【2003年11月03日〜11月09日】


■禁断の辺境地1・部族地帯、アルカイダの避難所[031109 San Fransisco Chronicle]

10日間の旅で、何十人もの部族民たちをインタビューした。かれらの反応は、米軍が直面している、もっとも深刻な問題を示す。これらの部族民たちを説得できない限り、アルカイダやタリバンを捕まえたり殺害することは、非常に難しく、危険だ。

「我々は軍に怒りを感じる。パキスタン軍でも、アフガン軍でも、米軍でも同じだ。ここは我々の土地だ。我々の伝統では客人は保護する。我々の問題に介入する権利はない」とデラ・イスマイル・ハーンでインタビューしたSeramgulは語る。

南ワジリスタンの部族民によると、アルカイダたちはソ連のアフガニスタン侵攻のときに、この地域を基地として用いていたという。部族民たちは、庇護を求めてきた者は誰でも助け、客人としてもてなした。アルカイダたちは、アフガニスタンを開放するための、ムジャヒディンだった。9.11以後、アルカイダたちはこの地域を頻繁に出入りしていたが、この半年前頃に、約25人のグループが南ワジリスタンに現われ、部族民から家を借りた。1月あたり約7000ルピーずつ払ったという。

これまでもパキスタン政府は、部族民にアルカイダやタリバンを匿ってはならないと警告してきたが、この秋になって、強行措置を取り、大きな作戦が展開された。それ以来、政府はワジール族たちと取り引きをし、言い争い、100人以上を拘束した。しかし、ワジール族に客人を裏切らせることは、並み大抵のことではないと、退役軍人のLt. Gen. Talaat Massoodは語る。「部族民にとって、自治権を失うことは、自由を失うことであり、占領と同じことを意味する。彼らの考えを変えることは、非常に困難だ」。ワナのある住民は言う。「全て、欧米のプロパガンダだ。アルカイダはいい人間だ。9.11みたいな事件を起こすはずがない」。

「最近アラブ人たちは、戦術を変えた。2〜3晩、住民に泊めてもらうと、自分たちの車輌に乗って移動する。ワジール族と同じような服装をし、最近は言葉もしゃべれるようになった」。Khanと名乗るある男が語るところによると、3ヵ月ほど前、パキスタン軍と米軍が一緒にやってきて、従兄弟の家を攻撃したという。そこにはアフガン人とアラブ人、約60人の戦士が隠れていたらしい。しかし部族民のネットワークを通じて事前に情報が入り、部族民たちは隠れ家の周りを取り囲み、パキスタン軍を追い払い、米軍と戦闘を交えた。米兵数人が殺害されたという。この話が本当かどうかはわからない。しかし、南ワジリスタンでは、このようなことが起きても不思議ではない。

こんな話も聞いた。長老たちがロヤジルガで話し合い、アルカイダたちを匿うこと決定した後、ある住民がこれを密告した。数日後タリバンがピックアップでやってきて、この密告人と2人の息子を殺していったという。「パキスタン軍は注意深く行動している。しかし我々は彼らと戦えるし、やっつけることもできる。この事実が、我々をさらに強くするのだ」。パキスタン軍が部族民たちに、何らかの制裁を与えることはできる。しかし部族地帯全体を攻撃したり、全地域に軍を派遣したりしたら、国境地帯で大きな戦争を起こす引き金になり得ると、専門家は言う。パシュトニスタン問題にも発展しかねない。

イスラマバードの防衛アナリスト、Mohammad Bokhariは語る。「政府は今のことろ、なんとか均衡を保っている。しかし南ワジリスタンの現状のように、少しでもバランスが崩れれば、危険は大きくなる。部族民たちにとって、その境界線がどこにあるのか、我々にはまだわからない。部族民全体を敵に回すことは、避けなければならない」。退役軍人のMassoodも同意する。「アルカイダが我々の土地をテロ活動に用いることは、言語道断だ。しかし、ムシャラフにも限界がある。大衆の感情に逆らう政策を実施したら、何らかの反応がないはずがない」。この言葉を証明するように、前述の部族民Khanはいう。「軍は1年以上国境にいる。以前は、我々の邪魔をしなかった。政府は我々の所にやってきて、アルカイダを捜索していいかどうか尋ねたので、許可した。我々は誤ったことをしてないのに、何で今になって、政府は我々を殺そうとするのか? 要はブッシュがムシャラフに殺せと言ったんだな。我々のリーダーが、我々を裏切ったんだ」。

garrForbidden frontier -- Pakistan's tribal lands a haven for al Qaeda, hurdle for U.S. forces
Juliette Terzieff、Dera Ismael Khan


■オマール師とムラー・モミンが交代[031109 Paktribune]

