【2003年09月01日〜09月07日】


■一般のアフガン人、米軍の援助を受ける軍閥を敵と見なす[030907 AP]

アフガン東部の道路を指して、ムハンマド・ジャン(Mohammed Jan)は言う。「ここから立派な家が始まる。司令官たちの家だ。彼らの金は、ドラックや密輸で儲けた金だ。決して捕まることはない。彼らがもつ兵士たちは、アメリカと一緒に働いている」。

タリバン政権崩壊後2年たって、アフガン人一般は、米軍と同盟軍に不信感をもつ。腐敗、カルザイのリーダーシップの弱さ、そして米軍を後ろ楯にする軍閥に失望する。軍閥の私設軍は、アフガニスタン中で活動している。そしてタリバンは力を回復し、大胆になった。彼らはもはや逮捕されることを恐れず、村人たちは彼らを匿い、食事を与える。

「最大の間違いをしているのは、アメリカだ。盗賊や殺人者たちを仲間にして、アフガニスタンに治安をもたらそうとしている。2年たっても、アメリカは何も学んでない」。アフガニスタンのアメリカ侵攻は、地元の反タリバン勢力に大いに依存しており、これらの軍閥がアルカイダ捜索に協力することは、アメリカにとっては不可欠であった。しかしアフガン人たちは、この取り引きが有効なのかどうか、疑問に思う。「軍閥という。しかし軍閥とは何だ? 司令官や政府の大臣だ」とラウーフ(Raouf)は言う。「タリバンは嫌いだったが、そのとき治安は安定していた。法律があった。しかし今は、銃を持つ者が法律だ」。

ナンガハールに、白い大理石の見張り塔がそびえる。「あれはドラッグ王だ。ハズラット・アリ(Hazrat Ali)司令官の家だ。アメリカはバカじゃないか? アフガン人たちは、彼らが誰で何をしているのか、よく知っている。治安なんてない。発展もない。しかしこういう男たちのポケットは、金であふれている。アメリカがいなければ、彼はなんでもない男なのに」。ハズラット・アリはアフガニスタン西部の軍長官だ。カルザイとファヒム国防大臣によって任命された。

アメリカは、中央政府を強力にするために努力しているという。アメリカ高官は、ジャン(Jan)の言葉はアフガニスタンの全体像を映し出すものではないという。治安が少しいい地域もある。楽天的なアフガン人もいれば、そうでない者もいる。道路の再建は始まったじゃないかとも。

道路の再建に関して言えば、タリバンやアルカイダが出没している所では、遅れが出ている。問題が起きた後の対処の仕方が悪いこともある。カルザイは、カンダハルの知事が汚職をしていたとして更迭したが、彼を政府大臣に異動して終わった。

タリバンが厳しく禁じたアヘン栽培は、今やものすごい勢いで再び盛んになりつつある。国連は、2002年のアヘン生産量は120万ドルに値するという。これで儲けているのは、政府や米軍と強力している軍閥の司令官たちだ。ザヒール(Zahir)の司令官で米軍のパートナーのムスタファ(Mustafa)は、これを否定する。彼の部下はドラッグを見つけたら、始末するという。国連の幹部は、ドラッグ商売は政府や軍司令官が保護するから繁栄するという。人権団体も、これを危惧する。

非武装化キャンペーンが、7月に始まるはずだった。しかし国連は、まず国防省の改革が進まなければ話にならないとして、これを遅延させた。国連は国防相であるファヒムの私設軍隊の力を除去したいのだ。

カルザイが大統領になって、2年。彼の非力により、腐敗が生まれている。アメリカからアフガンに25年ぶりに帰ってきたアブドゥッラー・アジーズ(Abdullah Aziz)は、自分の故郷のクンドゥーズに、財産を取りに帰った。彼は、カルザイからクンドゥーズ知事宛の手紙を持ってでかけた。知事は手紙を見て、「カルザイはここでは何でもない」と述べたという。アジーズは自分の財産を回収するのに、必死になっている。

hoonAfghans See U.S.--Backed Warlords As Enemy
By KATHY GANNON


■アメリカ軍将校、タリバンを語る[030907 AP]

アフガニスタンにいるアメリカ軍のジョン・ヴァインズ(John Vines)中将が、タリバンはアルカイダから資金を得て、パキスタンからアフガニスタンに流入していると述べた。「彼らは9ヵ月かけて再結成した。我々は彼らを追い払い、崩壊させ、隠れ家を排除し、殺してきた」。

中将によると、ザーブル近辺には約1000人のタリバンがいるという。アフガニスタンで隠れていた者と、パキスタンから流入して来た者たちである。米軍によると、最近のタリバンは一部アルカイダのネットワークによって資金を与えられ、訓練されてきた。しかしタリバンの攻撃がなかなか成功しなかったために、アルイカダから援助を切られる瀬戸際だったという。ビンラディンの「利用するか、捨てるか」のポリシーであると、アフガニスタンを訪れているラムズフェルド国防長官と行動している報道陣に語った。

ラムズフェルドとヴァインズは、タリバンは脅威ではないと語る。ラムズフェルドによると、タリバンの再結成により、彼らは大きなグループで行動するようになり、そうすれば捜索がしやすいとも。ヴァインズは、これ以上アフガニスタンに兵を送る必要はないと言い切る。しかし政府高官は、タリバンとアルカイダはアフガン政府にとっては大きな脅威だと語る。

ラムズフェルドはカルザイ大統領に、アフガニスタン再建のためにさらに100万ドルを追加するという。

hoonU.S. General Sees Taliban in Afghanistan
By MATT KELLEY


■イスラム原理主義者、国境での活動について軍を警告[030907 Reuters]

「政府はデリケートな地域での軍事作戦を放棄しなければならない」。「重大な問題を招く」と、MMAの副会長でイスラム協会のチーフであるQazi Hussain Ahmedが、カラチで報道陣に述べた。

Ahmedは、Bannuに35機ものヘリコプターが集まるということは、通常の訓練ではありえないという。タリバンやアルカイダに対する捜索に違いないとも。

政府は金曜日に演習は終了したと述べたが、空港に3発のロケット弾が打ち込まれたという。警察は、ロケット弾から受けた被害はなく、当時ヘリコプターはなかったと言っている。

さらにAhmedは、「アラブ人ムジャヒディンは、我々の政府に招かれてここに来た。彼らはここで訓練を受け、アフガニスタンで働いた」という。「軍が彼らを攻撃するのは、道徳的に間違っている。アラブ人ムジャヒディンを殉教させてはならない」。部族地帯での取り締まりは、悪い結果を招くだろうと述べた。「地元民は軍に対立するから、悪い状況が生じる。軍と住民を戦わせることは、犯罪である」。

hoonIslamists warn Pakistan army over border crackdown


■アフガンリーダー、会談する間も戦闘続く[030907 AP]

土曜日に、何百人という部族長や政府高官、前イスラム戦士たちが巨大なテントの下に集まり、同盟軍とタリバン抵抗分子との間の戦い後の治安について話し合った。

300人以上がQalatで行なわれたシューラ(議会)に集まり、政府関係者と伝統的にタリバンを支持してきた地元民との関係を改善するために、話し合った。「我々は治安を改善するために集まった」とザーブル州知事のHafizullah Hashami。ガズニ州知事や重要な部族リーダーたちも出席した。

この間も、何百というアフガン軍が近くの町、Naubagharに派遣され、タリバンとの新たな戦いに向かった。「この地域にタリバンがたくさんいるという報告を受けているが、まだ攻撃を開始してない」という。

この他に新たな戦いがアフガニスタン東部、パキスタンとの国境沿いで発生した。パクティア州のZirukで日曜日早朝に警察のチェックポストが襲われたが、死傷者はいなかった模様。

hoonFighting Continues As Afghan Leaders Meet
By NOOR KHANAssociated Press Writer


■諜報と密偵と運でアルカイダを逮捕 [030907 AFP]

パキスタンの治安部隊は昨年8月、カラチでアルカイダの2人の工作員を逮捕した。この2人から得た情報をもとに、9月10日に軍諜報部がカラチのある家に忍び込み、そこであるアルカイダに偶然行き当たった。「2人の男がベッドルームに座っていた。1人を捕まえたが、もう1人は飛び上がりナイフを出し、『捕まえようとしたら、自殺する』と言った」と、この逮捕劇に参加した治安部員が『AFP』に語った。「彼は自分を傷つけたが、逮捕できた」という。「そのとき、我々はアルカイダの最も重要人物を捕まえたとは知らなかった」。「アメリカ人たちが、逮捕されたのはRamziだと聞いてびっくりした」という。イエメン人で、別名bin al-Shaibaである。

この6ヵ月後、ラワルピンディでKhalid Shaikh Mohammadが逮捕された。CIAがクエッタで傍受した衛星電話の会話から、足がついたのだ。CIAは「人々の動き、衛星電話の盗聴やインターネットを傍受する機器を持っている」とパキスタン治安当局はいう。「テロリストが使う暗号を知っており、そのような言葉を捕らえると、すぐ追跡する」。最初クエッタで追跡すると、Khalid Shaikh Mohammadはもう去ったあとだった。その後イスラマバードにいるアフガン人がアメリカに、Khalid Shaikh Mohammadは、ラワルピンディにあるパキスタン軍の少佐の家にいる、という情報を流した。数時間後Khalid Shaikh Mohammadは逮捕され、パキスタンのISIは、このアフガン人をロンドンに飛ばした。

2002年3月にファイサラバードで逮捕されたAbu Zubaydahも、CIAの諜報と盗聴の結果である。

内務大臣のMakhdoom Faisal Saleh Hayatは、「テロの戦争はうまくいっている」と言う。「今日の世界は、特にこの地域は、数年前よりもずっと安全になった。まだ問題は残る。しかし我々の意志は強い。まだまだ成功する」と『AFP』に語った。「アルカイダたちは、まだ隠れている。しかしだんだん追い詰められている。すべてのアルカイダを摘発する時期も近い」。また、アルカイダのリーダーを捕まえる自信もあるという。ビンラディンが特定の場所に隠れていることを示す証拠は、何もない。しかしパキスタンとアメリカとその同盟は、「彼を捕まえるために努力している」。

hoonIntelligence, stealth and luck aid fight against al-Qaeda in Pakistan


■悪が目覚め、テロに新しい息吹[030907 Observer]

先週ブッシュはこう語った。アメリカを攻撃してから「テロリストたちは、自分たちが選んだ運命をたどっている」。アメリカは「グローバル・テロネットワークと戦っている。そして我々は勝っている」。

ブッシュ大統領は自分の勝利を証明するために、3つの点を指摘する。まず彼が言うに、アルカイダの3分の2を排除した。2番目と3番目はアフガニスタンとイラクの勝利である。

ブッシュが言うように、ビンラディンと近いイスラム過激派の多くは逮捕された。9.11の主要メンバーは殺されたか、捕らえられた(中略)。しかしなぜ9.11以後、みんなはいまだに不安でいるのだろう。

ブッシュ大統領はカリフォルニアの軍人たちに、今やアフガニスタンはアメリカの友だちだと述べた。これはナンセンスだ。カブールには、 アメリカをよく思うわずかなアフガン人エリートがいる。しかし残りの人々は、アメリカを良く思ってない。初めは、アフガニスタンの情勢をよくしてくれるかもしれない、という希望があった。しかし、そうはならななかった。この2週間、抵抗分子との戦いが続き、タリバンは再生した。

しかし、一番問題なのはイラクだ。イラク人の問題ではない。そうではなく、アメリカの占領、それと関係する暴力が、他のイスラム世界に及ぼす影響である。ブッシュは、このことが理解できないでいる。何百というイスラム戦士がイラクに潜入し、アメリカと戦っているという証拠がある。これらの過激派たちにとって、イラクの人々がアメリカや英国を歓迎したという事実は、問題ではない。彼らは十字軍以来、欧米がイスラムを侮辱していると信じる。これは、自衛のための戦争だ。アメリカ主導の反テロ作戦は、イスラム過激派たちを彼らの世界感のなかで再認識させているにすぎないのだ。

現在のテロリズムに対して、何らかの秩序を見いだせるだろうか。最も簡単な方法は、すべてを「アルカイダ」の仕業とひとくくりにすることだ。もしアルカイダを96年から2001年の間にビンラディンのもとに集まり、9.11を引き起こした者たちと定義すれば、アルカイダはもう終わりだ。もしアルカイダを現代ワッハーブ派の複合体と考えれば、アルカイダはまだいきいきと活動している。

