報提供を受けて、当地域で作戦を実施した日に解雇が命令された。
●軍関係者によると、軍はKundi村で、武器や爆発物、寝袋やジャケット、食料、薬などを発見したという。外国人戦闘員たちがこの場所に隠れていたが、すでに逃走していた。軍は捜索を行なううえで、抵抗を受けなかった。
●情報源によると、地元警察、またはカサダール(地元警察)のメンバー5人が、政府高官3人が殺害されたときにすぐに対応しなかったために、犯人たちは現場から逃走した。
●事件当日現場のバザールは閉鎖され、戒厳令が出された。住民によると、一夜明けた火曜日、状況は元に戻ったという。
●いっぼう当局は、高官殺害に関係したと疑われているBorakhelワジール族に、犯人2人の引き渡しを求めている。長老はすでに別の2人、Gul Badshahと甥のSher Badshahを引き渡した。逃走している2人は、2人の仲間だという。
Troops raid militants’hideout in N Waziristan
■パキスタン、国境に9500兵配置[050906 AP]
●パキスタンは、パキスタン側からアフガニスタンへの戦闘員の流出を防ぐために、新たに9500人の兵士を国境に派遣した。
●(中略)軍報道官のショーカット・スルタンは、この他に40〜50の移動チェックポストと、輸送ヘリコプター6機、戦闘ヘリコプター3機を国境に配置したと述べた。
●さらにパキスタン陸軍のQuick Action Forceが部族地帯に配置され、国境から1マイル以内の地域には、夕方から夜明けにかけて、戒厳令を出した。部族地帯では、ライフルやロケット砲などの重兵器を持って出歩くことが禁じられた。(後略)
Pakistan Deploys 9,500 Troops at Border
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD
■アフガン軍閥の選挙参加に規制[050906 BBC]
●アフガニスタンの選挙候補者約21名が、地元民兵司令官や武装組織と関係があるとして、資格を取り下げられるという。
●選挙法により、武装組織と関係のある人間は、選挙に参加することができない。
●候補資格取り下げは数日内に発表されるというが、選挙の日程が近づいているために、混乱が予測される。9月18日に予定されている選挙キャンペーンは、すでに始まっている。
●最終的に立候補資格を取り下げられる候補者の数は、今後も変わる可能性がある。しかしある高官によると、選挙当日前に名前を発表することは決定済みだという。
●すでに投票用紙は印刷されているために、投票資格がない候補者に票が入る可能性があり、中には当選してしまう者も出てくるかもしれないという。そうなった場合、裁判で争うことになり、大きな混乱が予測される。
●それならなぜこんな時期に、立候補資格を取り消すのだろう?
●7月には、7人だけが資格を取り下げられた。現在選挙は、2倍の倍率になっている。
●理由としては、最近立候補者に対する新たな疑惑の証拠が浮上したからだという。しかし選挙ウォッチャーによると、これまでは規制の基準が甘すぎたという。また今回の処置は、民兵を所有する軍閥を一掃することに焦点があるのではなく、政治的な理由のためという見方も出ている。
●アフガンの報道関係者は、これに批判的だ。約20人ほどの司令官が、立候補しているといわれる。
●しかしこの新たな動きは、少なくとも人々に選挙に対する信頼感を植えつけるだろうと、あるアフガン政治アナリストが語った。
Afghan warlords to face poll ban
Andrew North、Kabul
■日本人教師、アフガニスタンで殺害されたのではないとアフガン政府[050906 Kyodo]
●先週アフガニスタン南部で銃殺されて遺体で発見された日本人教師2人は、アフガニスタン国内で殺害されたのではないと、政府報道官が火曜日に述べた。
●「彼らはアフガニスタンで殺害されたのではないと、自信を持って言える」と、政府報道官のMohammad Rahim Karimiが記者会見で述べた。
●「国境の記録から、彼らは生きてアフガニスタンに入らなかったと言える」。「彼らのポケットには、アフガンの通貨さえなかった」。
●Jun FukushoとShinobu Hasegawaの2人は、8月8日にクエッタのホテルをチェックアウトした後に行方不明になった。2人はバーミアンに向かっていたという。遺体はカンダハルのダマン地域で発見され、頭を撃たれていた。
●カンダハル州知事のAssadullah Khalidは報道陣に、2人はアフガン国境の外で殺害され、遺体がアフガニスタンに運ばれたと語った。(後略)
Afghan gov't says Japanese teachers not killed in Afghanistan
■戦闘でアフガン「抵抗勢力」殺害される[050906 BBC]
●米軍とアフガン軍がザーブル州で抵抗勢力12人を殺害し、9人を逮捕した。
●軍の声明によると、この地域で抵抗勢力に対して作戦を実施しているところを銃撃された。米軍と同盟軍には、負傷者はいない。
●米軍によると、アフガン軍と同盟軍がヘリコプターから降りたところ、攻撃されたという。(後略)
Afghan 'rebels' killed in fight
■ワジリスタンで、3人銃殺される[050905 BBC]
●北ワジリスタンで、武器の所持を取り締まろうとした3人の高官が、殺害された。
●地元の部族民にAK-47の引き渡しを求めた治安部高官が、ミランシャーの商店街で銃撃された。(中略)
●ミランシャーの地元行政官が地元のBurakhel族に、逃走した犯人の引き渡しを求めた。2人の高官は現場で死亡し、3人目は病院で傷の手当を受けている最中に死亡した。他の2人の治安部高官と歩行者1人も巻き添えになり、負傷した。
Three die in Waziristan shooting
■カンダハル付近で「抵抗勢力」殺害される[050905 BBC]
●米軍とアフガン軍がカンダハルで抵抗勢力13人を殺害し、44人を逮捕したとアフガン高官が述べた。
●アフガン軍によると、GhorakとKhakrez地域にあった抵抗勢力の基地を襲撃したという。タリバン戦士13人が米軍による空爆で死亡したと、カンダハル州知事のAsadullah Khalidが述べた。
●州知事によると襲撃は日曜日に行なわれ、現在のところ「タリバン13人が死亡、44人が逮捕された」という。
●アフガン警察200人と米軍主導の同盟軍が、カンダハルのGhorak地域の山中で、抵抗勢力と戦ったという。抵抗勢力から、武器も押収された。
●米軍報道官はこれに先立ち、現在作戦を実施中で、抵抗勢力40人が逮捕されたと述べた。「諜報情報により、多数の抵抗勢力がこの地域に集結していることがわかった」と、Jim Yontsが述べた。
'Militants' killed near Kandahar
Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.