ラジオテヘランによると、タリバンのリーダー、オマール師は降格し、ムラー・モミン・サビールに置き換えられたという。

アメリカはここ2ヵ月間、タリバンと話し合いを続けてきた。ワシントンはオマール師を降格させることを望んでいるが、タリバンは、アフガニスタンから米軍が全て撤退することを要求している。

ohMulla Momin replaces Mulla Omar
lKABUL


■カルザイ、トルコ人技師と引き換えに、15人のタリバンを釈放[031109 Paktribune]

アフガン政府は、トルコ人技師と引き換えに、15人のタリバンを釈放することを強いられた。

テヘランラジオは、トルコ人技師と引き換えに、タリバンは15人の仲間の釈放を要求した。その結果アフガン政府は、ザーブルでの戦いで捕らえられた7人、ガズニで捕らえられていた8人を釈放させられた。

トルコ人技師は、ザーブル州のカブールカンダハル間のハイウェイを移動中に誘拐されたが、当時そのハイウェイは約100人の軍隊が警備していたという。

ohKarzai Govt releases 15 Taliban in exchange of Turkish engineer
KABUL


■タリバンの新テープ、反米メッセージを送る[031109 Paktribune]

タリバンのトップスポークスマンSayed Hamid Aghaが、聖なるラマダン月の間に、アフガニスタンとイラクにおける米軍との戦いの成功を祈るように、世界中のムスリムにテープで呼びかけた。

「この月が世界のムスリムにとって幸せと成功、勝利の月であるように」。「すべてのムジャヒディンに神のご慈悲があるように、そしてラマダンが成功と恵みの月になるように、神がアフガニスタン、イラク、そして世界中のムジャヒディンに勝利を与えるように」。

このテープの信憑性はまだ明らかではないが、以前Hamid Aghaと電話で話したことのある者は、テープの声はHamid Aghaのものと似ていると語った。

hoonNew Taliban tape' preaches anti-US message


■アフガニスタンへの不法入国[031109 The News]

パキスタン政府は、北西辺境州の部族長たちに対し、最近アフガニスタンに非公式に入国し、アフガニスタン政府から恩恵を受けた者に処罰を与えることにした、と告げた。すでにオルクザイ行政区の2人の長老が逮捕され、今後も連邦政府直轄自治地区(FATA)で取り締まりをするという。

「反政府運動に関わっている部族民たちに対して、処罰を課することにした。パキスタンの利益に反する行動をとるアフガン政府と親しくする者は、責任を取ってもらう」という。

Sheikhan Orakzai族のMalik Mir SaidとEsakhel枝族の長老Haji Fazlur Rahmanは、オルクザイ行政区で逮捕され、コハート刑務所に入れられた。これとは別に、2人と同行した4〜5人のOrakzai族も逮捕されるという。

行政区は、アフガニスタン政府から恩恵を被る者には厳重な罰を与えるという、以前からある政策に従うことにしたという。オルクザイ、クラム、カイバル行政区の部族長たちは、アフガニスタン政府の客として、カブールとジャララバードに約10日間滞在した。この使節団のメンバーは、Minister of Tribes and FrontiersのMohammad Arif Noorzaiや、ナンガハール州知事のHaji Din Mohammadを含む、アフガニスタン政府高官と会った。

理由はわからないが、予定されていたカルザイ大統領との会見は、実現されなかったという。これとは別に、モーマンド、バジョール、南北ワジリスタン行政区の部族長たちもアフガニスタンを訪れ、アフガニスタン政府の重鎮と会見した。

FATAの行政側は、パキスタンの部族民たちは、葬式、結婚式など、社会的な行事でアフガニスタンを訪れるのは自由だが、政治的な目的で行くことは法を犯すことになる、と述べた。

ohUnauthorised visits to Afghanistan
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■米軍、アルカイダを捕らえるためにピーチ・ダラへ[031109 Daily Times]

アフガニスタンにいる米軍は、アフガン東部クナール州のピーチ・ダラ谷に向けて動き始めている。この地域にいると思われるアルカイダとタリバンに対する攻撃を開始し、3つの村を奪回しようという。

アフガンの情報源が『Daily Times』に語ったところによると、クナール州Asmarに配置された何百という米軍兵が、先週からピーチ・ダラに向かっているという。地形が険しいクナール州には、ビンラディンやヘクマチアルが隠れているとも伝えられる。

アパッチ・ヘリコプターに援護され、アメリカ軍は約50の車輌に乗ってクナール州に到着。反政府軍が支配するDamgham、Thapur、Kharchenoの3つの地域を奪回する計画だ。まだピーチ・ダラには到着してないが、目的地に向かっているという。

hoonUS forces moving to Pech Darra to catch Qaeda
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■否定することは、嘘をつくこと[031108 Washington Times]