南西アジアで起きている暴力、バリやモンバサ、カサブランカやリヤドの爆弾テロは、すべてイスラム世界に根づいた過激派の仕業だ。この活動は非常に複雑であり、レッテルを貼ることは間違っている。アルカイダの考え方は、革命政治と超保守主義、世紀末思想からなる。テロリストは欧米に打撃を与えたり、目先きの政治的利益を目差すのではない。過去において過激派の強烈なメッセージを拒んできた、イスラム教徒たちを動かすことにある。攻撃は、人々を納得させ、行動させるための深い信仰、大きな権力と力である。

ビンラディンやザワヒリにとって、一般大衆が彼らの呼びかけに呼応することが重要なのだ。そこで初めて公平で、完全な社会が生まれると信じる。そうすれば健康を心配することもなく、仕事や住む家の心配もなく、プライドも必要なくなる。

この週末、パキスタン軍のヘリコプターが米軍の特殊部隊を載せ、ビンラディンが隠れていると言われる国境付近を捜索した。2001年12月、トラボラからの爆撃を免れたビンラディンは語った。「オサマが生きようが死のうが、問題ではない。今、目覚めが始まった」。現代のイスラム闘争を理解しようとする者は、この言葉を心に留めてほしい。彼は正しい。悪が目覚めた。我々はテロへの戦争に勝っているか? まだだ。

hoonEvil awakening gives new life to terrorism
Jason Burke


■誰が対テロの戦争に勝っているのか?[030907 Daily Times]

パキスタンとアメリカにとっての最大の危険は、アフガニスタンにおけるタリバンの抵抗運動が盛んになってきて、パキスタンのイスラム政党や過激派が強化され、それが軍に組み込まれていくことである。

ジハード戦士がうようよし、銃がごろごろしている国境地域の町のバザールでは、2年前、9.11以後のアメリカの勝利はすっかり過去のことになってしまった。まるで9.11は起こらず、タリバン一掃も起きなかったかのようだ。8月下旬、約1000人のタリバン兵がアフガニスタンで米軍とアフガン国軍と戦った。パシュトゥン族の情熱、イスラムの原理主義、パキスタン政府の政策の失敗がタリバンの再結成を許し、なぜアメリカのテロへの戦争が失敗しているかを説明してくれる。

テロへの戦争は、パシュトゥン族が望む政治上の自治に対して、何の対処もない。最近起きたタリバンの戦いは、北西辺境州とバローチスタンから補充された人材、武器、金、頭脳で成り立った。この地域のパシュトゥンやイスラム政党は、タリバンに共感を持つ。パキスタンのパシュトゥンもアフガニスタンのパシュトゥンも共に、パキスタンとアフガニスタンにいるアメリカを憎んでいる。

パキスタンの7つのFederal Administered Tribal Agencies(FATA:連邦直轄部族地帯)では、“パシュトゥン同盟”の感覚がさらに強い。この地域は名目上パキスタンの支配地域であるが、大英帝国時代から半自治区だった。誰でも武器を持ち、誰にでも武器を売った。最近のFATAのバザールは、アフガン人とパキスタン人タリバンであふれている。「アメリカと戦う者は、みな我々の友だちだ」と住民は言う(中略)。

タリバン崩壊後、パキスタンはアメリカの圧力により、FATAに少しずつパキスタン軍を送り込んだ。Mohmand行政区に、史上初めて軍を送り込んだのだ。しかし彼らはタリバンや銃の出入りを取り締まることはできない。今、アメリカに爆撃されているタリバンは撤退しているのではなく、陣地を死守し、パキスタンから新しい人員を連れてきている。同時にアフガニスタン東部に新たな戦線を築き、米軍を攻撃しようとする。

タリバンは国境に沿って、アフガンと米軍を攻撃している。タリバンの目的はアメリカとカルザイ政権を卑し、政治を滞らせること、12月に予定されている憲法制定や、来年6月の選挙を遅らせることである。さらに国の再建を妨害し、アフガニスタンを不安定な状態に置くことである。

パキスタン軍のFATAでの作戦は、タリバンやビンラディンを捕らえることである。アメリカから出た資金で、軍はFATAに学校や病院、道路を建設して、部族民を味方につけようとする。しかし、軍の片手は縛られている。General Orakzaiは部族民に、軍は生活の糧“アフガニスタンとパキスタンからの密輸品(とドラッグ)”には干渉しないと約束した。売上げは、タリバンに当然回される。いっぽうアメリカとアフガン政府のリーダーは、パキスタンのISI(パキスタン軍統合情報部)がタリバンを援助していると非難する。もちろん、パキスタン政府はこれを否定。しかしながら8月31日には、軍人が過激派と関係をもった容疑で逮捕される事件が起きたばかりだ。これらの軍人たちは、FATA近辺に配属されていた。カルザイ大統領に近い高官が、実際彼らはザーブルで逮捕され、タリバンを助けていたと発表した。

パキスタンのパシュトゥンの間で、タリバンへの共感を抑えることができないという軍の失敗と、北西辺境州がタリバンに共感するMMAに支配されているという事実の間には関係ない。MMAはイスラム協会Jamaat-e-Islami(JI)とイスラム神学者協会Jamiat-e-Ulema Islam(JUI)を2大政党とするイスラム連盟である。JUIはタリバンと長い歴史を持つ。いまだにタリバンを匿い、その家族などを援助する。いっぼうJIはヘクマチアルを援助している(中略)。

パキスタンとアメリカが直面する危機は、アフガニスタンで加熱するタリバンの抵抗運動により、パキスタンのイスラム政党と過激派が強化され、いずれこれらがパキスタン軍と政府を乗っとろうとしているという事実である。今のところムシャラフ大統領は、原理主義に対抗できる、現代的で中庸なパシュトゥンリーダーシップを作り出す意志はまったくない。さらに自分の軍隊から、過激派に荷担する要員を一掃できない。ビンラディンのように、アフガニスタンやパキスタンでは、テロに対する勝利はまだほど遠い。

garrWho's winning the war on terror?
AHMED RASHID、YaleGlobal Online


■アルカイダ、イラク前線に参加する計画[030907 Washington Post]

アメリカの攻撃以後、ビンラディンのリーダーシップは孤立し、弱体化した。しかしアルカイダ・ネットワークは、イラクに新しい前線を切り開こうとしている。

イラクへの方向転換は、この2月に決定されたらしい。2人の工作員が、イラン東部で会った。1人はアルカイダ軍責任者のMohammed Ibrahim Makawi、別名Saif Adel。もう1人は、Abu Musab Zarqawi。Zarqawiは、イラクの北部クルド地域から逃げてきた“客人”である。この会合は、Zarqawiをイラクのアルカイダ工作員にするためのものだった。ある諜報部に近いアラブ高官が言った。「すでに化け物があなたの近くにいる。あなたが彼を殺すことができるか、わからない」。「イラクは新しい戦場だ。最善の戦場だ。最善の戦場になるだろう」。

タリバン崩壊後、アルカイダのリーダーたちの一部はイランに移った。イランはAdelやビンラディンの息子のSaadを匿っていると諜報部がいう。このアルカイダのグループが6月12日のリヤド爆破事件を計画。この後サウジの圧力を受け、イランはアルカイダを拘留した。しかし、Zarqawiを捕まえることはできなかった。彼はすでにイラクに帰っていた。アラブ諜報部によると、彼はバグダッド付近にいて、イラン国境に何度も逃げ込む。

《外人を引きつける力》

米軍やアラブの情報によると、シリア、イラン、サウジ、ヨルダン、トルコから何百という外国人戦士がイラクに入り込んでいる。しかしアルカイダは、まだイラクに溶け込んではない。新しいネットワークを作ろうとするZarqawiの指令は、まだ実を結んでないのだ(中略)。「しかし彼らはやってくる」。「周りの国々からやってくる」とアラブ人高官は言う。

前述した2月の会合で、イラン政府は42歳のヨルダン人Zarqawiを軟禁した。Zarqawiはクルドの原理主義Ansar al-Islamのリーダーだ。Ansar al-Islamはアルカイダと関係があると、米軍は見る。また中東やヨーロッパとも関係を持っているようだ。Zarqawiが軟禁されているという噂は、アンマンに届いた。Zarqawiはアンマンでアメリカの外交官を殺害した容疑で指名手配中だったために、ヨルダン政府は身柄の引き渡しを要請した。イランはこれを拒否。イランによると、軟禁されている人物は手配写真とは似ているが、シリア人だとした。春になってZarqawiは解放され、イラクに帰った。この時以後、Zarqawiはアルカイダの一員になったのだ。危険人物だ(中略)。

イラクに何人外国人がいるかははっきりしない。千人から数千人だといわれる。イラク〜シリア国境、イラク〜イラン国境はこのような外国人の出入りには絶好な地形である。今のところ、イラクでの爆破事件に、直接アルカイダが関わっている証拠はない。

《今後の脅威》

しかし今のところはまだ明らかなアルカイダの動きはないが、今後かならず脅威となる。ビンラディンがトラボラに潜んでいた2001年、彼のエジプト人の部下のザワヒリが、Adelをイランに派遣した。そこでアルカイダたちを匿ってもらおうとしたのだ。ザワヒリはイランの特殊部隊の司令官Ahmad Vahidiと親しかった。取り引きは行なわれた。ハタミ大統領には、諜報部を支配する力はない。例えばRevolutionary Guardのような諜報組織は、最高宗教指導者のAyatollah Ali Khameneiのオフィスの指示に従う。

のちに、Adelやビンラディンの息子と一緒にイランに行った者には、Mahfouz Ould Walid、別名Abu Hafs(モーリタニア人)、Abu Mohammed Masri(エジプト人)がいる。その他にザワヒリの部下のAbu Khayr、アルカイダのスポークスマンのSulaiman Abu Ghaithも出かけている。世界中でアルカイダ幹部が逮捕されている今、何人もの下部工作員を引き連れてイランに行ったこのグループが、今やアルカイダのリーダーシップを形成する。

ビンラディンとザワヒリは、アフガン・パキスタン国境の山の中に隠れた。他の部下たちとの連絡は非常に限られ、難しい。ほとんどが口伝え、あるいは手書きのメモだ(中略)。

アラブやアメリカ高官によると、逮捕され、アメリカの尋問を受けたアルカイダたちは、ほとんど協力をしているという。アメリカは自白させるために、さまざまなテクニックを使う。身体的虐待や拷問寸前の方法も用いる。ある例では、CIAが偽造したアラブ紙や雑誌にビンラディンが死んだという記事を載せて見せたりするともいう。

ZarqawiがイランでAdelに会ったという情報は、逮捕されたアルカイダにとって、組織が混乱しているように映ったようだ。アルカイダのリーダーたちは、ビンラディンの声明にもかかわらず、9.11と同様の事件を再び起こすことは不可能だと考えていた。タリバンが再びアフガニスタンに再結成される(事実これは起こっている)ことだけを期待し、他の過激派たちがアルカイダと協力し、それぞれの意志で攻撃を行なうことを期待していた。

《サウジ、取り締まりを始める》

Adelはサウジ政府を転覆させ、アラブ世界で攻撃することを計画した。同じ時期に警察も、サウジはアルカイダのターゲットになり始めていることに気づいた。しかしAdelのこの戦略により、イランの諜報部との関係は緊迫した。リヤド爆破事件の背後にAdelがいることを察知したサウジは、イランを非難。Adelとビンラディンの息子、また爆破犯人の従兄弟にあたるサウジ人Turki Dandaniの引き渡しを要求した。しかしイランはこれを拒否。アルカイダは全員自宅軟禁になっているので、外部と接触できないと述べた(中略)。イランは、Adelを拘束していると公表してない。「大きな獲物がいる」と述べるだけだ。

garrAl Qaeda Is Trying to Open Iraq Front
By Peter Finn and Susan Schmidt


■何千人ものタリバン、新たなジハードに参加[030907 Daily Telegraph]

自分の命を何とも思わない者は“Sarbaz” といわれる。彼らはカルザイ政権とアフガニスタンの安定を願う国際部隊にとって、最大の脅威だ。

Siddiqullahは、何百、あるいは何千といるタリバン新人だ。24歳で、最近婚約した。彼は自分の命を、アフガニスタンを占領している“異教徒”に対する聖戦に捧げた。「両親はもう少し待って、結婚してからにしたらという。でも自分にとって最初で最後の使命はジハードであり、この状況のなかで他のことにとらわれたくない」。Siddiqullahは政府や米軍に対するヒット・エンド・ランに従事する。荒れ果てた山を何日も歩き、砂漠から砂漠へとひたすら歩く。「今やジハードは我々の使命だ」。国境を越えたパキスタン側のバローチスタンにいる若いマドラッサ(宗教学校)の生徒たちも、みな同じ考えのようだ。みんなジハードに参加する準備ができている。

この新しいタリバンの戦略は、年頭に開催された3人の地方司令官同士の話し合いで決まったらしい。オマール師とビンラディンの命令の下で、召集がかけられた。これに呼応して、隻脚のベテランゲリラMaulvi Sadiq Hameedがバローチスタンのマドラッサに行き、学生たちをリクルートした。タリバン司令官のHafiz Majeedは、アフガニスタン南部の部族長などの支持を得ることに成功した。

Dadullahは、タリバン政権崩壊後ずっと戦いつづけてきた。彼はオマール師の最も信頼されている部下で、パキスタンに逃がれ、バローチスタンのKakar部族たちのもとに匿われている。「部族民たちは彼を匿っただけでなく、ランドクルーザーを贈り、莫大なお金を与えた」という。後にDadullahが逮捕されそうになった時、部族民たちは彼の住居をカラチに移した。Dadullahはアフガニスタンから来た宗教学者たちとパキスタンの部族地帯を訪れ、オマール師からの指令を説いてまわった。すでに何百人という人間がジハードの準備ができていて、パキスタンのマドラッサの生徒たちも、これに加わろうとしているという。この15日間だけで、150人がアフガニスタン南部のザーブルで殺された。タリバンたちは、パシュトゥンから大きな支持を受ける。

いっぽう北部同盟に税金を払わされている商売人たちは、アフガニスタンのハイウェイに出没する盗賊たちにより、商売ができなくなった。抵抗するものは、殺害された。アフガニスタン南部での再建は、ほとんど進んでない。保健衛生や教育問題だけでなく、飲料水を確保するための井戸さえもない。このような状況がタリバンのリクルート作戦に拍車がかかる。パキスタン国境付近のある村の住民は、「我々が同盟軍を支持したのは、彼らが生活を変えてくれると思ったからだ。でも今のところ、何も変わってやしない」。南部一帯は、タリバン時代とほとんど変わってないように見える。男性は黒いターバンを巻き、女性はブルカをすっぼりかぶる。映画もなければテレビもない。アフガニスタンにいるたった1万5000人の米軍だけでは、すべての動きに目を向けることは不可能だ。

カンダハルのPashmol地方にいる30歳のタリバンMohammed Aminによると、何百人もの部族民たちが、政府軍の動向をスバイしているという。なかには、12歳の子供もいるらしい。同時に、タリバン戦士たちはアフガン軍にも潜り込んでいる。「彼らはアフガン国軍や米軍の状況を流してくれたり、彼らを攻撃して殺したりもする」。

タリバンは目立たないように20人、あるいはもっと小さなグループで動く。暗闇の中に隠れ、政府のパトロールが来るまでひたすら待ち、そして攻撃するのだ。通信手段は、ほとんどが手書きのメモだ。地元の司令官は、衛星電話やラジオを使うこともある。Mohammed Aminは、オマール師の署名がある手書きの手紙を見せてくれた。部下たちに“異教徒アメリカの奴隷”と戦い、人々を解放するよう記されていた。

タリバン戦士たちは、アフガニスタン全体を支配しようとは思っていないという。「我々はカブールをいつでも落とせる力もガッツもある。しかし我々の限界も知っているから、支配し続けることはできないこともわかっている」と、最近パキスタンの難民キャンプからリクルートされてきた28歳のHabibullahは言う。「我々は、B-52に対抗するテクノロジーを持たない。我々がしようとすることは、米軍に最大の被害を与え、彼らが国からもういやになって逃げていくのを待っているのだ」。「まだ時間はかかる。でも結局、いやになるだろう。ロシアとも、長い長い抵抗活動が続いただろう」。

garrrightAlmost two years after they were defeated, thousands join the
Taliban's new jihad Massoud Ansari


■タリバン捜索、アフガニスタン南部で拡大[030906 Reuters]

米軍はアフガニスタン南部でのタリバンの捜索を拡大し、米軍とアフガン軍の小隊をザーブルのMizanとNaw Bahar地方、さらにパキスタン国境沿いにまで派遣した。

またアフガン兵が、タリバンの最高司令官の1人、Mullah Abdul SalaamをNaw Baharで逮捕したという。Mullah Abdul SalaamはDai Chopanから逃走してきたと思われ、負傷していた。水曜日にNaw Baharで約20人のタリバンを殺したというが、それ以後大きな動きはないという。日曜日には、ラムズフェルド国防長官がアフガニスタンを訪れる予定である。

hoonHunt for Taliban expands in southern Afghanistan
KABUL


■アフガン主要道路建設、攻撃で遅れ[030906 Washington Post]

(前略)先週の日曜日の深夜、武装した男たちがバイクでやってきて、アフガンの高速道路建設で働く、インド人とアフガン人のキャンプ近くにある警察のチェックポストを攻撃した。6人が殺され、数人を誘拐、車輌2台がロケット弾や銃の発砲で炎上した。「これを実行した者たちは、アフガニスタンの再建を望んでない」とある男が言う。「この道は、私が少年だったころから壊れていた。これが再び舗装されたら、葡萄やメロンを他の町に早く運ぶことができる。しかし夜に忍び込んでくる人間たちは、何もかも止めたいのだ」。犯人は逮捕されてない。しかし政府高官たちはタリバンだとみる。 (中略)

「我々は、道路を12月31日までに舗装しなければならない。建設は続けなければならないが、安全が確保されない」と、道路建設を請け負っている、アメリカのLouis Berger Groupのスポークスマンが言う。アメリカは2億50万ドルを建設に費やす。日本は最後の50キロ分の資金を出している。高速道路建設は、アフガニスタン統一にとって重要なシンボルとなる。しかし資金問題により、遅れに遅れた。建設に用いられる設備や道具は、すべて空輸あるいは陸路で持ち込まれた。今は舗装作業が残っているだけだが、地雷の撤去から始めなければならず、最初から困難が続いた。

多くの者は、この道路建設は非常に重要なものであるから、アフガン人、タリバンさえもが邪魔するはずがないという。そして隣りのパキスタンを非難する。「パキスタンは、アフガニスタンが向上することを望まない」のだという。アフガン人の多くはパキスタンに対して憎しみを持つ。しかし地方のパシュトゥン社会は、タリバンに共感をいまだに持っている。

これとは対照的に、道路建設は800人のインド人やトルコ人が請け負っている。彼らはアフガニスタンについてほとんど知らない。言葉も知らない。砂漠に近いこの土地で、道に沿って建った仮設キャンプで生活するのだ(後略)。

hoonAttacks Slowing Key Afghan Road
By Pamela Constable


■タリバン捜索に怒りがつのる[030906 Daily Telegraph]

パキスタン北西辺境州のパシュトゥン族のリーダーたちは、アフガニスタンから逃げてくるタリバンとアルカイダたちを逮捕しようとするパキスタン軍にかんかんだ。Bannu空港に何千人という兵士がトラックに乗ってやってきて、ヘリコプターは国境地域を旋回した。兵士たちはBannuのいくつかの町で、1件ずつ家宅捜査を始めた。アメリカの特殊部隊もこれに加わっていたという。

パキスタン軍は、通常の演習だと言っている。しかしBannuの政府高官は、パキスタンに隠れているタリバンやアルカイダ、またはアフガニスタンでの戦闘から逃げてきた者たちを捜索していると述べた。このような作戦は、過激派に対する地元民の強い共感に直面し、非常に困難になってきている。ムシャラフ大統領は、一般市民の反対、さらに軍内部の混乱やタリバンへの共感と、ワシントンからの協力の要請との間でバランスをとらなくてはならない。

昨日北西辺境州議会で、MMAは怒りを爆発させた。次から次へと発言者たちは、ムシャラフが自分たちの許可なくしてアメリカを北西辺境州内に入れたことを非難した。さらに、すべてのイスラム教徒の住民の感情と尊厳を犯す行為だと、攻撃した。「軍の支配者は9.11以来、ずっとアメリカの言うがままだ。我々国民にとっては屈辱である」とBannu出身の議員Hamid Shahが述べた。州大臣でMMAのメンバーであるAkram Durraniはイスラマバードを訪れ、連邦大臣たちに軍の作戦について訴えた。「我々の地域で、好き勝手に行動することは許せない。住民に不安を引き起こす」と述べた。

Bannuでは、この作戦の目的はビンラディンを逮捕するためのものだ、という憶測が飛んでいる。彼は北あるいは南ワジリスタンに隠れていると考えられている。ある退役軍人によると、この作戦は最近逮捕された軍人たちと関係があるかもしれないという。その何人かはこの地域に住んでおり、タリバンやアルカイダを隠れ家に匿っていたと疑われている。この事件で少なくとも4人、もしかしたら19人の軍人が逮捕された。彼らから得た情報で、Bannu地域にある隠れ家を突き止めたのかもしれない。

smellAnger as troops hunt Taliban in Pakistan
By Ahmed Rashid in Lahore


■ビンラディン捜索、加熱する[030906 Asia Times]

米軍とアフガン抵抗分子との戦いがここのところ続いているが、双方ともにその戦法が洗練されてきた。一方、抵抗分子は初めてその作戦を直接タリバン司令官の手に委ねたが、パキスタン軍のほうは、9.11の2周忌を前にビンラディンを逮捕しようと米軍が捜索に力を入れているにもかかわらず、結果的にその捜索の主力から外された。

《作戦「オサマを捕らえよ」》

『Asia Times』が各方面から収集した情報によると、ビンラディンは強力な護衛陣に守られ、生存している。彼がどこにいるかということに関して言えば、アフガニスタンにはいないことは確かだ。

タリバンの頭脳と近い関係にあるパキスタン情報筋は、「タリバンがカブールから撤退する前、アルカイダにはすでに逃避命令が出されていた。アフガン〜イラン国境、パキスタン〜アフガン国境、アフガン〜中央アジア国境を通過する、さまざまな逃避ルートが計画された。タリバンがカブール、カンダハルから撤退した後、国の状況は悪化し、アメリカが情報源にドルを与えて買収したこともあり、アフガン人であるタリバンたちさえ危険な状態にさらされた。ジャララバード知事のMaulvi Abdul KabeerやMaulana Jalaluddin Haqqaniのような大臣も、パキスタンの部族地帯に避難し、他のタリバンリーダーたちは逃避ルートを用いて逃走した。

アフガニスタンは、アルカイダにとって危険すぎた。ビンラディンも例外ではない。ただし、彼がしばらくの間クナール渓谷で過ごしていたということは事実のようだ。去年、パキスタン〜イラン〜アフガン国境付近から、パキスタン南部のバローチスタンに入ったらしい。

パキスタンの北西辺境州にある半自治区Miran Shahにいる情報筋から最近得た情報によると、この地域で何十人もの米軍がパキスタン軍を援助しているという。以前とは異なり、部族長たちはこの作戦について事前に教えられていなかったという。パキスタンの軍事作戦部門に近い情報筋は、この作戦はビンラディンを捕らえるためのものだと言い切る。「これは米軍の圧力で計画された」とある政府幹部が言う。この時期に、なぜアメリカがビンラディンを捕らえられると確証しているかという質問に対して、以前と異なり、パキスタン軍は米軍を守るだけに徹しているというのだ。「パキスタン軍は単に手伝うだけで、指揮を行なうのは米軍司令官だ」。

以前、アメリカはパキスタンの同僚たちと一緒に行動していた。しかしここ数ヵ月の間にアメリカが独自のネットワークを確立し、協力はなくなってきた。過去においてタリバンを支持してきたこともあり、パキスタン軍とISIはいまだにタリバンに対して強い共感を持つ。最近のカラチにおけるアルカイダ逮捕でFBIは、過激派と繋がりをもたず、パキスタン軍やISIとも関係がない警察官たちと直接の繋がりを築いた。その結果、FBIと繋がりのあった警察官との協力で、多くのアルカイダが逮捕されたのだ。当然これらの警察官は更迭されたり辞職を迫られたりしたが、アメリカの強い要望で復帰した。

今パキスタンの部族地帯で、同じような作戦が展開している。アメリカは地元の行政や部族民たちと独自のネットワークを築き、アメリカを敵視する過激派に甘いパキスタンとは関係なく動きはじめたのだ。

《アフガニスタンの地上戦》

ここ3週間のゲリラ戦は次のようなことを指し示す。

 ・アフガニスタン南西部の地元行政機関はタリバンに味方するようになり、そこで行なわれる戦いはカンダハル軍・カブール軍・米軍対タリバンという形になった。

 ・タリバンゲリラたちは山に隠れ、後に住民に紛れ込むことで捜索や爆撃から逃げてきた。その後再び次の攻撃を開始する。これは住民たちの完全なる支持を受けていることを示す。これはザーブル知事も認めることである。