予想していたとおり、イスラマバードとリヤドは、型通りの否定をした。筆者は、サウジ皇太子が10月20日にパキスタンを訪れた際、パキスタンとの間に核の取り引きが行なわれたと書いた(参照「パキスタンとサウジ、核と石油を交換:031020 UPI」)。サウジは

 1.サウード家の将来
 2. イランの核
 3. 中東におけるイスラエルの核独占

を心配する。パキスタンも、イスラエルとインドの取り引きを憂慮している。

さらに両国は、アメリカはイラク戦争に失敗するという恐怖を感じるようになった。以前筆者がイスラマバードから報告したときは、まだ明らかではなかったが、この両国のリーダーたちは、ただ何もしないでいるのではなく、すぐにブッシュ政権が要求している軍事協力に対し、行動を起こさなくてはならないと決意したのだ。国連決議を待ったり、イラク政府の要請を待つという、これまでの方策では遅すぎる。今でなくてはならない。アメリカが敗北したら、影響は大きすぎるのだ。

10月20日に両国が行なった水面下の話し合いで、まずサウジがイラク派兵に踏み切る。それに続き、ムシャラフは約1万5000人の兵士を派兵する。しかしこれには、イラク政府の要請がまだ必要だ。ムシャラフの目算では、サウジがイラクに派兵したら、パキスタンの反対勢力を黙らせることができると考える。恐れ多くも、MMAはサウジを非難することなど、ありえない。MMAは、政党やマドラッサのための資金援助を、サウジからいまだに受けているからだ。アブドゥッラー皇太子はムシャラフに、ブッシュのイラク政策を受け入れるよう説得することに成功した。

パキスタンもサウジも、重要な取り引きは何もなかったと言う。パキスタンの故ジア・ウル・ハク大統領は11年間、核兵器やケシについて、たわごとだとして、受け入れなかった。82年に筆者が、欧米が真実として熟知していることを、いつまでも否定していても仕方ないのではと進言しても、「私はあなたに、真実を言っている。我々は核開発をしてないし、核を手に入れようなどと、思ってもいない」と答えた。この11年間に、ISIは核施設を持つ国にスパイを送り込んでいた。ハク大統領の謎の飛行機事故の後にも、後継者たちは大きな嘘をつく、という伝統を守り続けた。9.11の3ヵ月前、ムシャラフはワシントンの外務大臣に、パキスタンはタリバンを援助してない、というメッセージを送った。その2週間前、筆者はクエッタからカンダハルを旅し、アフガニスタン南西部に、パキスタンの補給トラックを何十台と見た。

ohsmellTo deny is to lie
Arnaud de Borchgrave


■タリバン、人質の交換を要求[031108 BBC]

トルコ人技師を誘拐したタリバンのリーダーが、人質と交換に、アフガン政府が逮捕した250人のタリバン戦士の釈放を要求した。この声明は、アフガニスタンがタリバンを釈放することを拒否した翌日に出された。

タリバンのリーダーAbdul Waris Muslimが『BBC』に語ったところによると、アフガン政府がこの交換条件に同意するまで、トルコ人技師Hasan Onalは釈放しないという。「我々は我々の仲間を、重要なメンバーとか重要ではない、というように類型化しない。だから250人の仲間、全員の釈放を要求する」と述べた。また「Onalは客人として扱っている。彼は元気だ」と伝え、家族や会社に自由に電話できると語った。

hoonTaleban demand hostage swap


■米軍、パキスタン国境付近に派兵[031108 The News]

米軍がクナール州東部のAsmarに軍を派遣し、アフガニスタンとパキスタンを結ぶBinshahi国境を封鎖しようとしている。

クナール州の情報源が『The News』に語ったところによると、Asmarで以前使っていた駐屯地を再び使用して、パキスタン国境近くのBarikotにアフガン軍を派遣したという。以前も米軍はここに駐屯していたが、ロケット弾攻撃にさらされたために、撤退していた。Binshahiはクナール州とディールを結ぶ国境で、アフガン人たちはここを頻繁に使用。木材も密輸される。

水曜日と木曜日に、クナール州のアサダバードの近くのTopchi米軍基地に対するロケット弾攻撃の報復として、米軍戦闘機がPecha Darraや村の集落を爆撃した。

hoonUS troops deployed near Pak border
PESHAWAR


■タリバン、アフガン兵9人を殺害[031108 The News]

木曜日、ザーブル州のアフガン兵9人を殺害し、Khak-e-Afghan地方の行政の建物を放火したと、タリバン司令官Hafiz Abdur RahimのスポークスマンHidayatullah Akhunzadaが語った。ザーブル州知事スポークスマンもこれを認めた。

hoonTaliban claim killing nine Afghan soldiers
By Behroz Khan、PESHAWAR


■ワジール氏族、イードの後に容疑者2人の引き渡しを約束[031108 Daily Times]

金曜日に、別のワジール枝族が容疑者2人を引き渡すことに同意した。Yargulkhel族の長老が南ワジリスタン行政官のMuhammad Azam Khanに会い、イードの10日後に2人の容疑者を引き渡すと約束し、その保証金として150万ルピーが支払われた。保証金は、引き渡しの後に、返されるという。「我々は彼らの申し出を受けた」と南ワジリスタンの副行政官のRehmatullah Wazirが、『Daily Times』に電話で語った。

合意によると、Yargulkhel族は2人の容疑者を引き渡すか、もし2人が抵抗したら、彼らの家を取り壊すという。これを受けて、行政側は拘束していたYargulkhel族たちを釈放し、店舗などの封鎖を解除し、押収していた車輌も返還した。

容疑者はアフガニスタンに逃亡した可能性はある、と副行政官のワジール氏は語る。行政側は、10月8日以来拘束していた部族民たちすべてを釈放したという。「今は誰も拘束していない」。

hoonWaziri clan agrees to surrender two men after Eid
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■アフガンのリーダーはどの程度知っていたか?[031107 CNN]

最近発表されたベンタゴンの機密書類によると、アフガニスタンで暗殺されたマスード司令官は、アメリカが攻撃されるという「何らかの情報」を持っており、欧米に警告していたという。これは2001年11月に書かれた機密書類で、ワシントンのジョージ・ワシントン大学の「National Security Archive」によって取得された。

機密書類には、「北部同盟の諜報情報により、マスード司令官は、アルカイダがアメリカを攻撃をしようとしているという、何らかの情報を得ていた」という。「何らかの情報」が何であるかは明らかにされず、それに続く部分は黒く消してある。さらに2001年4月、マスードがヨーロッパの国会でスピーチを行ない、ビンラディンについて「アメリカ政府を警告した」と続く。

この機密書類によると、マスードはアルカイダにとっては脅威ではなかった、と指摘する。「我々の調査官たちは、アフガニスタンを訪れたときにこの問題について捜査し、関係者たちと話をした」と、国会が組織した9.11調査委員会のスポークマンが語った。

オンライン雑誌『Voice of Jihad』に載った先週の記事によると、マスード暗殺はアルカイダの仕業だという。この記事にはビンラディンのボディーガードとのインタビューが引用され、マスード司令官の暗殺がビンラディンのキャンプに届いた様子が、紹介されている。「私は彼に、『どうしたのですか』と聞いた記憶がある。彼は、『ビンラディンが兄弟たちに尋ねた。私のためにマスードを始末してくれる人はいないか? 彼はアラーとその息子たちに危害を加えたのだ。兄弟数人がマスード暗殺を志願してくれ、アラーによって恵まれた。今あなたは、そのいい知らせを聞いたのだ』と答えた」という。

garrHow much did Afghan leader know?
From Mike Boettcher and Henry Schuster


■アルカイダに対する軍作戦、イード明けまで延期[031107 Paktribune]

南ワジリスタン行政区は、部族長たちがアルカイダを匿った部族民2人、SharifとNekを引き渡すと約束したことを受け、Bargal Khel族に対する軍事作戦をイード明けまで延期すると述べた。拘束されていた22人の部族メンバーも、釈放された。

もしBargal族がイードが明けても容疑者を引き渡さなければ、軍事作戦が遂行され、氏族メンバーの家が取り壊されるという。

hoonMilitary operation against Al- Qaeda in SWA suspended till Eid
SOUTH WAZIRISTAN


■批判的な軍の手紙、ムシャラフを攻撃[031107 UPI]

ムシャラフが「この国に嘘をついている」と書かれた、軍のレターヘッド付きの手紙がパキスタンの野党議員に送られ、ムシャラフ政権に揺さぶりをかけている。「我々は国民に、この軍はあなた方やパキスタンのものである、と言いたい。ムシャラフはこの国に嘘をついている」と、『United Press International』が見た手紙には書かれていた。

先週政府は、この手紙を国会に提出しようとした国会議員、Javed Hashmiを逮捕した。この手紙は、アーミテージ副国防長官が「パキスタン軍がムシャラフに協力しているか疑問だ」と述べた数週間後に、出回った。アーミテージは10月6日に前言を撤回して、軍が国とムシャラフを支持していることは、200%確実だとした。

しかしこの手紙は、軍がムシャラフを支持しているかどうか、再び疑問を投げかける結果となった。また99年に、パキスタンがカルギルに軍を派遣したことに対しても、疑惑を投げかける。両国の間で数千人の犠牲者を出したこの戦いの当時、ムシャラフが軍の司令官を務めた。前ナワーズ・シャリフ首相がインドとの関係を修復しようとしていた最中に、この作戦は計画されたという。そしてカルギル戦争の3ヵ月後に、ムシャラフはシャリフ首相を更迭、自分が権力を握った。