 ・以前タリバンは副指揮官、あるいは副々指揮官に指揮されていたが、今はトップレベルが指揮している。

アフガニスタン南部や南西部からの情報を総合すると、オマール師が個人的に軍を指揮していると思われる。いっぽう、コーシュトとパクティアでは、伝説的なアフガン人の司令官Maulana Jalaluddin Haqqaniが指揮している。彼の下には、Saifullah Mansoorもいる。Maulana Jalaluddin Haqqaniは、最も尊敬されているゲリラのリーダーだ。1980年代にはソヴィエトと戦い、彼の指揮の下で、ムジャヒディンたちはコーシュトにいたアフガン共産党勢力に勝利した。これはソ連にとって、最初の大きな敗北だった。タリバンが90年代に出現したとき、Maulana Jalaluddin Haqqaniはこの新しい軍隊を援助し、96年にタリバンが政権をとったときに大臣となり、国境地域をコントロールした。

しかし地方における最近のタリバンの勝利にもかかわらず、パキスタンの専門家たちは、まだその抵抗運動について疑問が残るという。彼らによると、あまりにも地域が広がりすぎているというのだ。「ソ連に対するアフガン抵抗行動は、CIAやISIに誘導された。それぞれの抵抗運動は、これらの幹部たちから大きな協力を得ていた。現在はそれほどよく組織化されてない。結果的に、アフガニスタンにおけるアメリカの死亡者は、思いのほか少ない。抵抗運動は、混乱と無政府状態を引き起こすだけだ。それ以上でもないし、それ以下でもない」。

しかし最近優位にあるタリバンの抵抗運動の結果、混乱のなかからまた新たな秩序が生まれるかもしれない。その秩序とは国を危険な状態に落とし入れるものであるか、それはわからない。ビンラディンが捕まろうとも捕まらなかろうとも、関係ないことだ。

garrsmellohBin Laden hunt intensifies
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■クエッタの事件、アルカイダのRamziと関係あり[030906 Daily Times]

Inspector General of Police(IG)のShoaib Saddalが金曜日に報道陣に発表したこところによると、7月4日のクエッタのモスク爆破事件を計画したのは、アルカイダ活動家、Yousaf Ramziの義理の弟のDaud Badiniだという。今のところ、この事件に関係して12人を特定した。うち3人は攻撃の際に死亡、5人は逃亡。捜査しているのは4人、Shamim Ahmad、Muhammad Qasim、Muhammad Jan、Abdul Waheedのみである。

このグループはMastungを根拠地としており、6月8日の警察官殺害事件など、多くの事件に関与しているという。

hoonIG says Quetta attack leader linked to Qaeda's Ramzi
By Azizullah Khan、QUETTA


■Bannu“演習”終了[030906 Daily Times]

軍関係者は金曜日に、Bannuとその付近での「演習」は終了したと述べたが、なぜ急に終了したかについての説明は避けた。

「すべてのヘリコプターは演習の終了に伴い、帰ってきた」とInter Services Public Relations責任者のMaj Gen Shaukat Sultanが『Daily Times』に語った。演習は水曜日に始まり、24機のヘリコプターがBannuに着陸。アルカイダやタリバンを捜索しているのではないかという憶測が飛んだ。Bannuでの情報筋は、木曜日に11機が戻り、金曜日に残りが戻ったというが、軍はまだ引き上げてない。

Bannuの住民は、ヘリコプターはBannuとコハート空軍基地の間を飛んでいたという。北ワジリスタンにいる『Daily Times』記者によると、米軍がコーシュト、パクティア、パクティカでタリバン残党を一掃するために、大きな作戦を始めようとしているという。治安関係者は、パキスタン軍も北・南ワジリスタンの部族地帯で、過激派に対して作戦を実施すると述べた。

いっぽう情報筋が語ったところによると、Bannuの作戦はビンラディンがその部下とこの地域に隠れているという情報をFBIが流したために、緊急に計画されたという。

『AFP』による続報:タリバン残党を一掃する作戦のために、パキスタンのヘリコプターがアフガニスタンとの国境を旋回したと、治安関係者が述べた。

smellBannu“exercise”has ended: ISPR
By Iqbal Khattak, Hayatullah Khan and Muhammad Imran、PESHAWAR/MIR ALI


■米軍、タリバン逃走中に70〜100人を殺害したと発表[030905 Reuters]

米軍が金曜日に、アフガニスタン南西部の山岳地帯でタリバンの残党を追いかけているという。1週間以上に及んだ戦いで、70から100人のタリバンを殺害したと発表。

「彼らはおそらく退去したと思われる。この24時間、ほとんど抵抗がない。しかし我々はこれで終わりにはしない。まだ追跡する」。

ザーブルの州諜報部のKhalil Hotakは、2人のアラブ人を含む124人のタリバンの遺体が洞窟周辺で発見されたという。

一方ザーブルのタリバン司令官Mullah Abdul Razzaq Nafeesは、味方は7人死亡しただけで、10人から20人が負傷したと衛星電話で述べた。「もし彼らの主張が本当であれば、なぜ遺体を見せないのか」と述べ、アメリカのプロパガンダだと非難した。

過去においては、タリバンは荒れ果てた山々のなかに消え失せたり、パキスタン側に逃げて米軍をいらつかせてきた。しかし今回、近隣地域の政府高官たちは、タリバンの逃避ルートを遮断するために軍を派遣したという。

hoonUS says Taliban on the run, 70 to 100 killed
By Yousuf Azimy、BAGRAM


■軍、Bannuでの反テロ工作を否定[030905 Daily Times]

パキスタン軍とヘリコプターがBannuに配置され、ある高官は反テロ工作が行なわれていると述べたが、軍はこれを否定し、通常の訓練だと発表した。

『AFP』はパキスタン軍がアルカイダを一掃するために、Bannuで作戦を始めたと述べた。水曜日に25機の軍ヘリコプターがBannuに着陸、そこから陸路でさまざまな場所に移動したという。Special Services Groups(SSG)の兵士もBannuに到着した。

Bannuにいる情報筋によると、木曜日夜に、主な作戦が始まるという。Bannuと北ワジリスタンのMiranshah、南ワジリスタンのWanaの住民は、MiranshahとWanaからアフガン国境にかけて、道路はすべて封鎖され、軍の動きが活発だと述べた。また目撃者の証言によると火曜日の夜、何人かがBannu空港に降り立ったというが、地元住民かアルカイダ戦士なのかは不明とのこと。

Bannuでは、国境警察がバイクの取り締まりを始め、今のところ163人が逮捕されたという。

匿名を希望する軍高官によると、パキスタン軍はパクティア州から国境を越えて逃げてくるタリバンとアルカイダを取り締まろうとしているという。政府はすでに国境に充分の兵士を送っているので、これ以上兵の補充はいらないとも述べた。また、アフガン軍がパキスタン領内に入ってきたという情報は否定した。

Muttahida Majlis-e-Amal(MMA)の下院議員は、「パキスタン軍と米軍がこの地域に入り、ビンラディンとアルカイダを捜索している」。「ビンラディンもアルカイダも、Bannuにいるとは思えない。この作戦は、イスラム教徒を辱めようとするものだ。すぐにでも中止させなければならない」と述べた。

Miranshahの住民が『Daily Times』に報告したところによると、Darra Aaqa Khelにある米軍基地が襲われ、アルカイダとタリバンが米兵を誘拐した。パキスタンと米軍はこれを捜索するために作戦を展開していると述べた。情報筋によると、Darra Aaqa Khelの2種族MahsudとWazirがタリバンとアルカイダを匿っていたといい、米軍基地攻撃に一役買ったのではないかという。米兵は20人殺害されたという。「米兵の遺体を捜しているのかもしれない」とMiranshaのジャーナリストAbdul Mannan。

ペシャワルの情報筋によると、アフガン軍がパキスタンと米軍が展開しているこの作戦を援助しているという。「Miranshah周辺は厳戒体制が敷かれ、FBIが活動している」。

『APP』による続報。内務大臣のFaisal Saleh Hayatが北西辺境州大臣Akram Khan Durraniとイスラマバードで会い、国境警備隊(Frontier Constabulary)にBanochi歩兵隊を補充し、数日の間にBannuにパスポートオフィスを設置することに同意したという。

smellMilitary denies anti-terrorist operation in Bannu
By Iqbal Khattak and Amir Rana、PESHAWAR


■パキスタン空軍、故Air Chief Marshal Mushaf Aliについての説を非難[030905 Paktribune]

パキスタン空軍は、Shaheed Air Chief Marshal Mushaf Ali Mirがアルカイダと関係を持っていたという主張は、まったく根拠がないと述べた。最近Mushaf Ali Mirがアルカイダと関係を持っていたとする説が、Gerald Posnerの『Why America Slept』という書籍のなかで紹介された。

※訳註:2003年2月20日に、Shaheed Air Chief Marshal Mushaf Ali Mirが乗っていたFokker-27がコハート付近で墜落。搭乗していた17人全員が死亡した。悪天候による事故といわれる。Gerald Posnerはその著書で、Shaheed Air Chief Marshal Mushaf Ali Mirと3人のサウジ王族がアルカイダと接触していたと述べ、この4人は全員、立て続けに謎の死を遂げていると指摘した。

smellPAF condemns allegations against Late Air Chief Marshal Mushaf Ali
ISLAMABAD


■悪天候、アルカイダ捜索を妨げる[030904 Paktribune]

パキスタン軍はBannu上空をパトロールするとともにBannu空港をコントロールしたが、悪天候のためにタリバンやアルカイダ捜索を延期した。

ヘリコプター戦闘機23機と戦闘機3機が水曜日に、Bannu空港に着陸した。木曜日早朝にJani Khelや国境付近の村上空をパトロールし始め、何機かは南ワジリスタン方面に飛んだ。情報筋が『Paktribune Online』に語ったところによると、この捜索は極秘だという。軍情報筋は通常の軍事訓練だと述べた。

ある情報筋によると、今回の作戦はJani Khelからタリバンを追い出そうとするものだというが、はっきりしない。ヘリコプター8機と軍車輌が木曜日、コマンド隊をコハートに運んだ。

兵士たちがBannu空港を閉鎖した。この大規模な作戦は地元の人々を不安にしている。厳重な警戒から、アルカイダに対する重要な作戦が実施されているのではないかと見られる。治安部隊がBannuのJani KhelとBaki Khel地域や北ワジリスタンの3つの地域を封鎖したともいう。

Inter Services Public RelationのMajor General Shaukat Sultanは木曜日に、軍はアルカイダを捜索してないと明言し、通常の訓練をしているだけだと述べた。外国部隊がこの作戦に加わっているかどうかについて尋ねると、パキスタン軍だけで実施していると答えた。

smellBad weather hampers operation against Al-Qaeda
BANNU


■不明パキスタン人ビジネスマン、カブールで拘束中[030904 AP]

2ヵ月前に行方不明になったパキスタン人ビジネスマン、Saifullah Parachaは、現在カブールで拘束されていると妻が述べた。Saifullah Parachaの息子は、アルカイダを援助したことでニューヨークで起訴されている。

Saifullah Parachaは“元気”で、赤十字から定期的に訪問を受けているという手紙を受け取ったと、妻が『AP』に知らせた。アフガニスタンにいる米軍からは、彼がカブールで拘束されているという事実は伝えられてない。またパキスタン政府も、これを確認することはできなかった。「我々は、Parachaの家族からも政府からも何も聞いてない」とカラチ警察所長のAsad Ashraf Malikが語った。「妻から要請があり夫を捜したが、成功しなかった」という。

妻は、これまでアメリカ大使館とパキスタン政府は彼の所在についての情報提供を拒み、アメリカに拘束されているということも認めなかったという。妻によると手紙には「私はアメリカの関係者とカブールにいる。元気だ。血圧も血糖値もコントロールされている。親戚たちに、私が元気であることを伝えてくれ。Uzair(息子)について教えてくれ」と書かれていたという。またつたない英語で「赤十字が1週間から10日に1回私を訪問する。返事を早くくれ。ファックスを送ってくれ。ファックス番号はインターネットかICRCで調べてくれ」とつけ加えられていた。

smellMissing Pakistani Businessman in Custody
By ZARAR KHAN、KARACHI


■パキスタン軍、北西辺境州に移動[030904 Dawn]

何十というパキスタン軍が、北西辺境州のアフガン国境付近、Bannuに集結した。軍はアルカイダを捜索しているのではないかという憶測を否定し、「通常の訓練」と称している。「これは軍の訓練の一部であり、このような訓練についてメディアには詳細を発表しない」と軍スポークスマンMajor General Shaukat Sultanが『AFP』に述べた。これに先んじてある政府高官は、軍はアルカイダ容疑者を捜索していると述べた。宗教政党は、米軍もこのなかに含まれていたと述べる。

smellPakistani troops moved to northwestern district amid al-Qaeda hunt
PESHAWAR


■アフガン軍、ドラッグ商売と関係[030904 Christian Science Monitor]