当初、国際社会はムシャラフに疑惑をもっていたが、9.11以来、彼はアメリカの盟友となった。手紙にはこれらの出来事や、アフガニスタンやイラクに軍を派遣することに関しても、触れられている。パキスタン政府はこの手紙を偽物とし、Hashmiを逮捕した。

手紙の内容は次のようである。ウルドゥーからの翻訳である。

 ・パキスタン軍を代表して言う。我々は国民に、軍ははあなた方やパキスタンのものだ、と言いたい。国会のすべてのメンバーが、党派の違いに関わらず、国会が権力を持ちつづけるよう、努力することを呼びかけたい。

 ・ムシャラフとその手下は、この国に嘘をついている。彼らは国に対して犯罪を行ない、国を捕虜にしている。かれらは盗賊で、無慈悲に自分たちの国を略奪している。アメリカ国籍のユダヤ人やキリスト教徒を支持し、我々のアフガン人兄弟の血を流しているのだ。

 ・ムシャラフは、ムスリムの要塞として築かれたパキスタンを、ムスリムが虐殺される場に変えてしまった。この国会がなければ、我々は今ごろイラクに派兵し、アメリカ人とともに無実なイラク人を殺し、毎日のにように、イラクで殺されたパキスタン兵の遺体が送り返されていただろう。

 ・我々、パキスタン軍高官は、国会のリーダーたちに次の件を議会に提出するよう、要求する。

 1. カルギルでの目的は何だったのか? 何で我々はあれほど、被害を受ける必要があったのか? インドはカルギル戦の後、調査することを命令した。そして将官や准将、数人が、解雇された。パキスタンでは、65年や71年の戦争以上の犠牲者があったにも関わらず、このような調査は実施されてない。国民は、Maj. Gen. Javed-ul-Husnainがこの戦いの司令官だったことを、知らないのかもしれない。彼はカルギル戦の前はアメリカの勧めに従い、CIAの監督下にあった、パキスタン大使館付武官として、アメリカに4年間滞在した。彼の下の高官や兵士たちは、その無責任なリーダーシップや間違った命令に腹を立て、抵抗しようとしたが、彼は解雇されるどころか、中将に昇格させられたのだ。

 2. 2001年10月12日以後、何か起きたか? 抗議運動を防ぐため、何部隊がイスラマバードを包囲したか? イスラマバードの警備を担当するラワルピンディの111師団の司令官に、誰がなったか? 軍本部で何が起きていたか?

 3. アフガニスタンへの米軍侵略が始まる前に、すべての将官や准将に、ラホールにある高級住宅地の土地があてがわれた。すでにほとんどの者が土地を受け取っているが、残りの者も、政府から受理する資格がある。国会は、2001年10月12日以前に任務についていた、最高裁判所や高等裁判所の裁判官からなる司法委員会を、組織するべきだ。パキスタン軍の愛国心ある高官たちは、国家的任務のひとつとして、この委員会で国家秘密を明らかにし、国に対して犯罪を犯した人々を、憲法に従って罰するべきである。

smellohCritical army letter targets Musharraf
By Anwar Iqbal、WASHINGTON


■ジャーナリストたち、タリバンに狙われる可能性[031107 Reuters]

アメリカ国務省は、タリバンがアフガニスタンにいるジャーナリストを誘拐して、逮捕されている仲間と交換するための人質として使う恐れがある、と発表。

金曜日にカブールのアメリカ大使館は、米国人が誘拐されるという、確かな情報があるとして、アメリカ国民に注意を促した。

garrU.S. sees Taliban threat to journalists
WASHINGTON


■アルカイダ、第二の前線を開いたと、アフガン大臣[031107 Reuters]

アルカイダは、イラクへの関心をそらすために、アフガンとパキスタン国境で新たな前線を開いたと、アフガニスタン内務大臣が金曜日に発表した。

内務大臣のAli Ahmad Jalaliは、米軍への最近の攻撃は、特に東部ではタリバンではなく、アルカイダが実行しているという。最近殺された武装団には、アラブ人やチェチェン人、ウズベクやパキスタン人が含まれ、アルカイダのメンバーと思われる。

「アフガニスタンのアルカイダだけでなく、全世界のアルカイダが、アフガニスタンで前線を開こうしていている。イラクで戦っているアルカイダのために、アメリカの関心を分断させようとしているのだ」とJalaliが『ロイター』に語った。「イラク戦争以来、アルカイダはアフガニスタンで活動し始めた」。

10月下旬に、Shkinにある米軍基地近くで6時間に及ぶ戦闘があり、18人の反抗分子が殺された。そのほとんどがアラブ人、ウズベク、パキスタン人であったが、タリバンではなかったとJalaliは言う。米軍も、アルカイダが最近この付近で活動していることを認めているが、反政府軍のほとんどはアフガン人だという。Jalaliは、北東ではヘクマチアル、東ではアルカイダ、南はタリバンが活動しているという。

hoonAl Qaeda opens second front--Afghan minister
By Mike Collett-White、KABUL


■パキスタン、イギリスのスパイ事件を捜査[031107 BBC]

パキスタンはイギリス政府に、ロンドンの高等弁務事務所が2001年に盗聴された事件について、捜査を求め、今後このようなことがないよう、厳重に注意した。

今のところ、ロンドンとイスラマバードの政府からは、正式な発表はないが、パキスタンの外務省がBBCに語ったところによると、この問題を緊急議題として取りあげ、ロンドンから返答を待っているという。

この事件は、ロンドンの新聞「Sunday Times」によるスクープで、イギリスの諜報局MI5が2年以上前に、ロンドンのある大使館に盗聴器を設置したというものである。パキスタンの外務省高官がBBCに、この大使館がパキスタン大使館であると、信じる理由があると語った。さらに、パキスタンの外務大臣Khursheed Kasuriが今週前半にロンドンを訪れたが、このときイギリス外務大臣ジャック・ストローと会見した際、すでに話題に上がったという。

hoonPakistan seeks UK spying assurance
By Zaffar Abbas


■アルカイダを匿ったワジール族の家、取り壊される[031107 Daily Times]

南ワジリスタンのカリケール枝族は、アルカイダを匿った2人の容疑者、Peyo KhanとZari Gulの家を取り壊した。またKaloshaに住むこの2人を、村から追放することにしたという。

行政政府はこの措置を歓迎し、先月逮捕された29人を釈放するとともに、26人が所有する店の封鎖を解除、車輌も返還した。部族自身で容疑者の家を取り壊したのは、これが始めてである。

hoonWaziris' houses razed for sheltering Qaeda men
PESHAWAR


■タリバン、アメリカ人を拘束したと発表[031106 Paktribune]

タリバンのスポークスマンHamed Aghaが、ベイルートで発行されているサウジの新聞『al-Hayat』に、 タリバンはアメリカ人を含む外国人を捕虜としており、キューバのグンタナモ刑務所にいる囚人に対する人質に使うつもりだ、と述べた。そのうち、欧米人捕虜について発表するつもりだと、同紙がファックスで送った質問に対して答えた。

タリバンはアフガニスタンにおける米軍に対して、抵抗運動をさらに強化し始めたと述べた。

garrTaliban claims holding US prisoners
KABUL


■日本、パキスタン人アルカイダを去年送還[031106 Daily Times]

日本の警察は去年、アルカイダのメンバーと思われるパキスタン人1人を送還したと、水曜日のサンケイ新聞で報道された。

2002年5月、警視庁は不法滞在の罪でNaim Ferozを逮捕した。アフガニスタンのアルカイダキャンプで訓練を受けていたという情報があり、警視庁は東京都荒川区の自宅を家宅捜査したという。自宅には、アルカイダとの関係を示す写真やビンラディンの写真があったという。男はペンキ屋として働き、日本に滞在中、アルカイダのメンバーと連絡をとっていたらしい。

ohJapan deported Pakistani Qaeda suspect last year
TOKYO


■小冊子、アフガン戦闘員に新たな戦いへの参加を呼びかける[031106 Daily Times]

抵抗勢力は、アフガニスタンの同盟軍と戦う新しい抵抗作戦を開設した小冊子を出版した。この小冊子は、新たに組織化されたSecret Army of Mujahideen(SAM)が出版。前ソ連侵攻の際に戦ったムジャヒディンたちに呼びかけたものである。

この小冊子によると、SAMは7つのグループに分かれ、それぞれ米主導の軍隊とアフガニスタン政府を攻撃対象とする。SAMには、6つの主な武装組織、すなわち、Hizb-e-Islami(ハリス)、Hizb-e-Islami(ヘクマチアル)、 ブルハヌッディン・ラバニ教授率いるJamiat-e-Islami、Abdul Rasool教授率いるIttehad-e-Islami、Sibghatullah Mujadaddi率いるJumbash-e-Milli、アルカイダのメンバー、そしてタリバンで構成される。

16ページからなるこの本は、主に、同盟軍に対する攻撃の仕方、使用すべき武器の種類、攻撃すべき場所について説明されている。(中略)。またパキスタン、ウズベキスタン、タジキスタンはアメリカを援助したために、攻撃の対象になると述べる。イランは北部同盟の中のシーア派を援助したために、やはり攻撃目標だという。

garrBooklet urges Afghan militants to follow new war strategy
By Mohammad Imran、ISLAMABAD