6月26日にMohammad Dostはアサダバードで、167キロのアヘンを所持していたことで逮捕された。これはそれほど大きな量ではない。9万2000ドル相当のアヘンである。しかし彼がアフガン軍の中尉であったことが、大きな問題だ。彼は、ドラッグ密売人を逮捕する立場にいるべき人間である。

アフガン高官にとると、Mohammad Dostの問題は、軍閥の問題よりも重大だ。この事件は、アフガンの司令官がドラッグ商売に関わっていることを証明する、初めての例となった。アヘンとそこから生じる資金は、タリバンを再結成させる原動力となる。ドラッグを扱う軍閥たちは、以前アメリカに多いに役立ったが、今は国の将来にとって大きな脅威となっている。

内務省のアドバイザーを勤め、アフガンの知事の異動の責任者であるShahmahmood Miakhelは、政府はMohammad Dostの事件について厳格に対処すべきだという。「司令官を1人罰すれば、他の者への見せしめとなる。もし強制力のない法律しか持たなかったら、法は何の意味もない」。

アヘン商売の裏にいるのは、軍閥たちだ。タリバン運動の一員も、新米軍を表明する司令官もいる。国連のドラッグ・コントロールを指揮するAntonio Maria Costaは、「すべての司令官がこの商売に加わっているわけではない。しかし、2万人の軍隊をもてば、資金はどうしても必要だ」という。

クナール州で、アフガニスタンの武装グループがドラッグ商売に巻き込まれていることは確かだという。例えば前述のLieutenant Dostは、最近のドラッグ王が持つ物すべてを持っていた。運転手、アフガン軍の制服を着た武器を持った男2人、トヨタの最新ランドクルーザー、黒い窓ガラス。この車が通れば、チェックポストで警察官はにっこり笑い、すぐに通してくれる。しかし、クナール警察はこの車をチェックすることにした。そこでアヘン4袋を発見したのだ。

「私にとって、これはとても危険なことだ。人を1人殺して、問題を解決することは簡単だ」と親任のクナール州知事のSayed Fazl Akbarは自分のことを指して言う。州知事はDostを8月6日に釈放し、彼の指揮官Hazrat Aliに引き渡したという。「法律上、これは軍の問題だ」。しかしジャララバードにDostは姿を見せなかった。Hazrat Aliは、Dostを引き渡された覚えはないという。いずれにしても、Dostは彼の部下ではないというのだ。「私は4つの州を管轄する軍司令官だ。軍の制服を着て、『我々は彼の部下だ』という人がよくいる。でもそうじゃないのだ。名前を用いて、力を得ようとしているだけなのだ」という。そして司令官は、アヘンを取り扱う人々に対して、法律を使うことには反対だという。「個人的にアヘンは嫌いだ。しかし、政府の人間たちは、この商売に加わっている」。

しかしこの地域の農民たちは、Hazrat Ali自身が直接ドラック商売をしているという。「Hazrat Aliの部下が、アヘンと引き換えに金をくれた」とBatikot村の農夫、Jalal Khanは言う。「我々が豊かに暮らせるのは、すべてHazrat Aliのおかげだ」。ナングラハール州の農夫も言う。「ある日Hazrat Aliの部下が村に来て、『アメリカはアヘン栽培が増加してかんかんだ。だから道端のケシを少し始末して、アメリカ人たちを喜ばしてくれ』と言った」という。数日後Hazrat Aliの部下が再び村に来た。『我々はあなたがたの敵ではない。我々はあなたがたの生活が潤うのを歓迎するから、ケシの栽培を続けてほしい」。

garrAfghan military tied to drug trade
By Scott Baldauf、ASADABAD


■アフガン・米軍、退去するタリバンを捜索[030904 AP]

アフガニスタン高官は勝利宣言を出したが、米軍は、ザーブルでの戦いはまだ終わってないと木曜日に述べた。

これとは別に、24機のパキスタン軍のヘリコプターが、アフガン国境近くの部族地帯を低空飛行していたと、木曜日に目撃者が語った。匿名を条件に話した政府高官によると、ヘリコプターの何機かには「外国人」、おそらくアメリカ兵を乗せていたという。米軍は特殊部隊をパキスタンの部族地帯に送り込んでいるが、その数やどこにいるか、何をしているかは極秘になっている。非常に保守的な地域柄ゆえに、可能な限り目立つような行動をしてないと思われる。

米軍スポークスマンMaj. Ralf Marinoがバグラム空港で木曜日に会見を行ない、「作戦はまだ進行中で、まだ敵を捜索している。Dai Chupanでの行動はまだ終了してない」と述べた。ザーブルにいるアフガン司令官Haji Saifullah Khanによると、ゲリラたちは小さなグループになって、隣接する地域に逃げ込んだという。「タリバンのリーダーが死亡者の中にいるかどうかは、わからない。遺体の損傷は激しい」という。

hoonAfghan, U.S. Forces Seek Fleeing Taliban
By NOOR KHAN、QALAT


■北西辺境州のパシュトゥン、タリバンを支援[030904 The Nation]

北西辺境州にイスラム原理主義色が強くなり、タリバン化するのではないかという恐れは、軍が駐屯するようになってから一時的に薄らいだ。しかし辺境州で広がっているタリバン支持を、軍は抑えることはできない(中略)。8月31日に軍兵士が過激派と関係を持っていたとして逮捕されたが、そのなかの2人は北西辺境州に配属されていた(中略)。

パキスタン軍がタリバンを取り締まろうとしても、北西辺境州のMMAやパシュトゥンは、アメリカに弾圧されていると考えている住民(パシュトゥン)によって、妨げられる。「アメリカと戦う者は誰でも友達だ。我々はタリバンを可能な限り応援する。我々はパシュトゥンだ」と神学者協会Jamiat-e-Ulema Islam(JUI)のリーダーで、北西辺境州議会議員のMaulvi Israrul Haqは明言する。

MMAは去年10月に権力の座についた。6つのイスラム政党からなるMMAを構成する2大政党は、JUIとイスラム協会Jamaat-i-Islami(JI)である。JUIは1990年にタリバンを支持。しかし今日その政治的影響力は、北西辺境州とバローチスタンのパシュトゥンだけに限られる。ペシャワルの政治家は、JUIはアフガニスタン南部のタリバンを援助しており、タリバンのリーダーやその家族は、JUIが運営するマドラッサに匿われていると考える。JUIの下院議員たちはの多くは、かつてタリバンのために戦い、タリバンと関係を持つことに誇りをもつ。マルダン出身の下院議員Tajul Amin Jabalは、オマール師と個人的に親しくしているという。これらの下院議員は、アルカイダが9.11を引き起こしたことをいまだに信じてない。CIAとユダヤ教徒が引き起こした事件だと思っている。

一方JIは、イスラム同盟のイデオロギーに基づいた汎イスラム主義を唱え、パキスタンのなかでは最も組織化されたイスラム政党である。JIはヘクマチアルを支持しており、ヘクマチアルはアフガニスタン東部で活動しているタリバンと結びついている。ラホールとペシャワルのJI首脳が、最近スワートでヘクマチアルと会合したとある高官が言う。JIとJUIのリーダーたちは、タリバンはISIからも援助を受けているとも言う。

MMAの国内政策は、比較的阻止しやすい。6月にMMA政府はシャリア法を採用することを決定し、さらにヒズバ法を採決しようとした。しかしアメリカの圧力がかかり、ムシャラフはヒズバ法採決を妨害するために動いた。MMAの政治力は軍の力で押さえられているが、社会的、教育的現象として広がってきていると、ペシャワル大学のFazlur Rahim Marwat教授は指摘する。

同時に、世俗的パシュトゥン・ナショナリストAwami National Party(ANP)が人気を高めてきており、MMAに挑戦してきている。MMA政府は聖職者によって運営されているために、雇用率が40%以下のこの地域で、経済成長を達成することができないのだ。MMAは人々に仕事を与えることができないし、彼らのイスラムの広め方に憤慨している人々がいると、ANPの北西辺境州リーダー、Begum Nasim Wali Khanは言う。ANPはパキスタンのアフガニスタン介入に強く反対しており、「アフガニスタンから手を引け」がスローガンだという。

しかしいかにMMAの人気が衰退しようと、パシュトゥンのタリバン支持には変わりない。この意識は、7つのFederal Administered Tribal Areas(FATA) では一層強い。この地域はイギリス統治時代から半自治地域であったが、8月にアメリカの圧力を受け、パキスタン軍が初めてモーマンド行政区に入った(中略)。

とはいえ軍も政府も、FATAに対して何の政治的方策を持ってない。現状保持は不可能であることが判明してきているし、Mohmand United Jirgaのような一部のパシュトゥンが支持するように、モーマンドをFATAの中の5番目の州にするとか、FATAを北西辺境州に併合するなど、非現実的だ。1947年以来、パキスタンはこの地域を孤立化させてきており、住民は外の世界とまったくつながりを持たない。ラジオもなく、教育も受けず、政治討論もなければ、政党も持たない。単に道路を建設するだけでは、人々の精神意識を変えることは不可能といえる。

ムシャラフ大統領は、新タリバン政策を打ち出すMMAに代るような現代的、中庸なパシュトゥン・リーダーシップを作り出すつもりはなようだ。北西辺境州では、10月の選挙はMMAに有利であったと誰もが信じており、ANPのようなよりバランスのある政党、民主的な議会を唱える政党を、軍は受け入れるはずがない。またアメリカや国際社会は、パキスタンとアフガニスタン両国が国境の両側にいるパシュトゥンのために、共通の発展プログラムを作る資金を提供しているが、ムシャラフは過去のカブールとの違いを忘れようとはせずに、これを使用しない。これが実現するまで、ムラーたちを支配できる。

hoonIncreasing support for Taliban from NWFP Pashtuns
Ahmed Rashid in Peshawar and Gulanai


■アフガン軍、9日目にタリバンを撤退させる[030903 AP]

アフガン高官は、9日にわたって繰り広げられたタリバンとの戦いに勝利したと宣言した。

州諜報部のKhalil Hotakによると、ザーブル住民の80%がタリバンに忠実だという。カブールの外交官やアフガン高官は政府への脅威はないとは述べるが、これほど多くのタリバン戦士が1ヵ所に集結できる事実は、かれらが国をいかに支配しているかを見せつけるものである。タリバンは、山岳地帯を自分たちの基地として用いているようだ。

繰り返される爆撃にもかかわらず、タリバンは激しく抵抗した。Hotakはタリバンは小さなグループでDai Chupanから隣接する州に逃げ込んだという。水曜日にタリバンが隠れていると思われる洞窟を捜索したが、タリバンの司令官を捕まえることはできず、政府軍が踏み込んだときには、すでにもぬけの殻だった。約100人のアフガン兵と何人かの米兵が、警戒にあたっている。

hoonTroops Seize Taliban Retreat After 9 Days
By NOOR KHAN、QALAT


■米軍ジェット爆撃機、タリバンを攻撃[030903 AP]

水曜日にアフガン司令官のHaji Saifullah Khanが、ザーブル州Dai Chupan地域のLarzabとSairo Ghar山脈を米軍ジェット機とヘリコプターが攻撃したと述べた。また「米軍とアフガン軍は洞窟を包囲した」と、前線から衛星電話で報告した。なかにはタリバンの司令官が数人いるという。水曜日にはまだ地上戦はないという。

このほか、タリバンがロガール州にある小学校に放火した。またアフガンの女の子を教育する教員は攻撃するという脅迫状が、ばらまかれた。水曜日の朝には、被害を受けていない教室で、男女混合クラスが再開した。

hoongarrU.S. Jets Bomb Suspected Taliban Positions
By NOOR KHAN、QALAT


■アフガン政府、タリバンをDai Chopanから一掃したと発表[030903 Reuters]

1週間以上にわたって続いた爆撃と地上戦の後、ザーブルのDai Chopanからタリバンを一掃したと州諜報部のKhalil Hotakが水曜日に発表した。「我々はKhalil Hotakのタリバンを一掃した。Dai Chopanの作戦は昨日終わった」。

Dai Chopanの洞窟には、2人のアラブ人を含む124の遺体があったという。タリバンは犠牲者の数をもっと低く発表しているが、米軍は43人から67人の抵抗分子が死んだと述べた。

hoonAfghan govt says ousts Taliban from Dai Chopan
By Sayed Salahuddin、KABUL


■タリバン、パキスタンで買い物[030903 Daily Telegraph]

パキスタンのモーマンド行政区で、Haji Ahmed Khanはタリバンやアルカイダのために、彼らに必要と思われる物品をストックしている。Gulanaiにある彼の店は、中国製のカラシニコフ、弾薬、寝袋、水筒、防弾チョッキでいっぱいだ。