■パキスタン、宗教学校を監視[031105 Reuters]

パキスタンは水曜日に、宗教過激派を育成しているという疑いが懸かっている、宗教学校(マドラッサ)の監視に踏み切ると、発表した。

内務大臣のFaisal Saleh Hayatが『ロイター』に、マドラッサを監視する新しい法律を、来月国会に提出するという。「この政策は、マドラッサの活動を監視することである」。

パキスタンには数千というマドラッサがあり、これらの学校はタリバンを養成したといわれる。アフガン高官によると、マドラッサはいまだに戦闘員を生みだしているという。しかしHayatは、マドラッサの多くは教育組織であり、イスラムを始め、数学や化学を教えていると語った。「ほとんどのマドラッサは問題がない。問題は、新しく設立されたものだけだ」。

hoonPakistan to monitor religious seminaries
By Tahir Ikram、ISLAMABAD


■MI5、ロンドンのパキスタン大使館を盗聴[031105 Daily Times]

イギリス諜報局MI5は、ロンドンのパキスタン大使館を盗聴しようとしていた。ビル建設業者を装ったMI5工作員のスパイ活動は、イギリス法務省のDavid Blunkettが認可したものだという。

この事実は最初に『The Sunday Times』紙で公表されたが、そのときには、どの国の大使館だったが明記されなかった。しかし『Daily Times』は、この大使館はパキスタンであるという事実を突き止め、イギリス外務省高官を追及したところ、これを認めた。

『The Sunday Times』紙によると、去年、MI5工作員が大使館に潜入し、大使館員が本国に送る機密書類に用いる暗号を盗み出した。さらに盗聴器を設置し、機密書類を盗む計画を立てたという。しかし盗聴を始める前にこの工作員は活動を辞め、自分がしたことを大使館に告白したという。(中略)

当工作員は数万ポンドか支払われ、MI5とは今後仕事はしないと約束した。その後彼は、MI5の秘密工作を暴露する手紙をイギリス政府高官に送りつけ、同コピーをアメリカとパキスタン大使館にも送った。スパイ活動を辞めたのは、すぐに身元が割れる恐れがあり、危険にさらされると思ったからだという。自分の不安を上司に訴えると、この作戦はトップレベルが決めたもので、イギリス法務省秘書David Blunkettが認可している、と言われたという。

ohMI5 tried to bug Pakistani High Commission in London
By Mateen Kaul、LAHORE


■オマール師の腹心、パキスタンの政権交代を望む[031105 Daily Times]

タリバンの最高指導者、オマール師の経済アドバイザーのMaulvi Akhter Muhammadが『Daily Times』に、パキスタン政府は近々政権交代し、ムシャラフが去るとともに、イスラマバードはイスラム過激派を支持することを望む、と語った。

アフガニスタンのある場所で行なわれたインタビューでMuhammad氏は、ムシャラフと何人かの要人がタリバンを「裏切り」ったが、彼らはそれほど長く権力の座にはいないだろう、と述べた。またタリバンは、パキスタンに対して文句はないという。「我々は、パキスタン人はタリバンを支持することを確信している。ひと言あるとすれば、それはムシャラフと数人の要人がタリバンに打撃を与えた、ということだ」と述べた。

さらに、パキスタンはタリバンを援助してはいないと述べ、「敵なのに、どうして援助が得られるというのか? 9.11以来、パキスタンはタリバンを支持してない。パキスタンの支配者は、もはやタリバンの支持者ではない。彼は我々の敵だ」と語った。タリバンがいかに資金を得ているか、という質問に対しては、「一般の献金からだ」という。

また、タリバンが再結成されている様子に、びっくりしているという。これは抵抗運動が長期戦になることを示すと語り、「彼らはよい通信手段をもっている。Pentium-4のラップトップさえ持っていて、通信に使っている。四輪駆動やバイクが使用されるのも目撃した」と述べた。

hoonMulla Omar's aide wants regime change in Pakistan
By Iqbal Khattak、PESHAWAR


■パキスタン軍、アルカイダ容疑者2人殺害[031104 AP]

月曜日にワナの北西、Zarray Lita村で戦闘があり、パキスタン軍がアルカイダ容疑者2人を殺害したという。

地元の諜報部高官が『AP』に語ったところによると、3人のアルカイダ容疑者がアフガニスタンのShkinからパキスタン側に入ろうとしているのが見つかった。投降を呼びかけたが、発砲してきたという。1人はそのままアフガニスタン側のパクティア州に、逃げ込んだ。

これとは別に、パクティア州のオルグンにある米軍基地のそばで、米軍が抵抗軍と衝突し、米軍特殊部隊の隊員4人が負傷した。

hoonPakistan Army Kills 2 al-Qaida Suspects
By AHSANULLAH WAZIR、WANA


■パキスタンとアフガニスタンの国境が開放の噂、否定[031104 Daily Times]

月曜日にInter Services Public Relations(ISPR)のDirector General MajorであるGen Shaukat Sultanが、欧米のメディアが報道した、パキスタンとアフガニスタンの国境が開放されているという情報を、否定した。

「パキスタンテレビ」の番組で、チェックなしに国境を越えられると信じる者は、実際に国境地帯を訪れ、自分の目で確かめてほしいと語った。書類を持たない者は国境を越えることができない、と付け加えた。政府は毎日のように国境を行き来する人々には、「赤いパス」を発給しているという。

Sultanは、事実は報道とは全く異なり、真実を証明するために、報道陣を国境に招いたという。また、マドラッサがテロリストを養成しているという報道も否定し、これもメディアをマドラッサに招き、実態を見てもらう、と語った。

また政府は国境にワイヤーのついた柵を建て、密入国を防いでいる。さらに、チェックポストが、1キロごとに設営されているという。Federally Administered Tribal Areas(FATA)にも軍隊が入り、部族民たちはみな軍を歓迎しているとも語った。無料で健康診断を受けることができる施設など、軍はこの地域にさまざまなプロジェクトを導入しているという。

hoonRumours of open Pak-Afghan border false, says ISPR
ISLAMABAD


■アルカイダ、イランからパキスタンに引き渡しなし[031104 Daily Times]

内務省スポークスマンは、イランが月曜日に35人のアルカイダメンバーをパキスタンに引き渡したという報道を否定した。

hoonNo Qaeda men handed over to Pakistan
from Iran、ISLAMABAD、APP


■アフガニスタンの憲法、イスラム国家を樹立[031103 AP]

アフガニスタン政府は月曜日、憲法草案を発表した。新憲法でアフガニスタンはイスラム国家となるが、タリバン政権が採用した、厳しいイスラム法にもとづくものではない。また女性も政治に加わることになる。草案は来月、ロヤジルガで採決される。

最大の変化は、首相の地位が削減され、権力は大統領に集中する。大統領は軍の最高司令官を兼任し、国会の上院の3分の1を決定する権力、裁判官、軍高官、国家警備官を任命する権限をもつ。中央の権力を地方にも波及することができるかどうかが、今後注目される。(後略)

hoonAfghan Draft Aims to Unite Islamic State
By BURT HERMAN、KABUL


■59人のアルカイダ、イランがパキスタンに送還する[031103 The Nation]

サウジのアラブ紙『daily Al-Hayat』は土曜日に、イランが10月に送還したアルカイダとタリバンの名前、147人を発表した。

同新聞社は、どのような経路でこの名簿を手に入れたかを明らかにしてないが、記事はニューヨークから発信されている。名簿には、サウジ人26人、ヨルダン人12人、イエメン人13人、モロッコとチュニジアがそれぞれ6人、ソマリア人7人、そしてパキスタン人35人とその他24人である。パキスタン人と、国籍不明の者、合わせて59人がイスラマバードに送還されたという。うち、アフガン人3人とレバノン人3人の身元が判明した。

イランは、外交筋を通して、それぞれの国に送還したという。

hoon59 al-Qaeda men extradited by Iran to Pakistan
DUBAI(AFP)


■ISIとFBI、アルカイダを防ぐことに失敗[031003 Daily Times]

FBIとISIは、21人のアルカイダメンバーを逮捕できないでいる。

通信機器の傍受による諜報情報から、ビンラディンとザワヒリをはじめ、アルカイダメンバーは再びグループ化している兆しがあるという。情報によると、アルカイダは現在アメリカとパキスタン市民を狙っており、数ヵ月のうちに攻撃を開始する恐れがある。

アメリカとパキスタンは、これからさらに協力して作戦を立てていくという。アフガニスタンやパキスタンの部族地帯で、これからも作戦が展開されるようだ。

全世界に指名手配されている、21人のアルカイダに対する報奨金は、全部で2億7700万ドルになる。このうちビンラディンとザワヒリを含む7人が、アフガニスタンに隠れているといわれる。

またある情報によると、FBIはこれらのメンバーは、今後、イラクに入ろうとするのではないかと警戒している。アフガニスタンからパキスタンを経由してイランに入る可能性があるという。またパキスタンの諜報部は、ラマザン(ラマダン)が始まり、飛行機を利用してムスリムたちがジェッダへ巡礼に出かけるために、旅行代理店を詳しく監視しているという。

hoonISI and FBI fail to stop Al Qaeda
Hameedullah Abid、ISLAMABAD


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003.