パキスタンの北西辺境州やバローチスタンに住むパシュトゥン族は、パキスタンやアフガニスタンにいる米軍に憎しみを持ち、タリバンに共鳴する。パシュトゥン同士の兄弟意識も非常に強い。国境沿いの7つの行政区はパキスタン政府の管轄内ではあるが、イギリス時代から半自治区となっている。住民はタミール・タイガーからカシミールの武装集団、タリバンに至るまで、この地域を訪れる人、誰にでも武器を売ってきた。彼ら自身も武装している。

モーマンド行政区のもう1人の店主、Shakirullahは言う。「タリバンは清潔で正直だ。イスラムを信じ、アメリカを根こそぎにする。アメリカと戦う者は我々の友だ」。

パキスタンの中央やメディアから孤立しているため、彼らには情報が不足している。これまでのインタビューからすると、モーマンドの人々はアルイカダが9.11を引き起こしたという事実をいまだに拒絶し、「CIAとユダヤ教徒がやった」と信じている。アメリカ人はパシュトゥンを憎んでいるとも思っている。「ブッシュは、パシュトゥンがすべて悪だと言っている。なぜなら、タリバンがパシュトゥンだからだ」と、ホテルと店を経営するHaji Baram Khanは言う。

アフガニスタンでタリバンが負けてから、パキスタン軍はアメリカの指示に従って、部族地帯に1つずつ入っていった。アルカイダを追って、アメリカはアフガン側を捜索している。8月にアメリカの要望で、何千というパキスタン軍がモーマンド行政区に入った。北西辺境州の警察司令官Lt Gen Mohammed Ali Jan Orakzaiは、「パキスタン軍は国境に軍を送り、アフガニスタンにいる米同盟軍と協力している」という。しかし軍はタリバン兵士や武器の流出を止めることはできない。

10日間、1000人のタリバンがアフガニスタン南部で米軍やアフガン軍と戦っている。昨日アフガン軍はパクティア、ザーブル、オルズガン州の不毛の山々で決起しているタリバン軍に、攻撃をかけた。撤退するどころか、タリバンはパキスタンからさらに兵士を増員し、空爆で激しく攻撃するアメリカに対戦してくる。前教育大臣のAnmir Khan Muttaqiに指揮され、1晩のうちに300人のタリバンがパキスタンからアフガニスタンに渡った、とある司令官が言う。タリバンは、国境にいるアフガンと米軍に攻撃をし続ける。米軍3人とアフガン軍20人、タリバン100人がこの2年間で起きた最大の戦闘で死亡した。

モーマンド行政区では、アメリカの特殊部隊が工作を続けていると思われる。しかし彼らはパキスタンのISIによって提供された隠れ家にカンヅメになり、ほとんど外に出ようとはしない。

smellgarrTaliban shop in Pakistan for guns to fuel war
Ahmed Rashid、Gulanai


■タリバン9人釈放、19人拘束[030903 Daily Times]

火曜日、警察は9人のタリバン容疑者を釈放し、19人はいまだ捜査中だという。情報筋によると、2人が国境付近で逮捕され、26人が宗教関係の建物の近くで逮捕された。捜査の際、何人かはスピンボルダックのチェックボスト襲撃に関わった、と告白したという。国境警備隊は国境にサーチライトと監視カメラを設置した。

hoonNine Taliban suspects freed, 19 still held
By Azizullah Khan、QUETTA


■ペシャワルからテヘランに、バス初運行[030903 Daily Times]

ペシャワルとイランのテヘランを結ぶバスが、今日始めて運行される。週1回のこの便は初めての試みで、Kaftan付近の国境を通過してイランに入る。テヘランまでは3日かかるという。

rightFirst bus to Tehran leaves Peshawar today
PESHAWAR


■パキスタン、国境支配を宣伝[030902 Washinton Post]

つい最近まで、アフガン国境に近いパキスタンの部族地帯は「立ち入り禁止」地域で、無法地帯だった。しかし今年の6月、パキスタン軍がそのひとつのモーマンド行政区に入った。モーマンド行政区の状態は今や非常に平穏であるために、パキスタン軍は欧米のジャーナリストを対象に、最新ヘリコプターツアーを企画。井戸掘り計画や、よく冷えたコカコーラをお盆に載せた、にこやかな村人たちを紹介した。「我々はタリバンがここに入るのを許したりはしない」とFaqir Wala村のMohammed Shah。パキスタンはタリバンを援助し、彼らが国境を越えることを黙認していると抗議するアフガニスタン政府に対抗して、このモーマンド・ツアーが企画された(中略)。

パキスタンはタリバンを援助しているのだろうか。パキスタンが過去においてタリバンを援助していた事実、またカブールとパキスタンの宿敵インドとの関係も気になる。パキスタン高官は、インドがカンダハルとジャララバードに領事館を開いたことを非難する。パキスタンは「タリバンを支持しているというわけではないかもしないが、親切心で無視することはあるかもしれない」と、退役軍人のIkram Majeed Sehgalは言う。「北部同盟が政権をとっているという事実を考えれば、パキスタンの治安部隊は以前のようにタリバンを排除しようとはしないだろう」。「今やパキスタンの最も恐れる事態となった。インドが、カンダハルとジャララバードに陣取ったのだ」。

欧米外交官は、パキスタンの諜報部はいまだにタリバンのリーダーたちとの「通信網」を保っているという(中略)。

パキスタンの高官たちは、アラブ人であるアルカイダとタリバンとを明確に区別している。タリバンは「テロリスト」と一般的には見なされてない。パキスタン政府はタリバンをほとんど逮捕せず、彼らの多くはパキスタンに隠れていると思われる。

イスラム神学者協会(JUI)のリーダーであるFazlur Rahmanは、電話インタビューで答えた。「タリバンの一部のリーダーに関しては、それぞれ意見が異なるだろう。しかしタリバンは親パキスタンの立場を取り、これからもそれは変わることはない。私が思うに、軍はこのことを事実として捉えている」。

アフガニスタン政府はパキスタンのタリバンに対する態度のために、高い代償を払っていると訴える。カンダハルでは、アフガン諜報部はパキスタンから来たというタリバン捕虜と欧米ジャーナリストをインタビューさせた(「アフガン・タリバンの新人豊富・030822 Reuters」参照)。

パキスタン高官は、北西辺境州に2万5000兵を派遣しているという。軍はモーマンド行政区などで公共施設を作ったり、道路建設に励んでいる。残りは国境に配属され、42マイルある国境線に沿って、1マイル間隔に監視をしているという。また野戦司令官たちは定期的にアメリカ軍とミーティングを持ち、衛星電話を用いて、親タリバン勢力一掃に協力しているという。「我々は鉄床を提供し、彼らは金槌を提供する。最近そんな作戦があったばかりだ」という。

smellPakistan Touts Control of Border
By John Lancaster、MOHMAND AGENCY


■タリバン、アルカイダと再び決起[030902 AP]

タリバンはもはや逃走中ではなく、アルカイダと再び決起した。「今、状況は我々にとっては好都合だ。毎日好転していく。どこにでも自由に行くことができる」とタリバン時代にガルデズの第3部隊の警察司令官だったGul Rahman Faruqiが、パキスタンで『AP』に語った。「今タリバンが行く所どこでも、人々は家と食事を提供してくれる。人々はもはや略奪や殺し合いに疲れ果てているのだ」と、地元の治安の混乱を指摘する。「以前、人々はタリバンが活動しているとは信じてなかった。もはや我々は終わったと思っていたので、怖がっていた。今我々が活動しているのを見て、略奪者や殺人者が行動できないことを知った」。「彼らがタリバンを嫌っていることは、知っている。しかしそれ以上に、略奪や殺人を憎んでいる」。

カブールで、ある欧米の外交官が匿名を条件に語ったところによると、アルカイダと共に動いている宗教武装団が再組織化し、戦法を変えてアフガニスタンとパキスタンで活動しているという。

Gul Rahman Faruqiは、タリバンは同盟軍に追い詰められてないという。「今、我々はアフガニスタン中に新しい基地を持っている。米兵は1万人しかいない。アフガニスタン中にいるわけではない。我々は恐れていない。どこにでも自由に行けるのだ」と述べる。タリバンは各州に軍事評議会を設置し、軍の基地を再組織化した。命令系統を展開し、新しい兵士に規律を与えたという。

Faruqiによるとザーブルの戦場で、タリバン軍の指令は組織化されており、前バルフ知事の補佐官だったAbdul Jabbarが指揮しているという。野戦司令官はAmir Khan HaqqaniとGhulam Nabiで、3人ともザーブル出身だ。

ザーブル州諜報部のKhalil Hotakも、タリバンが再結成していることを認める。「彼らは無学の人々だ。彼らは宗教者とともにいる。アメリカ人は異教徒で、アフガン政府はイスラムに反して異教徒を支持していると、各地で吹聴しまわっている」。

Faruqiは言う。以前タリバンが警察本部を襲撃したときに、あらかじめ手紙を出した。「アメリカは彼らの敵だから、我々を通すように言う。もし応じれば彼らを攻撃しないし、応じなければ攻撃する」。また保守的な部族やパキスタン軍の諜報部から、援助を受けているとも述べる。軍の中にはCIAの影響を受け、我々を連行する者もいる。しかし本当のイスラム教徒は大勢おり、彼らはそんなことはしない。

2ヵ月前パキスタン軍は、前副知事を含むタリバン何人かを逮捕した。しかしFaruqiは言う。「パキスタンの重要な諜報部の1人が、地元のISIに手紙を書いた。『もしあなたがイスラム教徒であれば、あなたが逮捕したタリバンを釈放しなさい。もし釈放しなければ彼らはあなたを殺し、あなたは自分が人間であったことを思い知ることになるだろう』と書いてあった。彼らはまだ拘留されているが、いずれ解放されることは間違いない」。

パキスタンとアフガニスタンに、小さな訓練所があるという。「我々はジハードについて学ぶ必要はない。銃の扱いは知っている。他の爆発物、爆弾や急襲の仕方を学ぶのだ」。爆弾の作り方はパキスタンで学び、それを持ってアフガニスタンに行って使う。

もう1人、アラビア語を話すAbdullahと名乗る前タリバンを、パキスタン北西部でインタビューした。彼はアフガニスタンから、古い壊れたラジオやテレビを買い付けに来たという。遠隔操作装置を作るために用いるのだそうだ。「これからも爆破事件は続く。我々は止めはしない。我々のほうが強い」。

garrTaliban Said Teaming With al-Qaida Again
By KATHY GANNON、ISLAMABAD


■ドイツ国会、アフガニスタンの治安支援を拡大に合意[030902 Reuters]

ドイツ国会はは火曜日に、国連が決議を行なった場合、カブール外のクンドゥーズにも兵士を派遣することに合意した。アフガニスタンには現在2000人のドイツ兵がいる。

ohGerman cabinet agrees to extend Afghan peacekeeping
BERLIN


■カブール、タリバンと話し合い開始[030902 The Nation]

Afghan Islamic Press(AIP)が月曜日に報告したところによると、カルザイ政権はザーブル州にいるタリバン高官たちと調停を始めたという。パキスタンのニュースサービスによると、調停はザーブル州知事Hafizullahの立ち会いのもとで、政府高官のAbdul Rehman Hotakとの間で行なわれるという。

この情報は、カブールの300キロ南西にあるザーブル州のDaychopan地域の山岳地帯で、タリバンと米主導のアフガン軍との戦いの最中に出てきた。Abdul Rehman Hotakは、この話し合いには「自信がある」と述べ、Atgharにいるタリバンは、「話し合いが成功すれば、政府に対して何らの行動もしない」と約束したという。「タリバンに危害を加えないという保証、また同盟軍にいやがらせをされないという保証を求めている」と述べた。

一方、カルザイ政権はこれを否定。「調停のことは聞いたことがない」とカルザイ大統領のスポークスマンKhaleeq Ahmedが述べた。

政府は先月ザーブル州知事のGovernor Hameedullah Tokhiを、ワルダック州知事として任命した。

smellKabul opens talks with Taliban
ISLAMABAD(AFP)


■アフガンのタリバン、300人補強[030902 Reuters]

ザーブルで戦っているタリバン司令官、Maulvi Faizullahによると、ザーブル州にさらに300人の戦士が派遣されたという。補強兵士は前タリバン教育大臣のAmir Khan Muttaqiが指揮していると、Faizullahは述べた。

ザーブル諜報部のKhalil Hotakは、アフガン軍はDai Chopan地方のKoh Larzabを捜索中で、いまのところ火曜日になってからは爆撃はなく、タリバンとの衝突もまだないという。

アメリカ大使館のスポークスマンは、カブールからカンダハルへの高速道路は、道路沿いで度重なる攻撃があるにもかかわらず、建設作業は続行しているという。

月曜日早朝、ザーブル州のカンダハルの北東チェックポストで、警察官4人が殺害された。またアメリカの会社Louis Berger Group Inc.のために働いていくインドのコントラクターが小武器で攻撃された。

これとは別に、この会社のセキュリティーガードが車に乗った狙撃者に狙われ、2人が殺された。さらに日曜日あるいは月曜早朝に、ザーブルとウルズガン州で合計11人が殺害された。

garrAfghan Taliban say send 300 reinforcements
SPIN BOLDAK


■タリバン、パキスタンで新たな力を得る[030901 Los Angeles Times]

タリバンは、パキスタンの武装集団やアルカイダたちから、新たな人員を補給している。しかし戦いが続いている間も、比較的穏健なタリバンたちの間では、来年6月に実施されるアフガニスタンでの選挙に参加しようとする動きがあり、さらにオマール師に代り得るリーダーを見つけようとしている最中だという。

何千という米兵や同盟軍がいるにもかかわらず、タリバンとその仲間たちは再びカンダハルを奪回しようとしていると、パキスタンのHarkat-ul-Moujahedeenの司令官がいう。この司令官はアフガン国境近くで、匿名を条件にインタビューに応じてくれた。

彼はマドラッサを運営しているという。2001年以来、何度もアフガニスタンに渡り、タリバンと一緒に戦ってきた。パキスタン兵士は自分が国境を越えるのを見ても見て見ぬふりをすると、不敵な笑みを浮かべる。いずれにしろ、国境など関係ないのだ。「我々は国境とか、別の国などない。イスラムはひとつだ」。「アメリカに対してジハード行なえというファトゥアがあるから、行くんだ」。「今パシュトゥン族の地域は、他のアフガニスタンの地域と比べると非常に危険な状況にある。現在すべてのパシュトゥンが、アメリカに対抗して団結している」。アフガン政府は、何百人というタリバンが国境を行ったり来たりしているという。彼は言う。「ただ事務所に座っている政府の人々は、パキスタンがいかにアフガニスタンのなかで活動しているか、いかにタリバンを援助しているか、想像もつかないだろう」。

地元の人々は、アフガニスタンに渡る武装グループのなかには、過激派のAl BadrやHizbul Moujahedeenが含まれるという。Hizbul Moujahedeenは、ヘクマチアルの古くからの同盟者だ。Harkat、Hizbul MoujahedeenとAl Badrは、インド領カシミールで戦うパキスタンの過激派だ。しかしアメリカの圧力の下で、パキスタンはこれらのグループに圧力をかけた。その結果、彼らは逆にアフガニスタンでタリバンと一緒にジハードをするようになったのだ。

Khowstはタリバンの強力な基地である。米軍のジェット戦闘機は、毎日のように武器や過激派を捜索している。敵はしばしば近くにいるが、隠れている。

タリバンのNadir Khanは、最近レポーターの車のバックシートに座った。そしていかに彼や他のタリバンたちがパキスタンの国境を行ったり来たりするのか、話してくれた。攻撃をしては、パキスタンにある基地に戻っていくのだという。彼は7月12日に、ペシャワルで開催されたタリバンの会議に出席したという。「まるで国会の議会のようだった」。「ペシャワルで会った人々は、銃を持っていた。このような会合を行なってもパキスタンは決して阻止したりしない。パキスタンは、アフガニスタンの現政府が嫌いだからだ。アフガン政府を覆そうと、懸命になっている」。タリバンは、米軍を援助するインフォーマントを黙らせるために、国境を越えることもある。例えば7月19日にKhowstの自宅の前で、意識を失うまで殴打された男がいた。この男は米軍に情報を与えたのだ。

アフガニスタン政府は、パキスタンと米軍関係者に、パキスタンに住んでいるタリバンのリストを配ったとMullah Khaksar Akhundは言う。彼は、現在はアフガン政府の諜報部員だが、以前はタリバンだった。パキスタンにいるとされるタリバンは、前タリバン副総理大臣のHaji Abdul Kabirが含まれる。アフガニスタン政府は、Haji Abdul Kabirはペシャワルのコハートに住んでいるとみる。ここには、パキスタン軍の基地がある。ある住民は、Haji Abdul Kabirをカイバル・バザールで良く見かけるという。最近では、8月中旬に見かけたらしい。しかし彼は非常に注意深く、どこに住んでいいるかはわからない。ある情報筋は、タリバンのペシャワルの前総領事Maulavi Najibullahが、クエッタでゲリラ戦に備えて資金を集めているという。

ムシャラフの補佐であるMaj. Gen. Rashid Qureshiは、タリバンがパキスタンで活動していることを否定する。パキスタンの国境地域の州知事たちが、連邦政府を無視してアフガンの反乱分子を援助することは不可能だともいう。

前述したKhowstのNadir Khanは、4年前にタリバンになったという。当時オマール師は軍閥を弱体化させており、国を統一しようとしていた。しかしいまや軍閥は、再び武器と金と力を持ち始めている。これらの武器や金は、すべて米軍から供給されている。タリバンを一掃するためだ。最初、人々はオマール師が好きだった。アフガニスタンに治安をもたらすことができた、唯一の人物だった。しかしじきに、女性や少年たちが教育を受けられなくなった。それで人々はオマール師に背を向けるようになった。いま、彼は以前ほど人気がない。いまはMullah Mohammed HassanやMullah Qadirのような新しいリーダーが出現しているとNadir Khanは言う。2人はカンダハル近辺で活躍しているらしい。

ディールにいるHarkatの司令官も、オマール師に取って代わるリーダーを現在捜しているという。オマール師は、タリバンと一緒に戦っている仲間のあいだでは、いまやそれほど支持されてないらしい。前タリバン空軍の責任者だったMullah Akhtar Mohammed Mansourの方が、ヘクマチアルの相棒として適任でないかと指摘する。このMullah Akhtar Mohammed Mansourは、2001年10月の空爆で米軍に殺されたといわれる。しかし彼の死は確認されたわけではなく、2002年初めに米軍が行なった“Operation Anaconda”の際、彼が指揮を取っていたとアフガンの情報筋がいう。

タリバンやその支持者たちの間では、オマール師より中庸な政策をとるグループが支持されているという。彼らは、アフガニスタンの次期選挙に立候補しようとしているらしい。アフガン政府にタリバンが参加するという考えは、決して新しいものではない。2001年にタリバン政権が崩壊した後、パキスタンはワシントンに、例えば穏健派の外務大臣のWakil Ahmed Mutawakelを政府内に置くことを勧めた。Wakil Ahmed Mutawakelは去年、アメリカに出頭している。自分自身がパシュトゥンであるカルザイ大統領はテレビで、すべてのタリバンが悪いわけではない、と演説したことがある。その後抗議者たちがカブールの町に繰り出し、タリバンを非難。北部同盟もタリバンを政府内に入れることを拒否している。イラン、ロシア、インドもタリバンに反対している。

ペシャワルの親タリバン政党を引き連れるタリバンの前情報・文化副大臣のMullah Abdul Rahman Hotakは、タリバンとイスラム学者を政府内に迎えなければ、アフガニスタンに平和が訪れることはないと主張する。タリバンの力をわずかでも取り入れることを拒否することで、ブッシュ大統領は彼が約束したアフガニスタンの民主主義を否定していると語る。「ブッシュ大統領は、『我々はアフガニスタンの文明化のために戦っている。民主主義はそのなかでも非常に重要だ』という。もしアフガニスタンにおけるこの問題が解決できなければ、アメリカの人々に尋ねたい。『民主主義とは何だ?』」。

いま、アフガニスタンのパシュトゥンたちはタリバン時代を懐かしむ。タリバンを抑圧者と見ていた学生たちの間に、いまや彼らを支持する声が聞こえてくる。タリバンはKhowstの大学では人気がある、と学生たちは言う。学生たちは、タリバンは悪事も働いたが、治安は良かった。今や唯一タリバンだけが、アフガニスタンのナショナリズムを守っている。タリバンではなくても、ゲリラ戦争を支持すると語る。「歴史を見れば、アフガニスタンに外国人がいることを好む者は誰もいない。タリバンは外国人たちの敵だ。そしてKhowstにやってきたアメリカ人たちは、我々に何もしてくれない。『治安を良くする』と彼らは言うだけで、そんなもの、ありゃしない」。「タリバンが政権を取ったとき、彼らは残酷で、我々はそれがいやだった。しかし現在の政府は、我々に何もくれやしない。このような治安の悪い状況が続けば、もっと多くの人々がタリバンに参加したくなるだろう」。

rightTaliban Finds New Strength in Pakistan
By Paul Watson、DIR


■アフガンと米軍、タリバン陣地を乗り越える[030901 AP]

アフガンと米軍はタリバンの3つの陣地を越え、洞窟に追い込んだという。同盟軍は小武器とロケット弾を用いた敵のグループと対戦し、洞窟に追い込んだと米軍スポークスマンのCol. Rodney Davis。同盟軍は火曜日の午後、小武器と大砲、空爆で攻撃しているという。

ザーブル州のアフガン司令官Gen. Haji Saifullah Khanによると、米軍の戦闘機が火曜日の明け方、タリバンを攻撃したという。タリバンは3ヵ所の隠れ家からは退去したが、地形をうまく利用し、まだ攻撃している。他の場所にいるタリバンには、降伏するチャンスを与えるとも。

hoonAfghan and U.S. Troops Overrun Taliban
By NOOR KHAN、QALAT


■パキスタン軍兵士、テロとの関係で逮捕[030901 Daily Telegraph]

パキスタン軍は昨日、軍高官数人がイスラム過激派と関係があったことで逮捕されたことを認めた。この事件は原子力やテロに対する戦争などのパキスタンの治安機関に、前タリバン政権やビンラディンが入り込んでいる危険性を暗示する。

パキスタン軍スポークスマンMaj Gen Shaukat Saulatは、中佐を含む3〜4人の軍高官が逮捕され、イスラム過激派との関係を問われていることを認めた。実名は出されてない。彼は『Daily Times』紙の、16人を逮捕したという記事は否定した。何人かは、アフガニスタンでタリバンと共に闘っていたところから送還されたという。

退役軍高官によると、今回逮捕された軍兵士たちは、95年9月に当時の大統領だったベナジール・ブットーに対してイスラム革命を計画して逮捕された26人の軍高官と、関係があるのではないかという。また何人かの政府高官は、今回の逮捕は3月にラワルピンディで逮捕されたKhalid Shaikh Mohammadと関係がある可能性があるともいう。Khalid Shaikh MohammadはJamaat-e-IslamiのメンバーAhmad Abdul Qaboosの自宅で逮捕されたが、Ahmad Abdul Qaboosと彼の兄弟Adilも、アルカイダを援助したことで逮捕された。Adilはパキスタン軍の少佐だった。

欧米では、イスラム原理主義が軍高官の間に浸透してきたと、危惧する。過去において、軍は長いことアフガニスタンのタリバンやカシミール、チェチェン、中央アジアの過激派を援助してきた。9.11以後、ムシャラフは軍から原理主義を一掃したと言い続けてきた。「軍にはいつも問題があり、人々はそれについて知らないだけだ」と、軍についての著書が多数あるHassan Askar-Rizviは言う。「逮捕された高官たちは、政府が非合法にした宗教組織と関係があるようだ」とつけ加えた。

欧米とアフガニスタン高官たちは、ISIにはまだイスラム原理主義擁護派が多数いると信じている。9.11以後タリバンを援助するのをやめたが、再びいま援助を始めた。ISIはこれを否定している。

garrPakistan army officers arrested in terror swoop
By Ahmed Rashid、Lahore


■ビンラディンの隠れ家の噂[030908 Newsweek]

ビンラディンは、もはやアルカイダをまとめることはできないと思われているが、クナール州の人々はそうは思わない。

クナール州のPech River valleyに住むKhan Kaka老人の義理の息子Abu Hamza al Jazeeriは、96年にビンラディンのボディーガードになった。2ヵ月に一度、このアルジェリア人al Jazeeriは、家族に会いに帰ってくる。「どこからともなくやってきて、すぐに消える。いつ来るか、いつ去るのか、全然わからない」という。村人たちは、彼が持ってくるビンラディンについての報告を楽しみにしている。1月に来たときには、ビンラディンの義理の娘が出産中に亡くなったという話をした。ビンラディンはその葬儀で演説をし、彼女の死をアメリカのせいにした。ほんの数十人だけの葬儀だったという。「私はアラブの“シャイフ”と同様の富を持っていた。しかし私は、我々をイスラムから引き裂こうとしている異教徒と戦うことにした。それゆえに、アラブ人、タリバン、そして私の家族は殉教した」と述べたという。Khan Kakaや隣人たちは、この演説を暗記した。ビンラディンがどこにいるか尋ねると、al Jazeeriは微笑み、谷を取り巻く山々を指したという。

9.11以後、ビンラディンがどこにいるのか、誰も知らない。アメリカの高官たちは、ビンラディンはもはやアルカイダを指揮できないと見る。「彼の役割は、以前ほど重要ではない。しかし象徴的には、非常に重要だ」という。

しかし、『Newsweek』が接触したタリバン高官の意見は違う。彼らによると、ビンラディンはいまだアルカイダやタリバンに資金を供給している。フセイン政権が崩壊したあと、アルカイダのリーダーたちは、9.11以来最大のテロ会議をアフガニスタンの山奥で開催した。前タリバン外務副大臣によると、参加したのはタリバンの重要人物の3人、数人のアルカイダ高官、チェチェン、ウズベキスタンのイスラム原理主義リーダーたちだという。そこでビンラディンは彼が最も信頼しているSaif al-Adilを、イラクでの作戦を実行するリーダーに任命した。このエジプト生まれのSaif al-Adilに紹介状を手渡し、すべての宗教者やビジネスマン、ムジャヒディンに対し、彼に可能な限りの援助をするよう要請した。Al-Adelはすぐにアフガニスタンを出たが、イランで監禁されているといわれる。しかしタリバン高官はアメリカの諜報部の情報を否定し、Al-Adelはイラクに潜入し、反米運動を組織していると主張する。

もう1人のタリバン高官が『Newsweek』に語ったところによると、この会議でビンラディンはもう1つの「重要なプロジェクト」を計画していたという。「彼は生物化学兵器を使うことを最大課題とし」、アルカイダはすでにこのような武器を持っているという。問題は、いかにそれを運び、用いるかということなのだそうだ。この計画は、Khalid Shaikh Mohammadが3月に逮捕されて、延期されたらしい。

前タリバン外務副大臣とHaroonというアフガン人によると、ビンラディンは元気で、Haroonは6月に彼に会ったとさえいう。ビンラディンの息子3人も一緒で、もし囚われそうになったら彼を殺す誓いをたてている。2人の妻も近くの山中に住んでいるらしい。友や部下たちとは、手書きの手紙やコンピュータ・ディスクで交信し、メッセンジャーが手渡ししているという。各メッセンジャーは、次に誰に手渡すかしか知らない。原始的な方法だが、アメリカには察知されない方法だ。

クナール州ほどいい隠れ家はない。アメリカの高官たちでさえ、これに同意する。山中は中央政府の管轄外で、道らしい道はない。アルカイダが隠れているところに入ることは、不可能だ。ヘリコプターでさえ、無理だという。他の砂漠のなかの山と異なり、クナールの山々は常緑樹に覆われ、盗賊たちの巣となり、パキスタンに通じる。al Jazeeriのように、ビンラディンのボディーガードたちは地元の人々と結婚して、地域と密接に繋がり始めてている。対ソビエト戦争時代に、CIAはクナール州でアラブ人たちが地元のムジャヒディンたちと合流して、ソ連と戦うのを容認していた。

ビンラディンの一行は、アフガン遊牧民たちと共に暮らしている。「アラブ人たちは、ジハードをしている立派な人たちだ。家畜や乳製品をいい値段で買ってくれる」とある男が言った。

Haroonというアフガン人は、6月にビンラディンに会ったと語った。彼はタリバンの反米運動の活動家で、以前ビンラディンをトラボラからShahikot Valleyに逃がしたのだというだ。ビンラディンに謁見希望を出してから1ヵ月後、彼は返事を受取り、パクティア州にある自宅から北に向かうよう指示された。パスワードをつぶやくガイドと一緒に3日間旅し、アラブ人に引き渡され、厳重な身体検査を受けた。まる1日裸足で洞窟のなかで過ごした後、覆面をしたアラブ人がやってきて、土と石でできた小屋で待つように言われる。心配になってきたころに、ビンラディンが現われたという。彼は静かにアラビア語で話した。「アフガニスタンの砂漠は、ムジャヒディンの血で灌漑されている。しかし、ジハードは決して枯渇することはない」。謁見は15分で終わった。「今後、決して私に会おうとしないでほしい」と最後にビンラディンは言ったという。

ohRumors of Bin Laden's Lair
By Sami Yousafzai And Ron Moreau


■パール記者殺害についての空想的な本、英訳される[030901 Daily Times]

有名なフランス人異端哲学者、Bernard-Henri Levyが、最近急増中のパキスタンを「曲がって見たがる種族」の一員となった。20万冊の売上げがあった彼の最新刊“Who Killed Daniel Pearl?”の英訳が、来週出版予定である。

彼の理論によると、ダニエル・パール記者が殺害されたのは、アルカイダと北朝鮮がISIやテロネットワークと関係のあるパキスタン人科学者から核情報を得ていた、という証拠を得たからだという。バール記者が殺害された時、Bernard-Henri Levyはシラク大統領から任命されてアフガニスタンにいたが、ニュースを聞いてただちにカラチに飛んだ。1971年以来のことだという。

Levyは小説家の勘で、パールが彼自身を殺害した犯人であるSheikhと会った、ラワルピンディのAkbar Hotelに滞在。そこで彼はこのホテルはISIによって運営され、カシミールの戦士やその他のイスラム原理主義者たちを泊めるために用いられていることを知る……(後略)。

smellFanciful book on Pearl murder now in English
By Khalid Hasan、WASHINGTON


■カルザイ政権、ザーブルで反乱に遭う[030901 Paktribune]

アフガニスタンのザーブル州の住民はカルザイ政権に反旗を翻し、タリバンの味方についたと、日曜日にタリバン司令官Maulvi Abdul Jabbaが衛星電話で報告した。ザーブル州はすべてタリバンの支配下にあるという。

彼の主張は確認できなかったが、アフガン高官は、数多くのタリバンが州内にいることを認めた。米軍の空爆により30人以上のタリバンが死亡したというが、ザーブル州知事のHafizullahは何千人ものタリバンが現在ザーブルにいると認めている。またChanar TangiとDai Chohanで、それぞれ何人かのタリバン支持者が殺されたとも語った。

Hafizullah知事によると、タリバンたちは地元民たちにタリバンを支持するよう強制しているという。住民は戦いを恐れ、山岳地方に逃げた。これほど多くのタリバンがいるということは、オマール師もザーブルにいることを暗示するとも述べた。

ohKarzai administration faces revolt in Zabul
CHAMAN


■タリバン、アフガンに新たな兵を送る[030901 AP]

パキスタンとの国境付近のパクティア州で日曜日に、パトロールをしていた米軍が襲われ米兵2人が死亡、1人が負傷した。また南部のザーブル州ではタリバンとの戦いは7日目に入り、いまだにジェット機とヘリコプターによる爆撃が続いている。

米軍は日曜日の明け方までに3時間にわたってDai Chupan地区を爆撃、午後も再び爆撃を開始した。州諜報部のKhalil Hotakによると、明け方に14人のタリバンの遺体を確認したというが、事実は確認されてない。

前線のLarzabにいるアフガン軍司令官によると、タリバン兵士がさらに集結しているという。「隣接するMizanから、250人以上のタリバンがDai Chupanに入ってきた」と『AP』に衛星電話で報告した。米・アフガン軍も補強され、500人から800人に増兵した。

hoonTaliban Send New Troops to Afghan Battle
By NOOR KHAN、QALAT


■Abu Zubaydah、ビンラディンのパキスタンとサウジの関係を暴露[030901 The Nation]

雑誌『Time』で紹介されたGerald Posnerの新刊『Why America Slept』によると、昨年パキスタンで逮捕されたアルカイダ幹部のAbu ZubaydahがCIAに自白した内容が、紹介されている。それによると、サウジの諜報部責任者のTurki al-Faisal bin Abdul Aziz王子が、アルカイダがサウジに政治的攻撃をしない限り、資金を援助し続けることを約束したという。

またAbu Zubaydahは、パキスタン空軍の上級高官Mushaf Ali Mirがアルカイダを保護し、武器や物資を提供することを約束された述べたという。いかにしてアメリカのエージェントが、Abu Zubaydahを自白させるためにドラッグを用いたかなども暴露されている。Mushaf Ali MirもサウジのAhmed bin Salman bin Abdul Aziz王子も、9.11の計画を事前に知っていたという(後略)。

smellAbu Zubaydah reveals Osama ties with Pakistan, S. Arabia
NEW YORK(AFP)


■軍は迅速に行動すべき[030901 Daily Times]

パキスタン軍高官がタリバンやアルカイダと関係していた容疑で逮捕されたニュースは、ホンコンの『Asia Times』が最初に報道した(「ムシャラフの軍、隊を乱す」 030830 Asia Times参照)

さらに『Daily Times』は31日に、少なくとも12人の軍高官と下士官がアフガニスタンのザーブル州にいる北部同盟軍によって逮捕されたあと、軍のField Security Sectionにより拘束されたと報告した。これらの兵士たちはFBIによってクエッタのシャッバース空軍基地に移送され、パキスタン軍に引き渡された。しかしInter-Services Public Relations(ISPR) はこれを根拠のないと主張して、『Daily Times』を非難した。ISPRは『Asia Times』の記事が出たあと、軍高官が捜査中であることを認めているために、少なくともこういう事実があることは確かだ。

今年初めに出た『The Friday Times』の記事で、軍のオフィサーが休暇を取り、アフガニスタンでジハードをしていたレポートが掲載された。このオフィサーは、自分の他にもタリバンと一緒に戦っている同僚がいたと報告している。軍の情報筋によると、パシュトゥン人のオフィサーたちが大勢ジハードに出かけたという。去年『New Yorker』に掲載されたSeymour Hirschの記事によると、クンドゥーズに閉じ込められたパキスタン軍と諜報部員を救出するために、パキスタンはC-130機を送り、このとき米軍はパキスタンに空中回廊(国際航空協定による特定空路)を与えたという。パキスタンも米政府もこれを否定したが、これらのレポートはさまざまな疑惑を浮き彫りにする。

パキスタン軍と諜報部がタリバンを支持していた時代があったことは、事実だ。当時北部同盟の故マスード司令官が、パキスタン軍がタリバンと一緒に戦っていることをたびたび非難していた。もちろん、パキスタンはこれを否定。インドからの非難も否定した。これらの報告は一部誇張されてはいたが、単なる反パキスタンのプロパガンダではなかった。当時アフガニスタンではパワーゲームが展開しており、パキスタンもタリバンを援助することで利益を得ようとしたとしても、それは納得できる。北部同盟もロシアやインド、イランから援助されていた。皮肉にも、アメリカがタリバン政策を変更すると、彼らも北部同盟を支持するようになった。

さて、今回拘束されている軍高官たちは軍によって派遣されたのか、それとも自主的にジハードに行ったのだろうか。数多くのパシュトゥン兵士たちが、許可を得ずにアフガニスタンに休暇ででかけたという証拠はある。軍や諜報部に知れることなしに、彼らがこのような行為行なえたことは大きな問題だ。90年代初期から、軍はこのような動きを取り締まり、宗教組織と繋がりのある軍高官たちが罷免されてきたことはわかっている。しかし同じぐらい問題なのは、数多くの軍高官たちが宗教組織と関わりをもつような考え方を追求するようになること、それにより組織の団結や正義に亀裂が生じていることである。

我々が軍に提言したいのは、このような考えを持つ人々が存在しないかのように行動するのではなく、彼らを一掃することだ。彼らがなぜ宗教組織に傾倒する傾向があるのか、その現象を分析し、取り除く必要がある。これがいい教訓になることを願っている。

hoonEditorial: The military must act quickly


■カナダで拘束されたパキスタン人、テロリストではない[030901 Daily Times]

原子力施設と通信施設の攻撃計画の容疑で拘束されていた19人のパキスタン人とインド人は、2人を除いてすべてテロとは関係がないと、カナダ諜報部の長官が発表した。彼らはアルカイダのテロリストではなく単なる不法入国者だと、Royal Canadian Mounted Police(RCMP) 長官のGiuliano Zaccardelliが述べた。

『Sunday New York Times』によると、19人は名前しか存在しないカナダのビジネススクールに在籍しており、入国審査と身元を偽り、収入なしで、あるいははっきりした収入なしで、何ヵ月も住んでいたという。証拠によると彼らは単なる不法入国者であり、一部のコラムニストや人権団体の間では、9.11以後、簡単に容疑者を拘束できるテロ防止法の施行の被害者だと、非難する声もあがっている。またこの男たちは4,5人のグループになってアパートに居住していたが、そのうちの2つのアパートから最近出火があり、これは爆発物のテストをしていたのではないか、と政府は疑っているという。

hoonPakistanis held in Canada not terrorists
By Khalid Hasan、WASHINGTON


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.